JP4126470B2 - 作業車における伝動構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体前後方向一方側の車体外方に作業装置を備えた作業車の伝動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋回半径の縮小化や操作容易性の向上、さらには、コスト低減等の為に、車輌前後方向長さを短くすることは、種々の作業車に対する共通した要望である。これは、車体前後方向一方側外方に作業装置を備えた作業車に対しても同様に望まれているが、斯かる作業車に対しては、これに加えて、PTO軸と前記作業装置の入力軸とを連結する伝動軸を可能な限り水平に設置することが望まれる。これは、前記伝動軸の連結部分における騒音防止や該部分の耐久性向上の為である。
【0003】
このような要望に応える作業車の伝動構造として、例えば、実開平5-56555号公報や特開平2-204135号公報には、プーリー等の動力伝達機構を用いて、PTO軸103を前車軸105より下方に下げて前車軸ケースの前端面から突出させたものが記載されている(図12におけるX参照)。これらの公報に記載のものは、PTO軸103をエンジン出力軸101aと略同一高さで前車軸ケース前端から突出させつつ伝動軸104の水平度を確保しようとすると、前記伝動軸104を長くしなければならず(図12におけるY参照)、これにより車輌全長が長くなる一方、PTO軸103をエンジン出力軸101aと略同一高さで前車軸ケース前端から突出させつつ車輌全長を短くしようとすると、前記伝動軸を傾斜させざるを得ず(図12におけるZ参照)、これにより該伝動軸の耐久性悪化等を招くことに鑑み、前記構成としたものである。
【0004】
しかしながら、前記従来の構成によると、エンジン出力軸(又はHST出力軸)及びPTO軸間にデファレンシャルギア装置が介在することとなって、両者間の動力伝達機構を前記デファレンシャルギア装置を回避するように構成しなければならず、そのため、該動力伝達機構が複雑になり、これにより、車輌コストの高騰やメンテナンス時における作業効率悪化を招くという不都合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、車体前後方向一方側の第1方向からこれと反対方向の第2方向に沿って、車体内にデファレンシャルギア装置,HST及び駆動源を備え、且つ、第1方向の車体外方に作業装置を備えた作業車において、前記作業装置駆動用のPTO軸及び該作業装置の入力軸を連結する伝動軸の水平度を維持しつつ、車体全長を短縮化し得る構造簡単な伝動構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、車体前後方向一方側の第1方向側からこれと反対側の第2方向側に沿って車体内に配設された,第1方向側の車軸を駆動するデファレンシャルギア装置、HST及び駆動源を備え、且つ、車体の第1方向外方に作業装置を備えた作業車における伝動構造であって、前記駆動源からの動力をHSTを介して前記デファレンシャルギア装置に伝達する走行系動力伝達経路、及び該走行系動力伝達経路から前記作業装置を駆動するPTO軸に動力を分岐伝達するPTO系動力伝達経路を備えた伝動構造において、前記デファレンシャルギア装置及びHST間にトランスミッションを設け、該トランスミッションは、ケーシングと、前記駆動源からの動力を受ける入力軸と、前記デファレンシャルギア装置に接続される出力軸とを有し、さらに、前記ケーシングは、前記デファレンシャルギア装置と向き合う本体部と、該本体部から車体幅方向一方側に延びた延在部とを有するものとし、前記PTO軸は、前記デファレンシャルギア装置から車体幅方向一方側に外れた位置で前記トランスミッション延在部から第1方向へ突設されると共に、前記トランスミッションケーシング内には、それぞれ、前記走行系動力伝達経路及び前記PTO系動力伝達経路を構成する走行系伝動機構及びPTO系伝動機構が備えられ、前記トランスミッション入力軸は、トランスミッションケーシングから第2方向へ突出して前記駆動源と軸連結され、前記HSTは、ケーシングと、第1方向端部が前記トランスミッション内に延びたポンプ軸を有する油圧ポンプと、第1方向端部が前記トランスミッション内に延びたモータ軸を有し、前記油圧ポンプと共働する油圧モータとを備えており、前記トランスミッションケーシング内に備えられた走行系伝動機構は、前記トランスミッション入力軸及びポンプ軸の第1方向端部を連結する歯車式伝動機構と、前記モータ軸の第1方向端部及び前記デファレンシャルギア装置を連結する歯車式伝動機構とを有するものであり、前記PTO系伝動機構は、前記トランスミッション入力軸及びPTO軸を連結する歯車式伝動機構である伝動構造を提供するものである。
【0007】
好ましくは、前記デファレンシャルギア装置を、トランスミッションケーシング本体部に収容させることができる。
【0008】
好ましくは、前記トランスミッションケーシング延在部を、本体部に対し着脱自在に取り付けられるものとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
以下に、本発明に係る伝動構造の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は、それぞれ、本実施の形態に係る伝動構造を適用したフロントマウント型モアトラクタの概略側面図及び概略平面図であり、図3は該モアトラクタにおける伝動構造部分の斜視図である。また、図4は本実施の形態に係る伝動機構を示す展開平面断面図であり、図5〜図7は、それぞれ、図4におけるA−A線,B−B線及びC−C線断面図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施の形態におけるモアトラクタ1は、前後方向一方側の第1方向及び該第1方向と反対側の第2方向を有する車体2と、該車体の第1方向側及び第2方向側に、それぞれ設置される左右一対の非操向型車輪3,3及び操向型車輪4,4と、これらの車輪3,3及び4,4の各々を支持し且つ前記車体2を支持する左右一対の第1方向側車軸5,5′及び第2方向側車軸6,6′と、前記車体2の第1方向外方に支持されたフロントモア7とを備えている。なお、以下の本実施の形態における説明においては、前記第1方向及び第2方向を、それぞれ、前方及び後方として説明する。
【0013】
前記車体2の前輪3及び後輪4間には、駆動源となるエンジン7が防震ゴム(図示せず)を介して設置されている。さらに、該車体2には、該エンジン7の前方に、エンジン出力を入力して変速を行うHST8,該HSTの油路が形成された油圧ブロック9及び前記HST8からの出力を受ける機械式トランスミッション10が順に設置されている。さらに、トランスミッション10の前方には、該トランスミッションからの出力を受けて前記一対の前車軸5,5′に動力を伝達するデファレンシャルギア装置11が配設されている。即ち、該デファレンシャルギア装置11、トランスミッション10、HST8及びエンジン7は、車体幅方向略中央部分において、車体前方から順に配設されている。
【0014】
前記トランスミッション10は、図2に示すように、デファレンシャルギア装置11と向き合う本体部分10aから車体幅方向一方側に延在した延在部10bを有している。該延在部10bの前方にはモア駆動用PTO軸21が突設されている。該PTO軸21は自在継手22,22′及び伝動軸23を介してモア入力軸24に連結されている。さらに、図2,図4及び図7に示すように、該延在部の後方には後輪駆動用出力軸31が突設されている。
【0015】
まず、このように構成されたモアトラクタにおける,エンジン7からHST8への伝動構造について説明する。図1及び図2に示すように、前記エンジン7は前方へ突出した水平出力軸41を有しており、該出力軸の先端は自在継手42を介して伝動軸43に連結されている。
【0016】
前記トランスミッション10は、図3及び図4に示すように、前ケーシング51a及び後ケーシング51bを有するケーシング51を備え、さらに、先端が前ケーシング51aに軸受支持され且つ後端が後ケーシング51bから後方へ突出した入力軸52を備えている。該入力軸52は前記エンジン出力軸41と略同軸とされており、後端が自在継手42′を介して前記伝動軸43に連結されている。前記ケーシング51内において、入力軸52には歯車53及び歯車54が相対回転不能に支持されている。
【0017】
前記HST8は油圧ポンプ71及び油圧モータ72を有しており、ポンプ軸73の回転を所望速度に変速してモータ軸74に出力し得るようになっている。該ポンプ軸73及びモータ軸74は共に車体前後方向に沿うように互いに平行に配列されており、好ましくは、図4に示すように、両軸を通る平面が略水平となるように配置される。斯かる構成によってHST8の高さ寸法を小さくでき、これにより、該HST8の上方で車体に設置されるシート等の取付位置を低くして車輌重心を下げることができる。前記ポンプ軸73及びモータ軸74の先端部分は、図4に示すように、HST8から前方へ突出しており、油圧ブロック9を貫通してトランスミッションケーシング51内に突入している。
【0018】
前記ポンプ軸73の突入部分には歯車55が相対回転不能に支持されている。該歯車55は前記トランスミッション入力軸52上の歯車53と噛合している。即ち、本実施の形態においては、トランスミッション入力軸52、該入力軸52に相対回転不能に支持された歯車53、及び該歯車53と噛合するようにポンプ軸73に相対回転不能に支持された歯車55が、エンジン出力を自在継手42,42′及び伝動軸43を介してHST8へ伝達する動力伝達機構を構成している。
【0019】
このように、本実施の形態においては、エンジン出力軸41をHST8より前方に位置するトランスミッション入力軸52と連結し、該トランスミッション入力軸52と前方突出のHSTポンプ軸73とを歯車53,55を介して連結して、エンジン7の動力をHST8の前方から入力するようにしており、これにより、以下の効果を得ることができる。
【0020】
即ち、ポンプ軸を後方へ突出させ、該後方へ突出させたポンプ軸とエンジン出力軸とを自在継手及び伝動軸を介して連結する従来の構成においては、エンジンが防振マウント処理されている都合上、HST後方壁とエンジン前方壁との間に自在継手を2個備える必要があり、そのため、エンジンをHSTから所定距離後方へ離間させる必要があった。従って、斯かる従来の構成においては、車輌自体の全長が長くなるという不都合を有していた。
【0021】
これに対し、本実施の形態においては、前述にように、エンジン7からHST8への動力伝達を、該HST8より前方に位置するトランスミッション10内の動力伝達機構を介してHST8の前方から行うように構成しているので、自在継手を2個使用しても、エンジン7をHST8に近接して配置させることができ、これにより、車輌全長の短縮化が可能になる。
【0022】
次に、HST8からデファレンシャルギア装置11への伝動構造について説明する。モータ軸74は、前述のように、前端部分が前方へ突出してトランスミッションケーシング51内に突入されている。トランスミッションケーシング51には、中間軸56が前記モータ軸74と同軸となるように、支持されている。該中間軸56には後端面から軸方向に沿った中央孔56aが形成されている。前記モータ軸74の前端部分は前記中間軸の中央孔56aに突入され、両軸は軸線回り相対回転不能にスプライン結合されている。
【0023】
中間軸56には歯車57が相対回転不能に支持されている。該歯車57は、トランスミッション出力軸58の軸方向略中央部分において該出力軸58に相対回転不能に支持された歯車59と噛合している。該トランスミッション出力軸58は、図4及び図6に示すように、前記ポンプ軸73と略同軸となるように、前方部分が前ケーシング51aによって且つ後端が前記ポンプ軸73上の歯車55に形成された中央孔55a内に突入されて、支持されている。該出力軸58の前端はトランスミッションケーシング51から前方へ突出して前車軸ケース13,13′内に突入している。該出力軸58の突入部分には出力ギア67が設けられており、該出力ギア67はデファレンシャルギア装置11の入力ギア12に噛合している。
【0024】
即ち、本実施の形態においては、トランスミッション10における,モータ軸74と軸線回り相対回転不能に連結された中間軸56、該中間軸56に相対回転不能に支持された歯車57、該歯車57と噛合する歯車59、該歯車59を相対回転不能に支持する出力軸58、及び該出力軸先端に設けられた出力ギア67が、モータ軸74からデファレンシャルギア装置11へ動力を伝達する走行系動力伝達機構を構成している。
【0025】
さらに、図4及び図6に示すように、前記トランスミッション出力軸58のうち歯車57より後方部分には、環状の連結部材60が相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持されている。該連結部材60は後端面(ポンプ軸73上の歯車55との対向面)に係合部60aが突設されており、外周面には径方向外方へ突出した環状の突起60bが形成されている。該連結部材60の環状突起60bにはシフター61(図4,図6参照)の一端が係合している。該シフター61の他端はトランスミッションケーシング50から外方へ突出しており、該シフター61の他端を操作することによって、前記連結部材60をトランスミッション出力軸58上で摺動させ得るようになっている。前記ポンプ軸73上の歯車55の前端面(連結部材60との対向面)には前記連結部材の係合部60aと係合し得る係合部55bが形成されている。従って、前記シフター61を操作して連結部材60を摺動させ、該連結部材の係合部60aを前記歯車の係合部55bと係合させることによって、両者を連結回転させることができる。
【0026】
このように、トランスミッション出力軸58をポンプ軸73と略同軸とし、さらに、該ポンプ軸73上の歯車55と連結回転させ得る連結部材60を前記トランスミッション出力軸58に設けたので、HST8に故障が発生した場合であっても、エンジン7から前車軸5,5′に動力を伝達することができる。即ち、HST8に故障が生じ、そのため、走行系動力伝達経路が遮断状態となり、車輌が走行不能状態になった場合であっても、前記シフター61を操作して連結部材60と前記歯車55とを連結させることによって、トランスミッション入力軸52,歯車53,歯車55,連結部材60及びトランスミッション出力軸58からなる緊急用の走行系動力伝達経路を形成することができる。従って、本実施の形態におけるモアトラクタは、万一、HST8が故障した場合であっても人力若しくは牽引車輌にて修理工場等まで運ぶ必要は無く、緊急用の前記走行系動力伝達経路によって車輌を走行させることができる。
【0027】
次に、トランスミッション入力軸52からPTO軸21への伝動構造について説明する。図7に示すように、前記PTO軸21は、先端が前記トランスミッション延在部10bから前方へ突出するように、前ケーシング51a及び後ケーシング51bによって車体前後方向に沿って支持されている。該PTO軸21にはクラッチ部材62を介して歯車63が支持されている。該歯車63は、アイドル軸64(図4参照)上の遊嵌歯車65を介して、前記トランスミッション入力軸52上の歯車54と噛合している。即ち、トランスミッション入力軸52上の歯車54、該歯車54と噛合する遊嵌歯車65、該遊嵌歯車65を支持するアイドル軸64、前記遊嵌歯車65と噛合する歯車63及びクラッチ部材62が、トランスミッション入力軸52からPTO軸21へ動力を伝達するPTO系動力伝達機構を構成している。
【0028】
なお、本実施の形態においては、図4及び図7に示すように、前記PTO軸21の後端に、前記クラッチ部材62と連動するブレーキ部材66を設け、クラッチを接続するとブレーキが解除され、逆に、クラッチを遮断するとブレーキが作動するように構成している。斯かるブレーキ部材66を備えることにより、モアへの駆動力の遮断と同時に該モアの回転をその慣性力に抗して停止させることができる。
【0029】
本実施の形態においては、前述のように、PTO軸21をトランスミッション延在部10bから突出させるようにしており、これにより、以下の効果を得ている。即ち、PTO軸を前車軸より上方位置で前車軸ケースから前方に突設させつつ、フロントモア先端までの距離を本実施の形態におけると同じにしようとすると、PTO軸とモア入力軸とを連結する伝動軸の傾きが大きくなる(図12におけるZ参照)。伝動軸の傾きが大きくなると、該伝動軸の耐久性が悪化すると共に、モアを昇降等する際の騒音増大を招くことになる。一方、PTO軸を前車軸より下方位置で前車軸ケースから前方に突設させるようにすると(図12におけるX参照)、伝動軸の傾きを抑えることはできるが、走行系動力伝達経路から動力を分岐してPTO軸まで動力を伝達するPTO系動力伝達機構が複雑となり、コストの高騰やメンテナンス性の悪化を招くことになる。
【0030】
これに対し、本実施の形態によれば、前車軸5,5′より後方に位置するトランスミッション10をデファレンシャルギア装置11と向き合う本体部分10aから幅方向一方側へ延在した延在部10bを有するものとし、PTO軸21を該延在部10bに突設支持させている。斯かる構成によれば、走行系動力伝達経路から動力を分岐させてPTO軸21へ伝達するPTO系動力伝達機構をトランスミッション10内において簡単な構造で形成することができると共に、PTO軸21を前車軸より後方へ配置させたことにより伝動軸23の傾きを抑えることができる。従って、伝動軸の傾きに起因する耐久性の悪化や騒音増大という不都合を招くことなく、前車輪及びフロントモア間隔を短くし得るモアトラクタを、安価に得ることができる。
【0031】
次に、後輪への伝動構造について説明する。図4及び図7に示すように、トランスミッション延在部10bの後端面下方部には、後輪駆動用出力軸81が突設されている。該後輪駆動用出力軸81は前後のケーシング51a,51bによって車体前後方向に沿うように支持されている。該後輪駆動用出力軸81はケーシング51内において歯車82を相対回転自在に支持している。後輪駆動用出力軸81と歯車82との間にはクラッチ83が間挿されている。前記歯車82は、トランスミッションの中間軸56に相対回転不能に支持された歯車57と噛合している。即ち、モータ軸56,該モータ軸に相対回転不能に支持された歯車57,該歯車と噛合する歯車82,該歯車82を支持する後輪駆動用出力軸81及び該後輪駆動用出力軸81と歯車82との間に位置するクラッチ83が、後輪への動力伝達機構を構成している。そして、図1に示すように、前記後輪駆動用出力軸81の後端が、エンジン7の下方に配設されたプロペラシャフト45に自在継手を介して連結されており、該プロペラシャフト45がリアアクスルケース47の入力軸46に自在継手を介して連結され、後車軸に動力が伝達されている。
【0032】
なお、本実施の形態においては、前述のように、後輪駆動用出力軸81と歯車82との間にクラッチを介在させているが、これは、前輪3,3′がスリップ等して後輪4,4′に所定以上の負荷が掛かった場合にのみ、後輪4,4′に駆動力を伝達し得るようにし、これにより、後輪4,4′のスリップによる地面の荒れ等を防止するためである。即ち、常時、4輪駆動とすると、車輌旋回時に、前輪及び後輪間における旋回半径差によって、操向車輪たる後輪がスリップし、これにより、地面が荒らされることとなる。これに対し、前記スリップを設けておけば、斯かる不都合を防止しつつ、前輪スリップ時には後輪によって車輌を駆動させることが可能になる。
【0033】
以上のように、本実施の形態においては、車体前方から順に、前車軸5,5′、トランスミッション10、HST8及びエンジン7を配設したフロントマウント型モアトラクタにおいて、エンジン7からHST8への動力伝達をトランスミッション10内に設けた機械式動力伝達機構を介してHST8の前方から行うように構成したので、エンジン7をHST8に近接配置させることができ、これにより、車輌全長の短縮化を図ることができる。
【0034】
また、前記トランスミッション10を車体幅方向一方側へ延在させ、該延在部10b前方からPTO軸21を突出させるように構成したので、PTO軸21とモア入力軸24とを連結する伝動軸23の水平度を確保しつつ、車輌全長の短縮化を図り得るモアトラクタを簡単な構造で安価に提供することができる。
【0035】
実施の形態2
以下に、本発明に係る伝動構造の第2の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図8は、本実施の形態に係る伝動構造を示す展開平面断面図であり、図9〜図11は、それぞれ、図8におけるD−D線,E−E線及びF−F線断面図である。なお、本実施の形態においても、前記実施の形態1におけると同様に、前車軸を駆動するデファレンシャルギア装置,HST及び駆動源(図示せず)が前方から後方に向かって順に配設され、且つ、車体前方側の外方にモアが配設されたフロントマウント型モアトラクタに適用される場合を例に説明する。また、前記実施の形態1におけると同一又は相当部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
図に示すように、前記デファレンシャルギア装置11及びHST8′間には、トランスミッション10′が設けられている。該トランスミッション10′はケーシング51′を有している。該ケーシング51′は、デファレンシャルギア装置11と車体幅方向略同位置で該デファレンシャルギア装置を収容する本体部分51a′と、該本体部分51a′から前記デファレンシャルギア装置11を避けるように車体幅方向一方側に延在した延在部51b′とが分離可能とされている。さらに、トランスミッション10′は、前記デファレンシャルギア装置11に連結される出力軸58′を備えている。
【0037】
前記HST8′は、後端部がHSTケーシング8a′から後方へ延びてエンジン出力軸41と軸連結されるポンプ軸73′を有する油圧ポンプ71′と、前端部が前記トランスミッションケーシング本体部分51a′内に突入されたモータ軸74を有し、前記油圧ポンプ71′と共働する油圧モータ72とを備えている。前記ポンプ軸73′は、前端部が前記トランスミッションケーシング本体部分51a′内に突入されており、エンジン7からの動力をトランスミッション10′に入力するトランスミッション入力軸52′としても作用している。
【0038】
前記トランスミッションケーシング延在部分51b′には、その前端部が前方へ延びるようにPTO軸21が設けられている。該PTO軸21は、トランスミッションケーシング51内に備えられた,歯車により構成されるPTO系動力伝達機構を介して、前記トランスミッション入力軸52′に連結されている。
【0039】
前記モータ軸74の前端部は、トランスミッションケーシング本体部分51a′内に備えられた,歯車により構成される走行系動力伝達機構によってデファレンシャルギア装置11の入力ギア12に連結されている。
【0040】
さらに、トランスミッションケーシング本体部分51a′の後壁下方には、図10〜図12に示すように、後輪駆動ユニットが90着脱自在に取り付けられている。該後輪駆動ユニット90は、ケーシング91と、後端部が後方へ延在するように該ケーシング91に突設された後輪駆動用出力軸81と、クラッチ83とを有している。該後輪駆動用出力軸81は、前記ケーシング91内に設けられた,歯車により構成される後輪駆動用動力伝達機構によって、デファレンシャルギア装置11の入力ギア12と連結されている。
【0041】
このような構成に係る伝動構造においては、前記実施の形態1におけると同様の効果、即ち、簡単な構造で、PTO軸21及びモア14入力軸を連結する伝動軸23の水平度を確保しつつ、車輌全長の短縮化を図ることができると共に、さらに、以下の効果を得ることができる。
【0042】
即ち、PTO軸21を支持するトランスミッションケーシング延在部分51b′を本体部分51a′に対し着脱自在としたので、PTO軸21を必要としない車輌との部品共用化を図ることができる。即ち、本実施の形態における構成によれば、本体部分51a′のみを有するトランスミッションを共用部品として用意しておき、作業装置用の動力を取り出す必要がある場合には、延在部分51b′,PTO系動力伝達機構,クラッチ部材62及びブレーキ部材66を有するPTOユニットを後付けすることができる。また、PTO軸21を後方へ突出させたい場合等の車輌の仕様変更にも容易に対応可能である。
【0043】
また、本実施の形態においては、後輪駆動ユニット90をトランスミッションケーシング本体部分51a′に対し後付け可能に構成しているいるので、この部分における部品共用化を図ることもできる。
【0044】
さらに、本実施の形態においては、デファレンシャルギア装置11を、トランスミッションケーシング本体部分51a′に収容するように構成しているので、デファレンシャルギア装置のケーシングを別途備える構成の実施の形態1に比して、材料費削減等によるコストの低廉化を図ることができる。
【0045】
なお、前記各実施の形態においてはフロントマウント型モアトラクタを例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、車体前後方向外方に作業装置を設けた種々の作業車に適用することができる。
【0046】
また、前記各実施の形態においては、各動力伝達機構を歯車によって構成したが、本発明はこれに限られるものでは無く、チェーン等種々の機械式動力伝達機構を用いることができる。
【0047】
さらに、前記各実施の形態においては、デファレンシャルギア装置11,トランスミッション10又は10′の本体部,HST8又は8′及びエンジン9を車体幅方向略中央に配置するようにしたが、これは、車輌バランスを考慮したものであり、本発明は斯かる配置に限られるものでは無い。即ち、前記構成部材の車体前後方向位置が前記順番である限り、これらの部材の車体幅方向設置位置は種々のものが適用できる。
【0048】
【発明の効果】
本発明に係る伝動構造によれば、駆動源からの動力を、HSTを介して第1方向側車軸を駆動するデファレンシャルギア装置に伝達する走行系動力伝達経路、及び該走行系動力伝達経路から作業装置を駆動するPTO軸に動力を分岐伝達するPTO系動力伝達経路を備えた作業車の伝動構造であって、前記デファレンシャルギア装置及びHST間に、該デファレンシャルギア装置と向き合う本体部分と、該本体部分から車体幅方向一端側に延在した延在部とを有するトランスミッションを備え、該トランスミッション延在部に前記PTO軸を設けると共に、該トランスミッション内に、それぞれ、前記走行系動力伝達経路及びPTO系動力伝達経路を形成する走行系伝動機構及びPTO系伝動機構を備えるようにしたので、PTO軸の配設位置を第2方向よりとすることができ、これにより、PTO軸及び前記作業装置入力軸を連結する伝動軸の水平度を確保しつつ車輌全長の短縮化を図り得る構造簡単な伝動構造を得ることができる。。
【0049】
前記延在部分を前記本体部分に対し着脱自在とすれば、前記トランスミッション本体部分を共用部品としておき、作業装置用の駆動力を取り出す必要がある場合には、前記延在部分を取り付ければ良いので、部品の在庫管理等が容易になると共に、車輌出荷後における仕様変更に容易に対応可能となる。
【0050】
また、デファレンシャルギア装置を前記トランスミッション本体部分に収容するように構成すれば、前記デファレンシャルギア装置用のケーシングを別途設ける必要がなく、材料費削減等によるコスト低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図l】図1は、本発明に係る伝動構造の第1の実施の形態を適用したフロントマウント型モアトラクタを概略的に示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示すフロントマウント型モアトラクタの概略平面図である。
【図3】図3は、図1に示すフロントマウント型モアトラクタにおける伝動構造部分の斜視図である。
【図4】図4は、本発明に係る伝動構造の第1の実施の形態を示す展開断面平面図である。
【図5】図5は、図4におけるA−A線断面図である。
【図6】図6は、図4におけるB−B線断面図である。
【図7】図7は、図4におけるC−C線断面図である。
【図8】図8は、本発明に係る伝動構造の第2の実施の形態を示す展開断面平面図である。
【図9】図9は、図8におけるD−D線断面図である。
【図10】図10は、図8におけるE−E線断面図である。
【図11】図11は、図8におけるF−F線断面図である。
【図12】図12は、従来のフロントマウント型モアトラクタを示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 モアトラクタ
2 車体
3,3′ 前輪
4,4′ 後輪
5,5′ 前車軸
7 エンジン
8,8′ HST
10,10′ トランスミッション
11 デファレンシャルギア装置
14 モア
21 PTO軸
41 エンジン出力軸
52,52′ トランスミッション入力軸
58,58′ トランスミッション出力軸
73,73′ HSTポンプ軸
74 HSTモータ軸

Claims (3)

  1. 車体前後方向一方側の第1方向側からこれと反対側の第2方向側に沿って車体内に配設された,第1方向側の車軸を駆動するデファレンシャルギア装置、HST及び駆動源を備え、且つ、車体の第1方向外方に作業装置を備えた作業車における伝動構造であって、前記駆動源からの動力をHSTを介して前記デファレンシャルギア装置に伝達する走行系動力伝達経路、及び該走行系動力伝達経路から前記作業装置を駆動するPTO軸に動力を分岐伝達するPTO系動力伝達経路を備えた伝動構造において、
    前記デファレンシャルギア装置及びHST間にトランスミッションを設け、
    該トランスミッションは、ケーシングと、前記駆動源からの動力を受ける入力軸と、前記デファレンシャルギア装置に接続される出力軸とを有し、さらに、前記ケーシングは、前記デファレンシャルギア装置と向き合う本体部と、該本体部から車体幅方向一方側に延びた延在部とを有するものとし、
    前記PTO軸は、前記デファレンシャルギア装置から車体幅方向一方側に外れた位置で前記トランスミッション延在部から第1方向へ突設されると共に、前記トランスミッションケーシング内には、それぞれ、前記走行系動力伝達経路及び前記PTO系動力伝達経路を構成する走行系伝動機構及びPTO系伝動機構が備えられ、
    前記トランスミッション入力軸は、トランスミッションケーシングから第2方向へ突出して前記駆動源と軸連結され、
    前記HSTは、ケーシングと、第1方向端部が前記トランスミッション内に延びたポンプ軸を有する油圧ポンプと、第1方向端部が前記トランスミッション内に延びたモータ軸を有し、前記油圧ポンプと共働する油圧モータとを備えており、
    前記トランスミッションケーシング内に備えられた走行系伝動機構は、前記トランスミッション入力軸及びポンプ軸の第1方向端部を連結する歯車式伝動機構と、前記モータ軸の第1方向端部及び前記デファレンシャルギア装置を連結する歯車式伝動機構とを有するものであり、
    前記PTO系伝動機構は、前記トランスミッション入力軸及びPTO軸を連結する歯車式伝動機構であることを特徴とする伝動構造。
  2. 前記デファレンシャルギア装置は、トランスミッションケーシング本体部に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動構造。
  3. 前記トランスミッションケーシング延在部は、本体部に対し着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作動車の伝動構造。
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