JPH0686908B2 - 封止面とシールとの組み合わせ - Google Patents

封止面とシールとの組み合わせ

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JPH0686908B2
JPH0686908B2 JP63295900A JP29590088A JPH0686908B2 JP H0686908 B2 JPH0686908 B2 JP H0686908B2 JP 63295900 A JP63295900 A JP 63295900A JP 29590088 A JP29590088 A JP 29590088A JP H0686908 B2 JPH0686908 B2 JP H0686908B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はシールシャフトに関し、特にシール及び被遮蔽
シールアセンブリに関する。従来の技術とその問題点 多用途ベアリングとして知られる軸がり軸受の一種とし
て、事前設定及び事前潤滑された被封止自蔵型アセンブ
リがある。かかる例では、ベアリングは単に車軸ジャー
ナルに嵌装され、車軸のハウジングに対する回転又はそ
の逆が行なわれるようハウジング内に嵌入される。多用
途ベアリングは、軌道車両の車軸に広く用いられるが、
またクレーン車輪、テーブルロール及び二又クレーン、
さらには圧延機の作業ロール等の他の応用にも用いられ
る。
多用途ベアリングは、しばしば悪環境で用いられるが、
特に軌道車両のジャーナルで用いられる場合はそうであ
る。このため水分や路面砂塵等の、ベアリングを長持ち
させるにはベアリング内部に入れてはならない汚染要因
物にさらされる。そこで多用途ベアリングの端物にはシ
ールが設けられる。
多用途ベアリング用シールは、典型的にはベアリングの
外側レースに嵌装されるシールケースと、シールケース
に結合されベアリングの1の内側レースの端部でウェア
リング(wear ring)に当接する弾性シール素子とから
なる。実際にはシール素子は、軸方向離間する2個所、
つまりシールのいわゆるオイル側にある1次リップに沿
う個所と、空気側のダストリップあるいは2次リップに
沿う個所とでウェアリングに接する。ガータースプリン
グを1次リップを包囲するよう設けて1次リップがウェ
アリングに当接するように1次リップを適度に付勢せし
め、1次リップがいわゆる加圧液体弾性油膜として知ら
れる薄いが連続的な潤滑剤の膜上で支持される。同様に
ダストリップもウェアリングに当接するが、これはシー
ル素子の成形材料である弾性材による付勢がかかってい
るのみである。1次リップは潤滑剤のウェアリングに沿
う移動に対し非常に有効な障壁となるが、有効的すぎて
ダストリップに潤滑が不足し過熱を起こすこともまれで
はない。このために弾性材が硬化し封止面の有効性が減
じる。さらに2つのリップはウェアリングに当接して働
くため回転に対する抵抗となり、この抵抗に対抗するト
ルクが必要となるが、このトルクはリップによる抵抗が
なければ有用な作業を行なうのに用いられうるものであ
る。
さらに従来の典型的な多用途ベアリングは車軸ジャーナ
ルに取り付けられる場合、ベアリング端部に張出し部等
のシールの保護部材を設けられず、シールは空気側の汚
染要因物に直接さらされていた。シールに少しでも欠陥
があるとシールが保護しようとするベアリング内部に汚
染要因物が混入した。
本発明は、多用途ベアリングで用いられる従来のシール
と比べて大幅に少ないトルクですむシールを提供するも
のである。また、本発明のシールでは汚染要因物に対し
少なくとも2つの障壁が設けられる。さらに本発明のシ
ールは、汚染要因物からシールを遮断し、さらには汚染
要因物をシールから遮断する遮蔽物とともに協働する。
問題点を解決するための手段 回転軸方向の内側に向いた張り出し部を有する封止面と
シールとからなり、このシールは一方がシールを担持し
他方がシール面を担持する2つの構成部品が相対的に回
転するときにこの2つの構成部品の間の領域を略隔離す
るためにシール面と共に遮蔽手段を形成し、このシール
はラビリンスと、ラビリンスの外側で封止面に接する可
撓性ダートリップと、封止面の張り出し部方向へ延出す
る2次リップとからなり、ラビリンス、ダートリップ及
び2次リップは封止面に沿ってこの順に隔離された領域
から遠ざかるよう配置されてなる封止面とシールとの組
み合わせであって、ラビリンスは封止面の軸方向延在部
に対向し且つ離間した第1の面と該隔離された領域に向
かって内側に向いた第2の面とを有する封止面とシール
との組み合わせが提供される。
実施例 添付の図面及び以下の記載では類似の部分には類似の参
照番号が付されている。
図面を参照するに自蔵型ベアリングAは、事前潤滑及び
事前設定をされて、車軸4の端部でジャーナル2に嵌着
され、アダプタその他の収容構造6内に収容される。こ
れらは全て車軸4が収容構造6に対し車軸4が回転軸X
を中心に容易に回転するようにするためのものである。
ベアリングAは、裏当てリング8と端部キャップ10との
間でジャーナル2にクランプされる。端部キャップ10
は、ジャーナル端部内へ螺合されるキャップスクリュー
により裏当てリング方向へ付勢されている。リング8も
キャップ10もともにベアリングAに直接当接しないが、
やはりジャーナル2を囲むスペーサリング14を介してク
ランプ力を加える。ベアリングAの端部はシールアセン
ブリBで閉鎖されるが、その大部分はスペーサリング14
の周囲に位置する。
まずベアリングAにつき略述するに、ベアリングA(第
1図)は、1対の内向きレースウェイ22を有する二重キ
ャップ20と、これらのレースウェイ22の大径端側に設け
られキャップ20の端部へ至る円筒形座ぐり24とからな
る。ベアリングAは、キャップ20のこれらの端部を横断
することで収容構造6内に保持される。キャップ20は、
車軸ジャーナル2に嵌着されスペーサ32により分離され
る1対のコーン26を包囲する。各コーン26は、1のキャ
ップのレースウェイ22が対向し包囲するテーパ付レース
ウェイ28を有する。コーンのレースウェイ28はスラスト
リブ30につながり、スラストリブ30は背面で終わってい
る。スペーサリング14は、コーンの背面でコーン26と当
接し、2つのコーン28及びスペーサ32を緊密に保持す
る。キャップ20及びコーン26は、回転軸Xにつき同心的
である。
ベアリングAは、二重キャップ20及び2つのコーン26の
ほかに、キャップ20及びコーン26の対向するレースウェ
イ22及び28の組に対応し2列をなして配設される円すい
コロ34(第1図)を有する。従ってコロ34の各列は、各
コーン26を包囲する。コロ34は、その大径端で各コーン
26のスラストリブ30に当接するため、コロ34はスラスト
リブ30によりベアリングAに半径方向負荷がかかる際に
レースウェイ22と28との間の空間から離脱するのが防止
される。コロ34の各列には、隣り合うコロ34間の正しい
間隔を維持し、コーン26がキャップ20からはずされた時
にその列のコロ34をコーン26の周りに保持する保持器36
が設けられる。2列の円すいコロ34及びコロ34の保持器
36は、端部がシールアセンブリBにより閉鎖された封止
又は隔離環状空洞38内で運動する。
ベアリングAの動作時、2列の円すいコロ34はレースウ
ェイ22及び28に沿って運動するが、摩擦を低減するた
め、環状空洞38内、特にコロの大径端面と2つのコーン
26のスラストリブ30との間にグリース型の潤滑剤が供給
される。円すいコロ34は、潤滑剤をスラストリブ30方向
へ送ろうとする。シールアセンブリBは、キャップの座
ぐり6の表面と、コーンのスラストリブ30の外側に位置
するリング14との間の環状空間を略占める。シールアセ
ンブリBは潤滑剤がもれるのを防止し、泥、水その他の
汚染要因物をベアリングA内部からしめだす。従ってシ
ールアセンブリBは、キャップ20と2つのコーン26との
間の環状空洞38を隔離するが、シールアセンブリBに付
随する摩擦を克服するのにトルクはほとんど必要とされ
ない。空洞38は円すいコロ34を収容するため温度変動が
大きいが、シールアセンブリBは空洞22に対する通気を
も提供するのでこの変動は空洞22内の圧力に重大な影響
をおよぼさない。
各シールアセンブリBはシール40と、シール40と組み合
う遮蔽体42とからなる。シール40は、剛性のケース44
と、ケース44に接合される可撓性のシール素子46とから
なり、シール素子46は、シール40がシール素子46部分で
遮蔽体42と組み合うよう遮蔽体42に捕捉される。シール
素子46は弾性材から成型されるのが好ましい。シールケ
ース44は、二重キャップ20の一端で座ぐり24から突出
し、また遮蔽体42は、座ぐり24が開いている方向のスペ
ーサリング14の周りに密嵌する。座ぐり6とシールケー
ス44との間に静的シールがなされ、また遮蔽体42とその
周りのリング14との間にも別の静的シールがなされる。
遮蔽体42は、好ましくは鋼等の金属から打ち抜かれて形
成される一体的な構造である。遮蔽体42(第2図)は、
スペーサリング14の周りに嵌合しリング14との間に締ま
りばめができる径を有する軸方向取り付け部50からな
る。遮蔽体42は、ベアリングAに最も近い一端に、取り
付け部50から半径方向外方に屈曲しベアリングコーン26
のスラストリブ30の背面に沿って延びる屈曲部52を有す
る。屈曲部52は、スラストリブ30の円筒形外面を越えて
は突出しない。遮蔽体42は他端にやはり取り付け部50か
ら半径方向外方に延びる端部壁54を有する。端部壁54は
屈曲部52より相当に長く延出するが、シールケース44を
越えることはなく、より小さい径を有する。壁54の外縁
は、取り付け部50上を軸方向に延びるが取り付け部50よ
りは大幅に短い張り出し部56につながる。取り付け部50
の外側を向いた面、端部壁54のベアリングAの環状空洞
38を向いた面、及び張り出し部56の内側を向いた面は相
ともなって、ベアリングAの環状空洞38内に潤滑剤を保
持し、汚染要因物を遮断する障壁をいくつか構成するよ
うシール40のシール素子46が協働する封止面58を構成す
る。これらはシール素子46と封止面58との間の相対的回
転をそこなうような過大なトルクを必要としない。封止
面58には実際取り付け部50に沿う面と張り出し部56に沿
う面の2つの軸方向部分と、端部壁54に沿う半径方向連
結部分との3つの部分を有する。
シール40の剛性ケース44は好ましくは鋼から金属打抜き
により得られ、円筒形取り付け部62と、階段状中間部64
と、半径方向延在接合部66とからなる。取り付け部62は
二重キャップ20の座ぐり24に嵌入し、静的シールをなす
ようキャップ20と相互に係合する。キャップ20の端部の
すぐ外側で取り付け部62は、取付け部62をキャップ2の
座ぐり24内へ押し込むようシールケース44に軸方向の力
を加えるための肩をなすより小径の階段状中間部62につ
ながる。中間部64はスラストリブ30から外方に離間し、
リング14及び遮蔽体42の取り付け部50上を部分的に延出
する。中間部64は、リング14両端の中間、ただし遮蔽体
42の張り出し部56の手前で接合部66につながる。これは
中間部64の直径が張り出し部56の直径より大きいためで
ある。接合部66は遮蔽体42の張り出し部56よりも内側に
半径方向延在するが、その内縁は遮蔽体42の取り付け部
50から離間するようにされる。遮蔽体42の張り出し部56
の自由端56と、シールケース44の半径方向延在接合部66
との間には、狭い環状間隙gがある。
シール素子46は、弾性材から成型されるのが好ましい
が、ポリマ等の他の可撓性材料から形成されてもよい。
シール素子46は、遮蔽体42の封止面58に沿い屈曲部52か
ら張り出し部56への方向に順に並んだポンプラビリンス
70、ダートリップ72及び2次リップ74を有する。ポンプ
ラビリンス70及びダートリップ72は取り付け部50上にあ
る面58の内側軸部分に沿って作用し、2次リップ74は張
り出し部56上にある面58の外側軸部分に沿って作用す
る。ポンプラビリンス70とダートリップ72の自由端との
間には、封止面58の内側軸部分方向に開いた浅い環状溝
76が設けられる。ダートリップ72と2次リップ74との間
には、遮蔽体42の端部壁54に沿う封止面58の半径方向部
分方向に開いた大幅に大きくかつ深い環状溝78が設けら
れる。
ポンプラビリンス70は、半径方向内側へ向いており、終
端は遮蔽体42の取り付け部50の封止面58の部分方向へ向
いているがそれより直径が僅かに大きい周回又は円筒形
面80になっている。従って封止面58と80との間には半径
方向の僅かな隙間cが存在する。この隙間は典型的には
0.002乃至0.040インチ(0.0508乃至1.016mm)の範囲に
あり、製造公差の結果存在しうるラビリンス70と封止面
58との間の偏心のための隙間である。円筒形面80の一方
の側は、屈曲部52及び被封止空洞38方向を向いた内端面
82であり、他方の側はダートリップ72方向を向いた外端
面84である。2つの面とも半径方向にあり、ベアリング
軸xに対し垂直な平面内にあって互いに平行である。円
筒形面80も内端面82も連続ではなく、ともに入ってきた
潤滑剤を円すいコロ34方向へ、つまり被封止空洞38内へ
送り戻すよう形成された小さいポケット又は空洞86によ
り中断されている。ポンプ空洞86は、ポンプラビリンス
70に沿い等しい周間隔で配設され、円筒形面80及び1次
ラビリンス70の内端面82の両方に開口し、これらの面が
交差する縁を中断する。ポンプ動作つまり送り戻し動作
を行なうため、各ポンプ空洞86は、ラビリンス70と封止
面58間の相対的回転の方向kに対し等しい角度dで配置
される1対の側面88(第3図及び第4図)を有する。角
度dは30度と60度の間であり、好ましくは45度である。
従って側面88は、ポンプラビリンス70と封止面58間の相
対的回転の方向k、つまり周方向に対し傾斜する線に沿
って円筒形面80と交差する。空洞86は、2つの側面88の
間に延在し、内端面82側で円筒形封止面58の円筒形部か
ら最も離れるように円筒形封止面58に対し傾斜する外側
接続面90によって画成される。2つの側面88は平坦であ
るが、接続面90は平坦であっても、僅かに凹形であって
もよい。3つの面88及び90は全て外端面84と交差する
が、側面88による交差線は僅かに離間し、接線面90によ
る交差線は円筒形面80から外方にある。このため小さい
通気開口92が外端面84からダートリップ72方向へ開口す
る。この開口はポンプ空洞86の小さい方の端部にある。
コーンが回転すると、遮蔽体42の取り付け部50上の封止
面58とポンプラビリンス70の円筒形面80との間の潤滑剤
は、ポンプ空洞86内へ移り、そこで側面88により軸方向
に偏向される。実際にはコーン26の回転により潤滑剤は
各空洞86内に流れ込むだけでなく、各空洞86の一方の側
面88に当接するが、側面88は相対回転の方向kつまり周
方向に対し角度dをなすため、潤滑剤を被封止空洞38及
びその内部の円すいコロ34方向へ戻す。接続面90は軸x
に対し傾斜しているので、やはり潤滑剤を被封止空洞38
方向へ戻し、そしてコーン26の回転による遠心力を受け
ている場合には潤滑剤は被封止空洞38内へ移動する際回
転軸xから外方へと流れ去る。ポンプ空洞86は、くさび
形形状をなしているため、コーン26の回転方向にかかわ
らず、またコーン26又はキャップ20がベアリングAの回
転レースであるかどうかにかかわらず潤滑剤を同一の軸
方向に偏向する。この点に関し、一方の回転方向におい
ては各空洞86の一方の側面88及び接続面90が潤滑剤を、
ベアリングAの内部を表わす被封止空洞38方向へ戻し、
他方の回転方向においては他方の側面88及び接続面90が
同様に潤滑剤を被封止空洞38の方へ軸方向に戻す。円筒
形面80と遮蔽体42の軸方向部分との間の間隙がcである
ようにして空洞86の端部に設けられる通気開口92によ
り、被封止空洞38では圧力が大きく上昇することはな
い。
ダートリップ72は、ポンプラビリンス70から略遮蔽体42
の半径方向端部壁54方向へ突出するが、遮蔽体42の取り
付け部50上の封止面58の内側軸部分に接する。リップ72
は、僅かに収束する1対の側面94と、端面96と、2つの
側面94と端面96とが出合う封止縁98とを有する。リップ
72は大部分がシール素子46の一体的な一部としてシール
素子46の弾性材から形成されるが、端部にはポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)等の可撓性ポリマーから形成
される環状介装部材100が埋め込まれる。封止縁98は、
リップ72中弾性材より耐摩耗性のある介装部材100に沿
って存在する。リップ72は非拘束状態では介装部材100
の封止縁98での直径がポンプラビリンス70の円筒形面80
の直径より小さく、また遮蔽体42の取り付け部50上の封
止面58の軸方向部の径より僅かに小さい。
ダートリップ72は、遮蔽体42の取り付け部50に沿う封止
面の周りに嵌合当接する。封止面58上を通過するには僅
かに拡げられるためダートリップは封止面58を適度に抱
き込んで付勢がかけられている。封止縁98には、面58と
の間に過大な摩擦が生じないよう潤滑がほどこされる。
またベアリングAの環状空洞38内の潤滑剤は、封止縁98
に沿う潤滑剤の補給源として働く。この点に関しベアリ
ングAが休止中である場合か非常に低速で動作中である
場合には空洞38からの潤滑剤の一部はポンプラビリンス
70と封止面58との間の間隙cを通って流れて封止縁98の
潤滑剤となるが、この潤滑剤はベアリングAの通常動作
中に封止縁98を越え出ることはない。ベアリングの温度
上昇等により環状空洞38の圧力が急激に上昇した場合に
は、その圧力上昇は間隙cと通気開口92を通ってダート
リップ72の下側に伝えられる。圧力上昇の割合が充分大
きいと、リップ72は封止面58から分離し空洞38の通気を
行なう。これにより若干の潤滑剤が失われるが、シール
40の損傷は防がれる。圧力が解放されるとリップ72はも
との配置に復帰する。
ダートリップ72が、ダートリップ72の当接する遮蔽体42
の取り付け部50方向へ斜めに延出するのに対し、2次リ
ップ74は取り付け部50から半径方向離れるよう張り出し
部56方向へ延出する。2次リップ74は変形していない時
は封止面のどこにも接しない。
従って、成型されたままの状態では2次リップ74は、張
り出し部56に沿う封止面58の軸方向部分から内方に僅か
に離間する。2次リップ74は、シール素子46の2つの溝
78のうちの大きい方の溝を構成するようダートリップ72
の2つの面のうち外側の方の面と協働する内側面104を
有する。内側面104は、端部壁54と張り出し部56とが出
会う封止面58の隅方向を向いた端面106につながる。2
次リップ74は、他方の側に、一端が端面106に縁110で交
差する外側面108を有する。外側面108は、張り出し部56
の端部とシールケース44の接合部66との間の隙間gに露
出されるよう外方を向いており、凹形状を有するのでリ
ップ74には外方を向いた水切り溝が形成される。隙間g
の頂部を通って遮蔽体42に入り込んだ水は、水を縁部11
0及び遮蔽体42の端部壁54から遠ざけるよう導くこの溝
に流れ込む。水切り溝は確実に水がリップ74から隙間g
の底部を通ってしたたり落ちるようにする。外側面108
と端面106とは、リップ74上に三角形部を形成し、この
三角形部に沿って縁110があるが、三角形部内には張り
出し部56方向へ外方に開く通気切欠112が設けられてお
り縁110を中断する。切欠112は、縁110が張り出し部に
沿う封止面58の軸方向部に接する際大きい溝78の領域に
対する通気を行なう。
シール40は、遮蔽体42の屈曲部52が初め軸方向に延在す
るようにして遮蔽体42に嵌着される。軸方向延在する屈
曲部52は、シール40がダートリップ72で表面に当接する
よう取り付けられたテーパ付マンドレルと整列させられ
るのが好ましい。リップ72はマンドレルのテーパ上を移
動するにつれて拡大するので、容易に軸方向延在する屈
曲部52をすべり越え、取り付け部50に沿う封止面58の部
分上へ至る。シール素子51が完全に取り付け部50の周り
に位置したならば、屈曲部52は外方へ転動されて遮蔽体
42上のシール40を捕捉しシールアセンブリBとしてまと
まるようにされる。
アセンブリAは、コロ34及び保持器36を周囲に有するコ
ーン26を、カップ20内へグリース型潤滑剤を供給しつつ
挿入して組み立てられ、スペーサリング14はコーン26の
端部と整列させられる。次いで各シールアセンブリBが
スペーサリング14上からベアリングAの端部内へ、一面
がシールケース44の肩つまり中間部64に当接し第2の面
が遮蔽体42の端部壁54に当接するパンチで押し入れられ
る。このようにしてパンチは、二重キャップ20の一端で
シールケース44の取り付け部62を座ぐり24内に押し込む
一方、同時に遮蔽体42の取り付け部50をスペーサリング
14上で駆動する。こうしてシールアセンブリBは取り扱
いのためにユニット化され、リング14がコーン26から脱
落せず、コーン26とコロ34がキャップ20の端部から脱落
しないようにされる。また裏当てリング8がスペーサリ
ング14の一方上に押し当てられる。その後ベアリングA
はスペーサリング14及び裏当てリング8とともにジャー
ナルに押し当てられ、キャップ10が残りのスペーサリン
グに嵌着されてキャップスクリュー12で固定される。
各シールアセンブリBは、大きい溝78のグリース型潤滑
剤のリングr(第2図)とともに働く。このグリース型
潤滑剤は溝からグリース型潤滑剤が粘着する遮蔽体42の
端部壁へ外方に突出する。潤滑剤のリングrは、シール
40が遮蔽体42に嵌着される前に塗付されてもよいし、あ
るいはベアリングAの組立中に環状空洞38内に潤滑剤を
供給することで形成されてもよい。後者の場合、コロ34
は自然に潤滑剤をコロ34の表面及びレースウェイ22及び
28の大きい方の端部方向へ汲み上げる。ベアリングAの
組立ての際に潤滑剤が多すぎた場合には、コロ34は、潤
滑剤の一部をポンプラビリンス70及びダートリップ72を
通じて大きい溝78へ送り込む。
ベアリングAの動作時にはコーン26はキャップ20に対し
回転し、従って円すいコロ34は潤滑剤の一部を、2つの
コーン26のスラストリブ30方向へ屈曲部52を越えて遮蔽
体42の取り付け部50上の封止面へ送り込む傾向がある。
この潤滑剤は各シールのポンプラビリンス70に至るが、
量が過大でない場合には大部分が円すいコロ34及び内部
で円すいコロ34が転動する環状空洞38方向へ戻される。
特に潤滑剤は、各コーン26の遮蔽体42の取り付け部50上
の封止面58に沿って移動すると、ベアリングAの端部に
あるシール40のポンプラビリンス70のポンプ空洞86に捕
捉され、空洞86の側面は相対的回転方向に対し傾斜して
いるので潤滑剤を軸方向被封止空洞38の方に戻すよう駆
動する。発生する遠心力は潤滑剤をポンプ空洞内へ送り
込むが、そこで潤滑剤は側面88により軸方向に、また接
続面90により軸方向と半径方向の両方に偏向または促進
される。
非常に少量の潤滑剤がポンプラビリンス70の円筒形面80
の下側あるいはラビリンス内の通気開口92を通り、ダー
トリップ72の縁98へ進んで、縁98と遮蔽体42の封止面58
との間の摩擦を低減する。ダートリップ72は被封止空洞
38から泥、水分及び他の汚染要因物を遮断するため、空
洞内のレースウェイ22及び38及びコロ34はかかる汚染要
因物によって損傷されない。さらにダートリップ72は、
潤滑剤がポンプラビリンス70の円筒形面80の下側の領域
内へ移る際に背圧を提供する。この背圧により、この領
域内に入る潤滑剤の量は最小になり、また潤滑剤の一部
はポンプ空洞86にひっかかるため、潤滑剤は被封止空洞
38に戻る。動作の開始時と停止時及び回転速度が低速で
ポンプ空洞86が潤滑剤を被封止空洞38に戻す効果が不充
分な時には、ダートリップ72に隣り合う浅い溝76は、回
転速度増大時にリップ72の封止縁98に対する潤滑をなす
潤滑剤で部分的に満たされる。
グリース型の潤滑剤は大きい溝78内にもグリースのリン
グrとして存在し、弾性的シール素子46と半径方向端部
壁54に沿う封止面58の部分との間の空間を埋めるが、弾
性的シール素子46よりも半径方向端部壁54に沿う封止面
58の部分の方に良く付着する。遮蔽体42がシール40に対
し回転すると、潤滑剤は遮蔽体42の端部壁54とともにあ
ろうとしてシール素子46のなめらかな表面上をすべる。
この潤滑剤のリングrは、封止面58に沿う汚染要因物の
通路に対する障壁となり、多くの汚染要因物がより積極
的な障壁であるダートリップ72に達しないようにする。
汚染要因物、特に泥は大きい方の溝78内の潤滑剤のリン
グr内に留まり、この泥のため潤滑剤は一層効果的に遮
蔽体42の端部壁54に付着する一方で潤滑剤がシース素子
46上を周回摺動するのをそれほどじゃましない。
被封止空洞38内の圧力が、ベアリングAの通常動作中に
上昇すると、この圧力上昇はポンプラビリンス70と封止
面58との間の隙間cと通気開口92を通じてラビリンス70
とダートリップ72との間の浅い溝76へ伝えられるが、こ
れが充分大きい場合にはダートリップ72が僅かに持ち上
がり圧力上昇は2つのリップ72と74との間の大きい溝78
へ伝わる。大きい溝78内のリングrを形成する潤滑剤
は、スリンガリップ74と遮蔽体42の張り出し部56との間
の空間への、あるいは2次リップ74の1つ又は幾つかの
切欠112への潤滑剤自体の通気通路を提供するよう充分
柔かい。
通常浅い溝76内での圧力上昇に伴なって潤滑剤が浅い溝
76から押し出されダートリップ72の下側から大きい溝78
内へ至る。この押し出された潤滑剤は大きい溝78内の潤
滑剤のリングrを拡げスリンガリップ74を外方に押すた
め、縁110は遮蔽体42の張り出し部56に沿う封止面58の
軸方向部分に当接する。従って大きい溝76内の潤滑剤の
圧力上昇が起こるが、圧力は通気切欠112内又は近傍で
の潤滑剤の圧力抵抗に制限されるから、結局は大きい溝
78内の潤滑剤は大気圧(ambient pressure)に復帰す
る。この大きい溝78の一時的加圧によりダートリップ72
を通って潤滑剤が漏れるのが減少するので潤滑剤を環状
空洞38内に保持せしめるのに役立つ。またこれは圧力が
上昇中の際潤滑剤を大きい溝78内に保持する働きもある
ため、遮蔽体42の半径方向端部壁54に沿う汚染要因物の
進入に対する障壁として潤滑剤リングrの有効性の維持
にも役立つ。
大きい溝78の潤滑剤の圧力の一時的上昇の大きさは、通
気切欠112の寸法及び数により制御される。それは短い
期間非常に小さい圧力上昇がある時に2次リップ74がリ
ップ72及び74を越える漏れを停止又は低減するようにさ
れる。この結果2次リップ74と張り出し部56との間の摩
擦により熱及びトルクの一時的増大が起こる。通気切欠
112を通じて通気が起こるため大きい溝78で加圧が持続
することはない。切欠112が潤滑剤でつまった場合に
は、2次リップ74と遮蔽体42の封止面58との接触が持続
することで発生する熱が潤滑剤の圧力を高め潤滑剤を軟
化せしめて切欠112から流れ出させ、切欠112が再び有効
な通気をなすようにせしめる。
この点に関し、切欠112は縁110を分裂せしめているため
封止面58との間に加圧液体弾性油膜ができることはな
く、その結果接触により2次リップ74の温度は急速に上
昇する。
張り出し部56はシール素子46を保護するのでシールアセ
ンブリBは被遮蔽シールとして分類される。また車軸4
が回転すると遮蔽体42の張り出し部56は、水その他の汚
染要因物をシールアセンブリBからとばしてかかる汚染
要因物が隙間gに入らないようにするスリンガとして働
く。
通常動作時のシールアセンブリBは、シール40と遮蔽体
42との間の摩擦接触を軽く付勢されたダートリップに沿
った部分でのみ行なっているから、遮蔽体40をシール40
に対して回転させるのにトルクはほとんど必要とされな
い。
実際にシール40は、ガータースプリングの方で付勢され
た半径方向リップを有する従来のシールと比べて必要な
トルクは大幅に少なくてすむ。それにもかかわらず潤滑
剤及び汚染要因物の通路に対する障壁はまったく有効で
ある。従ってシールAは軌道車両のジャーナルベアリン
グでの使用に理想的に適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるシールアセンブリを設
けられた多用途ベアリングの断面図、第2図はシールア
センブリの1つの拡大図、第3図は第2図の3−3線に
沿うシールアセンブリの部分断面図、第4図はポンプラ
ビリンスの面を示す第3図の4−4線に沿うシールアセ
ンブリの断面図、第5図は第2図の5−5線に沿うシー
ルアセンブリの部分断面図である。 A……ベアリング、B……シールアセンブリ、2……ジ
ャーナル、4……車軸、6……収容構造、8……裏当て
リング、10……端部キャップ、12……キャップスクリュ
ー、14……スペーサリング、20……二重キャップ、22,2
8……レースウェイ、24……座ぐり、26……コーン、30
……スラストリブ、32……スペーサ、34……円すいコ
ロ、36……保持器、38……空洞、40……シール、42……
遮蔽体、44……ケース、46……シール素子、50……取り
付け部、52……屈曲部、54……端部壁、56……張り出し
部、58……封止面、62……取り付け部、64……中間部、
66……接合部、70……ポンプラビリンス、72……ダート
リップ、74……2次リップ、76,78……環状溝、80……
内筒形面、82……内端面、84……外端面、86……ポンプ
空洞、88……側面、90……接続面、92……通気開口、94
……側面、96……端面、98……封止縁、100……介装部
材、104……内側面、106……端面、108……外側面、110
……縁、112……切欠。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に回転する第1の部材(14)と第2
    の部材(20)との間に画成される領域(38)を隔離する
    ための遮蔽手段を形成するシールと封止面との組み合わ
    せであって、 該封止面(58)は該第1の部材(14)に固定された遮蔽
    体(42)に形成され、該第1の部材(14)の軸方向に延
    在する第1の面と、該第1の面から半径方向外側に離間
    して対向する第2の面と、該第1の面と該第2の面とを
    繋ぐ第3の面とからなり、 該シール(40)は該第2の部材(20)に固定され、該第
    1の面(58)の周囲に配置されたラビリンス(70)と、
    該第1の面(58)に当接する可撓性ダートリップ(72)
    と、該第2の面(58)に向かって延出する2次リップ
    (74)とからなり、該ラビリンス(70)、該ダートリッ
    プ(72)及び該2次リップ(74)は該封止面(58)に沿
    ってこの順に該領域(38)から遠ざかるよう配置され、 該ラビリンス(70)は該第1の面(58)に対向する端面
    (80)と該領域の内側に向いた側面(82)とを有し、該
    端面(80)は該第1の面(58)から離間して間隙が該ラ
    ビリンス(70)と該第1の面(58)との間に形成される ことを特徴とする封止面とシールとの組み合わせ。
  2. 【請求項2】該2次リップ(74)は該第2の面(58)か
    ら離間していることを特徴とする請求項1記載の封止面
    とシールとの組み合わせ。
  3. 【請求項3】該ダートリップ(72)と前記2次リップ
    (74)と該封止面(58)との間に形成される領域(78)
    にグリース状の潤滑剤が充填されてなる請求項1記載の
    封止面とシールとの組み合わせ。
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