JPH0686278U - カードエッジコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の挿入や抜去りの際の操作性を向上する
こと。 【構成】 インシュレータ２の両側には、回動自在に設
けられたレバー３、４が設けられている。インシュレー
タ２に基板１を接続する場合には、該基板１の一方の切
り欠き１２に前記一方のレバー４の突起４１を係合し、
前記一方のレバー４と前記基板１をＩ方向に回転させ
る。接続終了時には、前記他方のレバー３の突起３１が
前記基板１の切り欠き１１に嵌合される。また前記基板
１を離脱する場合には、前記一方のレバー３を前記基板
２と反対側に回転させれば、前記基板１底部がアーム部
３４により押圧されて前記基板１が持ち上げられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカードエッジコネクタに関し、特に、マルチチップ用の小型基板を実 装するためのカードエッジコネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のカードエッジコネクタは、図６に示すように、中央部に多数並設された 導電性のコンタクト５００と、これらのコンタクト５００を保持したインシュレ ータ２００とを有している。インシュレータ２００の両側には、マルチチップ用 の小型の基板１００を挿・抜する際に、基板１００を支持するための一対のガイ ド部２０１がそれぞれ設けられている。基板１００の長手方向の端部（エッジ） には、コンタクト５００に接続される導電性のパッド（図示省略）が多数並設さ れている。

【０００３】 このカードエッジコネクタでは、一対のガイド部２０１の間で基板１００をガ イドしつつ、基板１００をカードエッジコネクタに挿入・抜去する。基板１００ を挿入・抜去する時に、基板１００はインシュレータ２００に対して平行に移動 操作される。その際には、基板１００のパッドがコンタクト５００の上部の接続 部に挿着乃至離脱される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、この種のカードエッジコネクタにおいては、コンタクト５００を、 例えば、百数十芯もの芯数必要とされる場合が多い。このため、多数の芯数のパ ッドを並設した基板１００をインシュレータ２００に挿入する場合やインシュレ ータ２００からこの基板１００を抜去る場合において大きな力を必要とする。

【０００５】 即ち、基板１００の挿入力や抜去力などの操作力が増大するため、基板１００ の挿入や抜去りの際の操作性が悪いという問題がある。

【０００６】 それ故に本考案の課題は、基板の挿入や抜去りの際の操作性を向上するための 構造を備えたカードエッジコネクタを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案のカードエッジコネクタによれば、基板の端部に並設された導電性の接 続パッドに接続される導電性のコンタクトと、該コンタクトを保持したインシュ レータを含むカードエッジコネクタにおいて、前記インシュレータの両端には回 動可能なレバーがそれぞれ設けられ、前記レバーは、前記基板と前記インシュレ ータとの接続時において、前記基板に形成された切り欠きに係合する突起と、前 記基板の底部側に位置するアーム部とを有していることを特徴とするカードエッ ジコネクタが得られる。

【０００８】 また、本考案のカードエッジコネクタによれば、前記レバーの一方の高さが前 記突起が形成された位置に制限されているカードエッジコネクタが得られる。

【０００９】 また、本考案のカードエッジコネクタによれば、前記レバーには、前記切り欠 きと前記突起とを係合位置に付勢するスプリングが設けられているカードエッジ コネクタが得られる。

【００１０】

【作用】

基板をカードエッジコネクタに装着する際には、基板をインシュレータに対し て斜めに傾け、斜め方向から一方のレバー側の突起に基板の切り欠きを係合させ る。この状態で基板を一方のレバーを中心としてインシュレータ側に回転させて 基板の接続パッドをインシュレータのコンタクトに装着させる。この装着操作の 最後に、他方のレバーを基板側に回転させてその突起を対向側に形成された基板 の切り欠きに係合して基板を係止する。このように基板を回転させつつインシュ レータに装着するため、基板とインシュレータのコンタクトとの接続が一度では なくて漸次行われ、このため小さな挿入力で基板とカードエッジコネクタとの装 着を行うことができる。

【００１１】 一方、上記のようにして装着された基板をカードエッジコネクタから離脱させ る場合には、上記他方のレバーを基板と反対側に回転させる。すると、この他方 のレバーの突起が上記切り欠きから離脱するとともに、基板の底部端部が他方の レバーのアーム部により押上げられて持ち上げられるため、基板を小さな抜去力 で容易に離脱できるようになる。

【００１２】 また、一方のレバーの高さを制限することで、カードエッジコネクタを隣接さ せる場合において、図５（ａ）に示したように、他方のレバー３の回動のための スペースが少なくてすむため、カードエッジコネクタの実装間隔を小さくできて 基板の実装密度を高めることができる。

【００１３】 更に、スプリングを設けることでレバーが自動的に係合位置に復帰するため、 基板とカードエッジコネクタとの挿入・抜去の際の操作性がより高まる。

【００１４】

【実施例】

図１（ａ），図１（ｂ），図１（ｃ）及び図１（ｄ）は、本考案のカードエッ ジコネクタと、マルチチップモジュール用の小型の基板との一実施例を示してい る。

【００１５】 カードエッジコネクタは、図１（ｂ）〜図１（ｄ）に示したように、インシュ レータ２と、このインシュレータ２の長手方向の両端部にそれぞれ取付けられて いる一対のレバー３、４とを有している。インシュレータ２は、例えば絶縁性樹 脂の一体成型で作られたものであって、図１（ａ）に示した基板１の接続パッド １３に一対一に対応するコンタクト５が並設されている。また、インシュレータ ２の上面側には、基板１の長手方向の一縁に形成した極性溝１４，１５及び１６ に対応する形状の凸部２４、２５及び２６がそれぞれ形成されている。

【００１６】 一対のレバー３、４は、インシュレータ２の両端部（左部及び右端部）のそれ ぞれに、回動軸３２、４２を中心としてそれぞれ回動自在に軸支されている。

【００１７】 一方のレバー３は、略Ｌ字状のもので、その高さ方向に位置する上片部分の略 中央部にはインシュレータ２の中央方向に突出している突起３１が形成されてい る。この上片部分の外側において先端部が斜め上方内側に切除されている。さら に、一方のレバー３の底片部分はインシュレータ２の中央方向にのびたアーム部 ３４となっている。

【００１８】 他方のレバー４は、略Ｌ字状のもので、その高さ方向に位置する上片部分の先 端部には、インシュレータ２の中央方向に突出している突起４１が形成されてい る。突起４１の外側において先端部が斜め上方内側に切除されている。他方のレ バー４の底片部分はインシュレータ２の中央方向にのびたアーム部４４となって いる。

【００１９】 基板１は、略長方形状のもので、その長手方向の一縁面には導電性の接続パッ ド１３が所定の間隔で多数並設されている。この一縁面には、上述した極性溝１ ４，１５及び１６が形成されている。基板１の長手方向を直交する両端縁には、 突起３１、４１が係合される形状（この実施例では半円状）の切り欠き１１、１ ２がそれぞれ形成されている。

【００２０】 次に、カードエッジコネクタに基板１を挿入する場合の挿入過程について、図 ２（ａ），図２（ｂ）及び図２（ｃ）を参照しつつ説明する。尚、図２（ａ）， 図２（ｂ）及び後述する図５（ａ），図５（ｂ）においては、一つのインシュレ ータ２に隣接するインシュレータ１０及びこのインシュレータ１０に装着される 基板１を二点鎖線の外輪郭形状で示した。

【００２１】 この場合には、まず図２（ａ）に示すように、基板１の一方の切り欠き１２に レバー４の突起４１を係合し、このように両者を合致させた状態で、レバー４の 回動軸４２を中心としてレバー４と基板１とを一体に図２（ａ）において矢印Ｉ 方向に回転させることで、基板１を斜めにインシュレータ２に挿入していく。こ のとき、アーム部４４は、基板１によって下方に押されつつ、基板１を斜めに回 転しながらインシュレータ２に挿入する。基板１とコンタクト５との嵌合は、レ バー４側のコンタクト５１から反対側のコンタクト５２へと順に漸次進行してい く。よって、全てのコンタクト５に基板１を一度に挿入する場合に比べて、基板 １の挿入力の最大ピーク時がずれることから、基板１のコンタクト５乃至インシ ュレータ２への挿入力の最大値が大幅に低減する。

【００２２】 図２（ｂ）は、インシュレータ２に基板１が嵌合されて嵌合終了直前の状態を 示したものである。この場合、基板１の底部側の長手方向の辺端部によってレバ ー３のアーム部３４が下方に押し下げられるため、レバー３は図２（ｂ）のよう に矢印ＩＩ方向に回動する。

【００２３】 基板１の挿入が更に進行して最終嵌合状態になった場合には、図２（ｃ）に示 したように、レバー３の突起３１が基板１の切り欠き１１に合致するようになる 。これにより、基板１がインシュレータ２に対して垂直に立ち上がった状態とな る。そしてこの場合、基板１の長手方向の一縁に設けられた各接続パッド１３が 、インシュレータ２に設けられた各コンタクト５と接触する。この際、凸部２４ 、２５及び２６は、極性溝１４，１５及び１６に嵌め込まれる。なお、凸部２４ 、２５及び２６は、極性溝１４，１５及び１６が正しい姿勢で嵌合されるときの み基板１をインシュレータ２に受け入れる位置関係にあるため、基板１の誤嵌合 を防止する。

【００２４】 一方、カードエッジコネクタから基板１を抜去操作する場合には、図３のよう に、レバー３を基板２と反対側に、即ち、矢印ＩＶ方向に回転させる。この回転 により、基板１の左端の底部がレバー３のアーム部３４により押圧され、基板１ は矢印ＩＩＩ方向に持ち上げられる。

【００２５】 図４に本考案の他の実施例のカードエッジコネクタを示した。この実施例では レバー３、４にそれぞれ板バネなどのスプリング３３、４３を設け、これらスプ リング３３、４３によりレバー３、４を図示した直立位置（基板１の切り欠き１ １、１２との係合位置）に付勢する構造とした。この構造とすることで、レバー ３、４はこれらにインシュレータ２の外側方向への回転力が作用しない状態では 、スプリング３３、４３による付勢により図示した直立位置に復帰するため、基 板１とカードエッジコネクタとの挿入・抜去の際の操作性が高まる。

【００２６】 また、上記各カードエッジコネクタでは、これを長手方向に複数並設し、これ らカードエッジコネクタに基板１をそれぞれ実装する場合において、レバー４の 上片部分を突起４１の形成部と同じ高さとするとともに、レバー３の上片部分の 先端部外側を切除したことから、実装スペースを実質的に小さくできて高密度実 装が可能となる。

【００２７】 つまり、図５（ａ）に示したように、長手方向に隣り合うカードエッジコネク タにおいて、複数のカードエッジコネクタ１０をレバー３とレバー４とが隣接す るように配置することで、これらコネクタ間の間隔が狭い場合でもレバー３の回 動ができる。一方、図５（ｂ）のようにレバー３同士が隣接する場合には、レバ ー３の先端部外側を切除した分だけコネクタ間の間隔をやや狭くできるだけで、 図５（ａ）の場合に比べて実装スペースが余分に必要となる。

【００２８】

【考案の効果】

以上、実施例により説明したように、本考案のカードエッジコネクタによれば 、インシュレータの両端に、基板に形成された切り欠きに係合する突起と基板の 底部側に位置するアーム部とを有してなるレバーを回動自在に設けた構成とした ので、基板を回転させつつインシュレータに装着・離脱できる。このため小さな 挿入力ないし抜去力で基板とカードエッジコネクタとの装着・離脱が行え、この 結果、基板の挿入ないし抜去の際の操作性が向上する。

【００２９】 また、レバーの一方の高さをその突起形成位置に制限することで、カードエッ ジコネクタを隣接させる場合において、他方のレバーの回動のためのスペースが 少なくてすむため、カードエッジコネクタないし基板の実装密度を高めることが できる。

【００３０】 更に、レバーをその基板の切り欠きとの係合位置に復帰するスプリングを設け ることでレバーが自動的に係合位置に復帰するため、基板とカードエッジコネク タとの挿入・抜去の際の操作性をより高まることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のカードエッジコネクタの一実施例の説
明図であり、（ａ）はマルチチップモジュール用の小型
の基板の正面図、（ｂ）はカードエッジコネクタの正面
図、（ｃ）はカードエッジコネクタの左側面図、（ｄ）
はカードエッジコネクタの右側面図である。

【図２】（ａ）〜（ｃ）はそれぞれ、図１（ｂ）のカー
ドエッジコネクタに基板を挿入する過程を示した説明図
である。

【図３】図２（ｃ）のカードエッジコネクタから基板を
抜去する状態を示した正面図である。

【図４】カードエッジコネクタの他の実施例を示す要部
断面図である。

【図５】（ａ）、（ｂ）はそれぞれ、カードエッジコネ
クタを長手方向に並設する場合の要部を示す説明図であ
る。

【図６】従来のカードエッジコネクタの正面図である。

【符号の説明】

１、１００ 基板 ２、２００ インシュレータ ３、４ レバー ５、５００ コンタクト １１、１２ 切り欠き ３１、４１ 突起 ３２、４２ 回動軸 ３４、４４ アーム部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板の端部に並設された導電性の接続パ
   ッドに接続される導電性のコンタクトと、該コンタクト
   を保持したインシュレータを含むカードエッジコネクタ
   において、前記インシュレータの両端には回動可能なレ
   バーがそれぞれ設けられ、前記レバーは、前記基板と前
   記インシュレータとの接続時において、前記基板に形成
   された切り欠きに係合する突起と、前記基板の底部側に
   位置するアーム部とを有していることを特徴とするカー
   ドエッジコネクタ。
2. 【請求項２】 前記レバーの一方の高さが前記突起が形
   成された位置に制限されている請求項１記載のカードエ
   ッジコネクタ。
3. 【請求項３】 前記レバーには、前記切り欠きと前記突
   起とを係合位置に付勢するスプリングが設けられている
   請求項１記載のカードエッジコネクタ。