JPH0686008A - 画像情報読取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像情報をデジタル処理するもので、簡単な
構成で広いダイナミックレンジの画像情報が得られる画
像読取り装置を提供することにある。 【構成】 所定の周期で明るさの変化する光源ランプに
より照明された原稿の画像情報を、ＣＣＤイメージセン
サにより読取る画像情報読取り装置において、光源ラン
プの、明るさの異なる少なくとも２期間で画像情報を読
み取るようＣＣＤイメージセンサを制御する制御手段
と、少なくとも２期間で読み取った画像情報を加算する
加算手段とを有することを特長としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像読取り装置に関
し、さらに詳しくは、光源で原稿を照射し、ＣＣＤイメ
ージセンサなどの受光手段を用いて画像情報を読取る、
フィルムスキャナー等のカラー画像情報読取り装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の画像情報読取り装置におい
ては、原稿に光を照射し、反射光あるいは透過光をＣＣ
Ｄイメージセンサ等の受光素子で受光・積分することに
より原稿表面の画像情報を読取っている。

【０００３】画像情報読取り装置による読取り画像の画
質の向上を目的として、出力信号のＳ／Ｎ比を上げるた
めに、読取りを複数回行なって平均化するという処理が
従来行なわれていた。しかしながら、単に平均化するだ
けでは、Ｓ／Ｎ比は上がっても、取り扱える情報量に限
界があるため、平均化された読取り画質には限界があっ
た。

【０００４】画質をさらに向上させるためには、分解能
を高める必要がある。しかしながら、画像をデジタル処
理する画像情報読取り装置においては、分解能を高める
ためにはビット数の大きなＡ／Ｄ変換器を用いる必要が
ある。しかし、多ビットのＡ／Ｄ変換器を用いること
は、装置の生産コストの上昇につながる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明の目的は、画像情報をデジタル処理するもので、簡単
な構成で広いダイナミックレンジの画像情報が得られる
画像読取り装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、本発明の画像
情報読取り装置においては、所定の周期で明るさの変化
する光源ランプにより照明された原稿の画像情報を、Ｃ
ＣＤイメージセンサにより読取る画像情報読取り装置に
おいて、光源ランプの、明るさの異なる少なくとも２期
間で画像情報を読み取るようＣＣＤイメージセンサを制
御する制御手段と、少なくとも２期間で読み取った画像
情報を加算する加算手段とを有することを特長としてい
る。

【０００７】

【実施例】図１は、本発明の実施例である画像情報読取
り装置の概略の構成を示すブロック図である。光源１２
は商用電源１０により点灯される。光源１２から照射さ
れた光は、カラーフィルター２０を介して、コンデンサ
レンズ２２に入射される。コンデンサレンズ２２によ
り、光源１２の光がフィルム２４に均一に投影される。
本実施例においては、原稿２４として透過型のフィルム
２４を想定している。

【０００８】カラーフィルター２０は赤、緑、青色の３
種のフィルターが、ドライバ１６により制御されるモー
タ１７によって、照明光源１２とコンデンサーレンズ２
２との間の光路中に選択的に挿入される。

【０００９】フィルム面を挟んで、コンデンサレンズ２
２の反対側には投影レンズ２６が設けられている。投影
レンズ２６の焦点位置にはＣＣＤのイメージセンサ３０
が配置されており、投影レンズ２６によって、イメージ
センサ３０上に原稿２４の像が形成される。

【００１０】一般に、イメージセンサは、ラインセンサ
とエリアセンサの２種類に大別されるが、本実施例の画
像読取り装置では、ラインセンサを使用している。この
ため、本装置では、原稿のフィルム２４を、ラインセン
サによる受光ラインの方向と垂直な方向に動かして面の
走査を行っている。フィルム２４の移動は、駆動パルス
発生回路６５より出力される駆動パルスに基づき、ドラ
イバ１８によって制御されるモータ１９により行なわれ
る。

【００１１】上述のように、本装置ではラインセンサを
用いているため、ラインセンサに対応する所定の範囲だ
けが一定の明るさで照明されていればよく、周辺光度の
低下を考慮する必要がない。これに対し、エリアセンサ
を用いる場合には、原稿面全体が一様に照明されている
必要がある。

【００１２】ＣＣＤイメージセンサ３０は、駆動回路３
２と、駆動回路３２に信号を送るＴＳＧ（タイミング信
号発生器）３４によって駆動され、投影された像に応じ
た画像信号を出力する。

【００１３】ＣＣＤイメージセンサ３０の受光は、次の
ようにして行われる。駆動回路３２より出力される電荷
クリアパルスにより、フォトダイオードに蓄えられてい
た電荷が一旦掃き出される。その後、駆動回路３２から
出力されるデータ読み出しトリガパルスにより、蓄積さ
れた電荷を読み出す。即ち、電荷クリアパルスの入力後
からＣＣＤイメージセンサ３０への電荷の蓄積が開始さ
れ、データ読み出しトリガパルスの入力により、蓄積さ
れた電荷がデータとして出力される。

【００１４】ＣＣＤイメージセンサ３０から出力された
画像信号は、サンプルホールド回路４１で、ＣＣＤイメ
ージセンサ３０のリセット雑音などを抑圧し、所定の利
得で増幅してＡ／Ｄ変換器４５へ出力される。Ａ／Ｄ変
換器４５によりデジタル変換された画像信号はラインメ
モリ７０に記憶される。

【００１５】本発明の画像読取り装置においては、原稿
の１ライン分の情報を２回走査している。１回目の走査
で得られた画像信号はラインメモリ７０に記憶され、２
回目の走査により得られた画像信号と、加算器７５によ
り加算される。加算器７５により加算された画像信号
は、ＬＵＴ（ルックアップテーブル）５０により、ネガ
ポジ反転・コントラストの強調等の加工が施された後、
出力ポート８２より、コンピュータ、ワークステーショ
ンなどの画像データ受信装置１００に出力される。

【００１６】尚、デジタル信号の処理はＣＰＵ（中央処
理装置）６０、ＤＭＡ（ダイレクトメモリアクセス）５
２により制御される。画像データを転送する場合には、
ＣＰＵの処理速度を上回る高速のデータ転送を行う必要
がある。このため、本実施例の画像情報読取り装置にお
いては、デジタル変換された画像信号の出力は、ＤＭＡ
５２を用いて、ハード的に行っている。ホストコントロ
ーラ２００は、フィルムの駆動や装置全体の駆動コマン
ドを入力するためのものである。

【００１７】次に、本発明に係る、ＣＣＤイメージセン
サ３０の受光期間の制御について説明する。本装置で
は、光源の電源１０として通常の商用電源（交流）を用
いている。交流電源は、図２に示すように、０Ｖを基準
として正・負の電圧値を周期的に繰り返している。これ
に伴い、光源１２の明るさは、電源周波数の２倍の周波
数で変動することになる。電圧値が最大となった時に光
源１２の明るさは最大となり、電圧値が０になった時に
明るさは最小値を取る。

【００１８】本件では、電源１０の電圧値の変化を検出
するため、ゼロクロス検出回路１５が電源１０に接続さ
れている。ゼロクロス検出回路１５は、電源電圧の位相
の変化を検出し、同期信号を出力する。即ち、図２に示
されるように、電源１０の電圧値が０Ｖとなる点で、す
なわち電源電圧波形の位相が０度と１８０度の点でパル
スを出力している。

【００１９】ゼロクロス検出回路１５からの同期信号
と、クロック３６から出力されるクロックパルスに基づ
いてタイミング信号発生回路３４から出力されるＣＣＤ
イメージセンサ電荷蓄積制御信号により、ドライバ３２
から、電荷クリアパルス及びデータ読み出しトリガパル
スがＣＣＤイメージセンサ３０に出力され、ＣＣＤイメ
ージセンサによる画像信号の入出力が制御される。

【００２０】本発明においては、ＣＣＤイメージセンサ
３０による受光（原稿の走査）を、原稿の１ラインに対
し２回行なうように制御している。２回の走査は、それ
ぞれ、光源１２の光量が最も大きくなる期間と、最も小
さくなる期間となるようにしている。この時、ＣＣＤイ
メージセンサ３０の出力信号の強度を、光源が暗い期間
での出力レベルＶ２が、ほぼＡ／Ｄコンバータの最大入
力レベルになる様、設定する。このように設定すると、
光源が明るい期間でのＣＣＤイメージセンサ３０の出力
Ｖ１は最大入力レベルを越えているため、Ａ／Ｄコンバ
ータの出力は飽和してしまう。図３、図４はそれぞれ光
源が明るい期間と、暗い期間におけるＡ／Ｄ変換器の出
力を示す図である。原稿として階段状のグレースケール
チャートを用いた場合の出力が示されている。図の左が
スケールチャートの暗い部分に対応し、右が明るい部分
に対応している。なお、Ａ／Ｄ変換器としては、８ビッ
トのものを用いている。

【００２１】図３では、ＣＣＤイメージセンサ３０の出
力レベルが、Ａ／Ｄ変換器の最大入力レベルを超えてい
る分については、Ａ／Ｄ変換器の出力は、最大値の２５
５となっている。一方、図４では、Ａ／Ｄ変換器の出力
は、スケールチャートに対応した、階段状となってい
る。

【００２２】光源が最も明るい期間に得られた画像信号
のＡ／Ｄ変換器の出力は最大値Ｖ１’を有している。こ
の出力値はラインメモリ７０に記憶される。次に、光源
が暗くなる期間に得られた画像信号のＡ／Ｄ変換器出力
が、加算器により、ラインメモリ７０に記憶されている
信号と合成される。光源が暗い期間の画像信号のＡ／Ｄ
変換器出力信号は最大値Ｖ２’を持つ。光源が暗くなる
期間に得られた画像信号が、加算器により、ラインメモ
リに記憶されている信号と合成される。図５は、図３と
図４の合成信号を示している。

【００２３】図から明らかなように、画像が暗い部分で
は階段のステップが図３あるいは図４単独の場合に比べ
て大きくなっており、画像が明るい部分では、階段のス
テップは図４と同じである。また、出力値は０から５１
１となっており、これは９ビット相当のデータとなって
いる。しかも、暗部のデータが拡大されて取り込まれて
いる。

【００２４】人間の目の、明るさに対する感じ方は対数
的な特性を持つ。即ち、人間の目は暗いものに対しては
高い分解能を示すが、明るいものに関しては、それほど
分解能は高くはない。このため、ビデオカメラなどで画
像信号を出力する場合には、いわゆるγ補正が施されて
いる。ＣＲＴの入出力特性は、γ＝２．２程度である。
このため、ビデオカメラでは、これを逆補正するため
に、γ＝０．４５（＝１／２．２）程度に設定してあ
る。従って、従来はＡ／Ｄ変換器の出力を、さらにγ補
正回路に入力して、加工していた。γ補正回路は、入出
力が非線形の回路で、ダイオード・トランジスタなどを
含むアナログ回路である。

【００２５】本発明において上記の方法で得られた、図
５に示される画像信号は、単に９ビット相当のデータに
なっているだけではなく、視覚的に分解能の高い暗部の
データを拡大して取り込むことができる。従って、ガン
マ補正を施した場合と同等の効果が得られる。言い替え
れば、Ａ／Ｄ変換器の出力を、デジタル回路による加算
のみでγ補正に相当する補正を施すことができる。従っ
て、非線形回路を介すること無く画像信号の処理が行な
え、その特性も安定している。

【００２６】なお、上記実施例は、原稿に光を照射し、
透過光をラインセンサで受光するフィルムスキャナーに
ついて述べたが、原稿からの反射光を受光するタイプの
スキャナーでも、本発明が適用可能であることは言うま
でもない。また、受光センサも、ラインセンサに限られ
るものではなく、エリアセンサであっても本発明は適用
可能である。

【００２７】また、上記実施例は、電源として交流電源
を用い、光源の明るさの変化を利用して、２回の読取り
を行なっているが、光源の明るさを一定にしておいて、
サンプルホールド回路の利得を２回の読取りで変化させ
るようにしても同等の効果を得ることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように、本発明の画像読取り装置
によれば、分解能の低いＡ／Ｄ変換器を用いても、広い
ダイナミックレンジの画像信号が得られる。また、ガン
マ補正回路をアナログ回路で構成した場合よりも、低コ
ストで、安定した信号出力が得られる。さらに、光源ラ
ンプの光量が、電源の周期的な変動に伴って変化するこ
とを利用して画像の読取りを行なっている。一般の商用
電源（交流）により光源を点灯して画像情報の読取りを
行なうことができるため、高価でしかも発熱量の大き
な、安定化電源回路が不要である。、複数の色フィルタ
ーを選択的に光路中に挿入して、各色成分毎の画像情報
を読取る際に、ＣＣＤイメージセンサの受光時間を一定
時間に固定したまま、容易に光源の光量変化、及び、光
源・ＣＣＤイメージセンサなどの分光感度の違いを補正
するができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例としての画像読取り装置のブロ
ック図である。

【図２】光源の明るさの変動と、ＣＣＤイメージセンサ
の受光期間およびフィルムの移動を示すタイミングチャ
ートである。

【図３】光源の光量が大きい場合の、Ａ／Ｄ変換器の出
力値を表わす図である。

【図４】光源の光量が暗い場合の、Ａ／Ｄ変換器の出力
値を表わす図である。

【図５】図４と図５に示されるＡ／Ｄ変換器の合成出力
を表わす図である。

【符号の説明】

１０ 商用電源 １２ 光源 １５ ゼロクロス検出回路 ３０ ＣＣＤイメージセンサ ３４ タイミング信号発生回路 ７０ ラインメモリ ７５ 加算回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の周期で明るさの変化する光源ラン
   プにより照明された原稿の画像情報を、ＣＣＤイメージ
   センサにより読取る画像情報読取り装置において、前記
   光源ランプの、明るさの異なる少なくとも２期間で画像
   情報を読み取るよう前記ＣＣＤイメージセンサを制御す
   る制御手段と、前記少なくとも２期間で読み取った画像
   情報を加算する加算手段とを有することを特長とする、
   画像情報読み取り装置。