JPH068443B2 - 鉄系焼結合金からなる軸受材料の製造方法 - Google Patents

鉄系焼結合金からなる軸受材料の製造方法

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JPH068443B2
JPH068443B2 JP59190624A JP19062484A JPH068443B2 JP H068443 B2 JPH068443 B2 JP H068443B2 JP 59190624 A JP59190624 A JP 59190624A JP 19062484 A JP19062484 A JP 19062484A JP H068443 B2 JPH068443 B2 JP H068443B2
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義清 田中
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、鉄系焼結合金を用いた軸受材料の製造方法に
関するものである。
従来の技術 従来のバツクメタルを用いた時受材料としては、銅系、
主にCu−10%Sn-10Pb合金が用いられていた。この合金
系の特徴は、Pbにより潤滑性を確保すると共に、Cu-Sn
(青銅)で強度を確保していることである。
発明が解決しようとする問題点 上記Cu-Sn合金相では低速、高負荷といつた厳しい摺動
条件に対してはまだ不十分である。このような背景から
鉄系の軸受材料が望まれている。しかし鉄系ではバック
メタルとの接合強度の問題、また焼結温度が1000〜1150
℃と高いことから摺動用に添加した鉛の多量の飛散とい
う問題があつた。またこの鉄系も高面圧に対してはフエ
ライト基地の純鉄粉では塑性変形しやすく、摩耗及び摩
擦係数が上昇するという欠点があつた。鉄基地の強度を
向上させるには、浸炭、焼入れ、封孔処理などが考えら
れるが、バツクメタルを用いた軸受材の場合にはバツク
メタルとの剥離及びバツクメタルの浸炭、焼入れなどに
よる変形があり十分な効果が得られていない。
問題点を解決するための手段及び作用 本発明は上記のことにかんがみなされたもので、鉄、青
銅、鉛、及び銅−シリコン化合物あるいは銅−燐化合物
等の銅系化合物の特定比率からなる混合粉末を用い、80
0〜900℃の比較的低い温度で焼結することによつて、自
己潤滑性に富み、十分な接合強度を有する鉄系焼結合金
をバツクメタルに接合することができ、低速度、高荷重
軸受として十分機能を発揮する軸受材料の製造方法であ
る。
すなわち、本発明は鉄(Fe)を主成分とし、5〜20%
青銅(Cu-Sn)、2〜10%鉛(Pb)、及び(0.5〜5
%)銅−シリコン(Cu3Si)あるいは(0.5〜5%)
銅−燐(Cu3P)を含有する混合粉末を銅板上に散布後、
青銅の融点近傍もしくは、それ以上の温度で一旦焼結
し、次にこの焼結体を所望の密度に圧縮し、再度青銅の
融点以上の温度で焼結することによつてバツクメタルと
接合強度の高い焼結材料の製造方法である。
上記鉄系焼結材料の添加元素の作用効果及び限定理由は
以下の通りである。
青銅はそれ自身でも良好な摺動材料であるほか、鉄粉同
志の結合剤として働き、さらにバツクメタルとの結合力
向上材料としても働く。十分な結合力を得るには青銅の
添加量は5wt%が必要であり、20wt%以下では添加量
に比較して強度向上が十分でなくなることから、青銅の
適正添加量としては5〜20wt%とした。
鉛は摺動部品における潤滑剤として特に重要である。鉛
の存在は鉄粉とバツクメタル(鋼板)との焼付き防止に
効果がある。2wt%未満では焼付き防止効果から十分で
なく、また10wt%を越えると焼結層の強度劣化を引き起
こすことから適正添加量としては2〜10wt%とした。
銅−シリコンあるいは銅−燐の銅系化合物は、硬質の金
属間化合物で、鉄粉及び青銅混合相中に位置し、摺動部
分に高面圧がかかつた際にこれを受け、基地の摩耗を防
ぐ効果がある。その効果がでるには0.5wt%以上必要
であり、また5.0wt%を越えるとその効果が添加量に
比較して出ないため適正添加量としては0.5〜5.0
wt%とした。
実 施 例1 −100メツシユの還元鉄粉(Fe)、-325メツシユの青銅
粉(Cu-Sn)、-325メツシユの噴霧鉛粉(Pb)、銅−燐(Cu3
P)を重量比で、Fe:70%、Cu-Sn:15%、Pb:10%、C
u3P:5%になるように秤量してこれをV型混合機で3
0分間撹拌混合して得られた混合粉末を、板厚5mm、幅
80mm、長さ150mmの冷間圧延鋼板上に無雑作に散布
した後、全体高さを8mmになるようにならした。次にこ
れを850℃で1時間の間RXガス中で加熱して一次結
晶を行なつた。
次に燃焼層の圧下率が60%になるように圧延した後9
00℃で1時間RXガス中で焼結を行ない焼結材料を得
た。
実 施 例2 実施例1と同様の工程で重量比でFe:85%、Cu-Sn:1
0%、Pb:5%になるように秤量配合し、焼結材料を製
造した。
実 施 例3 実施例1と同様の工程で重量比で、Fe:80%、Cu-Sn:1
0%、Pb:10%になるように秤量配合し、焼結材料を製
造した。
実 施 例4 実施例1と同様の工程で重量比で、Fe:75%、Cu-Sn:1
0%、Pb:10%、Cu3P:5%になるように秤量配合し、
焼結材料を製造した。
実 施 例5 実施例1と同様の工程で重量比で、Fe:80%、Cu-Sn:1
0%、Pb:5%、Cu3P:5%になるように秤量配合し、
焼結材料を製造した。
比 較 例 実施例と同様の工程で重量比でCu:80%、Sn:10%、P
b:10%になるように秤量混合し、焼結材料を製造し
た。
上記各実施例1〜5と比較例とを摩擦試験にかけた結果
を図面に示す。
上記摩擦試験の結果、硬質の金属間化合物であるCu3Si
あるいはCu3Pを添加した試料が良好な耐摩耗性を示すこ
とが確認できた。また焼結温度が青銅の融点近傍もしく
はそれ以上と低いことにより焼結時に鉛が飛散すること
がなかつた。さらにこの各実施例における軸受材料はバ
ツクメタルである鋼板と強固に接合され、低速度、高面
圧においても剥離しなかつた。
発明の効果 本発明によれば、鉄系の焼結材料を用いた軸受材料であ
るにもかかわらず、バツクメタルである鋼板との接合強
度が強く、また従来例より優れた摩擦試験成績を得るこ
とができ、しかも添加した鉛が飛散することなく、かつ
均一に金属組織中に混在され、低速度、高面圧用の軸受
材料として十分その機能を発揮することができる軸受材
料を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
図面は摩擦試験結果を示す線図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄を主成分とし、青銅5〜20%、鉛2〜
    10%、銅系化合物0.5〜5%を含有する混合粉末
    を、バツクメタル上に散布後、青銅の融点近傍もしくは
    それ以上の温度で一旦焼結し、次にこの焼結体を所望の
    密度に圧縮し、再度青銅の融点以上の温度で焼結するこ
    とを特徴とする鉄系焼結合金からなる軸受材料の製造方
    法。
JP59190624A 1984-09-13 1984-09-13 鉄系焼結合金からなる軸受材料の製造方法 Expired - Lifetime JPH068443B2 (ja)

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JPS6169902A JPS6169902A (ja) 1986-04-10
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2551981B2 (ja) * 1988-09-14 1996-11-06 大同メタル工業 株式会社 複層鉄銅鉛系合金軸受材料
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JPS6023188B2 (ja) * 1978-09-07 1985-06-06 住友電気工業株式会社 焼結鋼及びその製造法

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