JPH0684526B2 - 摺動用部材 - Google Patents

摺動用部材

Info

Publication number
JPH0684526B2
JPH0684526B2 JP18626586A JP18626586A JPH0684526B2 JP H0684526 B2 JPH0684526 B2 JP H0684526B2 JP 18626586 A JP18626586 A JP 18626586A JP 18626586 A JP18626586 A JP 18626586A JP H0684526 B2 JPH0684526 B2 JP H0684526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
composite material
particles
sliding member
alumina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18626586A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6342338A (ja
Inventor
良雄 不破
博文 道岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP18626586A priority Critical patent/JPH0684526B2/ja
Publication of JPS6342338A publication Critical patent/JPS6342338A/ja
Publication of JPH0684526B2 publication Critical patent/JPH0684526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、互いに当接して相対的に摺動する第一の部材
と第二の部材とよりなる摺動用部材に係り、更に詳細に
は第一の部材がアルミナ−シリカ系繊維にて複合強化さ
れたアルミニウム合金若しくはマグネシウム合金よりな
る複合材料にて構成され、第二の部材が金属酸化物粒子
分散強化金属複合材料の溶射層にて被覆された金属にて
構成された摺動用部材に係る。
従来の技術 互いに当接して相対的に摺動する二つの部材よりなる摺
動用部材に於ては、二つの部材の組合せ如何によっては
それらの部材の何れか又は両方の摩耗量が大きくなり、
早期寿命を来たすことがある。かかる問題に対処すべ
く、例えば本願出願人と同一の出願人の出願にかかる特
開昭58−93838号や特開昭58−93839号の公報には、アル
ミニウム合金やマグネシウム合金をマトリックスとして
アルミナ−シリカ繊維の如き無機繊維を強化繊維とする
繊維強化金属複合材料にて一方の部材を構成し、所定の
硬さの鋼にて他方の部材を構成し、これにより摺動用部
材の摩擦摺動特性を改善する試みが行われている。
発明が解決しようとする問題点 しかし互いに当接して相対的に摺動する二つの部材より
なる摺動用部材に於て、その一方の部材を繊維強化金属
複合材料にて構成した場合には、その他方の部材の材質
によってはその他方の部材の摩耗が増大し、またそれら
の部材の間に於て焼付き等の問題が生じることがある。
本願発明者等は、互いに当接して相対的に摺動する第一
の部材と第二の部材とよりなる摺動用部材に於て、第一
の部材がアルミナ−シリカ系繊維を強化繊維とする複合
材料にて構成され、第二の部材が金属にて構成される場
合に、第二の部材を構成する金属が如何なる特徴を有す
るものであることが適切であるかについて種々の実験的
研究を行った結果、金属が或る特定の粒子分散強化金属
複合材料の溶射層にて被覆されていることが好ましいこ
とを見出した。
本発明は、本願発明者等が行った種々の実験的研究の結
果得られた知見に基づき、互いに当接して相対的に摺動
する第一の部材と第二の部材とよりなる摺動用部材であ
って、第一の部材がアルミナ−シリカ系繊維を強化繊維
としてアルミニウム合金若しくはマグネシウム合金をマ
トリックスとする繊維強化金属複合材料にて構成され、
第二の部材が或る特定の粒子分散強化金属複合材料の溶
射層にて被覆された金属にて構成され、それらの両部材
の耐摩耗性及び耐焼付き性等に優れた摺動用部材を提供
することを目的としている。
問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、互いに当接して相
対的に摺動する第一の部材と第二の部材とよりなる摺動
用部材にして、前記第一の部材の少なくとも前記第二の
部材に対する摺動面部は40wt%以上Al2O3、残部実質的
にSiO2なる組成を有する体積率3〜30%のアルミナ−シ
リカ系繊維を強化繊維としアルミニウム合金若しくはマ
グネシウム合金をマトリックスとする繊維強化金属複合
材料にて構成され、前記第二の部材の少なくとも前記第
一の部材に対する摺動面部はHv1200以上の硬さを有する
体積率20〜85%の金属炭化物粒子を強化材とし鉄、ニッ
ケル、コバルト、及びそれらを主成分とする合金よりな
る群より選択された金属をマトリックスとする粒子分散
強化金属複合材料の溶射層にて被覆された金属にて構成
された摺動用部材によって達成される。
発明の作用及び効果 本発明によれば、第一の部材の少なくとも第二の部材に
対する摺動面部は、体積率3〜30%のアルミナ−シリカ
系繊維を強化繊維としアルミニウム合金若しくはマグネ
シウム合金をマトリックスとする繊維強化金属複合材料
にて構成され、第二の部材の少なくとも第一の部材に対
する摺動面部は、Hv1200以上の硬さを有する体積率20〜
85%の金属酸化物粒子を強化材とし鉄、ニッケル、コバ
ルト、及びそれらを主成分とする合金よりなる群より選
択された金属をマトリックスとする粒子分散強化金属複
合材料の摺動特性に優れた溶射層にて被覆された金属に
て構成されるので、後に説明する本願発明者等が行った
実験的研究の結果より明らかである如く、二つの部材の
耐摩耗性及び耐焼付き性に優れた摺動用部材を得ること
ができる。
本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、金属
炭化物粒子分散強化金属複合材料は上述の如き繊維強化
金属複合材料と組合せて摺動用部材を構成するに適した
材料であるが、使用される金属炭化物粒子の硬さがHv12
00未満である場合には、溶射層の耐摩耗性が不十分とな
り、その結果第二の部材の摩耗量が増大する。従って本
発明に於ては、Hv1200以上の硬さを有する金属炭化物粒
子、特にWC粒子(Hv2800)、Cr3O2粒子(Hv1200)、TiC
粒子(Hv3200)、VC粒子(Hv2800)、SiC粒子(Hv270
0)、及びこれらの二種以上の粒子の混合物よりなる群
より選択された粒子が使用される。尚金属炭化物粒子の
硬さが非常に高い値である場合には、溶射層の相手攻撃
性が増大して第一の部材の摩耗量が増大することが考え
られるので、金属炭化物粒子の硬さはHv3500以下程度で
あることが好ましいものと考えられる。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、
溶射層を構成する粒子分散強化金属複合材料の金属炭化
物粒子の体積率が小さい値である場合には、溶射層の耐
摩耗性を十分な値に確保することができず、逆に金属炭
化物粒子の体積率が高い値である場合には、溶射層の相
手攻撃性が増大して第一の部材の摩耗量が高い値になっ
てしまう。従って本発明に於ては、粒子分散強化金属複
合材料の金属炭化物粒子の体積率は20〜85%、好ましく
は25〜80%に設定される。
また金属炭化物粒子の大きさが大き過ぎる場合には、第
一の部材に異常摩耗が生じたり、粒子の脱落に起因して
第一の部材の摩耗量が過大になり、逆に金属炭化物粒子
の大きさが小さ過ぎる場合には、溶射層の耐摩耗性を十
分に向上させることが困難であり、また溶射により第二
の部材の表面に粒子分散強化金属複合材料の溶射層を形
成する際に非常に微細な金属炭化物粒子が使用される
と、金属炭化物粒子がマトリックス中に溶け込んでしま
い、容射層を構成する材料が適正な粒子分散強化金属複
合材料ではなくなってしまう。従って本発明に於ては、
溶射前の金属炭化物粒子の大きさは5〜100μ、特に10
〜60μ程度であることが好ましく、溶射層中の金属炭化
物粒子の大きさは2〜50μ、特に5〜20μ程度であるこ
とが好ましい。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、
第二の部材の摺動面部が上述の如き粒子分散強化金属複
合材料の溶射層にて被覆された金属にて構成される場合
には、溶射層の表面の粗さが比較的大きい場合にも、第
二の部材が溶射層にて被覆されていない金属にて構成さ
れる場合に比して、第一及び第二の部材の摩耗量を低減
することができるが、溶射層の表面粗さが特に1.2μRz
以下の場合に二つの部材の摩耗量を小さい値に抑えるこ
とができる。従って本発明の他の一つの詳細な特徴によ
れば、溶射層の表面粗さは1.2μRz以下に設定される。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、
第一の部材の摺動面が電解エッチングされることにより
アルミナ−シリカ系繊維の一部が摺動面に露出し、摺動
面に露出するアルミナ−シリカ系繊維の間のマトリック
スの表面に凹部が形成される場合には、第一及び第二の
部材の耐摩耗性及び耐焼付き性を更に一層向上させるこ
とができる。従って本発明の更に他の一つの詳細な特徴
によれば、第一の部材はその摺動面が電解エッチングさ
れることによりアルミナ−シリカ系繊維の一部が摺動面
に露出しており、摺動面に露出するアルミナ−シリカ系
繊維の間のマトリックスの表面に凹部が形成された状態
にて使用される。
また粒子分散強化金属複合材料の溶射層の厚さが小さす
ぎる場合には、摩耗の進行により早期に溶射層がなくな
って第二の部材の金属が露出してしまい、逆に溶射層の
厚さが大きすぎる場合には、溶射に要する時間が長くな
り、また粒子分散強化金属複合材料が必要以上に使用さ
れることになり、摺動用部材が高コストになる。従って
粒子分散強化金属複合材料の溶射層の厚さは5μ以上、
特に5〜200μ、更には10〜150μであることが好まし
い。
本発明の一つの具体的実施例に於ては、摺動用部材は内
燃機関であり、第一の部材はシリンダライナであり、第
二の部材はピストンリングである。
また本発明の他の一つの具体的実施例に於ては、摺動用
部材は内燃機関であり、第一の部材はピストンであり、
第二の部材はピストンリングである。
尚本明細書に於ける「アルミナ−シリカ系繊維」なる用
語はAl2O3及びSiO2を主成分とする繊維、即ちAl2O3含有
量が40wt%程度以下であり残部が実質的にSiO2であるガ
ラス繊維、Al2O3含有量が40〜80%程度であり残部が実
質的にSiO2であるアルミナ−シリカ繊維及びAl2O3含有
量が80%程度以上であり残部が実質的にSiO2であるアル
ミナ繊維を総称する概念として定義される。特に本発明
に於て強化繊維として使用されるアルミナ−シリカ系繊
維はAl2O3含有量が40%wt%以上のものであればよく、
従って本発明の技術思想に於てはアルミナ−シリカ系繊
維がアルミナ−シリカ繊維であるかアルミナ繊維である
かを区別する必要はない。また本発明に於てアルミナ−
シリカ系繊維のAl2O3含有量が40wt%以上に限定される
のは、Al2O3含有量が40wt%未満である場合には、複合
材料、従って第一の部材の耐摩耗性を十分に向上させる
ことができないことによる。またアルミナ−シリカ系繊
維が使用される。このアルミナ−シリカ系繊維は長繊維
又は短繊維の何れであってもよく、平均繊維径は100μ
以下、特に1〜40μ程度であることが好ましい。
またアルミナ−シリカ系繊維の体積率が5%未満、特に
3%未満の場合には、繊維強化金属複合材料の耐摩耗性
等を十分に向上させることができず、逆にアルミナ−シ
リカ系繊維の体積率が15%、特に30%を越えると、第二
の部材の摩耗量のみならず繊維強化金属複合材料自身の
摩耗量も増大する。従ってアルミナ−シリカ系繊維の体
積率は3〜30%、好ましくは3〜15%に設定される。更
にアルミナ−シリカ系繊維の配向は一方向配向、二次元
ランダム配向、三次元ランダム配向等任意の配向であっ
てよいが、特に一方向配向及二次元ランダム配向の場合
には、摺動面が一方向配向の方向又は二次元ランダム配
向平面に対しできるだけ垂直又はこれに近い角度をなす
よう設定されることが好ましい。
また第二の部材の溶射層の金属炭化物粒子分散強化金属
複合材料のマトリックスとしてのFeを主成分とする合
金、Niを主成分とする及びCoを主成分とす合金は、炭素
鋼(例えばJIS規格SWRM1〜4)、低合金鋼(例えばJIS
規格SUJ2)、ステンレス鋼(例えばJIS規格SUS304)、N
i-Cr合金、Ni自溶合金(例えば72%Ni-3%B−4%Si-2
0%Co)、Co-P合金の如き任意のFe合金、Ni合金、及びC
o合金であってよい。
更に第二の部材を構成する金属は上述の粒子分散強化金
属複合材料にて溶射により被覆し得る金属である限り任
意の金属であってよい。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例について
詳細に説明する。
実施例1 互いに当接して相対的に摺動する二つの部材よりなる摺
動用部材であって、その一方の部材がアルミナ−シリカ
繊維を強化繊維としアルミニウム合金をマトリックスと
する繊維強化金属複合材料にて構成されており、その他
方の部材が粒子分散強化金属複合材料の溶射層にて被覆
された金属にて構成された摺動用部材について行われた
摩耗試験及び焼付き試験を、他の材質の組合せよりなる
摺動用部材について行われた摩耗試験及び焼付き試験と
対比して説明する。
まず平均繊維径2.8μ、平均繊維長6mmのアルミナ−シリ
カ繊維(55wt%Al2O3、残部実質的にSiO2)が実質的に
三次元ランダムにて配向された繊維成形体を形成し、該
繊維成形体を用いて行われる高圧鋳造(溶湯の温度730
℃、溶湯に対する加圧力500kg/cm2)により、体積率8
%のアルミナ−シリカ繊維を強化繊維としアルミニウム
合金(JIS規格AC8A)をマトリックスとする複合材料を
製造した。次いでこの複合材料より大きさが16×6×10
mmであり、その一つの面(16×6mm)を試験面とする平
板試験片を多数作成した。また比較用としてアルミナ−
シリカ繊維にて強化されていないアルミニウム合金(JI
S規格AC8A)のみよりなり、上述と平板試験片と同一の
寸法を有する平板試験片を多数作成した。
次いでこれらの平板試験片を順次摩擦摩耗試験機にセッ
トし、相手部材である外径35mm、内径30mm、幅10mmの球
状黒鉛鋳鉄(JIS規格FC270)又は厚さ150μのプラズマ
溶射層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄(JIS規格FCD70)製
の円筒試験片の端面と接触させ、それらの試験片の接触
部に温度150℃の潤滑油(キャッスルモータオイル5W−3
0(商品名))を供給しつつ、荷重60kg、回転数160rpm
にて円筒試験片を1時間回転させる摩耗試験を行った。
尚平板試験片と円筒試験片との組合せは下記の表1に記
されている通りであり、表1(その他の表に於ても同
じ)の「…−…溶射」の表示に於ける−の前の部分及び
後の部分はそれぞれ各溶射層を構成する粒子分散強化金
属複合材料のマトリックス及び金属炭化物粒子を示して
おり、各溶射層のFeは純鉄ではなく、0.8wt%C、0.3wt
%S、0.01P、残部Feなる組成を有するFe合金であり、N
i及びCoは純ニッケル(純度99.5wt%)、純コバルト
(純度99.5wt%)であった(他の実施例についも同
じ)。また各溶射層は、円筒試験片の一方の端面をショ
ットブラストにより清浄化した後、METCO社製のプラズ
マ溶射装置(3MB)を用いて、それぞれ下記の表2に示
された条件にてプラズマ溶射を行い、これにより厚さ25
0μの溶射層を形成し、該溶射層の表面を厚さ100μに亙
り研削することにより形成された。また表1に於て、各
円筒試験片の被試験面の表面粗さは全て1.2μRであ
り、表面粗さは被試験面に対する研削条件を変更するこ
とにより調整された。更に表1の組合せA4〜A9及びR14
〜A16の円筒試験片の溶射層中の各金属炭化物粒子の平
均粒径は約6μであった。
表 2 (プラズマ溶射条件) Arガス流量:2300/hr H2ガス流量:450/hr 供給電流:450〜500A 混合粉末の平均粒径:20〜50μ 混合粉末の供給量:40g/min 溶射距離:100mm この摩耗試験の結果を第1図に示す。尚第1図に於て、
上半分は平板試験片の摩耗量(摩耗痕深さμ)を表わし
ており、下半分は相手材である円筒試験片の摩耗量(摩
耗減量mg)を表わしている(後述の第2図〜第5図に於
ても同じ)。
第1図より、組合せA11〜A18の平板試験片の摩耗量は非
常に高い値であり、特に組合せA18の場合には円筒試験
片の摩耗量も比較的高い値であることが解る。また組合
せA1〜A10、特に組合せA4〜A9の平板試験片の摩耗量は
組合せA11〜A18の平板試験片の摩耗量に比して遥かに小
さい値であり、またこれらの組合せA4〜A9の円筒試験片
の摩耗量は組合せA10及びA18よりも遥かに小さく、また
組合せA1〜A3よりもかなり小さい値であることが解る。
かくしてアルミナ−シリカ繊維にて強化されたアルミニ
ウム合金よりなる平板試験片と金属炭化物粒子分散強化
金属複合材料の溶射層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄より
なる円筒試験片との組合せA4〜A9の場合には、平板試験
片及び円筒試験片両方の摩耗量が他の組合せの場合に比
して小さいことが解る。
また上掲の表1に示された試験片の組合せA1〜A18につ
いて、平板試験片と円筒試験片との接触部に常温の潤滑
油(キャッスルモータオイル5W−30)を供給し、円筒試
験片を回転数1000rpmにて回転させつつ平板試験片に対
する円筒試験片の押圧荷重を10kgより700kgまで増加さ
せ、これにより焼付き限度荷重を測定する焼付き試験を
行った。
この試験の結果、組合せA4〜A9の焼付き限度荷重は他の
何れの組合せよりも高く、従ってこれらの組合せは耐焼
付き性にも優れていることが確認された。
実施例2 上述の実施例1の場合と同一の要領にて、体積率8%に
て実質的に三次元ランダムにて配向されたアルミナ−シ
リカ繊維(実施例1に於て使用されたアルミナ−シリカ
繊維と同一)を強化繊維とし、マグネシウム合金(JIS
規格MC2)をマトリックスとする複合材料を高圧鋳造
(溶湯の温度700℃、溶湯に対する加圧力800kg/cm2)に
て製造し、該複合材料より実施例1の場合と同一の寸法
の平板試験片を多数作成した。
次いでこれらの平板試験片について、下記の表3に示さ
れた試験片の組合せにて実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて摩耗試験及び焼付き試験を行った。尚下記の
表3に示された組合せB1〜B6の円筒試験片はそれぞれ上
掲の表1に示された組合せA4〜A9と同一の要領及び条件
にて溶射層が形成され表面粗さが調整されたものであ
り、組合せB7の円筒試験片の被試験面の表面粗さは1.2
μRzであった。
この摩耗試験の結果を第2図に示す。第2図より、組合
せB7の場合に比して組合せB1〜B6の摩耗量は平板試験片
及び円筒試験片の何れについても低い値であり、従って
アルミナ−シリカ繊維にて強化されたマグネシウム合金
よりなる複合材料と金属炭化物粒子分散強化金属複合材
料の溶射層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄との組合せも耐
摩耗性に優れていることが解る。
また図には示されていないが、焼付き試験の結果、アル
ミナ−シリカ繊維にて強化されたマグネシウム合金より
なる複合材料と金属炭化物粒子分散強化金属複合材料の
溶射層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄との組合せは耐焼付
き性にも優れていることが確認された。
実施例3 上述の実施例1の場合と同一の要領にて、体積率6%に
て実質的に三次元ランダムにて配向されたアルミナ繊維
(95wt%Al2O3、残部実質的にSiO2、平均繊維径3.2μ、
平均繊維長8mm)を強化繊維とし、アルミニウム合金(J
IS規格ADC10)をマトリックスとする複合材料を高圧鋳
造(溶湯の温度740℃、溶湯に対する加圧力500kg/cm2
にて製造し、該複合材料より実施例1の場合と同一の寸
法の平板試験片を多数作成した。
次いでこれらの平板試験片について、下記の表4に示さ
れた試験片の組合せにて実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて摩耗試験及び焼付き試験を行った。尚下記の
表4に示された組合せC1〜C6の円筒試験片はそれぞれ上
掲の表1に示された組合せA4〜A9と同一の要領及び条件
にて溶射層が形成され表面粗さが調整されたものであ
り、組合せC7の円筒試験片の被試験面の表面粗さは1.2
μRzであった。
この摩耗試験の結果を第3図に示す。第3図より、組合
せC7の場合に比して組合せC1〜C6の摩耗量は平板試験片
及び円筒試験片の何れについても低い値であり、従って
アルミナ繊維にて強化されたアルミニウム合金よりなる
複合材料と金属炭化物粒子分散強化金属複合材料の溶射
層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄との組合せも耐摩耗性に
優れていることが解る。
また図には示されていないが、焼付き試験の結果、アル
ミナ繊維にて強化されたアルミニウム合金よりなる複合
材料と金属炭化物粒子分散強化金属複合材料の溶射層に
て被覆された球状黒鉛鋳鉄との組合せは耐焼付き性にも
優れていることが確認された。
実施例4 上述の実施例1の場合と同一の要領にて、体積率6%に
て実質的に三次元ランダムにて配向されたアルミナ繊維
(実施例3に於て使用されたアルミナ繊維と同一)を強
化繊維とし、マグネシウム合金(JIS規格MC2)をマトリ
ックスとする複合材料を高圧鋳造(溶湯の温度700℃、
溶湯に対する加圧力800kg/cm2)にて製造し、該複合材
料より実施例1の場合と同一の寸法の平板試験片を多数
作成した。
次いでこれらの平板試験片について、下記の表5に示さ
れた試験片の組合せにて実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて摩耗試験及び焼付き試験を行った。尚下記の
表5に示された組合せD1〜D6の円筒試験片はそれぞれ上
掲の表1に示された組合せA4〜A9と同一の要領及び条件
にて溶射層が形成され表面粗さが調整されたものであ
り、組合せD7の円筒試験片の被試験面の表面粗さは1.2
μRzであった。
この摩耗試験の結果を第4図に示す。第4図より、組合
せD7の場合に比して組合せD1〜D6の摩耗量は平板試験片
及び円筒試験片の何れについても低い値であり、従って
アルミナ繊維にて強化されたマグネシウム合金よりなる
複合材料と金属炭化物粒子分散強化金属複合材料の溶射
層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄との組合せも耐摩耗性に
優れていることが解る。
また図には示されていないが、焼付き試験の結果、アル
ミナ繊維にて強化されたマグネシウム合金よりなる複合
材料と金属炭化物粒子分散強化金属複合材料の溶射層に
て被覆された球状黒鉛鋳鉄との組合せは耐焼付き性にも
優れていることが確認された。
実施例5 実施例1の試験片の組合せA4に対応する試験片の組合せ
に於て、円筒試験片の溶射層に対する研削条件を変化さ
せることにより、円筒試験片の溶射層の表面粗さを0.4R
z、0.8μRz、1.0μRz、1.2μRz、1.4μRz、2.0μRzに設
定し、平板試験片の表面粗さを1.6μRzに設定して、上
述の実施例1の場合と同一の要領及び条件にて摩耗試験
を行った。この摩耗試験の結果を第5図に示す。
第5図より、円筒試験片の溶射量の表面粗さが1.2μRz
以下の場合に平板試験片及び円筒試験片両方の摩耗量が
小さい値であり、従って溶射層の表面粗さは1.2μRz以
下であること好ましいことが解る。
尚この実施例と同様の摩耗試験を実施例1の試験片の組
合せA5〜A9についも行ったところ、第5図に示された結
果と同様の結果が得られた。
実施例6 円筒試験片の表面にプラズマ溶射を行う際のFe合金粉末
とWC粉末との混合比を変化させることにより、円筒試験
片の溶射層のZrO2粒子含有量が0vol%、15vol%、25vol
%、40vol%、50vol%、70vol%、80vol%、90vol%、1
00vol%となるよう、上述の実施例1の場合と同一の要
領及び条件にてプラズマ溶射を行い、実施例1の試験片
の組合せA4の場合と同一の要領及び条件にて摩耗試験を
行った。
この摩耗試験の結果を第6図に示す。
第6図より、平板試験片の摩耗量をWC含有量が25vol%
未満及び80vol%を越える場合に、特に20vol%未満及び
85vol%を越える場合に高い値であり、また円筒試験片
の摩耗量はWC含有量が25vol%未満、特に20vol%未満の
場合及び80vol%を越える場合に高い値であることが解
る。かかる結果を得たのは、WC含有量が少ない場合に
は、溶射層の耐摩耗性が不十分になって摩耗量が増大
し、溶射層の摩耗に伴って発生する摩耗粉により平板試
験片の摩耗量が増大され、またWC含有量が高い領域に於
ては、溶射層の硬さが高くなり過ぎ、また溶射層よりWC
粒子が脱落し易くなることよるものと考えられる。第6
図に示された結果より、WC粉末の体積率は20〜85vol
%、特に25〜80vol%であることが好ましいことが解
る。
尚この実施例と同様の摩耗試験を実施例2〜4の場合と
同一の平板試験片を用いて行ったところ、第6図に示さ
れた結果と同様の結果が得られた。またCr3C2、TiC、T
V、SiCもWCと同様の機能を果たす金属炭化物であるの
で、金属炭化物粒子としてこれらの粒子が使用される場
合も同様の結果が得られるものと推測される。
実施例7 実施例1に於て使用されたアルミナ−シリカ繊維と同一
のアルミナ−シリカ繊維が実質的に三次元ランダムにて
配向された繊維成形体を形成し、該繊維成形体を用いて
行わいれる高圧鋳造(溶湯の温度730℃、溶湯に対する
加圧力500kg/cm2)により、体積率8%のアルミナ−シ
リカ繊維を強化繊維としアルミニウム合金(JIS規格ADC
10)をマトリックスとする複合材料を製造した。次いで
この複合材料より外径25.6mm、内径20.0mm、長さ16mmの
寸法を有し一方の端面を被試験面とする円筒試験片を6
個形成し、各試験片の被試験面の表面粗さを研削により
0.6μRzに仕上げた。
次いで硝酸水溶液を用いて行われる電解エッチングによ
り、4個の円筒試験片の被試験面のマトリックスの表面
に凹部を形成した。第7図はかくして形成された試験片
の被試験面近傍の断面を示す模式図であり、図に於て21
は強化繊維としてのアルミナ−シリカ繊維を示してお
り、22はマトリックスとしてのアルミニウム合金を示し
ており、23は凹部を示している。
この場合電解エッチングの条件を適宜に設定することに
より、被試験面の任意の断面に現われる凹部23の深さDi
の平均値▲▼が1.8μであり、凹部23の開口径に対
する深さの比の平均値、即ち被試験面の任意の断面に現
われる凹部23の開口部長さWiに対する深さDiの比の平均
値▲▼が0.02であり、複合材料の表面24より
アルミナ−シリカ繊維の露出高さHiの平均値▲▼が
0.8μであり、凹部の面積率、即ち複合材料の任意の断
面の或る基準長さLに対する凹部23の開口部長さWiの合
計の比の百分率が20%である4個の円筒試験片が形成さ
れた。
次いで電解エッチングが行われたこれらの円筒試験片及
び電解エッチングが行われず、従って凹部の深さ、アル
ミナ−シリカ繊維の露出高さ及び凹部の面積率が0であ
る複合材料よりなる円筒試験片を順次摩擦摩耗試験機に
セットし、球状黒鉛鋳鉄(JIS規格FCD70)よりなり、大
きさが30×30×5mmであり、その一つの面(30×30mm)
を被試験面とする平板試験片の被試験面と接触させ、そ
れらの試験片の接触部に常温の潤滑油(キャッスルモー
タオイルSA30(商品名))を供給し、円筒試験片を回転
数1000rpmにて回転させつつ、平板試験片に対する円筒
試験片の押圧荷重を10kgより700kgまで増加させ、これ
により焼付き限度荷重を測定する焼付き試験を行った。
尚この焼付き試験に於ける円筒試験片と平板試験片との
組合せは下記の表6に示す通りであった。また各平板試
験片の被試験面の表面粗さは全て1.2μRzであり、組合
せE1及びE4〜E6の平板試験片に於ける粒子分散強化金属
複合材料の溶射層はそれぞれ上掲の表2に示された条件
と同一の条件のプラズマ溶射により形成された。
この焼付き試験の結果を第8図に示す。第8図より、組
合せE1及びE4の焼付き限度荷重は組合せE2、E5及びE6
焼付き限度荷重よりも遥かに高く、特に組合せE4に於て
は焼付きが発生せず、従ってアルミナ−シリカ繊維にて
強化されたアルミニウム合金よりなる複合材料と金属炭
化物粒子分散強化金属複合材料の溶射層にて被覆された
球状黒鉛鋳鉄との組合せ、及びアルミナ−シリカ繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなり電解エッチング
された複合材料と金属炭化物粒子分散強化金属複合材料
の溶射層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄との組合せは耐焼
付き性に優れていることが解る。また特に組合せE1とE4
との比較より、複合材料に電解エッチングを施して強化
繊維を露出させると共に、複合材料の表面の強化繊維の
間に凹部を形成すれば耐焼付き性が更に向上することが
解る。
尚図には示されていないが、上掲の表6の試験片の組合
せE1及びE4の平板試験片として、表1の組合せA5〜A9
円筒試験片と同様、Cr3C2粒子分散強化Fe、WC粒子分散
強化Ni、Cr3C2粒子分散強化Ni、WC粒子分散強化Co、Cr3
C2粒子分散強化Coの溶射層にて被覆された球状黒鉛鋳鉄
を使用して同様の焼付き試験を行ったところ、これらの
場合にも実施例7の場合と同様の良好な結果が得られ
た。また上掲の表6に示された試験片の組合せについて
実施例1の場合と同一の要領にて摩耗試験を行ったとこ
ろ、組合せE1及びE4、特に組合せE4は耐摩耗性にも優れ
ていることが確認された。
実施例8 第9図は内燃機関のピストンとピストンリングとの組合
せよりなる本発明による摺動用部材の具体的実施例を示
す解図的縦断面図、第10図はその要部を示す解図的拡大
部分縦断面図、第11図はピストンリング(トップリン
グ)を拡大して示す解図的部分縦断面図である。
これらの図に於て、1はピストンであり、アルミニウム
合金(JIS規格AC8A)にて構成されている。ピストン1
の側部外周面2には、燃焼ガスがピストン1とシリンダ
ブロック3のシリンダ壁面との間を経て内燃機関の燃焼
室より漏洩するのを防止するコンプレッションリング4
及び5を受入れる二つのリング溝6及び7と、余分のオ
イルを掻落するオイルリング8を受入れるリング溝9と
が形成されている。
図示の実施例に於ては、ピストン1の側部外周面2に沿
うピストンヘッド10よりトップリング溝6の下面11の下
方までの部分は、実施例1に於て使用されたアルミナ−
シリカ繊維と同一のアルミナ−シリカ繊維が体積率8%
にて実質的に三次元ランダムに配向された繊維成形体を
強化材とし、ピストン1の他の部分を構成するアルミニ
ウム合金(JIS規格AC8A)をマトリックスとする複合材
料12にて構成されている。この複合材料12はトップリン
グ4を受入れるトップリング溝6の壁面を郭定してお
り、またピストンの側部外周面2に露出する部分にてト
ップランド13及びセカンドランド14の一部を郭定してい
る。
尚、かかるピストンはそれを鋳造するための鋳型のモー
ルドキャビティ底壁上に繊維成形体を載置し、その鋳型
内にアルミニウム合金の溶湯を注湯し、その鋳型に液密
的に嵌合するプランジャによりアルミニウム合金を加圧
しつつ凝固させてピストン粗材とし、それを熱処理(T6
処理)した後所定の寸法に加工し、更にリング溝6、
7、9を形成することによって製造されてよい。
上述の如きピストン1と互いに当接して相対的に摺動す
るトップリング4は、ステンレス鋼(JIS規格SUS420J
2)にて構成されており、図には示されていないが下面1
7は厚さ5μのWC粒子分散Feの溶射層(WC含有量42vol
%、WC粒子の平均粒径2μ、表面粗さ0.8μRz)にて被
覆されている。特に図示の実施例は7゜のキーストンリ
ングとして構成されており、そのシリンダブロック3の
シリンダ壁面との摺動面部にモリブデン溶射層15が形成
されたものである。
上述の如く構成されたピストンとピストンリングとを4
気筒4サイクルディーゼル機関に組込み、機関回転数54
00rpm、機関負荷フルロードの試験条件にて500時間に亙
る耐久試験を行なった。また比較の目的で、球状黒鉛鋳
鉄(JIS規格FCD70)にて形成され、下面17が金属炭化物
粒子分散強化金属複合材料の溶射層にて被覆されていな
いピストンリングについても同一の条件にて耐久試験を
行った。
試験の結果、球状黒鉛鋳鉄型のピストンリングの場合に
は、リング溝の下面11の摩耗量が20μであり、ピストン
リングの下面17の摩耗量が15μであったのに対し、下面
17が金属炭化物粒子分散強化金属複合材料の溶射層にて
被覆されたピストンリングの場合には、リング溝の下面
11の摩耗量が2.5μであり、ピストンリングの下面17の
摩耗量が0.8μであり、従って実施例のピストン及びピ
ストンリングは比較例よりも遥かに耐摩耗性に優れてい
ることが認められた。
実施例9 上述の実施例1に於て使用されたアルミナ−シリカ繊維
及びアルミニウム合金を用いて、実質的に三次元ランダ
ムにて配向された体積率10%のアルミナ−シリカ繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなるシリンダライナ
を高圧鋳造(溶湯の温度730℃、溶湯に対する加圧力500
kg/cm2)により製造し、該シリンダライナをグラビティ
鋳造により鋳ぐるむことにより、シリンダボア径80mmの
4気筒4サイクル内燃機関用のシリンダブロックを4個
形成し、各シリンダブロックのシリンダボアをホーニン
グ加工によって表面粗さ0.6μRzに仕上げ、しかる後実
施例7の場合と同一の条件にて電解エッチングを施し
た。
次いで球状黒鉛鋳鉄(JIS規格FCD70)よりなり、半径方
向外側の外周面がプラズマ溶射により厚さ150μのWC粒
子分散Feの溶射層(WC含有量50vol%、WC粒子の平均粒
径10μ、表面粗さ0.8μRz)にて被覆たピストンリング
と、球状黒鉛鋳鉄(JIS規格FCD70)よりなり金属炭化物
粒子分散強化金属複合材料の溶射層にて被覆されていな
い比較例としてのピストンリングを用意し、これらのピ
ストンリングと上述のシリンダブロックとを組合せて4
気筒4サイクルディーゼル機関に組込み、機関回転数60
00rpm、機関負荷フルロードにて200時間に亙る高速耐久
試験を行った。
この試験の結果、ピストンリングが球状黒鉛鋳鉄製のピ
ストンリングである場合には、シリンダボアにスカッフ
ィングが発生し、シリンダボアの摩耗量は17μと高い値
であったのに対し、ピストンリングが金属炭化物粒子分
散強化金属複合材料の溶射層にて被覆された球状黒鉛鋳
鉄よりなるピストンリングの場合には、シリンダボアに
スカッフィングは発生しておらず、ピストンリングの外
周面及びシリンダボアの摩耗量が1.6μ以下の非常に小
さい値であり、従って実施例のシリンダライナ及びピス
トンリングは比較例に比して遥かに耐摩耗性に優れてい
ることが認められた。
以上に於ては本発明を幾つかの実施例について詳細に説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能で
あることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第6図はそれぞれ実施例1〜6の摩耗試験の
結果を示すグラフ、第7図は本発明よる摺動用部材の第
一の部材を構成する繊維強化金属複合材料の表面部の断
面示す模式図、第8図は実施例6の焼付き試験の結果を
示すグラフ、第9図はピストンとピストンリングとの組
合せに対し適用された本発明による摺動用部材の一つの
具体的実施例を示す解図的縦断面図、第10図は第9図に
示された実施例の要部を示す解図的拡大部分縦断面図、
第11図はピストンリング(トップリング)を拡大して示
す解図的部分縦断面図である。 1……ピストン,2……側部外周面,3……シリンダライ
ナ,4……トップリング,5……セカンドリング,6……トッ
プリング溝,7……セカンドリング溝,8……オイルリン
グ,9……リング溝,10……ピストンヘッド,11……トップ
リング溝の下面,12……複合材料,13……トップランド,1
4……セカンドランド,15……モリブデン溶射層,17……
トップリングの下面,21……アルミナ−シリカ繊維,22…
…アルミニウム合金,23……凹部,24……表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B22D 19/14 C 9266−4E F16J 9/26 D 7366−3J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに当接して相対的に摺動する第一の部
    材と第二の部材とよりなる摺動用部材にして、前記第一
    の部材の少なくとも前記第二の部材に対する摺動面部は
    40wt%以上Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有する
    体積率3〜30%のアルミナ−シリカ系繊維を強化繊維と
    しアルミニウム合金若しくはマグネシウム合金をマトリ
    ックスとする繊維強化金属複合材料にて構成され、前記
    第二の部材の少なくとも前記第一の部材に対する摺動面
    部はHv1200以上の硬さを有する体積率20〜85%の金属炭
    化物粒子を強化材とし鉄、ニッケル、コバルト、及びそ
    れらを主成分とする合金よりなる群より選択された金属
    をマトリックスとする粒子分散強化金属複合材料の溶射
    層にて被覆された金属にて構成された摺動用部材。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項の摺動用部材に於
    て、前記金属炭化物粒子はWC粒子、Cr3C2粒子、TiC粒
    子、VC粒子、SiC粒子、及びこれらの二種以上の粒子の
    混合物よりなる群より選択された粒子であることを特徴
    とする摺動用部材。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項の摺動用
    部材に於て、前記溶射層の表面粗さは1.2μRz以下であ
    ることを特徴とする摺動用部材。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れか
    の摺動用部材に於て、前記第一の部材の摺動面が電解エ
    ッチングされることにより前記アルミナ−シリカ系繊維
    の一部が前記摺動面に露出しており且前記摺動面に露出
    する前記アルミナ−シリカ系繊維の間の前記マトリック
    スの表面に凹部が形成されていることを特徴とする摺動
    用部材。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項乃至第4項の何れか
    の摺動用部材に於て、前記摺動用部材は内燃機関であ
    り、前記第一の部材はシリンダライナであり、前記第二
    の部材はピストンリングであることを特徴とする摺動用
    部材。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項乃至第4項の何れか
    の摺動用部材に於て、前記摺動用部材は内燃機関であ
    り、前記第一の部材はピストンであり、前記第二の部材
    はピストンリングであることを特徴とする摺動用部材。
JP18626586A 1986-08-08 1986-08-08 摺動用部材 Expired - Fee Related JPH0684526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18626586A JPH0684526B2 (ja) 1986-08-08 1986-08-08 摺動用部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18626586A JPH0684526B2 (ja) 1986-08-08 1986-08-08 摺動用部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6342338A JPS6342338A (ja) 1988-02-23
JPH0684526B2 true JPH0684526B2 (ja) 1994-10-26

Family

ID=16185257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18626586A Expired - Fee Related JPH0684526B2 (ja) 1986-08-08 1986-08-08 摺動用部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0684526B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4104680C2 (de) * 1991-02-15 2000-05-18 Kolbenschmidt Ag Leichtmetallkolben für Verbrennungskraftmaschinen
JPH06117537A (ja) * 1992-10-01 1994-04-26 Hitachi Zosen Corp ピストンリング
DE60313294T2 (de) * 2002-02-15 2008-03-06 Toudai Tlo, Ltd. Verbundwerkstoff auf magnesiumbasis und herstellungsverfahren dafür
CN110640079B (zh) * 2019-10-31 2020-12-01 山东汇丰铸造科技股份有限公司 一种表面颗粒增强铁基复合材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6342338A (ja) 1988-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7291384B2 (en) Piston ring and thermal spray coating used therein, and method for manufacturing thereof
US4029000A (en) Injection pump for injecting molten metal
EP2413006B1 (en) Piston ring
US20140137831A1 (en) Cylinder Bore Coating System
JPS59133361A (ja) 耐摩耗性の被覆層を形成するための噴射用粉末
JPH0517994B2 (ja)
JPH0684526B2 (ja) 摺動用部材
CN102330611A (zh) 耐磨往复活塞式内燃机
JPH0684525B2 (ja) 摺動用部材
JP2003013163A (ja) 粉末アルミニウム合金製摺動部材及びシリンダとピストンリングの組み合わせ
EP0624657A1 (en) A slide member made of an aluminium alloy
JPH01253553A (ja) 内燃機関のシリンダスリーブとピストンの組合せ
US3758124A (en) Nickel-aluminum-titanium oxide flame-spray coating for bearing and piston ring member wear surfaces
JP2610856B2 (ja) 耐摩耗表面層及びその形成方法
Smagorinski et al. Development of light composite materials with low coefficients of thermal expansion
JP2004069048A (ja) ピストンリング及びその製造方法
JP4247882B2 (ja) 耐摩耗溶射皮膜
JPH068475B2 (ja) 摺動用部材
JPS62280339A (ja) 摺動用部材
JPH068474B2 (ja) 摺動用部材
JPS63426A (ja) 摺動用部材
JPH0672275B2 (ja) 摺動用繊維強化金属複合材料
JPH068473B2 (ja) 摺動用部材
JPH0684527B2 (ja) 摺動用部材
JPH0416541B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees