JPH0682030U - 打設コンクリート搬送用スクリューコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダム等の工事現場で打設コンクリートを搬送
するのに適した、長尺のスクリューコンベアを得る。 【構成】 外筒と、この外筒内に装備した螺旋スクリュ
ーとで長尺のスクリューコンベアを形成する。螺旋スク
リューは固定し、外筒を回転可能に支持すると共に外筒
の外側部に一定の間隔をあけて駆動用モーターを複数個
配設し、この複数個の駆動用モーターで外筒を同時に回
転させる。長尺のスクリューコンベアは、一体物として
形成する他にユニット形式にし、これを複数個連結する
ことにより形成することが可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダム工事等で打設すべきコンクリートを打設場所まで比較的長い距 離を搬送するためのスクリューコンベアに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ダム工事等においては大量のコンクリートを打設するが、ダムの大型 化と短期施工の要求に伴なって打設コンクリートを大量に搬送することが望まれ ている。この要望に応えるには搬送装置を大型化すれば良いが、単に大型化する だけで達成出来るものではない。例えばバケット方式による場合には搬送容器の 大型化により安全性に問題が生じ、又コンベア方式では振動によるコンクリート の材料分離の問題があり、更にプレクーリング（コンクリートの練り上がり温度 低減）の場合には搬送時におけるコンクリートの温度上昇が見受けられる等の種 々の解決すべき問題点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の問題はスクリューコンベアを採用することによりかなり解決されるが、 スクリューコンベアの場合には長尺に形成し難い難点がある。通常、スクリュー コンベアは端部に駆動用モーターを取り付けて螺旋スクリューのシャフトを回転 させるため、駆動用モーターが邪魔になってスクリューコンベアを複数個連結さ せることは出来ない。又、長さに比例して動力の大きな駆動用モーターを付けな いと螺旋スクリューの回転力が弱くなって確実に搬送することが出来なくなり、 １２〜１３ｍ位の長さのものが最大限でそれ以上の長尺ものを形成出来ないのが 現状である。 本考案は、このような従来の問題点を解決するためになされ、特に打設コンク リートを搬送するのに適した長尺のスクリューコンベアを提供することを課題と したものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を技術的に解決するための手段として、本考案は、外筒と、この外筒 内に装備した螺旋スクリューとで長尺のスクリューコンベアを形成し、前記螺旋 スクリューは固定し、前記外筒を回転可能に支持すると共に外筒の外側部に一定 の間隔をあけて駆動用モーターを複数個配設し、この複数個の駆動用モーターで 前記外筒を同時に回転させることを要旨とするものである。 更に、外筒と、この外筒内に装備した螺旋スクリューと、外筒を回転させる駆 動用モーターとでユニットを形成し、このユニットを複数個連結して長尺のスク リューコンベアを形成したことを要旨とする。

【０００５】

【作 用】

駆動用モーターを端部に設けないで外側部に設けたので、長尺のスクリューコ ンベアを容易に形成することが出来、一定の間隔をあけて複数個配設した駆動用 モーターにより同時に外筒を回転させ、螺旋スクリューは回転させずに固定して いるので長尺であっても回転力が弱まることはなく、打設すべきコンクリートを 確実に打設場所まで搬送することが出来る。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳説する。 図１において、１は所定の長さに形成された円筒型の外筒であり、一定の間隔を あけて配設された受けローラー２に軸回転可能に支持され、内部には螺旋スクリ ュー３を非回転に装備してある。

【０００７】 ４は前記外筒１の外側部に一定の間隔をあけて配設された駆動用モーターであ り、前記外筒１との間にベルト５を巻回して駆動用モーター４の回転力を外筒１ にそれぞれ伝達できるようにしてある。つまり、駆動用モーター４により外筒１ を同時に同速度で軸回転させることが出来る。

【０００８】 前記ベルト５はスリップ防止のために例えば歯溝付きベルトにすることが好ま しく、その場合には駆動用モーター４の回転軸４ａに歯溝付きプーリーを取り付 け、外筒１の周囲にも歯溝付きリング部材を取り付けて歯溝付きベルトとそれぞ れ係合させることになる。又、駆動用モーター４から外筒１への回転力伝達手段 は、ベルトに限らずチェーンとスプロケットの組み合わせ、又は歯車同士の噛合 等その他適宜の伝達手段を用いることが可能である。

【０００９】 このようにして、長尺のスクリューコンベア６を形成することが出来るが、こ れを一体的に形成するのではなく複数個のスクリューコンベアを連結させて形成 することも可能である。即ち、図３に示すように外筒１′と受けローラー２′と 非回転の螺旋スクリュー３′と駆動用モーター４′とベルト５′とで長さＬ（例 えば１２〜１３ｍ）のスクリューコンベア６′を形成し、これを１ユニットとし て複数ユニットを連結することにより長尺のスクリューコンベア６を形成する。

【００１０】 このユニット形式の場合には、長さを任意に設定又は変更することが出来るの で融通性に富み、且つユニット毎に結合又は分離が可能なため移動やメンテナン スも容易になり取り扱い上非常に好都合である。

【００１１】 本考案に係る打設コンクリート搬送用スクリューコンベアは上記のように構成 され、これを使用するには例えばダム等の工事現場でバンチャープラントと打設 場所とを結ぶように配設し、各駆動用モーター４を同時に同速度で回転させるこ とにより外筒１を軸回転させる。これにより、打設すべきコンクリートをバンチ ャープラントから打設場所まで外筒１内を搬送することが出来る。

【００１２】 この時、螺旋スクリュー３は回転しないが、外側の外筒１が回転するためバン チャープラントから供給された生コンクリートは攪拌され乍ら打設場所まで搬送 される。従って、コンクリート材料の分離が起こらず、又外筒１を適宜の保温材 で被覆すればプレクーリングされた生コンクリートの温度上昇を抑えるだけでな く、外筒１内の運搬中にも液体窒素によるプレクーリングが可能となる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、スクリューコンベアの駆動用モーター を端部に設けないで外筒の外側部に設けるようにしたので、任意の長さの長尺の スクリューコンベアを容易に形成することが出来、且つ一定の間隔をあけて複数 個配設した駆動用モーターにより螺旋スクリューではなく外筒の方を同時に回転 させるので長尺であっても回転力が弱まることはなく、打設すべきコンクリート を速やかにしかも確実に打設場所まで搬送出来る効果を奏する。 更に、天候に左右されずにバッチャープラントからコンクリートの打設場所ま で確実に搬送することが出来、非回転の螺旋スクリューに沿って攪拌されながら 搬送されるためコンクリートの材料分離が生じることはなく、又プレクーリング も可能になる等の優れた効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す概略斜視図である。

【図２】 図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】 長尺スクリューコンベアを形成するユニット
の説明図である。

【符号の説明】

１…外筒 ２…受けローラー ３…螺旋スクリュー
４…駆動用モーター ４ａ…回転軸 ５…ベル
ト ６…長尺のスクリューコンベア

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 嶋田 洋 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)考案者 和田 利彦 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒と、この外筒内に装備した螺旋スク
   リューとで長尺のスクリューコンベアを形成し、前記螺
   旋スクリューは固定し、前記外筒を回転可能に支持する
   と共に外筒の外側部に一定の間隔をあけて駆動用モータ
   ーを複数個配設し、この複数個の駆動用モーターで前記
   外筒を同時に回転させることを特徴とする、打設コンク
   リート搬送用スクリューコンベア。
2. 【請求項２】 外筒と、この外筒内に装備した螺旋スク
   リューと、外筒を回転させる駆動用モーターとでユニッ
   トを形成し、このユニットを複数個連結して長尺のスク
   リューコンベアを形成した、請求項１記載の打設コンク
   リート搬送用スクリューコンベア。