JPH0684467A - 有孔電極板型表示用放電管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 従来の三電極面放電型ＰＤＰのメモリー放電
を行うための電極を有孔金属板を用いることによって、
構造の簡略化をはかり、コスト低減のみならず、大型化
と高解像度化を可能にしようとするものである。 【構成】 ガラスの熱膨張係数とほぼ等しい熱膨張係数
をもつ有孔金属板の表面を絶縁層で被覆してメモリー電
極３とし、ＸＹマトリクス状に配されたアドレス電極
２，７の一方との間で主放電を継続的に持続する構造を
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は表示用放電管に関する。

【０００２】

【従来の技術】以下に、図４について、従来の表示用放
電管について説明する。図４は従来の三電極面放電型Ｐ
ＤＰ（プラズマデイスプレイパネル）を示す。まず前面
ガラス側には一対の主放電電極が透明な材料で形成さ
れ、さらにそれらは絶縁層で被覆される。 さらにその
上に電気的及び紫外線によるクロストークを防止するた
めの格子状のリブが形成される。 通常はさらにこれら
全体に酸化マグネシュウム等の保護層を蒸着する。 次
に背面ガラス側にはアドレス電極を厚膜印刷等で形成し
た後、隣接してリブ状のセパレーターを形成する。 カ
ラー化の場合には図の如く蛍光体層を形成する。

【０００３】図４の構造のパネルの駆動法は幾つか考え
られるが、基本的な方法としては、例えばまず第１行目
に相当する位置の一対の主放電電極間に放電を励起し、
第１行目の全セルを点灯した後、列に相当するアドレス
電極に消去パルスを印加して非選択セルを消去して表示
を行うことができる。

【０００４】さて、図４に示す従来の三電極面放電型Ｐ
ＤＰは、その動作上図のような格子状及びリブ状の隔壁
が必要不可欠であり、製造の際の困難さとコスト高の要
因であった。

【０００５】かかる点に鑑み本発明は、構造が簡単で量
産性に優れ、高解像度化及び大型化が容易で、しかも低
廉化が容易な表示用放電管を提案しようとするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】図１は本発明の表示用放
電管の構造を示す分解斜視図であり、図２はその断面図
である。 本発明のパネルの構造的特徴は、複数の貫通
孔を有する金属板等の導電性薄板の全面を絶縁層で覆っ
て電極となし、図４の従来型パネルの主放電電極の一方
に相当する電極として動作せしめると同時に、この薄板
電極板自身を隔壁として用いることにある。

【０００７】

【作用】図１及び図２で示される構造のパネルにおいて
主放電及びアドレス放電は、ともにメモリー電極３の板
に形成された貫通孔５の内部で発生するので、放電によ
り発生する荷電粒子等が隣接するセルに拡散することは
なく、また蛍光体をセルごとに塗布してカラー化する場
合にも紫外線はセルごとに遮蔽され、メモリー電極３の
板はいわば隔壁として作用するので、新たな隔壁を形成
する必要はない。

【０００８】また本構造のパネルは図４の従来構造のパ
ネルと同様に動作させることができる。 つまり主放電
をメモリー電極３とＹ電極７との間で励起せしめ、消去
パルスをＸ電極に印加して一行を選択的に表示せしめ、
以下順次表示を書き込んで画面を形成する。 図３は駆
動の一方法の印加パルスのタイミングを示す。

【０００９】まず１行目のＹ１電極に放電開始に十分な
電圧のパルスを印加して１行目全体に放電を励起し、そ
の後は壁電荷の効果により低い電圧で放電を持続せし
め、短時間放電を安定させる期間を設けたのち、表示信
号に応じてＸ電極にパルスを印加して非選択セルの絶縁
層上の壁電荷を消去する。 壁電荷を消去されたセルで
は放電が維持できなくなり非点灯となる。 これを行毎
に順次繰り返して画面を形成したのち、１フレーム期間
後には再度Ｙ１電極に戻る。

【００１０】

【実施例】本発明の実施例の一つは図１及びその断面図
の図２で説明される。 前面ガラス１には透明な導電材
料例えば酸化インジュウム錫等の薄膜で形成されるスト
ライプ状のＸ電極２を配する。 メモリー電極３は、厚
さが約５０μｍから１ｍｍの金属板で表面全体を絶縁層
４で被覆する。 絶縁層４は低融点ガラスの粉末を電着
法等で被着して焼成するが、ペースト状にしたガラスを
厚膜法で塗布することもできる。 また通常のＡＣＰＤ
Ｐと同様にこの絶縁層４の表面をさらに酸化マグネシュ
ウム等の保護層で覆うことがある。 金属板の材料はパ
ネル工程の熱処理の関係から、熱膨張係数がガラスにな
るべく一致したものを選び、鉄、ニッケル等の合金が用
いられることが多い。 背面ガラス８側には上記Ｘ電極
２と直交する方向に伸張して配されたＹ電極７がある。
Ｙ電極７はスクリーン印刷等で容易に形成でき、材料
は銀、銅、ニッケル、アルミニュウム等の導電ペースト
を印刷して焼成したものである。 Ｙ電極７の表面は背
面側絶縁層６で被覆され、通常はさらにその表面を酸化
マグネシュウム等の保護層で覆う。 背面側絶縁層６は
低融点ガラスペーストを印刷し焼成して容易に形成で
き、保護層は通常真空蒸着やスパッタリング法で形成さ
れる。 上記構造に於いてＸ電極２とＹ電極７の位置関
係は、前面側背面側を入れ換えても差し支えない。

【００１１】上記のごとく形成された各電極等は、Ｘ電
極２とＹ電極７との交点と貫通孔５が一致するように組
み合わせられた後に前面ガラス１と背面ガラス８の四周
を低融点ガラスフリットで真空封着されたのち、内部に
放電に適したガス、例えばネオン、アルゴン、キセノ
ン、ヘリウム等及びその混合気体を封入して完成する。

【００１２】図１では示されていないが、このパネルを
カラー化する場合には、他のＰＤＰと同様に内部に蛍光
体を塗布して紫外線で励起せしめることによって容易に
可能となる。 蛍光体を塗布する場所は貫通孔で発生す
る放電から有効に紫外線の照射を受ける場所ならば前面
側背面側どちらでもよく、またメモリー電極３と同様な
有孔薄板を用いてその貫通孔の内壁面に塗布してもよ
い。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、有孔金属板をメモリー
電極に用いたことにより、パネル構造が著しく簡略化さ
れ、コスト低減ばかりではなく、その大型化と高解像度
化が可能となった。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例の分解斜視図

【図２】 本発明の実施例の断面図

【図３】 駆動波形の例

【図４】 従来例の分解斜視図

【符号の説明】

１は前面ガラス ２はＸ電極 ３はメモリー電極 ４は絶縁層 ５は貫通孔 ６は背面側絶縁層 ７はＹ電極 ８は背面ガラス

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＸＹマトリクス状に配列された複数の貫
   通孔を有する金属板等の導電性薄板の全面を絶縁層で覆
   ってメモリー電極となし、一方でそれぞれ互いに平行に
   配された複数のストライプ状の第１及び第２のアドレス
   電極が互いに交差し、その交点が上記メモリー電極の貫
   通孔と一致するように配し、 これらを放電用気体の封入された管体内に封入してな
   り、上記第１及び第２のうちの選択されたアドレス電極
   間に電圧を印加することにより励起される放電を第１ま
   たは第２のアドレス電極の一方と上記メモリー電極との
   間に交流電圧を印加して持続せしめることを特徴とする
   表示用放電管。