JPH0683203U - バーフィーダ移動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】バーフィーダ移動装置を、バーフィーダ全体を
主軸軸線と直交する方向に進退移動可能なように構成
し、旋削工作機械の主軸内に各種付属品を支障なく容易
に取付けることを可能とする。 【構成】バーフィーダの基体の下方に配設された基板２
と、基板２の旋削工作機械の主軸軸線方向両端に該主軸
軸線方向と直交する進退方向に延在して設けられる一対
のガイド部材６と、基板２の上部に一対のガイド部材６
の間に設けられバーフィーダ基体を支持するプレート８
と、プレート８の前記進退方向両端近傍に一対のガイド
部材６に外周部が当接しているローラ部材１４を回転自
在に両端部に支持するはり部材１０と、はり部材１０と
プレート８との間に設けられはり部材１０に対してプレ
ート８を昇降移動させ、プレート８を上昇させて基板２
よりプレート８を浮上させてプレート８上のバーフィー
ダ基体を移動可能とする昇降部材１１と、を備えてなる
バーフィーダ移動装置１とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、旋削工作機械に対し被加工物素材である長尺の棒材を所定の長さず つ順次供給するためのバーフィーダを工作機械の主軸軸線と直交する方向に進退 移動可能にしたバーフィーダ移動装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、バーフィーダは、図４に示すように、バーフィーダ２５が旋削工作機械 ２６（以下旋盤２６と記載）の主軸軸線方向後方に配設され旋盤２６に棒材を所 定の長さずつ供給するものである。このバーフィーダ２５は、ベースプレート２ ７，２８の上に支持部材を介してバーフィーダ２５のメインフレーム３０が略水 平状態に支持されている。また、メインフレーム３０は、ベースプレート２７側 の一端を支点にして他端側が回動可能に支持されているのが一般的である。そし て、棒材の直径が変更になり、旋盤２６の主軸内のチューブを入れ替える場合に は、メインフレーム３０を矢印Ｃ方向に回動させて旋盤２６の主軸近傍を開けて 所定の作業をしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述のようなバーフィーダを付属させている旋盤において、バーフ ィードによるバーワーク加工だけでなく、シャフトワークやチャックワーク加工 を行うことがある。そして、シャフトワークやチャックワーク加工では、主軸内 ストッパや主軸内クーラント等、バーワーク加工用付属品とは異なる各種付属品 を主軸内に取付ける場合も生じる。しかしながら、主軸内に各種付属品の交換・ 取付けを行うには作業性が悪かった。即ち、旋盤の主軸の近くにはベースプレー ト上の支持部材などがあり、またメインフレームは他端側が回動しただけで完全 に退避していないので作業をする上でメインフレームが邪魔となり、旋盤の主軸 内に各種付属品の取外し・取付けを行うのに支障が生じるという問題点があった 。 そこで、本考案は、バーフィーダ全体を主軸軸線と直交する方向に容易に進退 移動可能とし、上述した課題を解決したバーフィーダ移動装置を提供することを 目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述事情に鑑みなされたもので次のような手段をとる。 旋削工作機械の主軸軸線方向後方に配設され、前記旋削工作機械の主軸側に被 加工物素材を所定の寸法ずつ供給するとともに、前記主軸回転時には前記被加工 物素材を回転支承するバーフィーダを、前記主軸軸線方向と直交する進退方向に バーフィード位置と退避位置のあいだで移動させるバーフィーダ移動装置であっ て、前記バーフィーダの基体の下方に配設された基板と、この基板の前記主軸軸 線方向両端に、前記進退方向に延在して設けられる一対のガイド部材と、前記基 板の上部に、かつ、前記一対のガイド部材のあいだに設けられ、前記バーフィー ダ基体を支持するプレートと、このプレートの前記進退方向両端近傍に、かつ、 前記主軸軸線方向に延在して設けられ、前記一対のガイド部材に外周部が当接し ているローラ部材を回転自在に両端部に支持するはり部材と、このはり部材と前 記プレートとのあいだに設けられ、前記はり部材に対して前記プレートを昇降移 動させる昇降部材と、前記基板の前記進退方向両端近傍に設けられ、前記プレー トの前記バーフィード位置および前記退避位置への移動位置を位置決めするスト ッパ部材とを有し、前記バーフィーダを前記進退方向に移動させる際には、前記 昇降部材により前記プレートを上昇動作させて前記基板より前記プレートを浮上 させ、前記プレート上の前記バーフィーダ基体を移動可能としたことを特徴とす るバーフィーダ移動装置。

【０００５】

【作用】

上述構成に基づき、バーフィーダを移動させる場合には、固定ボルトおよび移 動ボルトをゆるめて引き抜き、昇降部材を操作し、基板に対してプレートを浮上 させ、ガイド部材上をプレートおよびバーフィーダ基体がローラ部材を介して転 動移動可能とする。バーフィーダ基体などを軽く押してバーフィード位置と退避 位置のあいだを主軸軸線と直交する進退方向に移動させる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に沿って、本考案による一実施例について説明する。 図３は本考案のバーフィーダ退避装置を備えたバーフィーダ付旋削工作機械を 示す平面図である。同図においてバーフィーダ２４が旋削工作機械２３（以下、 旋盤２３と記載）の主軸軸線方向後方に配設されバーフィーダ基体２２に挿入さ れた旋盤２３で加工を行う工作物の素材である棒材を旋盤２３に所定の長さずつ 主軸軸線方向主軸前方に前進させて供給可能なようにバーフィーダ基体２２側の 供給棒材の軸芯と主軸の軸芯とを一致させてある。また、バーフィーダ基体２２ は本考案のバーフィーダ移動装置１，１の上に略水平状態に支持されている。

【０００７】 本考案のバーフィーダ移動装置を図１及び図２を用いて説明する。 １はバーフィーダ移動装置であり、この実施例の説明では同じ構成のものがバ ーフィーダ２４の下に配置される。２（図２参照）はその基板であり、この基板 ２の周縁部は６本の基礎ボルト３により６か所のレベリングプレート５上に支持 され、基板２の主軸２３ａ（図３参照）の軸線方向両側にはガイド部材６がボル ト７により固定されている。 また、基板２上のガイド部材６の間にはプレート８が載置されている。このプ レート８の上面にバーフィーダ２４の支持部が固定されている。バーフィーダを 退避しない状態ではこのプレート８は主軸軸線方向と直交する方向である前後方 向の両端部において基板２に固定ボルト９で固定されている。更に、プレート８ 上面の前端部及び後端部近傍には２本のはり部材１０が配置されている。

【０００８】 また、２本のはり部材１０は各々主軸軸線方向両端の２か所に貫通孔１０ａを 有し、この貫通孔１０ａには昇降部材１１が挿入されプレート８に穿設されたね じ孔８ａに螺合している。なお、１２は昇降部材１１の頭部とはり部材１０に挟 持されたバネ部材である。はり部材１０の主軸軸線方向の側面には軸部材１３が 固設され、この軸部材１３にはローラフォロア１４が回転自在に支持されており 、このローラフォロア１４がガイド部材６，６上を前後方向に転動するようにな っている。

【０００９】 なお、昇降部材１１はバーフィーダ基体２２を前後方向に移動させる際に用い られるもので、昇降部材１１を締め付ける方向に移動させると、プレート８は上 方向へ移動して基板２から若干浮上した状態となり、はり部材１０及びプレート ８が一体となり、プレート８がガイド部材６，６間に案内されて移動できるよう に構成されている。一方、昇降部材１１を緩める方向に移動させると、プレート ８は下方向へ移動して基板２に当接した状態となる。

【００１０】 また、基板２の前端側略中央にはバーフィーダ基体２２の前端側位置決め用の 位置決めブロック１５が固設され、基板２の後端側略中央にはバーフィーダ基体 ２２の退避側（後端側）位置決め用の位置決めブロック１６が固設されている。 該位置決めブロック１５にはストッパボルト１７，１７が前後方向に移動可能に 螺設され、位置決めブロック１５の中央部には移動ボルト１８が前後方向に移動 可能に螺設されている。ストッパボルト１７はプレート８が当接した時、バーフ ィーダ２４の軸芯と、旋盤２３の主軸の軸芯とが一致するように、組付け時にあ らかじめ調整・固定されている。また、移動ボルト１８はプレート８をストッパ ボルト１７に確実に当接させるため、前記プレート８に形成されたねじ孔にねじ こまれてプレート８を基板２に対して移動させるものである。 また、基板２の後端側略中央には、バーフィーダ基体２２を後退させたときに 当接する退避位置位置決めブロック１６が固設されている。この退避位置位置決 めブロック１６にもストッパボルト１７，１７が螺設されている。１９はかかる 退避状態でプレート８を基板２に固定ボルト９でかり止めするための螺合可能な 退避位置用ねじ孔であり、基板２の前方左側に穿設されている。

【００１１】 次に本考案の作用を説明する。なお、バーフィーダ２４は図３の実線に示すよ うにバーフィーダ基体２２の供給棒材の軸芯と旋盤主軸の軸芯とが一致している バーフィード位置に位置決めされているものとする。この時、プレート８は基板 ２に、固定ボルト９により固定されている。また、図３に示すようにバーフィー ダは２か所のバーフィーダ移動装置１，１上に載置されているが、２か所のバー フィーダ移動装置は全く同じ構成のものであるから、以下の説明では一方のバー フィーダ移動装置についての操作のみ記載し、他方のバーフィーダ移動装置の説 明は省略する。

【００１２】 バーフィーダ２４を退避させる場合には、固定ボルト９及び移動ボルト１８を 緩めねじ孔よりぬきとることによりプレート８を基板２より移動可能とする。次 に、昇降部材１１を締め付けてはり部材１０側にプレート８を移動させ、プレー ト８を基板２から若干量浮上させる。すなわち、ガイド部材６上をバーフィーダ 基体２２がローラフォロア１４を介して転動移動可能となる。しかる後、バーフ ィーダ基体２２を進退方向後方に押すことによりバーフィーダ基体２２をバーフ ィード位置（Ａ位置）より退避位置（Ｂ位置）に転動させる（図３のＡ位置から Ｂ位置へ移動させる）。プレート８の後端側が退避位置位置決めブロック１６の ストッパボルト１７に当接して移動が規制される（図２の一点鎖線参照）。この 状態で前方左側の固定ボルト９を基板２の退避位置用ねじ孔１９に軽くねじ込ん でおき、プレート８およびバーフィーダ基体２２を退避位置にかり止め固定する 。そして、このバーフィーダ退避状態で、旋盤２３の主軸内に各種付属品の取付 け・取外し作業を行う。 バーフィーダ２４を旋盤２３のバーフィード位置に位置決めする際は、前記退 避操作と逆の操作を行ってプレート８の前端面を位置決めブロック１５のストッ パボルト１７に当接させる。この状態で昇降部材１１を緩める方向に回すと、プ レート８は下降方向へ移動して基板２に当接する。しかる後、移動ボルト１８を ねじ込むことによりプレート８をストッパボルト１７，１７に確実に当接させ、 バーフィーダ基体２２の供給棒材の軸芯と旋盤主軸の軸芯とを一致させる。そし て固定ボルト９を締め付けて基板２上にプレート８を固定する。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、固定ボルト、昇降部材、移動ボルトの 操作により、基板に対してプレートを浮上させ、ローラ部材を介したプレートお よびバーフィーダ基体をバーフィーダ基体を軽く押すだけで進退方向に転動移動 させることができる。このように、バーフィーダ基体を退避位置に移動させると 、主軸軸線方向後方の空間が大きくあくため、主軸に対して各種付属品の取付け ・取外しを容易に行うことができる。このように各種付属品の取付け・取外しが 容易におこなえるため、段取り換え時間が短縮され、生産能率の向上が図れる。 また、バーフィーダ付旋削工作機械で、主軸内に他の付属品を使用した加工も 可能となり、工作機械を効率的に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるバーフィーダ移動装置の要部詳細
側断面図である。

【図２】本考案によるバーフィーダ移動装置を示す平面
図である。

【図３】本考案によるバーフィーダ移動装置の移動動作
を説明する説明図である。

【図４】従来のバーフィーダを示す平面図である。

【符号の説明】

１ バーフィーダ移動装置 ２ 基板 ３ 基礎ボルト ５ レベリングプレート ６ ガイド部材 ８ プレート ９ 固定ボルト １０ はり部材 １１ 昇降部材 １２ バネ部材 １４ ローラフォロア １５ 位置決めブロック １６ 退避位置位置決めブロック ２２ バーフィーダ基体 ２３ 旋盤 ２４ バーフィーダ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 旋削工作機械の主軸軸線方向後方に配設
   され、前記旋削工作機械の主軸側に被加工物素材を所定
   の寸法ずつ供給するとともに、前記主軸回転時には前記
   被加工物素材を回転支承するバーフィーダを、前記主軸
   軸線方向と直交する進退方向にバーフィード位置と退避
   位置のあいだで移動させるバーフィーダ移動装置であっ
   て、 前記バーフィーダの基体の下方に配設された基板と、 この基板の前記主軸軸線方向両端に、前記進退方向に延
   在して設けられる一対のガイド部材と、 前記基板の上部に、かつ、前記一対のガイド部材のあい
   だに設けられ、前記バーフィーダ基体を支持するプレー
   トと、 このプレートの前記進退方向両端近傍に、かつ、前記主
   軸軸線方向に延在して設けられ、前記一対のガイド部材
   に外周部が当接しているローラ部材を回転自在に両端部
   に支持するはり部材と、 このはり部材と前記プレートとのあいだに設けられ、前
   記はり部材に対して前記プレートを昇降移動させる昇降
   部材と、 前記基板の前記進退方向両端近傍に設けられ、前記プレ
   ートの前記バーフィード位置および前記退避位置への移
   動位置を位置決めするストッパ部材とを有し、 前記バーフィーダを前記進退方向に移動させる際には、
   前記昇降部材により前記プレートを上昇動作させて前記
   基板より前記プレートを浮上させ、前記プレート上の前
   記バーフィーダ基体を移動可能としたことを特徴とする
   バーフィーダ移動装置。