JPH0686479B2 - アプロチニンの同族体 - Google Patents

アプロチニンの同族体

Info

Publication number
JPH0686479B2
JPH0686479B2 JP59155720A JP15572084A JPH0686479B2 JP H0686479 B2 JPH0686479 B2 JP H0686479B2 JP 59155720 A JP59155720 A JP 59155720A JP 15572084 A JP15572084 A JP 15572084A JP H0686479 B2 JPH0686479 B2 JP H0686479B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aprotinin
ester
residue
lysine
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59155720A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6056999A (ja
Inventor
ハラルト・チエツシエ
ヘルベルト・ベンツエル
ライナー・シユムツク
オイゲン・シユナーベル
Original Assignee
バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE19833339693 external-priority patent/DE3339693A1/de
Application filed by バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト filed Critical バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
Publication of JPS6056999A publication Critical patent/JPS6056999A/ja
Publication of JPH0686479B2 publication Critical patent/JPH0686479B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/12General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by hydrolysis, i.e. solvolysis in general
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/81Protease inhibitors
    • C07K14/8107Endopeptidase (E.C. 3.4.21-99) inhibitors
    • C07K14/811Serine protease (E.C. 3.4.21) inhibitors
    • C07K14/8114Kunitz type inhibitors
    • C07K14/8117Bovine/basic pancreatic trypsin inhibitor (BPTI, aprotinin)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S930/00Peptide or protein sequence
    • Y10S930/01Peptide or protein sequence
    • Y10S930/26Containing cys-cys disulfide bridge between nonadjacent cysteine residues

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 アプロチニン(aprotinin)は家畜の器官から得られる
公知のカリクレイン‐トリプシン阻害物質である。その
構造式は公知である〔式(I)〕。リジン残基はペプチ
ド鎖の反応性中心における位置15にあり、そしてこれは
阻害物質の特異性に対する決めてとなる。
本発明はこのリジン残基がグリシン、L-アラニン、L-バ
リン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-メチオニン、L-
アルギニン、またはL-ノルロイシン、L-ノルバリン、L-
α‐アミノ酪酸、デヒドロアラニンまたはL-ホモセリン
で置換されているアプロチニンの新規な同族体に関す
る。また、本発明はこれらの同族体の製造方法、その際
に生ずる中間体及び薬剤としてその用途に関する。
H.Jering及びH.Tschesche、Europ.J.Bi-ochem.61、433
(1976)により、de-Lys15‐アプロチニン*におけるリ
ジン欠損の代りに塩基性及び芳香族アミン酸を酵素を用
いて入れることが可能であることは公知であり、このも
のは順次化学的及び酸素的反応によって製造することが
できるが、しかるに位置15に他のアミノ酸を導入するこ
とはこの径路によっては不可能である。以下において
は、リジン15とアラニン16の間のペプチド結合が加水分
解されているアプロチニンをアプロチニン*で表示す
る。
フエニルアラニン、トリプトフアン及びアルギノンを含
むアプロチニン同族体が製造される酵素的変異と称する
方法は、フエニルアラニン及びトルプトフアンを含む同
族体に対してのみ単一鎖蛋白質を生ずる。アルギニン15
誘導体はアルギニン‐39-アラニン40開裂及びアルギニ
ン39損失によって、2鎖の蛋白質としてのみ得られる。
化学的変異と称し且つ水溶性カルボジイミドを用いて行
われるアミノ酸グリシン、L-アラニン、L-バリン、L-ロ
イシン、L-メチオニン及びL-アルギニンのエステルによ
るde-Lys15‐アプロチニン*の縮合においては、アプロ
チニン*誘導体が得られ、その或るものは位置15に関連
したアミノ酸エステルをもつが、しかしこのアミノ酸エ
ステルは同時に、アスパラギン酸残基(位置3及び50)
及びグルタミン酸残基(位置7及び49)並びに末端アラ
ニン(位置58)の側鎖における末梢カルボキシル基の全
てまたは一部上にアミド結合の形式によって縮合してい
る。[H.R.Wenzel及びH.Tschesche、Angw.Chem.93、292
(1981)]。加えて、カルボジイミドの添加による反応
中に、望ましくないアシルウレアがカルボキシル基上に
生成する。かくして、この文献に従って、位置15におけ
るアミノ酸エステルとアラニン16の間のペプチド結合の
酵素的再合成後、純粋なアプロチニン同族体ではなく、
これらの同族体の誘導体混合物が得られる。従って、位
置15にフエニルアラニン及びトリプトフアン以外のアミ
ノ酸を含むアプロチニン同族体は今までのところ未知で
ある。
本発明はこのタイプの利用できる同族体を製造する。こ
れらの同族体は、これらのものが位置15においてリジン
の代りにグリシン、L-アラニン、L-バリン、L-ロイシ
ン、L-イソロイシン、L-メチオニン、L-アルギニン、L-
α−アミノ酪酸、L-ノルバリン、L-ノルロイシン、デヒ
ドロアラニンまたはL-ホモセリンをもっと云う事実によ
ってアプロチニンとは全く異なる。これらの同族体は一
連の適当な化学的及び酵素的反応工程において高収率で
製造することができる。
この目的のために、開裂したリジン15とアラニン16の間
のペプチド結合をもつ修飾されたアプロチニン(=アプ
ロチニン*)をまずそれ自体公知の方法において製造す
る、またアプロチニンの製造を酵素プラスミンまたはデ
ルマステリアス・イムブリカータ(Dermasterias imbri
cata)からのヒトデトリプシンを用いて、Cys14‐Cys38
ジスルフアイド架橋を前もって還元せずに行うことがで
きる。次に分子中の6個の遊離カルボキシル基を公知の
方法においてメタノール性塩化水素を用いて、アプロチ
ニン*のヘキサメチルエステルの生成によってエステル
化する。しかしながら、またエステル化を公知の方法と
同様にして、トリアルキルオキソニウムフルオロボレー
トを用いて行うこともできる。更に、アプロチニン*と
メタノール/塩化チオニルとの反応はアプロチニン*の
ヘキサメチルエステルの製造に対して適当である。メタ
ノールの代りに、また蛋白質に対してわずかな変性活性
を有する他のアルコール類、例えばエタノール及び炭素
原子6個までを有し且つ随時置換基をもっていてもよい
脂肪族アルコールがエステル化に対して適当である。し
かしながら、更に反応させるために、好ましくはアプロ
チニン*のヘキサメチルエステルを用いる。必要に応じ
て、不完全な反応の結果として或いは副反応の結果とし
て生ずる粗製の物質中の追加の物質をそれ自体公知の方
法において、陽イオン交換体でイオン交換クロマトグラ
フイーによって分離することができる。カルボキシルま
たはスルホン酸基をもつ陽イオン交換体、例えばCM-セ
ルロース、CM-セフアデツクス、CM-セフアロース及びSP
-セフアデツクスをこの目的のために使用することがで
きる。イオン交換クロマトグラフイーが適当な緩衝剤溶
液を用いてpH値3乃至7間、好ましくは4.0〜6.0で行わ
れる。このタイプの緩衝剤溶液の例はリン酸塩、酢酸
塩、コハク酸塩またはクエン酸塩溶液であり、この塩含
有量を溶離する際に連続的または非連続的に上昇させ
る。塩勾配をつくるために好ましくは塩化ナトリウムを
用いる。
アプロチニン*から出発して、バリン‐15-アプロチニ
ンの合成は第1図において図式的に表わされる。示した
合成図式において、反応工程の表示は活性中心(位置1
5)に関連したアプロチニンの部分に限定した。この図
式において、末梢(per-ipheral)カルボキシル基を包
含する全ての反応(エステル化及び加水分解)は考慮し
ていない。
各物質を次の如く表示する: 1)アプロチニン* 2)アプロチニン*のヘキサメチルエステル 3)ジ‐システイニル‐14,38-アプロチニン*のヘキサ
メチルエステル 4)ジ‐ステイニル‐14,38-アプロチニン*のペンタメ
チルエステル 5)アプロチニン*のペンタメチルエステル 6)デ‐リジン‐15-アプロチニン*のペンタメチルエ
ステル 7)L-バリン‐15-アプロチニン*のヘキサメチルエス
テル 8)L-バリン‐15-アプロチニン。
ジ‐システイニル‐14,38-アプロチニン*のヘキサメチ
ルエステル及びジ‐システイニル‐14,38-アプロチニン
*のペンタメチルエステルにおいて、位置15及び16間の
開裂したペプチド鎖が未だ半‐システン5/55及び30/51
のジスルフアイト架橋を介して共有的に結合している
が、しかしこれは図式中に示していない。
アプロチニン*のヘキサメチルエステルにおけるリジン
15のカルボキシル基の選択的遊離化のために、最初の反
応工程において、位置14及び38におけるシステイン残基
間の露出されたジスルフアイド架橋をそれ自体公知の方
法においてメルカプトエタノール、または好ましくはジ
チオエリスリトールで選択的に還元する。この目的のた
めに、アプロチニン*のヘキサメチルエステル1モル当
りジチオエリスリトール5〜100モル、好ましくは約50
モルを用いることができる。
この還元は緩衝剤水溶液中にてpH値3〜7.5、好ましく
は4.0〜6.5で行われる。好ましい緩衝剤の例はコハク酸
塩、リン酸塩または酢酸塩緩衝剤であり、これらのもの
は0.005〜0.5Mであることができるが、しかし好ましく
は0.1Mである。過剰量のジチオエリスリトールを分離す
るために、反応溶液を適当な分子ふるいで充填されたク
ロマトグラフイー用カラムを通して直ちにまたは蒸発後
に過する。溶離剤としてpH値2〜6.5を有する揮発性
緩衝剤を用いることができるが、しかし溶媒として好ま
しくは0.05〜0.1M酢酸を用いる。しかしながら、またリ
ジン15残基のカルボキシル基の遊離を、ジチオエリスリ
トールを前もって除去せずに行うこともできる。
ヘキサメチルエステルの選択的加水分解は、Cys14-38ジ
スルフアイド架橋を前もって還元せずに有利に行われ
る。この場合、カルボキシペプチターゼを加える前に酸
化工程がなくても済む。アプロチニン*の還元されたヘ
キサメチルエステルにおけるリジン15残基上のエステル
基を選択的に加水分解するために、トリプトフアン残基
上にホルミル化され且つアミド加水分解的(amidolyti
c)活性をもたぬが、しかし適当な活性化後、トリプシ
ン特異性によって高度のエステル加水分解的(erteroly
tic)活性を未だ有するトリプシンによって反応が行わ
れる。選択的加水分解は適当な緩衝剤溶液中で行われ
る。この目的に対する適当な緩衝剤が殊にリン酸塩、コ
ハク酸塩、酢酸塩またはクエン酸塩緩衝剤である。これ
らの緩衝剤は0.01〜0.5M、好ましくは0.1Mであることが
できる。好ましい反応温度は25〜37℃であるが、しかし
この加水分解を一般的に4〜50℃の温度で行うことがで
きる。反応時間は1乃至48時間、好ましくは2〜10時間
である。
またリジン15エステルの選択的加水分解は、反応溶液に
有機溶媒を加える場合、未修飾トリプシンを用いて行う
ことができ、その理由は、トリプシンの蛋白質加水分解
的(proteolytic)活性が有機溶媒例えばジオキサンま
たはホルムアミド及び2-クロロエタノールによって同様
に減じられるためである。ジオキサンで希釈された緩衝
剤水溶液がこの反応に対して殊に適当である。この目的
のために、ジオキサン含有量30乃至75容量%間、好まし
くは40〜66容量%を選ぶ。殊に挙げ得る好ましい緩衝剤
溶液は酢酸塩、コハク酸塩またはリン酸塩緩衝剤であ
る。そのモル濃度は0.01〜0.5M、好ましくは0.05〜0.2M
であることができ、そしてそのpH値は2乃至7間、好ま
しくは3.0乃至6.5間であることができる。
選択的エステル加水分解のために、トリプシン0.1〜30
モル%、好ましくは1〜10モル%を用いる。反応時間は
用いる酵素の量及び緩衝剤溶液のpH値に応じて0.1〜10
時間である。
Cys14-38ジスルフアイド架橋の還元直後または後に選択
的加水分解のためにアプロチニン*のヘキサメチルエス
テルを有利に用いることができる。
アプロチニン*のヘキサメチルエステルを用いる際に、
位置15におけるバリンの組み入に対する合成工程を第2
図に図式的に表わす。第1図における如く、表示は活性
中心(位置15)に関連したアプロチニン分子の一部分に
限定する:末梢カルボキシル基に影響を及ぼす反応は図
式において考慮していない。
各物質を次の如く表示する: 1.アプロチニン* 2.アプロチニン*のヘキサメチルエステル 3.アプロチニン*のペンタメチルエステル 4.デ‐リジン‐15アプロチニン*のペンタメチルエステ
ル 5.L-バリン‐15-アプロチニン*のヘキサメチルエステ
ル 6.L-バリン‐15-アプロチニン。
リジン15における選択的加水分解後、Cys14-38−アプロ
チニン*の還元されたペンタメチルエステルまたはアプ
ロチニン*のペンタメチルエステル並びに非加水分解出
発物質及び更に加水分解の結果として生じたより酸性な
成分、そして修飾されたトリプシンまたはトリプシンを
蛋白質化学においては普通の方法によって分離する。こ
れに関連して挙げ得るこのタイプの方法は、トリプシン
または修飾されたトリプシンの過塩素酸、または好まし
くはトリクロロ酢酸により沈殿化、そして適当な分子ふ
るいを充填したクロマトグラフ用カラムを通しての過
であり、使用する溶離剤は、抗トリプシン活性がアプロ
チニン*誘導体に未だ存在するために、pH値7.0以下、
好ましくはpH値1.5乃至3.5間の溶液である。好ましい溶
媒は0.05〜0.1M酢酸であり、そのpH値を塩化水素酸によ
って所望の値に調節する。アプロチニン*の加水分解さ
れていないヘキサメチルエステル、所望のペンタメチル
エステル及び更に加水分解された誘導体からなるゲル
過により生じる阻害物質フラクシヨンを、適当ならばイ
オン交換クロマトグラフイーによって分別することがで
きる。この分別はアプロチニン*のヘキサメチルエステ
ルに対して上に述べた(そして実施例1に更に詳細に述
べた)条件と同様にして行われる。
還元されたCys14-38ジスルフアイドを有するアプロチニ
ン*のヘキサメチルエステルを用いる場合、システイン
14及び38間のジスルアイド架橋を、リジン15残基をカル
ボキシペプチダーゼで分裂させる前に、酸化によって閉
じる。この酸化は空気流中の酸化によってpH値3.0〜9.
0、好ましくは4.5〜7.0で行われ、反応過程をエルマン
(Ellman)の方法によってSHに対する数値を用いて監視
する。
リジン15はpH値3〜7.5間、好ましくは4.0〜7.0に緩衝
された溶液中でカルボキシペプチダーゼ、例えばカルボ
キシペプチダーゼY、但し殊に容易にはカルボキシペプ
チダーゼBを用いて円滑に分裂する。反応溶液を酸性に
した後、カルボキシペプチダーセ及びデ‐Lys15‐アプ
ロチニン*のペンタメチルエステルをそれ自体公知の方
法において、pH値1〜7、好ましくは2〜5により緩衝
剤を用いて、但し溶離剤として殊に希釈酢酸によって分
子ふるいカラムを通して過することによって分離す
る。デ‐リジン15‐アプロチニン*のペンタメチルエス
テルはアプロチニン同族体を合成するための出発物質で
あり、関連した液を凍結乾燥した際に無色の物質とし
て得られる。
リジン15残基に換えて新しいアミノ酸の導入は、水溶液
中にてデ‐リジン15‐アプロチニン*のペンタメチルエ
ステルを関連するアミノ酸とのカルボジイミドによって
もたらされる縮合によって行われ、しかしながら、また
該水溶液は有機溶媒例えばアルコール類、ジメチルホル
ムアミドもしくはジメチルスルホキシド及び/または塩
類を含んでいてもよい。
この縮合に対して水溶性カルボジイミド類が殊に適当で
あり、例えば次のものである:N-シクロヘキシル‐N′
‐2-(4-モルホリノエチル)‐カルボジイミドメトトル
エン‐4-スルホネート、N-tert.-ブチル‐N′‐(3-ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N-シク
ロヘキシル‐N′‐(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩、N-イソプロピル‐N′‐(3-ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩または、好ま
しくはN-エチル‐N′‐(3-ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩及び上記のカルボジイミドの2つ
またはそれ以上の混合物。
カルボイミドとの反応は−10℃〜+35℃、殊に0℃乃至
25℃間の温度で行われる。反応中、反応溶液のpH値を希
釈無機酸の添加によって4.0乃至7.5間に保持する。
アプロチニン同族体の合成に用いるアミノ酸のアルキル
エステルにおいて、このエステル基は直鎖状、分枝鎖状
または環式でさえあることができ、そして炭素原子6個
までを含むことができる。またチオエステル及びフエニ
ルエステル用いることができるが、しかし関連するアミ
ノ酸のメチルエステルを用いることが好ましい。
縮合において、デ‐リジン‐15-アプロチニン*のペン
タメチルエステル1モル当りアミノ酸エステル約10〜10
00モル及びカルボジイミド約8〜800モルを用いる。こ
の反応中、位置14における半シスチン残基の遊離カルボ
キシル基上にカルボジイミドが付加するために、副生成
物として種々な量のアシルウレア(デ‐Lys15‐Cys14
ウレイド‐アプロチニン*のペンタメチルエステル)が
生じる。更に、チロシン残基のフエノール性ヒドロキシ
ル基上にカルボジイミドが付加する結果として、O-アリ
ールイソウレア誘導体を生成する。これらの化合物は反
応混合物のゲル過に際してアミノ酸‐15-アプロチニ
ン*のヘキサメチルエステルと共に得られ、そして下記
の如くして混合物から分離または遊離される。
アミノ酸‐15-アプロチニン*のヘキサメチルエステル
は阻害活性を有している。これらのものは50〜95%の収
率で得られる。また本発明はこれらのエステルに関す
る。
酵素的に調節された分子内アミド合成が、位置15におけ
るアミノ酸のカルボキシル基はエステル化によって活性
化され、そして非分離状態で存在することにより、本発
明による方法において好ましい。再合成はアシル酵素を
介して達成され、位置15におけるアミノ酸残基のエステ
ル化されたカルボン酸基から出発した場合、エネルギー
的により好ましく、そして103倍の速さで起こる。また
位置15及び16におけるアミノ酸間のペプチド合成の分子
内再合成に対する立体的必要性が、含まれるカルボン酸
基の或る四面体変形を生じる酵素阻害物質複合体の形成
によって与えられることが重要である。
位置15におけるアミノ酸の側鎖がプロテイナーゼの特徴
的ポケツトに適合することは、位置15に新たに導入した
アミノ酸及び位置16におけるアラニン間のペプチド結合
の酵素的形成に対して殊に有用である。例えばこれらは
L-メチオニンを含む同族体に対するキモトリプシンまた
はカテプシンGである;しかるにこれらのものはL-ロイ
シン、L-ノルロイシン及びL-ノルバリンを含む同族体に
対するキモトリプシン、カテプシンGまたは顆粒球もし
くは膵臓から得られるエラスターゼ(elastase)であ
り、そしてこれらのものはL-バリン及びL-α‐アミノ酪
酸を含む同族体に対する顆粒球エラスターゼ及び、驚く
べきことに、トリプシンである。L-アラニンを含む同族
体における共有アミド結合を同様に膵臓エラスターゼま
たはトリプシンによって生成する。またトリプシンは位
置15においてL-アルギニンまたは、驚くべきことに、グ
リシンを含むアプロチニン同族体の合成に対して適当で
ある。
ペプチド結合の酵素‐触媒された合成は、ペプチド化学
の方法と比較して、分子内または分子間縮合のために望
ましくない副生成物の生成が避けられる利点を有してい
る。この合成は溶解した酵素によってまたは、有利には
不均質相において担体に担持させた酵素によって行うこ
とができる。
酵素的縮合に対する適当な媒質はpH値2乃至10間の緩衝
剤溶液である。好ましくはpH値5乃至8.5間のリン酸
塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンまたはホ
ウ酸塩緩衝剤或いはエタノールアミン緩衝剤を用いる。
1:1錯体の生成を伴うプロテイナーゼの化学量論的量を
用い、そして続いてその速かな解離により酵素及びアプ
ロチニン同族体を生成させる動作的調節下での合成の代
りに、また触媒量の酵素を用いて熱力学的調節下で合成
を行うこともできる。
かくして合成されるアプロチニン同族体の収率を水と混
合し得る有機溶媒例えばグリセリン、1,4-ブタンジオー
ル及びジメチルホルムアミドの添加によって増加させる
ことができる。エステル基の或るものは、位置15及び16
におけるアミノ酸間の結合の酵素的形成中に、アルカリ
性溶液中で加水分解される。完全な加水分解が+4℃及
び室温の双方で、0.001N〜1.0Nアルカリ金属水酸化物溶
液中で放置した際に起こる。
殊に位置15及び16におけるアミノ酸間のペプチド結合の
形成を担体に担持させた酵素を用いて行う場合、加水分
解する前にアプロチニン同族体を精製する必要はない。
存在する追加物質、例えば未変化出発物質及び適当なら
ば、生じた高分子量集合体、殊にカルボジイミド縮合中
に生じたハーフ‐シスチン14残基上のアシルウレアは阻
害活性をもたず、このものは蒸留によって分離すること
ができる。
カルボジイミド縮合中に或る程度生成するチロシン‐O-
イソウレア誘導体をpH値7.0にて2〜6時間の培養時間
で、0.5Mヒドロキシルアミンで処理して未誘導のチロシ
ン残基を逆転化することができる〔K.L.Carraway及びD.
E.Koshland Jr.,Biochim.Biophys.Acta160、272(196
8)参照〕。懸濁液をpH値1.5〜3の酸性にした際、アプ
ロチニン同族体がその錯体から遊離し、そして液中に
移行する。
対比して、15−16結合が可溶性酵素を用いて形成される
場合、酵素をそれ自体公知の方法において、酸による沈
殿またはゲルクロマトグラフイーによって除去すること
が考えられる。
また反応中心における15-16ペプチド結合の再合成がpH
値3〜7好ましくは4.5〜5で水溶性カルボジイミドを
用いて十分可能であり、これは殊にヒドロキシコハク酸
イミドの存在下においてよく生じる。しかしながらこの
場合に、エステル基、好ましくは新らたに導入したアミ
ノ酸15上のエステル基を加水分解する必要があり、この
加水分解は上記の如くして水酸化ナトリウム溶液によっ
て、またはそのエステル加水分解的活性のために、適当
なプロテイナーゼによって行うことができる。酵素的に
触媒される再合成と比較してペプチド化学の方法で行う
再合成の欠点は所望の同族体の低収率及び分子内及び分
子間縮合反応による望ましくない副生成物の生成、並び
にカルボキシル基上にカルボジイミドの付加によるアシ
ルウレアの生成である。
また阻害活性をもたぬ物質から阻害活性を有する物質の
分離は、酵素的縮合によって生じた反応溶液をまず分別
によって、中性またはアルカリ性条件下でゲル過によ
って容易に行われる。アプロチニン同族体は錯体を含む
フラクションにのみ溶離される。溶液のpH値を1乃至4
間に調節した後、酵素‐阻害物質錯体が解離し、そして
酵素及び阻害物質を酸条件下で他のゲル過によって分
離することができる。
この過に対する好ましい溶媒は酢酸、ギ酸または水性
無機酸、或るいはこれらの溶媒の混合物である。
本発明における阻害物質を単離及び精製するために、プ
ロテイナーゼに対するそのアフイニテイを利用すること
が殊に有利である。これは第一工程の化学的縮合後、ま
たは第二工程の酵素的反応後に、アフイニテイクロマト
グラフ法を用いる分別によって有利に行われる。使用す
るアフイニテイ吸着剤は通常固体の不活性物質(担体)
であり、その表面に関連する酵素がそれ自体公知の方法
によって固定される。反応混合物の溶離に適用した際、
阻害活性をもたぬ物質が直ちに溶離され、一方、阻害活
性を有する物質は徐々に溶離されるか、或いは全体にと
どまる。次に担体に担持された酵素及び阻害物質間の結
合を溶離剤のpH値及び/または塩濃度を変えることによ
って解くことができ、かくして、阻害活性を有する混合
物中の成分が最終的に溶離液中に得られる。
ゲル過及びアフイニテイクロマトグラフイーに加え
て、反応混合物を脱塩及び分別するために、イオン交換
クロマトグラフイーが殊に適している。
位置15におけるアミノ酸残基の交換によるのみアプロチ
ニンと異なる本発明における新規のアプロチニン同族体
は、阻害のスペクトルにおける変化に帰する変更された
効力及び効果を有する価値あるプロテイナーゼ阻害物質
である。
本発明におけるアプロチニン同族体の阻害のスペクトル
におけるこの変化はアプロチニンの活性中心におけるLy
s15がアミノ酸で交換されているためであり、該アミノ
酸の側鎖が関連するプロテイナーゼの特徴的なポケツト
によく適合するためである。顆粒球エラスターゼ、膵臓
エラスターゼ、キモトリプシン及びカテプシンGに対す
る合成物質及び阻害物質のアフイニテイに関する研究に
おいて、Powers及びZimmermanによって得られた結果に
よれば、これらの酵素に対するLeu15‐アプロチニン及
びノルロイシン15‐アプロチニンの高度の阻害効果並び
に顆粒状エステラーセに対する位置15にValをもつ同族
体の比較的高度の選択性、及びその膠原酵素の阻害は驚
くべきである。またAla15‐アプロチニンが2つのエラ
スターゼのみを弱く阻害することも驚くべきである。Gl
y15‐アプロチニンのすぐれた抗トリプシン活性及び組
織キニノゲナーゼ(Kininogenase)(カリクレイン)の
驚くべき阻害もまた注目すべきである。
本発明における阻害物質はアプロチニンにまさる生理学
的特性を有する。膵臓及び顆粒状によるエステラーゼ、
並びにカテプシンG及び顆粒球コラーゲナーゼにおける
その阻害効果が殊に有利であり、この効果が新規の効力
のある治療用途を開拓するものである。膵炎における膵
臓エラスターゼ、アテローム性動脈硬化症における血性
エラスターゼ、連結組織に損傷をもつ急性及び慢性炎
症、脈管壁に損傷及び壊死病、並びに肺組織の変性、例
えば肺気腫における顆粒球エラスターゼが重要な役割を
果たす。リソソーム(lysosamal)酵素、及び殊に免疫
学的過程、例えば変形関節炎による炎症における顆粒球
エステラーゼによる役割が同等に重要である。
1)モル比はGly=6.0、またはGly15−アプロチニンに
対してAla=6.0の関係にある。0)イソロイシンに対す
るこの数字は、分子中のIle−Ile結合のために18時間加
水分解後、低いことがわかった。
本発明における阻害物質は化学的、物理化学的、生化学
的及び生理学的特性によって特徴ずけることができる。
次の判定基準を用いた。
1.アミノ酸組成 アミノ酸組成をS.Moore,D.H.Spackman及びW.H.Stein[A
nal.Chem.30、1185(1958)]の方法によって測定し
た。本発明による或るアプロチニン同族体のアミノ酸分
析による値を第1表に示した。
2.高速液体クロマトグラフイー HPLCはBio−Sil TSK IEX 530 CM 4×300mmカラムをもつ
ヒユーレット・パッカード(Hewlett−Packard)(HP)
モデル1084B(Bio−Rad Labs,Richmond,USA)を用いて
行った。カラム温度40℃及び圧力約50バールで、0.15M
硫酸ナトリウム及び0.6M硫酸ナトリウムを含むpH値0.7
緩衝剤(Fixnal 38746 Riedel de Haen)の直線勾配を
用いて、流速は1ml/分であった。水1ml中のアプロチニ
ン誘導体1mgの溶液を各実験に用い、検出は215nm及び28
0nmで行った。使用した内部基準はフアプロチニンであ
った:示した保持時間はアプロチニンに関する。
3.電気泳動 Jering及びH.Tschesche[Eur.J.Biochem.61、443(196
7)]に記載された条件下で電気泳動を行った。しかし
ながら、10%アクリルアミドの代りに7%アクリルアミ
ドを用いた。アプロチン同族体の電気泳動的移動度は基
準としてのアプロチニンの移動度に関連する。
4.プロテアーゼの阻害スペクトル a)エラスターゼ阻害 α)膵臓エラスターゼ阻害 本発明におけるアプロチニン同族体に関する阻害実験に
対してNutritional Biochemicals社によって提供された
結晶した膵臓エラスターゼ(ブタ)を用いた。使用した
基質はサクシニル−L−アラニル−L−アラニル−L−
アラニンp−ニトロアニリドであった[J.Bieth等、Bio
−chem.Med,11,350(1974)]。開裂は405nmで遊離した
p−ニトロアニリンの吸光の連続測定によって決定し
た。錯体の最大生成を確実にするために、酵素及び阻害
物質を、基質の添加前15分間予めインキュベートした。
或る新規の阻害物質に対する酵素の阻害に関する半定量
的データを第2表に示した。
β)顆粒状エラスターゼ阻害 阻害試験に用いた同一酵素混合物は、K.Ohlsson及びI.O
lsson[Europ.J.Biochem.42、519(1974)]の方法によ
り、ヒト顆粒球から得られた。基質としてサクシニル−
L−アラニル−L−アラニル−L−バリンp−ニトロア
ニリド[H.R.Wenzel等、Hoppe−Seyler′sZ.Physiol.Ch
em.361、1413(1980)]が殊に適している。本発明にお
ける或るアプロチニン同族体による顆粒球エラスターゼ
の阻害に関するデータを第2表に示した。
b)キモトリプシン阻害 キモトリプシンの活性を、W.Nagel等、Hoppe−Seylers
Z.Physiol.Chem.340、1(1965)の方法によって、基質
としてサクシニル−L−フエニルアラニンp−ニトロア
ニリドを用いて分光学的に測定し、加水分解を405nm
で、遊離したp−ニトロアニリンを吸光の連続測定によ
って決定した。酵素及び阻害物質を基質に加える前に試
験緩衝剤中で15分間予めインキュベートした。本発明に
おける或るアプロチニン同族体に対するキモトリプシン
阻害に関するデータを第2表に示した。
c)カテプシンG阻害 カテプシンGの活性を基質としてサクシニル−L−フェ
ニルアラニンのβ−ナフチルエステルを用い、酵素的開
裂において遊離したβ−ナフトールの328.5nmで連続的
に分光学的測定によって決定した。酵素反応をBrij35の
0.05%及び塩化マグネシウム0.005Mを含むpH値7.2の0.2
5Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝
剤中で行った。試験緩衝剤2.5ml中で酵素及び阻害物質
を15分間予めインキュベートした後、ジメチルスルホキ
シド1ml中の基質39.4mgの原液0.025mlを加え、328.5nm
で吸光増加を測定した。自然加水分解による吸光増加を
この吸光から差し引いた。本発明における或るアプロチ
ニン同族体に対する結果を第2表に示した。
d)トリプシン阻害 トリプシン活性を基質としてベンゾイル−L−アルギニ
ンp−ニトロアニリドを用いて、H.Fritz等[Methoden
der enzymatischen Analyse(Methods of Enzymatic An
alysis)、H.W.Bergmyer編集、第2版、第1巻、1011
(1970)]の方法によって測定した。遊離したp−ニト
ロアニリンを405nmで分光光度計によって測定した。酵
素及び阻害物質を基質を加える前に15分間予めインキュ
ベートした。本発明における或るアプロチニン同族体に
よるトリプシンの阻害に関するデータを第2表に示し
た。
e)膵臓キニノゲナーゼ阻害、膵臓カリクレイン 使用した試験酵素は膵臓カリクレイン(ブタ)であっ
た。酵素活性を基質D−バリル−L−ロイシル−L−ア
ルギニンp−ニトロアニリド(A.B.Kabi)を用いて、T.
Dietl等[Hoppe−Seyler′sZ.Physiol.Chem.360,67(19
79)]の方法によって測定した。酵素及び阻害物質を基
質に加える前に15分間予めインキュベートした。遊離し
たp−ニトロアニリン405nmで測定することによって、
加水分解を分光光度法によって追跡した。ブタ膵臓から
のカリクレインの阻害に関するデータを第2表に示し
た。
f)膠原酵素阻害 顆粒球膠原酵素をH.W.Macartney及びH.Tschesche[FEBS
Letters119327(1980)]の方法によってヒト白血球か
ら単離し、その酵素活性を上記の文献に記載された方法
によって測定した。本発明における或るアプロチニン同
族体による顆粒状膠原酵素の阻害の定性的表示を第2表
に示した。
g)第Xa因子阻害 ヒト第X因子はベーリンゲル(Boehringer)によって供
給された−0.5ml中5U。
使用した基質はベンゾイル−L−イソロイシル−L−グ
ルタミ−グリシン−L−アルギニンp−ニトロアニリド
(A.B.Kabiによって供給されたS−2222)であった。酵
素活性を、酵素及び阻害物質の10分間予めインキュベー
ト、p−ニトロアニリンの遊離化を用いて測定した。本
発明における或るアプロチニン同族体の効力に関するデ
ータを第2表に示した。
h)プラスミン阻害 本発明における或るアプロチニン同族体のプラスミンに
関する定性的阻害活性を第2表から知ることができる。
基質D−バリル−L−ロイシル−L−リジンp−ニトロ
アニリド(S−2251:A.B.Kabiによって供給された)を
用いて、酵素及び阻害物質を0.05M塩化ナトリウムを含
むpH値7.4の0.1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン−塩酸緩衝剤中で10分間予めインキュベートした
後、測定をヒトのプラスミンによって行った。
急性炎症反応のモデルにおいて、本発明におけるアプロ
チニン同族体はアプロチニンよりもすぐれており、その
理由は、このものを用いた場合、顕著に低い投薬量でア
プロチニン同様の効果が達成されるのみならず、また炎
症を起こす試薬に露出した後、数時間投与した際に炎症
反応が明らかに抑制されるためである。カオリン及びエ
アロゾル・モデル中のアプロチンの1回の投与によって
は、このタイプの治療効果を得ることができない。
ラットにおける抗炎症効果を立証するための実験デザイ
ン a)カオリン−誘発した炎症反応 体重130〜160gのウィスター(Wister)ラットの後足に1
0%カオリン懸濁液0.1mlの足の裏注射によって炎症反応
を誘発させた。炎症反応を処置するために用いる本発明
におけるアプロチニン同族体を0.9%塩化ナトリウム溶
液中に10〜20mg/mlの濃度で溶解した。実験動物を、予
防、即ち炎症を起こす試薬に露出する前、或いは治療、
即ち炎症を起こす試薬に露出した後、を比較するため
に、阻害物質及びアプロチニンの溶液0.5〜1.0mlの腹腔
内、筋肉内、皮下または静脈内注射によって処置した。
炎症反応の重さの尺度である炎症した足の膨潤をKemper
[F.Kemper及びG.Ameln,Z.ges.exp.Med.131、407−411
(1959)]の抗炎症計(antiphlogmeter)を用いて、期
間中測定した。
炎症を起こす試薬に露出して4時間後に測定した数値を
投薬量−活性関係を決定するために用いた。
b)エアロジル−誘発した炎症反応 体重130〜160gのウィスター・ラットの俊足に2%エア
ロジル懸濁液0.1mlの足の裏注射によって炎症反応を誘
発させた。炎症反応を処置するために用いるアプロチニ
ンまたは本発明におけるアプロチニンの同族体を0.9%
塩化ナトリウム溶液中に10〜20mg/mlの濃度で溶解し
た。炎症を起こす試薬に露出して15時間後に、比較する
ために阻害物質及びアプロチニンの溶液0.5〜1.0mlの腹
腔内、皮下または静脈内注射によって実験動物を処置し
た。炎症反応の重さの尺度である炎症した足の膨潤をKe
mperの抗炎症計を用いて期間中測定した。炎症の誘発後
21時間の数値(=本発明におけるアプロチニン同族体ま
たはアプロチニンの注射後6時間目に見出された値)投
薬量−活性関係を決定するために用いた。
上記の実験に従って新規の阻害物質による治療実験の結
果はこの実験モデルに用いたアプロチニン同族体の効力
を立証し、同一投薬量でアプロチニンは炎症反応を阻害
しなかった。
その生理学的活性のために、新規の阻害物質を殊に次の
病気または症状の処置に用いることができる。
1.種々な形態のショック、殊にショック肺(shock lun
g)及び内毒素ショック、並びに損傷後及び手術後の合
併症、 2.血液凝固障害、 三.急性及び慢性炎症反応、殊に器官病変、例えば膵炎
及び照射−誘発された腸炎、複合−薬剤添加した(comp
lex-mediated)炎症反応、例えば免疫性脈管炎、糸球体
腎炎及び関節炎のタイプ;膠原症、殊に変形関節炎の治
療及び予防、 4.代謝に関係した沈着物に起因する関節炎のタイプ(例
えば痛風)、 5.器官の連結組織部分の弾性成分の変性、例えばアテロ
ーム性動脈硬化症または肺気腫、 6.照射−誘発された腸炎。
新規の活性化合物は公知の方法において(アプロチニン
と同様にして)普通の調製物に変えることができる。
これに関して、好ましいものとして次の調製物を挙げる
べきである: 1.非経腸投与に対する溶液、静脈内、筋肉内、皮下注射
用または関節内及び腫瘍内注射用溶液、 2.連続的静脈内注入用溶液、 3.吸入のためにエアロゾルとして使用する溶液、 4.外部から局部的に施用するための溶液、乳液、軟膏、
塗布剤、クリーム、ローション及び粉剤、 5.作用の補足性スペクトルを有する種々な阻害物質の配
合物。
適当な調製物における新規の活性化合物の濃度は溶液1m
l当り0.01〜100mg、好ましくは溶液1ml当り0.1〜10mg間
の範囲内で変える。
新規の活性化合物は普通の方法で用いることができ、そ
して殊に好ましいものとして次の使用方法を挙げるべき
である: a)非経腸内:静脈、筋肉内、皮下、関節内または腫瘍
内 b)局部的:例えば鼻内 c)経口的。
本発明における活性化合物の対して次の投薬量範囲を指
示することができる: 活性化合物0.1〜20mg/kg体重、好ましくは1〜10mg/kg
体重、そしてこの投薬量は殊に処置を受ける動物の種類
及び投与方法に依存する。
本発明における活性化合物は人間及び動物に用いること
ができる。
なお、アルギニン15−アプロチニン同族体の毒性試験を
行つたところイヌに対して30mg/kg、ヒヒに対して20mg/
kgまでまつたく毒性を示さなかつた。特許請求した他の
同族体も同様に無毒性を示すものと予測される。
実施例1 デ−Lys−15−アプロチニンのペンタメチルエステル a)アプロチニンのヘキサメチルエステル アプロチニン160mg(〜25マイクロモル)を0.1M塩加
水素を含むメタノール40mlに溶解し、この溶液を室温
(20℃)に保持した。生じた沈殿物を更にメタノールの
添加によって溶解し、そしてエステル化をHPLC及びCM−
セファデックスC−25でクロマトグラフィーによって監
視した。約150時間後、溶媒を真空下で留去り、残渣に
メタノール15mlを注ぎ、そして直ちに留去した。
溶解−蒸発操作を数回くり返し行った後、残渣を水20ml
に溶解した。凍結乾燥した際、無色の物質としてアプロ
チニンのヘキサメチルエステル150mgが得られた。相
対電気泳動移動度:1.61(pH値5.0緩衝剤);HPLCにおけ
る相対保持時間:2.04(アプロチニンに対して0.5
9)。この物質をpH値4.5の0.05Mリン酸カリウム緩衝剤1
0mlに溶解し、この溶液をCM−セファロースCL−4Bファ
ースト・フロー(Fast Flow)を充填し且つ溶解した緩
衝剤で平衡させたカラム(2.5−45cm)に加えた。カラ
ムを用いた緩衝剤の勾配及び0.8M塩化ナトリウムを含む
緩衝剤を用いて展開した。アプロチニンのヘキサメチ
ルエステルが0.6〜0.7Mの塩化ナトリウム濃度でカラム
から溶離された。この物質を含む溶離液をプールし、0.
1M酢酸を用いてアミコム(Amicon)UM−O2膜を通して限
外過によって脱塩した。保持物を凍結乾燥した際、無
色の物質125mgが得られた。
b)ジ−システイニル−14,38−アプロチニンのヘキ
サメチルエステル アプロチニンのヘキサメチルエステル104mg(〜16マ
イクロモル)をpH値5.8の酸素を含まぬ0.1Mリン酸塩緩
衝剤12mlに溶解した。反応溶液を窒素雰囲気下で6.5時
間放置した後、酢酸によってpH値を3に調節した。この
混合物をセファデックスG25(カラム寸法;2.5×100cm)
を通して過し、ジチオスレイトールを除去し、蛋白質
を含む溶液を凍結乾燥し、無色の物質95mgを得た。
c)ジ−システイニル−14,38−アプロチニンのペン
タメチルエステル 1b)に従って得られた物質90mg(〜14マイクロモル)を
pH値67.5の0.1Mリン酸塩緩衝剤10mlに溶解し、8M尿素溶
液2ml中のトリプトファン残基にホルミル化されたトリ
プシン25mgのpH値8.0の溶液1mlを加えた。
この反応溶液を22℃で14時間保存した。次にpH値が2.0
になるまで塩酸を加え、この溶液をセファデックスG−
50カラム(2.5×120cm)を通して、溶離剤としてpH値2.
0の0.1M酢酸/塩酸を用いて過し、酵素及びアプロチ
ニン誘導体を分離した。アプロチニン誘導体を含む
フラクションを凍結乾燥した際、無色の物質75mgが得ら
れた。
d)アプロチニンのペンタメチルエステル及びデ−リ
ジン−15−アプロチニンのペンタメチルエステル pH値6.25の0.1Mリン酸塩緩衝剤10ml中の1c)に従って得
られた物質70mgの溶液に22℃で、エルマン(Ellman)試
験が負になるまで、空気の弱い気流を通した。
この反応溶液にカルボキシペプチターゼBの懸濁液50μ
lを加え、この混合物を22℃に1時間保持した。氷酢酸
0.75mlの添加後、反応溶液をセファデックスG−50(2.
5×125cm)を通して、溶離剤として0.1M酢酸を用いて
過し、カルボキシペプチダーゼ及び分裂したリジンを除
去した。デ−リジン−15−アプロチニンのペンタメチ
ルエステルを含むフラクションを凍結乾燥した際、無色
の物質50mgが得られた。
実施例2 デ−リジン−15−アプロチニンのペンタメチルエステ
ル a)アプロチニンのペンタメチルエステル 実施例1a)に従って得られたアプロチニンのヘキサメ
チルエステル100mgをpH値3.5の0.1Mリン酢酸ナトリウム
緩衝剤48mlに溶解した。ジオキサン50mlの添加後、10
−4N塩酸1ml当りトリプシン(TPCK−処理したもの)3
0mgの溶液2mlを加え、この溶液を反応が完了するまで
(HPLCで監視)、約2時間室温に保持した。真空下で容
量10mlに濃縮したこの溶液に氷酢酸1mlを加えた。1N塩
酸でpH値を2.0に調節した後、溶液をセファデックスG
−50カラム(2×120cm)を通して、溶離剤としてpH値
2.0の0.1M酢酸/塩酸を用いて過した。アプロチニン
のペンタメチルエステルを含む溶離液を、1N水酸化ナ
トリウム溶液を加えてpH値4.5にした後、真空下で容量1
0mlに濃縮した。
b)デ−Lys−アプロチニンのペンタメチルエステル 上記a)に従って得られた濃縮物に0.1N水酸化ナトリウ
ム溶液を加えてpH値6.2にした後、この溶液にカルボキ
シペプチダーゼBの懸濁液50μlを加えた。この溶液を
室温に30分間保持し、次に氷酢酸0.5mlを加えた。カル
ボキシペプチダーゼを除去するために、この溶液をセフ
ァデックスG−50カラム(2×120cm)を通して、塩酸
でpH値2に調節した0.05M酢酸を用いて過し、アプロ
チニン誘導体を含むフラクションを、水酸化ナトリウム
溶液を加えてpH値4.0にした後、真空下で10mlに濃縮し
た。この溶液をビオーゲル(Bio−Gel)P2カラム(2×
100cm)を通して過することにより脱塩した。適当な
溶離液を凍結乾燥した際、アプロチニンのペンタメチ
ルエステル85mgが得られた。
実施例3 L−バリン−15−アプロチニン a)L−バリン−15−アプロチニンのヘキサメチルエ
ステル N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩96mg(500マイクロル)を水7.5ml中
の実施例2に従って得られたデ−リジン−15−アプロチ
ニンのペンタメチルエステル13g(12マイクロモル)
及びL−バリンメチルエステル塩酸塩167mg(1ミリモ
ル)溶液に20℃で加えた。自動滴定器を用いて、0.1N塩
酸を加えて反応溶液のpH値を4.75の一定値に保持した。
2時間後、反応混合物中に含まれる低分子量物質をセフ
ァデックスG−25カム(1.5×100cm)を通して、溶離剤
として0.1M酢酸を用いてこの混合物のゲル過によって
除去した。蛋白質を含む溶離液を凍結乾燥した際、無色
の物質が定量的収率で得られた。
b)L−バリン−15−アプロチニンのペンタメチルエス
テル 実施例3a)に従って得られた凍結乾燥物を静かに振盪し
ながら、pH値8.5の0.01Mトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン/塩酸緩衝剤15ml中のトリプシンセファロー
ス4B12.5ml−負荷:ゲル1ml当りのトリプシン5mg−と共
に24時間インキュベートした。次に混合物のpH値を0.1N
塩酸で1.8に調節し、アフィニティ吸着剤を過によっ
て除去し、pH値2.0の0.1M酢酸/塩酸の合計20mlで洗浄
することによって抽出した。液及び洗液をプールし、
1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpH値4に調節した後、
この溶液を真空下で容量10mlに濃縮した。濃縮物をセフ
ァデックスG−25カラム(1.5×100cm)を通して過し
て脱塩した。蛋白質を含む溶離液を凍結乾燥した際、無
色の物質13mgが得られた。
c)L−バリン−15−アプロチニン 実施例3b)に従って得られた物質を0.001N水酸化ナトリ
ウム溶液10mlに溶解した。21℃で12時間放置した後、こ
の溶液を0.01N塩酸で中和し、ヒドロキシアンモニウム
クロライド550mgの添加後、室温に6時間保持した。こ
の溶液をpH値8.6の0.01Mホウ酸塩緩衝剤で平衡させたCM
−セファデックスC−25カラム(2×40cm)に加えた。
このカラムを平衡緩衝剤の直線勾配及び0.4M塩化ナトリ
ウムを含む平衡緩衝剤溶離した。0.25Mの塩化ナトリウ
ムの濃度で溶離された顆粒球エラスターゼを阻害する溶
離液をプールし、濃縮した後、この溶液を溶離剤として
0.1M酢酸を用いて、ビオーゲルP−2カラム(1.5×100
cm)を通してゲル過によって脱塩した。凍結乾燥後、
バリン−15−アプロチニン5.7mgが得られた。(用いた
デ−リジン−15−アプロチニンのペンタメチルエステ
ルを基準にして45%);相対電気泳動移動度:0.54。
実施例4 L−ロイシン−15−アプロチニン デ−リジン−15−アプロチニンのペンタメチルエステ
ル13mg(2マイクロモル)及びL−ロイシンメチルエス
テル塩酸塩92mg(500マイクロモル)を、バリン−15−
アプロチニンの合成と同様にして、N−エチル−N′−
(3−ジメチルアミノプロビル)カルボジイミド58mg
(300マイクロモル)を用いて縮合させた。
反応溶液をpH値8.5の0.05Mトリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン/塩酸緩衝剤50mlで希釈し、この混合物中
にα−キモトリプシン−セファロースCL−4B−負荷:ゲ
ル1ml当り酵素7mg−20mlを導入した。静かに24時間振盪
した後、アフィニティ担体を別し、ゲルを上記の緩衝
剤で十分に洗浄し、最後に水250mlで洗浄した。
α−キモトリプシン−セファロースCL−4Bを0.1M酢酸50
mlに懸濁させ、pH値が1.8になるまで0.1N塩酸を加え
た。20分間放置した後、混合物を再び吸引過し、担体
を合計100mlの0.1M酢酸で数回に分けて洗浄した。
合液した液を1N水酸化ナトリウム溶液でpH値3.0に調
節し、真空下で容量〜5mlに濃縮し、濃縮物を0.1N水酸
化ナトリウム溶液で中和した。0.05N水酸化ナトリウム
溶液0.5mlの添加後、混合物を20℃で一夜放置し、14時
間後、これを0.1M酢酸で中和した。ヒドロキシルアンモ
ニウムクロライド300mgの添加後、この容器を室温に4
時間保持した。
この容器をセファデックスG−25カラム(1.5×100cm)
を通してゲル過によって脱塩し、蛋白質を含む溶離液
をプールし、そして凍結乾燥した。無色の物質7.4mg(5
8%)が得られた;相対電気泳移動移動度:0.58。
実施例5 グリシン−15−アプロチニン a)グリシン−15−アプロチニンのヘキサメチルエス
テル デ−リジン−15−アプロチニンのペンタメチルエステ
ル13mg(2マイクロモル)を、実施例3a)に述べた如く
してグリシンメチルエステル塩酸塩125.5mg(1ミリモ
ル)を用いて、N−エチル−N′−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩94mg(750マイクロ
モル)と縮合させ、グリシン−15−アプロチニンのヘ
キサメチルエステルを、実施例3a)に述べた如くゲル
過後、定量的収率で単離した。
b)グリシン−15−アプロチニン pH値3.7の0.05Mリン酸塩緩衝剤10ml中の実施例5a)に従
って得られた物質の溶液に、1N水酸化ナトリウムでpH値
6.0に調節した0.1M塩化カルシウム溶液0.25ml、次にウ
シトリプシン(80%)60mg(2マイクロモル)を加え
た。20℃で30分間放置した後、溶液のpH値を1N水酸化ナ
トリウム溶液で8.0に調節し、これを溶離としてpH値7.5
の0.05Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/塩
酸緩衝剤を用いて、セファデックスG−50カラム(2×
100cm)を通して過し、一方ではグリシン−15−アプ
ロチニン錯体のトリプシン−ペンタメチルエステルから
トリプシンを、他方では不活性デ−リジン−15−アプロ
チニン誘導体を分離した。錯体及びトリプシンに相当
する溶離液を合液し、0.1N水酸化ナトリウム溶液2.5ml
を加えた。反応溶液を22℃で14時間放置した後、1M酢酸
で中和し、真空下で容量10mlに濃縮した。この濃縮物に
ヒドロキシルアンモニウムクロライド550mgを加え、こ
の溶液を室温で4時間放置した。溶液のpH値を濃塩酸で
2に調節、この混合物を、生じた沈殿物を前もって除去
せずに、セファデックスG−50カラム(2×100cm)に
加えた。このカラムをpH値2の0.1M酢酸/塩酸を用いて
展開した。濃縮し、そしてビオーゲルP−2カラム(1.
5×100cm)を通してゲル過によって脱塩した後、グリ
シン−15−アプロチニンを含む溶離液を凍結乾燥し、無
色の物質8.3mg(64%)が得られた。
実施例6 L−アルギニン−15−アプロチニン a)L−アルギニン−15−アプロチニンのオリゴメチル
エステル デ−リジン−15−アプロチニンのペンタメチルエステ
ル13mg(2マイクロモル)を、実施例3a)に述べた如く
して、N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロビ
ル)カルボジイミド塩酸塩57mgの存在下においてL−ア
ルギニンメチルエステル130.5mg(500マイクロモル)で
処理した。
次にこの溶液のpH値を1N水酸化ナトリウム溶液の添加に
よって7.5に調節し、0.1M塩化カルシウム溶液1ml及びpH
値7.5の0.05Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
/塩酸緩衝剤80mlを加えた。pH値を修正した後、この溶
液にトリプシン−セファロースCL−4B−酵素含量:ゲル
1ml当り5mg−20mlを導入し、そしてこの懸濁液を15時間
静かに振盪した。次にアフィニティ担体を別し、ゲル
を上記の緩衝剤50mlで、そして最後に水100mlで洗浄し
た。このトリプシン−セファロースをpH値1.8の0.1M酢
酸/塩酸100mlに懸濁させた。pH値を修正した後、混合
物を20分間静かに振盪し、再び過した。アフィニティ
ゲルをpH値1.8の0.1酢酸/塩酸100mlで数回に分けて十
分に洗浄した。
pH値を1N水酸化ナトリウム溶液で4.5に調節した後、前
もって1N水酸化ナトリウム溶液5ml加えた後、合液した
液を真空下で容量約10mlに濃縮した。濃縮物を溶離剤
として0.1M酢酸を用いて、セファデックG−25カラム
(2×100cm)を通して過した。蛋白質を含む溶離液
を凍結乾燥して、アルギニン−15−アプロチニンのオリ
ゴメチルエステル9.6mg(76%)が得られた。
b)L−アルギニン−15−アプロチニン 実施例6a)に従って得られた物質を0.001M水酸化ナトリ
ウム溶液10mlに溶解し、この溶液を20℃に24時間保持し
た。次にこのものを0.1M塩酸で中和し、この溶液にヒド
ロキシルアンモニウムクロライド500mgを加えた。この
混合物を室温で3時間放置した後、この溶液を脱塩する
ために、このものを溶離剤として0.1M酢酸を用いてセフ
ァデックスG−25カラム(2×100cm)を通して過し
た。蛋白質を含む溶離を濃縮し、そして凍結乾燥した。
相対電気泳動移動後1.05及びHPLCにおける相対保持時間
1.13を有する無色の物質8.2mg(86%、またはデ−リジ
ン−15−アプロチニンのペンタメチルエステルを基準に
して65%)が得られた。
実施例7 L−ノルロイシン−15−アプロチニン 実施例3a)と同様にして、デ−リジン−15−アプロチニ
ンのペンタメチルエステル13mg(2マイクロモル)及び
L−ノルロイシンメチルエステル塩酸塩55mg(300マイ
クロモル)をN−シクロヘキシル−N′−[2−(4−
モルホリノ)エチル]カルボジイミドメチルp−トルエ
ンスルホネート83mg(200マイクロモル)と反応させて
得られた物質を、ノルロイシン15及びアラニン16間のペ
プチド結合を合成するために、キモトリプシン−セファ
ロースCL−4B−負荷:ゲル1ml当り酵素7mg−20mlと共
に、pH値8.0の0.1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン/塩酸緩衝剤50ml中で6時間培養した。
このゲルを上記のインキュベートした緩衝剤で、そして
最後に水100mlで洗浄した。次にこのものをpH値1.8の0.
1M酢酸/塩酸50mlに懸濁させ、ゲル及び液体を過によ
って分離した。アフィニティゲルを0.05M酢酸/塩酸100
mlで洗浄し、合液した液を、濃水酸化アンモニウム溶
液の添加によってpH値4.0にした後、真空下で容量〜10m
lに濃縮した。濃縮物を中和し、ヒドロキシルアンモニ
ウムクロライド550mgの添加後、このものを室温に3時
間保持した。溶液を脱塩するために、このものを溶離剤
として0.1M酢酸を用いてビオーゲルP−2カラム(2×
100ml)を通して過した。蛋白質を含む溶離液を濃縮
し、そして凍結乾燥した。無色の物質9.2mg(71%)が
得られた。
実施例8 ノルバリン−15−アプロチニン N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩58mg(400マイクロモル)の存在下
において、デ−リジン−15−アプロチニンのペンタメ
チルエステル13mg(2マイクロモル)及びL−ノルバリ
ンメチルエステル塩酸塩67mg(400マイクロモル)の縮
合によって得られた物質の混合物を実施例4に述べた如
く処理した。位置15及び16でアミノ酸残基間にアミド結
合を形成させるために、pH値5.2の0.05Mリン酸塩緩衝剤
中の膵臓エラスターゼ−セファロースCL−4B−負荷:ゲ
ル1ml当り酵素4mg−20mlを用いた。実施例7と同様にし
て連続的に処理した際、無色の凍結乾燥物7.1mg(60
%)が得られた。
実施例9 L−バリン−15−アプロチニン a)実施例3のa)と同様に操作して、L−バリン−15
−アプロチニンのヘキサメチルエステルを得た。
b)L−バリン−15−アプロチニン−ペンタメチルエス
テル 実施例3a)に従って得られたL−バリン−15−アプロチ
ニンのヘキサメチルエステル23mgを、0.1Nの塩化ナト
リウムを含んだpH5.5の0.05N酢酸ナトリウム緩衝液25ml
中の白血球エラスターゼ12.5mgの溶液に加えた。次いで
反応溶液のpH値を、固体トリス−(ヒドロキシメチル)
−アミノメタンを加えることにより7.5に調節した。反
応混合物に塩化マグネシウム六水塩50mgを加えた後、pH
値を再び7.5に調節しそして溶液を室温に12時間保っ
た。この期間の終わりに、酵素は完全に阻害された。
反応溶液の容積を、アミコンUM−2フィルタを通す限外
ろ過により約2mlに減少させ、この濃縮物を、セファデ
ックスG−50“微細”を充填されそして0.1Mホウ酸ナト
リウム緩衝剤pH7.5と平衡化されたカラム1×48cmを通
して、溶離剤としてこの平衡化溶液を使用してろ過し
た。2.8mlの画分を集めた。管12−22(溶離剤31ml−62m
l)は、エラスターゼval−15−アプロチニン−ヘキサメ
チルエステル複合体を含有しており、そしてこれらを一
緒にした。アミコンUM−2フィルタによる限外ろ過によ
りこの画分を2mlの容積に濃縮した後、1N塩酸を保持物
(retentate)に加えて1.8のpH値とした。この溶液を、
溶離剤として1.8のpHを持った0.1N酢酸/塩酸を使用し
て、セファデックスx−50中位を充填したカラム(1×
48cm)を通してろ過し、その際100mgの酢酸ナトリウム
が、溶離液を集めるために使用した管の各々に最初に導
入された。管12−16(溶離液31ml−45ml)は、未解離エ
ラスターゼ阻害剤複合体を含有しており、管17−24(溶
離液45−67ml)は、白血球エラスターゼを含有してお
り、管25−33(67−92.5ml)はval−15−アプロチニン
−ペンタメチルエステルを含有していた。管12−24の内
容物を一緒にし、そして限外ろ過により〜15mlの容積に
濃縮した後、再びval−15−アプロチニン−ペンタメチ
ルエステルの合成に使用した。管25−33の内容物は、商
標名スペクトラポール(Spectrapor)の透析管を使用し
て、水を使用する徹底的な透析により脱塩された。保持
物を凍結乾燥すると、val−15−アプロチニン−ペンタ
メチルエステル2.8mgが残り、HPLCでの相対的保持時間
は1.87であり、相対的電気泳動移動度は1.75であった。
アミノ酸組成は理論と対応しており、41段階にわたる配
列決定の結果をval−15−アプロチニン−ペンタメチル
エステルの構造に合致した。
c)バリン−15−アプロチニン val−15−アプロチニン−ペンタメチルエステル2mgを、
0.2Mイミダゾールも含んだpH10.5の0.1Mホウ酸塩緩衝剤
1ml中に室温で60時間保持した。次いで水及びスペクト
ラポール透析管を使用する徹底的な透析にり塩を除去
し、保持物を凍結乾燥した。0.90の相対的電気泳動移動
度とHPLCでの0.87の相対的保持時間を有する無色の物質
1.6mgが得られた。アミノ酸組成は表1に示すことがで
きる。
実施例10 L−イソロイシン−15−アプロチニン a)L−イソロイシン−15−アプロチニン*−ペンタメ
チルエステル des−リシン−15−アプロチニン*−ペンタメチルエス
テル300mg(46μモル)及びL−イソロイシン−メチル
エステル800mg(4.41μモル)を氷水200mlに溶解した。
10分後、N−エチル−N′−3−ジメチルアミノプロピ
ルカルボジイミド塩酸塩(1.4μモル)をこの混合物に
導入し、そして更に120分の後、同量を再び導入した。
反応中、溶液のpH値は0.01N塩酸を加えることによりpH
4.7と5.0との間に保たれた。混合物を更に12時間4℃で
反応させた。次いで水70mlを反応溶液に加えた。混合物
を、CM−セファデックス高流速カラム(CM−cephadex−
fast−flow−column)に加え、そしてカラムを、pH5.5
の0.05Mリン酸緩衝液11及び1Mの塩化ナトリウムを含ん
だpH5.5の0.05Mリン酸緩衝液の勾配で展開し、10mlの画
分を集めた。画分129−140を、アミコンUM−2膜を使用
する限外ろ過により脱塩した。凍結乾燥の後、無色の物
質92mg(32%)が得られた。この物質は、顆粒球エラス
トラーゼに対して高い阻害活性を示し、HPLCでの相対的
保持時間=1.74(アプロチニンに対して)であった。
b)L−イソロイシン−15−アプロチニン−ペンタメチ
ルエステル 実施例3aに従って得られたL−イソロイシン−15−アプ
ロチニン*ヘキサメチルエステル30mgを、0.1Mの塩化ナ
トリウムを含んだpH値5.5の酢酸ナトリウム緩衝液25ml
中の白血球エラスターゼ25mgの溶液に加えた。次いで反
応溶液のpH値を、固体トリス−(ヒドロキシメチル)−
アミノメタンを加えることにより7.5に調節した。反応
混合物に塩化マグネシウム六水塩50mgを加えた後、pH値
を再び7.5に調節しそして溶液を室温に12時間保った。
この期間の終わりに、酵素は完全に阻害された。
反応溶液の容積を、アミコンUM−2フィルタを通す限外
ろ過により約2mlに減少させ、この濃縮物を、セファデ
ックスG−50“微細”を充填されそしてpH7.5の0.1Mホ
ウ酸塩緩衝剤液と平衡化されたカラム−1×48cmを通し
て、溶離剤としてこの平衡化溶液を使用してろ過した。
2.8mlの画分を集めた。管12−22(溶離液31ml−62ml)
は、エラスターゼ−Ile−15−アプロチニン−ペンタメ
チルエステル複合体を含有しており、そしてこれらの内
容物を一緒にした。アミコンUM−2フィルタによる限外
ろ過によりこの画分を2mlの容積に濃縮した後、N塩酸
を、1.8のpH値に達するまで、保持物に加えた。この溶
液を、溶離剤として1.7のpHの0.1M酢酸/塩酸を使用し
て、セファデックスG−50“中”を充填したカラム(1
×48cm)を通してろ過し、その際100mgの酢酸ナトリウ
ムを、溶離液を集めるために使用した管の各々に前以て
導入した。管12−24(溶離液67ml)は顆粒球エラスター
ゼを含んでおり、管25−33(67−92.5ml)はIle−15−
アプロチニン−ペンタメチルエステルを含んでいた。管
12−24の内容物を、一緒にし、そして限外ろ過により15
mlの容積に濃縮した後、Ile−15−アプロチニン−ペン
タメチルエステルの合成に再使用した。管25−33の内容
物は、商標名スペクトラポール(Spectrapor)の透析管
を使用して、水の存在下に徹底的な透析により脱塩され
た。保持物を凍結乾燥すると、Ile−15−アプロチニン
−ペンタメチルエステル4.2mgが残り、HPLCでの相対的
保持時間は1.87であり、相対的電気泳動移動度は1.75で
あった。アミノ酸組成は理論と対応しており、31段階に
わたる配列決定の結果はIle−15−アプロチニン−ペン
タメチルエステルの存在を確証する。
c)イソロイシン−15−アプロチニン Ile−15−アプロチニン−ペンタメチルエステル2mgを、
0.2Mのイミダゾールも含んだpH10.5の0.1Mホウ酸塩緩衝
液1ml中に室温で60時間保持した。次いでスペクトラト
ール(Spectrator )透析管を使用して水の存在下に徹
底的な透析により塩を除去し、保持物を凍結乾燥して、
1.6mgの無色の物質が得られた。0.02Mトリス−グリシン
緩衝液pH9.4を使用すると、それは、0.78の相対的電気
泳動移動度とHPLCでの0.87の相対的保持時間を有してい
た。アミノ酸組成は理論に対応した。イソロイシン−15
−アプロチニンは白血球エラスターゼを阻害する。
【図面の簡単な説明】
第1図はアプロチニンから出発するバリン−15−アプ
ロチニンの合成工程を表わす。 第2図はアプロチニンのヘキサメチルエステルを用い
る場合の位置15にバリンを組込む合成工程を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オイゲン・シユナーベル ドイツ連邦共和国デー5600ブツペルタール 11・シメルベーク6 (56)参考文献 Semisynth.Pept.Pro teins,Pap.Int.Meet. Protein.Semisjnth., Metting Date 1977,283− 298(1978)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】阻害物質アプロチニンの活性中心における
    位置15のリジン残基がグリシン、L−アラニン、L−バ
    リン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニ
    ン、L−アルギニン、L−α−アミノ酪酸、L−ノルバ
    リン及びL−ノルロイシンのアミノ酸残基から選ばれる
    1つで置換されていることを特徴とするアプロチニンの
    同族体またはその遊離のカルボキシル基の全てが炭素数
    6以下の低級アルキルエステル残基の一つで置換された
    エステル。
  2. 【請求項2】前記阻害物質の活性中心における位置15の
    リジン残基がL−バリンの残基で置換されている特許請
    求の範囲第1項記載のアプロチニンの同族体。
  3. 【請求項3】前記阻害物質の活性中心における位置15の
    リジン残基がL−ロイシンの残基で置換されている特許
    請求の範囲第1項記載のアプロチニンの同族体。
  4. 【請求項4】前記阻害物質の活性中心における位置15の
    リジン残基がL−ノルロイシンの残基で置換されている
    特許請求の範囲第1項記載のアプロチニンの同族体。
  5. 【請求項5】前記阻害物質の活性中心における位置15の
    リジン残基がL−ノルバリンの残基で置換されている特
    許請求の範囲第1項記載のアプロチニンの同族体。
  6. 【請求項6】前記阻害物質の活性中心における位置15の
    リジン残基がL−α−アミノ酪酸の残基で置換されてい
    る特許請求の範囲第1項記載のアプロチニンの同族体。
  7. 【請求項7】前記エステル残基がメチルエステルである
    特許請求の範囲第1項記載の誘導体。
  8. 【請求項8】阻害物質アプロチニンの活性中心における
    位置15のリジン残基がグリシン、L−アラニン、L−バ
    リン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニ
    ン、L−アルギニン、L−α−アミノ酪酸、L−ノルバ
    リン及びL−ノルロイシンのアミノ酸残基から選ばれる
    1つで置換されていることを特徴とするアプロチニンの
    同族体またはその遊離のカルボキシル基の全てが炭素数
    6以下の低級アルキルエステル残基の一つで置換された
    エステルの製造方法であつて、 a)アプロチニンにおけるリジン15とアラニン16の間の
    ペプチド結合を開裂させ、 b)全ての誘離カルボン酸基をエステル化し、 c)適当ならば、システイン残基14と38の間のジスルフ
    アイド架橋を選択的に還元し、 d)リジン15上のエステル基を選択的に加水分解し、 e)適当ならば、システイン残基14と38の間のS−S架
    橋を回復させ、 f)リジン15残基を選択的に除去し、 g)グリシン、L−アラニン、L−バリン、L−ロイシ
    ン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−アルギニ
    ン、L−α−アミノ酪酸、L−ノルバリン及びL−ノル
    ロイシから選ばれるアミノ酸の1つのエステルをペプチ
    ドの態様でシステイン14上に縮合させ、 h)アミノ酸15とアラニン16の間のペプチド結合を再び
    生じさせ、 i)必要により、遊離カルボキシル基上のエステル基を
    除去し、そして j)適当ならば、工程g)におけるカルボジイミドとの
    縮合の場合に、チロシン残基上に生ずるO−アシルウレ
    ア基をヒドロキシルアミンを用いて除去する ことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】位置15において縮合するアミノ酸エステル
    とAla16の間のアミド結合を酵素またはカルボジイミド
    を用いて反応工程h)において生成させることを特徴と
    する特許請求の範囲第8項記載の方法。
  10. 【請求項10】リジン15のカルボキシル基上のエステル
    基を反応工程d)において酵素を利用して加水分解する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項または第9項記
    載の方法。
  11. 【請求項11】選択的加水分解をトリプトフアン残基に
    おいてホルミル化されたトリプシンを用いて行うことを
    特徴とする特許請求の範囲第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】選択的加水分解を有機溶媒を含む水溶液
    中のトリプシンによつて行うことを特徴とする特許請求
    の範囲第10項記載の方法。
  13. 【請求項13】リジン15残基を反応工程f)においてカ
    ルボキシペプチダーゼを用いて除去することを特徴とす
    る特許請求の範囲第8〜12項のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】カルボキシペプチダーゼとしてカルボキ
    シペプチダーゼBを用いる特許請求の範囲第13項記載の
    方法。
  15. 【請求項15】阻害物質アプロチニンの活性中心におけ
    る位置15のリジン残基がグリシン、L−アラニン、L−
    バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオ
    ニン、L−アルギニン、L−α−アミノ酪酸、L−ノル
    バリン及びL−ノルロイシンのアミノ酸残基から選ばれ
    る1つで置換されていることを特徴とするアプロチニン
    の同族体またはその遊離のカルボキシル基の全てが炭素
    数6以下の低級アルキルエステル残基の一つで置換され
    たエステルの少なくとも1種を含有することを特徴とす
    るプロテイナーゼの阻害に基づく医療効果を有する医薬
    製剤。
  16. 【請求項16】前記阻害物質の活性中心における位置15
    のリジン残基がL−バリン、L−ロイシン、L−ノルロ
    イシン、L−ノルバリン及びL−α−アミノ酪酸のアミ
    ノ酸残基から選ばれる一つで置換されたアプロチニンの
    同族体の1種を含有する特許請求の範囲第15項の医薬製
    剤。
JP59155720A 1983-07-28 1984-07-27 アプロチニンの同族体 Expired - Lifetime JPH0686479B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE3327277 1983-07-28
DE3327277.8 1983-11-03
DE3339693.0 1983-11-03
DE19833339693 DE3339693A1 (de) 1983-11-03 1983-11-03 Homologe des aprotinin mit anderen aminosaeuren in position 15 anstelle von lysin, verfahren zu ihrer herstellung sowie ihre verwendung als arzneimittel

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6056999A JPS6056999A (ja) 1985-04-02
JPH0686479B2 true JPH0686479B2 (ja) 1994-11-02

Family

ID=25812701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59155720A Expired - Lifetime JPH0686479B2 (ja) 1983-07-28 1984-07-27 アプロチニンの同族体

Country Status (14)

Country Link
US (1) US4595674A (ja)
EP (1) EP0132732B1 (ja)
JP (1) JPH0686479B2 (ja)
KR (1) KR890004784B1 (ja)
AU (1) AU560584B2 (ja)
CA (1) CA1238000A (ja)
DE (1) DE3471940D1 (ja)
DK (2) DK171895B1 (ja)
ES (1) ES8601858A1 (ja)
GR (1) GR82265B (ja)
HU (1) HU199880B (ja)
IE (1) IE57628B1 (ja)
IL (1) IL72494A (ja)
NZ (1) NZ209001A (ja)

Families Citing this family (56)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5871956A (en) * 1984-12-06 1999-02-16 Amgen Inc. Recombinant methods for production of serine inhibitors and DNA sequences useful for same
US6291662B1 (en) 1984-12-05 2001-09-18 Amgen Inc. Recombinant methods for production of serine protease inhibitors and DNA sequences
US6132990A (en) * 1984-12-06 2000-10-17 Amgen Boulder Inc. Recombinant methods for production of serine protease inhibitors and DNA sequences useful for same
US5900400A (en) * 1984-12-06 1999-05-04 Amgen Inc. Serine protease inhibitor analogs
WO1986003497A1 (en) * 1984-12-06 1986-06-19 Synergen Biologicals, Inc. Serine protease inhibitors and methods for isolation of same
FI854634A0 (fi) * 1985-11-22 1985-11-22 Labsystems Oy Foerfarande foer bestaemning av proteolytisk aktivitet.
GB2188322A (en) * 1986-03-26 1987-09-30 Bayer Ag Aprotinin and analogues thereof produced by a recombinant host
GB2188933A (en) * 1986-04-10 1987-10-14 Bayer Ag Expression vectors for production of polypeptides, method for enhanced expression of polypeptides, hosts containing the expression vectors, products manufactured thereby
US5187153A (en) * 1986-11-17 1993-02-16 Scios Nova Inc. Methods of treatment using Alzheimer's amyloid polypeptide derivatives
US5223482A (en) * 1986-11-17 1993-06-29 Scios Nova Inc. Recombinant Alzheimer's protease inhibitory amyloid protein and method of use
US5220013A (en) * 1986-11-17 1993-06-15 Scios Nova Inc. DNA sequence useful for the detection of Alzheimer's disease
GB2199582A (en) * 1987-01-07 1988-07-13 Bayer Ag Analogues of pancreatic secretory trypsin inhibitor
US5032573A (en) * 1987-03-23 1991-07-16 Bayer Aktiengesellschaft Homologs of aprotinin produced from a recombinant host, process, expression vector and recombinant host therefor and pharmaceutical use thereof
JP2656944B2 (ja) * 1987-04-30 1997-09-24 クーパー ラボラトリーズ タンパク質性治療剤のエアロゾール化
DE3724570A1 (de) * 1987-06-27 1989-01-05 Bayer Ag Human-aprotinin, dessen lys-rest in position 15 gegen einen anderen protogenen aminosaeurerest ausgetauscht ist
GB2208511A (en) * 1987-08-07 1989-04-05 Bayer Ag Variants of bovine pancreatic trypsin inhibitor produced by recombinant dna technology
DK225488D0 (da) * 1988-04-26 1988-04-26 Novo Industri As Polypeptid
US5591603A (en) * 1987-08-28 1997-01-07 Novo Nordisk A/S Process for preparing aprotinin and aprotinin analogs in yeast cells
US20060134087A1 (en) * 1988-09-02 2006-06-22 Dyax Corp. ITI-D1 Kunitz domain mutants as hNE inhibitors
US5223409A (en) * 1988-09-02 1993-06-29 Protein Engineering Corp. Directed evolution of novel binding proteins
US4994367A (en) * 1988-10-07 1991-02-19 East Carolina University Extended shelf life platelet preparations and process for preparing the same
ATE199090T1 (de) * 1989-03-06 2001-02-15 Univ Texas Gegenüber eigenen inhibitoren resistente t-pa mutanten
US5866413A (en) * 1989-03-06 1999-02-02 Board Of Regents Of The University Of Texas System Pai-1 mutants
EP0401508B1 (de) * 1989-05-13 1994-11-23 Bayer Ag Proteinaseninhibitoren, Verfahren zu ihrer Herstellung sowie diese enthaltende Arzneimittel
US7413537B2 (en) * 1989-09-01 2008-08-19 Dyax Corp. Directed evolution of disulfide-bonded micro-proteins
AU8740491A (en) * 1990-09-28 1992-04-28 Protein Engineering Corporation Proteinaceous anti-dental plaque agents
ATE431364T1 (de) * 1991-03-01 2009-05-15 Dyax Corp Inhibitoren der menschlichen elastase von neutrophilen
JP4146512B2 (ja) * 1991-03-01 2008-09-10 ダイアックス コープ. 小型タンパク質
US5747449A (en) * 1992-07-13 1998-05-05 Corvas International, Inc. Bovine pancreatic trypsin inhibitor derived inhibitors of factor XA
US6869925B1 (en) * 1992-09-09 2005-03-22 Amgen Inc. Inhibition of retrovirus infection
TW492975B (en) * 1993-07-26 2002-07-01 Novartis Ag Tryptase inhibitor
US6057287A (en) 1994-01-11 2000-05-02 Dyax Corp. Kallikrein-binding "Kunitz domain" proteins and analogues thereof
ATE277081T1 (de) 1994-01-11 2004-10-15 Dyax Corp Inhibitoren des humanplasmins, die sich von den kunitz domänen ableiten
US6017880A (en) * 1994-03-09 2000-01-25 Amgen Inc. Inhibition of retrovirus infection
DE4417353A1 (de) * 1994-05-18 1996-01-25 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von rekombinantem Aprotinin und rekombinanten Aprotinin Varianten mit der natürlichen N-terminlaen Sequenz
DE19629982A1 (de) * 1996-07-25 1998-01-29 Bayer Ag Aprotinin-Varianten mit verbesserten Eigenschaften
GB0103765D0 (en) * 2001-02-15 2001-04-04 Affitech As Assay
WO2002078244A1 (en) * 2001-03-27 2002-10-03 Aware, Inc. Receiver transparent q-mode
AU2002358921A1 (en) * 2001-07-10 2003-04-28 Omnio Ab Novel drug targets for arthritis
ATE528014T1 (de) 2002-06-07 2011-10-15 Dyax Corp Polypeptid mit modifizierten kunitz domains
US7153829B2 (en) 2002-06-07 2006-12-26 Dyax Corp. Kallikrein-inhibitor therapies
SI2386310T1 (sl) 2002-08-28 2019-03-29 Dyax Corp. Metode za ohranjanje organov in tkiv
DE602004031589D1 (de) * 2003-01-07 2011-04-14 Dyax Corp Kunitz-domäne-bibliothek
US6989369B2 (en) * 2003-02-07 2006-01-24 Dyax Corp. Kunitz domain peptides
US7432238B2 (en) * 2004-04-16 2008-10-07 Stc.Unm Human Kunitz-type inhibitor with enhanced antifibrinolytic activity
US7910550B2 (en) * 2004-04-16 2011-03-22 Stc.Unm Human kunitz-type inhibitor with enhanced antifibrinolytic activity
US7235530B2 (en) 2004-09-27 2007-06-26 Dyax Corporation Kallikrein inhibitors and anti-thrombolytic agents and uses thereof
US20090223893A1 (en) * 2005-12-01 2009-09-10 Gjerde Douglas T Method and Device for Desalting an Analyte
US20060118491A1 (en) * 2004-12-03 2006-06-08 Gjerde Douglas T Method and device for desalting an analyte
EP3088522B1 (en) 2005-12-29 2017-11-29 The Regents of the University of California Methods and compositions related to mutant kunitz domain i of tfpi-2
WO2008110301A1 (de) * 2007-03-13 2008-09-18 Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft Aprotinin-varianten mit verbesserten eigenschaften
WO2010080833A1 (en) * 2009-01-06 2010-07-15 Dyax Corp. Treatment of mucositis with kallikrein inhibitors
HUE057244T2 (hu) 2010-01-06 2022-04-28 Takeda Pharmaceuticals Co Plazma kallikreint kötõ fehérjék
JP2014506257A (ja) 2011-01-06 2014-03-13 ダイアックス コーポレーション 血漿カリクレイン結合タンパク質
JP6719384B2 (ja) 2014-03-27 2020-07-15 ダイアックス コーポレーション 糖尿病黄斑浮腫の治療のための組成物および方法
US11286307B2 (en) 2015-12-11 2022-03-29 Takeda Pharmaceutical Company Limited Plasma kallikrein inhibitors and uses thereof for treating hereditary angioedema attack

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Semisynth.Pept.Proteins,Pap.Int.Meet.Protein.Semisjnth.,MettingDate1977,283−298(1978)

Also Published As

Publication number Publication date
HU199880B (en) 1990-03-28
KR890004784B1 (ko) 1989-11-27
JPS6056999A (ja) 1985-04-02
US4595674A (en) 1986-06-17
IL72494A0 (en) 1984-11-30
ES534659A0 (es) 1985-11-16
IL72494A (en) 1988-02-29
GR82265B (ja) 1984-12-13
AU560584B2 (en) 1987-04-09
DK171441B1 (da) 1996-10-28
DK369284A (da) 1985-01-29
EP0132732A3 (en) 1986-02-05
AU3000184A (en) 1985-01-31
DK60993D0 (da) 1993-05-27
EP0132732B1 (de) 1988-06-08
DE3471940D1 (en) 1988-07-14
NZ209001A (en) 1989-02-24
EP0132732A2 (de) 1985-02-13
CA1238000A (en) 1988-06-14
KR850001288A (ko) 1985-03-18
IE841954L (en) 1985-01-28
DK369284D0 (da) 1984-07-27
IE57628B1 (en) 1993-02-10
ES8601858A1 (es) 1985-11-16
HUT34515A (en) 1985-03-28
DK171895B1 (da) 1997-08-04
DK60993A (da) 1993-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4595674A (en) Homologues of aprotinin with, in place of lysine, other aminoacids in position 15, process for their preparation and their use as medicaments
US5976858A (en) Irreversible cysteine protease inhibitors containing vinyl groups conjugated to electron withdrawing groups
CA1308864C (en) Serine protease inhibitors
US5990083A (en) Multicatalytic protease inhibitors
Sugg et al. Synthesis and structural characterization of charybdotoxin, a potent peptidyl inhibitor of the high conductance Ca2 (+)-activated K+ channel.
US4118481A (en) Deamino derivatives of the kallikrein-trypsin inhibitor
US5089633A (en) Substituted isocoumarins
FR2647677A1 (fr) Nouvelles micro-proteines, procede de preparation et application a titre de medicaments de ces nouvelles micro-proteines
JPH02439A (ja) ヒトアプロチニン相同体、宿主株およびそれらの発現ベクター、それらの分離および薬物としてのそれらの使用
Beckmann et al. Semisynthesis of Arg 15, Glu 15, Met 15, and Nle 15-aprotinin involving enzymatic peptide bond resynthesis
US5776903A (en) Peptide derivatives usable as zinc endopeptidase 24-15 inhibitors
US5306824A (en) Biotinylated isocoumarins
Wenzel et al. Semisynthetic conversion of the bovine trypsin inhibitor (Kunitz) into an efficient leukocyte-elastase inhibitor by specific valine for lysine substitution in the reactive site
JP2782232B2 (ja) プロテアーゼ阻害剤
JPH05208999A (ja) セリンプロテアーゼインヒビターおよびこれを含有する医薬組成物
JP3393652B2 (ja) ガマリンから誘導された新規プロテアーゼ阻害剤
JP2659450B2 (ja) 活性型エラスターゼ阻害活性ポリペプチドの製造方法
JPH1080281A (ja) 新規蛋白質及びその製造方法
Wilimowska-Pelc et al. Isolation and amino acid sequence of two trypsin isoinhibitors from duck pancreas
DE3339693A1 (de) Homologe des aprotinin mit anderen aminosaeuren in position 15 anstelle von lysin, verfahren zu ihrer herstellung sowie ihre verwendung als arzneimittel
Oaki et al. One step synthesis of inverted aspartame type sweetener, Ac-Phe-Lys, using chemically modified chymotrypsin
EP0594492A2 (en) Growth inhibitory factor
Frost et al. Purification and partial characterization of an ostrich α1-antichymotrypsin-like serum inhibitor
JPS62116597A (ja) 人インシユリンの製造方法
JPH06239889A (ja) 神経栄養活性抑制物質