JPH0681447A - 床 材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】十分な強度を有し、しかも不燃性、湿度変化に
ともなう反りのない、近年急速に普及してきているフリ
ーアクセスフロアーなどの二重床構造に好適な床材を提
供することを目的とする。 【構成】非透湿性合成樹脂シート、水硬性無機質材料か
らなる板状基材（特に、重合性単量体、セメント、水、
界面活性剤、補強繊維からなるセメント含有油中水型エ
マルジョンを重合、硬化させて得られた板状基材が好ま
しい）、及び厚みが０．２〜１．０ｍｍの金属補強板を
この順序で積層してなる床材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は不燃性で寸法変化による
反りの少ない床材、特に二重床構造に好適に使用できる
床材に関する。

【０００２】

【従来の技術】建物の床には、従来から木質材料、無機
質材料、合成樹脂など各種材料が利用されているが、特
に防火性を付与する目的で不燃性を有する無機質材料が
数多く使用されている。ところが無機質材料は不燃性、
成形性は優れているものの、床材として使用した場合強
度的には不十分で、通常各種補強材で補強して使用され
ていた。特に、補強材として金属板を使用した場合十分
な補強効果が得られることから、無機質板の底部に金属
補強板を貼着した床材が使用されている。

【０００３】しかしながら、このような床材に使用する
無機質板は吸湿性が強く、空気中の湿度の変化にしたが
って、膨張、収縮して寸法が変化する性質を有している
のに対し、金属補強板は湿度の変化にともなう寸法変化
がないことから、無機質板と金属補強板を貼着して得ら
れた床材には湿度変化によって反りが発生するという問
題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は床材として十
分な強度を有し、しかも不燃性、湿度変化にともなう反
りのない床材を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によると非透湿性
合成樹脂シート、水硬性無機質材料からなる板状基材、
及び厚みが０．２〜１．０ｍｍの金属補強板をこの順序
で積層してなる床材が提供され、更に、前記水硬性無機
質材料からなる板状基材が重合性単量体、セメント、
水、界面活性剤、補強繊維からなるセメント含有油中水
型エマルジョンを重合、硬化させて得られたものである
前記床材が提供される。

【０００６】即ち、水硬性無機質材料からなる板状基材
の表面を非透湿性合成樹脂シートで被覆することにより
湿度変化による反りが極めて小さくなることを見いだし
た、特に水硬性無機質材料からなる板状基材として上記
セメント含有油中水型エマルジョンを重合、硬化させて
得られたものを用いた場合上記目的のみならず、更に高
強度、軽量、鋸引きなどの加工性にも優れた性質を示す
ことを見いだし本発明に到達した。

【０００７】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
に使用する非透湿性合成樹脂シートとしてはポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリメタクリル酸メチルなど水蒸気透過性の少ない通常
の合成樹脂からなるシートが特に制限なく使用できる。
また、非透湿性合成樹脂シートの厚みは１５〜１００μ
程度が好ましい。また、上記シートの代わりに合成樹脂
塗料などで塗装しても本発明の目的の反りを防止する効
果は十分得られない。

【０００８】水硬性無機質材料からなる板状基材として
は繊維補強セメント板、珪酸カルシウム板、石膏板など
が挙げられ、特に繊維補強セメント板として重合性単量
体、セメント、水、界面活性剤、補強繊維からなるセメ
ント含有油中水型エマルジョンを重合、硬化させて得ら
れたものを使用した場合は、従来の繊維補強セメント板
に比べて高強度、軽量で鋸引き性などの加工性にも優れ
た床材が得られるので好ましい。

【０００９】金属補強板としては鉄板、亜鉛メッキ鋼
板、アルミニウム板、ステンレススチール板、銅板など
の金属板が特に制限なく使用できる。金属補強板の厚み
は０．２〜１．０ｍｍ程度が好ましい。厚みが０．２ｍ
ｍ未満では補強効果がなく、１．０ｍｍを超えると鋸引
き性などの加工性が低下するので好ましくない。

【００１０】本発明の床材は上記した、水硬性無機質材
料からなる板状基材の片面に非透湿性合成樹脂シート、
もう一方の片面に金属補強板を接着剤を用いて貼着して
製造される。

【００１１】

【実施例】以下、実施例に基づいて説明する。なお、各
種性能は以下の方法で測定した。 ＜寸法変化及び反り＞厚さ２５ｍｍ、５００×５００ｍ
ｍの床材を下記の条件下で保存した後、寸法変化及び反
りを測定した。 保存条件 ・５０℃、９５％ＲＨの恒温恒湿室で７２時間 ・８０℃の乾燥機中で１２時間 測定方法 （寸法変化率）試験前の床材の対角長さをａ、試験後の
対角長さをｂとすると 寸法変化率＝（ａ−ｂ）／ａ×１００（％）で表した。 （反り）試験後平滑な机上に床材を置き、金属板側を下
にした場合（板状基材が膨張した場合）の矢高（単位ｍ
ｍ）を＋で、金属板側を上にした場合（板状基材が収縮
した場合）の矢高を−で表した。 ＜４点支柱中央１点荷重破壊強度＞本発明の床材の中心
部に先端部の曲率半径が１２．５ｍｍの治具を用い２ｍ
ｍ／ｍｉｎの速度で荷重をかけて床材が破壊したときの
荷重を測定した。

【００１２】製造例１ 重合性単量体としてのスチレンモノマー７５重量部に界
面活性剤としてのソルビタンモノオレート２５重量部、
重合開始剤０．７５重量部、重合促進剤０．４５重量部
を溶解させて得られたビニルモノマー溶液を１５．９７
ｋｇ／ｈｒ、セメントとしてのポルトランドセメントを
３３１．６ｋｇ／ｈｒ、水を２５２．６ｋｇ／ｈｒ、補
強繊維としてのアクリロニトリル繊維（直径１６μ、長
さ５ｍｍ）を６．０ｋｇ／ｈｒを連続的にニーダーに供
給し、攪拌してセメント含有油中水型エマルジョンを形
成させ、押出機にて板状に押し出した後、９０℃で１９
時間蒸気養生して厚み２５ｍｍ、縦・横が５０ｃｍの寸
法を有する繊維補強セメント板を得た。このものの見か
けは比重１．１８であった。

【００１３】実施例 製造例１で得られた繊維補強セメント板の表面に厚み
０．３ｍｍの亜鉛メッキ鋼板をシリコーン系接着剤で接
着し、もう一方の表面に非透湿性合成樹脂シートとして
厚み８０μのポリ塩化ビニルシートを接着して本発明の
床材を得た。このものの性質を表１に示す。

【００１４】比較例 非透湿性合成樹脂シートを使用しない以外は、実施例と
同様にして床材を得た。この床材は表面の平滑性が実施
例に比べて劣り、また施工作業中にセメント粉が手に付
着するので作業性に劣っていた。性質を表１に示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】

【効果】本発明により十分な強度と不燃性を有し、湿度
変化による反りも少ない床材が容易に得られるので、近
年急速に普及してきているフリーアクセスフロアーなど
の二重床構造に使用する床材として好適である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ３２Ｂ 13/06

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】非透湿性合成樹脂シート、水硬性無機質材
   料からなる板状基材、及び厚みが０．２〜１．０ｍｍの
   金属補強板をこの順序で積層してなる床材。
2. 【請求項２】前記水硬性無機質材料からなる板状基材が
   重合性単量体、セメント、水、界面活性剤、補強繊維か
   らなるセメント含有油中水型エマルジョンを重合、硬化
   させて得られたものである請求項１記載の床材。