JPH0686052B2 - アンダカツト部を備えたドリル孔を製作するためのドリル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はアンダカット部を備えたドリル孔を製作するた
めのドリル装置であって、ドリルソケットと、ドリルソ
ケットに固定可能なドリルと、ドリルソケットを取囲む
吸込みベルとから形成されており、側方に突出するドリ
ルチップを備えたドリルに頭部がドリルに設けられてい
る形成のものに関する。

［従来の技術］ DE−OS第3340090号明細書より公知の上記形式のドリル
装置では、ドリルがドリルソケット内へねじ嵌め可能で
ある。ドリルソケットの範囲には、ドリルソケットとド
リルシャンクとを取囲む吸込みベルが予め設けられてい
る。吸込みベルは吸込みホースを介してボール盤又はそ
の類似物の吸込送風機に接続される。このような吸込み
装置によって、ドリル孔内に生じた切り粉が穿孔過程中
に吸込まれる。この公知装置では、ドリルシャンクが側
方の遊びのあるように吸込みスリーブ内で案内されてお
り、それによってドリルは吸込みスリーブ内で旋回可能
となる。この旋回運動によって、通常はアンダカット部
として示されるドリル孔拡張部がドリル孔底部に形成さ
れる。

アンダカット部を備えたドリル孔内には金属製の拡張栓
が差込まれる。拡張栓はアンダカット部の範囲で拡張さ
れ、それによってドリル孔内に固着的に嵌合される。

ドリル底部にできるだけ正確なアンダカット部を製作す
るためには、ドリルの旋回運動が制限されねばならな
い。そのために、長手方向で見てドリルシャンクのほぼ
中央の範囲でその断面が拡大されており、この範囲がド
リル孔壁部に支持された旋回軸受けとして役立ってい
る。しかし、このような横断面の拡大によって切り粉の
吸込みが困難となる。というのは、横断面拡大範囲には
吸込みのためにほんのわずかなギャップしか残されてい
ないからである。

［発明が解決しようとする課題］ 本考案の課題は、ドリルきり先で切り粉を吸い込むこと
のできる簡単な構成の吸込み装置を有する、アンダカッ
ト部を備えたドリル孔を製作するためのドリル装置を提
供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題は、本発明によればはじめに述べた形式のドリ
ル装置において、長手方向で見てドリルシャンクの中央
の範囲でその横断面が拡大されており、軸線方向の貫通
孔がドリルシャンク内に形成されており、かつドリルソ
ケットの吸込み室に開口しており、吸込み室が吸込み室
を取囲むベルと連通しており、滑らかなドリルシャンク
において横断面の拡大した上記範囲にノッチが設けられ
ていることによって解決されている。

［作用及び効果］ 軸線方向の貫通孔によって、切り粉がドリルきり先で直
接に吸込まれる。その場合、ドリルの横断面拡大範囲に
予め設けられたノッチによって、吸込まれた空気量の伴
流が生ぜしめられる。さらにこのようなノッチによっ
て、有利にはドリルシャンクがドリル孔内で堅く締め付
けられることはない。滑らかなドリルシャンクと、ドリ
ル頭部の直径にほぼ相応するドリルシャンク拡張部とを
備えた構成では、上記ノッチが設けられていないと、ド
リルがしばしば堅く締めつけられてしまう。

ドリルは、有利にはねじ山区分によってドリルソケット
内へねじ嵌められる。ドリルソケットは吸込み室を形成
しており、かつ管状の吸込みベルによって取囲まれてい
る。有利には、吸込みベルが管状区分から形成されてお
り、管状区分の一側方からは吸込み接続管が突出してい
る。吸込みポンプの吸込みホースが、自体公知の形式で
この吸込み接続管に接続されている。この場合吸込みベ
ルトの管状区分は、ドリルソケットに設けられた一方の
フランジとドリルシャンクに設けられた他方のフランジ
との間に極めて容易な形式で保持される。ドリルシャン
クに設けられたフランジは、ドリル孔の最大深さを規定
する深さストッパとしても役立つ。

ドリルチップをドリル頭部に最良に支承させるために、
有利には貫通孔がドリルチップの側方に沿って導かれて
いる。それによって、ドリルチップはドリル頭部の内実
部分に形成された溝内へ嵌め込まれる。

特に有利には、貫通孔がドリル頭部の範囲で分岐してい
る。その結果、貫通孔の通路がそれぞれドリルチップの
両側で吸込み口へ通じている。この貫通孔の分岐によっ
て得られる２つの吸い込み口によって、ドリル孔内に生
じた切り粉がドリルチップの両側で直接に吸込まれる。

［実施例］ 次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第1a,1b及び1c図に示されたドリル装置は、ドリルソケ
ット１、ドリル２及び吸込みベル３から形成されてい
る。ドリルソケット１は固定シャック４を有しており、
かつこの固定シャック４によってボール盤のドリルチャ
ック又はその類似物内へ緊締される。さらにドリルソケ
ット１には吸込み室５が設けられており、吸込みベル３
が吸込み室５上へ下方から差し嵌められる。開口６が吸
込み室５と吸込みベル３の室内７とを連通させる。

ドリルソケット１の下端部では、吸込み室５を成す孔８
内に雌ねじ９が形成されている。孔８の構成が第２図に
示されている。

ドリル２はねじ山区分10によって雌ねじ９内へねじ嵌め
られるが、その前に吸込みベル３が吸込み室５上へ差し
嵌められる。ドリルソケット１に形成されたランジ11と
ドリル２に形成されたフランジ12とが、吸込みベル３の
両端を閉鎖する。

ドリル２は滑らかなシャンク13を有しており、ノッチ14
がシャック13の周囲に分配されて設けられている。ノッ
チ14はシャンク13の最大横断面の範囲に形成されてお
り、かつ通風路として、及びドリル２がドリル孔内に堅
く締めつけられるのを阻止する摩擦部材として役立って
いる。

ドリル２は、図面では破線で示された軸線方向の貫通孔
16を有している。貫通孔16の直径は、ドリル頭部15の範
囲及びドリル頭部15に続くシャンク13の最小直径の範囲
で最小になっている。しかし、貫通孔16の直径はシャン
ク13の拡大横断面の範囲では最大になっている。それに
よって、切り粉の吸込みが著しく改善される。吸込み室
５はさらに拡大した直径を有しており、かつ大きな開口
６を介して吸込みベル３と連通している。その結果、吸
込み装置の流れ横断面がドリル頭部15の先端部から吸込
み質量部５へ向かって次第に拡大するようになってお
り、それによって切り粉が最良に吸込まれる。

吸込み接続管17が吸込みベル３の一側方から突出してお
り、図示されていない吸込みポンプの吸込みホースが、
自体公知の形式で吸込み接続着17に接続されている。

さらに、ドリル頭部15の側方から突出したドリルチップ
20の周刃18,19が、ドリル孔内にアンダカット部を製作
するのに役立っている。従って、ドリル頭部15の最大直
径は周刃18、19によって規定されており、かつ範囲21に
おけるシャンク13の拡大した最大横断面よりもわずかし
か大きくない。シャンク13の、横断面の拡大した範囲21
は、ドリル孔底部におけるドリル頭部15の所定された旋
回のために旋回軸受けとして役立つ。この場合、範囲21
はドリル孔壁部に接触している。

ドリル２のドリル頭部15の範囲が第3a及び第3b図に示さ
れている。貫通孔16が分岐しており、かつ吸込み口22へ
通じている。吸込み口22はドリル頭部15の端面でドリル
チップ20の両側に形成されている。この場合、直線状の
通路23をドリル頭部15の内部に形成し、これらの通路を
シャンク13内で１つにまとめることができる。

第3a及び第3b図ではドリル頭部15が円錐状に拡張されて
いるが、第１図のように直線状のシャンク部分として形
成されてもよい。しかし円錐状に拡張されたドリル頭部
には、わずかな直径しか備えていない直線状のドリル頭
部よりも大きな吸込み口22を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明によるドリル装置の実施例を示すもので、 第1a図は本発明によるドリル装置の第１の部分を成すド
リルソケットの概略図、第1b図は本発明によるドリル装
置の第２の部分を成すドリルの概略図、第1c図は本発明
によるドリル装置の第３の部分を成す吸込みベルの概略
図、第２図は第1a図によるドリルソケットの横断面図、
第3a図は分岐した貫通孔を備えたドリル前方部分の側面
図、第3b図は第3a図によるドリル前方部分の端面図であ
る。 １……ドリルソケット、２……ドリル、３……吸込みベ
ル、４……固定シャンク、５……吸込み室、６……開
口、７……内室、８……孔、９……雌ねじ、10……ねじ
山区分、11,12……フランジ、13……シャンク、14……
ノッチ、15……ドリル頭部、16……貫通孔、17……吸込
み接続管、18,19……周刃、20……ドリルチップ、21…
…範囲、22……吸込み口、23……通路

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アンダカット部を備えたドリル孔を製作す
   るためのドリル装置であって、ドリルソケットと、ドリ
   ルソケットに固定可能なドリルと、ドリルソケットを取
   囲む吸込みベルとから形成されており、側方に突出する
   ドリルチップを備えたドリル頭部がドリルに設けられて
   いる形式のものにおいて、長手方向で見てドリルシャン
   ク（13）の中央の範囲（21）でその横断面が拡大されて
   おり、軸線方向の貫通孔（16）がドリルシャンク（13）
   内に形成されており、かつドリルソケット（１）の吸込
   み室（５）に開口しており、吸込み室（５）が吸込み室
   （５）を取囲む吸込みベル（３）と連通しており、滑ら
   かなドリルシャンク（13）において横断面の拡大した上
   記範囲（21）にノッチ（14）が設けられていることを特
   徴とする、アンダカット部を備えたドリル孔を製作する
   ためのドリル装置。
2. 【請求項２】吸込みベル（３）が、一側方に突出する吸
   込み接続管（17）を備えた管状区分から形成されてお
   り、かつドリルソケット（１）に設けられたフランジ
   （11）とドリルシャンク（13）に設けられたフランジ
   （12）との間に支承されていることを特徴とする請求項
   １記載のドリル装置。
3. 【請求項３】貫通孔（16）の直径がドリルきり先の範囲
   では小さく、ドリルシャンク（13）の内部では拡大して
   いることを特徴とする請求項１又は２記載のドリル装
   置。
4. 【請求項４】ドリル（２）の、ドリル頭部（15）とは反
   対側の端部にねじ山区分（10）が形成されており、ねじ
   山区分（10）がドリルソケット（１）内へねじ嵌められ
   ることを特徴とする請求項１から３までのいずれか１項
   記載のドリル装置。
5. 【請求項５】貫通孔（16）がドリルチップ（20）の側方
   に沿って導かれていることを特徴とする請求項１から４
   までのいずれか１項記載のドリル装置。
6. 【請求項６】貫通孔（16）がドリル頭部（15）の範囲で
   分岐しており、かつドリルチップ（20）の両側で吸込み
   口（22）へ通じていることを特徴とする請求項１から５
   までのいずれか１項記載のドリル装置。