JPH0680564A - 抗色素沈着治療薬 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、より優れた肝斑（シミ）治療
薬を開発することにある。 【構成】トラネキサム酸、ビタミンＣ、ビタミンＢ２
群、ビタミンＢ６群もしくはそれらの塩類の医薬組成物
は肝斑（シミ）治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は肝斑（シミ）の内用治療
薬に関する。

【０００２】

【従来の技術】肝斑、いわゆる３０代以降の妊娠可能な
女性にできはじめるシミの治療法としてはビタミンＣ、
トラネキサム酸やタチオンの内用、ハイドロキノンやコ
ウジ酸の外用が効果があるとされている（皮膚第３０卷
・第５号・昭和６３年１０月）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明者は、肝斑いわ
ゆるシミが薄くなった患者を調べると、ビタミンＣとト
ラネキサム酸を一緒に飲んでいることを以前からすでに
発見していた。臨床データをとってみるとビタミンＣと
トラネキサム酸の併用は明らかに肝斑に効果が認められ
た。本発明者は肝斑に対し、さらに一層有効な治療薬を
求めていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者はビタミンＣと
トラネキサム酸に加えビタミンＢ２群やビタミンＢ６群
もしくはそれらの塩類を併用すると極めて効果が高いこ
とをみつけた。具体的に示すと、ビタミンＢ２群もしく
はその塩類としては、リボフラビン、リン酸リボフラビ
ン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビ
ン、フラビンアデニンジヌクレオチド（ＦＡＤ）、フラ
ビンアデニンジヌクレオチドナトリウムなどが上げられ
る。

【０００５】ビタミンＢ６群もしくはその塩類として
は、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキ
シン、ピリドキサール、リン酸ピリドキサール、リン酸
ピリドキサールカルシウム、塩酸ピリドキサール、ピリ
ドキサミン、二塩酸ピリドキサミン、リン酸ピリドキサ
ミンなどが上げられる。

【０００６】使用量 遊離酸又は遊離塩基として成人１日量、トラネキサム
酸：２００〜２０００ｍｇ、ビタミンＣ：３０〜３００
０ｍｇ、ビタミンＢ２群：１〜１００ｍｇ、ビタミンＢ
６群：１〜１００ｍｇが使用され、その量を１回又は数
回に分けて使用する。ビタミンＢ２群及びビタミンＢ６
群は併用することが好ましいが、ビタミンＢ２群とビタ
ミンＢ６群の少なくとも１群が使用されていれば本発明
の目的は達成しうる。

【０００７】剤型 剤型としては錠剤、カプセル、粒剤、液剤などの内服剤
として使用する。その場合、必要に応じて安定化剤、賦
形剤、結合剤、崩壊剤などの医薬品添加物又は他の活性
剤を含めることができる。その他の活性剤の１例とし
て、パントテン酸又はその塩、パンテノール、ビオチ
ン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ビタミンＥ群など
があげられる。これらを上記有効成分とともに含めるこ
とにより、本発明の効果がより増す場合がある。

【０００８】

【実施例】

実施例１ 肝斑（シミ）の患者に対して、次の処方量１日３回に分
けて投与した場合の結果を示す。比較例はビタミンＢ２
群及びビタミンＢ６群を含めず処方したものである。又
この処方により薬剤を投与した患者に副作用はまったく
認められなかった。

【０００９】 基本処方 成分 １回量 １日量 トラネキサム酸 ５００ｍｇ １５００ｍｇ ビタミンＣ ２００ｍｇ ６００ｍｇ ビタミンＢ２（ＦＡＤ） １０〜１５ｍｇ ３０〜４５ｍｇ ビタミンＢ６（リン酸ピリドキサール）２０〜３０ｍｇ ６０〜９０ｍｇ

【００１０】症例 性 年齢 初診時症状 効果初発 判定時症状 投与期間 最終効果 1 女 41 G-4 2週 G-1 28週 著効 2 女 40 G-3 4週 G-0 16週 著効 3 女 39 G-3 6週 G-0 32週 著効 4 女 43 G-3 無 G-3 10週 無効 5 女 53 G-4 4週 G-2 16週 有効 6 女 39 G-4 6週 G-2 14週 有効 7 女 40 G-4 2週 G-1 20週 著効 8 女 46 G-4 2週 G-0 32週 著効 9 女 38 G-3 2週 G-0 30週 著効 10 女 40 G-4 4週 G-3 10週 やや有効 11 女 34 G-3 2週 G-1 10週 有効 12 女 39 G-4 2週 G-1 20週 著効 13 女 42 G-3 4週 G-0 24週 著効 14 女 41 G-3 2週 G-0 34週 やや有効 15 女 52 G-3 4週 G-1 18週 有効

【００１１】比較例症例 性 年齢 初診時症状 効果初発 判定時症状 投与期間 最終効果 1 女 32 G-3 8週 G-1 32週 有効 2 女 45 G-4 2週 G-3 10週 やや有効 3 女 41 G-4 2週 G-1 52週 著効 4 女 37 G-3 6週 G-1 54週 有効 5 女 50 G-3 4週 G-2 10週 やや有効 6 女 44 G-3 4週 G-2 18週 やや有効 7 女 44 G-4 2週 G-3 48週 やや有効 8 女 31 G-3 4週 G-0 12週 著効 9 女 45 G-3 2週 G-0 14週 著効 10 女 41 G-4 無 G-4 12週 無効 11 女 52 G-4 無 G-4 28週 無効 12 女 37 G-4 4週 G-2 20週 有効 13 女 53 G-4 無 G-4 10週 無効 14 女 43 G-3 6週 G-1 32週 有効

【００１２】肝斑の色素沈着度 Ｇ−４＝厚化粧でも隠し得ない色素沈着 Ｇ−３＝厚化粧では隠せるが、普通の化粧では隠し得な
い色素沈着 Ｇ−２＝普通の化粧では隠せるが、薄化粧では隠し得な
い色素沈着 Ｇ−１＝薄化粧では隠せるが、素肌では色素沈着を認め
る Ｇ−０＝素肌で色素沈着を認めない

【００１３】効果判定基準 著 効＝色素沈着度が３段階以上軽快 有 効＝色素沈着度が２段階軽快 やや有効＝色素沈着度が１段階軽快 無 効＝色素沈着度に変化を認めない 悪 化＝色素沈着度の増悪を認めた

【００１４】効果 上記基本処方による効果をまとめると次のようになる。 著効 − ８／１５ 件 （５３．３％） 有効 − ４／１５ 件 （２７．６％） やや有効 ２／１５ 件 （１３．３％） 無効 − １／１５ 件 （ ６．７％）

【００１５】上記ビタミンＢ２及びビタミンＢ６未配合
の場合の効果をまとめると次のようになる。 著効 − ３／１４ 件 （２１．４％） 有効 − ４／１４ 件 （２８．６％） やや有効 ４／１４ 件 （２８．６％） 無効 − ３／１４ 件 （２１．４％）

【００１６】

【発明の効果】ビタミンＣとトラネキサム酸に加えビタ
ミンＢ２群及び／又はＢ６群を併用した場合は、併用し
ない場合に比べて肝斑（シミ）に対して治療効果が優れ
ているので、本発明組成物は優れた医薬となった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ６１Ｋ 31/44 9360−4Ｃ 31/525 9360−4Ｃ // Ａ６１Ｋ 7/48 9051−4Ｃ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トラネキサム酸、ビタミンＣ及びビタミン
   Ｂ２群もしくはそれらの塩類を有効成分とする肝斑（シ
   ミ）治療用医薬組成物。
2. 【請求項２】トラネキサム酸、ビタミンＣ及びビタミン
   Ｂ６群もしくはそれらの塩類を有効成分とする肝斑（シ
   ミ）治療用医薬組成物。
3. 【請求項３】トラネキサム酸、ビタミンＣ、ビタミンＢ
   ２群及びビタミンＢ６群もしくはそれらの塩類を有効成
   分とする肝斑（シミ）治療用医薬組成物。