JPH0682378A - 欠陥検査装置 - Google Patents

欠陥検査装置

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JPH0682378A
JPH0682378A JP23381992A JP23381992A JPH0682378A JP H0682378 A JPH0682378 A JP H0682378A JP 23381992 A JP23381992 A JP 23381992A JP 23381992 A JP23381992 A JP 23381992A JP H0682378 A JPH0682378 A JP H0682378A
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pattern
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JP23381992A
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Inventor
Fumitomo Hayano
史倫 早野
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本来のパターンの密集度や形状等の条件によ
らずに、欠陥のみを検出する。 【構成】 受光レンズ24の被検査物19に対するフー
リエ変換面の近傍に開口25が形成された遮光板26を
配置し、開口25を通過した光をレンズ32で受光器3
3の受光面に集光(結像)する。駆動部28で遮光板2
6を回転して被検査物19からの光のフーリエ変換パタ
ーンと開口25との相対位置を変化させて、受光器33
の光電変換信号が最小になる所で欠陥検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、欠陥検査装置に関し、
特に例えば半導体素子等をフォトリソグラフィ技術を用
いて製造する際に使用される露光用マスク、レチクル若
しくは露光後のウエハ又は光ディスク等のガラス基板、
鉄板若しくはメッシュ等の規則的な若しくは周期的な構
造を有する被検物上の異物や欠陥等を検査する際に適用
して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子等をフォトリソグラフ
ィ技術を用いて製造する際に使用される露光用マスク、
レチクル若しくは露光後のウエハ又は光ディスク等のガ
ラス基板、鉄板若しくはメッシュ等の規則的な(周期的
な)構造を有する被検物上の異物や欠陥等を検査する際
に欠陥検査装置が使用されている。
【0003】図9は従来の欠陥検査装置装置を示し、こ
の図9において、光源1から射出された光ビームL1
は、振動ミラー(ガルバノスキャナーミラー又はポリゴ
ンスキャナーミラー)2により偏向させられて走査レン
ズ3に入射し、この走査レンズ3から射出された光ビー
ムL2が、被検査面4上の走査線5上を走査する。この
際に、光ビームL2の走査周期よりも遅い速度で被検査
面4をその走査線5に垂直なR方向に移動させると、光
ビームL2により被検査面4上の全面を走査することが
できる。この場合、被検査面4の表面上に異物等の欠陥
6が存在する領域に光ビームL2が照射されると散乱光
L3が発生する。また、被検査面4上に異物等の欠陥と
は異なる例えば、レチクル上の回路パターン、ウエハ上
の回路パターン又は光ディスクのグルーブ等の周期的な
構造(以下、「パターン」と総称する)7が存在する領
域に光ビームL2が照射されると、そのパターン7から
は回折光L4が発生する。
【0004】しかし、欠陥検査装置で検出するべき対象
は、被検査面4にもともと存在するパターン7ではな
く、本来存在すべきでない欠陥6である。従って、パタ
ーンと欠陥とを区別して欠陥のみを検出しなければなら
ない。そのために図9においては、受光器8、9及び1
0が相異なる方向から走査線5に対向するように配置さ
れている。異物等の欠陥6から発生する散乱光L3はほ
とんど全方向に向かって発生する等方的散乱光であるの
に対して、パターン7から発生する回折光L4は回折に
よって生じるために空間的に離散的な方向に射出される
光(指向性の強い光)である。このような性質の違いを
用いて、受光器8、9及び10の全てで光を検出した場
合には、その光は欠陥からの散乱光であり、受光器8、
9及び10の内で1つでも光を検出しない受光器が存在
する場合には、その光はパターンからの回折光であると
判断する。これにより、パターン7と区別して欠陥6の
みを検出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の欠陥検査装置においては、被検査面4上のパ
ターンの密集度や形状によっては、パターンからの回折
光であっても全ての受光器8、9及び10に光が入射し
て、誤って欠陥と判断する場合があるという不都合があ
った。本発明は斯かる点に鑑み、被検物の本来のパター
ンの密集度や形状等の条件によらずに、欠陥のみを検出
することができる欠陥検査装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による欠陥検査装
置は、例えば図5(a)に示す如く、被検物(19)に
検査用の光(L5)を照射する光照射手段(23)と、
被検物(19)からの光を集光する集光光学系(24)
と、この集光された光を光電変換する受光手段(33)
とを有し、受光手段(33)の出力信号に基づいて被検
物(19)の欠陥を検査する装置において、集光光学系
(24)の被検物(19)に対するフーリエ変換面の近
傍に配置され被検物(19)からの光のフーリエ変換パ
ターンの一部のみに対応する光を受光手段(33)側に
通過させる開口手段(26)と、受光手段(33)の光
電変換信号が最小になるように被検物(19)からの光
のフーリエ変換パターンと開口手段(26)との相対位
置を変化させる相対位置可変手段とを設けたものであ
る。
【0007】この場合、その相対位置可変手段の一例
は、集光光学系(24)のフーリエ変換面の近傍で開口
手段(26)の位置を動かす駆動手段(28)である。
また、その相対位置可変手段の他の例は、例えば図8に
示すように、光照射手段(48,49)から被検物(1
9)に対して照射される検査用の光(L7)の被検物
(19)に対する入射方向を変化させる入射方向可変手
段(42,44,50)である。その相対位置可変手段
の更に他の例は、被検物(19)を回転させる回転手段
である。
【0008】
【作用】図1を参照して本発明の基礎となる光学原理を
説明する。図1において、11を被検査面として、被検
査面11に対し光ビームLが照射される。但し、ここで
は説明を簡略化するため、被検査面11が少なくとも部
分的に光を透過する物体であり、被検査面11の裏面方
向から垂直に光ビームLが入射するものとしているが、
本発明は透過照明でなくとも落射照明でも同様に適用さ
れる。更に、本発明は、明視野でも暗視野でも何れの照
明方法でも成立する。
【0009】被検査面11から光ビームLが射出される
方向に、受光レンズ12が配置され、受光レンズ12の
像側の瞳面P1には、被検査面11上のパターン13の
フーリエ変換像13Fが形成される。受光レンズ12の
瞳面P1はフーリエ変換面とも呼ばれる。更に、瞳面P
1から光ビームが射出される方向にレンズ14が配置さ
れ、レンズ14により瞳面P1と共役な第2の瞳面P2
上にそのフーリエ変換像13Fの縮小像が結像される。
第2の瞳面P2に受光器15の受光面が配置され、受光
器15により第2の瞳面P2上の縮小像が光電変換され
る。従って、被検査面11に対して受光レンズ12及び
レンズ14により共役となる位置11Cは第2の瞳面P
2とは異なっている。
【0010】図1では瞳面P1の位置には何らかの光学
素子が置かれているわけではなく、瞳面P1は仮想的平
面である。即ち、図1の構成では、被検査面11上の光
学情報の全てが受光器15に入射するため、このままで
は被検査面11上の本来のパターン13の光学情報と共
に、仮に欠陥が存在している場合にはその欠陥の光学情
報も受光器15に入射する。従って、欠陥とパターンと
を区別して欠陥のみを検出することは困難である。
【0011】そこで、本発明では図2のように構成す
る。図1と同じ部分に同一符号を付して示す図2におい
て、被検査面11、受光レンズ12、瞳面P1、レンズ
14、第2の瞳面P2及び受光器15の光学的位置関係
は図1と同じである。図2においては、更に開口16を
有する遮光板17が瞳面P1内に設けられている。この
とき瞳面P1に形成されるパターン13のフーリエ変換
像13F(図1参照)と、開口16との相対位置を変化
させると、フーリエ変換像13Fの内の光スポットが開
口16内に存在しない場合や、あるいは光スポットが開
口16内に存在してもその光スポットの光量が弱い場合
等が起こり得る。これに対して、被検査面11上に存在
する異物等の欠陥から生じる散乱光は既述したように等
方的に発生しているので、そのようにフーリエ変換像1
3Fと開口16との相対位置を変化させても、開口16
を通過する散乱光の光量の増減は緩やかか、あるいはそ
の開口16を透過する散乱光の光量はほとんど変化しな
い。この特性を利用して欠陥とパターンとを区別して欠
陥のみを検出するのが本発明の原理である。
【0012】前記のようにフーリエ変換像13Fと開口
16との相対位置を変化させる相対位置可変手段には大
別して2つの手段がある。第1の手段は、瞳面P1の面
内で遮光板17を動かして開口16の位置を変化させる
駆動手段である。第2の手段は、開口16の位置は固定
したままで光ビームLの入射ベクトル、即ち被検査面1
1に対する入射方向や入射角度を変化させる入射方向可
変手段である。前者を図3を参照して説明し、後者を図
4を参照して説明する。
【0013】図3(a)は図1及び図2の瞳面P1をこ
の瞳面P1に垂直な方向から見た状態を示し、この図3
(a)において、13Fが図1のパターン13のフーリ
エ変換像であり、開口16は図2の遮光板17の一部で
ある。瞳面P1上の与えられた原点POに対する開口1
6の位置を表す位置ベクトルを〈C〉としたとき、図2
の受光器15の光電変換信号Sは、位置ベクトル〈C〉
の変化に対して図3(b)に示すように変化する。即
ち、フーリエ変換像13Fの光スポットが開口16を通
過するときに、光電変換信号Sは大きくなるが、そうで
ない場合にはパターン13以外の欠陥情報が開口16を
透過するので、光電変換信号Sは小さい。
【0014】そのため、図3(b)の光電変換信号Sの
最小値Smin を検出すれば欠陥のみを検出することがで
きる。具体的には、所定の欠陥に対する1対の閾値S
TH1 及びSTH2 (STH2 >STH1 >0)を定めておき、
その光電変換信号Sの最小値S min が次式を充すときに
はその欠陥があるものと判定する。 STH1 ≦Smin ≦STH2 この際に、その最小値Smin には被検査面11の本来の
パターン13の影響がほとんど無いため、そのパターン
13によらずに正確に欠陥のみを検出することができ
る。
【0015】次に図4を参照して光ビームLの入射ベク
トルが変化した場合について説明する。図4において、
光ビームLの初期の入射ベクトル(被検査面11に入射
する光ビームLに平行な単位長さのベクトル)を〈e
0 〉としたときに、瞳面P1上にはパターン13の0次
回折光のスポット18が形成される。瞳面P1上に固定
された開口16に対するスポット18の位置ベクトルを
〈C0 〉とする。
【0016】そして、入射する光ビームLの被検査面1
1に対する入射方向や入射角度を変えると入射ベクトル
は〈e′〉となる。このとき、瞳面P1上の0次回折光
のスポットは18′となり、そのスポット18′の開口
16に対する位置ベクトルは〈C′〉となるが、〈C
0 〉≠〈C′〉である。即ち、図3に示したように開口
16の位置を変えた場合と全く同様に、位置ベクトル
〈C0 〉が変化するので、入射ベクトル、即ち入射方向
を変えることによっても欠陥の光学情報のみを得ること
ができる。
【0017】また、図2において、被検査面11を回転
させると、瞳面P1上で被検査面11のパターン13の
フーリエ変換パターン13Fが回転する。従って、被検
査面11を回転させることによっても、図3の位置ベク
トル〈C〉が変化することになり、欠陥の光学情報のみ
を得ることができる。
【0018】更に、欠陥の検出能力を向上させるために
は、上記の3個の方法を組み合わせてもよいし、また瞳
空間内で複数の開口16を形成するようにしてもよい。
例えば受光レンズ12を1つとして受光レンズ12の瞳
面P1内に複数の開口16を有する構成や、受光レンズ
12を1つではなく複数にして複数の瞳面と複数の開口
とを有する構成なども本発明に含まれていることは言う
までもない。
【0019】
【実施例】以下、本発明による欠陥検査装置の一実施例
につき図5〜図7を参照して説明する。図5(a)は本
実施例の欠陥検査装置の機構部を示し、この図5(a)
において、19は被検査物であり、被検査物19は互い
に直交するX方向及びY方向に移動自在なテーブル20
に支持固定されている。駆動部21及び22によりそれ
ぞれX方向及びY方向にテーブル20、ひいては被検査
物19を移動させることができる。被検査物19に対し
て、光源23から射出された光ビームL5が斜めに入射
している。光ビームL5を被検査物19に対して表面か
ら垂直に入射させるような構成にしてもよく、裏面から
入射させるような構成にしてもよい。この場合、テーブ
ル20の移動により、被検査物19と光ビームL5とを
相対移動させることができる。
【0020】その被検査物19の表面に垂直なZ方向に
受光レンズ24が配置され、受光レンズ24の瞳面(フ
ーリエ変換面)P1又はこの瞳面P1の近傍には、開口
25が形成された遮光板26が設けられている。これ
は、受光レンズ24の焦点距離をfとしたとき、被検査
物19から受光レンズ24の主点までの距離と受光レン
ズ24の主点から遮光板26までの距離とを等しくfと
して、遮光板26をフーリエ変換面に設置したのと等価
である。遮光板26は駆動軸27を中心にして駆動部2
8によりθ方向に回転可能であると同時に、遮光板26
はステージ29、駆動部30及び駆動部31を介してX
方向及びY方向に移動自在に支持されている。
【0021】また、遮光板26に対して受光レンズ24
と対称な方向に順にレンズ32及び受光器33が配置さ
れ、レンズ32による遮光板26及び開口25と共役な
位置に受光器33の受光面が配置されている。開口25
を通過した光がレンズ32により受光器33の受光面に
集束(縮小結像)されて、受光器33により光電変換さ
れ、受光器33からは開口25を通過した光の量にほぼ
比例した検出信号S1が出力される。
【0022】図5(b)は本例の信号処理部を示し、こ
の図5(b)において、図5(a)の受光器33の検出
信号S1が最小値検出回路37に供給され、最小値検出
回路37で検出された最小値に対応する信号S2が例え
ば図示省略されたデジタル/アナログ変換器を介してメ
モリー38に格納される。また、39はリニアエンコー
ダ等よりなる座標測定装置を示し、この座標測定装置3
9は図5(a)のステージ20のX座標及びY座標を検
出する。ステージ20のX座標及びY座標に対応する座
標情報SXYもメモリー38に格納され、メモリー38
の記憶内容は、随時表示器40に表示される。
【0023】次に、本例の欠陥検査装置による欠陥検出
動作の一例を説明する。先ず、図5(a)において、被
検査物19が保持されたステージ20のX方向及びY方
向の位置を固定した状態で、光ビームL5を被検査物1
9上にスポット状に照射する。このとき仮に、被検査物
19上の本来のパターン34と共に異物等の欠陥が存在
している場合には、その欠陥の光学情報が回折光及び/
又は散乱光となって発生し、この発生した光学情報が受
光レンズ24によりフーリエ変換され、遮光板26上
(瞳面上)にフーリエ変換像が形成される。この際に、
駆動部28を動作させて遮光部26をθ方向に一回転さ
せる。次いで、駆動軸30及び31を動作させてステー
ジ29のX方向及びY方向の位置を変えて、開口25の
位置を変える。このように次第にステージ29の位置を
変えたときの、ステージ29のX方向及びY方向の座標
をそれぞれ(X1 ,Y1 )、(X2 ,Y2 )、‥‥、
(Xi ,Yi )、‥‥、(Xn ,Yn )とする。
【0024】その際に得られる受光器33の検出信号S
1は、開口25のθ方向の回転角(この回転角をもθで
表す)とステージ29の座標(Xi ,Yi )とをパラメ
ータとして図6のようになる。即ち、図6(a)はステ
ージ29の座標が(X1 ,Y 1 )の状態で開口25をθ
方向に回転したときの検出信号S1の一例を示し、同様
に図6(b)及び(c)はそれぞれステージ29の座標
が(X2 ,Y2 )及び(Xi ,Yi )のときに開口25
をθ方向に回転したときの検出信号S1の一例を示す。
回転角θ及び座標(Xi ,Yi )の変化に対応して、図
5(a)の開口25をパターン34のフーリエ変換像の
光スポットが通過してこの光が受光器33に至るときに
は、図6のピーク35A,35B,35Cで示すような
検出信号S1の増加が見られる。一方、パターン34の
フーリエ変換像の光スポットが開口25を通過しないと
きには、開口25を通過する散乱光の光量はほとんど変
化せず図6のレベル36A,36B,36C,36D,
36Eで示すような低い検出信号S1が得られ、これが
パターン34の回折光の情報を含まない欠陥からの光学
情報となる。開口25の大きさはフ−リエ変換面P1上
でのフ−リエ変換後の光スポットの間隔より小さくして
おくのが望ましい。
【0025】そこで、図5(b)の信号処理回路により
欠陥を検出する。図5(b)において図5(a)の受光
器33の検出信号S1は最小値検出器37に入力され
て、パラメータとしての回転角θ及びステ−ジ29の座
標(Xi ,Yi )を変えたときの検出信号S1の最小値
に対応する信号S2が検出され、その信号S2がメモリ
ー38に格納される。同時にこのときの図5(a)の被
検査物19を保持するステージ20のX方向及びY方向
の座標(X,Y)は座標測定装置39によりモニタさ
れ、座標測定装置39から出力される座標情報SXYも
メモリー38に格納される。光ビ−ムL5の照射領域は
被検査領域より小さくしてあるので回転角θ及び座標
(Xi ,Yi )を変えて検出信号S1を測定した後に、
図5(a)のテーブル20を動かして最終的には被検査
物19の全面を光ビームL5で走査する。そして図5
(b)の表示器40において、被検査物19上の欠陥の
X方向及びY方向の位置と最小値の信号S2の値とを表
示する。
【0026】表示器40に表示するときはステ−ジ20
の座標(X,Y)と信号S2の値とをテーブル状に表と
して表示してもよいが、例えば被検査物19の形状に合
わせてマップとして2次元的に表示し、欠陥を検出した
座標(X,Y)に応じて、各欠陥をそのマップ上で点と
して表示してもよい。この場合、大きい欠陥は散乱光量
も大きくなるので、最小値に対応する信号S2のレベル
が大きいときには大きい欠陥と判断するようにして、信
号S2の大きさに応じてそのマップ上の点の大きさを変
えたり、アルファベットのA、B、Cの文字を用いて例
えばCは大きい欠陥、Bは中程度の欠陥、Aは小さい欠
陥として欠陥の程度を表したり、更にはカラー表示のC
RTディスプレイを用いて色分け表示をしたりしてもよ
い。また、モノクロ表示のCRTディスプレイで階調を
変えて表示する方法も効果的である。
【0027】また、上記の方法で欠陥を検出するときに
パターン又は欠陥の何れとも異なる光学情報が得られて
しまうことがある。この例としては光学系からのフレア
ー光や、光ビームL5が被検査物19以外の別の構成部
品(例えばステージ20等)で反射されることによって
発生する迷光等がある。これらを誤って検出しないため
には、図5(b)の最小値検出回路37とメモリー38
との間に比較器(不図示)を設け、あまりにも小さい信
号S2はその比較器により除去するようにすればよい。
【0028】図5(a)の検出信号S1から欠陥信号を
得る別の方法を図7を参照して説明する。図7の
(a)、(b)及び(c)はそれぞれ図6の(a)、
(b)及び(c)に対応する。また、図7(a)〜
(c)において、信号S3は図5(a)の検出信号S1
を回転角θで微分した信号であり、閾値T1 と閾値T2
との間に信号S3があるときにハイレベル“1”とな
り、それ以外のときにローレベル“0”となるようなデ
ィジタル化を行うことにより信号S4が得られる。信号
S4においてハイレベル“1”となるのは、図6におい
てレベル36A,36B,36C,36D,36Eの部
分とピーク35A,35B,35Cの頂点部分である。
【0029】図7(a)〜(c)において、クロックパ
ルスCKは図5(a)の遮光板26の回転角θに応じて
発生するクロックパルス(例えば駆動部28に設けられ
たロータリエンコーダの出力信号)である。クロックパ
ルスCKを基準として信号S4のハイレベル“1”の部
分の幅が規定のパルス数以上であるときにハイレベル
“1”となり、それ以外の部分ではローレベル“0”と
なるようにして信号S5が得られる。図7(a)〜
(c)の信号S5は、図6(a)〜(c)のレベル36
A,36B,36C,36D,36Eのみに対応して
“1”となるので、信号S5のレベルが“1”のとき
が、欠陥情報を示すことになる。
【0030】そこで信号S5のレベルが“1”で且つ検
出信号S1の信号値が最小又は最大のときの信号量を欠
陥の大きさを表す情報として、図5(b)の信号S2と
同様に扱い、以下図5(b)と同様の処理を行う。図5
(b)の信号処理部では図6のレベル36A,36B,
36C,36D,36Eの内の最小値しか分からなかっ
たのに対し、図7の処理方法では、検出信号S1の最大
値や更には検出信号S1の平均値も分かり、欠陥サイズ
に対してより相関が高い欠陥情報が得られるという利点
がある。
【0031】なお、図5に示す実施例においてはステー
ジ20は駆動部21及び22によりX方向及びY方向に
移動自在な構成となっているが、ステージ20を移動さ
せる目的は光ビームL5により被検査物19の全面を順
次走査して行くことである。従って光ビームL5の照射
位置と被検査物19の位置との相対関係が変われば良い
訳であるから、例えばステージ20は駆動部22のみで
Y方向に動かし、光ビームL5をスキャナーミラー(例
えばガルバノスキャナーミラーやポリゴンスキャナーミ
ラー)で偏向して、その光ビームL5を被検査物19の
X方向に走査してもよい。これにより、駆動部21を除
去でき、更にはより高速に被検査物19の全面を光ビー
ムL5で走査することができる。
【0032】次に、本発明の他の実施例につき図8を参
照して説明する。図8において図5(a)に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。図8
は本実施例の欠陥検査装置の機構部を示し、この図8に
おいて、被検査物19、ステージ20、駆動部21及び
駆動部22は図5(a)の実施例と同じ構成である。本
実施例では、被検査物19に対して垂直なZ方向に受光
レンズ41が配置され、受光レンズ41のほぼ瞳面(図
5(a)の遮光板26の配置面に対応する面)には、輪
帯状の遮光板42とこの遮光板42にほぼ内接する円板
状の遮光板43とが設けられ、遮光板42及び43はそ
れぞれ開口44及び45を有する。
【0033】遮光板42及び43に関して受光レンズ4
1と対称な方向に順次レンズ46及び受光器47が配置
され、レンズ46による遮光板43と共役な位置に受光
器47の受光面が配置されている。受光器47からは受
光した光量にほぼ比例する検出信号S6が出力されてい
る。また、48は光源を示し、光源48で発生した光L
6は集光レンズ49によりほぼ平行光束となって遮光板
42に達し、遮光板42の開口44を通過した光ビーム
L7が受光レンズ41により被検査物19上に照射され
る。本実施例の遮光板42は外形が円形の輪帯状であ
り、遮光板42の外周には駆動部50が接するように設
けられ、駆動部50により円周方向であるθ方向に遮光
板42が回転できる構成となっている。
【0034】今、駆動部50により遮光板42をθ方向
に回転させると(回転角をもθとする)、光ビームL7
が被検査物19に入射するときの入射ベクトルが回転角
θに応じて変化する。従って、既述した原理に従い、受
光レンズ41の瞳面(遮光板43の位置)において、被
検査物19のパターン34のフーリエ変換像の開口45
に対する相対位置が変化する。従って開口45を通って
受光器47に入射する光学情報による受光器47の検出
信号S6は、図6(a)、図6(b)又は図6(c)の
検出信号S1と同様の振る舞いを示すことになり、図5
の実施例で説明した検出原理がほとんどそのまま利用で
きる。唯一の違いはパラメータが回転角θのみであるこ
とであるが、図5の実施例を組み合わせること、即ち開
口44と開口45とを2つとも動かすことにより、ほと
んど図5の実施例の検出原理が適用できる。これにより
受光器47がより多くの光学情報を得ることができる利
点がある。
【0035】次に、以上述べた2つの実施例の種々の変
形例等を説明する。 (1)図5(a)及び図8のそれぞれの受光レンズ24
及び41の光軸を被検査物19に対して傾ける。この場
合、被検査物19のパターン34の0次回折光に対して
空間的により離れた方向から、そのパターン34からの
光を受光することができるので、図6の回折光のピーク
35A,35B,35Cの値が小さくなり検出の精度が
向上する。この現象は、0次光から離れれば離れるほど
回折光量は小さくなるという回折の光学原理に基づいた
ものである。
【0036】(2)被検査物19が部分的にであっても
光透過性を有したガラス基板や金網(メッシュ)等であ
る場合には、透過照明にすることができる。 (3)被検査物19を照明する光としては単一波長の光
でも白色光でも良い。但し、単一波長の光の方がフーリ
エ変換像の明暗の差がはっきりする点で好ましい。 (4)図5(a)及び図8の光学系(受光レンズ24又
は41等)を被検査物19に対して複数組設け、被検査
物19から複数の方向に発生する光学情報を得るように
してもよい。この場合、より多くの光学情報が得られる
利点がある。
【0037】(5)半導体製造工程の1つであるフォト
マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)
のパターンのウエハへの露光工程においては、レチクル
のパターン形成面(又は両面)に矩形の枠(ペリクルフ
レーム)を介してペリクルと呼ばれる異物付着防止膜を
張設することがある。ペリクル付きレチクルのレチクル
面の異物を検出するために、ペリクルが張設されたレチ
クル面に光ビームを照射してその面からの光学情報(異
物からの散乱光等)を検出する場合、ペリクルフレーム
が邪魔になってペリクルフレーム近傍のレチクル面を検
査できない場合がある。そのような場合でも、図5
(a)の実施例においては、開口25が180゜連続的
に回転可能であり、図8の実施例においては開口44が
180゜連続的に回転可能である。従って、これら18
0゜の角度範囲の内にペリクルフレームに邪魔されない
角度範囲が必ず存在するので、この角度範囲において検
出処理することにより、ペリクル付きレチクルの全面の
欠陥検査を行うことができる。
【0038】(6)図5中の受光器33及び図8中の受
光器47はそれぞれ開口25、開口45を透過する光量
を測定するための目的に使用するためであるから、開口
25、開口45の直後の遮光板26,43の裏面に密着
固定して開口25,45の透過光量を測定できるように
してもよい。
【0039】また、作用の項で説明したように被検査物
19を回転させることにより被検査物19上のパタ−ン
34のフ−リエ変換像と開口(25あるいは45)との
相対位置を変化させることができる。さらに、被検査物
19を垂直に照明するようにしてもよく、作用の項で説
明したように透過照明や落射照明でもよいし、明視野で
も暗視野でも何れの照明方法でもよい。又、被検査面を
一括照射するような系であってもかまわない。更に、欠
陥検査の能力を向上させるためには、被検査面19上の
パタ−ン34のフ−リエ変換像と開口(25あるいは4
5)との相対位置変化についての前記3つの方法(開口
部移動、入射ビ−ム位置変更、被検査面回転)を組み合
わせてもよい。
【0040】また、フ−リエ変換面P1内で複数の開口
(図5の25,図8の45)を形成するようにしてもよ
い。そして複数の開口に時分割絞りを設け、複数の開口
部を順番に用いることにより、回転やステ−ジの移動を
行わずにフ−リエ変換像と開口との相対位置を変化させ
ることができ、図6と同様の信号を得ることができる。
また、複数の開口については、受光レンズ(24,4
1)を1つではなく複数にして複数のフ−リエ変換面と
複数の開口を用いる構成にしてもよい。また、フ−リエ
変換面P1に2次元CCDアレイセンサ等の光電変換素
子を設け、所定領域単位で順番に検出信号を得るように
しても図6と同様の信号を得ることができる。
【0041】また、受光器33,47の光電信号S1,
S6が最も小さくなるようにフ−リエ変換像と開口(2
5,45)との相対位置を決定すれば、そのときにはフ
−リエ変換像のスポットが開口(25,45)を通らな
いか、通ってもフ−リエ変換像のスポットの光量が少な
いことになり、相対的にフ−リエ変換像よりも欠陥から
の光学情報がより多く開口(25,45)を通ることに
なる。その開口(25,45)を通過した光を用いて欠
陥のみを検出することができる。このように、本発明は
上述実施例に限定されず本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の構成を取り得る。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、相対位置可変手段によ
り被検物からの光の内の欠陥に関する光のみを受光手段
で受光することができ、被検物上の本来のパターンの密
集度や形状等の条件によらずに、欠陥のみを検出するこ
とができる利点がある。
【0043】また、その相対位置可変手段が、集光光学
系のフーリエ変換面の近傍で開口手段の位置を動かす駆
動手段である場合には、構成が簡略である。また、その
相対位置可変手段が、光照射手段からその被検物に対し
て照射される検査用の光のその被検物に対する入射方向
を変化させる入射方向可変手段である場合は、被検物に
よっては有効である。更に、その相対位置可変手段が、
その被検物を回転させる回転手段である場合にも、構成
が簡略である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出原理の説明に供する斜視図であ
る。
【図2】本発明の検出原理の説明図であり、瞳面P1に
開口を有する遮光板を配置した場合を示す斜視図であ
る。
【図3】(a)は瞳面P1における開口16とフーリエ
変換像13Fとの位置関係を示す正面図、(b)は開口
16とフーリエ変換像13Fとの位置関係が変化した場
合の図2の受光器15の光電変換信号Sの変化の一例を
示す波形図である。
【図4】本発明の検出原理の説明図であり、被検査面に
対する光ビームLの入射ベクトルが変化した場合を示す
斜視図である。
【図5】(a)は本発明による欠陥検査装置の一実施例
の機構部の構成を示す斜視図、(b)はその実施例の信
号処理部を示すブロック図である。
【図6】(a)はステージ29の座標が(X1 ,Y1
のときの回転角θに対する検出信号S1の変化の一例を
示す波形図、(b)はその座標が(X2 ,Y2 )のとき
の回転角θに対する検出信号S1の変化の一例を示す波
形図、(c)はその座標が(Xi ,Yi )のときの回転
角θに対する検出信号S1の変化の一例を示す波形図で
ある。
【図7】(a)は図6(a)の検出信号S1に信号処理
を施した場合に得られる信号及びクロックパルスを示す
波形図、(b)は図6(b)の検出信号S1に信号処理
を施した場合に得られる信号及びクロックパルスを示す
波形図、(c)は図6(c)の検出信号S1に信号処理
を施した場合に得られる信号及びクロックパルスを示す
波形図である。
【図8】本発明の他の実施例の機構部の構成を示す斜視
図である。
【図9】従来の欠陥検査装置の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
19 被検査物 20,29 ステージ 23,48 光源 24,41 受光レンズ 25,44,45 開口 26,42,43 遮光板 28,50 駆動部 32,45 レンズ 33,47 受光器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物に検査用の光を照射する光照射手
    段と、前記被検物からの光を集光する集光光学系と、該
    集光された光を光電変換する受光手段とを有し、該受光
    手段の出力信号に基づいて前記被検物の欠陥を検査する
    装置において、 前記集光光学系の前記被検物に対するフーリエ変換面の
    近傍に配置され前記被検物からの光のフーリエ変換パタ
    ーンの一部のみに対応する光を前記受光手段側に通過さ
    せる開口手段と、 前記被検物からの光のフーリエ変換パターンと前記開口
    手段との相対位置を変化させる相対位置可変手段とを設
    け、前記受光手段からの前記開口手段を通過した光に対
    応する光電信号の最小値に基づいて前記欠陥を検査する
    事を特徴とする欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】 前記相対位置可変手段は、前記集光光学
    系のフーリエ変換面の近傍で前記開口手段の位置を動か
    す駆動手段である事を特徴とする請求項1記載の欠陥検
    査装置。
  3. 【請求項3】 前記相対位置可変手段は、前記光照射手
    段から前記被検物に対して照射される検査用の光の前記
    被検物に対する入射方向を変化させる入射方向可変手段
    である事を特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
  4. 【請求項4】 前記相対位置可変手段は、前記被検物を
    回転させる回転手段である事を特徴とする請求項1記載
    の欠陥検査装置。
JP23381992A 1992-09-01 1992-09-01 欠陥検査装置 Withdrawn JPH0682378A (ja)

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JP2015516090A (ja) * 2012-05-09 2015-06-04 シーゲイト テクノロジー エルエルシー 表面特徴マッピング
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