JPH0687077B2 - 熱蛍光線量測定方法および装置 - Google Patents

熱蛍光線量測定方法および装置

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JPH0687077B2 JP26587788A JP26587788A JPH0687077B2 JP H0687077 B2 JPH0687077 B2 JP H0687077B2 JP 26587788 A JP26587788 A JP 26587788A JP 26587788 A JP26587788 A JP 26587788A JP H0687077 B2 JPH0687077 B2 JP H0687077B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱蛍光線量計素子を用いて放射線の被曝量を測
定する熱蛍光線量測定方法および装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 周知のように熱蛍光体蛍光性(以下TL蛍光体という)
は、放射線を被曝した後に加熱されると、被曝した放射
線量に比例した熱蛍光(以下TLという)を発するもので
あり、熱蛍光線量計(以下TLDという)は、このTL蛍光
体からなる熱蛍光線量計素子(以下、TLD素子という)
と、放射線が照射された上記TLD素子を加熱し、該TLD素
子から発せられた蛍光を光電的に検出し、その検出値に
基づいて放射線被曝量を表示する熱蛍光線量測定装置
(以下、TLD測定装置という)とからなっている。
ところで、上記TLD測定装置において信頼性の高い放射
線の被曝量測定を行なうためには、被曝した放射線量が
一定である場合に、加熱により前記TLD素子から発せら
れる発光量は略一定であることが必要である。しかしな
がら実際には上記TL蛍光体の放射線吸収特性は、放射線
量測定の基準となる空気の放射線吸収特性と異なるた
め、放射線が照射されたTLD素子の加熱時の応答性は、
放射線のエネルギーによつて変化してしまい、TL蛍光体
の被曝線量が同じであっても、放射線のエネルギーが大
きい場合と小さい場合とではTL蛍光体から発せられる光
量には差が生じてしまう。例えば実効原子番号の大きい
TL蛍光体であるCaSO4やCaF2を用いた場合には、エネル
ギーが40KevのX線に対する応答性はエネルギーが1.33M
evの60Cγ線に対する応答性の約10倍にもなってしま
う。なお、放射線吸収特性が空気と比較的類似する実効
原子番号が小さいLiF、BeOといったTL蛍光体は、応答の
エネルギー依存性は小さいが、これらのTL蛍光体は感度
が低いため、低線量の放射線測定には適さない。
そこで、感度が高くまた放射線のエネルギー依存性も高
いTL蛍光体を備えたTLD素子を用いて信頼性の高い被曝
線量の測定を行なうために、従来はTLD素子の一部を金
属等のフィルターで覆ってTLD素子に入射する放射線を
減衰させる方法が用いられている。かかる方法について
第5図以下の図面を参照して説明する。
第5図において101はTLD素子であり、このTLD素子101の
放射線103照射側の面上には、開口102aを有する金属フ
ィルター102が配されている。TLD素子101全体の面積は
Sであり、このTLD素子101に上記金属フィルター102が
設けられていない場合に、ある線量の放射線が照射され
ると、このTLD素子101を加熱した際に発せられるTL量と
上記放射線のエネルギーとの関係は第6図に曲線aで示
すものとなる。また、放射線照射時に上記TLD素子101の
全面を上記金属フィルター102と同じ材質および厚さの
金属フィルターで覆った場合に、TLD素子を加熱した際
に該TLD素子から発せられるTL量と放射線のエネルギー
との関係は第6図に曲線bで示すものとなる。このよう
に直接放射線が照射されたTLD素子101は、放射線のエネ
ルギーが小さくなる程応答性(加熱時のTL量)が高くな
り、反対に金属フィルター102を介して放射線が照射さ
れたTLD素子101は、放射線のエネルギーが大きい程応答
性が高くなる。従って前記金属フィルター102の開口部1
02aの大きさを調節してTLD素子101の一部を露出させ、
残りを金属フィルター102により覆うようにすれば、曲
線aとbで示す応答性を合わせて曲線cで示すようにエ
ネルギー依存性をほぼなくすことができる。すなわち、
TLD素子101のうち、フィルター102の開口102a内にある
部分101aの面積をS1とし、曲線aで示される発光量をx
11とすると、上記部分101aからの発光量x12はx12=x11
×S1/Sで示される。またTLD素子101のうち、金属フィル
ター102で覆われる部分101bの面積をS2とし、曲線bで
示される発光量をx13とすると、上記部分101bからの発
光量x14は、x14=x13×S2/Sで表わされる。従って総発
光量x10は、x10=x12+x14=x11×S1/S+x13×S2/Sとな
り、上記x10が放射線のエネルギーにかかわらず、第6
図に曲線cで示すように略一定になるように、S1および
S2の値(実質的には開口102aの大きさに相当するS2
値)を設定すれば、放射線のエネルギーに依存しない信
頼性の高い被曝線量の測定を行なうことができる。また
実際には、第5図に模式的に示した開口を有する金属フ
ィルター102の代りに、第7図(a)に示すように、TL
蛍光体をガラス管内に封入してなり、端部にグリツプ11
3が取り付けられてなるTLD素子111の周面上に、帯状の
金属フィルター112を螺旋状に巻きつけたものや、第7
図(b)に示すようにTLD素子121の周囲に金属棒112が
平行に配設されたものや、第7図(c)に示すように上
記TLD素子111の周面に2つの環状の金属フィルター112
が嵌着されてなるもの等が用いられている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記方法においては、TLD素子を金属フ
ィルターにより覆う割合を調整することにより応答性の
均一化を図るようになっており、放射線被曝量の測定の
精度は、金属フィルターの形状の成形時の寸法精度にか
かっているが、現実にはすべての金属フィルターを理想
的な寸法に成形することは困難である。特に、小型のTL
D素子を用いる場合や、エネルギー依存性の特に大きいT
L蛍光体を用いる場合には、上述した開口等TLD素子を露
出させる部分が小さくなるため、金属フィルターの高精
度の加工は一層難しくなる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、上
述したフィルターの製造およびTLD素子への取付けが容
易であり、しかも放射線のエネルギーにかかわりなく常
に高精度な放射線被曝量の検出を行なうことができる熱
蛍光線量測定方法および装置を提供することを目的とす
るものである。
(課題を解決するための手段) 本出願人は鋭意研究を重ねた結果、金属等のフィルター
により覆われる面積を精密に調整して、TLD素子から放
射線のエネルギーに依存しないTLを生じさせ、これを検
出する代りに、上述したフィルターが取り付けられてい
ないTLD素子と、上記フィルターにより発光部の放射線
照射面全面が覆われたTLD素子に同時に放射線を照射
し、これらの2つのTLD素子から生じるTLをそれぞれ検
出してこれらの光量を演算処理することによっても放射
線のエネルギーに依存しない被曝量の測定を行なうこと
を見出すに至った。
すなわち、本発明の熱蛍光線量測定方法は、 第1のTLD素子からなる第1の素子部と、第2のTLD素子
および該素子の少なくとも発光部の放射線照射面全面を
覆い該素子に照射される前記放射線を減衰させるフィル
ターからなる第2の素子部とに放射線を照射した後、前
記第1のTLD素子および前記第2のTLD素子を加熱して前
記第1のTLD素子から生じる第1のTL量x1と前記第2のT
LD素子から生じる第2のTL量x2をそれぞれ検出し、該TL
量x1およびTL量x2をそれぞれ第1の電気信号X1および第
2の電気信号X2に変換し、前記第1および第2の素子部
に照射されたある放射線に対してa・X1+b・X2の値が
予め定められた放射線のエネルギーと熱蛍光線量計の応
答との相関曲線にのるように予め求められている係数a,
bを前記第1の電気信号X1と前記第2の電気信号X2の値
にそれぞれ乗じ、a・X1+b・X2の値に基づいて前記第
1および第2のTLD素子の放射線被曝量を測定すること
を特徴とするものである。
また本発明の熱蛍光線量測定装置は、放射線が照射され
た第1のTLD素子と、少なくともその発光部の放射線照
射面全面が放射線の透過を制限するフィルターに覆われ
た状態で前記第1のTLD素子とともに前記放射線が照射
された第2のTLD素子とを加熱する加熱部、該加熱部に
おいて前記第1のTLD素子から生じる第1のTL量x1と前
記第2のTLD素子から生じる第2のTL量x2を検出してそ
れぞれ第1の電気信号X1および第2の電気信号X2に変換
する光電変換系、前記第1および第2のTLD素子に照射
されたある放射線に対してa・X1+b・X2の値が予め定
められた放射線のエネルギーと熱蛍光線量計の応答との
相関曲線にのるように予め求められている係数a,bを前
記第1の電気信号X1と前記第2の電気信号X2の値にそれ
ぞれ乗じてa・X1+b・X2を算出する演算手段、および
該演算手段の出力に応じて前記第1および第2のTLD素
子の前記放射線の被曝量を表示する表示手段を備えたこ
とを特徴とするものである。
なおここで相関曲線とは、広く相関関係を表わす線を意
味するものであり、線自体は厳密に曲線に限られるもの
ではなく直線であってもよい。
(作用) 上記熱蛍光線量測定方法および装置によれば、一方がフ
ィルターにより覆われ、他方がフィルターにより覆われ
ていない2つのTLD素子を用い、両素子から発せられる
2つのTL量を示す電気信号にそれぞれ予め求められてい
る係数を乗じることにより、被曝量検出のために用いら
れる両TL量の割合を調整するようになつているので、フ
ィルターの形状の精密な加工や高精度な取付けが不要に
なり、各素子部の製造、組立を容易にすることができる
とともに、被曝線量の検出精度は、金属フィルターの加
工精度に依存しなくなるので該検出精度を高めることが
できる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。
第1図は本発明のTLD測定方法に用いられるTLD部材の一
例を示す斜視図であり、第2図はその断面図である。
図示のTLD部材は、放射線の被曝後加熱されるとTLを発
するTLD素子を有するものであり、円板状の第1のTLD素
子1と第2のTLD素子を支持してなるTLD板3と、このTL
D板3を内部に着脱可能に収納するホルダー4とからな
っている。このホルダー4の両面の、前記TLD板3が収
納された際に前記第1のTLD素子1と重なり合う部分に
は、円孔5が形成されており、前記第2のTLD素子2と
重なり合う部分には、錫板からなる放射線減衰用のフィ
ルター6が取り付けられている。本実施例においては、
第1のTLD素子1のみにより第1の素子部が、第2のTLD
素子2およびフィルター6により第2の素子部がそれぞ
れ構成されている。上記TLD板3は一例としてアルミニ
ウム、プラスチック等で作られており、ホルダー4もプ
ラスチック等から作られている。なお、ホルダー4が上
記のようにプラスチックにより作られている場合には、
プラスチックは放射線の吸収が比較的少ないので、前記
第1のTLD素子1と重なり合う位置には円孔5を設ける
代りに、この部分の厚さを薄くするようにしてもよい。
また、放射線が照射される方向が常に一定である場合に
は、円孔5およびフィルター6はホルダー4の片側だけ
に設けてもよい。
上記2つのTLD素子1、2は、ホルダー4内に収納され
た状態で放射線の照射を受け、その後でホルダー4から
取り出されて加熱され、それぞれ被曝した放射線量に比
例してTLが生ぜしめられる。ある放射線量における、第
1のTLD素子1の発光量と放射線エネルギーの関係は、
第3図に曲線aで示すものとなっており、前記フィルタ
ー6を介して上記量の放射線が照射された第2のTLD素
子2の発光量と放射線エネルギーの関係は、第3図に曲
線bで示すものとなっている。なお、曲線bは上述した
フィルター6の材質、厚さ等を変えることにより変化さ
せることが可能である。
放射線の被曝量を常に精度よく検出するためには放射線
のエネルギーにかかわらず、一定の放射線量に対しては
一定の検出値が求められることが一般的に必要である。
そこで、本実施例においては、上記曲線aで示される第
1のTLD素子1のTL量x1と、上記曲線bで示される第2
のTLD素子2のTL量x2に、それぞれa・x1+b・x2が常
に一定になる(第3図の直線c上にのる)ように予め求
められている係数a,bを乗じ、演算により最終的に検出
されるTL量としてa・x1+b・x2を求めることにより、
上記直線cで示すようにTL量の放射線のエネルギー依存
性を打ち消すようになっている。以下、上記係数a、b
の決定方法について説明する。なお、後述するように、
実際には上記係数a、bは、2つのTLD素子からのTL量x
1、x2を乗じるものであるが、ここでは便宜上、TL量
x1、x2を用いて説明を行なう。
曲線aおよび曲線bは、共に第1のTLD素子1も第2のT
LD素子2も応答性に差が生じないエネルギー領域であ
る、エネルギー1.33Mevの60Coγ線を所定の線量照射し
た際に、両TLD素子から発せられるTL量をそれぞれ1と
した場合のTL量の相対値を示したものである。第1およ
び第2のTLD素子1、2に照射された放射線のエネルギ
ーがそれぞれA、B、C、D(Kev)である際の、基準T
L量(直線C上におけるTL量)と第1のTLD素子からのTL
量との差はそれぞれlA1、lB1、lC1、lD1となり、上記基
準TL量と第2のTLD素子からのTL量との差はそれぞれ
lA2、lB2、lC2、lD2である。この時に、上記各エネルギ
ーA、B、C、Dにおける上記TL量の差の比(lA1
lA2、lB1/lB2、lC1/lC2、lD1/lD2)を求め、これら
の比が近似的に等しくなる(lA1/lA2≒lB1/lB2≒lC1
/lC2≒lD1/lD2)のように、前記フィルター6の厚さ
や材質を変化させる。このようにして第1のTLD素子の
応答性と基準となる応答性との差と、第2のTLD素子の
応答性と基準となる応答性の差の比が放射線のエネルギ
ーによってほとんど変わらないようにフィルターの厚さ
及び材質を決定する。そしてこの時のlA2/(lA1
lA2){≒lB2/(lB1+lB2)≒lC2/(lC1+lC2)≒lD2
/(lD1+lD2)}を係数aとし、またlA1/(lA1
lA2){≒lB1/(lB1+lB2)≒lC1/(lC1+lC2)≒lD1
/(lD1+lD2)}を係数bとする。このようにして求め
られた係数a、bをそれぞれ第1のTLD素子1のTL量
x1、第2のTLD素子2のTL量x2に乗じた後これらを加算
し、a・x1+b・x2を最終的なTL量として求めるように
すれば、放射線のエネルギーにより変動の生じることの
ない、精度の高いTL量の測定を行なうことができる。従
って上記のように検出されたTL量に基づいて常に正確な
放射線被曝量を検知することができる。
例えば、前記第1のTLD素子1および第2のTLD素子2と
して、厚さ0.4mm、外径5mmφの円板状のMg2SiO4:Tb蛍光
体粉末の円板状成形体を用い、前記フィルター6とし
て、厚さ1.0mm、外径10mmφの円板状の錫板を用いた場
合に、上述のようにして求められた係数aは0.1、係数
bは0.9であり、その際に放射線のエネルギーが25Kevか
ら2.0Mevの範囲に亘って変化しても、TLD部材の応答
(a・x1+b・x2)の変動は±20%の誤差範囲内に留ま
り、放射線のエネルギーにかかわらず信頼性の高いTLD
測定が行なえることが確認された。なお、上記実施例で
はa+b=1となっているが、通常上記TLD測定装置に
おいては、TLD部材に既知線量Rの放射線(60Coγ等)
を照射し、上記線量Rとこれを読取って得た値x0とによ
り校正定数R/x0を求めておき、この校正定数をすべての
検出値a・x1+b・x2に乗じる補正を行なうので、この
補正前の段階でa+bを必ずしも1にする必要はない。
また、一般的には最終的に検出されるTL量は、ある放射
線量については放射線のエネルギーにかかわらず一定に
なるのが望ましいが、放射線がTLD部材以外のもの(例
えば通常TLD部材が取り付けられる人体等)に照射され
て生じる散乱線を考慮しなければならない場合等には、
上述した2つのTL量(曲線a、b)に基づいて最終的に
得たいTL量は必ずしも直線cで示すように各エネルギー
に対して一定になるとは限らない。この場合にも本発明
方法によれば、予め望ましい相関曲線上に応じた係数
a、bを前述したように求めることができるので、良好
な被曝量検出を行なうことができる。
次に上記測定方法を実施するTLD測定装置の構成の概要
を第4図を参照して説明する。
前述したようにホルダー4内に収納されて前記第1およ
び第2のTLD素子1、2に放射線が照射されたTLD板3
は、加熱部10においてヒータ12によって加熱され、加熱
により上記TLD板3上に保持された各TLD素子から発せら
れるTLは、レンズ13を介して光電子増倍管14により検出
され、光量に応じた電気信号に変換される。図中15は上
記光電子増倍管14に電圧を供給する高圧電源である。光
電子増倍管14から出力される電気信号は増幅器16におい
て増幅されて電圧信号に変換され、さらに電圧周波数変
換器(V−Fコンバータ)17によりデジタル化されてカ
ウンター18により計数される。カウンター18において計
数される計数値はTLD素子から得られるTL量の積分値に
比例している。カウンター18から出力される信号は、演
算部およびメモリとして機能するマイクロコンピュータ
19に入力され、マイクロコンピュータ19において、上述
した係数a、bを用いた演算が行なわれる。すなわち、
マイクロコンピュータ19には予め上記係数a、bが記憶
されており、相次いで測定される第1のTLD素子と第2
のTLD素子のTLに基づく電気信号X1、X2が入力される
と、マイクロコンピュータ19によりa・X1+b・X2の演
算が行なわれる。またマイクロコンピュータ19において
は、必要に応じて前述した校正定数の乗算や、前記光電
子増倍管の感度の経時変化を補正するためのドリフト校
正定数の乗算等が行なわれ、このようにして最終的に得
られた信号値が示すTL量すなわち放射線被曝量が表示手
段20に表示される。なお本実施例においては、上記光電
子増倍管14、増幅器16、V−Fコンバータ17、カウンタ
ー18により光電変換系が校正されているが、光電変換系
の具体的な構成はこれに限られるものではない。
また、本発明における第1のTLD素子と第2のTLD素子
は、必ずしも上述した実施例におけるように前記TLD板
3等により一体化されている必要はなく、同時に放射線
を照射された後は別々に取り出されて前記加熱部10にお
いて加熱されてもよい。その場合には、摺動可能な試料
台の所定の位置にヒータ12を固設しておき、このヒータ
12上に1つのTLD素子を載置しては光電子増倍管14の直
下へ移動させ、ヒータ12により上記一つのTLD素子を加
熱して、該素子から発せられたTLを光電子増倍管14によ
り検出させるという作業を2つの素子に対して順次行な
うようにすればよい。また、上述した実施例におけるよ
うに第1のTLD素子と第2のTLD素子が一体化されている
場合には、上記TLD板全体を摺動可能な試料台に載置し
て第1のTLD素子と第2のTLD素子を順次光電子増倍管14
の直下に移動させるとともに、ヒータ12も移動可能なも
のとして、各TLD素子が光電子増倍管の直下に位置する
毎にこれを接触する位置に移動して該TLD素子を加熱
し、それ以外の時は光電子増倍管14から離れた位置に退
却するように制御すればよい。さらに試料台に2つのヒ
ータを設けるとともに、各ヒータに対応して光電変換系
をそれぞれ1つずつ設け、第1および第2のTLD素子を
2つのヒータ上にそれぞれ載置して同時に加熱を行な
い、TLの検出を同時に行なうようにしてもよい。
(発明の効果) 以上説明したように本発明の熱蛍光線量測定方法および
装置によれば、放射線が直接照射された第1のTLD素子
と金属等のフィルターを介して放射線が照射された第2
のTLD素子をそれぞれ加熱してTLを生ぜしめ、これらのT
L量を光電的に検出して、得られた2つの電気信号値に
それぞれ予め求められている特定の係数を乗じた後、こ
れらの値を加算することにより、放射線のエネルギーの
影響を受けない信頼性の高い放射線被曝量の測定を行な
うことができる。これとともに本発明においては、被曝
量測定に用いられる第1のTLD素子のTL値と、第2のTLD
素子のTL値の割合を上記係数を用いて演算により調整す
るようにしたので、上記フィルターは厚みが正確に作成
されていればよく、従来の開口等を有するフィルターの
ように、その形状を精密に作成する必要がなくなり、加
工が極めて容易になる。また、かかるフィルターは、TL
D素子のサイズが小さくなった場合にも良好に対応する
ことができるので、用いられるTLD素子のサイズ、種類
にかかわらず精度の高い被曝線量の測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のTLD測定方法に用いられる、TLD素子を
有するTLD部材の斜視図、 第2図は上記TLD部材の断面図、 第3図および第6図は放射線のエネルギーとTLD素子か
ら発せられる相対TL量の関係を示すグラフ、 第4図は本発明のTLD測定装置の構成を説明するための
概略図、 第5図は従来のTLD素子とフィルターを説明するための
模式図、 第7図(a)、(b)、(c)は従来のTLD素子とフィ
ルターの形状を示す概略図である。 1……第1のTLD素子 2……第2のTLD素子 3……TLD板、4……ホルダー 5……開口、6……フィルター 10……加熱部、12……ヒータ 14……光電子増倍管 19……マイクロコンピュータ、20……表示手段 x1……第1のTL量 x2……第2のTL量 X1……第1の電気信号 X2……第2の電気信号 a、b……係数

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線が照射された熱蛍光線量計素子を加
    熱して熱蛍光を生ぜしめ、該熱蛍光の光量を検出するこ
    とにより、前記熱蛍光線量計素子の被曝線量を測定する
    熱蛍光線量測定方法において、 第1の熱蛍光線量計素子からなる第1の素子部と、第2
    の熱蛍光線量計素子および該素子の少なくとも発光部の
    放射線照射面全面を覆い該素子に照射される前記放射線
    を減衰させるフィルターからなる第2の素子部とに放熱
    線を照射した後、前記第1の熱蛍光線量計素子および前
    記第2の熱蛍光線量計素子を加熱して前記第1の熱蛍光
    線量計素子から生じる第1の熱蛍光量x1と前記第2の熱
    蛍光線量計素子から生じる第2の熱蛍光量x2をそれぞれ
    検出し、該熱蛍光量x1および熱蛍光量x2をそれぞれ第1
    の電気信号X1および第2の電気信号X2に変換し、前記第
    1および第2の素子部に照射されたある放射線に対して
    a・X1+b・X2の値が予め定められた放射線のエネルギ
    ーと熱蛍光線量計の応答との相関曲線にのるように予め
    求められている係数a,bを前記第1の電気信号X1と前記
    第2の電気信号X2の値にそれぞれ乗じ、a・X1+b・X2
    の値に基づいて前記第1および第2の熱蛍光線量計素子
    の放射線被曝量を測定することを特徴とする熱蛍光線量
    測定方法。
  2. 【請求項2】放射線が照射された第1の熱蛍光線量計素
    子と、少なくともその発光部の放射線照射面全面が放射
    線の透過を制限するフィルターに覆われた状態で前記第
    1の熱蛍光線量計素子とともに前記放射線が照射された
    第2の熱蛍光線量計素子とを加熱する加熱部、該加熱部
    において前記第1の熱蛍光線量計素子から生じる第1の
    熱蛍光量x1と前記第2の熱蛍光線量計素子から生じる第
    2の熱蛍光量x2を検出してそれぞれ第1の電気信号X1
    よび第2の電気信号X2に変換する光電変換系、前記第1
    および第2の熱蛍光線量計素子に照射されたある放射線
    に対してa・X1+b・X2の値が予め定められた放射線の
    エネルギーと熱蛍光線量計の応答との相関曲線にのるよ
    うに予め求められている係数a,bを前記第1の電気信号X
    1と前記第2の前記信号X2の値にそれぞれ乗じてa・X1
    +b・X2を算出する演算手段、および該演算手段の出力
    に応じて前記第1および第2の熱蛍光線量計素子の前記
    放射線の被曝量を表示する表示手段を備えたことを特徴
    とする熱蛍光線量測定装置。
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