JPH0682021U - 急傾斜用ベルトコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 急傾斜でも塵芥等を搬送でき、しかもベルト
のスリップのないベルトコンベアを提供する。 【構成】 無端平ベルトの外表面にほぼ全幅にわたる横
桟を平ベルトの長手方向にほぼ等間隔に複数個立設し、
該横桟より平ベルトの幅方向外方に両側一対のシャフト
を突設し、該シャフトに平ベルトの側面と摺動するサイ
ドカバーの一端を回転自在に取付け、該サイドカバーの
他端は隣接する前記シャフトに遊嵌し、前記シャフトに
は更に両側一対の無端チェンを取付け、該チェンを駆動
スプロケットと従動スプロケットに回動自在に巻き掛け
たことを特徴とするものであり、且つチェンの急傾斜ベ
ルトコンベアである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はベルトコンベアに関し、特に搬送すべき対象物を鉛直方向に急角度 で搬送できる急傾斜用ベルトコンベアに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術では、実開平１−３２８１７号公報にて開示された急傾斜用ベルト コンベアがあり、これは駆動プーリーと従動プーリーとの間に無端平ベルトを回 動自在に掛け渡し、該平ベルトの外表面のほぼ全幅にわたる横桟を平ベルトの長 手方向にほぼ等間隔に複数個立設し、該横桟より平ベルトの幅方向外方に両側一 対のシャフトを突設し、該シャフトに平ベルトの側面と摺動するサイドカバーの 一端を回転自在に取付け、該サイドカバーの他端には該他端より一端に向けて切 込みを設け、該切込みを隣接する前記シャフトに遊嵌し、前記サイドカバーの内 側には前記横桟の対象物の荷重による後方への倒伏を防止するストッパーを突設 し、前記シャフトには更に両側一対のローラを回転自在に取付け、該ローラを案 内するガイドレールを配設した急傾斜用ベルトコンベアである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の急傾斜用ベルトコンベアは、通常のベルトコンベアと同様に、ベル トの下面に当接するプーリーによって駆動され且つ案内されていたので、ベルト の蛇行による、ベルトの損傷を招き、この結果ベルトの寿命が短くなるというお それがあった。また搬送すべき対象物が水分を含むとき、その水分がベルトとプ ーリーとの間に介入してベルトのスリップを招くおそれがあった。 従って、本考案はベルトの寿命が長くでき、かつベルトのスリップが発生しな い急傾斜用ベルトコンベアを提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するためになされたものであり、無端平ベルトの外表 面とほぼ同じ幅を有する横桟を平ベルトの長手方向にほぼ等間隔に複数個立設し 該横桟より平ベルトの幅方向外方に両側一対のシャフトを突設し、該シャフトに 平ベルトの側面と摺動するサイドカバーの一端を回転自在に取付け、該サイドカ バーの他端は隣接する前記シャフトに遊嵌し、前記シャフトには更に両側一対の 無端チェンを取付け、該チェンを駆動スプロケットと従動スプロケットとの間に 回動自在に巻き掛けた急傾斜用ベルトコンベアである。 その際、前記チェンをローラ付きチェンによって構成し、該ローラを案内する ガイドレールを配設することができる。また前記サイドカバーの内側に前記横桟 の倒伏を防止するストッパーを突設する事もできる。

【０００５】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例の側断面図であり、ほぼＳ字状の形状に形成された ケーシングトラフ１の下部上面には、対象となる搬送物を投入する投入口２が形 成され、上部下面には、搬送物を排出する排出口３が形成されている。 トラフ１の長手方向上端部内には、両側一対の駆動スプロケット４が配設され、 下端部と屈曲部には、両側一対の従動スプロケット５が複数配設され、駆動スプ ロケット４と従動スプロケット５には、両側一対の無端チェン６が巻き掛けられ こうして駆動スプロケット４に接続された、図示しない原動機を回転させると、 チェン６は、Ｓ字状をしたトラフ１内に沿って図１矢印方向に回転する。 図２は、上記実施例の平ベルトの平面図、図３は、図２中のＡ−Ａ矢視図、図 ４及び図５は、それぞれ図２中のＢ−Ｂ及びＣ−Ｃ断面図であり、無端平ベルト １０の外表面には、平ベルト１０とほぼ同じ幅を有する横桟１１が、平ベルト１ ０の外表面とほぼ直交して、かつ平ベルト１０の長手方向にほぼ等間隔に複数個 立設されている。 横桟１１の中央部断面形状は、ほぼＬ字状をなし、該Ｌ字状の下面において平ベ ルト１０にボルト締めにて固定されており、横桟１１の内側は平板状をなし、該 平板にシャフト１２が外方に突設されている。 シャフト１２には、サイドカバー１５の一端（図２では、返矢印進行方向端）に は進行方向に向けて切り込み１６が設けられており、該切込み１６は隣接するシ ャフト１２に遊嵌され回転自在の構造をなす。 各サイドカバー１５、隣接するサイドカバー１５と重畳しつつベルトコンベアの 側面を遮蔽するように、長手方向の中間部において屈曲して形成されており、こ うして平ベルト１０が屈曲してもサイドカバー１５は、平ベルトの側面と摺動し て、対象物を急角度にて搬送すべきベルトコンベアの側面を形成している。すな わち、平ベルト１０が屈曲して弧を形成しても、サイドカバー１５は、その弧に 対する弦をなすから、平ベルト１０に付いての前後の軸間距離よりも、サイドカ バー１５についての前後の軸間距離の方が短くなり、上記切欠み１６は、この距 離の相違を吸収するために設けられているものである。したがって、切欠み１６ に代えて例えば、サイドカバー１５の長手方向に延びた長円形の孔に形成しても よい。 以上のようにしてシャフト１２には内方より先ずサイドカバーの一端が軸支持さ れ次いでサイドカバーの他端が遊嵌しているが、シャフト１２の最外側には、前 記両側一対の無端チェン６が取付けられ抜けない構造となっている。 チェン６とシャフト１２との取付部は次のようになっている。図３において、 各々のシャフト１２の位置でのチェン６は、短いリンクプレート７及び取付板８ にピン１２を回転自在に嵌装する。そして平ベルト１０とチェン６は、図５に示 すようにチェン６の屈曲中心と平ベルト１０の厚さ方向の中央部とが略一致する ように取付ける。そうすることにより平ベルト１０とチェン６の屈曲時における 周長差を極力小さくできて、平ベルト１０の不要な変形を防止する。 又上記した平ベルト１０の屈曲部における変形を防止して、荷こぼれを防ぐ手 段として、図６に示すように、一対の駆動スプロケット４あるいは従動スプロケ ット５の間に篭型プーリ１８を挾み込むようにして装着することもできる。 本実施例は以上のように構成され、両側一対の駆動プロケット４に接続された 図示しない原動機を回転させると、駆動スプロケット４が回転し、無端チェン６ は従動スプロケット５に案内されて、Ｓ字状をしたトラフ内に沿って、駆動スプ ロケット４と従動スプロケット５との間を回転する。したがってチェン６を取付 けたシャフト１２はチェン６の進行方向に引っ張られ、該横桟１１を取付けた平 ベルト１０はチェン６と共に回動する。このときサイドカバー１５は平ベルト１ ０の屈曲を防げることなく、ベルトコンベアの側面を形成する。 こうして本ベルトコンベアを急勾配に配置しても、横桟１１とサイドカバー１ ５とがあるから、投入口２に投入した対象物を排出口３まで、搬送することがで きる。その際、平ベルト１０はチェン６によって駆動されているから蛇行するこ とがなく、したがって平ベルト１０は損傷を招かずにその寿命は長くなり、かつ 対象物が水分を含んでいようとも平ベルト１０のスリップは生じない。 また、対象物を載荷した位置での平ベルト１０を、図２矢印方向に向けて回動す るときには、同図中左方に向けて力が作用し、横桟１１は左側に倒伏しようとす るが、他方において横桟１１はチェン６によって、同図中右方に引っ張られてい るから、横桟は倒伏しにくい構造となっている。すなわち本考案は平ベルトを直 接プーリーによって駆動した従来のベルトコンベアと構成上共通する点があるが 、力の伝達は全く異なっており、従来のベルトコンベアでは、横桟には図２中左 方に倒れる力のみが一方的に作用していたため、これを防止するためにストッパ ーが設けられていたが、本考案では構成１１には右方への力とが作用するから、 シャフト１２の取付け高さを調節すれば、ストッパーは必ずしも必要ではない。 しかし念のため本実施例では横桟１１の図２中左方への倒伏を防止するために、 サイドカバー１５の内側にストッパー１７を突設している。この結果横桟１１が 同図中左方に倒伏しようとすると、横桟１１はストッパー１７に当接してサイド カバー１５を左側に押し、サイドカバーの切込み１６と左側のシャフト１２とが 当接するほどに横桟が倒伏すると、サイドカバー１５は左側に隣接するシャフト １２をもおすことになり、したがってその反力によって横桟１１の倒伏が一定限 緩和される。なお対象物を載荷していないときには、横桟１１はチェン６に引っ 張られて図２中右方に倒伏しようとするが、こちら側への倒伏が懸念されるとき には、横桟１１が右方へ倒伏しようとするときに当接するストッパーをサイドカ バー１５に設けることができる。 図７は、本考案の別の実施例を示す説明側断面図であり、この実施例ではチェ ンはローラ付チェン２０によって構成されており、このローラ２１をＳ字状をし たトラフ１に沿って案内するガイドレール９がトラフ１内に配設されており、従 動スプロケット５、トラフ１内の長手方向下部側の端部のみ一対配設されており 、その他の構成は上記実施例と同じである。このように構成してもローラ付きチ ェン２０は、Ｓ字状をしたトラフ１内に沿って回動するから、上記実施例のとき と同様の効果を達成することができる。

【０００６】

【考案の効果】

本考案の急傾斜用ベルトコンベアは、チェンにより駆動され、スプロケットに て案内されているため、平ベルトの蛇行が生じることはなく、したがって平ベル トは損傷を招かずにその寿命は長くなり、また対象物が水分を含んでいようとも 平ベルトのスリップは生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の説明用側断面図。

【図２】該実施例の平ベルトの平面図。

【図３】図２中のＡ−Ａ断面図。

【図４】図２中のＢ−Ｂ矢視図。

【図５】図２中のＣ−Ｃ矢視図。

【図６】屈曲部側断面図。

【図７】本考案の別の実施例の説明用側断面図である。

【符号の説明】

１ トラフ ２ 投入口 ３ 排出口 ４ 駆動スプロケット ５ 従動スプロケット ６ チェン ７ チェンリンク ８ 取付板 ９ ガイドレール １０ 平ベルト １１ 横桟 １２ シャフト １５ サイドカバー １６ 切欠み １７ ストッパー １８ プーリー ２０ ローラ付きチェン ２１ ローラ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端平ベルトの外表面にほぼ全幅にわた
   る横桟を平ベルトの長手方向にほぼ等間隔に複数個立設
   し、該横桟より平ベルトの幅方向外方に両側一対のシャ
   フトを突設し、該シャフトに平ベルトの側面と摺動する
   サイドカバーの一端を回転自在に取付け、該サイドカバ
   ーの他端は隣接する前記シャフトに遊嵌し、前記シャフ
   トには更に両側一対の無端チェンを取付け、無端チェン
   のピッチ線と平ベルトの厚さ中心とを略一致するように
   し、該チェンを駆動スプロケットと従動スプロケットに
   回動自在に巻き掛けた急傾斜用ベルトコンベア。
2. 【請求項２】 前記チェンをローラ付きチェンによって
   構成し、該ローラを案内するガイドレールを配設した請
   求項１記載の急傾斜用ベルトコンベア。
3. 【請求項３】 屈曲部に荷こぼれ防止用の篭形プーリー
   を設けた請求項１又は２記載の急傾斜用ベルトコンベ
   ア。