JPH0681505U - 内視鏡把持鉗子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】内視鏡の挿入部を挟持力によって破損しないよ
うに、確実に保持することができる内視鏡把持鉗子を提
供することを目的とする。 【構成】内視鏡の挿入部１１を把持するための内視鏡把
持鉗子であって、内視鏡の挿入部１１を挟むように開閉
される一対の把持腕３，３のあい対向する側の面を各々
弾性部材３２，３２によって形成すると共に、内視鏡の
挿入部１１を係合させるための溝３３，３３を上記両側
の弾性部材３２，３２にあい対向するように形成し、そ
の各溝３３，３３の溝幅をＡ、両溝３３，３３の深さを
合わせた溝深をＢ、上記内視鏡の挿入部１１の直径をＣ
としたとき、Ｂ＜Ｃ＜Ａとなるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、内視鏡の挿入部を把持するための内視鏡把持鉗子に関する。

【０００２】

【従来の技術】

いわゆる腹腔鏡的胆のう摘出術の際には、図３に示されるように、腹壁に穿け た孔から腹腔内に挿入した内視鏡１０の挿入部可撓管１１部分を、把持鉗子１で 把持して誘導する必要がある。

【０００３】 このような把持鉗子１には、内視鏡１０の挿入部可撓管１１部分を挟むように 開閉される一対の把持腕１２が設けられているが、従来はこの把持腕１２はステ ンレス鋼などを用いた金属製であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、金属製の把持腕１２によって少し大きな力を加えて内視鏡１０の挿入 部可撓管１１を挟み付けると、可撓管１１に部分的に大きな力が加わって可撓管 １１が破損してしまう場合があり、また、少し力を抜くと、把持腕１２の間から 可撓管１１が滑り落ちてしまう欠点があった。

【０００５】 そこで本考案は、内視鏡の挿入部を挟持力によって破損しないように、確実に 保持することができる内視鏡把持鉗子を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案の内視鏡把持鉗子は、内視鏡の挿入部を把 持するための内視鏡把持鉗子であって、内視鏡の挿入部を挟むように開閉される 一対の把持腕のあい対向する側の面を各々弾性部材によって形成すると共に、内 視鏡の挿入部を係合させるための溝を上記両側の弾性部材にあい対向するように 形成し、その各溝の溝幅をＡ、両溝の深さを合わせた溝深をＢ、上記内視鏡の挿 入部の直径をＣとしたとき、Ｂ＜Ｃ＜Ａとなるようにしたことを特徴とする。

【０００７】

【実施例】

図面を参照して実施例を説明する。 図２は内視鏡把持鉗子１を示しており、金属パイプからなる細長い連結管２の 先端に、内視鏡の挿入部を挟持するための一対の把持腕３，３が開閉自在に軸支 されている。

【０００８】 連結管２内には、操作ロッド４が軸方向に進退自在に嵌挿されており、把持腕 ３，３の後端部に連結されたリンク機構５に、操作ロッド４の先端が連結されて いる。

【０００９】 連結管２の基端側には固定指かけ７が固着され、操作ロッド６の基端には移動 指かけ８が、軸９中心に回動自在に取り付けられている。 したがって、二つの指かけ７，８に手の指をかけて移動指かけを動かせば、連 結管２内で操作ロッド４が進退して、リンク機構５を介して把持腕３，３が開閉 される。

【００１０】 図１は把持腕３，３部分を拡大して示している。 把持腕３，３は、リンク機構５に連結されたステンレス鋼製の一対の腕体３１ ，３１のあい対向する側の面に、弾力性のあるゴム材からなる弾性部材３２，３ ２を接合して形成されている。

【００１１】 そして両弾性部材３２，３２には、内視鏡の挿入部可撓管１１を係合させるた めの溝３３，３３が、把持腕３の長手方向と直角の方向にあい対向して形成され ており、図３に示されるように把持腕３を閉じた状態では、両溝３３，３３が合 わさって長円形の穴が形成される。

【００１２】 この溝３３，３３は、その溝幅Ａが挿入部可撓管１１の直径Ｃより大きく、両 溝３３，３３の深さを合わせた溝深Ｂが挿入部可撓管１１の直径Ｃより小さく形 成されている。即ち、 Ｂ＜Ｃ＜Ａ である。

【００１３】 このように構成された内視鏡把持鉗子１は、図３に示されているように、腹壁 から腹腔内に挿入された内視鏡１０の挿入部可撓管１１を把持して誘導するため に使用される。

【００１４】 本実施例においては、その把持の際に把持腕３，３をいっぱいに閉じると、溝 深Ｂが挿入部可撓管１１の直径Ｃより小さいので、挿入部可撓管１１が弾性部材 ３２，３２によって両側から押圧挟持される。そして、溝幅Ａが挿入部可撓管１ １の直径Ｃより大きいので、弾性部材３２，３２の溝３３，３３部分が挿入部可 撓管１１の断面形状に近づく方向に容易に変形し、その結果、挿入部可撓管１１ には大きな押圧力が作用しない。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の内視鏡把持鉗子によれば、把持腕のあい対向する側の面を各々弾性部 材で形成して、内視鏡の挿入部を係合させるための溝を、Ｂ＜Ｃ＜Ａ（Ａは溝深 、Ｂは両溝を合わせた深さ、Ｃは内視鏡の挿入部の直径）となるように形成した ので、溝内に挿入部を確実に押圧保持することができ、しかも弾性部材が潰され た僅かな量の押圧力によって安定した力で挿入部を保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の内視鏡把持鉗子の把持部の側面拡大図
である。

【図２】実施例の内視鏡把持鉗子の側面図である。

【図３】内視鏡把持鉗子の使用状態を示す略示図であ
る。

【符号の説明】

１ 内視鏡把持鉗子 ３ 把持腕 １０ 内視鏡 １１ 挿入部可撓管 ３２ 弾性部材 ３３ 溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内視鏡の挿入部を把持するための内視鏡把
   持鉗子であって、内視鏡の挿入部を挟むように開閉され
   る一対の把持腕のあい対向する側の面を各々弾性部材に
   よって形成すると共に、内視鏡の挿入部を係合させるた
   めの溝を上記両側の弾性部材にあい対向するように形成
   し、その各溝の溝幅をＡ、両溝の深さを合わせた溝深を
   Ｂ、上記内視鏡の挿入部の直径をＣとしたとき、 Ｂ＜Ｃ＜Ａ となるようにしたことを特徴とする内視鏡把持鉗子。