JPH0682893A - 防水型レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンズ付きフイルムユニットを防水ケース内
に正しく位置決めして組み込み、使用時にもガタが生じ
ないようにする。 【構成】 ケース本体１５の上面内壁に、先端を先細に
したピン２９，３０を突設する。ピン２９，３０の突設
位置に対応し、レンズ付きフイルムユニット２の上に穴
１１，１２を形成する。ケース本体１５の開口１６から
レンズ付きフイルムユニット２を挿入するとき、ピン２
９，３０が穴１１，１２に挿通され、レンズ付きフイル
ムユニット２がケース本体１５に対して正しく位置決め
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は防水型レンズ付きフイル
ムユニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】予めフイルムが装填された状態で販売さ
れているレンズ付きフイルムユニットは、撮影後はフイ
ルムを取り出すことなく、そのままの状態で現像取扱店
に出せばよいという簡便さと安価なことから、一般に広
く利用されている。このようなレンズ付きフイルムユニ
ットを水中でも利用できるようにする目的で、水密構造
にした防水ケースにレンズ付きフイルムユニットを収納
し、防水ケース外から撮影操作ができるようにした防水
型レンズ付きフイルムユニット「写ルンです 防水」等
（商品名）が本出願人から市販されている。

【０００３】上記防水型レンズ付きフイルムユニット
は、周知のレンズ付きフイルムユニットを防水ケース内
に収納した状態で販売されており、撮影後は防水ケース
に入れたままで現像取扱店に出すようになっている。こ
の防水ケースは、例えば特開平２−２０３３２９号公報
や実開平４−５７０８号公報で知られるように、底面に
レンズ付きフイルムユニット挿入用の開口を形成した透
明樹脂製の箱型のケース本体と、この開口を水密に覆う
蓋体とから構成されている。そして、蓋体とケース本体
との間には枠体や発泡性樹脂製の防水シートが介装さ
れ、水密性が確保される。

【０００４】防水ケースの外部にはフイルム巻き上げ用
の操作ダイヤルやシャッタレリーズ用の操作レバーが設
けられ、さらにこれらが操作されたときの動きを防水ケ
ース内のレンズ付きフイルムユニットの所要部に伝達す
るために、ケース本体にはそれぞれ連動部材が組み込ま
れている。したがって、これらの連動部材をレンズ付き
フイルムユニットの所要部に確実に係合させるには、ケ
ース内でレンズ付きフイルムユニットを正しく位置決め
しておく必要がある。

【０００５】特に上述した「写ルンです 防水」では、
ケース本体に設けられたフイルム巻き上げ用の操作ダイ
ヤルの回転は、アイドラギヤを介して巻き上げギヤに伝
達され、この巻き上げギヤがレンズ付きフイルムユニッ
トに組み込まれているギヤに背後から噛み合っている。
したがってこれらの噛み合いが正しく保たれるように、
ケース本体の内壁にレンズ付きフイルムユニットの輪郭
に対応して突条を一体に形成し、これらの突条にレンズ
付きフイルムユニットの外壁を当接させてその位置決め
を行っていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レンズ
付きフイルムユニットの外形形状を基準にしてレンズ付
きフイルムユニットを防水ケース内に位置決めする場
合、レンズ付きフイルムユニットが前後左右に移動しな
いようにするためには少なくとも４本の突条が必要とな
り、しかもレンズ付きフイルムユニットの外形に対して
外側から当接させるためにケース本体が大きくなりやす
い。さらに、前記操作ダイヤルの回動軸と同軸に巻き上
げ軸を設け、前記開口を通してレンズ付きフイルムユニ
ットをケース本体に挿入してゆくときに、巻き上げ軸を
レンズ付きフイルムユニットのフイルム巻軸に係合させ
る際には、レンズ付きフイルムユニットの挿入位置をよ
り正確に決める必要があり、従来の外形基準の位置決め
では不充分であった。また、レンズ付きフイルムユニッ
トには外装として紙箱が用いられているため、外形基準
で位置決めを行おうとしても、紙箱が容易に変形してし
まうため、良好な位置決めを行うことができなかった。

【０００７】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、ケース本体に撮影ユニットを組み入れるとき
に、より正確なガイドを行うことができ、さらにケース
本体に収納した後も撮影ユニットが防水ケース内でガタ
つくことがないようにした防水型レンズ付きフイルムユ
ニットを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、撮影ユニット挿入用の開口に対面するケー
ス本体の内壁に少なくとも２つの突起を形成し、これら
の突起を撮影ユニットに設けた穴に挿通させて撮影ユニ
ットの位置決めを行うようにしてある。したがって、前
記突起を撮影ユニットの外形輪郭内に設ければ済み、ケ
ース本体の小型化が可能になるだけでなく、撮影ユニッ
トをケース本体に挿入してゆく途中で突起と穴とが係合
した後は、撮影ユニットの挿入が正確にガイドされる。
また、撮影ユニットが紙箱で被覆されているときには、
紙箱に前記突起が通る開口を開けておくことによって、
撮影ユニットを突起で正確に位置決めすることができ
る。

【０００９】

【実施例】本発明の防水型レンズ付きフイルムユニット
を部分的に破断した様子を示す図１及び、分解した状態
を表した図２において、レンズ付きフイルムユニット２
は、フイルムを内蔵するとともにシャッタ機構等を組み
込んだユニット本体３と、これを覆った紙箱４とからな
る。ユニット本体３に設けられた撮影レンズ５，ファイ
ンダ対物窓６，カウンタ表示窓７，シャッタボタン８等
を露呈させるために、紙箱４の所要部には穴が開けられ
ている。なお、紙箱４の穴は樹脂製のユニット本体３に
形成した穴よりも大きくなっている。

【００１０】このレンズ付きフイルムユニット２は、後
述する構造をもった防水ケースに封入して使用されるこ
とを前提にして作られており、フイルム巻き上げダイヤ
ル９の中心に穴が設けられ、その内周にはローレット歯
１０が形成されている。ローレット歯１０は、ユニット
本体３並びに紙箱４に形成した穴を通して外部に露呈し
ている。またレンズ付きフイルムユニット２の上面に
は、ほぼ対角線上に位置して紙箱４及びユニット本体３
を貫通する穴１１，１２が形成されている。

【００１１】レンズ付きフイルムユニット２は、透明な
樹脂で成形されたケース本体１５に対し、その底面に形
成した開口１６から挿入される。開口１６にはさらに底
蓋１７が水密に嵌着され、レンズ付きフイルムユニット
２は防水ケース内に封入される。なお、底蓋１７の内面
には枠体１８及び発泡性樹脂からなる防水シート１９が
積層され、底蓋１７をケース本体１５に嵌着したとき
に、レンズ付きフイルムユニット２を上に押しつける。

【００１２】ケース本体１５にはレリーズレバー２１，
操作ダイヤル２２が取り付けられている。レリーズレバ
ー２１はケース本体１５内のレリーズ板２３と連結さ
れ、レリーズレバー２１の操作によりレリーズ板２３が
反時計方向に回動すると、シャッタボタン８が押されて
シャッタレリーズが行われる。操作ダイヤル２２はケー
ス本体１５の上面に設けたボスに回動自在に挿入され、
操作ダイヤル２２の下面に突出した回転軸にはＯリング
２４が嵌められ、さらにトルクリミッター２５が連結さ
れる。トルクリミッター２５は、操作ダイヤル２２の回
転を駆動軸２６に伝達するが、規定以上の負荷がかかっ
た状態では操作ダイヤル２２を空回りさせる。

【００１３】ケース本体１５にはさらに逆止爪２７が取
り付けられる。逆止爪２７は、操作ダイヤル２２の内面
に形成されたクラッチ歯に噛合し、図２において操作ダ
イヤル２２は反時計方向には回動操作可能であるが、時
計方向への回動は禁止されるようになっている。ケース
本体１５の上面内壁には、先端を先細のテーパ状にした
２本のピン２９，３０が突設されている。これらのピン
２９，３０は、レンズ付きフイルムユニット２の上面に
設けられた穴１１，１２に対応した位置にあり、開口１
６からレンズ付きフイルムユニット２をケース本体１５
に入れたときに穴１１，１２に入り込む。なお、符号３
２はケース本体１５に一体に成形された凸レンズを示
し、ケース本体１５外からカウンタ表示窓７を観察しや
すくしている。

【００１４】上記構成による作用について説明する。防
水型レンズ付きフイルムユニットの製造時には、自動組
み立て装置により、開口１６を通してケース本体１５に
レンズ付きフイルムユニット２が挿入される。レンズ付
きフイルムユニット２を挿入してゆく過程で、まず開口
１６に対面した面に下向きに突出しているピン２９，３
０が紙箱４及びユニット本体３を貫通して形成された穴
１１，１２に入る。このとき、ピン２９，３０の先端が
テーパになっているため、ピン２９，３０は穴１１，１
２に容易に係合する。

【００１５】さらにレンズ付きフイルムユニット２を挿
入する過程では、ピン２９，３０と穴１１，１２との係
合により、レンズ付きフイルムユニット２はケース本体
１５に対して一定の位置に位置決めされ、駆動軸２６は
レンズ付きフイルムユニット２の外部に露呈されたロー
レット溝１０に対して正対する。したがって、そのまま
レンズ付きフイルムユニット２を挿入してゆけば、図２
に示したように駆動軸２６とローレット溝１０とが正し
く噛合するようになる。また、ピン２９，３０が穴１
１，１２に完全に挿通され、ケース本体１５に対してレ
ンズ付きフイルムユニット２がガタつくことがない。ま
た、最終的にはケース本体１５に一体化した樹脂製のピ
ン２９，３０が樹脂製のユニット本体３の穴１１，１２
に嵌まり込むので、しっかりとした位置決めができる。

【００１６】しかる後に底蓋１７で開口１６が水密に覆
われる。そして底蓋１７に取り付けられている枠体１
８，防水シート１９により、レンズ付きフイルムユニッ
ト２はケース本体１５の上面内壁に押しつけられるか
ら、レンズ付きフイルムユニット２は防水ケース内に緊
密に固定される。使用中にはフイルム巻き上げの度に操
作ダイヤル２２が回動操作される。このとき、反作用に
よってレンズ付きフイルムユニット２には駆動軸２６回
りの回転力が派生するが、ピン２９，３０と穴１１，１
２との係合によってレンズ付きフイルムユニット２が防
水ケース内で回動することもなくなる。

【００１７】以上、図示した実施例にしたがって本発明
について説明してきたが、ケース本体の内面に突設する
ピンの本数並びにピンが挿通されるレンズ付きフイルム
ユニットの穴の個数を増やしてもよく、また一部のピン
を長くしておくことによって、レンズ付きフイルムユニ
ットを挿入するときのガイド範囲を長くすることもでき
る。さらに上記実施例では、駆動軸とローレット溝との
係合のためにレンズ付きフイルムユニットをケース本体
の底面から挿入するようにしてあるが、必ずしもこれに
限定されるものではなく、例えばケース本体の背面や側
面からレンズ付きフイルムユニットを挿入するような場
合にも適用可能である。

【００１８】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、撮影ユニットが挿入される開口に対面したケース本
体の内壁に少なくとも２つの突起を形成し、これらの突
起を撮影ユニットに形成した穴に係合させて撮影ユニッ
トの位置決めを行うようにしてあるから、撮影ユニット
の外形輪郭内で正しくその位置決めを行うことができ、
ケース本体の小型化も可能になる。さらに、撮影ユニッ
トが紙箱で覆われている場合にも、紙箱に開口を形成し
ておくことによって、この開口を通して撮影ユニットの
穴に突起を嵌入させることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を用いた防水型レンズ付きフイルムユニ
ットの分解斜視図である。

【図２】図１の防水型レンズ付きフイルムユニットの要
部破断背面図である。

【符号の説明】

２ レンズ付きフイルムユニット １１，１２ 穴 １５ ケース本体 １６ 開口 ２２ 操作ダイヤル ２６ 駆動軸 ２９，３０ ピン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影機構が組み込まれ予めフイルムが収
   納された撮影ユニットと、この撮影ユニットを装填する
   開口が形成された箱型のケース本体と、このケース本体
   内に前記撮影ユニットを収納した後に前記開口を水密に
   覆う蓋体とからなる防水型レンズ付きフイルムユニット
   において、 前記開口に対面する防水ケースの内壁に少なくとも２つ
   の突起を形成するとともに、撮影ユニットの外壁には前
   記２つの突起が嵌入する穴を形成し、蓋体及び前記突起
   により撮影ユニットをケース本体内に位置決めしたこと
   を特徴とする防水型レンズ付きフイルムユニット。
2. 【請求項２】 前記撮影ユニットは紙箱で被覆され、こ
   の紙箱には前記突起突起に対応する位置に開口が設けら
   れていることを特徴とする請求項１記載の防水型レンズ
   付きフイルムユニット。