JPH0685348U - 高炉ベルレストップ装置用旋回シュート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高炉のベルレス装入装置用旋回シュートによ
る装入原料の偏析防止と、該旋回シュートの寿命延長を
可能とするベルレス装入装置用旋回シュートを提供する
ことを目的とする。 【構成】 旋回シュート内面に、シュート全長にわたっ
て原料の流れに沿って原料を２分割する整流板を設け、
原料落下部にシュート保護ライナを設け、その下流にセ
ルフライニング方式のシュート保護ライナを設け、か
つ、整流板の保護ライナを設けた旋回シュートにより、
上記の目的が達成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高炉ベルレストップ装置の旋回シュートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の旋回シュートを持つ高炉ベルレストップ装置については、例えば図５の 概略図に示すベルレストップ装置が一般的であり、１は炉体トップマンテル、２ は炉内原料、３は旋回シュート、４は垂直シュート、５はベルレスシュート駆動 装置、６は集合ホッパ、７は流調ゲート、８は原料バンカ、９はコンベアヘッド シュート、10は切換シュート、11は装入コンベアである。

【０００３】 装入コンベア11で搬送された原料２はコンベアヘッドシュート９を介して原料 バンカ８へ装入され、流調ゲート７により制御された原料２は集合ホッパ６およ び垂直シュート４を通り、旋回シュート３を介して炉内に投入配分されるが、こ こに使用される旋回シュート３の詳細について以下に述べる。 従来の旋回シュートにおいては、原料が通過する面には、ストーンボックス形 状や滑らかなプレート形状などの単独またはその複合された構造のライナが使用 されている。

【０００４】 例えば実開昭61−199552号公報には、旋回シュート３の底面の原料接触面に凸 状のライナを設けたシュートが開示されており、図６(a) はその側断面図で、(b ) は(a) のＡ部詳細図であり、12はシュートケーシング、13はシュート保護ライ ナ、14はシュートケーシングの保護耐火材である。このようなシュートは炉内で 高温に常時曝されているため、シュート保護耐火材14で保護されおり、旋回シュ ート３の内底面に落下した原料はシュートケーシング12の保護のための凸状のシ ュート保護ライナ13にあたり該シュートから炉内へ挿入されるが、該ライナの凹 部は原料で充填され該旋回シュート３の内面はセルフライニング構造となってい る。

【０００５】 また、実開平 2− 25555号公報には、この旋回シュート３本体の側内面又は底 内面に、原料の滑降流と直交する単数又は複数の突起物16を配設した旋回シュー ト３が開示されており、図７(a) はその旋回シュート３底面に複数の突起物16を 設けた図であり、(b) は旋回シュート３の側面に突起物17を設けた図である。 すなわち、原料の滑降方向に直交する突起を旋回シュートの内部に設けること により、旋回シュートにおける原料流を緩流化して原料の粒度偏析を少なくしつ つ、旋回シュートからの原料落下流の水平方向分力を少なくし、原料の炉内の堆 積形状を原料落下流が崩すのを防止する意図である。

【０００６】 図８は、旋回シュート内に原料が落下する部位を除き、長手方向に沿った整流 板18を形成した従来のものであり、原料を整流板18により整流する旋回シュート である。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、原料通過時に旋回シュート３は著しい損耗を受け、その上、最 近では流調ゲート７を可変速にした原料分布制御が行われ、炉況の安定が図られ るようになった反面、原料が長時間旋回シュート３の上を通過するため、摩耗に より旋回シュート３の寿命が従来の４〜５年から１〜２年と大幅に短くなる欠点 が生じた。

【０００８】 また、旋回シュート３底面に摩耗のため部分的開孔を生じることにより、原料 を任意の場所へ分配することが不可能となるため、該シュートが開孔する前にシ ュートを交換する必要がある。しかしこの旋回シュート３の交換作業には多大の 時間を要し、高炉の操業を停止するため、生産能率が大きく低下するという欠点 があった。

【０００９】 さらに、旋回シュート３は、炉内の輻射熱に曝されると共に、原料バンカ８か らの落下距離が長く、かつ、最近の流調ゲート７の可変制御による原料投入時間 の延長に伴って損耗が大きくなっている。 さらに流調ゲート７による制御を行うことにより、旋回シュート３へ供給され た原料は旋回シュート３の断面形状に対して原料通過断面が小さいために、相対 的に大塊が早く通過し小塊が遅く通過するという現象が発生し、原料の偏析を生 じていた。

【００１０】 ところで、原料の偏析防止の手段として例えば実開平 2− 25555号公報に開示 のシュートには単純な形状の突起物16を配設しているが、最近の流調ゲート７に よる制御を行うには該突起物16により、かえって流調ゲート７による制御が乱さ れ問題が生じ、また実開昭61−199552号公報に開示のシュートには、シュート内 面にライナを配設しており、原料のセルフライニングには適しているが、流調ゲ ート７による制御を行うには原料の粒度コントロール対策が不十分であり、また 、従来の整流板では原料落下部に整流板が無く整流板間で原料の分布が偏り、流 調ゲート７による制御を行うのに支障を生じている。

【００１１】 本考案は、上記問題点を解決した高炉ベルレストップ装置用旋回シュートを提 供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案は、高炉ベルレストップ装置用旋回シュートにおいて、外面に耐火材を ライニングした旋回シュートケーシングと、旋回シュート内面の原料落下部に設 けられた旋回シュート保護ライナと、その下流に設けられたセルフライニング方 式の保護ライナと、更に該旋回シュート内の原料落下部を含むシュートの全長に わたって原料の流れ方向に設けられた原料を２分割する整流板と、該整流板の原 料落下部付近の頭部には整流板保護キャップを設け、かつその下流の両側に複数 の整流板保護ライナを設けたことを特徴とする高炉ベルレストップ装置用旋回シ ュートである。

【００１３】

【作用】 本考案によれば、旋回シュートの内面の原料落下部に落下原料を２分割する整 流板を設け、該整流板を旋回シュートの全長にわたって設けることにより、落下 部で原料の均等な分割を行うことにより旋回シュートの旋回位置の如何を問わず 該旋回シュート内の偏流を防止する。

【００１４】 また、旋回シュート内における一定量の原料の通過速度は、該原料がシュート 内面および整流板に接触する接触面積が大きいほど遅くなるため、前記整流板を 旋回シュートの全長にわたり延長させて設ける。 従って、前記原料落下時点で整流板で均等に分割された原料は移動に対する制 限を受けることになり、従来問題視されていた旋回シュート上の原料偏析も小さ くすることが可能となり、シュート単位面積当たりの摩耗負荷は低減するのでシ ュートの摩耗を減少させることができる。

【００１５】

【実施例】

以下に本考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１は本考案の旋回シュートの平面図で、図２は図１のＡ−Ａ矢視断面図で、 図３は図１のＢ−Ｂ矢視断面図であり、図４は図１のＣ−Ｃ矢視断面図である。 図において、19は旋回シュートの中心に沿う整流板、20は原料落下部の保護ラ イナ、21は原料通過部の保護ライナ、22は原料落下部の整流板頭部の保護ライナ 、23は原料通過部の整流板保護ライナであり、整流板19の原料落下部の原料を２ つに均等分割する部分の頭部には整流板保護ライナ22を取り付け、該整流板19の 原料による摩耗を防止しており、20と21の保護ライナは、通過原料によるシュー ト内面の摩耗防止用の保護ライナであり、保護ライナ20は落下原料の直撃を受け るため厚いライニング構造をとり、保護ライナ21は凹部に原料を充填させるセル フライニング構造をとり、整流板19の原料落下部を外れる部分にはその側面に整 流板保護ライナ23が所定間隔に取り付けられている。

【００１６】 保護ライナ20、21の材質は高強度セラミックスを使用しているが、従来の耐摩 耗金属ブロックでもよく、また、整流板保護ライナ23は耐摩耗金属丸棒を溶接す ることで代行できる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の旋回シュートを使用し、流調ゲートによる開度制御を行った結果、従 来の旋回シュートの寿命が１〜２年であったものが、本考案の旋回シュートの寿 命は３〜４年と約２倍近い寿命延長が得られ、開度制御を行わない場合でも、従 来の４〜５年の寿命が７〜８年に延長可能となる。

【００１８】 又、原料の偏析防止効果は、整流板設置により大塊と小塊との分離が発生せず 均一な排出粒度特性を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ矢視断面図である。

【図４】図１のＣ−Ｃ矢視断面図である。

【図５】従来の高炉ベルレストップ装置の全体を示す概
略図である。

【図６】(a) 従来のベルレスシュートを示す側断面図で
ある。 (b) (a) のＥ部拡大図である。

【図７】(a) 旋回シュートの１例を示す斜視図である。 (b) 旋回シュートの他の１例を示す斜視図である。

【図８】整流板を持つ旋回シュートを示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 炉体トップマンテル ２ 原料 ３ 旋回シュート ４ 垂直シュート ５ 旋回シュート駆動装置 ６ 集合ホッパ ７ 流調ゲート ８ 原料バンカ ９ コンベアヘッドシュート 10 切換シュート 11 装入コンベア 12 シュートケーシング 13 シュート保護ライナ 14 シュート保護耐火物 15 Ｖアンカ 16 突起物 17 突起物 18 整流板 19 整流板 20 原料落下部の保護ライナ 21 保護ライナ 22 整流板頭部の保護ライナ 23 整流板保護ライナ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高炉ベルレストップ装置用旋回シュート
   において、外面に耐火材をライニングした旋回シュート
   ケーシングと、旋回シュート内面の原料落下部に設けら
   れた旋回シュート保護ライナと、その下流に設けられた
   セルフライニング方式のシュート保護ライナと、更に該
   旋回シュート内の原料落下部を含むシュートの全長にわ
   たって原料の流れ方向に設けられた原料を２分割する整
   流板と、該整流板の原料落下部付近の頭部には整流板保
   護キャップを設け、かつその下流の両側に複数の整流板
   保護ライナを設けたことを特徴とする高炉ベルレストッ
   プ装置用旋回シュート。