JPH0682457A - オートラジオグラム測定方法 - Google Patents

オートラジオグラム測定方法

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JPH0682457A
JPH0682457A JP26069092A JP26069092A JPH0682457A JP H0682457 A JPH0682457 A JP H0682457A JP 26069092 A JP26069092 A JP 26069092A JP 26069092 A JP26069092 A JP 26069092A JP H0682457 A JPH0682457 A JP H0682457A
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Masashi Hakamata
正志 袴田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光性銀塩フィルムを用いた二重標識法によ
るオートラジオグラフィーの問題点を解決し、単純な構
成の蓄積性蛍光体シートを用いて、画像の分離が充分
で、高精度の複数の放射性標識物質の放射線画像を得る
ことができる方法を提供すること。 【構成】 生物体の組織試料または生物体由来の組織も
しくは物質を含む媒体試料に分布する平均エネルギーが
互いに相違する放射性同位元素により標識された放射性
標識物質の位置情報を得るためのオートラジオグラム測
定方法において、保護層の厚さが異なるか、あるいは保
護層のない蓄積性蛍光体シートを用い、放射性標識物質
中の保護膜の透過エネルギーの違いを利用して、それぞ
れの放射性標識物質の分布に対応した画像もしくは画像
に対応する画像信号を独立に得る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なオートラジオグ
ラム測定方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、生
物体の組織試料または生物体由来の組織もしくは物質を
含む媒体試料に分布する平均エネルギーが互いに相違す
る二種以上の放射性標識物質の位置情報を得ることから
なるオートラジオグラム測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放射性同位元素により標識された物質を
生物体に投与したのち、その生物体、あるいは、その生
物体の組織の一部を試料とし、この試料と高感度X線フ
ィルムなどの放射線フィルムとを一定時間重ね合わせる
ことによって、該フィルムを感光(あるいは、露光)さ
せ、その感光部位から該試料中における放射性標識物質
の位置情報(分布等)を得ることからなるオートラジオ
グラフィー(ラジオオートグラフィーとも呼ばれる)、
すなわちオートラジオグラム測定方法は、従来より知ら
れている。このオートラジオグラフィーは、たとえば、
生物体における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状
態などを詳しく研究するために利用されている。
【0003】また近年では、オートラジオグラフィー
は、蛋白質、核酸などのような生物体由来の高分子物質
に放射性標識したのち、その放射性標識高分子物質、そ
の誘導体あるいはその断片物などをゲル電気泳動処理す
ることにより分離展開して得られた電気泳動媒体上の放
射性標識物質の位置情報を得るためにも有効に利用され
ている。そして、その位置情報に基づいて高分子物質の
分離、同定、あるいは高分子物質の分子量、特性の評価
などを行なう方法も開発され、実際に利用されている。
【0004】さらに、例えば生物体における代謝経路な
どを解明するために、二種類の放射性同位元素を用いた
二重標識法(ダブル・トレーサー法)によるオートラジ
オグラフィーも提案されている。すなわち、相異なる二
種以上の放射性同位元素で標識された放射性標識物質を
それぞれ生物体に投与し、放射性標識物質ごとの(すな
わち、各放射性同位元素ごとの)オートラジオグラムを
得ることにより、生体内における代謝、化学反応などを
明らかにすることが試みられている。
【0005】このような二重標識法を利用するオートラ
ジオグラフィー用の放射線フィルムとして、たとえば特
公昭47−45540号公報には、二層のハロゲン化銀
からなる乳剤層中にそれぞれ色相の異なるカプラーを含
有させ、かつ乳剤層の層厚を調整することにより、トリ
チウム( 3H)およびその他の放射性同位元素の分布像
を分別記録するためのカラー・オートラジオグラフィー
用ハロゲン化銀写真感光材料が開示されている。
【0006】しかし、従来の放射線写真法によるオート
ラジオグラフィーにおいては、異なる放射性同位元素に
よって多重に標識された試料のオートラジオグラフ像
(オートラジオグラム)を同位元素別に得ることは非常
に困難である。たとえ上記のような放射線フィルムを用
いたとしても、オートラジオグラムはそれぞれ発色の異
なる色素像として一枚の放射線フィルム上に可視化され
て記録されるために、研究者はその色相の違いによって
のみ個々のオートラジオグラムを判別し、解析しなけれ
ばならない。そして、異なるオートラジオグラムが一枚
の放射線フィルム上に記録されているために、試料中の
放射性標識物質の位置情報を高精度に得ることができな
いという問題があった。
【0007】このため、最近では、放射性同位元素の半
減期の違いを利用するダブルオートラジオグラフィー
(二核種標識オートラジオグラフィー)も利用されてい
る。この方法は、半減期が互いに大きく相違する二核種
(例、 123I:半減期約13時間、14C:半減期約57
30年)を用い、それぞれ該二核種で標識された二種類
の放射性標識物質を生体に投与し、一定時間経過後のそ
れぞれの放射性標識物質の生体内における分布を調べる
ために、該生体から取り出した試料をすぐにX線フィル
ムと重ね合せてオートラジオグラフィーにかけ、該二核
種で標識された二種類の放射性標識物質の画像をX線フ
ィルム上に得たのち、長時間放置し、その後(すなわ
ち、半減期の短い核種の放射性が殆ど消滅した後)、再
度同様なオートラジオグラフィーを実施して、今度は、
半減期の長い核種で標識された放射性標識物質の画像の
みをX線フィルム上に得て、次いで先のオートラジオグ
ラフィーで得られた放射性標識物質の画像から、放置後
のオートラジオグラフィーで得られた放射性標識物質の
画像(半減期の長い核種で標識された放射性標識物質の
試料中の分布を示す画像)を除くサブトラクション処理
を行なうことにより、半減期の短い核種で標識された放
射性標識物質の試料中の分布を示す画像を得る方法であ
る。この方法では、精度の高いそれぞれの画像が得られ
るが、短い核種の放射性をほぼ消滅させるためには、長
時間(例えば、上記の 123Iと14Cとの組合せを利用し
た場合には、2ケ月間程度)の放置が必要となり、研究
が遅延するとの問題がある。また、銀塩フィルム上に生
成する画像(黒化画像)の画像濃度と放射線量との関係
には直線性がないため、上記のサブトラクションを実施
するためには、複雑な関数式を用いる必要があるため、
煩雑になりやすい。
【0008】さらに、X線フィルム(感光性銀塩フィル
ム)を用いるオートラジオグラフィーを実際に利用する
場合にはいくつかの問題がある。すなわち、放射性標識
物質を含む試料のオートラジオグラムを得るために、試
料と高感度X線フィルムなどの放射線フィルムとを一定
時間重ね合わせて、フィルムを感光(露光)させること
が行なわれているが、この露光操作が長時間(数十時間
〜数日間)を必要とする。これは、オートラジオグフィ
ーの測定対象となる試料には一般に高い放射性が付与さ
れていないことによる。そして、この露光操作は通常、
低温(たとえば、0℃〜ー80℃)で行なわなければな
らない。その理由は、室温などの比較的高い温度では放
射線または蛍光による感光によって形成されたフィルム
上の銀塩中の潜像が退行して現像できない像となりやす
く、また、上記の試料から銀塩に対して有害な成分が移
動するなどして化学カブリを形成しやすいからである。
オートラジオグラフィーによって得られる画像にこのよ
うなカブリが発生した場合には、放射性標識物質の位置
情報の精度は著しく低下したものとなる。また、化学カ
ブリなどによる画質の低下を防ぐために、放射性標識物
質を含む試料を乾燥した状態で放射線フィルムと重ね合
わせて露光させなければならない。このため、通常は試
料の乾燥もしくは合成樹脂フィルム等による試料の包装
が行なわれている。
【0009】なお、放射線フィルムの感光成分の銀塩は
化学的刺激のみでなく、フィルムの移動、設置などの作
業に伴う物理的な刺激にも影響されやすい欠点があり、
これもオートラジオグラフィーの操作を困難にし、かつ
その精度を低下させる原因となる。すなわち、試料との
接触などに起因する物理的圧力などによって放射線フィ
ルムは物理的カブリ現象を起す傾向がある。そして、そ
のような放射線フィルムの物理的カブリの発生を回避す
るためには、その取扱い作業において高度の熟練と注意
とを必要とし、オートラジオグラフィーの操作をさらに
複雑にする結果となる。
【0010】さらに、従来のオートラジオグラフィーで
は上記のように長時間の露光操作が行なわれるため、放
射性標識物質以外の試料に含まれる自然放射能もまた放
射線フィルムの露光に関与し、得られる放射性標識物質
の位置情報の精度を低下させるという問題がある。その
ような自然放射能による妨害を除くために、例えば、対
照試料を用いた並行実験の実施、露光時間の適正化など
が図られているが、並行実験の実施による実験回数の増
大、好適な露光時間の決定を行なうための予備実験の必
要性などにより、その操作全体が煩雑になるとの欠点が
ある。
【0011】上記のような感光性銀塩フィルム感光材料
を用いる従来のオートラジオグラフィーに附随するな問
題点を解決するために、感光材料として、輝尽性蛍光体
を含有する蛍光体層を有する蓄積性蛍光体シート(放射
線像変換パネル)を用いるとの発明が既に提案されてい
る(特開昭59−83057号公報)。また、特に二重
標識法によるオートラジオグラフィーに附随する上記の
ような問題点を解決するために、輝尽性蛍光体を含有す
る蛍光体層を複数層有する蓄積性蛍光体シートもしくは
蓄積性蛍光体シート積層体を用いるとの発明も既に提案
されている(特開昭62−93679号公報)。
【0012】後者の発明は、従来の感光性銀塩フィルム
を用いた二重標識法によるオートラジオグラフィーに附
随する前記の問題点を解決するために有効なものである
が、用いる複数の核種に応じた複数の層厚の異なる輝尽
性蛍光体層(積層体もしくは複数の輝尽性蛍光体シー
ト)を用意する必要がある点、一回の読み取り操作で複
数の核種の放射線画像が得られるとの利点がある一方、
それらの放射線画像の分離条件を決定するのが簡単では
ないとの問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の感光性銀塩フィルムを用いた二重標識法によるオート
ラジオグラフィーに附随する前記の問題点を解決し、か
つ、特に複数の輝尽性蛍光体層(積層体もしくは複数の
輝尽性蛍光体シート)を用意する必要がなく、また簡単
な読み取り操作を繰り返し、その後は簡単な信号処理操
作を行なうことにより、充分に分離された(すなわち、
他の放射線画像の影響を無視できる)高精度の複数の核
種の放射線画像が得ることができるオートラジオグラム
測定方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】生物体の組織試料、また
は生物体由来の組織もしくは物質を含む媒体試料に分布
する平均エネルギーが互いに相違する放射性同位元素に
より標識された二種以上の放射性標識物質の位置情報を
得るためのオートラジオグラム測定方法において、 1)該試料を、表面に保護膜を有する輝尽性蛍光体層を
含む蓄積性蛍光体シート上に該保護膜を介して一定時間
重ね合わせることにより、平均エネルギーが相対的に高
い放射性標識物質から放出される放射線エネルギーを輝
尽性蛍光体層に吸収させて蓄積記録させる工程; 2)該蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を電磁波に
より励起して、該輝尽性蛍光体層に蓄積記録されている
放射線エネルギーを輝尽光として放出させ、そしてこの
輝尽光を検出することにより、平均エネルギーが相対的
に高い放射性標識物質の位置情報を示す画像信号を得る
工程; 3)該試料を、表面に保護膜を持たないか、または上記
1)の工程で用いた保護膜よりも薄い保護膜を有する輝
尽性蛍光体層を含む蓄積性蛍光体シートの該輝尽性蛍光
体層の上に直接、あるいは該保護膜を介して一定時間重
ね合わせることにより、平均エネルギーが相対的に高い
放射性標識物質および平均エネルギーが相対的に低い放
射性標識物質の双方から放出される放射線エネルギーを
輝尽性蛍光体層に吸収させて蓄積記録させる工程; 4)上記3)の工程を経た蓄積性蛍光体シートの輝尽性
蛍光体層を電磁波により励起して、該輝尽性蛍光体層に
蓄積記録されている放射線エネルギーを輝尽光として放
出させ、そしてこの輝尽光を検出することにより、平均
エネルギーが相対的に高い放射性標識物質および平均エ
ネルギーが相対的に低い放射性標識物質の双方の位置情
報を示す画像信号を得る工程; 5)上記4)の工程で得られた画像信号から、上記2)
の工程で得られた画像信号間を除くサブトラクション処
理を行なうことにより、該試料中の二種以上の放射性標
識物質それぞれについての位置情報を得る工程;を含む
ことを特徴とするオートラジオグラム測定方法。
【0015】本発明において試料に含有されている放射
性標識物質の「位置情報」とは、試料中の放射性標識物
質またはその集合体の位置を中心とする各種の情報、た
とえば、試料中に存在する放射性物質の集合体の存在位
置と形状、その位置における放射性物質の濃度、分布な
どからなる情報の一つもしくは任意の組合わせとして得
られる各種の情報を意味する。また、本発明において
「二種以上の放射性標識物質」とは、放射性標識を異に
する同一物質をも包含する。
【0016】本発明で用いる蓄積性蛍光体シートは放射
線像変換パネルとも呼ばれるものであり、その例は、特
開昭55−12145号公報などに記載されており、そ
の一般的な構成としては既に公知である。即ち、蓄積性
蛍光体シートは輝尽性蛍光体からなるものであり、被写
体を透過した放射線エネルギー、あるいは被検体から発
せられた放射線エネルギーを該シートの輝尽性蛍光体に
吸収させ、そののちに該シートを可視乃至赤外領域の電
磁波(励起光)を用いて励起することにより、該シート
の輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを
蛍光として放出させることができるものである。従っ
て、被写体あるいは被検体の放射線像は、この蛍光を光
電的に読み取って電気信号に変換し、得られた電気信号
を写真フィルムなどの記録材料、CRTなどの表示装置
上に可視画像として再生するか、あるいは数値化もしく
は記号化した位置情報などとして表わすことができる。
【0017】蓄積性蛍光体シートは、基本構造として、
支持体と、その片面に設けられた蛍光体層とからなるも
のである。ただし、蛍光体層自体が自己支持性である場
合には、必ずしも支持体を設ける必要はない。また、蛍
光体層の表面(蛍光体層の片面に支持体が設けられてい
る場合には、支持体に面していない側の表面)には一般
に、透明な保護膜が設けられ、蛍光体層を化学的な変質
あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0018】蛍光体層は、基本的には粒子状の輝尽性蛍
光体を分散状態で含有支持する結合剤からなる層であ
る。
【0019】輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線
を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光
体であるが、実用的な面からは波長が400〜900n
mの範囲にある励起光によって300〜500nmの波
長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。
本発明において利用される蓄積性蛍光体シートに用いら
れる輝尽性蛍光体の例としては、次のものを挙げること
ができる。
【0020】米国特許第3,859,527号明細書記
載のSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO
2 :Er、およびLa22 S:Eu,Sm、特開昭5
5−12142号公報記載のZnS:Cu,Pb、Ba
O・xAl23 :Eu(ただし、0.8≦x≦1
0)、及びMIIO・xSiO2 :A(ただし、MIIはM
g、Ca、Sr、Zn、CdまたはBaであり、AはC
e、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、Bi、またはMn
であり、xは、0.5≦x≦2.5である)、
【0021】特開昭55−12143号公報に記載の
(Ba1-x-y,Mgx ,Cay )FX:aEu2+(ただ
し、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つであ
り、xおよびyは、0<x+y≦0.6かつxy≠0で
あり、aは10-6≦a≦5×10-2である)、
【0022】特開昭55−12144号公報記載のLn
OX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびL
uのうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrのうち
の少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうちの少なく
とも一つ、そして、xは、0<x<0.1である)、
【0023】特開昭55−12145号公報に記載の
(Ba1-x ,M2+ x )FX:yA(ただし、M2+はM
g、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも
一つ、XはCl、BrおよびIのうちの少なくとも一
つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、
Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そし
てxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2であ
る)、
【0024】特開昭55−160078号公報に記載の
IIFX・xA:yLn[ただし、MIIはBa、Ca、
Sr、Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一
種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Z
nO、Al23 、Y23 、La23 、In2
3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、GeO2 、SnO
2、Nb25 、Ta25 、およびThO2 のうちの
少なくとも一種、Lnは、Eu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGd
のうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIの
うちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ5
×10-5≦x≦0.5および0<y≦0.2である]の
組成式で表わされる蛍光体、
【0025】特開昭56−116777号公報に記載の
(Ba1-x ,MII x )F2 ・aBaX2 :yEu,zA
[ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの
少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの
少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウム
のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびz
はそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6
≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である]の組
成式で表わされる蛍光体、
【0026】特開昭57−23673号公報記載の(B
1-x ,MII x )F2 ・aBaX2:yEu,zB[た
だし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、亜鉛およびカドミウムのうちの少なく
とも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なく
とも一種であり、a、x、y、およびzは、それぞれ
0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×
10-1、および0<z≦2×10-1である]の組成式で
表わされる蛍光体、
【0027】特開昭57−23675号公報記載の(B
1-x ,MII x )F2 ・aBaX2:yEu,zA[た
だし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、亜鉛およびカドミウムのうちの少なく
とも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なく
とも一種、Aはヒ素およびケイ素のうちの少なくとも一
種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a
≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、お
よび0<z≦5×10-1である]の組成式で表わされる
蛍光体、
【0028】特開昭58−69281号公報に記載のM
III OX:xCe[ただし、MIIIはPr、Nd、P
m、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種
の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれ
か一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1で
ある]の組成式で表わされる蛍光体、
【0029】特開昭58−206678号公報記載のB
1-xx/2x/2 FX:yEu2+[ただし、MはL
i、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、G
a、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくと
も一種の三価金属を表わし;Xは、Cl、Br、および
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを
表わし;そして、xは10-2≦x≦0.5、yは0<y
≦0.1である]の組成式で表わされる蛍光体、
【0030】特開昭59−27980号公報に記載のB
aFX・xA:yEu2+[ただし、Xは、Cl、Br、
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;Aはテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物
であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y
≦0.1である]の組成式で表わされる蛍光体、
【0031】特開昭59−47289号公報に記載のB
aFX・xA:yEu2+[ただし、Xは、Cl、Br、
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフル
オロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一
価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物
群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であ
り;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦
0.1である]の組成式で表わされる蛍光体、
【0032】特開昭59−56479号公報に記載のB
aFX・xNaX':aEu2+[ただし、XおよびX’
は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも
一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および
0<a≦0.2である]の組成式で表わされる蛍光体、
【0033】特開昭59−56480号公報に記載のM
IIFX・xNaX':yEu2+:zA[ただし、MIIは、
Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX’は、
それぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、M
n、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なくとも一
種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0
<y≦0.2、およびzは0<z≦10-2である]の組
成式で表わされる蛍光体、
【0034】特開昭59−75200号公報記載のMII
FX・aMI X’・bM’IIX”2・cMIII X"'3
xA:yEu2+[ただし、MIIはBa、Sr、およびC
aからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土
類金属であり;MI はLi、Na、K、Rb、およびC
sからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金
属であり;M’IIはBeおよびMgからなる群より選ば
れる少なくとも一種の二価金属であり;MIII はAl、
Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なく
とも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;X
はCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;X’、X”およびX"'は、
F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦
2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa
+b+c≧10-6であり;xは0<x≦0.5、yは0
<y≦0.2である]の組成式で表わされる蛍光体、
【0035】特開昭60−84381号公報記載のMII
2 ・aMIIX’2 :xEu2+[ただし、MIIはBa、
SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;XおよびX’はCl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンで、かつX≠X’であり;そしてaは0.1≦a≦
10.0、xは0<x≦0.2である]の組成式で表わ
される輝尽性蛍光体、
【0036】特開昭60−101173号公報記載のM
IIFX・aMI X’:xEu2+[ただし、MIIはBa、
SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;MI はRbおよびCsから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンであり;X’はF、Cl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;そして、aおよびxは、それぞれ0≦a≦
4.0および0<x≦0.2である]の組成式で表わさ
れる輝尽性蛍光体、
【0037】特開昭62−25189号公報に記載のM
I X:xBi[ただし、MI はRbおよびCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;
XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2
の範囲の数値である]の組成式で表わされる輝尽性蛍光
体、および
【0038】特開平2−229882号公報に記載のL
nOX:xCe(但し、LnはLa、Y、Gd、および
Luのうちの少なくとも一つ、XはCl、BrおよびI
のうちの少なくとも一つ、xは0<x≦0.2であり、
LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦
0.998であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波
長λが550nm<λ<700nm)で表わされるセリ
ウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体。
【0039】なお、前記特開昭60−84381号公報
に記載のMII2 ・aMIIX’2 :xEu2+輝尽性蛍光
体には、以下に示すような添加物がMII2 ・aM
IIX’21モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
特開昭60−166379号公報に記載のbMI X”
(ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ金属であり、X”はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0であ
る);特開昭60−221483号公報に記載のbK
X”・cMgX"'2 ・dMIII X""3 (ただし、MIII
はSc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の三価金属であり、X”、X"'および
X""はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、
cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.
0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c
+dである);特開昭60−228592号公報に記載
のyB(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1であ
る);特開昭60−228593号公報に記載のbA
(ただし、AはSiO2 およびP25 からなる群より
選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは1
-4≦b≦2×10-1である);特開昭61−1208
83号公報に記載のbSiO(ただし、bは0<b≦3
×10-2である);特開昭61−120885号公報に
記載のbSnX”2 (ただし、X”はF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり、そしてbは0<b≦10-3である);特開昭
61−235486号公報に記載のbCsX”・cSn
X"'2 (ただし、X”およびX"'はそれぞれF、Cl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲンであり、そしてbおよびcは、それぞれ、0<
b≦10.0および10-6≦c≦2×10-2である);
および特開昭61−235487号公報に記載されてい
るbCsX”・yLn3+(ただし、X”はF、Cl、B
rおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり、LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、S
m、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび
Luからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元
素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦1
0.0および10-6≦y≦1.8×10-1である)。
【0040】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロ
ピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およ
びセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体は高輝
度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明
に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるも
のではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した
場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであ
ってもよい。
【0041】本発明の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光
体層は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する
結合剤とからなるのものばかりでなく、結合剤を含まな
いで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、あ
るいは輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸
されている蛍光体層などでもよい。
【0042】次に、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分
散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にと
り、本発明の蓄積性蛍光体シートを製造する方法を説明
する。
【0043】蛍光体層は、次のような公知の方法により
支持体上に形成することができる。まず、輝尽性蛍光体
と結合剤(例、ニトロセルロース、アクリル樹脂、熱可
塑性エラストマー)とを溶剤に加え、これを充分に混合
して、結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗
布液を調製する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体
との混合比は、目的とする蓄積性蛍光体シートの特性、
蛍光体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と
蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)
の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重
量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0044】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、次に、支持体の表面に均一に
塗布することにより塗膜を形成する。この塗布操作は、
通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロール
コーター、ナイフコーターなどを用いることにより行な
うことができる。
【0045】支持体としては、従来の蓄積性蛍光体シー
トの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができ
る。公知の蓄積性蛍光体シートにおいて、支持体と蛍光
体層の結合を強化するため、あるいは蓄積性蛍光体シー
トとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上
させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面に
ゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層とし
たり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からな
る光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性
物質からなる光吸収層などを設けることが知られてい
る。本発明において用いられる支持体についても、これ
らの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の蓄積性蛍光体シートの目的、用途などに応じて任意に
選択することができる。さらに特開昭58−20020
0号公報に記載されているように、得られる画像の鮮鋭
度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支
持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層また
は光吸収層などが設けられている場合には、その表面を
意味する)には微小凹凸が形成されていてもよい。上記
のようにして支持体上に塗膜を形成したのち塗膜を乾燥
して、支持体上への輝尽性蛍光体層の形成を完了する。
蛍光体層の層厚は、目的とする蓄積性蛍光体シートの特
性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによ
って異なるが、通常は20μm乃至1mmとする。ただ
し、この層厚は50乃至500μmとするのが好まし
い。
【0046】透明保護膜は、たとえば酢酸セルロース、
ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポ
リメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分
子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解し
て調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により
形成することができる。あるいは、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなるプラスチ
ックシート;および透明なガラス板などの保護膜形成用
シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を
用いて接着するなどの方法によっても形成することがで
きる。あるいは、有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂の塗布
膜により形成してもよく、またパーフルオロオレフィン
樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末を保護膜中に分
散、含有させてもよい。
【0047】蓄積性蛍光体シートの透明保護膜の膜厚
は、試料中に含まれる放射性同位元素の種類、含有量お
よび放出される放射線の強度などに応じて好適に選ばれ
る。すなわち、相対的に高い放射線エネルギーを有する
放射性標識により標識された物質の試料中の分布を測定
するためには、厚い保護膜を有する蓄積性蛍光体シート
が用いられ、相対的に低い放射線エネルギーを有する放
射性標識により標識された物質の試料中の分布を測定す
るためには、薄い保護膜を有する蓄積性蛍光体シートあ
るいは保護膜を持たない蓄積性蛍光体シートが用いられ
る。
【0048】試料に放射性標識を付与するために用いら
れる放射性同位元素の例としては、3H(平均エネルギ
ー:0.0055MeV)、 123I(平均エネルギー:
0.159MeV)、 131I(平均エネルギー:0.0
04MeV)、14C(平均エネルギー:0.049Me
V)、35S(平均エネルギー:0.048MeV)、32
P(平均エネルギー:0.0695MeV)、および18
F(平均エネルギー:0.64MeV)を挙げることが
できる。
【0049】たとえば試料が 3Hと14Cとを含んでいる
場合には、相対的に平均エネルギーの低い放射線を放出
する放射性元素( 3H)からの放射線は保護膜を介在さ
せずに、試料を輝尽性蛍光体層に直接重ね合せることに
より、輝尽性蛍光体層に吸収される。ただし、この場合
には、相対的に平均エネルギーの高い放射線を放出する
放射性元素(14C)からの放射線も同時に輝尽性蛍光体
層に吸収される。すなわち、この操作では輝尽性蛍光体
層に 3H標識物質像と14C標識物質像の双方が一緒に蓄
積性蛍光体シートに蓄積記録される。一方、適当な厚さ
の保護膜(例えば5〜50μm)を介在させて、試料を
輝尽性蛍光体層に直接重ね合せた場合には、 3Hからの
放射線は保護膜を透過することができないが、14Cから
の放射線は透過力が高く、保護膜を透過して輝尽性蛍光
体層に吸収される。従って、この場合には14C標識物質
像のみが蓄積性蛍光体シートに蓄積記録される。そし
て、前者の 3H標識物質像と14C標識物質像の双方が一
緒の放射線画像から、後者の14C標識物質像のみの放射
線画像を差し引くことにより、 3H標識物質像のみの放
射線画像を得ることができる。従って、 3H標識物質像
14C標識物質像の双方を独立した放射線画像として得
ることができる。なお、当然ながら、各々の露光操作の
順序に特に限定はなく、また露光操作と放射性標識の位
置情報の読み出し操作とは、連続して実施してもよく、
あるいは全ての露光操作が終了したのち、一括して放射
性標識の位置情報の読み出し操作を実施することもで
き、いずれにしろ各工程の順序に限定はない。
【0050】また、試料がそれぞれ 3H、14Cそして32
Pの三種類の放射性同位元素で標識された三種類の放射
性標識物質を含んでいる場合にも、相対的に平均エネル
ギーの低い放射線を放出する放射性元素( 3H)からの
放射線は保護膜を介在させずに、試料を輝尽性蛍光体層
に直接重ね合せることにより、輝尽性蛍光体層に吸収さ
れる。ただし、この場合には、相対的に平均エネルギー
の高い放射線を放出する二種の放射性元素(14C、
32P)からの放射線も同時に輝尽性蛍光体層に吸収され
る。すなわち、この操作では輝尽性蛍光体層に 3H標識
物質像、14C標識物質像、そして32P標識物質像が一緒
に蓄積性蛍光体シートに蓄積記録される。一方、5〜5
0μmの厚さの保護膜を介在させ、試料を輝尽性蛍光体
層に直接重ね合せた場合には、 3Hからの放射線は保護
膜を透過することができないが、14Cと32Pからの放射
線は透過力が高く、保護膜を透過して輝尽性蛍光体層に
吸収される。従って、この場合には14C標識物質像と32
P標識物質像が一緒に蓄積性蛍光体シートに蓄積記録さ
れる。次に、100μm程度の厚さの保護膜を介在させ
て、試料を輝尽性蛍光体層に直接重ね合せた場合には、
3Hと14Cとからの放射線は保護膜を透過することがで
きないが、32Pからの放射線は透過力が非常に高く、こ
の厚い保護膜を透過して輝尽性蛍光体層に吸収される。
従って、この場合には32P標識物質像のみが蓄積性蛍光
体シートに蓄積記録される。そして、最初の 3H標識物
質像、14C標識物質像、そして32P標識物質像の全てが
一緒の放射線画像、次の14C標識物質像と32P標識物質
像の双方が一緒の放射線画像、そして最後の32P標識物
質像のみの放射線画像をサブトラクション処理にかける
ことにより、 3H標識物質像、14C標識物質像、そして
32P標識物質像のそれぞれの放射線画像を独立して得る
ことができる。
【0051】すなわち、上記のように組合せる放射性同
位元素の種類、そして保護膜の厚さ(及び/又は保護膜
の有無)を調整することにより、二以上の任意の放射性
標識物質の分布を示す放射線画像を独立に得ることがで
きる。
【0052】次に、本発明のオートラジオグラム測定方
法(オートラジオグラフィー)について説明する。本発
明のオートラジオグラム測定方法は、上記の蓄積性蛍光
体シートを、従来の放射線フィルムからなる感光材料の
代りに使用するものであり、その露光操作は、放射性標
識物質を含む試料と蓄積性蛍光体シートとを一定時間重
ね合わせることにより、試料の放射性標識物質から放出
される放射線の少なくとも一部を該シートに吸収させて
実施する。
【0053】本発明のオートラジオグラフィーの記録対
象となる試料は、生物体の組織、および、生物体の組織
および/または生物体由来の物質を含む媒体からなる群
より選ばれる試料である。生物体の組織および/または
生物体由来の物質を含む媒体としては、たとえば、蛋白
質、核酸、それらの誘導体、それらの分解物などの生体
高分子物質が分離展開された支持媒体を挙げることがで
きる。
【0054】上記試料に含まれる放射性標識物質は記録
対象の試料に、あるいは試料中の特定物質に公知の方法
で放射性同位元素を保持させることによって得られる。
本発明に用いられる放射性同位元素は、放射線(α線、
β線、γ線、中性子線、X線など)を放射するものであ
ればどのような核種であってもよいが、代表的なものと
しては前述の 3H、 123I、 131I、14C、35S、
18F、そして32Pを挙げることができる。本発明の記録
対象となる試料は、少なくとも放射線エネルギーが異な
る二種類の放射性同位元素で放射性標識された放射性標
識物質を有するものである。
【0055】露光操作において上記の試料は、そのま
ま、あるいは乾燥処理、分離展開物の固定処理などの任
意の処理を行なった後に蓄積性蛍光体シートと重ね合わ
され、これにより試料のオートラジオグラフが蓄積性蛍
光体シートに蓄積記録される。試料と蓄積性蛍光体シー
トとを重ね合わせた状態は、通常は試料と蓄積性蛍光体
シートとを密着させることにより実現するが、必ずしも
それらを密着する必要はなく、それらが近接した状態で
配置されていてもよい。上記の重ね合わせ露光操作は少
なくとも二種類の蓄積性蛍光体シートを用いて行なわれ
る。例えば、一方は保護膜が設置され、他方は保護膜を
持たないとの点(保護膜の膜厚が互いに相違するとの
点)以外は同一の合計二枚の蓄積性蛍光体シートを用意
し、それぞれの蓄積性蛍光体シートについて重ね合わせ
露光操作を行なう方法が利用される。あるいは、二枚の
蓄積性蛍光体シートを用意する代りに保護膜を有する蓄
積性蛍光体シートを用いて一旦重ね合せ露光操作を行な
い、次いで後に述べる放射線画像の読み出し操作を実施
し、その後、蓄積性蛍光体シートに残留している放射線
を消去操作により除去したのち、今度は保護膜を除去し
て同様の重ね合せ露光操作と読み出し操作を行なうこと
もできる。また、蓄積性蛍光体層と保護膜とからなり、
支持体を持たない蓄積性蛍光体シートを用いて先ず、保
護膜のない側で一旦重ね合せ露光操作を行ない、次いで
放射線画像の読み出し操作を実施し、その後、蓄積性蛍
光体シートに残留している放射線を消去操作により除去
した後、今度は保護膜の有る側で同様の重ね合せ露光操
作と読み出し操作を行なうこともできる。また、支持
体、蓄積性蛍光体層および保護膜とからなる蓄積性蛍光
体シートを用いて先ず、保護膜の側で一旦重ね合せ露光
操作を行ない、次いで放射線画像の読み出し操作を実施
し、その後、蓄積性蛍光体シートに残留している放射線
を消去操作により除去した後、今度は支持体側で同様の
重ね合せ露光操作と読み出し操作を行なうこともでき
る。なお、用いる蓄積性蛍光体シートの各々は、後のサ
ブトラクション操作を容易にするためには、保護膜以外
の点では同一であることが望ましいが、同一でなくと
も、サブトラクション操作に、蓄積性蛍光体層の材料、
厚さ等の相違に起因する変数を導入することにより、目
的のサブトラクション操作を実施することは可能であ
る。
【0056】露光時間は、試料に含まれる放射性同位元
素の種類、その放射線強度、放射性標識物質の濃度、密
度、蓄積性蛍光体シートの感度、試料と蓄積性蛍光体シ
ートとの位置関係などにより変動するが、露光操作は一
定時間、たとえば数秒程度以上は必要とする。ただし、
本発明の蓄積性蛍光体シートを用いた場合には、従来の
放射線フィルムを使用する場合に要する露光時間に比較
して、その露光時間は大幅に短縮される。
【0057】露光操作を実施する温度は特に制限はない
が、本発明の蓄積性蛍光体シートを用いるオートラジオ
グラフィーは、特に10〜35℃などの環境温度にて実
施することが可能である。ただし、従来のオートラジオ
グラフィーにおいて利用されている低温(たとえば、5
℃付近、あるいはそれ以下の温度)において露光操作を
行なってもよい。
【0058】以下に、本発明において蓄積性蛍光体シー
トに蓄積記録されたオートラジオグラムが示す放射性標
識物質の位置情報を読み出すための方法について、図1
に示した読出装置(あるいは読取装置)の例を参照しな
がら略述する。図1は、蓄積性蛍光体シート(支持体、
輝尽性蛍光体層、そして保護層からなるもの、以下にお
いては、シートと略記することもある)1に蓄積記録さ
れている放射性標識物質の一次元もしくは二次元的な位
置情報を仮に読み出すための先読み用読出部2と、放射
性標識物質の位置情報を出力するためにシート1に蓄積
記録されているオートラジオグラフを読み出す機能を有
する本読み用読出部3から構成される読出装置の例の概
略図を示している。
【0059】先読み用読出部2においては次のような先
読み操作が行なわれる。レーザー光源4から発生したレ
ーザー光5はフィルター6を通過することにより、この
レーザー光5による励起に応じて蓄積性蛍光体シート1
から発生する輝尽発光の波長領域に該当する波長領域の
部分がカットされる。次いでレーザー光は、ガルバノミ
ラー等の光偏向器7により偏向処理され、平面反射鏡8
により反射されたのちシート1上に一次元的に偏向して
入射する。ここで用いるレーザー光源4は、そのレーザ
ー光5の波長領域が、シート1から発する輝尽発光の主
要波長領域と重複しないように選択される。蓄積性蛍光
体シート1は、偏向レーザー光5の照射下において保護
膜側を上にして矢印9の方向に移送される。従って、シ
ート1の全面に亙って偏向レーザー光が照射されるよう
になる。なお、レーザー光源4の出力、レーザー光5の
ビーム径、レーザー光5の走査速度、シート1の移送速
度については、先読み操作のレーザー光5のエネルギー
が本読み操作に用いられるエネルギーよりも小さくなる
ように調整される。蓄積性蛍光体シート1は、上記のレ
ーザー光の照射を受けると、輝尽性蛍光体層中に蓄積さ
れている放射線エネルギーに比例する光量の輝尽発光を
示し、この光は先読み用光ガイド10に入射する。この
光ガイド10はその入射面が直線状で蓄積性蛍光体シー
ト1上の走査線に対向するように近接して配置されてお
り、その射出面は円環を形成し、フォトマルなどの光検
出器11の受光面に連絡している。この光ガイド10
は、たとえばアクリル系合成樹脂などの透明な熱可塑性
樹脂シートを加工してつくられたもので、入射面より入
射した光がその内部において全反射しながら射出面へ伝
達されるように構成されている。蓄積性蛍光体シート1
からの輝尽発光はこの光ガイド10内を導かれて射出面
に到達し、その射出面から射出されて光検出器11に受
光される。光検出器11の受光面には、輝尽発光の波長
領域の光のみを透過し励起光(レーザー光)の波長領域
の光をカットするフィルターが貼着され、輝尽発光のみ
を検出しうるようにされている。光検出器11により検
出された輝尽発光は電気信号に変換され、さらに増幅器
12により増幅され出力される。増幅器12から出力さ
れた蓄積記録情報は、本読み用読出部3の制御回路13
に入力される。制御回路13は、得られた蓄積記録情報
に応じて、濃度およびコントラストが最も均一でかつ観
察読影性能の優れた画像が得られるように、増幅率設定
値a、収録スケールファクターb、および、再生画像処
理条件設定値cを出力する。
【0060】以上のようにして先読み操作が終了した蓄
積性蛍光体シート1は、本読み用読出部3へ移送され
る。本読み用読出部3においては次のような本読み操作
が行なわれる。本読み用レーザー光源14から発せられ
たレーザー光15は、前述のフィルター6と同様な機能
を有するフィルター16を通過したのちビーム・エクス
パンダー17によりビーム径の大きさが厳密に調整され
る。次いでレーザー光は、ガルバノミラー等の光偏向器
18により偏向処理され、平面反射鏡19により反射さ
れたのち蓄積性蛍光体シート1上に一次元的に偏向して
入射する。なお、光偏向器18と平面反射鏡19との間
にはfθレンズ20が配置され、シート1の上を偏向レ
ーザー光が走査した場合に、常に均一なビーム速度を維
持するようにされている。蓄積性蛍光体シート1は、上
記の偏向レーザー光の照射下において、先読み操作の場
合と同様に保護膜側を上にして矢印21の方向に移送さ
れる。従って、先読み操作におけると同様にシート1の
全面にわたって偏向レーザー光が照射されるようにな
る。蓄積性蛍光体シート1は、上記のようにしてレーザ
ー光の照射を受けると、先読み操作におけると同様に、
蓄積されている放射線エネルギーに比例する光量の輝尽
発光を発し、この光は本読み用光ガイド22に入射す
る。この本読み用光ガイド22は先読み用光ガイド10
と同様の材質、構造を有しており、本読み用光ガイド2
2の内部を全反射を繰返しつつ導かれた輝尽発光はその
射出面から射出されて、光検出器23に受光される。な
お、光検出器23の受光面には輝尽発光の波長領域のみ
を選択的に透過するフィルターが貼着され、光検出器2
3が輝尽発光のみを検出するようにされている。光検出
器23により検出された輝尽発光は電気信号に変換さ
れ、前記の増幅率設定値aに従って感度設定された増幅
器24において適正レベルの電気信号に増幅されたの
ち、A/D変換器25に入力される。A/D変換器25
は、収録スケールファクター設定値bに従い信号変動幅
に適したスケールファクターでデジタル信号に変換さ
れ、信号処理回路26に入力される。
【0061】上記のような蓄積性蛍光体シートの読み出
し操作を二回以上(すなわち、単独の放射性標識物質の
画像を有する蓄積性蛍光体シート、そして複数の放射性
標識物質の画像を有する蓄積性蛍光体シートのそれぞれ
について一回以上)実施したのち、信号処理回路26で
は、まず、複数の蓄積性蛍光体シートから読出して得ら
れた位置情報(画像信号)を一旦メモリー(すなわち、
バッファーメモリーあるいは磁気デイスク等の不揮発性
メモリー)に記憶させた後、そのデジタル信号に対して
サブトラクション処理を行なう。即ち、サブトラクショ
ンすべき放射線画像の対応する位置間で引き算を行なう
ことによって、放射性標識物質についての位置情報を各
放射性元素ごとに分離することができる。サブトラクシ
ョン処理におけるサブトラクションの倍率は、蛍光体層
の厚みと放射線エネルギーとから計算することにより、
あるいは標準物質(リファレンス)を同時に露光させ、
それを基準とすることにより決定することができる。画
像信号にこの決定された倍率をかけたのち信号間で引算
をする。放射線画像のサブトラクション処理方法につい
てはたとえば、特開昭58−163340号公報に詳細
に記載されている。次いで、得られた位置情報それぞれ
について再生画像処理条件設定値cに基づいて、濃度お
よびコントラストが適正で観察読影性能の優れた可視画
像が得られるように信号処理が行なわれたのち、磁気テ
ープなどの保存手段を介して記録装置(図示なし)へ伝
送される。
【0062】記録装置としては、たとえば、感光材料上
をレーザー光等で走査して光学的に記録するもの、CR
T等に電子的に表示するもの、CRT等に表示された放
射線画像をビデオ・プリンター等に記録するもの、熱線
を用いて感熱記録材料上に記録するものなど種々の原理
に基づいた記録装置を用いることができる。ただし、記
録装置は上記のように得られたオートラジオグラフを可
視画像化するものに限られるものではなく、前述したよ
うに試料中の放射性標識物質の一次元的もしくは二次元
的な位置情報を、たとえば数字化もしくは記号化するな
どして所望の形態で記録することもできる。
【0063】なお、蓄積性蛍光体シートに蓄積記録され
た試料中の放射性標識物質を読み出すための方法につい
て、上記においては先読み操作と本読み操作とからなる
読出し操作を説明したが、本発明において利用すること
ができる読出し操作は、上記の例に限られるものではな
い。たとえば、試料中の放射性物質の含有量、その放射
線強度および、その試料についての蓄積性蛍光体シート
の露光時間が予めわかっていれば、上記の例において先
読み操作を省略することもできる。また、本発明におけ
る蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された試料中の放射性
標識物質の位置情報を読み出すための方法としては、上
記に例示した以外の適当な方法を利用することも当然可
能である。
【0064】
【実施例】次に本発明のオートラジオグラム測定方法
を、ラットの脳血流脳代謝同時測定に使用した実施例を
示す。 (1)測定試料の調製 動脈閉塞48時間後の脳梗塞モデルラットおよび正常ラ
ットを用意し、それぞれのラットに常法に従って、14
−2−デオキシグルコース(脳局所グルコース消費量算
出のための物質)及びN−イソプロピル−p−[ 3H]
ヨードアンフェタミン(局所脳血流測定用剤)を、前者
を40μCi、次いで43分後に後者を2mμCi、静
脈より順次投与した。最後の投与の二分後にラットを断
頭し、次いで脳を摘出して、凍結処理した。凍結した脳
から20μmの連続切片を作り、測定試料とした。
【0065】(2)蓄積性蛍光体シートの作成 常法により二酸化チタンを含むポリエチレンテレフタレ
ートシート支持体の上に、ポリウレタン樹脂をバインダ
ーとして用い二価ヨーロピウム賦活バリウムフルオロブ
ロマイド輝尽性蛍光体層を形成して蓄積性蛍光体シート
Aを作成した。同様にして二酸化チタンを含むポリエチ
レンテレフタレートシート支持体の上に、ポリウレタン
樹脂をバインダーとして用いて二価ヨーロピウム賦活バ
リウムフルオロブロマイド輝尽性蛍光体層を形成し、輝
尽性蛍光体層の上に透明なポリエチレンテレフタレート
シート(保護膜、厚さ:20μm)を貼り付け、蓄積性
蛍光体シートBを作成した。
【0066】(3)オートラジオグラフィー 測定試料(脳梗塞モデルラットおよび正常ラット)のそ
れぞれと蓄積性蛍光体シートAとを12時間重ね合せ、
露光操作を行なった。次いで、同じ測定試料と蓄積性蛍
光体シートBとをそれぞれ12時間重ね合せ露光操作を
行なった。脳梗塞モデルラットおよび正常ラットの試料
でそれぞれ露光操作を行なった蓄積性蛍光体シートA、
B(合計4枚)について、図1に示した放射線像読み出
し装置を用いてオートラジオグラムの読み出し操作を行
ない、脳梗塞モデルラットおよび正常ラットの各試料ご
とに、蓄積性蛍光体シートAとBとから得られたオート
ラジオグラムに対応する位置情報信号のサブトラクショ
ン処理を行ない、脳梗塞モデルラットおよび正常ラット
の各試料についての、14C−2−デオキシグルコース及
びN−イソプロピル−p−[ 3H]ヨードアンフェタミ
ンの分布を調べたところ、正常ラットにおいては、脳局
所グルコース消費と局所脳血流との良好な一致が見られ
たが、脳梗塞モデルラットでは脳局所グルコース消費と
局所脳血流との不一致が確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明のオートラジオグラム測定方法
は、従来の感光性銀塩フィルムを用いた二重標識法によ
るオートラジオグラフィーに附随する前記の問題点を解
決し、かつ、特に複数の輝尽性蛍光体層(積層体もしく
は複数の輝尽性蛍光体シート)を用意する必要がなく、
また簡単な読み取り操作を繰り返し、その後は簡単な信
号処理操作を行なうことにより、充分に分離された(す
なわち、他の放射線画像の影響を無視できる)高精度の
複数の放射性標識物質の放射線画像が得ることができる
との利点がある。
【0068】さらに、本発明の方法によれば、露光時間
の大幅な短縮化が実現されるのみでなく、露光が環境温
度あるいはその付近の温度という温度条件で行なわれて
も、得られる位置情報の精度は低下することがない。従
って、従来においては冷却下で長時間かけて実施されて
いた露光操作が著しく簡便なものとなり、オートラジオ
グラフィー操作が簡略化されるものである。
【0069】また、オートラジオグラム測定方法に用い
られる感光材料として上記の蓄積性蛍光体シートを利用
することにより、従来より放射線フィルムの使用におい
て大きな問題となっていた化学カブリおよび物理カブリ
が実質的に発生しなくなる点も、得られる位置情報の精
度の向上及び作業性において非常に有利に作用する。ま
た、試料中に含まれていた不純物の放射能または自然放
射能などに起因する精度の低下は、蓄積性蛍光体シート
に蓄積記録されている位置情報を電気的に処理すること
により容易に低減あるいは解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された試料中の
放射性標識物質の位置情報を読み出すための読み出し
(読み取り)装置の構成の例を示す。
【符号の説明】
1 蓄積性蛍光体シート 2 先読み用読出部 3 本読み用読出部 4 レーザー光源 5 レーザー光 6 フィルタ 7 光偏向器 8 平面反射鏡 9 移送方向 10 先読み用光ガイド 11 光検出器 12 増幅器 13 制御回路 14 レーザー光源 15 レーザー光 16 フィルター 17 ビーム・エクスパンダー 18 光偏向器 19 平面反射鏡 20 fθレンズ 21 移送方向 22 本読み用光ガイド 23 光検出器 24 増幅器 25 A/D変換器 26 信号処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 啓司 東京都港区西麻布2丁目26番30号 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物体の組織試料または生物体由来の組
    織もしくは物質を含む媒体試料に分布する平均エネルギ
    ーが互いに相違する放射性同位元素により標識された二
    種以上の放射性標識物質の位置情報を得るためのオート
    ラジオグラム測定方法において、 1)該試料を、表面に保護膜を有する輝尽性蛍光体層を
    含む蓄積性蛍光体シート上に該保護膜を介して一定時間
    重ね合わせることにより、平均エネルギーが相対的に高
    い放射性標識物質から放出される放射線エネルギーを輝
    尽性蛍光体層に吸収させて蓄積記録させる工程; 2)該蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を電磁波に
    より励起して、該輝尽性蛍光体層に蓄積記録されている
    放射線エネルギーを輝尽光として放出させ、そしてこの
    輝尽光を検出することにより、平均エネルギーが相対的
    に高い放射性標識物質の位置情報を示す画像信号を得る
    工程; 3)該試料を、表面に保護膜を持たないか、または上記
    1)の工程で用いた保護膜よりも薄い保護膜を有する輝
    尽性蛍光体層を含む蓄積性蛍光体シートの該輝尽性蛍光
    体層の上に直接、あるいは該保護膜を介して一定時間重
    ね合わせることにより、平均エネルギーが相対的に高い
    放射性標識物質および平均エネルギーが相対的に低い放
    射性標識物質の双方から放出される放射線エネルギーを
    輝尽性蛍光体層に吸収させて蓄積記録させる工程; 4)上記3)の工程を経た蓄積性蛍光体シートの輝尽性
    蛍光体層を電磁波により励起して、該輝尽性蛍光体層に
    蓄積記録されている放射線エネルギーを輝尽光として放
    出させ、そしてこの輝尽光を検出することにより、平均
    エネルギーが相対的に高い放射性標識物質および平均エ
    ネルギーが相対的に低い放射性標識物質の双方の位置情
    報を示す画像信号を得る工程; 5)上記4)の工程で得られた画像信号から、上記2)
    の工程で得られた画像信号間を除くサブトラクション処
    理を行なうことにより、該試料中の二種以上の放射性標
    識物質それぞれについての位置情報を得る工程;を含む
    ことを特徴とするオートラジオグラム測定方法。
  2. 【請求項2】 放射性標識物質のそれぞれが 3H、 123
    I、 131I、14C、35S、18Fおよび32Pからなる群よ
    り選ばれ、互いに相異なる放射性同位元素によって放射
    性標識が付与されたものである請求項第1項記載のオー
    トラジオグラム測定方法。
  3. 【請求項3】 平均エネルギーが相対的に高い放射性標
    識物質および平均エネルギーが相対的に低い放射性標識
    物質がそれぞれ、14Cおよび 3Hによって放射性標識が
    付与されたものである請求項第1項記載のオートラジオ
    グラム測定方法。
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