JPH0683928B2 - ボールエンドミル - Google Patents

ボールエンドミル

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JPH0683928B2
JPH0683928B2 JP63258596A JP25859688A JPH0683928B2 JP H0683928 B2 JPH0683928 B2 JP H0683928B2 JP 63258596 A JP63258596 A JP 63258596A JP 25859688 A JP25859688 A JP 25859688A JP H0683928 B2 JPH0683928 B2 JP H0683928B2
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cutting edge
end mill
cutting
mill body
angle
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浩志 渡辺
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NISSHIN KOGU SEISAKUSHO KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • B23C5/1009Ball nose end mills

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、切削抵抗を軽減することができるとともに
構成刃先の付着を防止することができ、特に、エンドミ
ル本体をその軸線方向へ送って加工するドリリンク時の
加工効率を向上させることができるボールエンドミルに
関するものである。
[従来の技術] 第16図および第17図は従来のボールエンドミルの一例を
示す図である。これらの図に示すボールエンドミルは、
軸線回りに回転させられるエンドミル本体1の先端部
に、軸線を挟んで点対称に2つのギャッシュ2・2が形
成されるとともに、エンドミル本体1の外周に上記ギャ
ッシュ2に連続するねじれ溝3が形成され、ギャッシュ
2およびねじれ溝3の回転方向を向く壁面の稜線部にそ
れぞれ切刃4,5が形成されたものである。ここで、先端
側の切刃4は回転方向へ向けて緩やかなカーブを描く凸
曲線状に形成されており、これによって、切刃4の回転
軌跡における側面視形状が1/4円弧状とされている。
このようなボールエンドミルは、切刃4,5によって底部
断面形状が半円形の溝加工を行うものであり、エンドミ
ル本体1を軸線方向へ送るドリリング加工と横送り加工
によって、たとえば、金型の型彫り加工などに供され
る。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記従来のボールエンドミルにおいては、特
に、ドリリング加工を行う場合に構成刃先が生じ易く、
このため、送り速度や切削速度を例えば横送り加工の場
合の70%以下と大幅に遅くしなければならないという問
題があった。
すなわち、構成刃先は切刃と切屑との間の摩擦力と圧力
により切屑の微粉が切刃すくい面に層をなして溶着する
ことによって生じる。したがって、切刃のすくい角が小
さいほど切削抵抗が大きいから発熱量が大きく構成刃先
が生じ易い。また、ドリリング加工では切刃が連続切削
を行うから構成刃先がさらに生じ易くなる。一方、ボー
ルエンドミルにおいては、刃先強度を維持する必要性か
ら切刃のすくい角を大きく設定することができない。つ
まり、ツイストドリルのようにドリリングのみを行う工
具であれば、切刃ひねじれ溝のねじれ角に応じた比較的
大きなすくい角を設けることができるが、ボールエンド
ミルのように横送り切削を行う場合には、その断続切削
により繰り返し印下される衝撃力に耐え得るように切刃
の刃物角を大きくしなければならないからである。この
ため、ボールエンドミルによるドリリンク加工において
は、送り速度と切削速度とを小さくすることにより、切
刃部分の発熱を防ぎ、構成刃先の発生を少なくする必要
がある。
[発明の目的] この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、構成刃
先の付着を有効に防止することができ、ドリリング加工
においても高送り、高速切削を行うことができ、よって
切削加工の効率を大幅に向上させることができるボール
エンドミルを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明のボールエンドミルは、切刃の形状を次のよう
に構成したものである。
軸線方向先端視における切刃の形状が回転方向へ向け
て凸曲線となる。
空間の固定された一点に上記切刃の外周側端部を位置
させてエンドミル本体の基準位置とし、この基準位置か
らエンドミル本体を切刃の上記1/4円弧の曲率中心回り
に旋回させながら軸線回りに回転させることにより上記
一点を切刃に沿って相対移動させたときに、エンドミル
本体の基準位置からの旋回角度が85゜のときのエンドミ
ル本体の基準位置からの回転角度が48゜〜130゜とな
る。
エンドミル本体の基準位置からの旋回角度αが10゜〜
85゜のときの旋回角度αに対応するエンドミル本体の回
転角度βが次式の範囲となる。
α48/85≦β≦α130/85 次に、上記ボールエンドミルの構成についてさらに詳述
する。
[の構成について] 切刃長を長く設定することにより刃先を回転方向へ向け
て大きく突出する形状とするための数値限定である。
すなわち、第12図に二点鎖線で示すように、切刃形状が
回転方向へ向けて凸曲線とならず一平面上において1/4
円弧状をなすと仮定すると、上記のような空間の固定点
と切刃との相対移動においてエンドミル本体の回転角度
はゼロとなる。
つまり、エンドミル本体を回転させることなく基準位置
から90゜旋回させるだけで空間の固定点を切刃の外周端
部Pから軸線部Qまで相対的に移動させることができ
る。前記従来のボールエンドミルは、切刃が回転方向へ
向けて緩やかなカーブを描く凸曲線状に形成されたもの
で(図中一点鎖線で示す)、本発明者等による測定の結
果、エンドミル本体の回転角度は16゜であった。つま
り、エンドミル本体の回転角度が大きいほど空間の固定
点は端部Pから軸線部Qまで遠回りして相対移動するこ
ととなり、このことからエンドミル本体の回転角度と切
刃長さとの間には相関関係があることが判る。この相関
関係は、第13図に示すように、1/4円弧をなす切刃の曲
率半径をR、エンドミル本体の微少旋回角度をdα、エ
ンドミル本体の微少回転角度をdβとして微少切刃長さ
をd lとすると、 d l=R(dα+dβ1/2 により導かれ、この式から回転角度(dβの総和)が大
きければ切刃長さも大きくなること判る。
本発明のボールエンドミルでは、エンドミル本体の旋回
角度が85゜のときの回転角度で48゜以上としているか
ら、第12図中実線で示すように、空間の固定点は端部P
から大幅に迂回して軸線Qに達する。つまり、上記の
数値限定により切刃長さが長くなり、これによって、切
刃は回転方向へ向けて大きく突出した形状となる。
[の構成について] 切刃形状を特定し、具体的には軸線方向先端視において
略S字状とするための数値限定である。
すなわち、第8図は、エンドミル本体を基準位置から85
゜旋回させたときの回転角度が約70゜である場合の切刃
形状の例を示すもので、ほぼ完全なS字状をなしてい
る。この場合の旋回角度αに対応する回転角度βの関係
は第9図(ロ)中実線で示すように線型をなす。しか
し、回転角度βが同じで、同図中一点鎖線の関係では第
10図、二点鎖線の関係では第11図の切刃形状となり、旋
回角度αと回転角度βの関係により切刃形状は若干異な
ったものとなる。
上記構成は、旋回角度αに対応する回転角度βの値
を、α48/85≦β≦α130/85とすることにより、回転角
度αの変化曲線が第9図(ロ)の破線で挟まれた領域内
からはみ出さないようにし、これによって、切刃形状が
ほぼS字状となるようにしたものである。そして、上記
構成,により、切刃の軸線方向先端視における形状
は大きな曲率を有する略S字状となる。
[作用] 次に、上記構成のボールエンドミルが、構成刃先の付着
を有効に防止し得る理由について説明する。
第14図(イ)(ロ)は、切刃による切削作用を示す模式
図である。同区(イ)は、切刃がその運動方向に対して
直交する場合を示し、同図(ロ)は切刃が運動方向と直
交する方向に対して傾斜している場合を示す。これらの
図から明らかなように、切刃の楔角が同一であっても、
切刃がその運動方向と直交する方向に対して傾斜してい
るとすくい角が大きくなる。本発明のボールエンドミル
では、切刃形状を大きな曲率を有する略S字状としてい
るから、切刃はその運動方向と直交する方向に対して大
きく傾斜している。このため、切刃のすくい角が大きく
切削抵抗を小さくすることができる。しかも、切刃の全
長が長いから切刃単位長さ当たりの切削抵抗がさらに小
さくなる。さらに、切刃がその運動方向と直交する方向
に対して傾斜しているから、切刃で生成される切屑は外
周側へ向けて成長する。このため、すくい面に切屑の微
粉が溶着しても成長する切屑によって直ちに剥離され
る。したがって、構成刃先の付着を有効に防止すること
ができ、ドリリング加工においても高送り、高速切削を
行うことができる。さらに、切屑が外周側へ向かって成
長するので切屑の排出性が向上される。
ここで、上記構成においてエンドミル本体の旋回角度
が85゜のときの回転角度を48゜以上とし、また構成に
おいて旋回角度αが10゜〜85゜のときの旋回角度αに対
応する回転角度βの値をα48/85以上として、上記旋回
角度αに対応する上記回転角度βが第9図(ロ)の破線
で挟まれた領域よりも小さくならないようにしたのは、
種々の試作品による加工結果より、上述したような切削
抵抗の軽減および溶着物の剥離を良好に行うには旋回角
度85゜のときの回転角度50゜が限界であることが確認さ
れ、製造および測定誤差を見越して48゜に設定したから
である。すなわち、上記旋回角度αに対応する回転角度
βが第9図(ロ)の破線で挟まれた領域よりも下側には
み出すと、切刃がなうS字形の曲率が小さくなりすぎて
十分なすくい角が得られずに切削抵抗が増大し、特にド
リリング加工の際や高送り、高速切削を行なう場合にエ
ンドミル本体の破損を招いたり、溶着による構成刃先の
形成を阻止できなくなったりする。
一方、構成において旋回角度が85.のときの回転角度1
30゜以下とし、構成において旋回角度がαが10゜〜85
゜のときの旋回角度αに対応する回転角度βをα130/85
以下として、この回転角度βが第9図(ロ)の破線で挟
まれた領域より大きくならないようにしたのは、上記旋
回角度αに対応する回転角度βが第9図(ロ)の破線領
域を上側にはみ出すと、切刃がなすS字形の凸曲線が回
転方向に向けて大きく膨らみすぎてしまうからである。
すなわち、このように切刃が回転方向に膨らみすぎる
と、切刃の長さが長くなってしまうため、細長い切屑が
生成されて切屑の排出性が悪化するとともに、切刃がな
すS字形の曲率が大きくなりすぎて切刃形状が極端に急
カーブとなるため、切刃のチッピングや欠損が生じ易く
なるからである。
[実施例] 以下、第1図ないし第11図を参照しながら本発明の一実
施例について説明する。第1図は実施例のボールエンド
ミルを示す側面図である。これらの図において符号10は
エンドミル本体である。エンドミル本体10は、軸線l回
りに回転させられる例えば超硬合金または高速度鋼から
なる円柱状のもので、その先端部には、軸線lを挟んで
点対称に2つのギャッシュ11・11が形成されている。ま
た、エンドミル本体10の外周には、上記ギャッシュ11に
連続するねじれ溝12が形成されている。そして、ギャッ
シュ11およびねじれ溝12の回転方向をく壁面の稜線部に
は、それぞれ切刃13,14が形成され、それらの交叉部は
滑らかに連続させられている。
先端側の切刃13は、軸線方向先端視における形状が回転
方向へ向けて凸曲線となるように形成され、回転軌跡に
おける側面視形状が略1/4円弧状とされている。さら
に、空間の固定された一点に切刃13の外周側端部Pを位
置させて基準位置とし、この基準位置からエンドミル本
体10を切刃13の上記1/4円弧の曲率中心O回りに旋回さ
せるとともに、軸線l回りに回転させることにより上記
固定点を切刃13に沿って相対移動させたときに、エンド
ミル本体10の旋回角度が85゜のとき(第2図において固
定点がQ1で示す位置にきたとき)の回転角度は48゜〜13
0゜とされ、好ましくは55゜〜130゜、より好ましくは60
゜〜130゜とされる。なお、第2図に示す切刃13の形状
は、旋回角度が85゜のときの回転角度が70゜のものであ
る。またさらに、エンドミル本体10の基準位置からの旋
回角度αが10゜〜85゜のときの旋回角度αに対応するエ
ンドミル本体の回転角度βは、α48/85≦β≦α130/85
の範囲とされている。これによって、切刃13の軸線方向
先端視における形状は大きな曲率を有する略S字状とな
っている。
ここで、エンドミル本体10の回転角度を測定する方法に
ついて説明する。
第15図はエンドミルの回転角度等を測定するための装置
である。図において符号20はテーブルである。テーブル
20の中心には、スタンド21がテーブル20の中心線回りに
回転自在に支持されている。スタンド21の端部には、ブ
ラケット22を介して筒状体23が支持され、筒状体23には
軸24が回転自在に挿入されている。軸24の一端部の外周
には、筒状体23に対する回転角度を知るための目盛り24
aが付されている。一方、筒状体23の端部には、リング2
3aが上記目盛り24aに隣接して回転自在に取り付けら
れ、リング23aの外周には目盛り24aを指し示す矢印が付
されている。そして、リング23aは、ハンドル23bにより
回転可能になされ、任意の回転位置で筒状体23に対して
固定されるようになっている。また、軸24の他端部に
は、チャック25が取り付けられている。チャック25は、
ボールエンドミルAを水平にして着脱自在に把持するも
のである。チャック25の前方には顕微鏡26が配置されて
いる。顕微鏡26の接眼レンズ27と接物レンズとの間に
は、内部に照準フィルムを取り付けたリング29が接眼レ
ンズ27と同一中心線上に介装されている。そして、顕微
鏡26を覗くと、視野の中央部において照準フィルムの十
字線が交叉するようになっている。照準フィルムは接眼
レンズ27の中心線回りに回転自在になされており、視野
の中で十字線が回転し得るようになっている。また、そ
の回転角度が知るためにリング29の外周には目盛が付さ
れている。
このような測定装置により、エンドミル本体10の回転角
度を測定するに際しては、まず、ボールエンドミルAを
チャック25に把持させ、その切刃13の1/4円弧の率中心
Oをスタンド21の回転中心軸に一致させる。この位置決
めは、スタンド21の回転中心21aに治具を取り付け、こ
の治具にボールエンドミルAの先端を当接させて行う。
次に、第15図に示す状態からスタンド21を90゜回転させ
る。この状態で軸24を回転させ、照準フィルムの十字線
の交点に切刃13の外周端部Pを一致させ、ハンドルイ23
bを回してリング23aの矢印を目盛り24aのゼロ点に合わ
せる(第3図)。この状態で顕微鏡のリング29を回し、
照準フィルムの十字線のうち上下方向を向くものが切刃
13と接するようにする。このときの目盛りにより、切刃
13の運動方向と直交する方向(図中矢印X方向)に対し
て切刃のなす角度θを読み取る。
次に、リング29を回してもとの位置に戻し、スタンド21
をもとの位置の方向へ5゜旋回させる。すると、ボール
エンドミルAは中心O回りに旋回し、視野中の切刃13
は、第3図に示す状態から同図中矢印方向へ移動し、第
4図に示す状態となる。次に、軸24を回してボールエン
ドミルAを回転させ、切刃13を第4図に示す状態から同
図中矢印方向へ移動させて第5図に示す状態とする。そ
して、上記と同様にして軸24の回転角度を目盛り24a
で、切刃13の角度θをリング29の目盛りで読み。このよ
うにして、第5図から第7図までに示すように、スタン
ド21を5゜づつ旋回させながら上記一連の動作を繰り返
し、スタンド21が測定開始位置から85゜旋回するまで続
ける。第1表は上記のようにして測定した結果(単位は
゜)を示し、第9図(イ)、旋回角度αと回転角度βと
の関係を示す線図である。
第1表から明らかなように、切刃13の運動方向と直交す
る方向に対する切刃角度は、最大45゜とかなり大きくな
っている。これによって、上記ボールエンドミルでは、
切刃13のすくい角が大きく切削抵抗を小さくすることが
できる。しかも、切刃13の全長が長いから切刃13の単位
長さ当たりの切削抵抗がさらに小さくなる。さらに、切
刃13が運動方向と直交する方向に対して大きく傾斜して
いるから、切刃13で生成される切屑は外周側へ向けて成
長する。このため、すくい面に切屑の微粉が溶着しても
成長する切屑によって直ちに剥離される。したがって、
構成刃先の付着を有効に防止することができるので、ド
リリング加工においても高送り、高速切削を行うことが
できる。よって、横送り加工と同じ切削条件でドリリン
グ加工を行うことができ、切削効率を大幅に向上させる
ことができる。また、切屑が外周側へ向かって成長する
ので切屑の排出性が向上される。
なお、上記のようにして得られたエンドミル本体10の回
転角度は、照準フィルムの十字線の交点を切刃13に沿っ
て連続的に移動させる場合と若干の誤差が生じる。しか
しながら、エンドミル本体10を上記のように5゜づつ傾
斜させれば誤差は極めて僅かであり、むしろそのように
作業を標準化するほうが操作ミスが少ない。
次に、第2表および第3表は、旋回角度85゜において回
転角度が60゜のものと50゜のもので上記と同じ測定を行
った結果を示すものであり、上記と同様に第9図(イ)
にも示す。第2表および第3表から、上記ボールエンド
ミルにおいても切刃角度が大きいことが判る。したがっ
て、構成刃先の付着を有効に防止することができる。
ところで、上記各ボールエンドミルは、第9図(イ)に
示すように、エンドミル本体10の回転角度βがほぼ直線
状に増加するように構成したものであり、いずれも第8
図に示すようなほぼ完全なS字状となる。このような切
刃では、切刃の曲率が滑らかに変化するたえ、本発明の
作用効果をさらに有効に発揮することができるが、S字
状の切刃形状を得るためには、旋回角度αと回転角度β
との関係を次のように設定すれば良い。
すなわち、旋回角度αが85゜のとき回転角度βを例えば
θとすると、第9図(ロ)な示すように、回転角度βの
変化曲線が減点とθ1とを結んだ線分で挟まれた領
域(図中ハッチングで示す)からはみ出さないようし、
θ=θ+5゜ θ=θ−5゜とする。
さらに、本発明は、上記の上うに回転角度βの変化曲線
が直線状となるものに限らず、、前項で述べたように曲
線状となっても良い。例えば、第10図に示す切刃13で
は、切刃13の外周側における構成刃先の付着をより有効
に防止することができる。また、第11図に示す先刃で
は、切刃13の内周側における構成刃先の付着を有効に防
止することができる。また、実際の切削加工においては
切刃13の内周側の方が構成刃先が付着し易いので、例え
ば、第8図において、軸線部の切刃13の曲率を大きく設
定してその部分を第11図に示す切刃形状に近い形状とし
ても良い。
なお、本発明は上記のようなソリッドタイプのものに限
るものではなく、先端の切刃のみを超硬合金で構成した
スローアウエイ式エンドミルや、ろう付け式エンドミル
に適用しても同様の効果を奏することは勿論である。
次に、本発明の実施例のボールエンドミルと従来例のボ
ールエンドミルとにより、同一条件の下で切削試験を行
った結果について説明する。ただし、この切削試験にお
いては、実施例として上述の第1表に旋回角度αと回転
角度βとの関係を示したものを用い、また従来例として
は、旋回角度と回転角度および切刃角度との関係を測定
した結果が、以下の第4表に示されるボールエンドミル
を用いた。なお、従来のボールエンドミルではエンドミ
ル本体の回転角度が16゜程度であることは上述した通り
であるが、本切削試験においては本発明の上記構成お
よびとの比較を明確にするために、第4表に示される
ように旋回角度が85゜のときの回転角度が30゜であるボ
ールエンドミルを従来例として試験に供した。
そして、これら実施例と従来例とのボールエンドミルに
よって、所定の送りで被削材に横送り加工とドリリング
加工を施し、その際の加工状態を調べた。この結果を第
5表および第6表に示す。ただし、この際の被削材はS5
0Cであり、エンドミル本体の材質は超硬合金であった。
また、第5表では実施例、従来例ともに切刃外径12mmの
ボールエンドミルを用いて回転数3180rpmとし、120m/mi
nの切削速度で加工を行った。一方、第6表では切刃外
径6mmのボールエンドミルで回転数6380rpmとし、同じく
120m/minの切削速度で加工を行った。
第5表および第6表の結果より、外径12mmおよび6mmの
ボールエンドミルとも従来例では高送りのドリリング加
工の際にエンドミル本体が破損して加工不能となってい
るのに対し、本発明の実施例によれば、同じ送りまたは
それ以上の高送りの加工においても何等支障を来すこと
なく良好な加工が可能であったことが分かる。また、試
験終了後のエンドミル本体を観察したところ、従来例で
はいずれの場合も溶着による構成刃先の形跡が認められ
たのに対し、実施例ではそのような形跡を認めることは
できなかった。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明のボールエンドミルでは、
切刃の形状を、軸線方向先端視における切刃の形状が回
転方向へ向けて凸曲線とし、空間の固定された一点に上
記切刃の外周側端部を位置させてエンドミル本体の基準
位置とし、この基準位置からエンドミル本体を切刃の1/
4円弧の曲率中心回りに旋回させながら軸線回りに回転
させることにより、上記一点を切刃に沿って相対移動さ
せたときに、エンドミル本体の基準位置からの旋回角度
が85゜のときの回転角度を48゜〜130゜とし、エンドミ
ル本体の基準位置からの旋回角度αが10゜〜85゜のとき
の旋回角度αに対応するエンドミル本体の回転角度βを α48/85≦β≦α130/85 としたものであるから、軸線方向先端視における切刃形
状が大きな曲率を有する略S字状となり、これによって
切刃がその運動方向に対して大きく傾斜する。このた
め、切刃のすくい角が大きく切削抵抗を小さくすること
ができる。しかも、切刃に全長が長いから切刃単位長さ
当たりの切削抵抗がさらに小さくなる。さらに、切刃が
運動方向に対して大きく傾斜しているから、切刃で生成
される切屑は外周側へ向けて成長する。このため、すく
い面に切屑の微粉が溶着しても成長する切屑によって直
ちに剥離され、構成刃先の付着を有効に防止することが
できる。したがって、ドリリング加工においても高送
り、高速切削を行うことができるので、ドリリングにお
ける切削条件を横送りの場合と同じに設定することがで
き、切削加工の効率を大幅に向上させることができる。
また、切屑が外周側へ向かって成長するので切屑の排出
性が向上される等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第11図は本発明の一実施例を示す図であっ
て、第1図はボールエンドミルを示す側面図、第2図は
第1図のII方向矢視図、第3図ないし第7図は顕微鏡で
見た切刃の形状をそれぞれ示す図、第8図は切刃の形状
を示す軸線方向先端視、第9図(イ)(ロ)はエンドミ
ル本体の傾斜角度と回転角度との関係を示す線図、第10
図および第11図は上記ボールエンドミルの変更例を示
し、切刃形状を示す軸線方向先端視図、第12図および第
13図は切刃曲線を説明するための斜視図、第14図は切削
作用を説明するための斜視図、第15図は回転角度を測定
するための装置を示す側面図、第16図は従来のボールエ
ンドミルを示す側面図、第17図は第16図のVII方向矢視
図である。 10……エンドミル本体、13……切刃、 O……曲率中心、P……外周側端部、 Q……内周側端部、l……軸線。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸線(l)回りに回転させられるエンドミ
    ル本体(11)の先端部に回転軌跡における側面視形状が
    略1/4円弧状をなす切刃(13)が設けられたボールエン
    ドミルにおいて、上記切刃(13)が次のようになされた
    ことを特徴とするボールエンドミル。 軸線(l)方向先端視における切刃(13)の形状が回
    転方向に向けて凸曲線となる。 空間の固定された一点に上記切刃(13)の外周側端部
    (P)を位置させてエンドミル本体(11)の基準位置と
    し、この基準位置からエンドミル本体(11)を切刃(1
    3)の上記1/4円弧の曲率中心(O)回りに旋回させなが
    ら軸線(l)回りに回転させることにより上記一点を切
    刃(13)に沿って相対移動させたときに、エンドミル本
    体(11)の基準位置からの旋回角度(α)が85゜のとき
    のエンドミル本体(11)の基準位置からの回転角度
    (β)が48゜〜130゜となる。 エンドミル本体(11)の基準位置からの旋回角度
    (α)が10゜〜85゜のときの旋回角度(α)に対応する
    エンドミル本体(11)の回転角度(β)が次式の範囲と
    なる。 α48/85≦β≦α130/85
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