JPH0681114U - 平面アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】長期間安定した電気性能が維持できる平面アン
テナの構造を提供すること。 【構成】マイクロストリップアンテナを形成した基板
に、入出力端子部を取付けてなるアンテナ部を有する平
面アンテナにおいて、前記入出力端子部を除いたアンテ
ナ部全体を樹脂でモールドすること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

自動車等の外装部位に装着する平面アンテナの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の平面アンテナには、前記アンテナ基板に入出力端子を取付けたアンテナ 部を保護する構造として、図５及び図６に示すように、電波放射面を保護するレ ドーム１２と、アンテナ部全体を保持する筺体１４及びスペーサ１３で構成され たケース内にアンテナ部を収納し、防水用パッキン１５を介してレドーム１２と 筺体１４をねじ１６で止めるか、もしくはモール１７で挟んで固定する等のもの がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような構成で平面アンテナを自動車等の外装部位に装着した場合、振動 及び衝撃等によるねじのゆるみ、もしくはモールの変形や破損により防水性が低 下して水分が浸入し、アンテナ基板表面のマイクロストリップアンテナを腐食さ せ、電気性能を劣化させることがある。また、レドーム表面には、塵埃、油、泥 等の汚染物質並びに、雨水等が付着し電気性能を劣化させることがある。 本考案は、長期間安定した電気性能が維持できる平面アンテナの構造を提供す るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の平面アンテナは、マイクロストリップアンテナを形成した基板に、入 出力端子部を取付けてなるアンテナ部を有する平面アンテナにおいて、前記入出 力端子部を除いたアンテナ部全体を樹脂でモールドすることを特徴とする。 この場合、モールドした樹脂の表面がフッ素樹脂でコートされていることが好 ましい。

【０００５】 本考案の平面アンテナは、図２に示すように、アンテナ基板１に入出力端子部 ２を取付けたアンテナ部の内、入出力端子部２を図３に示す樹脂の注型成形型４ に固定し、インサート成形を行うか、もしくは、図４に示す樹脂の射出成形型８ に固定し、同様にインサート成形を行う。また、この際、注型成形型５又は射出 成形型９の表面６又は表面１０の部分には、予めフッ素樹脂を塗布しておき、成 形時、成形品の表面に転写されるようにしておく。 このようにすることで、図１に示すように入出力端子部２を除くアンテナ部全 体を樹脂でモールドした構造で、かつモールドした樹脂３の電波放射面上の表面 ２５にフッ素樹脂がコートされた構造の平面アンテナを得る。 また、前記のようにインサート成形時に図３及び図４に示す表面６又は表面１ ０に予めフッ素樹脂を塗布するのではなく、インサート成形後２次加工にて、図 １に示すモールドした樹脂３の電波放射面上の表面２５にフッ素樹脂をコートし ても同様の構造の平面アンテナを得る。

【０００６】

【作用】

１．アンテナ部を樹脂でモールドすることにより、アンテナ基板表面のマイクロ ストリップアンテナ部分が気密封止される。 ２．モールドした樹脂の表面にフッ素樹脂がコートされるため、塵埃、油及び泥 等の汚染物質並びに雨水が付着しにくくなると共に、付着した場合でもその除 去が容易になる。

【０００７】

【実施例】

本考案の一実施例を図１に示す。絶縁体がテフロン等の誘電体でできた両面銅 張り積層板をエッチング加工等を行うことにより、マイクロストリップアンテナ を形成し、アンテナ基板１を作成する。さらに、入出力端子部２を取付けアンテ ナ部を構成する。 次に図３に示すように、注型成形型４にアンテナ部を固定する。この際、樹脂 注型時に入出力端子部に樹脂が覆いかぶさらないように注型成形型４内に入出力 端子部を挿入する等の処置を行ってアンテナ部を固定する。また、注型成形型５ の表面６には、予めフッ素樹脂を塗布しておく。この状態で樹脂流入口７から溶 解樹脂を注入して注型成形を行うことにより、図１に示すように樹脂３の表面２ ５がフッ素樹脂でコートされた構造の平面アンテナを得る。 また、図４に示すように射出成形型８にアンテナ部を固定し、射出成形型９の 表面１０に予めフッ素樹脂を塗布した後、樹脂注入口１１から熱可塑性の溶融樹 脂を射出して射出成形を行うことにより、図１に示す同様の平面アンテナを得る こともできる。 ここで、アンテナ基板１の部分は、図７に示すようにマイクロストリップアン テナをフィルム基板２０で形成し、接地導体板１８及び誘電体の絶縁シート１９ を使用して構成することもできる。また同様に図８に示すように、基板２１、２ ２、２３、２４等を重ねた多層構成でも良い。 また、前記のようにインサート成形時、図３及び図４に示す注型成形型５の表 面６又は射出成形型９の表面１０に、予めフッ素樹脂を塗布するのではなく、イ ンサート成形後２次加工にて、図１に示すモールドした樹脂３の電波放射面上の 表面２５にフッ素樹脂をコートしても同様の構造の平面アンテナを得る。

【０００８】

【考案の効果】

１．アンテナ部を樹脂でモールドすることにより完全防水構造が得られるため、 マイクロストリップアンテナの腐食を防止することができ、長期間安定した電 気性能を維持することができる。 ２．成形後の樹脂表面にフッ素樹脂がコートされていることにより、耐候性が向 上し、また、さらに汚染物質及び雨水の付着を軽減できると共に、汚染物質が 付着した場合でも、その除去が容易になるため、長期間安定した電気性能を維 持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平面アンテナの断面図
である。

【図２】本考案の一実施例を示す平面アンテナ図１中の
アンテナ部の断面図である。

【図３】本考案の一実施例を得るための成形方法を説明
するための断面図である。

【図４】本考案の一実施例を得るための他の成形方法を
説明するための断面図である。

【図５】従来の技術を説明するための平面アンテナの断
面図である。

【図６】他の従来の技術を説明するための平面アンテナ
の断面図である。

【図７】本考案の他の実施例を示すアンテナ基板部分の
断面図である。

【図８】本考案のさらに他の実施例を示すアンテナ基板
部分の断面図である。

【符号の説明】

１．アンテナ基板 ２．入出力端子部 ３．樹脂 ４．注型成形型 ５．注型成形型 ６．表面 ７．樹脂注入口 ８．射出成形型 ９．射出成形型 １０．表面 １１．樹脂注入口 １２．レドーム １３．スペーサ １４．筺体 １５．パッキン １６．ねじ １７．モール １８．接地導体板 １９．スペーサ ２０．フィルム基
板 ２１．基板 ２２．基板 ２３．基板 ２４．基板 ２５．表面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】マイクロストリップアンテナを形成した基
   板に、入出力端子部を取付けてなるアンテナ部を有する
   平面アンテナにおいて、前記入出力端子部を除いたアン
   テナ部全体を樹脂でモールドすることを特徴とする平面
   アンテナ。
2. 【請求項２】前記モールドした樹脂の表面がフッ素樹脂
   でコートされていることを特徴とする請求項１に記載の
   平面アンテナ。