JPH0687335B2 - カセツトホルダ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明はカセツトホルダに関し、特にカセツトを挿入す
るための位置と、該カセツトを使用するための位置とを
移動可能でかつ、カセツトの不正挿入を防止するための
手段を備えるカセツトホルダに関するものである。

＜従来の技術＞ 従来よりVTR等で用いられているカセツトホルダにあっ
ては、テープカセツトの後端面側からの挿入もしくは裏
返し状態による挿入等の不正挿入を防止するための手段
が設けられているものが多い。その一例として、カセツ
トの下面にその前端面倒にのみ開口する挿入方向に沿っ
た切欠部を設ける一方、カセツトホルダにはこの切欠部
に陥入する突起部をホルダ底板に設ける手法が知られて
いる。上述の如く構成することによって、カセツトが正
しく挿入された時にはホルダの突起部がカセツトの切欠
部に陥入して、カセツトのホルダへの挿入を可能とし、
不正挿入時にはカセツトの端部が前記突起部に当接する
ことでこれを防止することができるものである。

ところでこの時カセツトの上面がホルダに対して全く位
置規制されていなければカセツトは前記突起部を乗り越
えてカセツトホルダに挿入されてしまうことになる。そ
のため一般にカセツトの上面についてもカセツトホルダ
に対して位置規制を行い、上述の如き事態が招かない様
構成されている。例えば本願出願人が先に出願した実願
昭59年200501号にて上述の様な構成が開示されている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ ところが、前述の位置規制を行う場合、カセツトが正し
く挿入された際にもこの位置規制が行われることにな
る。従ってこの場合に於いてもホルダに対するカセツト
の上下方向への自由度が乏しくなってしまう。つまりカ
セツトに設けられた切欠部の深さ以上の自由度は得られ
ない。

一方、VTR等の装置でカセツト内からテープを引き出し
記録再生を行う場合には装置の基板に対して正確な位置
決めが必要である。そのためこの様な記録再生時、即
ち、カセツト使用時に於いては装置のシヤーシに取付け
られた位置決め部材によりカセツトの装置に対する位置
を正確に出す様構成している。

この時ホルダに対するカセツトの上下方向の自由度が小
さければ、カセツトホルダ自体も前述の切欠部の深さに
対する程度の精密さをもって装置本体に位置決めされね
ばならず、極めて精密な加工技術を必要とする。また、
これに伴い、ホルダ本体には頑丈な材質を用いねばなら
ず、装置の軽量化の妨げとなっていた。

更には、一般にカセツトホルダを装置本体に対して位置
決めする場合、カセツト使用位置からカセツト挿入位置
の方向に付勢されたホルダ側の係合部を装置本体にロツ
クさせるのであるが、このロツクのためカセツトホルダ
をカセツト使用位置に通り過ぎる位置にまで一旦動かさ
ねばならない（オーバーストロークと称す）。このオー
バーストロークの量も前述のカセツトホルダ内でのカセ
ツトの自由度により決められるが、前述の位置規制に伴
い、このオーバーストローク量も小さくせねばならな
い。このことによりロツク機構を精密化せねばならず、
かつまたロツク機構の軽量化の妨げとなっていた。

本発明は上述に代表される如き問題点に鑑み、カセツト
の不正挿入を確実に防止できると共にホルダ各部の精密
加工によるコストアツプを抑制し、かつ軽量化を図るこ
とのできるカセツトホルダを提供することを目的として
いる。

＜問題点を解決する手段＞ 本発明においては、上述の問題点に鑑み、カセットを挿
入するための開口部を有し、カセットを挿入するための
位置と、前記カセットを使用するための位置との間を移
動可能なカセットホルダに、カセットの不正挿入を防止
するため前記カセット下面に対向する底板に設けられた
突起部と、カセット挿入方向において前記開口部と前記
突起部との間に配され、前記カセットの上面を押させる
方向に付勢される押圧部材と、この押圧部材を前記挿入
位置において前記ホルダに対して位置規制し、前記使用
位置においてはその規制を解除する可動部材とを設けて
いる。

＜作 用＞ 上述の如き構成に於いて、ホルダがカセツト使用位置に
ある場合にはホルダ内でのカセツトの上下方向の自由度
が大きくなり、これに伴ってホルダ各部の精密加工によ
るコストアツプの抑制ができ、軽量化が図れる様になっ
た。

＜実施例＞ 以下、上記の目的を達成するため本発明に於て講じた手
段について実施例により例示説明する。

先ず第２図（ａ），（ｂ）により本発明の一実施例が対
象とする磁気テープ・カセツトについて説明するに、図
中、カセツトはその全体を１で示してある。２はカセツ
ト本体、３は軸７によりカセツト本体２の前部に回動可
能に取り付けられたテープ引き出し用開口に対する回動
蓋で、通常は図示の閉成状態で不図示のロツク爪により
ロツクされている。５はこのロツク爪に連なるロツク解
除操作部材で、カセツト本体２の左側面にカセツト１の
挿入方向Ａに沿ってその前端面側から回動蓋３を稍々過
ぎた位置まで形成されている挿入規制溝2aに望んで配設
されている。回動蓋３はカセツト１の挿入方向Ａに沿っ
て前方へ下ったテーパ面3aを有している。4a及び4bはテ
ープ・リールを示し、又、６（第２図（ａ））はカセツ
ト本体２と蓋３との間の隙間を示す。

以下、上述の如きテープカセツトを対象とした本発明の
一実施例としてのカセツトホルダについて第１図
（ａ），（ｂ）を用いて説明する。第１図（ａ）はテー
プカセツト挿入位置に於けるカセツトホルダの状態を示
し、第１図（ｂ）はテープカセツト使用位置に於けるカ
セツトホルダの状態を示している。

図中10はカセツトホルダ本体、11はVTR等の装置本体の
シヤーシに固定されたフレーム、12はシヤーシに対する
カセツトの位置決めを行うためシヤーシに固定された位
置決め部材である。13,14は夫々ホルダ本体10をカセツ
ト挿入位置からカセツト使用位置へ移動するためのレバ
ーである。

レバー13の一端13aはフレーム11に対し固定されてお
り、他端13bは凸部13cがホルダ本体10の開口10aに沿っ
て移動することによりホルダ本体10に対し移動可能とな
っている。またレバー14の一端14aはホルダ本体10に固
定されており、他端14bは凸部がフレーム11の開口11aに
沿って移動することによりフレーム11に対し移動可能と
なっている。またレバー13,14はジヨイント15により互
いに回動自在に固定されている。

ここで第１図（ａ）に示す状態からホルダ本体10を矢印
A1の方向に動かすと、凸部13cは開口10a内を矢印A2の方
向に移動し、凸部14cは開口11a内を矢印A3の方向に移動
する。尚、図示していないが、ホルダ本体はフレーム11
に対し図中上方に付勢されているものである。これによ
ってホルダ本体11はカセツト挿入位置からカセツト使用
位置に移動する。尚第１図（ｂ）に於いてはフレーム11
は図示を省略している。

さて、第１図（ａ）に示すカセツト挿入位置に於いて図
示の如くカセツトを不正挿入しようとした場合、挿入方
向に対してカセツト２の先端がホルダ本体10の底板に設
けられた突起部16に当接する。

一方、カセツト２の上面は押圧部材17により下方に押圧
される。押圧部材17は軸19によりホルダ本体10に回動可
能に取付けられており、バネ18によって矢印A4に付勢さ
れ、カセツト２の上面を下方に押圧する。

また押圧部材17に設けられた凸部17aはホルド本体10の
楕円状窓10cから外部へ突出しており、カセツト挿入位
置に於いては第１図（ａ）に示す如くレバー13に設けら
れたカギ状部13dに当接することによって、これ以上上
方への移動が禁止される。即ち押圧部材17はカギ状部13
dにより位置規制されている。これによってカセツト２
を不正挿入しようとした場合突起部16と押圧部材17によ
って確実にこれを防止することができている。

カセツト２を正しく挿入し、カセツトホルダ10をカセツ
ト使用位置へと移動するとホルダ底面の開口10bを介し
てカセスト２の下面に位置決め部材12が当接し、シヤー
シに対するカセツトの位置を正確に決定している。この
時前述のカギ状部13dによる押圧部材17の位置規制はレ
バー13は移動することにより解除されており、押圧部材
17は楕円状窓の許す範囲で回動可能となる。

上述の如く構成することによって、カセツト挿入位置に
於いてはカセツトの不正挿入を確実に防止でき、かつカ
セツト使用位置に於いてはホルダ本体10に対するカセツ
ト２の上下方向位置の自由度が大きくなる。そのためホ
ルダ10のシヤーシに対するロツク位置についてはさほど
精密でなくともカセツト２は確実に所定位置に位置決め
できる。またオーバーストロークも大きくとれるため、
ホルダ各部の構成の簡略化、軽量化が図れる様になっ
た。

20はカセツト挿入方向を規制する上板であり、図示の如
き反り20aが加えられている。この反りはカセツト取出
時に於いて回動蓋３が完全に閉成していなかった場合
に、蓋が上板２に引っ掛かり取出しを妨げることがない
様にするため設けられたものである。

＜発明の効果＞ 上述の実施例により明らかな如く、本発明によればカセ
ツトの不正挿入を確実に防止でき、かつ構造の簡単化及
び軽量化の図れるカセツトホルダを得ることができるも
のである。

また、ホルダに挿入されたカセットが誤挿入された場合
であっても、カセットの先端がホルダの底板に設けられ
た突起部に当接した際に、可動部材によって押圧部材が
ホルダに対して位置規制されているので、カセットが前
記突起部に乗り上げることがない。

したがって、押圧部材によって押圧されているカセット
が乗り上げた突起部と摺接することによって損傷するこ
とを防止することができる。

しかも、挿入されたカセットは、突起部に当接するとそ
れ以上は挿入されないので、誤挿入を早い段階で検出で
き、必要以上にカセットを挿入することなく抜き出すこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は本発明の一実施例としてのカセツトホル
ダのカセツト挿入位置に於ける状態を示す図、 第１図（ｂ）は本発明の一実施例としてのカセツトホル
ダのカセツト使用位置に於ける状態を示す図、 第２図（ａ），（ｂ）は本実施例のカセツトホルダが対
象とするテープカセツトを示す図である。 図中２はテープカセツト本体、３は回動蓋、10はカセツ
トホルダ本体、10a,10b,10cは夫々開口、11はシヤーシ
に取付けられたフレーム、12は位置決め部材、13,14は
夫々回動レバー、13dは移動部材としてのカギ状態、15
はジヨイント、16はホルダの底板に設けられた突起部、
17は押圧部材、20は上板である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カセットを挿入するための開口部を有し、
   カセットを挿入するための位置と、前記カセットを使用
   するための位置との間を移動可能なカセットホルダであ
   って、 カセットの不正挿入を防止するため前記カセット下面に
   対向する底板に設けられた突起部と、 カセット挿入方向において前記開口部と前記突起部との
   間に配され、前記カセットの上面を押させる方向に付勢
   される押圧部材と、 この押圧部材を前記挿入位置において前記ホルダに対し
   て位置規制し、前記使用位置においてはその規制を解除
   する可動部材と、 を備えたことを特徴とするカセットホルダ。