JPH0682506U - 非接触厚さ計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄等の導電体に塗布された塗料の塗膜又は張
られた紙、写真用フィルムその他の薄膜の厚さを非接触
にて測定する装置を提供することを目的とする。 【構成】２個のレーザ距離センサを鉄等の導電体の面に
直角に取付け、その中点に渦電流距離センサ又は電磁距
離センサを取付ける。両者の導電体の面までの距離の差
をＳとする，レーザ距離センサの発生電圧は夫々の距離
変換アンプａ，ｃを経由して距離演算器ｄに入れ、塗膜
面までの距離の平均値から上記Ｓを引いたものを演算さ
せて距離膜厚演算器ｅに入力する。同時に渦電流距離セ
ンサ又は電磁距離センサの変化電圧も距離変換アンプｂ
を経由して距離を表す電圧に変化し、距離膜厚演算表示
器ｅに入力し、両入力の差Ｔ即ち膜厚を演算して表示す
る。本装置は非接触測定であるので未乾燥の塗膜でも測
定できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鉄鋼等の導電性材料表面に塗布された塗料又は貼着された薄膜等の厚 さを非接触にて測定する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

鉄鋼その他の金属等の導電体表面に塗料を塗布した材料は、塗料の性能進歩に より金属強度を保有すると共に耐蝕性等も向上し、あらゆる製品に使用されてそ の価値を高めている。その場合の塗料は一定厚さ以上に厚いことは必要がなく、 反って有害であり且つ経済的損失となる。従って試験的又は経験的に決められた 一定厚さに塗布することが求められる。そのためには塗膜の厚さの正確な測定が 必要となるが、測定値により塗膜の厚さを調節するためには塗布直後の塗料が乾 燥する前に測定しなければならない。また導電体表面に張り付けられた紙、写真 用フィルム、その他の薄膜等についても同様な事が言える。

【０００３】 従来の測定法を説明する。図２に示す回路において鉄板等の導電体１の表面に 塗布された塗膜２又は貼着された薄膜等の厚さｔを測定するために、鉄芯入りコ イルの鉄芯３の先端を鉄板等の導電体１に近付けると、その距離の僅かな変化に 対応してコイルのインダクタンスが変化する。この原理を利用して膜厚ｔを測定 していた。しかしこの方法による測定には鉄芯３の先端を塗膜２又は薄膜等の表 面に接触させる必要があるため、未硬化状態の塗膜２又は変形し易い薄膜等を傷 付ける虞があり、接触による測定法は不適当である。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

本考案は鉄板等の導電体の表面に塗布された塗膜又は貼着された薄膜等の厚さ Ｔを測定するために、塗膜又は薄膜を傷付ける虞ある接触による測定法に代え、 非接触による塗膜又は薄膜の厚さ測定装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

本考案による装置は図１に示すように、鉄等の導電体１の表面に塗布された塗 膜又は張付けられた薄膜等の厚さＴを測定するために、塗膜２又は薄膜等の面に 直角に２個のレーザー距離センサ３，５を取付け、その中点に渦電流距離センサ 又は電磁距離センサ４を設ける。レーザー距離センサ３、５は同一装置に装着さ れているので塗膜２又は薄膜等の面から略同距離であるが、渦電流距離センサ又 は電磁距離センラ４とは距離差Ｓが生ずる。２個のレーザー距離センサ３，５の 電圧は夫々電圧距離変換アンプａ，ｃを経由し、更に上記面との距離Ｘ，Ｙの平 均値から渦電流距離センサ又は電磁距離センサ４との距離の差Ｓを差し引く距離 演算器ｄを経由して距離・膜厚演算表示器ｅに接続し、又渦電流距離センサ又は 電磁距離センサ４の電圧も電圧距離変換アンプｂを経由して距離・膜厚演算表示 器ｅに接続した非接触厚さ計である。

【０００６】

【作用】

レーザー距離センサ３、５は同一装置に取付けられているが、その装置が塗膜 等に対し傾いて固定された場合を考慮して２個の平均値を取る構造になっている 。この２個のセンサを結ぶ線の直角方向に更に１個設ければ厚さ測定精度は理論 上では更に上がるが、実際は無視できる程度上がるに過ぎず、測定装置の価格が 上がるだけ不利益となることが分かり２個のみとした。そして渦電流距離センサ 又は電磁距離センサ４はそれらの中点でなければならない。

【０００７】 図１に示すように、レーザー距離センサ３、５の塗膜等の表面までの距離を夫 々Ｘ，Ｙとし、渦電流距離センサ又は電磁距離センサ４の鉄等導電体１の表面ま での距離をＡとする。尚、レーザー距離センサ３、５と渦電流距離センサ又は電 磁距離センサ４の鉄等導電体１の表面までの距離の差Ｓは塗膜等を塗布する前に 予め測定するか、若しくは鉄等導電体１に無関係に測定できる。 先ずレーザー距離センサ３、５の発生電圧を夫々距離変換アンプａ，ｃを通し て距離に比例する電圧に変換し、これらを距離演算器ｄに入れて次の演算をさせ Ｚ＝１／２（Ｘ＋Ｙ）−Ｓ その電圧と、渦電流距離センサＸは電磁距離センサ４の発生電圧を距離変換アン プｂを通して距離に比例するように変換した電圧とを距離・膜厚演算表示器ｅに 接続して膜厚を表示させる。その演算は次式で表わされる Ｔ＝Ａ−Ｚ 尚、レーザー距離センサ３、５と電圧・距離変換アンプａ，ｃ及び渦電流距離 センサ又は電磁距離センサ４と電圧・距離変換アンプｂは夫々組合わせて市販さ れ、距離演算器ｄ、距離・膜厚演算表示器ｅも市販品である。

【０００８】

【考案の効果】

本考案に係る装置は鉄等導電体の表面に張られた塗膜等の薄膜の膜厚を非接触 で測定できるので、 １．塗装直後の塗膜厚さの測定 ２．鋼板表面、鋼管内外面塗装等の膜厚測定のオンライン化 ３．紙、フィルム、その他薄膜成形時のオンラインにおける厚さ測定 ４．接触式厚さ計によっては製品を傷付ける懸念のある商品の厚さ測定 等の応用が考えられるほか、ラインの工程管理、歩留り向上等に役立ち又塗膜の 乾燥過程中の膜厚変化等の物性研究方面への応用も期待される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る非接触厚さ測定法の回路図

【図２】従来の接触厚さ測定法の回路図

【符号の説明】

１ 鉄等導電体 ２ 塗膜の膜厚 ３，５ レーザー距離センサ ４ 渦電流距離センサ又は電磁距離センサ ａ，ｂ，ｃ 電圧・距離変換アンブ ｄ 距離演算器 ｅ 距離・膜厚演算表示器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄等の導電体の表面に塗布された塗膜又
   は張り付けられた薄膜等の厚さＴを測定するために、塗
   膜又は薄膜等の面に直角に２個のレーザー距離センサ
   ３，５と、その中点に渦電流距離センリ又は電磁距離セ
   ンサ４を設け、２個のレーザー距離センサの電圧は夫々
   電圧距離変換アンプａ，ｃを経由し、上記面との距離の
   平均値から、渦電流距離センサ又は電磁距離センサ４の
   上記面との距離の差Ｓを差し引く距離演算器ｄを経由し
   て、距離・膜厚演算表示器ｅに接続し、電圧距離変換ア
   ンプｂを経由した渦電流距離センサ又は電磁距離センサ
   ４の電圧もまた距離・膜厚演算表示器ｅに接続した非接
   触厚さ計