JPH0687469B2 - 電子部品を有する樹脂成型体の製造方法 - Google Patents

電子部品を有する樹脂成型体の製造方法

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JPH0687469B2
JPH0687469B2 JP62160465A JP16046587A JPH0687469B2 JP H0687469 B2 JPH0687469 B2 JP H0687469B2 JP 62160465 A JP62160465 A JP 62160465A JP 16046587 A JP16046587 A JP 16046587A JP H0687469 B2 JPH0687469 B2 JP H0687469B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、電子部品の位置ずれの生じない電子部品を
有する樹脂成型体の製造方法に関するものである。
<従来の技術> 以下に、電子部品を有する樹脂成型体の一例として、IC
カードを例にとり説明する。
ICカードとは、クレッジットカードや銀行カードなど、
ストライプ状の磁気記録層に所有者コードや特定暗号情
報などが磁気記録されたいわゆる磁気カードに代わるも
のとして、カード本体に外部からの入力信号に応じて動
作し、あらかじめ組み込まれた識別情報を出力するCPU
やRAMなどで構成されたICモジュールを内蔵したもの、
あるいはフロッピーディスクに代わってファイル管理や
データ管理・ゲームソフトなど外部記憶装置として使用
されるもの、あるいはプログラムカードとしてICチップ
をプリント回路基板に実装してパッケージ化されたもの
などがある。その外観はカード状であり、接点を露出し
たものあるいは電磁誘導などでデータの入出力を行う無
接点のものもある。
このようなICカードの製造方法は、第6図に示すよう
に、カード基板31の凹部32にICモジュール33を収納し、
絶縁基板34を接着剤によりカード基板31に接着して該カ
ード基板31の表裏両面を外装フィルム35で覆うという方
法であった。
この方法では、気密性を保ちICモジュールの飛び出しを
防止するために、カード基板の凹部32とICモジュール33
および絶縁基板34のサイズを非常に精度よく仕上げる必
要がある。しかし、その製造は非常に困難であるため、
通常は凹部32のICモジュール33との空隙部に接着剤を充
填したりしているが、充填する接着剤が少なすぎたり、
多すぎてはみ出したりし、適量に管理するのが非常に困
難であるとともに、耐久性や気密性の点でも決して満足
の得られるものではなかった。
このような問題点を解決する方法として、第7〜8図に
示すように、射出成形法を利用する製造方法がある。IC
モジュール40や基板37を真空吸引や金型内に設けられた
ガイドピン39などで金型36内に固定し、次いで熱可塑性
樹脂を金型36内に射出してカード化する方法であった。
<発明が解決しようとする問題点> このような射出成形法は、ICモジュールや部品が実装さ
れたプリント基板などの電子部品を金型内に設置する方
法として、真空吸引38を行ったり、あるいはガイドピン
39を立てて固定している。
しかし、真空吸引にて固定する場合、その吸引圧は大気
圧の1.0332Kg/cm2を上回ることはない。これに対して射
出成形による溶融樹脂の圧力は、10Kg/cm2以上でなけれ
ば溶融樹脂は流動性を損ない、正常な状態で成形できな
い。したがって、真空吸引では、電子部品が射出された
樹脂圧力に押され、金型内に完全に固定されず、大きく
位置ずれを起こすものであった。
また、ガイドピン39を立てて固定する場合、成形された
樹脂成型体にガイドピンの跡が凹部として残るため、著
しく外観が損なわれる。したがって、ガイドピンにて発
生した穴を接着剤で埋めるという工程を要し、従来の方
法と同様に接着剤の適量を管理する必要が生じるもので
あった。
この発明の目的は以上のような問題点を解決し、電子部
品の位置ずれの生じない電子部品を有する樹脂成型体の
製造方法を提供することにある。
<問題点を解決するための手段> この発明は、以上の目的を達成するために、次のように
構成した。すなわちこの発明は、成形時の射出圧力より
も大きい煎断強度の接着剤にて電子部品が固定された剥
離性を有する基体フィルムを、電子部品が金型のキャビ
ティ内の所定位置に設置されるように、金型のキャビテ
ィ外で固定した後、上記キャビティ内に熱可塑性プラス
チックを射出成形して上記電子部品と一体化し、次いで
基体フィルムを剥離することを特徴とする電子部品を有
する樹脂成型体の製造方法である。
図面を参照しながらこの発明を詳細に説明する。
第1図はこの発明の電子部品を有する樹脂成型体の製造
方法の一実施例を示す断面図である。1は基体フィル
ム、2は接着剤、3は電子部品、4は金型、5はフィル
ムクランプ装置である。
まず、基体フィルム1に接着剤2を用いて電子部品3を
固定する。
剥離性を有する基体フィルム1としては、ポリエステル
・ナイロン・ポリプロピレン・ポリエチレンなどのフィ
ルムで、金型キャビティーよりも大きい面積のものを使
用する。また、連続的に樹脂成型体を製造する場合は長
尺のものを用いるとよい。剥離性をさらに付与する手段
としては、離型ワックスをコートしたり、エポキシ系・
メラミン系・セルロース系・ウレタン系・ポリエステル
系・アクリル系樹脂のうち1種もしくは2種以上の混合
物をコーティングするとよい。望ましくは、ポリエステ
ルフィルムにエポキシ樹脂とメラミン樹脂の混合物をコ
ーティングして剥離性を付与した基体フィルムがよい。
接着剤2としては、アクリル系・ウレンタン系・エポキ
シ系・アミン系樹脂の少なくとも1種もしくは2種以上
の混合物を用いるとよい。一つの目安として、電子部品
を封止する時の射出成形時の圧力は、20〜200kg/cm2
適当であるため、接着剤の煎断強度は溶融樹脂の射出圧
力に応じてそれより大きめのものを用いるとよい。望ま
しくは、アクリル系樹脂とアミン系樹脂の混合物を用い
るよい。
こうして得た電子部品3が固定された基体フィルム1
を、金型4の所定の位置に設置する。基体フィルム1を
所定の位置に設置するには、あらかじめ基体フィルムに
光電管マークを設けておいてセンサーにて検知して位置
決めを行う方法や、あるいは金型内に設けたセンサーに
て直接電子部品を検知して位置決めを行う方法などがあ
る。
基体フィルム1の設置を完了した後、基体フィルム1を
金型4のキャビティー外で固定する。基体フィルム1の
固定方法としては、金型内にフィルムクランプ装置5を
設けたり、セロテープで仮止めし、型閉じを利用して金
型のパーティング面でフィルムと挟み込んで固定しても
よい。
次いで金型を閉じ、金型4内に熱可塑性プラスチックな
どを射出成形して樹脂成型体を成形する。
次いで金型4から樹脂成型体を取り出し、樹脂成型体か
ら基体フィルム1を剥離する。
<実施例> 以下、この発明の実施例を示す。
実施例1 2軸延伸ポリエテスルフィルムに次の組成1の剥離付与
剤をあらかじめグラビア印刷法にてコートした基体フィ
ルム11のICモジュールが固定される位置に、所定の接点
形状をパンチで打ち抜いた。
組成1 (重量部) アクリル系樹脂 15部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 35部 次いで、ICモジュール13を該基体フィルムに組成2の接
着剤12にて固定した。
組成2 (重量部) アクリル系樹脂 20部 アミン系化合物 75部 アセトン 5部 こうして得られた上記ICモジュール13が固定された基体
フィルム11を金型内に型内センサー14にて位置合わせ
し、クランプ装置15で固定した。射出成形した後、基体
フィルム11を剥離し、接点を有するICカード16を得た
(第2〜3図参照)。
実施例2 2軸延伸ポリエステルフィルムに次の組成3の剥離付与
剤をあらかじめグラビア印刷法にてコートした基体フィ
ルム21に、フラットパッケージやコンデンサ・ダイオー
ドなどを表面実装したプリント回路基板22を組成4の接
着剤23にて固定した。
組成3 (重量部) エポキシ樹脂 23部 メラミン樹脂 7部 トルエン 30部 キシレン 20部 イソプロピルアルコール 20部 組成4 (重量部) アクリル樹脂 50部 変性アクリル樹脂 50部 こうして得られたプリント回路基板22が固定された基体
フィルム21を射出成形金型内に型内センサー24にて位置
合わせし、クランプ装置25で固定した。射出成形した
後、基体フィルム21を剥離し、両面に化粧用ラミネート
フィルム26を貼り付け、ICカード27を得た(第4〜5図
参照)。
<発明の効果> この発明は、ICカードにおけるカード基体などのプラス
チック基体を射出成形する際、成形時の射出圧力よりも
大きい煎断強度の接着剤にて電子部品が固定された剥離
性を有する基体フィルムを、電子部品が金型のキャビテ
ィ内の所定位置に設置されるように、金型のキャビティ
外で固定した後該電子部品を一体成形するので、10kg/c
m2以上の射出圧力に押されても、電子部品が所定位置に
完全に固定され、電子部品の位置ずれが生じない。また
気密性に優れた信頼性の高い樹脂成形体が容易な工程で
得られる。
【図面の簡単な説明】
第1・2・4図はこの発明の電子部品を有する樹脂成型
体の製造方法の一実施例を示す断面図である。第3・5
図はこの発明によって製造された電子部品を有する樹脂
成型体の一実施例を示す断面図である。第6〜8図は従
来の電子部品を有する樹脂成型体の製造方法の一実施例
を示す断面図である。 1…基体フィルム、2…接着剤、3…電子部品、4…金
型、5…フィルムクランプ装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形時の射出圧力よりも大きい煎断強度の
    接着剤にて電子部品(3)が固定された剥離性を有する
    基体フィルム(1)を、電子部品(3)が金型(4)の
    キャビティ内の所定位置に設置されるように、金型
    (4)のキャビティ外で固定した後、上記キャビティ内
    に熱可塑性プラスチックを射出成形して上記電子部品
    (3)と一体化し、次いで基体フィルム(1)を剥離す
    ることを特徴とする電子部品を有する樹脂成型体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】上記電子部品(3)が、プリント回路基板
    上に部品が表面実装されたものである特許請求の範囲第
    1項に記載の電子部品を有する樹脂成型体の製造方法。
  3. 【請求項3】上記電子部品(3)が、ICモジュールであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の電子部品を有する樹脂
    成型体の製造方法。
  4. 【請求項4】上記接着剤が、アクリル系・ウレタン系・
    エポキシ系・アミン系樹脂のうち1種もしくは2種以上
    の混合物よりなる特許請求の範囲第1項に記載の電子部
    品を有する樹脂成型体の製造方法。
  5. 【請求項5】上記基体フィルム(1)が、ポリエステル
    フィルムにエポキシ系・メラミン系・セルロース系・ウ
    レタン系・ポリエステル系・アクリル系樹脂のうち1種
    もしくは2種以上の混合物を塗布したものである特許請
    求の範囲第1項に記載の電子部品を有する樹脂成型体の
    製造方法。
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FR2796880B1 (fr) * 1999-07-26 2002-06-14 Europlastiques Sa Produit realise par injection de matiere plastique dans un moule et incorporant une etiquette electronique
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