JPH068486B2 - 製造性に優れた耐熱、耐酸化性Fe―Cr―A▲l▼系合金 - Google Patents
製造性に優れた耐熱、耐酸化性Fe―Cr―A▲l▼系合金Info
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- JPH068486B2 JPH068486B2 JP1071960A JP7196089A JPH068486B2 JP H068486 B2 JPH068486 B2 JP H068486B2 JP 1071960 A JP1071960 A JP 1071960A JP 7196089 A JP7196089 A JP 7196089A JP H068486 B2 JPH068486 B2 JP H068486B2
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Description
−A系合金に関し、高温の排ガス雰囲気下で特に異常
酸化発生に対する抵抗力が要求される自動車排ガス浄化
用触媒支持体に好適の他、石油、ガス等炭化水素系の燃
料を用いる高温装置用材料、例えば石油ストーブや温風
ヒーター等の各種暖房器具部品やバーナー、電熱線等の
発熱体にも有用である。
の保護性が失なわれ、Feを主体とした酸化物が急速に
発達し、その後短時間のうちに合金箔の中心部まで酸化
物となってしまう現象のことである。また、以後この異
常酸化発生までの期間を便宜上異常酸化寿命と呼ぶ。
ク製ハニカムが使用されて来たが、近年エンジン性能向
上等の利点があることから例えば特開昭50-92286号公
報、特開昭50-144689号公報、特開昭56-96726号公報及
び特開昭57-71898号公報等に開示されている如く、この
ハニカム体をFe−Cr−A系耐熱合金箔で構成する
技術が提案されている。
酸化皮膜の密着性が着目され、それゆえ、その素材とし
ては旧来より耐酸化性及び皮膜の密着性に優れているた
めの電熱線や暖房器具の高温部品として広く一般に利用
されたFe−Cr−A系合金をベースに、この耐酸化
性あるいは触媒の直接担持体であるγ−A2O3との密
着性を改善した箔が用いられている。これらの各技術は
いずれも素材の耐酸化性を改善する手段としてYの利用
が提案されているが、Yはきわめて高価な元素であるた
め利用範囲が限られ、広く実用に供せられるにまで至っ
ていない。一方、特開昭58-177437号公報には主として
皮膜の剥離を防止するためにFe−Cr−A系合金に
0.002〜0.05重量%のLa,Ce,Nd,Prを含む総量0.06重量%
までのREMを添加した合金が開示されているが、RE
Mが0.06重量%を超えると通常の鋼熱間加工温度で合金
を加工することが出来ないとしている。また、Tiの添
加は耐酸化性を低下させるためTiは添加できないとし
ている。
をベースとする合金において、Yの添加は高価なものに
なるとして、Ce以外の、Laを主成分としたREMを
0.05重量%超0.20重量%以下の範囲で添加することが提
案されている。これはREMの添加による熱間加工性の
低下原因が主にCeにあり、さらにCeには耐酸化性を
低下させる作用もあるとして、Ceを含まずにLaを主
体のREM添加とすれば熱間加工が可能となり耐酸化性
も向上するという新知見に基づくとしている。
離が難しく、従って実質的に純粋な金属Laは、Yに比
べれば安価であるもののREMの混合物であるいわゆる
ミッシュメタルに対しては非常に高価であることに変わ
りはない。また、同様に、Ceのみを分離除去すること
も価格の上昇を伴なうこととなる。さらに、鉄と鋼Vo1.
72(1986),S1482には厚さ50μm程度のFe−Cr−A
系合金箔の酸化挙動について、ある時間以降急激な反
応が起って箔中心部まで酸化物となるいわゆる異常酸化
の発生は、箔中のA全量がA2O3として消耗される
時期に対応し、0.015重量%程度の(La+Ce)の添
加はA2O3の内部保護性を向上する旨が報告されてい
る。
いてのものであり、本発明が対象とする燃焼排気ガス中
での箔の酸化挙動は全く異なったものであることが本発
明者らの検討により明らかとなった。
の消耗とは対応せず、全Aが消耗されるより以前に既
に異常酸化が発生するのである。さらに、排気ガス中で
は0.03重量%程度のREMの添加により大気中と同様酸
化皮膜の耐剥離性は改善するが、とくに長時間側で観察
される箔の表面酸化皮膜の微細なひび割れ及び点在する
Fe,Crを主体とした粒状酸化物の発生を抑えられな
い。
らか保護性のあるCrを主体とした酸化皮膜が形成する
場合もあり、この際一時的に異常酸化の発生が抑えられ
る時期が認められることもあるが、排気ガス中ではこう
した時期はごく短時間であり、しかもこの状態の箔はす
でに弾力的な性質が劣化している上に、箔自体の寸法変
化が大きくなっており、排ガス浄化装置用として使用す
る際には事実上既にハニカム体を構成する箔として寿命
に達している。なお、この長時間側で認められる箔の寸
法変化は、50μm程度と板厚の薄い箔であるがゆえに
生ずる現象であり、表面酸化皮膜の成長に伴って皮膜と
金属間に生ずる応力に起因するものである。
焼排気ガス中での異常酸化に対する抵抗力が優れると同
時に製造性の優れたFe−Cr−A系合金箔を製造す
ることを主な目的としたものである。
r−A系合金について種々検討した結果、特に燃焼排
気ガス浄化装置用合金箔として、価格上昇を抑えつつと
くに熱間での加工性に優れ、また熱延板の靱性にも優
れ、かつ前記用途上から要求される箔としての耐酸化性
即ち排気ガス中での異常酸化発生に対する抵抗力にも優
れたFe−Cr−A系合金を得ることに成功したので
ある。
素のうちのランタノイド) を含有し、不純物として C:0.015以下、 N:0.015以下でかつ、 C+N:0.02以下、 S:0.003以下、 Si:0.5以下、 Mn:1.0以下、 Ni:0.3以下に制限し、 残部実質的にFeよりなることを特徴とする製造性に優
れた耐熱、耐酸化性Fe−Cr−A系合金であって、
必要に応じて、 0.05以上 以下 のNbを添加することによりさらに熱延コイルの靱性及
び耐酸化性を向上させることができる。
ランタノイドの混合物のことであり、含まれる元素の比
率はおおむねCe=6〜4,La=3〜2,Pr=1〜
2,Nd=1〜2程度で、鋼への添加原料であるいわゆ
るミッシュメタルの成分変動あるいは製鋼歩留り等によ
りこの比率は若干変動するが、Ceが最も多量に含まれ
る。また、他の希土類元素の合計はごくわずかであり、
事実上分析結果として検出できるのは上記4元素であ
る。
は0.06%を超えるREMを含有せしめることにより、F
e,Crを主体とした粒状酸化物の発生を抑えることが
でき、加えて微量のTiと複合させるとさらに大きな効
果が得られる。この際、Ce単独又はLa単独添加とす
るよりも、これらREMの混合物であるいわゆるミッシ
ュメタルで添加した場合の方がより長時間まで効果が持
続する。
り、REM量が少ない場合に比べて、主として酸化物の
可塑性が向上するため前記した箔の変形量を小さくする
ことができる。
により熱間における加工を可能とすることで成分元素費
上昇を抑え、さらにC及びNを極めて低下させた上でこ
の両者の量とある特定関係をもったTi量とすることで
熱延コイルの靱性を向上させ、もって製造工程をより簡
略ならしめることによって工程増によるコスト上昇を抑
えることが可能となるものである。
性がさらに向上するものである。
について説明する。なお、ここにいう含有量はすべて重
量%である。
本発明にあっては後述するTiとの関係によってこの作
用を強力抑えることができるが、それぞれ0.015%を超
えて存在する場合もしくはC+Nで0.02%を超える場合
にはTi添加によっても室温付近での熱延コイルの靱性
が満足な値にまで回復せず、例えば熱延コイルをほどく
時により高い温度までの再加熱を要す等のコストアップ
要因となる工程増が必要となる。従ってC及びNはそれ
ぞれ0.015以下でかつC+Nの総量を0.02%以下とする
必要がある。
靱性に与える悪影響を防止し、併せてとくに排気ガス中
での耐酸化性をも向上する有用な元素である。熱延板靱
性を改善するためには少なくとも0.02%以上の添加が必
要である。一方、本発明者らの検討によればTi添加と
ともに靱性は一旦は著しく向上するが、逆にC及びN量
に対しTiが過剰に含まれるとかえって靱性が強度に低
下するようになってしまう。さらに詳しく検討したとこ
ろ、これはTiが過剰に含まれる場合には10μmを超
えるような多数の粗大な角型のTiNを(一部Ti(C,N))を
主とした析出物あるいは介在物が鋳造時あるいは、それ
に続く1350℃を超えるような高温時にすでに形成されて
おり、これが熱延後も脆性的な破壊に対する材料の感受
性を著しく高めているためであることが明らかとなっ
た。従って、Ti量にはこの意味から上限値が存在し、
本発明者らの検討によれば、その値は である。すなわち、この量を超えてTiを含有せしめた
場合には、Ti量が0.02%に満たない場合とはまた異な
った理由により熱延板の靱性が損なわれるのである。従
って本発明にあっては熱延板の靱性改善のために添加す
るTiは0.02%以上 以下という比較的微量なものとなる。
な添加であっても、耐酸化性ことに排気ガス中での耐異
常酸化性の向上効果を有する。
もTiによる耐酸化性の向上効果が急激に飽和するた
め、熱延コイルの靱性を考慮した範囲がTiの添加範囲
となる。従って本発明のTiは0.02%以上 以下となる。
コイルの靱性を低下させるため、もともと耐酸化性を有
するが靱性の低いFe−Cr−A系合金を対象とした
本発明にあっては0.5%以下とする。
持つため1.0%以下とする。
の加工性を向上するのに重要な意味を持つ元素である。
合でもPが 以上含まれる際には、熱間圧延に際し、全く問題なく加
工(即ち圧延)ができることが本発明者らの検討により
明らかとなった。この際、例えばREMの中で最も多量
に含まれるCeの一部は3μm前後の比較的微細な粒状
のりん化物として鋼中に存在するため従来考えられてい
たようなFeとの化合物を形成することによる熱間での
加工性の低下が未然に防止できるのである。
な有用な作用をもつことになるが、一方でFe−Cr−
A系合金のとくに450〜520℃程度の温度域でのぜい化
を促進するため、その上限は0.04%に制限される。
%以下とする。
基本的な添加元素である。本発明にあっては、18%未
満では耐酸化性及び皮膜の密着性が十分確保されず、一
方28%を超えると特に熱延コイルの靱性及び冷間での
加工性(圧延性)が著しく低下しはじめるためその範囲
は18%以上28%以下となる。
ある。4.5%未満ではとくに箔の場合排気ガス中では酸
化皮膜の保護性が極度に悪く、排気ガス浄化装置用とし
てその使用に耐えない。一方6.5%を超えて添加した場
合には、排気ガス中の箔のくり返し加熱に際して皮膜に
微細な割れが発生し、REM及びTiの添加によっても
本発明の範囲ではこれを十分抑えることができない。ま
た、過剰のAは熱延板の靱性が極端に低下し、一方で
箔圧延に際しシワの発生を防止する適正なテンション範
囲が狭くなってしまう。
とする。
系合金を著しく脆化させるため、本発明にあっては0.
3以下とする。
異常酸化発生に対する抵抗力を顕著に向上させる。加熱
冷却をくり返した場合には0.03%程度のREMの添加が
A2O3皮膜の耐剥離性を改善することは公知であった
が、本発明の如き燃焼排気ガス中では顕著な皮膜の剥離
は認められない場合でも箔の表面皮膜にごく微細なひび
割れが長時間使用中に発生し一部ではこのひびの中及び
ふちにFeを主体とした微細な酸化物粒子が認められ皮
膜の保護性を低下することが明らかとなった。また、こ
のようなひび割れが発生しない場合でも排気ガス中の長
時間使用中に表面からの微視的観察によりA2O3を主
体とした酸化皮膜の中にFe及びCrを主体とした酸化
物粒子が点在するようになり、その部分でやはり皮膜の
保護性が低下する。これらの現象は箔中の全Aが消費
される時期以前でも認められる。
は、こうした現象が顕著に抑えられ、排気ガス中での異
常酸化寿命が著しく向上する。
Laの単独添加の場合よりも上記混合物として添加した
方が大きいことが見い出された。一方、前記特開昭58-1
77437号公報ではREMは皮膜の剥離を防止するが、多量に
添加した場合には熱間での加圧が不可能になるとしてい
る。 さらに前記特開昭63-45351号公報では、REMの中の各
元素を区別して吟味した結果、REMの多量添加の場合
Ceを除けば熱間での加工が可能としている。
特性に与えるREMの効果から前記混合物でのREMの
多量添加を可能ならしめる技術としてPとの関係が重要
であり、これを前述したある特定の量的関係に維持すれ
ば通常の熱間圧延プロセスで十分製造可能であることが
明らかとなった。
は、りん化物の量及び大きさとも増大し、50μm程度
の箔にまで圧延することが困難になる。また、鋳造後の
鋼塊表面にわれ様の欠陥が多発し製造性が極度に低下し
てしまう。
を超え、0.15%以下となる。
前に添加することが望ましい。
る。
して熱延コイルの靱性の向上であるが、REMとの共存
により皮膜の密着性も改善される。
が、逆に多量に含まれる場合には、鋳造後の鋼塊が冷却
中に割れを起こしやすくなる。靱性の向上の点からNb
の添加量の上限はC及びNとの量的関係が存在し、 を超えて添加しても靱性向上効果は、飽和してしまう。
に皮膜の密着性を向上させる効果があるが、本発明にあ
っては補助的な効果であるに過ぎない。
以前に添加することが望ましい。
合金の化学成分を示す。
溶製し、インゴット鋳造した後、1180℃にて1hrの保定
後直ちに熱間圧延を開始し厚さ4mmにまで圧延した後、
自然放冷し、板の表面温度が550℃になったところで500
℃の加熱炉中に装入し1hr保定後炉冷した。この際Y2
には割れが発生したが、鋼塊が分断されるにまでは至ら
なかったため厚さ4mmの板にまで仕上げた。
観察したところ、比較的軽微ではあるが、耳割れ及び表
面割れが認められた。他の鋼はXシリーズ、Yシリーズ
とも熱間圧延にて特に問題は発生していない。これらの
結果を第2表の熱間加工性の欄に熱延板に割れの発生し
たものは×印で、問題のなかったものは○印でまとめて
示す。
片にて調べた。
片加工中にいずれも試験片に割れが発生したり又は、試
験片の一部がかけ落ちる現象が多発した。このことか
ら、これら3鋼種は靱性が極度に悪いと判断できたため
シャルピー衝撃試験は行なわなかった。
としては、2mmVノッチ1/3サブサイズシャルピー衝
撃試験片の吸収エネルギーの各温度3点における平均値
が5.5Kg・m/cm2を超える温度とし、この温度が60℃以
下であるものを◎印、60℃超90℃以下のものを○
印、90℃超120℃以下のものを×印、さらに120℃超の
ものを××印とした。なお、◎印のものは工場での大量
生産時にも何ら特別の処置を要さずに通板製造可能であ
り、○印は若干の加熱処理を必要とする場合もあるが基
本的には十分大量生産可能なものである。一方×印は工
場通板が全く不可能ではないもののその際には常に板の
温度管理に注意が必要であり、生産性が極度に低下し、
著しいコストアップをひきおこす。さらに××印のもの
は熱延コイルによる通常のステンレス鋼板の工場生産工
程では事実上製造が不可能と判断されるものである。
れの発生したY2及びY11と熱延板の靱性が著しく低い
Y1,Y3,Y7,Y8及びY10を除く各素材を冷間圧
延後(一部のものは温間圧延した)950℃にて焼鈍した
後厚さ1.5mm、幅20mm、長さ25mmのクーポン状酸化
試験片に加工し、表面をNO.#1500エメリーペーパーに
て湿式研摩仕上げした。これらの試験片を大気中、1200
℃にて20時間加熱後直ちに金属製シャーレ中にとり込
み自然冷却し、このとき生ずる酸化皮膜の剥離脱落分を
回収する試験を5回くり返した。こうして回収された脱
落した酸化スケールの重量を測定し、各試料のスケール
の耐剥離性を調べた。この結果を第2表大気中耐剥離性
の欄にまとめる。表中◎印は5回加熱後の剥離したスケ
ールの総重量が0.5mg以下のもの、○印は0.5mg超2.0mg
以下のもの、×印は2.0mg超のものである。供試した中
で、Ti無添加でREMの添加量も少ないY14で剥離量
がやや多いが、他の鋼はこのテストによる剥離量が2.0m
g以下と非常に小さい。
後、巾30mm長さ50mmに切断してガソリンエンジン排
気ガス中、1150℃にて7時間加熱後放冷する試験を各箔
に異常酸化が発生するまで行なった。
について3体を供試し、その平均値を該成分箔の異常酸
化寿命とした。
エンジンを回転数155rpm負荷5Kg・mの運転条件下で空
燃比13にて発生させ、150℃に保温した導管より加熱
炉内に導入した。
た。本発明例のX1〜10の各鋼箔はいずれも370hr以
上の長寿命を示す。
てY9,Y13及びY16の合計5種の、厚さ50μmの箔
を巾65mmの鋼帯とし、これに周期3.5mm、振幅3.2mmの
正弦波状の波付加工したもの(波板)を、この加工なし
の箔(平板)帯と重ね合わせて巻き込み、見掛けの直径
42mm程度長さ65mmのハニカム状円筒体を作製し、波
板/平板接触部に適宜市販のNi基ロウ材粉末を付着せ
しめたものを、3×10-4Torr程度の真空中にて加熱し、
ロウ付処理した。
の内径45mmの横型管状加熱炉に装置し、炉芯管の一方
の端から前記したと同様のエンジン排気ガスを流入量1
0/min(150℃にて)導入しつつ1100℃にて300hr加
熱した。
箔表面の酸化状況をSEMにて視察するとともに、EPMA
にて箔中のA濃度を測定した。なお、この際、ハニカ
ム体たて割り断面を目視観察したところ、Y13は緑変色
しておおり、一部に異常酸化の発生が認められた。また
Y9にもまだら状に緑変した部位が認められ、Y16はロ
ウ付部付近で緑変した部分が認められた。これに対し、
X1及びX3では全体に灰白色を呈していた。
は箔表面のA2O3皮膜にひび割れが多発しており、一
部ではこの割れの中にFe系の酸化物粒子が認められ
た。また、Y9及びY16にも、Y13よりは軽微であるが
やはり皮膜のひび割れが認められ一部にはY13と同様F
e系酸化物の発生も確認された。これに対し、X1及び
X3には、皮膜表面に、素地の結晶粒界に対応した段差
は認められるものの皮膜のひび割れは認められなかっ
た。
が残存している。またY9には0.9%がさらにY16,X
1及びX3にはそれぞれ1.1%、1.0%、1.4%が残存し
ている。
は、排気ガス中でも、皮膜の微細なひび割れに対する抵
抗力が高く、また異常酸化発生に対する抵抗力にも優れ
ていることが明らかである。
鋳造後、1200℃に加熱し熱間にて30%の圧延後空冷
し、さらに1150℃にて熱間圧延して厚さ2.5mmの熱延板
を得た。
鈍、脱脂、酸洗、箔圧延、脱脂、スリット、箔圧延、真
空焼鈍の手順にて厚さ50μm、巾65mmの箔コイルを
作製した。
65mmのロウ付け処理した円筒状ハニカム構造体とし、
炉芯管内径45mmの横型管状加熱炉に装着した。この加
熱炉の一方端から、模擬排ガスとしてO2約2Vo1%残
部N2の混合ガスを室温にて15/minの流量としつ
つ露点を53℃に調整して流入し、該ハニカム状試験体
を1070℃に加熱しつつ、50hr毎に取り出して放冷後重
量変化及び両端面中央部間の長さ変化を測定する操作1
2回(合計600時間加熱に相当)くり返した。
X11の方が比較例Y18に比べ著しく小さく、排ガス浄化
装置の構成箔として用いた場合、その耐久性に優れてい
ることが明らかである。
A系合金は、より安価な形で添加元素成分を選択可能
である上に、熱間での加工性及び熱延板靱性が良好で箔
等の製造性に優れているため製造コストをより低く抑え
ることが可能であり、かつ酸化皮膜の耐剥離性はもとよ
り合金箔としての排ガス中での異常酸化発生に対する抵
抗力に優れ、さらに合金箔のロウ付けによるハニカム構
造体としても排気ガス中での耐酸化性及び形状変化に対
する抵抗力にも優れている。
ガス浄化装置用の箔として好適であり、とりわけ自動車
の排気ガス浄化装置の触媒支持体として最適である。
構造体の、模擬排ガス中での1070℃加熱による重量変化
の経時変化を示すグラフ、第2図は同じく長さ変化の経
時変化を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で (REM+0.021)以上0.04%以下、 Cr:18以上28以下、 Ti:0.02以上 以下、 A:4.5以上6.5以下、 REM:0.06を超え0.15以下(ただし、REMは希土類元
素のうちのランタノイド) を含有し、不純物として C:0.015以下、 N:0.015以下でかつ、 C+N:0.02以下、 S:0.003以下、 Si:0.5以下、 Mn:1.0以下、 Ni:0.3以下に制限し、 残部実質的にFeよりなることを特徴とする製造性に優
れた耐熱、耐酸化性Fe−Cr−A系合金。 - 【請求項2】さらに重量%で Nb:0.05以上 以下 を含有することを特徴とする請求項1記載の合金。
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