JPH068758Y2 - ウォーターベッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はウォーターベッドに関する。

〔従来の技術〕

従来から、水の優れたクッション性を利用して、柔軟性
を有する水バッグに水を充填して成るウォーターベッド
が、優れたクッション性を有する寝具として用いられて
きた。

従来のウォーターベッドは、合成樹脂シート等からなる
柔軟性のある水バッグ内部に単に水のみを封入したもの
が用いられてきたが、ベッドの横揺れや振動が起こり揺
動が長く続いたり、沈み込みが大きいという欠点があっ
た。

これらの欠点を改良したウォーターベッドとして、水バ
ッグの内部に揺動を防止するための種々の緩衝部材や沈
み込みを防ぐための発泡プラスチックフォーム等を充填
し、水とともに封入した構造が知られていた。

〔考案が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記従来のウォーターベッドはいずれも
ベッド上に使用者が仰臥した際に腰部の沈み込みが大き
く、固体のクッションを利用したベッド等と比べて感触
が大きく異なるために、初めてウォーターベッドを使用
する人には馴染みにくく、又使用者にとって腰部の沈み
込みが大きい場合、睡眠中の姿勢が極端に腰部の曲がっ
た状態となり、体に余計な負担がかかってしまうという
不具合があった。

また、腰部の沈み込みが大きくなって、底づきしてしま
うと、身体を水バッグ底部の間に水の層が全く無くなっ
てしまい、使用者には水の優れたクッション性が失われ
て、接触した材料の感触を与えてしまう。例えば水バッ
グ内部に水以外の充填物がないとクッション材の全くな
い状態と同じことになってしまい、使用感が低下してし
まう虞れがあった。

従って、従来のウォーターベッドはベッド全体の厚さを
薄く作ると底づきしてしまうために、予め腰部の沈み込
みを見込んで、腰部が底づきしない程度までにベッドの
厚みを充分に厚く取る必要があり、ベッドの大きさが大
きくなってしまい水の注入量が多くなり全体の重量も増
え、ベッドの移動などの取り扱いが不便になってしまう
という問題があった。

本考案は上記従来技術の欠点を改良しようとするもの
で、使用時の腰部の沈み込みを防ぎ、自然な仰臥姿勢を
保つことのできる優れた使用感を持つウォーターベッド
を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、水バッグ内部に水が封入されたウォーターベ
ッドであって、浮力を有するランバーサポートマットを
水バッグ内部の腰部位置に取りつけたウォーターベッド
である。

また本考案はランバーサポートマットにエアーマットを
用いることもできる。

またランバーサポートマットに合成樹脂発泡体を用いる
こともできる。

またランバーサポートマットに連続気泡を有する合成樹
脂発泡体を気密性シートで覆ったものを用いることもで
きる。

〔実施例〕

本考案を、図面に基き更に詳細に説明する。

本考案のウォーターベッド１は第１図に示す如く、水バ
ッグ２の内部に水が封入されたウォーターベッドであっ
て、水バッグ２内部の腰部位置にベッドに使用者が仰臥
した際に腰部を押上げて沈み込みを防止するための浮力
を有するランバーサポートマット３を取付けて構成され
る。尚４は注水栓である。

水バッグ２は、水を封入できる柔軟性のあるバッグで従
来公知の水バッグが使用できる。水バッグ２として例え
ば塩化ビニルシート等の合成樹脂シートを用いて高周波
溶着等で袋状に形成したものが挙げられる。

第２図に示すようにランバーサポートマット３は気密性
に優れたシート５の内部に空気を封入して密封したエア
ーマットを用いることができる。エアーマットは内部の
空気の浮力を利用したものであり、エアーマットは例え
ば塩化ビニル、ゴム、ポリスチレン、ポリウレタン等の
シートを用いて高周波溶着、熱溶着或いは接着等の方法
で袋状に形成して空気を封入したもの等が挙げられる。

又、ランバーサポートマット３はその厚さを変えると、
ランバーサポートマット３の浮力が変化して、ウォータ
ーベッド１に使用者が仰臥した際の使用者の腰部の沈み
込み深さが変化する。例えば、ランバーサポートマット
３の厚みを厚くすると浮力が大きくなり腰部の沈み込み
深さをより小さくすることができる。従って、所望の沈
み込み深さに応じてランバーサポートマット３の厚さを
変えてベッドとしての使用感を任意に調節することがで
きる。

ランバーサポートマット３の寸法は腰部の位置を覆う大
きさがあればよく、通常、幅はベッドの規格幅の1/2〜
全幅、長さは３００〜８００mm程度、厚さは１０〜１０
０mm程度である。

ランバーサポートマット３を設ける位置は、ウォーター
ベッドに使用者が仰臥した際に、使用者の腰部が来る位
置に対応するところであればよい。尚本考案で腰部と
は、臀部までを含む腰部周辺を示す。また水バッグ２内
部へのランバーサポートマット３の取付けは、水バッグ
２の上内面と糸で縫合する方法や接着剤を用いた接着等
により行うことができる。ランバーサポートマット３の
幅が水バッグ２の内幅一杯であれば、水バッグ２の上内
面に固着する必要はない。

またランバーサポートマット３として合成樹脂発泡体を
用いることもできる。合成樹脂発泡体は形状保持性が良
好であり、水バッグ内部で水圧が加わった場合に表面の
平面性を維持することができるために、使用者の腰部の
感触が良好であり好ましい。

また本考案は第３図に示すように、合成樹脂発泡体６を
気密性シート７で覆ったランバーサポートマット３を用
いることもできる。

尚、合成樹脂発泡体には連続気泡の発泡体と独立気泡の
発泡体があるが、発泡体単独の状態で使用する場合は独
立気泡の発泡体がそのままの状態でも浮力を有する点か
ら用いることができる。又連続気泡の発泡体の場合は、
気密性シートで覆うことにより気泡内部へ水が吸収され
て浮力が低下することを防止でき経時的な空気保持の安
定性も良いランバーサポートマットが得られる。

ランバーサポートマット３は連続気泡の合成樹脂発泡体
６を気密性シートで覆ったものが、浮力を安定的に付与
でき使用感も良好な点から最も好ましい。

上記の合成樹脂発泡体は、従来公知の合成樹脂発泡体を
用いることができる。これらの合成樹脂発泡体は例えば
ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリス
チレンフォーム等の独立気泡構造や連続気泡構造のもの
が挙げられ、好ましくはポリウレタンフォームが感触の
良さ、フォームの復元性に優れること等の理由で用いら
れる。

本考案のウォーターベッド１は第４図に示すように、水
の移動を防いで揺動を防止するための緩衝部材８用い
て、緩衝部材８の下面側の腰部位置にランバーサポート
マット３を取付けた構成をとることもできる。

緩衝部材８は従来公知の揺動防止に用いられる緩衝部材
であれば特に限定されずに用いることができ、緩衝部材
８として例えばポリウレタンフォーム、ポリエチレンフ
ォーム、合成樹脂ファイバー、グラスファイバー等が挙
げられる。尚この場合ランバーサポートマット３を取り
付ける位置は、緩衝部材８の上面側でもよく、さらに緩
衝部材８を２層以上複数層設けた場合はその層間の何れ
でもよく腰部位置に取付けてあれば本考案の効果は発揮
される。

又ランバーサポートマット３を取付ける際、ランバーサ
ポートマット３を水バッグ２内部の表面側に直接取付け
た場合は、ランバーサポートマット３の存在感を使用者
が感じるが、ランバーサポートマット３を第４図に示す
如く緩衝部材８の下面側に取り付けたように水バッグ２
の上内面に間接的に取りつけた場合は、ランバーサポー
トマット３の存在感がなくなり使用感は向上する。

本考案のウォーターベッド１はランバーサポートマット
３を水バッグ２内部に複数個に分割して取付けることも
できる。この場合ランバーサポートマット３は複数個を
平面的に取付けても重ねあわせて取付けてもどちらでも
よい。

本考案のウォーターベッド１を使用に当たっては、第５
図に示すようにウォーターベッド１に使用者９が仰臥し
た際に、ベッド表面の荷重分布が腰部から臀部にかけて
最も大きくなるために、腰部付近の水が移動して大きく
沈み込もうとするが、ランバーサポートマット３の浮力
により腰部付近の部分が押し上げられて沈み込みを抑え
るために、使用者は腰部が沈み込まずに楽な仰臥姿勢を
とることができる。

〔考案の効果」 本考案ウォーターベッドは、水バッグ内部の腰部位置に
浮力を有するランバーサポートマットを取りつけたこと
により、従来のランバーサポートマットを取りつけない
ウォーターベッドに比較して、使用者がベッド上に仰臥
した際にランバーサポートマットの浮力により使用者の
腰部が押し上げられて腰部の沈み込みを防いで楽な仰臥
姿勢をとることができるために使用者の体に無理な負担
をかけずに、ウォーターベッドを初めて使用する人にも
違和感を与えることがない。また本来のウォーターベッ
ドの優れたクッション性を低下することもなく良好な使
用感を与えることができる。

またベッドの腰部の部分だけ大きく沈み込みむことがな
いために、ベッドの厚みを薄くしても腰部の底づきが起
こらないために、ウォーターベッド全体の厚みを薄く形
成することができ、水バッグ内部の水の注入量を減ら
し、ウォーターベッドの組立や移動等の取り扱いが容易
になる。

更にランバーサポートマットに合成樹脂発泡体を用いた
場合は、合成樹脂発泡体は浮力を有していることに加え
て形状維持性がよいために、水バッグ内部で水圧や荷重
が加わった場合でも形状を保持できるので、沈み込みを
防止する効果を安定して発揮することができる。

また上記の合成樹脂発泡体の中でも連続気泡の発泡体を
用いて気密性シートで表面を覆ったランバーサポートマ
ットを使用した場合、連続気泡の合成樹脂発泡体のため
に水圧や荷重により圧縮力を受け気泡が潰れて浮力が低
下する虞れがなく、更に気密性シートにより覆われてい
ることにより水が浸漬して気泡内部へ水が吸収され空気
の放出が起こる虞れもないために、経時的に浮力の低下
を起こさずに長期間に渡り沈み込み防止効果を有する使
用感の優れたウォーターベッドを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案ウォー
ターベッドの斜視図、第２図は第１図におけるII−II線
縦断面図、第３図はランバーサポートマットの一部切り
欠き斜視図、第４図は本考案の他の実施例を示す縦断面
図、第５図は本考案ウォーターベッド使用例の説明図で
ある。 １……ウォーターベッド ２……水バッグ ３……ランバーサポートマット ６……合成樹脂発泡体 ７……気密性シート

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水バッグ内部に水が封入されたウォーター
   ベッドであって、浮力を有するランバーサポートマット
   を水バッグ内部の腰部位置に取りつけたことを特徴とす
   るウォーターベッド。
2. 【請求項２】ランバーサポートマットがエアーマットで
   ある請求項１記載のウォーターベッド。
3. 【請求項３】ランバーサポートマットが合成樹脂発泡体
   である請求項１記載のウォーターベッド。
4. 【請求項４】ランバーサポートマットが連続気泡を有す
   る合成樹脂発泡体を気密性シートで覆ったものである請
   求項１記載のウォーターベッド。