JPH0681278U - 釣竿支持具と釣竿支持台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消波ブロックに簡単に取付けることのできる
釣竿支持台と、釣竿の支持角度を容易にした釣竿支持具
を提供することにある。 【構成】 釣竿支持台は竿支持具２を取付ける基台１の
下に支点脚11を突設し、その支点脚より後方に消波ブロ
ックＴに巻付け可能となる緊縮体３を繋ぐ一方、緊縮体
の連結部より後方に基台の昇降ボルト８を螺入するもの
である。釣竿支持具は上向きに開口する支承部４の下に
支持脚５を設けた支持体20と、支承部に軸支し上下に揺
動可能となる竿止体23、及び支承部底片4aに螺入する傾
斜調整ネジ29より構成され、竿止体が竿掛け７の下に支
承部に軸支する支持板22と、調整ネジに当接する円弧板
21を設け、調整ネジの出没にて竿掛けの前傾を規制する
ものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、釣竿支持具と磯釣りに使用する釣竿支持台に関する。

【０００２】

【従来の技術】

磯釣りをする際、防波堤の周囲には積重ねられている消波ブロックや、海岸線 や河口等に積重ねられている浸食防止用消波ブロックから投げ釣りされることが 多い。消波ブロックより磯釣りをする場合、消波ブロックの上で釣竿を持ち続け るか、釣竿を消波ブロックの上に適宜並べ置いていたが、近年、消波ブロックに タガネで穴を穿ち、該穴に海岸から投げ釣りする際に用いる竿掛けの脚部を挿入 し、穴と竿掛け脚部の隙間に鉛を詰込み、消波ブロックに竿掛けを固定した後、 竿掛けに釣竿を支持することも試みられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

磯釣りには長くて丈夫な釣竿が用いられるので、足場の悪い消波ブロックの上 で釣竿を長く持ち続けることはできないし、消波ブロックの上に釣竿を並べ置く と、消波ブロックはコンクリート製であるため、高価な釣竿が擦れて傷付く問題 点があった。又消波ブロックに穴を穿ち、穴に竿掛けを固定する場合、コンクリ ートの消波ブロックに穴を簡単に穿ち得ないし、穴の穿設により消波ブロックが 破損しやすくなる大きな問題点もあった。 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、消波ブロックに簡単に取付けることのできる釣竿支持 台と、釣竿の支持角度を容易にした釣竿支持具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における釣竿支持台は、前後に長い基台の 上に竿支持具を取付け、基台の下に支点脚を突設し、該支点脚より後方に消波ブ ロックに巻付け可能となる緊縮体を繋ぐ一方、緊縮体より後方に基台の昇降ボル トを螺入し、昇降ボルトの螺進により支点脚を支点として基台を上昇し、緊縮体 を緊張して固定するものである。

【０００５】 又本考案における釣竿支持具は、上向きに開口する支承部の下に支持脚を設け た支持体と、支承部に軸支し上下に揺動可能となる竿止体、及び支承部底片に螺 入する傾斜調整ネジより構成され、竿止体が竿掛けの下に支承部の側片間に軸支 する支持板と、調整ネジに当接する円弧板を設け、調整ネジの出没にて竿掛けの 前傾を規制するものである。

【０００６】

【実施例】

先ず本考案における釣竿支持台の構造を実施例の図面に基ずき説明すれば、釣 竿支持台は消波ブロック脚ｔの上に載せ置く基台１に竿支持具２の取付部14を設 け、基台１の前部より下向きに支点脚11を突設し、その支点脚11より後方の基台 １に消波ブロックＴに巻付け得る緊縮体３を繋ぎ、緊縮体３の連結部より後方に 基台昇降ボルト８を螺入するものである。

【０００７】 基台１は前後に長い矩形状基板1aの少なくとも左右に側壁1b，1cを垂下し、基 板1aの前部より下向きに支点脚11を突設し、支点脚11より後方の基板1aに雌ネジ 取付部14と雌ネジ15を順に設け、支点脚11より後方の側壁1b，1cに、側壁1b，1c より左右に係止腕12，13を突出するものである。 竿支持具２の取付部14を図６（Ｂ）（Ｃ）の如く貫通孔18と、貫通孔18を中心 にして周囲に分散穿設する係止孔19より形成することも可能である。

【０００８】 支点脚11は基板1aの前縁より垂下する前壁1dと、両側壁1b，1cより前壁1dに連 続する補強壁1eにて形成されている。 係止腕12，13の一方に前後に貫通する抜孔2a、又は上下に貫通する抜孔2aを穿 設し、他方に係止溝3aを上向きに開口するものである。この係止腕12，13は基板 1aに設けることも可能であるし、前後縁に設けることも可能である。

【０００９】 緊縮体３には消波ブロック脚ｔの外周長さより長く、しかもブロック脚ｔに巻 付け得る程度に柔軟で、且つ緊張可能な鎖を用いることが望ましいが、バンドや ロープ、或いはワイヤを用いることも可能である。この緊縮体３は一端を係止腕 12の抜孔2aに繋ぎ、緊縮体３の自由端を係止腕13の係止溝3aに係止するものであ る。又緊縮体３の一端に茄子環（図示せず）を設け、緊縮体３を着脱可能にする ことも可能である。

【００１０】 昇降ボルト８は雄ネジ8aの上に頭部8bを設け、該頭部8bにハンドル81を貫通、 又は固定し、雄ネジ8aの下端部にストッパー82を回動可能に且つ離脱不能に取付 けるもので、先ず雄ネジ8aを支点脚11より後方の雌ネジ15に螺入し、基板1aより 下方に露出した雄ネジ8aの先部にストッパー82を取付けるものである。 この昇降ボルト８は係止腕12，13の突設部より後方に螺入するものである。

【００１１】 次に本考案における竿支持具の構造を実施例の図１と図２、及び図５乃至図７ に基ずき説明すれば、竿支持具２は上向きに開口する支承部４の下に支持脚５を 設けた支持体20と、支承部４に軸支し上下に揺動可能となる竿止体23、及び支承 部４に螺入する竿止体23の傾斜調整ネジ29より構成するもので、支持脚５の下部 に剣先部を設け、剣先部を岩場に打込むか、支持脚５の下部に雄ネジ5aを設け、 該雄ネジ5aに回止ナット25を螺合し、雄ネジ5aの先部を前記基台１の取付部14に 螺入するものである。

【００１２】 支持脚５の下部に雄ネジ5aを設けた竿支持具２にあっては、先ず雄ネジ5aに回 止ナット25を螺合し、回止ナット25より突出した雄ネジ5aの先部を基台１の取付 部14に螺入し、竿止体23を適宜方向に向くまで回動した後、雄ネジ5aに螺合した 回止ナット25を締付け、支持脚５を基台１に固定する。この竿支持具２は取付部 14の位置によって任意に直立し得るもので、具体的には支点脚11を設けた前部、 又は支点脚11と緊縮体３の間に直立することが望ましい。

【００１３】 支承部４は底片4aの左右に側片4b，4cを相対設し、側片4b，4c間に竿止体23を 前後揺動可能に軸支し、底片4aに調整ネジ29を出没可能に螺入する。 竿止体23は棒材より形成した竿掛け７の中間部7aに支持板22と円弧板21を垂下 し、中間部7aの先にＶ字状の竿受け部7bを、中間部7aの後に鈎状に屈曲する竿係 止部7cを形成するものである。

【００１４】 図８の竿支持具２は、前後に彎曲する竿掛け７と、竿掛け７を上下より挾持す る座金16，26、座金16，26を基台１に固定するボルト28、及びナット24より構成 するもので、竿掛け７は図９の如く中間部7aが適宜幅で二股に平行し、下座金26 の下部に取付部14の係止孔19に係止する突起27を突設している。

【００１５】 図１１の竿支持具２は、基台１より上方に突出する隆起部９と、隆起部９に係 止する座金６、座金６に嵌挿する竿掛け７、該竿掛け７を隆起部９に固定するボ ルト28、及びナット24より構成するもので、隆起部９の前上部に貫通孔18を中心 とする円弧凸条9aを、後上部に放射凸条9bを設け、座金６の前下部に円弧凸条9a に係止する円弧突条6aを、後下部に放射凸条9bに係止する放射突条6bを設けるも のである。

【００１６】 図１２と図１３は、横杆32の中央下部に基台１の取付部14に螺入する雄ネジ31 を垂設し、左右に雌ネジ34，35を有する連結体30で、雌ネジ34，35に竿支持具２ を直立するものである。雌ネジ34，35の代わりに図６（Ｂ）（Ｃ）の如く貫通孔 18を穿設すると共に、貫通孔18を中心にして周囲に係止孔19を分散し、貫通孔18 の穿設部に竿支持具２を取付けることも可能である。

【００１７】 尚、支持脚５の雄ネジ5aを基板1aに貫通し、その下端部にストッパー82を回動 可能に設け、支持脚５を離脱不能にすることも可能であるし、反対に昇降ボルト ８のストッパー82を省略し、昇降ボルト８を着脱自在にすることも可能である。 又竿支持具２の支持脚５を基台１に着設することも可能であるし、支持脚５の上 に竿止体23を直接設けることも可能であるばかりか、図１０の如く基台１の左右 側壁1b，1cに長手方向に平行する長溝17を設け、該長溝17に係止腕12，13を摺動 可能に、且つ離脱不能に嵌挿することも可能である。更に竿支持具２の構造と竿 止体23の傾斜固定手段等は上記例に限定されるものではない。

【００１８】 本案の釣竿支持台は上記のとおり構成されているので、これを用いて消波ブロ ックＴの上で磯釣りをする場合、複雑に積重なる消波ブロックＴの中から、略水 平となる消波ブロック脚ｔを捜し、先ず基台１に一端を繋いだ緊縮体３の自由端 を握持ってＵ字状に弛ませ、これをブロック脚ｔの先端下方から根元に向けて掛 けた後、弛ませて掛けた緊縮体３を軽く緊張し、その自由端を基台１の係止腕13 に掛て仮止めする。

【００１９】 次に仮止めした基台１の昇降ボルト８を下向きに螺進すれば、昇降ボルト８は 下端部に設けたストッパー82が消波ブロックＴに接地するまで螺進した後、接地 したストッパー82において回転する結果、消波ブロックＴに接地する支点脚11を 支点として基台１の後部が上昇する。基台１が支点脚11を支点として消波ブロッ クＴより上昇するにつれて、消波ブロックＴに巻き付けた緊縮体３が緊張し、支 点脚11が消波ブロックＴに強く係止する。

【００２０】 基台１の固定後、先ず支持脚５に螺入する固止ナット25を緩め、支持脚５の旋 回を可能にし、支持脚５の支承部４に軸支した竿止体23を釣糸Ｙの投入方向に向 け、固止ナット25を締付けて固定し、次に支承部４の底片4aに螺入する傾斜調整 ネジ29を出没して竿止体23を任意傾斜状態にする。 以後、従来の竿支持具と同様に、投げ入れた竿Ｐの後部を竿止体23の竿受け部 7bに掛け、後端部を竿係止部7cに挿入係止するものである。

【００２１】 釣りが終了し、本案釣竿支持台を消波ブロックＴより取外す場合、先ず昇降ボ ルト８を上昇方向に回動し、浮上していた基台１の後部を消波ブロックＴに接地 するまで下降すれば、緊張していた緊縮体３は緩むので、その緊縮体３の他端を 係止腕12，13から外せば簡単に取外せる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案の釣竿支持台は、上記のとおり構成されているので、次に記載する効果 を奏する。 消波ブロック脚の上に基台を置き、該基台に一端を繋いだ緊縮体をブロック脚 に巻き付け、その自由端を基台の係止腕に掛た後、昇降ボルトを回動して基台の 後部を上昇するだけで、釣竿支持台を簡単にしかも強力に固定し得る。又一度取 付けた支持台であっても、昇降ボルトを反対に回動して緊縮体を緩めれば、簡単 に取外すこともできる。その結果、基台の着脱も至って簡単である。しかも消波 ブロックに穴を穿つ必要もないし、穴の穿設によって消波ブロックを破損するこ ともない。

【００２３】 本考案の釣竿支持具は、上記のとおり構成されているので、次に記載する効果 を奏する。 支持脚の上に設けた支承部に竿止体を前後揺動可能に軸支し、該竿止体に円弧 板を垂設する一方、支承部の底片に円弧板の揺動範囲に突出する調整ネジを螺入 し、円弧板が調整ネジに係止するまで竿止体が傾斜するものであるから、調整ネ ジの出没にて竿止体の傾斜角度を任意に変更し得る。しかも構造が簡単で取扱操 作も容易であるため、釣竿の支持具として最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案釣竿支持台と釣竿支持具の要部構造を示す
一部切欠側面図である。

【図２】釣竿支持具の分解状態における一部切欠側面図
である。

【図３】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）緊縮体の使用例と係止腕
の突設例を示す縦断面図である。

【図４】の（Ａ）（Ｂ）基台の固定例と昇降ボルトの螺
合例を示す断面図である。

【図５】竿止体の支持例を示す縦断面図である。

【図６】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）支持脚の螺合例、及び竿
支持具取付部の平面図とその縦断面図である。

【図７】本案釣竿支持台の使用状態図である。

【図８】竿支持具の取付例を示す分解断面図である。

【図９】竿掛けの平面図である。

【図１０】係止腕を摺動自在に設けた基台の側面図であ
る。

【図１１】の（Ａ）（Ｂ）竿支持具の取付例を示す分解
断面図と隆起部の平面図である。

【図１２】連結体の一部切欠側面図である。

【図１３】連結体の一部切欠側面図である。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 竿支持具 ３ 緊縮体 ４ 支承部 ５ 支持脚 ６,16,26 座金 ７ 竿掛け ８ 昇降ボルト ９ 隆起部 11 支点脚、12，13 係止腕、14 竿支持具の取付部 15,34,35 雌ネジ、17 長溝、18 貫通孔、19 係止孔 20 支持体、21 円弧板、22 支持板、23 竿止体、25
回止ナット 29 傾斜調整ネジ 30 連結体、32 横杆 81 ハンドル、82 ストッパー Ｔ 消波ブロック、ｔ 消波ブロック脚 Ｐ 竿、Ｙ 釣糸

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 竿支持具（２）を取付ける基台（１）の
   下に支点脚（11）を突設し、該支点脚より後方の基台に
   消波ブロック（Ｔ）に巻付け可能となる緊縮体（３）を
   繋ぐ一方、該緊縮体の連結部より後方に基台昇降ボルト
   （８）を螺入した釣竿支持台。
2. 【請求項２】 上向きに開口する支承部（４）の下に支
   持脚（５）を設けた支持体(20)と、支承部に軸支し上下
   に揺動可能となる竿止体(23)、及び支承部底片(4a)に螺
   入する傾斜調整ネジ(29)より構成され、竿止体が竿掛け
   （７）の下に支承部に軸支する支持板(22)と、調整ネジ
   に当接する円弧板(21)を設け、調整ネジの出没にて竿掛
   けの前傾を規制する釣竿支持具。