JPH0686527U - カップ状スタビライザー - Google Patents

カップ状スタビライザー

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JPH0686527U
JPH0686527U JP3999393U JP3999393U JPH0686527U JP H0686527 U JPH0686527 U JP H0686527U JP 3999393 U JP3999393 U JP 3999393U JP 3999393 U JP3999393 U JP 3999393U JP H0686527 U JPH0686527 U JP H0686527U
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清 山内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、靴の踵部の補強に用いられるカッ
プ状スタビライザーの保形性を向上させることを目的と
した考案である。 【構成】 カップ状スタビライザーを合成樹脂で形成す
るに際し、弾力性や剛性に優れると共に形状賦形性に優
れた形状記憶合金の材料特性を利用して、形状憶合金製
メッシュ板や不織布板を合成樹脂の強化材とした構成か
ら成るカップ状スタビライザーである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、靴に用いられるカップ状スタビライザーに関するもので、人体の脚 踵部の形状に対応させて底面部と壁面部が連続したカップ状に一体に形成された ものに関する考案で特にスポーツシューズに用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】
靴、特にスポーツシューズには、スタビライザーと称する保護具が多用されて いる。 このスタビライザーは、踵部の保護のために甲被とミッドソールの間に設けた り、甲被とソールの間に設けるもので、実公昭63−10726号や実公平2− 4573号に開示されているような馬蹄形状のものが一般的であり、このスタビ ライザーは踵部の横ゆれを予防し、ランニング時の着地衝撃や跳躍時の踏切衝撃 を吸収緩和せしめるもので、その材質は主に合成樹脂によって形成され、成型手 段は多様であるが一般的には金型を用いたインジェクション方式で形成され、使 用される合成樹脂はナイロン樹脂、PVC樹脂、ポリウレタン樹脂その他弾力性 と剛性を備えたものが使用されているが未だ満足するものが得られなかった。 そこで、この踵部に受ける応力を緩和するために馬蹄形状のスタビライザーの 踏みつけ部に底面を設けたカップ状に形成したスタビライザーが提案されている 。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このカップ状のスタビライザーは、履用時の違和感をなくし重量の軽減を図る ために極力肉薄に形成されたものが要求されている。 ところが、肉薄に形成すると弾力性や剛性が不足するため使用時の衝撃を吸収 することができないという課題を有していた。 そこで、これを解決するためにガラス繊維やカーボン繊維の織布や不織布や短 繊維チップ等を強化材とした繊維強化樹脂で形成したカップ状スタビライザーが 提供されているが未だ満足するものが得られないという状況である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は前記課題を解決するために、弾力性や剛性に優れると共に形状賦形性 に優れた形状記憶合金の材料特性を利用して、形状記憶合金製メッシ板や不織布 板を合成樹脂の強化材として用いて形成したカップ状スタビライザーにより前記 課題を解決しようとするものである。 本考案に用いる形状記憶合金材は任意であるがその一例を挙げるとTi−Ni 合金の細線材で形成したメッシュ板等が好適である。
【0005】
【実施例】
以下実施例について説明する。 図1は本考案の構成の一例を示すカップ状スタビライザーの斜視図、図2は本 考案の他の構成を示すカップ状スタビライザーの斜視図、図3は本考案の形状記 憶合金製メッシュ板から成る強化材の平面図、図4は第1図のA−A部位拡大端 面図、図5は本考案のカップ状スタビライザーの製造方法の一例を示す説明図、 図6は本考案のカップ状スタビライザーを用いたスポーツシューズの外観図であ る。
【0006】 先ず、任意形状の形状記憶合金からなるメッシュ板を裁断して予め所望形状に 形状記憶せしめた強化材を形成し、該強化材を成型金型内に配置し、型締め後成 型金型内に合成樹脂を射出注入し、強化材と合成樹脂と一体に形成したカップ状 スタビライザーの実施例について説明する。 任意形状記憶合金からなるメッシュ板2を所定の形状に裁断2aし、該メッシ ュ板を底面部4の両側に壁面部5を一体に連続状に立ち上げた所定の形状に形状 記憶せしめて強化材2bとし、該強化材2bを金型7内に配置し型締め後、注入 口8より合成樹脂3を注入して、強化材2bと合成樹脂3とを一体に形成したカ ップ状スタビライザー1を形成する。
【0007】 次に、任意形状の形状記憶合金からなるメッシュ板を所定形状に裁断して成型 金型内に配置し、該成型金型内に射出注入する合成樹脂の注入圧と注入熱により 所望形状に形状記憶せしめたカップ状スタビライザーの実施例について説明する 。 任意形状記憶合金製メッシュ板2を所定の形状に裁断2aした強化材2cを金 型7内に配置し,注入口8より合成樹脂3を注入して、金型7内に注入された合 成樹脂3の注入圧と注入熱により底面部4の両側に壁面部5を一体に連続状に立 ち上げ部6を形成するように合成樹脂と一体に形成したカップ状スタビライザー 1を形成する。
【0008】 強化材を任意形状記憶合金からなる不織布で形成したものも上記と同様の手段 で形成するが実施例の説明は省略する。
【0009】 本考案に用いる任意形状記憶合金としてはTi−Ni合金等があり、合成樹脂 としてはナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、等弾力性に優れたものが好ましい。 任意形状記憶合金の形状記憶温度は予め形状を記憶させておくものについては 合成樹脂の溶融温度以上のものが必要であり、合成樹脂の成型時に任意形状記憶 合金の強化材の形状記憶を同時にさせるものにおいては、合成樹脂の溶融温度内 で形状記憶が可能なものが必要である。 Ti−Ni合金は合成樹脂の一般的溶融温度に対応して変態開始温度の設計自 由度が広く、細線に加工することが容易であり本考案の形状記憶合金として好適 である。
【0010】 又、カップ状スタビライザーの形状については、図1に示すように底面部4が 踵から靴先部にかけて連続して形成されたカップ状スタビライザー1や、図2に 示すように踵部のみに対応する形状に形成されたカップ状スタビライザー1aに 形成する等要望に応じて任意に形成可能である。 又、強化材2b,2cの形状についても、部分的に複数枚重ねて肉厚にする等 は要望に応じて任意に形成可能である。 又、メッシュ材の製造に際して形状記憶合金の細線とナイロン樹脂等の合成樹 脂の細線とを組み合わせて織製すると、裁断後成型する際に用いる加熱圧プレス 等によって細線の合成樹脂が溶融してバインダーとなり、形状記憶合金の細線の 結合を良好にして形状記憶せしめた強化材の変形を予防することができるから作 業性が良好となる。
【0011】 又、形状記憶合金の細線を用いた不織布板にした場合は、不織布板と合成樹脂 のプリプレグにすると作業性が良好となる。 又、、本考案は甲被DとミッドソールCの間に用いるカップ状スタビライザー であるが、カップ状スタビライザーの底面部を除いた形状に形成する(図示を省 略する)と、甲被Dの踵の内部に用いるヒールカウンターとして使用することが 可能となり、スポーツシューズEの他一般用靴に用いることができる。
【0012】
【考案の効果】
本考案に用いた形状記憶合金は、一般に超弾性素材と称されているように極め て高い弾力性を有しており、形状記憶せしめた合金は、外力によって変形を加え ても素早く原形に復元する特性があるから、従来のカーボン繊維やガラス繊維を 強化材としたものに比較して肉薄に形成しても変形の虞が無く保形性にすぐれて おり、人体の踵部に対応して密着性が良好となり運動時に脚踵部にかかる応力を カップ状スタビライザーの全面で吸収するため衝撃吸収性が良好となり足の損傷 を予防する効果を有する。 又、製造上は甲被のカウンターが不要と成り経済的であり製法上の簡素化が図 れる。 又、形状記憶合金の線材の線径およびメッシュの密度を変化させることにより カップ状スタビライザーの弾力性や剛性の調節が可能となり設計の自由度か向上 し、肉薄に形成することが可能となり使用感が損なわれる虞がない。 又、任意形状記憶合金の強化材と合成樹脂の色調を異色にしたり、合成樹脂を 透明素材にすることによりデザイン上優美なものが提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の構成を示すカップ状スタビライザーの
斜視図である。
【図2】本考案の他の構成を示すカップ状スタビライザ
ーの斜視図である。
【図3】本考案の形状記憶合金製メッシュ板の平面図で
ある。
【図4】第1図のA−A部位拡大端面図である。
【図5】本考案のカップ状スタビライザーの製造方法の
一例を示す説明図である。
【図6】本考案のカップ状スタビライザーを用いたスポ
ーツシューズの外観図である。
【符号の説明】
1 カップ状スタビライザー 1a カップ状スタビライザー 2 形状記憶合金製メッシュ板 2a 裁断 2b 強化材 2c 強化材 3 合成樹脂 4 底面部 5 壁面部 6 立ち上げ部 7 金型 8 注入口 B ソール C ミッドソール D 甲被 E スポーツシューズ

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カップ状スタビライザーを有するスポー
    ツシューズにおいて、該カップ状スタビライザーを任意
    形状の形状記憶合金を強化材として形成したことを特徴
    とする合成樹脂製カップ状スタビライザー。
  2. 【請求項2】 前記任意形状の形状記憶合金からなる強
    化材はメッシュ板からなることを特徴とする請求項1記
    載の合成樹脂製カップ状スタビライザー。
  3. 【請求項3】 前記任意形状の形状記憶合金からなる強
    化材は不織布板からなることを特徴とする請求項1記載
    の合成樹脂製カップ状スタビライザー。
  4. 【請求項4】 前記任意形状の形状記憶合金からなる強
    化材は予め所望形状に形状記憶せしめた後成型金型内に
    配置し、該成型金型内に射出注入した合成樹脂と一体に
    形成したことを特徴とする請求項1,2,3記載の合成
    樹脂製カップ状スタビライザー。
  5. 【請求項5】 前記任意形状の形状記憶合金からなる強
    化材は所定形状に裁断して成型金型内に配置し、該成型
    金型内に射出注入する合成樹脂の注入圧と注入熱により
    所望形状に形状記憶せしめ、射出注入した合成樹脂と一
    体に形成したことをたことを特徴とする請求項1,2,
    3記載の合成樹脂製カップ状スタビライザー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011509753A (ja) * 2008-01-16 2011-03-31 スペンコ、メディカル、コーパレイシャン 3種類の密度のゲルのヒール・カップ

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