JPH0683237A - 複写機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複写機の定着ロ−ラのオ−バ−シュ−トを防
止する。 【構成】 複写機の定着ロ−ラのヒ−タをコピ−終了時
ｔ₃より設定コピ−枚数より一定枚数前ｔ₅に強制的にヒ
−タを停止する。そして、コピ−終了時ｔ₃から一定時
間経過したときｔ₆、通常の温度制御に戻して、定着ロ
−ラの表面温度を設定温度にする。定着ロ−ラの表面温
度はコピ−操作の終了前にヒ−タの作動を停止している
ので、定着ロ−ラ内の蓄熱量が少量となり、コピ−終了
以後の定着ロ−ラ表面の温度の上昇が緩和され、オ−バ
−シュ−ト状態にならず、前回のコピ−操作の直後に次
回のコピ−操作を開始しても、画質の障害や転写材のシ
ワの発生が起こらない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トナ−像を転写された
転写材をヒ−タを内蔵し、制御装置により温度調整され
る定着ロ−ラと圧着ロ−ラとの間に挾持、搬送して定着
を行う定着装置を備えた複写機に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機の定着装置は未定着状態にあるト
ナ−像をコピ−用紙等の転写材に定着させる手段とし
て、熱（定着）ロ−ラとこのロ−ラに圧接する圧着ロ−
ラとの間に、トナ−像を転写された転写材を搬送して熱
定着していた。定着ロ−ラは内部にヒ−タを備えた金属
ロ−ラの表面をシリコンゴム、フッソゴム等の耐熱性、
弾力性を有する被覆体で覆った構成となっている。定着
ロ−ラは内部に配設されたヒ−タによって内部から加熱
するものであるが、ロ−ラは熱容量を持っているので、
ヒ−タをＯＦＦとしても熱伝導の関係から定着ロ−ラの
表面温度は上昇してしまう。

【０００３】例えば、定着ロ−ラの表面温度を検出し
て、制御装置によりヒ−タをＯＮ，ＯＦＦ制御するよう
構成する複写機の定着装置のロ−ラの表面温度の変化を
説明する（図４参照）。複写機のスイッチをＯＮすると
定着ロ−ラのヒ−タがＯＮされ、ロ−ラの加熱がスタ−
トし、ロ−ラの表面温度が設定温度に上昇するまでの間
（ｔ₀〜ｔ₁）はヒ−タはＯＮの状態となっている。余熱
状態の間（ｔ₁〜ｔ₂）はヒ−タはＯＮ，ＯＦＦを繰り返
して定着ロ−ラを設定温度に保持する。時間ｔ₂でコピ
−操作が指令され、定着ロ−ラが回転している間（ｔ₂
〜ｔ₃）は、定着ロ−ラ表面温度が低下するため、ヒ−
タは設定温度以下が検知されるとＯＮ状態となる。そし
て、コピ−終了時ｔ₃とともにロ−ラ表面温度が所定の
設定温度に速やかに復帰するように、ヒ−タの作動が制
御されている。しかし、検知されたロ−ラの表面温度に
よる制御指令の出力から、実際にヒ−タがＯＦＦ作動さ
れるまでには時間的な遅れが生じ、コピ−操作終了後に
おいても、ロ−ラ表面の実際の温度は相当に上昇してい
る。さらに、コピ−終了後、短時間であってもヒ−タが
ＯＮしていた定着ロ−ラは、熱容量を有するため、表面
温度が２２０℃〜２３０℃程度に急激に上昇（ΔＴ度）
する現象、オ−バ−シュ−トが発生する。そこで、コピ
−終了（ロ−ラ駆動モ−タ停止）後、一定時間はヒ−タ
電源をＯＦＦとして上記不都合を解決した発明が特開平
２−２０８６８３号公報に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、オ−バ−シュ
−ト状態のときにコピ−スタ−トをすると、ロ−ラの温
度過熱によるトナ−の溶けすぎがおこり、トナ−がロ−
ラに溶着しておこす記録画像の障害、高温による転写材
のシワ等の問題を発生させた。そこで、本発明はコピ−
操作の終了後、直ちに次のコピ−操作を開始しても、記
録画像の障害および転写材のシワの発生等の障害が発生
することのない複写機を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の複写機は、転写
材上に転写されたトナー像を熱定着させる定着装置の定
着ロ−ラに内装するヒ−タに作動、停止信号を出力する
複写機の制御装置は、設定されたコピ−モ−ドが終了す
る以前にヒ−タに停止信号を出力し、コピ−モ−ド終了
後の所定時間停止信号を出力し続ける構成を基本的構成
として具備する。

【０００６】そして、定着装置の定着ロ−ラへの制御装
置における強制的な制御信号の出力判定基準は、コピ−
枚数、定着ロ−ラの表面温度の降下量、降下率、あるい
は転写材のサイズであり、強制的な制御はヒ−タの停
止、解除だけでなく、定着ロ−ラのヒ−タに作動、停止
信号を一定時間毎に繰り返し出力する構成を具備する。

【０００７】

【作用】定着ロ−ラはコピ−終了の前にヒ−タの作動を
停止するので、コピ−終了までヒ−タを作動させていた
場合に比較して、ロ−ラ内に蓄熱される熱量が少量とな
る。

【０００８】

【実施例】図１は本発明を実施する複写機の概要を示す
説明図である。全体を符号１で示す複写機は、複写機の
原稿台上の原稿を走査する走査系２０により光学的に読
みとった画情報を感光体ドラム３０に露光する。感光体
ドラム３０の周囲には予め感光体ドラム３０を一様に帯
電させる帯電器（コロトロン）３１、感光体ドラム３０
上に形成された静電潜像にトナー像を形成する現像器３
３、および転写コロトロン３５が配設されている。一
方、転写材（記録シート）５は、給紙トレイ４０から矢
印Ａ方向に供給され、レジスタロール４１、デフレクタ
ロール４３を介して転写コロトン３５が配設される転写
部へ送られ、転写コロトロン３５の放電に伴って感光体
ドラム３０からトナー像が転写材５上に転写される。次
に、上記感光体ドラム３０は、転写材５に転写されなか
った残留トナーをクリーニング装置３７で除去された後
に再度帯電器３１で一様に帯電され、次の画像形成操作
の準備をする。トナー像の転写が終了した転写材５は定
着装置６０でトナー像の定着が施され、排出ローラ７０
によって排出トレイ８０上に排出される。これで画像を
形成する一連の記録動作が終了する。

【０００９】次に複写機１の定着装置６０を図２を参照
して説明する。定着装置６０は定着ロ−ラ６２と定着ロ
−ラ６２に圧接する加圧ロ−ラ６４とを備えている。定
着ロ−ラ６２はアルミニウム等の金属板よりなる中空筒
体６２２の表面に、シリコンゴム等の耐熱性を有する弾
性体を比較的厚くコ−テイングして弾性体層６２４を形
成している。中空中心部分にはハロゲンヒ−タ６２６が
配設される。ハロゲンヒ−タ６２６はほぼ８００Ｗの電
気容量を有する。定着ロ−ラ６２の円周上であって弾性
体層６２４に接してオイル供給ロ−ラ６６、転写材５の
剥離爪６７、温度制御用センサ６８が配設される。加圧
ロ−ラ６４はアルミニウム等の金属板よりなる中空筒体
６４２の表面をシリコンゴム等の耐熱性を有する弾性体
を比較的薄くコ−テイングして弾性体薄層６４４を形成
する。ここで、中空筒体６２２、６２４と弾性体層６２
４と弾性体薄層６４４の板厚の比率は、ほぼ８：３：１
の割合となっている。

【００１０】このように構成された定着装置は温度制御
用センサ６８によって定着ロ−ラ６２の表面の温度が検
知され、制御装置（図示せず）により、設定温度以下の
ときはヒ−タが作動し、設定温度以上のときはヒ−タを
停止させて、通常の状態として定着ロ−ラ６２の表面温
度が常時１７０℃となるように制御されている。定着装
置は矢印方向に回転している。矢印Ａ方向に進行してい
る転写材５の先端を両ロ−ラ６２、６４で挾持し、排出
トレイ８０方向に送り出す。この間に転写材５上のトナ
−像は転写材５上に熱溶着し、定着する。そして、剥離
爪６７によって転写材５は定着ロ−ラ６２から剥離され
て排出トレイ８０方向に搬送される。

【００１１】次に、定着ロ−ラ６２の温度制御を図３を
参照して説明する。図３のグラフは定着ロ−ル６２の表
面温度の変化と、ヒ−タの作動、停止のタイミングチャ
−トを示している。定着ロ−ラ６２表面の設定温度を１
７０℃とし、コピ−設定枚数がＮ枚とする。複写機のス
イッチを時間ｔ₀でＯＮするとハロゲンヒ−タ６２が作
動（ＯＮ）する。定着ロ−ラ６２の温度制御センサ６８
が設定温度（１７０℃）を時間ｔ₁で検知するまでハロ
ゲンヒ−タ６２は作動する（ｔ₀〜ｔ₁）。設定温度に達
した定着装置はコピ−操作が指令される時間ｔ₂までの
間（ｔ₁〜ｔ₂）、温度制御センサ６８からの情報に基づ
いて、制御装置は温度が設定温度以下のときはヒ−タ２
６２を作動させる信号を出力し、設定温度を検知すると
ヒ−タ２６２を停止（ＯＦＦ）する信号を出力して、設
定温度を保持する（余熱状態）。コピ−操作の指令が時
間ｔ₂になされると、定着ロ−ラ６２が回転を開始す
る。定着ロ−ラ６２の回転時に、定着ロ−ラ６２に圧接
して回転する加圧ロ−ラ６４、オイル供給ロ−ラ６６お
よび転写材５等に定着ロ−ラ６２の熱が伝達され、定着
ロ−ラ６２の表面温度は低下する。設定温度以下の表面
温度が検知された時ｔ₄、ヒ−タ６２６を作動させる。
しかし、定着ロ−ラ６２に内装するヒ−タ６２６が作動
しても、板厚が厚い弾性体層６２４が熱容量を持ち、さ
らに、ヒ−タ６２６から定着ロ−ル６２の表面までへの
熱伝達の遅れが生じるので、定着ロ−ラ６２の表面層の
温度は低下する。この間、設定温度以下を検知して制御
装置はヒ−タ２６２に作動信号を出力し続けるが、本発
明の制御装置はコピ−枚数のカウンタが（Ｎ−２）枚と
カウントした時ｔ₅、ヒ−タ６２６を強制的に停止（Ｏ
ＦＦ）させる信号を出力する。コピ−枚数カウンタがＮ
枚をカウントすることによりコピ−動作が終了した時ｔ
₃、定着ロ−ラ６２の回転が停止し、それにともなって
加圧ロ−ラ６４、オイル供給ロ−ラ６６の回転も停止す
る。定着ロ−ラ６２は接触するロ−ラ等による熱放散が
なくなり、かつロ−ラ自体が熱容量を持っているので、
ヒ−タ２６２を停止した後であってもロ−ラ表面の温度
は上昇する。そして、コピ−終了時ｔ₃から５秒経過し
た時ｔ₆、強制的なヒ−タＯＦＦ信号を解除して通常の
温度制御用センサ６８の情報に基づいた制御にもどす。
そして、次のコピ−モ−ドが指令されるまでは、制御装
置は通常のロ−ラ表面温度の検知信号によりヒ−タを作
動、停止（ＯＮ、ＯＦＦ）を繰り返させて、設定温度を
保持する余熱状態を維持する。

【００１２】本実施例はコピ−終了以前にヒ−タの作動
を停止させるため、ヒ−タの作動による定着ロ−ラ内の
蓄熱量が減少される。そして、コピ−操作停止後、ロ−
ラ内の熱がロ−ラ表面に伝達されるにはタイムラグが生
じるが、蓄熱量が少量のため、ロ−ラの表面温度の上昇
が少なくてすむ。そして、コピ−終了後、再度ヒ−タを
作動させたとき、急激なロ−ラ表面温度の上昇（オ−バ
−シュ−ト）が見られない。なお、設定コピ−枚数が２
枚以下の場合にはオ−バ−シュ−トが少ないので、制御
を行う必要がない。

【００１３】また、この実施例においては制御装置の制
御信号をコピ−枚数によって出力した場合を述べたが、
定着ロ−ラの表面温度の降下量、降下率を設定し、制御
装置は設定値を検知したとき強制的にヒ−タを停止させ
る信号を出力する構成、あるいは、転写材のサイズによ
って制御装置の定着ロ−ラのヒ−タの作動停止信号の出
力タイミングを変化させる構成とすることによって、よ
りきめ細かな定着ロ−ラの温度制御ができ、所望する効
果が得られる。さらに、強制的な制御の解除はコピ−終
了時からの時間に換えて、ロ−ラ表面温度が設定された
温度となった時に通常の制御とする構成としてもよい。

【００１４】

【発明の効果】本発明による複写機は、コピ−終了の前
に定着装置のヒ−タの作動を停止させ、定着ロ−ルの内
部からの加熱を停止しているので、コピ−終了時におけ
る定着ロ−ラに蓄熱される熱量が少なくなるので、コピ
−終了後の定着ロ−ラ表面への熱伝達熱量が少量とな
り、ロ−ラ表面温度の昇温が緩和される。そして、コピ
−終了後一定時間経過して定着ロ−ラのヒ−タを通常の
制御としたとき、急激な温度上昇とならないので、前回
のコピ−操作に続けて次回のコピ−操作を指令しても、
定着ロ−ルの過熱による記録画像の障害や、転写材のシ
ワの発生が起こらない。また、定着ロ−ラの表面に耐熱
性、弾性体（シリコンゴム等）を用いた場合、従来は金
属製の中空筒体との接着部分に高熱による接着不良が起
こったが、本発明によるコピ−終了後の蓄熱量の減少に
より、定着ロ−ルの接着不良が解決した。

【図面の簡単な説明】

【図１】 複写機の概要説明図。

【図２】 定着装置の説明図。

【図３】 定着ロ−ラの表面温度と、ヒ−タの作動タイ
ミングを示すグラフ。

【図４】 従来の定着ロ−ラの表面温度の変化を示すグ
ラフ。

【符号の説明】

１ 複写機 ５ 転写材、３０ 感光体ドラム、３５
転写ドラム、６０ 定着装置、６２ 定着ロ−ラ、６４
加圧ロ−ラ、６８ 温度制御センサ、６２６ハロゲン
ヒ−タ。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 転写材上に転写されたトナー像を熱定着
   させる定着装置を備えた複写機において、 定着装置の定着ロ−ラに内装するヒ−タに作動、停止信
   号を出力する複写機の制御装置は、設定されたコピ−枚
   数の所定枚数以下の枚数がカウントされたとき、ヒ−タ
   に停止信号を出力し、コピ−モ−ド終了後の所定時間停
   止信号を出力し続けるよう構成されている複写機。
2. 【請求項２】 定着装置の定着ロ−ラに内装するヒ−タ
   に作動、停止信号を出力する制御装置は、定着ロ−ラの
   表面温度の温度降下量が設定された降下量の値となった
   とき、あるいは設定された降下率値に達したとき、作動
   を停止する信号を出力するよう構成されている請求項１
   記載の複写機。
3. 【請求項３】 定着装置の定着ロ−ラに内装するヒ−タ
   に作動、停止信号を出力する制御装置は、転写材のサイ
   ズによりヒ−タの停止信号の出力タイミングを変化させ
   ている請求項１、または請求項２記載の複写機。
4. 【請求項４】 定着装置の定着ロ−ラに内装するヒ−タ
   に作動、停止信号を出力する制御装置は、設定されたコ
   ピ−モ−ドが終了する以前にヒ−タの作動を停止する信
   号を出力し、定着ロ−ラ表面温度が設定された温度とな
   ったとき、ヒ−タの停止信号を解除するよう構成されて
   いる請求項１、請求項２、請求項３のいずれかに記載の
   複写機。
5. 【請求項５】 請求項１、請求項２、請求項３、請求項
   ４のいずれかに記載の複写機の制御装置が設定条件に対
   して定着装置の定着ロ−ラのヒ−タに出力する制御信号
   が、ヒ−タの作動を一定時間間隔で作動、停止を繰り返
   す信号である複写機。