JPH068371A - 複合管およびその製造方法 - Google Patents

複合管およびその製造方法

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JPH068371A
JPH068371A JP4168931A JP16893192A JPH068371A JP H068371 A JPH068371 A JP H068371A JP 4168931 A JP4168931 A JP 4168931A JP 16893192 A JP16893192 A JP 16893192A JP H068371 A JPH068371 A JP H068371A
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metal
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fiber
strip
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JP4168931A
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Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Yoshihiro Kiyota
芳博 清田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で施工性に優れた外層樹脂積層金属複合
管で、機械振動や被搬送流体の圧力先変動(脈動)が激
しい場所に配管しても、表層の樹脂補強層の剥離が生じ
ず、耐久性に優れた複合管と、その効率的な製造方法を
提供する。 【構成】 本発明の複合管は、帯状金属薄板がスパイラ
ル状に巻回された状態で、その相隣合う側縁部が相互に
はぜつぎ接合されてなる金属管の外周面に、繊維補強樹
脂が積層形成された構造とする。本発明の製造方法は、
帯状金属薄板をスパイラル状に巻回するとともに、その
帯状金属薄板の相隣合う側縁部を相互にはぜつぎ接合す
ることにより金属管を連続製管しつつ、その金属管の外
周面に、繊維補強樹脂を連続的に巻きつけ積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種設備の冷却配管等
に用いるのに適した、軽量でしかも耐内圧強度および剛
性に優れた複合管とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場、発電所、ビル等の各種設備、例え
ばポンプ、熱交換器等における冷却水の供給および排出
用の管として、各種の金属管や、あるいは鋼管の内周面
を合成樹脂でライニングまたはコーティングした複合管
が用いられている。
【0003】このような用途の管においては、一般に、
冷却用水の種類に応じて管の材質が使い分けられてお
り、汲み上げ地下水や海水など、長期の使用により管が
腐食する恐れがある用水を用いる場合には、鋼管以外の
耐蝕性のある金属管や、あるいは鋼管の内周面を合成樹
脂で被覆した複合管が用いられる。一方、冷却用水を循
環させて使用する場合には、インヒビターを添加した冷
却水を使用することにより、一般的な炭素鋼管の使用も
可能である。
【0004】ところで、このような冷却用配管等に用い
られる管では、管の両端に溶接またはねじ込まれたフラ
ンジを介して、他の管や継手、あるいは機器と接続され
るため、管は一般的に両端にフランジを固着した状態で
輸送され、配管施工される。そのため、管そのものの重
量に加え、両端のフランジの存在により一本の管が相当
に重く、輸送・施工にあたっては多数の熟練した人員と
吊り上げの機器が必要となる。昨今の労働市場において
建築土木の分野での人手不足と熟練工不足は配管作業に
おいても例外ではなく、管材の軽量化、施工の容易化に
対する市場のニーズは非常に高い。
【0005】管体の軽量化のためには、フランジ接合に
代わる新規な接続後方と軽量な継手が必要であり、同時
に管そのものの軽量化・薄肉化が必要であることは言う
までもない。
【0006】同一の使用条件で用いる管の軽量化のため
には、金属の肉厚を薄くした薄肉金属管を用いればよい
が、管としての耐内圧強度、耐外圧あるいは剛性を得る
ためには何らかの補強が必要である。この場合、比強度
・比剛性の高い繊維強化プラスチックを補強層として薄
肉の金属管外周面に積層する方法が軽量化効果も大きく
有効である。特に連続長繊維、例えばガラスロービング
にマトリクス樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を含浸
して管外周面に連続的に巻きつける、いわゆるフィラメ
ントワインディング法により繊維補強樹脂を積層する方
法が、補強層肉厚をより薄くできるため採用されること
が多い。しかし、このような補強層樹脂と鋼管等の金属
との密着性は必ずしもよくないため、一般的には金属お
よび樹脂の双方に対する親和性の高い接着性プライマ
ー、代表的にはエポキシあるいはウレタン樹脂を主成分
とする組成物を用いる必要がある。すなわち、脱脂洗浄
あるいは酸洗ブラスト等により表面を清浄化した金属表
面にプライマーを塗布焼付けした後、その表面に繊維補
強樹脂を積層し、熱あるいは紫外線等で硬化させること
により密着度の高い積層管(複合管)が得られる。
【0007】このように作成された外層樹脂積層金属管
は、同一の耐内圧強度および剛性を持つ鋼管と比較して
非常に軽量であり、管両端に金属製のフランジを装着し
ても軽量でハンドリングが容易であり、加えてフランジ
も外層補強層同様の繊維補強樹脂製に変更すれば更にそ
の効果は大きくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
従来の外層樹脂積層金属管においては、ポンプ等の機器
周辺の配管のように管の振動や、バルブ等の開閉による
圧力変動(脈動)の激しい部位では、長期間の使用によ
り、補強樹脂層と金属管との境界面での剥離が発生し、
著しい場合には金属管と補強樹脂層とが完全に剥離して
しまい、当初に有していた補強効果が発現できず、耐圧
力が低下し、管の変形や破壊が起こりやすくなる。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、軽量で施工性に優れた外層樹脂積層金属複合管
でありながら、上記のような振動や脈動の激しい使用条
件の厳しい部位に配管しても、表層の樹脂補強層の剥離
が生じず、長期の使用においても異常が発生せず、耐久
性に優れた複合管と、その効率的な製造方法の提供を目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の複合管は、帯状
の金属薄板がスパイラル状に巻回された状態で、その相
隣合う側縁部が相互にはぜつぎ接合されてなる金属管の
外周面に、繊維補強樹脂が積層形成されていることによ
って特徴づけられる。
【0011】また、本発明の複合管の製造方法は、帯状
の金属薄板をスパイラル状に巻回するとともに、その金
属薄板の相隣合う側縁部を相互にはぜつぎ接合すること
により金属管を連続製管しつつ、その金属管の外周面に
繊維補強樹脂を連続的に巻きつけ積層することによって
特徴付けられる。
【0012】
【作用】本発明は、スパイラル・はぜつぎ製管で得られ
る金属管の外周面に生じるはぜつぎ部の突条を利用し
て、繊維補強樹脂層の金属管に対する剥離強度を向上さ
せようとするものである。
【0013】すなわち、スパイラル・はぜつぎ製管によ
る金属管では、管の外周に管全長にわたってスパイラル
状のはぜつぎ突条が形成されるが、このような突条の存
在により、金属管とその外層として積層された繊維補強
樹脂層との密着性が大幅に向上し、また、このはぜつぎ
突条により管の振動や搬送流体の脈動に起因する繊維補
強樹脂層のずれが抑制されるため、機械振動や脈動の著
しい場所で長期にわたって使用しても剥離が生じにくく
なる。
【0014】また、本発明の製造方法では、スパイラル
・はぜつぎ製管を行いながら、繊維補強樹脂層を連続的
に巻きつけ積層するため、上記のような複合管が一貫し
たプロセスで効率的に成形できる。
【0015】
【実施例】図1は本発明実施例である複合管10の部分
断面図である。帯状金属薄板11をスパイラル状に巻回
して、その相隣合う縁部どうしをはぜつぎ接合してなる
金属管12の外周面に、繊維補強樹脂層13が積層形成
されている。
【0016】スパイラル・はぜつぎ製管により得られた
金属管12の外周には、図2に繊維補強樹脂層13を積
層する前の状態の金属管12の部分切り欠き図を示すよ
うに、はぜつぎ突条12aが管の全長にわたってスパラ
イル状に形成され、このはぜつぎ突条12aはその外側
に積層された繊維補強樹脂層12内に入り込んだ状態と
なって、金属管12と繊維補強層13との間に強固な相
互密着性が得られる。
【0017】ここで、帯状金属薄板11の材質として
は、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板等の鉄鋼材料のほか、ア
ルミニウムおよびその合金、銅およびその合金などを用
いることができる。また、帯状金属薄板11の肉厚は、
管使用圧力や管剛性に対して繊維補強樹脂層13と金属
管12とで強度をいかに分担させるか、あるいは、軽量
化の必要度、更にはその金属の材質等によって、適用可
能な範囲は異なるが、スパイラル製管でのはぜあわせ部
分の成形限界から0.2〜3.0mm程度が適当であ
り、また、はぜつぎ接合部の強度が高く、しかも経済的
な形成速度を得るためには、その肉厚は、例えば管径を
100mm〜500mmとしたときには0.4〜1.5
mmの範囲とすることが望ましい。
【0018】金属管12のスパイラル角度、はぜあわせ
部分の幅および高さ等は、管の水密性、剛性および外層
の所要剥離防止強度に応じて任意に設定することができ
る。また、水密性向上のために、はぜ合わせの部分に接
着剤、シーリング剤を塗布しながら製管してもよい。更
に、剛性向上のために、図3に示すように、同一または
異なる材質の線材Sをはぜ合わせの部分に挿入した構成
としてもよい。
【0019】金属管12の外層に積層する繊維補強樹脂
層13のマトリクス樹脂としては、任意のものを適用す
ることができるが、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂等の熱硬化あるいは紫外線等の光硬化性樹脂組成物
を用いることが好適である。補強繊維材料としては、ガ
ラス、炭素繊維、アラミド繊維等のロービング、マッ
ト、クロス等で連続的に供給できる形態のものが主に用
いられ、これらを単一で使用し、あるいは併用してもよ
い。また、チョップ状の繊維材料などを補助的に上記の
補強繊維の積層間に分散させることも可能である。
【0020】この繊維補強樹脂層13の積層は、後述す
る本発明方法の実施例のように、金属管12の連続スパ
イラル製管ラインの延長上の同一ラインにおいてフィラ
メントワインディングして積層する一貫製法によっても
よいし、金属管12を一定長さで切断した後、別の工程
においてバッチ的にフィラメントワインディングまたは
ハンドレイアップ等の方法で積層してもよい。
【0021】積層に当たっては、上述の一貫製法を採用
する場合、上記した補強材料に樹脂を含浸させたもの
を、回転しながらスパイラル製管されてくる金属管12
の外周にフィラメントワインディング法で連続的に巻き
つける。また、バッチ的な製法を採用する場合では、切
断された金属管12に回転を与えながら、同様に補強材
料に樹脂を含浸させたものをフィラメントワインディン
グ法で巻きつけ、あるいはハンドレイアップ法にて積層
する。
【0022】フィラメントワインディング法の場合にお
いて、繊維補強樹脂の巻きつけ角度は特に限定されず、
金属管12のスパイラル角度と同一であってもよいし、
なくてもよい。また、この巻きつけは単一方向巻きでも
よく、あるいは、図4に断面図(A)および部分切り欠
き図(B)を例示するように、巻き方向もしくは巻き角
度を変えたものを多層に巻きつけてもよい(第1の繊維
補強樹脂層13a,第2の繊維補強樹脂層13b)。多
層に巻きつける場合には、上記した一貫製法においては
金属管の製管時の進行方向に向かって複数箇所にて巻き
つけるとよい。また、繊維補強樹脂層13の厚さは、前
記した金属管12の厚さ等と関連して、要求される管の
耐圧強度から算出される。
【0023】積層後の管は、所定温度に制御された加熱
ゾーン(トンネル)内を回転させながら所定時間で通過
させるか、加熱オーブン中や室温放置、もしくは紫外線
等の照射により硬化させる。一貫製法を採用する場合、
繊維補強樹脂として硬化所要時間が長いものを選定した
とき、加熱ゾーンまたは紫外線の照射ゾーンを長大化さ
せる必要があるため、投資ないしはスペース的な観点か
ら、この硬化工程については別途加熱炉を用意してバッ
チ的に処理することもできる。
【0024】なお、繊維補強樹脂層13を積層する前処
理工程として、樹脂と金属との密着性向上のため、金属
管12の外周面にエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の接着
性プライマーを塗布することが好ましい。このことは、
補強繊維樹脂層13の繊維のすべり防止、および金属−
樹脂間の空隙発生の防止の面からも望ましく、積層前に
金属管12の外周面に上記のような接着性プライマーを
塗布し、乾燥焼付け等により活性化しておくことが望ま
しい。
【0025】また、金属管12の内面については、内部
を流れる流体が金属を腐食させる恐れがある場合には、
必要に応じ、管内面を耐蝕性の高い合成樹脂によりコー
ティングまたはライニングしてもよい。
【0026】更に、管の接続については本発明において
特に規定しないが、図5に例示するように、既製の繊維
補強樹脂製のフランジFを外層被覆時と同時または事後
に、類似組成の繊維補強樹脂を用いて接合し、接続部外
周を補強繊維のマットM等で裏打ちして補強することが
望ましい。
【0027】次に、以上のような複合管を効率的に製造
し得る本発明の製造方法の例について述べる。図6は本
発明の製造方法を適用した複合管製造ラインの構成例を
模式的に示す図である。
【0028】アンコイラー1にセットされた帯状金属薄
板11は、駆動ロール2により連続的にはぜ折り曲げロ
ール装置3および製管装置4に送り込まれる。はぜ折り
曲げロール装置3は、帯状金属薄板11の両側縁部にそ
れぞれロール群を押し当てることにより、その両側縁部
にはぜ折りのための賦形を行うための装置である。製管
装置4には管外径に相当する寸法を持つ外周規制型41
が設置され、はぜ折りのための賦形がなされた帯状金属
薄板11がこの外周規制型41に沿って強制的にスパイ
ラル状に巻かれて管状となるとともに、外周規制型41
の内側に設けられた折り合わせロール42により両側縁
部がはぜつぎ接合されて、図2に例示したような構造の
金属管12となる。
【0029】このようにして得られた金属管12は、次
いで脱脂洗浄槽51および乾燥炉52を経て洗浄・乾燥
の後、プライマー塗布装置61および乾燥炉62に導か
れ、その外周面にプライマーが塗布され、加熱乾燥され
る。
【0030】乾燥炉62の下流側には、ガラスマット、
ロービング等の補強材料を繰り出す繰り出し装置71と
樹脂槽72が設けられており、繰り出し装置71から繰
り出された補強材料は樹脂槽72をくぐって樹脂含浸さ
れた後に、プライマー処理が施された金属管12の外周
面にテープ状に巻き付けられていく。ここで、上記した
スパイラル製管においては、製管装置4から出てくる金
属管12はその管の軸心を中心として回転しつつ進行し
てくるので、繊維補強樹脂の巻きつけに際しては特に金
属管12に回転を与える機構およびトラバース機構が不
要となるが、金属管12の回転・推進を補助するために
ベルト等を用いて金属管12の回転を付勢してもよい。
なお、この繊維補強樹脂の巻きつけに際しては、金属管
12の表面と樹脂層との界面、あるいは樹脂層相互間の
界面への気泡の巻き込みや、樹脂層の管への巻きつけな
しいは密着度を均一化させるため、張力コントローラや
押さえローラ等を適宜に使用してもよい。また、このよ
うなワインディング装置は、この例においては1箇所の
み示しているが、異なる巻きつけ角度のものをも含めて
複数個のワインディング装置を設けることもできる。
【0031】さて、外周面に繊維補強樹脂が巻き付けら
れた金属管12は、次いでその下流側に設けられた加熱
もしくは紫外線照射炉8の内部を回転しつつ通過し、こ
こで樹脂が硬化して繊維補強樹脂層13が形成され、複
合管10となる。この複合管10は次いで切断機9に導
かれ、所定長さにカットされる。
【0032】ここで、加熱もしくは紫外線照射炉8は、
金属管12の製管速度との関連において繊維補強樹脂が
ここを通過することにより硬化する長さを持たせる必要
があるが、それが長大となる場合には、この加熱もしく
は紫外線照射炉8をラインから外し、繊維補強樹脂が巻
き付けられた後に切断機9でカットし、これを別途設け
た炉にて必要時間だけ加熱もしくは紫外線照射して硬化
させてもよく、この手順も本発明の製造方法に包含され
る。
【0033】以上の本発明の製造方法の適用により、帯
状金属薄板11を用いたスパイラル製管から繊維補強樹
脂の巻きつけに至るまで、所期の性能を持つ複合管を一
つのラインにより効率的に製造できる。ただし、本発明
の複合管は、前記したように、このような一貫製法に限
らず、スパイラル製管と繊維補強樹脂の巻きつけとを個
別に行うことによっても製造することができる。
【0034】すなわち、まず、図7に例示するように、
図6と同等のアンコイラー1、駆動ロール2、はぜ折り
曲げロール装置3、外周規制型41および折り合わせロ
ール42を有する製管装置4、および、切断機9を備え
たスパイラル製管ラインにより、帯状金属薄板11から
所定長さの金属管12を製造する。その後、この金属管
12を脱脂洗浄・乾燥の後、その外周面にプライマーを
塗布し、次いで図8に例示するように、主軸100およ
び保持治具101ととその回転駆動機構102、ガラス
ロービング等の繰り出し装置103と含浸用の樹脂を満
たした樹脂層104、および樹脂含浸後のガラスロービ
ングのトラバース機構105等を備えたフィラメントワ
インディング装置にセットし、金属管12の外周面に繊
維補強樹脂を巻きつける。その後、この管を加熱オーブ
ン等で乾燥させることにより、図1に例示した構造の複
合管を得ることができる。なお、繊維補強樹脂の積層は
フィラメントワインディング法に代えてハンドレイアッ
プ法としてもよい。
【0035】さて、次に、図7および図8に示したスパ
イラル製管ラインとフィラメントワインディング装置を
用いて、実際に複合管を製造し、その性能を評価した結
果を比較例とともに述べる。
【0036】帯状金属薄板11として、肉厚1.0m
m、帯幅130mmの亜鉛メッキ鋼板を用い、図7のラ
インにより管内径寸法200mm、スパイラル条数1
条、スパイラル角度15.4度の金属管12を製管し
た。その後、この金属管12の外周面を脱脂洗浄の後、
エポキシ系プライマーを塗布して乾燥させた。その後、
図8に示したフィラメントワインディング装置により、
ガラスロービングを不飽和ポリエステル樹脂(硬化剤を
含む)を満たした樹脂層104を通して樹脂を含浸した
後、金属管12の外周面に巻きつけた。この巻きつけ角
度は15.4度および−15.4度とし、積層厚さは
5.0mmとした。積層後の管を加熱オーブン内に挿入
して70°C、1時間処理して樹脂を硬化させた。その
後、両端部の不要部分を除去して複合管とした。
【0037】比較例として、薄肉鋼管(電気溶接により
管状に製管したもので、外周に突条を持たない)を用
い、その外周面に上記実施例と同じ繊維補強樹脂を同じ
条件で積層し、同様にして乾燥させた後に両端不要部分
を除去して複合管を得た。
【0038】以上の実施例および比較例の性能評価のた
め、それぞれ長さ3mの管両端部にFRP製のフランジ
を同じポリエステル樹脂を含浸させたガラスマットをハ
ンドレイアップにて積層して取り付けた。そして、これ
らの2種の管について、振動試験と脈動試験を行い、性
能比較した。振動試験は、管両端を固定し、振幅10m
m、周波数50Hzの振動を加えるものとし、脈動試験
は、管に水圧ポンプを接続し、管内に上限10kg/c
2 で下限無圧の脈動を15秒サイクルで繰り返し与え
るものとした。その結果を〔表1〕に示す。
【0039】
【表1】
【0040】この〔表1〕に示すように、本発明実施例
の複合管は著しい機械振動や、管への脈動圧力負荷によ
っても、金属管と繊維補強樹脂層管の剥離等が生じず、
長期にわたって安定した止水性、管剛性、耐圧強度を維
持し得ることが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合管で
は、金属管の外周に管全長にわたってスパイラル状に伸
びるはぜつぎ突条により、金属管と繊維補強樹脂層との
密着性が極めて優れたものとなり、機械振動や被搬送流
体の圧力変動(脈動)の著しい場所における長期にわた
る使用に耐えることができる。
【0042】また、本発明の複合管の製造方法による
と、このような高性能の複合管を、スパイラル製管と繊
維補強樹脂のフィラメントワインディングとを合体させ
た一貫プロセスにより、連続的、効率的に成形すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の複合管の構造を示す部分断面図
【図2】本発明実施例の複合管の繊維補強層13を積層
する前の状態の金属管12の部分切り欠き図
【図3】本発明の他の実施例の複合管における金属管の
はぜ合わせ部分の拡大断面図
【図4】本発明の更に他の実施例の複合管の構造を示す
断面図(A)および部分切り欠き図(B)
【図5】本発明実施例の複合管の管端部におけるフラン
ジ構造の例を示す断面図
【図6】本発明の製造方法を適用した複合管製造ライン
の構成例を模式的に示す図
【図7】本発明の複合管を製造するためのスパイラル製
管ラインの一例を示す模式的構成図
【図8】同じく本発明の複合管を製造するためのフィラ
メントワインディング装置の一例を示す模式的構成図
【符号の説明】
1 アンコイラー 2 駆動ローラ 3 はぜ折り曲げロール装置 4 製管装置 41 外周規制型 42 折り合わせロール 51 脱脂洗浄槽 52 乾燥炉 61 プライマー塗布装置 62 乾燥炉 71 繰り出し装置 72 樹脂槽 8 加熱もしくは紫外線照射炉 9 切断機 10 複合管 11 帯状金属薄板 12 金属管 12a 突条 13 繊維補強樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 9/16 7123−3J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の金属薄板がスパイラル状に巻回さ
    れた状態で、その相隣合う側縁部が相互にはぜつぎ接合
    されてなる金属管の外周面に、繊維補強樹脂が積層形成
    された複合管。
  2. 【請求項2】 帯状の金属薄板をスパイラル状に巻回す
    るとともに、その金属薄板の相隣合う側縁部を相互には
    ぜつぎ接合することにより金属管を連続製管しつつ、そ
    の金属管の外周面に繊維補強樹脂を連続的に巻きつけ積
    層する複合管の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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