JPH0683660B2 - 食品押出製造装置のダイ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、シリンダ内に投入した食品材料を混練等の
処理を行った後、押し出すことにより、筒状や輪形状の
食品を製造する食品押出製造装置のダイに関するもので
ある。

〔従来の技術〕

一般に、食品押出製造装置は、シリンダ内に１本または
複数本のスクリューを配設し、このスクリューの回転に
より食品材料を混練しながら、加圧、加熱等の処理を行
い、シリンダ先端に取り付けたダイから押し出すもので
ある。

従来、上記食品押出製造装置のダイには、円、楕円、四
角形等の各種の形状とした押出穴を有したものが存在
し、これらの押出穴の形状に応じた形状の食品が製造さ
れていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

したがって、従来の食品押出製造装置のダイでは、円
柱、楕円柱、四角柱等の内部が中実となった食品、また
はこれらを薄く切断した食品しか製造できず、内部が中
空となった筒状の食品や、輪形状の食品を製造すること
はできなかったた。そのため、従来このような形状の食
品を製造するには、内部を中空するための煩雑な作業が
必要であり、この作業は手作業で行っていた。

そこで、この発明は、内部を中空にした筒状の食品や、
輪形状の食品を連続的に、しかも効率よく製造できるよ
うにした食品押出製造装置のダイを提供することを目的
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

そのため、この発明では、ダイ本体（５）に窪部（10
a）と、前記窪部（10a）より小さな径の窪部（10c）
と、これらをつなぐ台形形状の窪部（10b）からなる貫
通穴（10）を設け、この貫通穴（10）に、前記窪部（10
a）と嵌合する外径をした筒形部（7a）と、筒形部（7
a）に支持部（7b）を介して設けられたセンター軸部（7
c）とからなる中子（７）を嵌め込み、筒状の押出通路
（13）を形成すると共に、ダイ本体（５）の先端に輪形
状の押出穴（14）を形成した食品押出製造装置のダイで
あって、センター軸部（7c）の窪部（10b）と対応する
部分が、窪部（10b）より傾きの小さな台形形状になっ
ており、窪部（10b）とセンター軸部（7c）とにより、
径が次第に小さく且つ通路幅が次第に狭くなるようにな
った絞り通路（13a）を形成した食品押出製造装置のダ
イとした。

〔作用〕

この発明の食品押出製造装置のダイは、上記手段を施し
たため、時のような作用をする。

食品材料は、筒状の押出通路（13）を通り、ダイ本体
（５）の先端に輪形状に形成された押出穴（14）から押
し出されるので、筒状の食品となる。これを薄く切断す
ることにより、輪形状の食品となる。

この食品押出製造装置のダイから押し出された食品材料
は、径が次第に小さく且つ通路幅が次第に狭くなるよう
になった形成された絞り通路（13a）の中を通り、絞り
通路（13a）を通過するときに大きな圧力を受けるの
で、支持部（7b）により一旦分割されたことによる影響
がなくなる。

〔実施例〕

以下、この発明の食品押出製造装置のダイを、実施例と
した示した図面に基づいて説明する。

第１図は、食品押出製造装置の前端部を示したものであ
り、この実施例では、シリンダ（１）内に２本のスクリ
ュー（２）が配設されている。このシリンダ（１）の前
端には、この発明のダイ（３）が取り付けられている。

前記ダイ（３）は、ダイホルダー（４）、ダイ本体
（５）、整流片（６）、及び中子（７）より構成されて
いる。

ダイホルダー（４）は、シリンダ（１）の前端に固着さ
れると共に、シリンダ（１）内部と連通する案内通路
（８）が設けられている。

ダイ本体（５）は、ダイホルダー（４）に固定ボルト
（９）により取り付けられている。そして、ダイ本体
（５）には、第３図に示すように、後述する整流片
（６）の周囲に、複数個の貫通穴（10）が設けられてい
る。この貫通穴（10）は、円柱形状の窪部（10a）と、
前記窪部（10a）より小さな径の円柱形状の窪部（10c）
と、これらをつなぐ円錐台形状の窪部（10b）からなる
穴となっている。

整流片（６）は、処理された食品材料をダイ本体（５）
の方にスムーズに流すためのものであり、流線形をして
おり、ダイ本体（５）の略中央部に固定ボルト（11）に
より頭部をシリンダ（１）側に向けて取り付けられてい
る。

中子（７）は、第４図及び第５図に示したように、前記
貫通穴（10）の円柱形状の窪部（10a）に嵌合する外径
とした筒形部（7a）に、支持部（7b）を介してセンター
軸部（7c）を設けている。この中子（７）のセンター軸
部（7c）は、前記筒形部（7a）との間に案内通路（12）
を形成すると共に、前記貫通穴（10）の窪部（10b）と
の間に筒状の押出通路（13）の前半部となる絞り通路
（13a）、前記貫通穴（10）の窪部（10c）との間に筒状
の押出通路（13）の後半部となる小筒通路（13b）を形
成している。さらに、センター軸部（7c）の窪部（10
b）と対応する部分は、窪部（10b）より傾きの小さな円
錐台形状になっており、絞り通路（13a）を窪部（10b）
とにより押出通路（13）の径が次第に小さく且つ通路幅
が次第に狭くなるように形成している。

そして、ダイ（３）は、前記ダイ本体（５）に設けた貫
通穴（10）に、前記センター軸部（7c）を設けた中子
（７）を嵌め込み、前述した筒状の押出通路（13）を形
成すると共に、ダイ本体（５）の先端に輪形状の押出穴
（14）を形成している。

尚、ダイ本体（５）の先端に形成された押出穴（14）の
形状は、ダイ本体（５）に設けた貫通穴（10）や中子
（７）に設けたセンター軸部（7c）の形状を変えること
により、第７図（ａ）（ｂ）（ｃ）に示したような色々
な形状に変えることができる。

したがって、食品押出製造装置のシリンダ（１）内でス
クリュー（２）により、混練、加圧、加熱等の処理が施
された食品材料は、ダイホルダー（４）の案内通路
（８）から中子（７）の案内通路（12）に送られ、筒状
の押出通路（13）の前半部となる絞り通路（13a）から
筒状の押出通路（13）の後半部となる小筒通路（13b）
を通り、ダイ本体（５）の先端に形成した輪形状の押出
穴（14）から押し出され、適宜の長さに切断することに
より、内部を中空にした筒状の食品や、第８図に示した
ような輪形状の食品（15）を製造することができる。

〔発明の効果〕

この発明の食品押出製造装置のダイは、以上に述べたよ
うに構成されており、シリンダ内に投入した食品材料を
混練等の処理を行った後、押し出すことにより、内部を
中空にした筒状の食品や、輪形状の食品が製造できるの
で、従来、手作業で行っていたような煩雑な作業をする
ことなく、効率よく製造できる。

さらに、この発明の食品押出製造装置のダイにより押し
出された食品材料は、径が次第に小さく且つ通路幅が狭
くなった絞り通路の中を通り、絞り通路を通過するとき
に大きな圧力を受けるので、食品材料は支持部により一
旦分割されるが、押し出された食品材料は支持部により
分割されたことによる影響のないものになるという効果
もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明のダイ用いた食品押出製造装置の前
端部の断面図。第２図は、この発明のダイの正面図。第
３図は、ダイ本体の断面図。第４図は、中子の断面図。
第５図は、中子の拡大斜視図。第６図は、ダイ本体に中
子を嵌め込んだ状態を示す斜視図。第７図は、ダイ本体
の先端に形成される輪形状の押出穴の形状を示す説明
図。第８図は、輪形状の食品の斜視図。 （５）……ダイ本体 （７）……中子 （7a）……筒形部 （7b）……支持部 （7c）……センター軸部 （10）……貫通穴 （10a）（10b）（10c）……窪部 （12）……案内通路 （13）……押出通路 （13a）……絞り通路 （13b）……小筒通路 （14）……押出穴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ダイ本体（５）に窪部（10a）と、前記窪
   部（10a）より小さな径の窪部（10c）と、これらをつな
   ぐ台形形状の窪部（10b）からなる貫通穴（10）を設
   け、この貫通穴（10）に、前記窪部（10a）と嵌合する
   外径をした筒形部（7a）と、筒形部（7a）に支持部（7
   b）を介して設けられたセンター軸部（7c）とからなる
   中子（７）を嵌め込み、筒状の押出通路（13）を形成す
   ると共に、ダイ本体（５）の先端に輪形状の押出穴（1
   4）を形成した食品押出製造装置のダイであって、セン
   ター軸部（7c）の窪部（10b）と対応する部分が、窪部
   （10b）より傾きの小さな台形形状になっており、窪部
   （10b）とセンター軸部（7c）とにより、径が次第に小
   さく且つ通路幅が次第に狭くなるようになった絞り通路
   （13a）を形成していることを特徴とする食品押出製造
   装置のダイ。