JPH0680842U - 気化器のアイドルリミッター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リミッターキャップのパイロットスクリュー
への装着時、パイロットスクリューの長手軸心方向への
押圧荷重を低減し、低速混合気の制御精度を向上する。 【構成】 パイロットスクリュー６を、その先端よりテ
ーパー針弁部７、オネジ部８、外径Ａなるローレットオ
ネジ部９、前記ローレットオネジ部９の外径Ａより小径
の外径Ｂを有するネック部１０、と順次連設して形成す
る。リミッターキャップ１を、上下が開口した筒状部
２、筒状部２の内周２Ａの下方にあるローレットメネジ
部３、ローレットメネジ部３の上方にあって、基端４Ａ
が筒状部２の内周２Ａに接続され、上端４Ｂが上方に向
かってその内方径Ｃが漸次減少する複数の係止片３であ
つて複数の係止片３の上端４Ｂによって形成される仮想
直径Ｄがネック部１０の外径Ｂと略等径をなす係止片
３、筒状部２の外周２Ｂに設けた係止突部５とにより形
成する。ローレットメネジ部３をローレットオネジ部９
に嵌着するとともに係止片３の上端４Ｂをネック部１０
に係合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内燃機関に供給される混合気の量及び濃度を調整、制御する気化器に 関し、その内特に、気化器のパイロットアウトレット孔の開口面積を螺動調整す るパイロットスクリューをリミッターキャップによって一定調整範囲内に規制す る気化器のアイドルリミッター装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の気化器のアイドルリミッター装置は実開昭５５−１４２６５０号公報に 示される。 かかる装置において、リミッターキャップはパイロットスクリューのヘッドの外 径より小径の径小部が上下に設けられ径小部の間の中央に径大部が形成される。 そして気化器生産者が気化器を出荷する際においてリミッターキャップを一方の 径小部を介して径大部に押し込み、機関に装着してパイロットスクリューの最終 の調整を行なった後にキャップを更に押し込んで他方の径小部によってリミッタ ーキャップをパイロットスクリューに圧入固着する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

かかる従来のアイドルリミッター装置によると以下の課題を有する。 すなわち、リミッターキャップには以下の二つの機能が要求される。 第１には、パイロットスクリューとリミッターキャップが同期的に回転すること であり、第２には、リミッターキャップがパイロットスクリューの長手軸心方向 に沿って確実に固定されて脱落しないことである。 ここで従来の装置を鑑案すると、上記二つの機能はリミッターキャップの小径部 にパイロットスクリューのヘッドが圧入されることによって行なわれるもので、 これによると特に第２の機能を満足させる為にパイロットスクリューのヘッドに リミッターキャップの小径部を圧入する際、大なる押圧力がパイロットスクリュ ーの長手軸心方向に加えられる。 以上によると、パイロットスクリューが気化器本体に螺着されることからパイロ ットスクリューは長手軸心方向に移動し、パイロットアウトレット孔の開口面積 を正確に調整し得ないものである。

【０００４】 本考案になるアイドルリミッター装置は上記に鑑み成されたもので、リミッタ ーキャップをパイロットスクリューに装着する際、パイロットスクリューをその 長手軸心方向において大なる荷重で押圧することなく且つ前記二機能を満足させ ることのできるアイドルリミッター装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】

本考案によると、前記目的は、気化器のパイロットアウトレット孔の開口面積 を螺動調整するパイロットスクリューをリミッターキャップによって一定調整範 囲内に規制する気化器のアイドルリミッター装置において、 パイロットスクリューを、その先端よりテーパー針弁部、オネジ部、外径Ａなる ローレットオネジ部、前記ローレットオネジ部の外径Ａより小径の外径Ｂを有す るネック部、と順次連設して形成し、 合成樹脂材料よりなるリミッターキャップを、上下が開口した筒状部、筒状部の 内周の下方にあるローレットメネジ部、ローレットメネジ部の上方の筒状部の内 周にあって、基端が筒状部の内周に接続され、上端が自由状態であるとともに上 方に向かってその内方径が漸次減少する複数の係止片であつて複数の係止片の上 端によって形成される仮想直径がネック部の外径と略等径をなす係止片、筒状部 の外周より外側方に向かって部分的にのびる係止突部とにより形成し、リミッタ ーキャップのローレットメネジ部をパイロットスクリューのローレットオネジ部 に嵌着するとともにリミッターキャップの係止片の上端をパイロットスクリュー のネック部に係合することによって達成される。

【０００６】

【作用】

第１の機能であるパイロットスクリューとリミッターキャップとを同期的に回 転させることは、リミッターキャップのローレットメネジ部をパイロットスクリ ューのローレットオネジ部へ装着することによって達成され、第２の機能である リミッターキャップがパイロットスクリューの長手軸心方向において確実に固定 されることはリミッターキャップの係止片の上端がパイロットスクリューのネッ ク部に係合されることによって達成される。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案になる気化器のアイドルリミッター装置の一実施例を説明する。 まず図１，図２によりリミッターキャップ１について説明する。 リミッターキャップ１は合成樹脂材料によって形成され、その上下方向が開口し た筒状部２と、筒状部２の内周２Ａの下方に形成されるローレットメネジ部３と 、ローレットメネジ部３より上方の筒状部２の内周２Ａ内にあり、その基端４Ａ が筒状部２の内周２Ａに片持ち接続され、その上端４Ｂが自由状態にあり、更に その内方径Ｃが上方に行くに従って漸次減少する複数の係止片３，３，３，３と 、筒状部２の外周２Ｂより外側方に向かって部分的にのびる係止突部５と、によ り形成される。 本実施例において係止片３は４枚設けた。 パイロットスクリュー６は図３，図４に示される。 パイロットスクリュー６は、その下方より上方に向かって以下に述べる如き構成 が順次形成される。 ７はもっとも下方にあるテーパー針弁部であり、テーパー針弁部７の上方に連設 してオネジ部６が形成され、その上方には外径Ａなるローレットオネジ部９が形 成され、さらにその上方にはローレットオネジ部９の外径Ａより小径の外径Ｂを 有するネック部１０が形成される。 ここで、前述した複数の係止片３，３・・・・の上端４Ｂによって形成される仮 想直径Ｄはネック部１０の外径Ｂと略同径をなす。 そして、パイロットスクリュー６のオネジ部８が気化器本体１１に螺着され、パ イロットスクリュー６を螺動することによって低速混合気が流出するパイロット アウトレット孔１２の有効開口面積が適正に制御される。 ここで少なくともパイロットスクリュー６のローレットオネジ部９、ネック部１ ０は気化器本体１１より突出して配置される。 次いでパイロットスクリュー６にリミッターキャップ１が以下のように螺着され る。 リミッターキャップ１の筒状部２の下方の開口をパイロットスクリュー６に向け て進入させる。 これによると、リミッターキャップ１のローレットメネジ部３がパイロットスク リューのローレットオネジ部９に嵌着され、一方係止片３はリミッターキャップ １の下方向への移動においてその内方径Ｃが徐々に拡大され、ネック部１０に達 するや、再びその内方径Ｃが原径に復帰してネック部１０に係合する。 そして、かかるリミッターキャップ１のパイロットスクリュー６に対する装着時 においてパイロットスクリュー６の長手軸心方向に対する押圧力を低く押えるこ とができる。 これは、リミッターキャップ１のローレットメネジ部３とパイロットスクリュー ６のローレットオネジ部９との嵌着は、単にリミッターキャップ１の回転力をパ イロットスクリュー６に伝達するだけでよく、リミッターキャップ１の脱落を何 等配慮する必要がないのでその嵌着力はパイロットスクリュー６を回転するに必 要な力でよく、しかもパイロットスクリュー６のオネジ部８の径は４mm程度の小 径であるので極めて弱い嵌着力によってリミッターキャップ１とパイロットスク リュー６が嵌着されていればよいものでローレットメネジ部３によるパイロット スクリュー６に対する長手軸心方向の押圧力を低減できる。 一方、係止片３がネック部１０に係合する過程において、係止片３がパイロット スクリュー６をその長手軸心方向に押圧するが係止片３は片持ち支持状態にあっ て係止片３の基端４Ａを基準にして折り曲げられ、その押圧力が軽減されるので 係止片３によるパイロットスクリュー６の長手軸心方向における押圧力を低減で きる。 そして、リミッターキャップ１の回転は、ローレットメネジ部３を介してローレ ットオネジ部９に伝達されて係止突部５が気化器本体１１のボス１３に当接する 一定の範囲において、パイロットアウトレット孔１２の開口面積を制御し得る。 又、リミッターキャップ１の脱落は、係止片３がネック部１０に係合することに よって抑止される。

【０００８】

【考案の効果】

以上の如く、本考案になる気化器のアイドルリミッター装置によると、リミッ ターキャップをパイロットスクリューに装着するに際し、パイロットスクリュー の長手軸心方向に対する押圧力を極力小さくすることが可能となったもので、こ れによると低速混合気の制御を極めて正確に行なうことができたものである。 又、リミッターキャップにかかわる構成を単一なる部品によって行なうことがで きたことは組立て工数、部品コスト、の上昇をもたらすものでなく経済的効果大 なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案になる気化器のアイドルリミッター装置
に用いられるリミッターキャップの一実施例を示す縦断
面図。

【図２】図１の上部平面図。

【図３】気化器に装着されたパイロットスクリューにリ
ミッターキャップを嵌着した状態を示す要部縦断面図。

【図４】図３の要部上部平面図。

【符号の説明】

１ リミッターキャップ ２ 筒状部 ２Ａ 内周 ２Ｂ 外周 ３ 係止片 ４Ａ 基端 ４Ｂ 上端 ６ パイロットスクリュー ７ テーパー針弁部 ８ オネジ部 ９ ローレットオネジ部 １０ ネック部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 気化器のパイロットアウトレット孔の開
   口面積を螺動調整するパイロットスクリューをリミッタ
   ーキャップによって一定調整範囲内に規制する気化器の
   アイドルリミッター装置において、 パイロットスクリュー６を、その先端よりテーパー針弁
   部７、オネジ部８、外径Ａなるローレットオネジ部９、
   前記ローレットオネジ部９の外径Ａより小径の外径Ｂを
   有するネック部１０、と順次連設して形成し、 合成樹脂材料よりなるリミッターキャップ１を、上下が
   開口した筒状部２、筒状部２の内周２Ａの下方にあるロ
   ーレットメネジ部３、ローレットメネジ部３の上方の筒
   状部２の内周２Ａにあって、基端４Ａが筒状部２の内周
   ２Ａに接続され、上端４Ｂが自由状態であるとともに上
   方に向かってその内方径Ｃが漸次減少する複数の係止片
   ３，３，３・・・であつて複数の係止片３，３，３の上
   端４Ｂによって形成される仮想直径Ｄがネック部１０の
   外径Ｂと略等径をなす係止片３、筒状部２の外周２Ｂよ
   り外側方に向かって部分的にのびる係止突部５、とによ
   り形成し、リミッターキャップ１のローレットメネジ部
   ３をパイロットスクリュー６のローレットオネジ部９に
   嵌着するとともにリミッターキャップ１の係止片３の上
   端４Ｂをパイロットスクリュー６のネック部１０に係合
   してなる気化器のアイドルリミッター装置。