JPH06802A - 木材金属酸化物複合体の製造方法 - Google Patents

木材金属酸化物複合体の製造方法

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JPH06802A
JPH06802A JP18282692A JP18282692A JPH06802A JP H06802 A JPH06802 A JP H06802A JP 18282692 A JP18282692 A JP 18282692A JP 18282692 A JP18282692 A JP 18282692A JP H06802 A JPH06802 A JP H06802A
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JP18282692A
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Soichi Hanawa
倉一 花輪
Osamu Ishii
治 石井
Minoru Tanaka
実 田中
Shigehisa Ishihara
茂久 石原
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Nihon Kagaku Sangyo Co Ltd
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Nihon Kagaku Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新しい建築基準法に基づいて、開口部の部材
として適用できる上に、更に建築内装材や外装材として
使用できる難燃木材を容易且つ確実に製造することがで
きる製造方法を提供すること。 【構成】 金属アルコキシド溶液の中に木材を含浸さ
せ、然る後木材を溶液より取り出して加水分解または加
熱分解することによって、金属アルコキシドを木材中で
不燃性、不溶性の金属酸化物に変えた後、該木材に有機
ハロゲン化合物を含浸、又は木材の表層に塗布すること
によって木材に耐火性能を付与する木材金属酸化物複合
体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃化した木材を製造す
る方法に係り、特に木材の表層に有機ハロゲン化合物の
含浸、又は塗布によって難燃性を付与して木材金属酸化
物複合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平成二年六月に建築基準法が改正にな
り、開口部に木材が使用できるようになった。しかし、
甲種で60分、乙種で20分という耐遮炎性、耐遮温性
の基準をクリヤーしなければならず、木をそのまま使用
してもこの基準を越える事は難しかった。一方で従来か
ら木材を難燃化させる為に、次に例示するような種々の
製造方法が実施されていた。
【0003】第1の製造方法は、木材の難燃化剤として
ホウ酸、ホウ砂、リン酸アンモニウムのような水溶性無
機化合物を使用し、この水溶性無機化合物を木材中に含
浸させ、木材を難燃化する製造方法である。これらの水
溶性無機化合物を木材中に含浸させる場合は、減圧加圧
注入法によるか、又は木材を水の中に長く浸漬し、飽水
状態にしておき、濃度の高い水溶性難燃剤と置き換える
という方法がとられている。第2の製造方法は、二種の
無機化合物水溶液の一方の無機カチオン溶液を木材に含
浸させ、後からこの木材に他方の無機アニオン溶液を含
浸させることにより、木材の組織内に不溶性、難燃性無
機化合物を分散定着させる二液拡散法である。この場合
でも木材に化合物を含浸させる場合は、木材を飽水状態
にしておき、薬液を置き換える方法がとられている。第
3の製造方法は、シリコンエトキシド、シリコンメトキ
シド等のアルコキシドを用いて、加水分解又は加熱重合
により木質材料の水酸基と反応させたり、高分子化させ
てシリコンポリマーを生成させる方法である。従来から
木材の難燃化に用いる難燃薬剤は、単一薬剤では充分な
難燃効果を示すことが少なく、二種以上の混合薬剤を用
いて相乗効果を利用するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然るに、前述の第1の
製造方法の場合は、木材中に含浸した化合物が水溶性で
ある為、水に触れたり空気中の湿気により木材中から滲
出し、難燃効果を失うばかりでなく、滲出した成分が木
材表面に付着し、接着効果や塗装効果が低下して木材加
工を困難にする問題があった。また、これらの水溶性薬
剤は吸湿によって木材の膨潤を生じ、更に木材の汚染や
釘等の金属腐食を招くことがある等の問題もあった。ま
た、前述の第2の製造方法の場合は、木材中に固定され
る無機薬剤としては水に不溶性のリン酸バリウムといっ
た種類に限定される。更に、前述の第3の製造方法の場
合は、本来から木材の耐熱性、耐候性、耐水性、耐汚染
性、耐薬品性等を改良することに重点がおかれている為
に、木材の難燃性は充分ではなく、そのまま前記新しい
建築基準法に適合する木材金属酸化物複合体を確実に製
造することは困難であった。
【0005】本発明に係る製造方法は、上述の従来の問
題点に鑑み開発された新しい技術であって、新しい建築
基準法に基づいて、開口部の部材として適用できる上
に、更に建築内装材や外装材として使用できる難燃木材
を容易且つ確実に製造することができる製造方法を提供
しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る木材金属酸
化物複合体の製造方法は、前述の従来技術の問題点を根
本的に改善した技術であって、その要旨は金属アルコキ
シドの溶液を木材に含浸させ、その後加水分解又は加熱
分解することによって金属アルコキシドを木材中で不燃
性、且つ水に不溶性の金属酸化物に変えた後、有機ハロ
ゲン化合物を含浸、又は木材の表層に塗布することによ
って木材を難燃化する木材金属酸化物複合体の製造方法
である。
【0007】
【作用】本発明に係る製造方法は、上述の如く、難燃性
を有する金属アルコキシド溶液の中に木材をそのままの
状態で含浸させ、然る後木材を溶液より取り出して加水
分解若しくは加熱分解することによって木材中で不溶性
の金属酸化物にした後、木材を加熱しながら減圧乾燥さ
せ、その後この木材を有機ハロゲン化合物の溶液の中に
含浸させるか、又は表層にハロゲン化合物の溶液を塗布
することによって難燃性の金属酸化物複合体を製造する
もので、金属アルコキシドの分解生成物の上層に有機ハ
ロゲン化合物を塗布することができる。従って、前記木
材には難燃性の金属酸化物とハロゲン化合物を付与する
ことができ、両者の著しい相乗効果により、極めて少な
い薬剤量で該木材に優れた難燃性能を付与することがで
きる。また、従来技術である二液拡散法の様なカチオン
とアニオンを木材中で反応させ、不溶性の無機化合物を
作るような手間がいらず、難燃性に効果のある金属アル
コキシドの分解生成物の上に有機ハロゲン化合物を塗布
するだけで木材金属酸化物複合体を製造することができ
る。
【0008】
【実施例】本発明に係る木材金属酸化物複合体の製造方
法は、既に要旨を述べたように、金属アルコキシドを木
材或いは木質材料に含浸させて、その後加水分解又は加
熱分解することによって金属アルコキシドを木材中で不
燃性、不溶性の金属酸化物に変えた後、有機ハロゲン化
合物を含浸、又は表層に塗布することによって耐火性能
を付与する木材金属酸化物複合体の製造方法である。
【0009】次に本発明で使用される金属アルコキシド
及び有機ハロゲン化合物の特性について詳述する。本発
明で使用する金属アルコキシド溶液は、簡単に木材中に
含浸し、しかも木材を前処理することなく、そのままの
状態で使用することができる。また、減圧加圧注入によ
らなくても、常圧でしかも早く含浸する。また、水溶性
無機薬剤のように空気中の湿気に接すると吸湿による木
材の膨潤、木材成分との反応によって汚染を生ずること
がなく、また結露や雨水のような水に接触しても木材中
からの溶脱はなく、更に難燃効果を減少させることもな
い。
【0010】本発明で使用する前述の金属アルコキシド
は、加水分解又は加熱分解することにより水に不溶性の
酸化物に変化する。木材中に金属アルコキシドを含浸す
る場合は、木材をそのままの状態で金属アルコキシド溶
液、又はその複合溶液に含浸するだけで良いが、勿論減
圧加圧注入法を用いて含浸してもかまわない。加水分解
工程は酸性側で行なってもアルカリ性側で行なってもか
まわない。金属アルコキシドを含浸させた木材を、水の
中で煮沸しても行なえるが、蒸煮処理を行なうのが更に
良い。酸性側で加水分解を行なう場合は水及び蒸気の中
に塩酸、硝酸のような鉱酸を加え、アルカリ性側で加水
分解を行なう場合は水及び蒸気の中にアンモニアを加え
るのが良い。また、金属アルコキシドを含浸させた木材
を加熱乾燥することにより、この金属アルコキシドを完
全に金属酸化物に変化することもできる。一方、有機ハ
ロゲン化合物は溶液の状態で前記金属アルコキシドで処
理した木材の表層に含浸させるか塗布することにより、
前記金属アルコキシドで処理した木材は有機ハロゲン化
合物溶液の中に浸漬するか塗布することにより金属とハ
ロゲンの相乗効果を発揮する。
【0011】本発明で使用する金属アルコキシドの一般
式はM(OR)n である。式中のMは金属、Rは炭素数
1〜5の整数である。MはNa,K,Li,Ba,C
a,Sr,Mg,Zn,Sn,Sb,B,Si,P,T
i,Al,Zr,Ta,Nb,Ge,Co,Ni,V,
Mn等の金属である。Rはメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、
ドデシル基である。nが12より大きい、例えばステア
リル基のような長鎖のアルキル基になると乾燥工程の後
も木材中に残り、可燃成分の原因となり、返って燃焼を
助長するので、Cは1〜4のメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル基を用いるのが良い。本発明
で使用する有機ハロゲン化合物は塩素化パラフィン、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン、パ
ークロロペンタデカノン、テトラクロロ無水フタル酸等
である。
【0012】金属アルコキシドの溶液を木材に含浸させ
る方法、及び金属アルコキシドを木材中で金属酸化物に
変化させる手段等の具体例を説明すると、次の通りであ
る。金属アルコキシドの溶液を作る際は金属アルコキシ
ドそのままの溶液を用いても良いが、アルコール、アセ
トン、脂肪族炭化水素のような溶媒で希釈したものを用
いてもかまわない。金属アルコキシドを木材に含浸させ
る方法としては、これら溶液の中に木材をそのまま浸漬
するか、減圧しながら注入する方法がある。減圧しなが
ら注入する方法を用いた場合は、短時間に木材の理論含
浸量の90%以上を含浸させることができた。次に、こ
の金属アルコキシド含浸木材を水に浸漬し、煮沸又は塗
布する具体例を示すと次の通りである。 有機ハロゲン
化合物をそのままの状態で用いても良いが、ハロゲン化
炭化水素、炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、ケ
トン等の溶媒に溶解させたものを用いてもかまわない。
金属アルコキシド含浸木材を有機ハロゲン化合物溶液の
中に浸漬し、引き上げるだけで良いが、有機ハロゲン化
合物を金属アルコキシド含浸木材の表層に刷毛で塗布し
てもかまわない。有機ハロゲン化合物で処理した木材は
60〜90℃で乾燥を行うことによって木材金属酸化物
複合体を得る。この木材金属酸化物複合体をASTM
D777−46、又はJIS−K1322による試験法
を用いて燃焼試験を行い、金属アルコキシド及び有機ハ
ロゲン化合物それぞれ単独と比較した結果、両者を併用
することによって少ない含浸量で著しい相乗効果を示す
木材金属酸化物複合体が得られる事を見いだした。
【0014】更に上述の製造方法を具体的に実施した数
例を記述すると次の通りである。 [実施例1]ヒノキの単板210×70mm、厚さ0.
3mmをn−ヘキサンで希釈したアンチモンイソプロポ
キシド溶液の中に浸漬し、木材中に10.3%のアンチ
モンを固定化した。その後送風乾燥機で65℃で15時
間乾燥した試料をASTMD777−46法を用いて測
定した所、残炎はなく、残燼時間は20秒で試験片は上
端まで燃え上がってしまった。
【0015】[実施例2〜3]上記実施例1と同様な操
作方法で、木材中に固定化したアンチモンの含有量を変
化させて木材金属酸化物複合体を得た。その結果は表1
に示す通りである。
【0016】
【表1】
【0017】表1の実施例の通り、アンチモンイソプロ
ポキシド単独では、木材中にアンチモンとして27.3
%以上存在しないと炭化長は得られなかった。
【0018】[実施例4]ヒノキの単板210×70m
m、厚さ0.3mmをトリクロロエチレンで希釈した塩
素化パラフィン溶液の中に浸漬し、木材中に1.9%の
塩素を固定化した。その後、送風乾燥機で65℃で15
時間乾燥した試料をASTM D777−46法を用い
て測定した所、残炎時間8.0秒、残燼時間13.0
秒、炭化長は得られず、試験片は上端まで燃え上がって
しまった。
【0019】[実施例5〜10]上記実施例4と同様な
操作方法で、木材中に固定化した塩素の含有量を変化さ
せて木材金属酸化物複合体を得た。その結果は表2に示
す通りである。
【0020】
【表2】
【0021】表2の実施例の通り、塩素化パラフィン単
独では、木材中に塩素量として23.6%以上存在しな
いと炭化長が得られなかった。
【0022】[実施例11]ヒノキの単板210×70
mm、厚さ0.3mmをn−ヘキサンで希釈したアンチ
モンイソプロポキシド溶液の中に浸漬し、木材中に2.
8%のアンチモンを固定化した。その後送風乾燥機を用
いて65℃で15時間乾燥した後、トリクロロエチレン
で希釈した塩素化パラフィン溶液に浸漬し、木材中に
7.1%の塩素を固定化し、送風乾燥機で65℃で15
時間乾燥した試験片をASTM D777−46法を用
いて測定した所、残炎時間で12秒、残燼時間で14
秒、炭化長は得られず上端まで燃え上がってしまった。
【0023】[実施例12〜20]上記実施例11と同
様な操作方法で、木材中に含浸しているアンチモンの含
有量と塩素の含有量を変化させて木材金属酸化物複合体
を得た。その結果は表3に示す通りである。
【0024】
【表3】
【0025】表3の実施例の通り、アンチモンイソプロ
ポキシドと塩素化パラフィンを併用することにより、少
ない含浸量で著しい相乗効果を発揮する難燃性木材金属
酸化物複合体を得た。
【0026】[実施例21]ヒノキ単板210×70m
m、厚さ0.3mmを亜鉛エトキシエトキシド溶液の中
に浸漬し、木材中に23.4%の亜鉛を固定化した。そ
の後送風乾燥機を用いて65℃で15時間乾燥した後、
トリクロロエチレンで希釈した塩素化パラフィン溶液に
浸漬し、木材中に10.5%の塩素を固定化し、送風乾
燥機で65℃で15時間乾燥した試験片をASTM D
777−46法を用いて測定した所、残炎時間で22.
0秒、残燼時間で11.2秒、炭化長は13.4cmで
あった。
【0027】[実施例22]上記実施例21と同様な操
作方法で、亜鉛エトキシエトキシドの代わりにアルミニ
ウムイソプロポキシドを用いて木材金属酸化物複合体を
得た。その結果は表4に示す通りである。
【0028】[実施例23]上記実施例21と同様な操
作方法で、亜鉛エトキシエトキシドの代わりにチタニウ
ムイソプロポキシドを用いて木材金属酸化物複合体を得
た。その結果は表4に示す通りである。
【0029】
【表4】
【0030】表4の実施例の通り、アンチモンイソプロ
ポキシドの代わりに亜鉛エトキシエトキシド、アルミニ
ウムイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシドに
代えても難燃効果を発揮した。
【0031】[実施例24]スギの単板210×70m
m、厚さ0.3mmをn−ヘキサンで希釈したアンチモ
ンイソプロポキシド溶液の中に浸漬し、木材中に2.0
%のアンチモンを固定化した。その後送風乾燥機を用い
て65℃で15時間乾燥した後、トリクロロエチレンで
希釈した塩素化パラフィン溶液に浸漬し、木材中に3.
9%の塩素を固定化し、送風乾燥機で65℃で15時間
乾燥した試験片をASTM D777−46法を用いて
測定した所、残炎時間で25秒、残燼時間で18秒、炭
化長は得られず上端まで燃え上がってしまった。
【0032】[実施例25〜35]上記実施例24と同
様な操作方法で、木材中に含浸しているアンチモンの含
有量と塩素の含有量を変化させて木材金属酸化物複合体
を得た。その結果は表5に示す通りである。
【0033】
【表5】
【0034】表5の実施例の通り、アンチモンイソプロ
ポキシドと塩素化パラフィンを併用することにより、ス
ギの単板でも少ない含浸量で著しい相乗効果を発揮する
難燃性木材金属酸化物複合体を得た。
【0035】[実施例36]ヒノキの単板300×20
0mm、厚さ0.3mmをn−ヘキサンで希釈したアン
チモンイソプロポキシド溶液の中に浸漬し、木材中に
7.8%のアンチモンを固定化した。その後送風乾燥機
を用いて65℃で15時間乾燥した後、トリクロロエチ
レンで希釈した塩素化パラフィン溶液に浸漬し、木材中
に10.8%の塩素を固定化し、送風乾燥機で65℃で
15時間乾燥した試験片をJIS A1322法を用い
て測定した所、残炎、残燼時間はなく、炭化長は7.8
cmで防炎2級に合格した。
【0036】[実施例37〜39]上記実施例36と同
様な操作方法で、木材中に含浸しているアンチモンの含
有量と塩素の含有量を変化させて木材金属酸化物複合体
を得た。その結果は表6に示す通りである。
【0037】
【表6】
【0038】[実施例40]スギのロータリーレースド
ベニア300×200mm、厚さ3mmをn−ヘキサン
で希釈したアンチモンイソプロポキシド溶液の中に浸漬
し、木材中に4.8%のアンチモンを固定化した。その
後送風乾燥機を用いて65℃で15時間乾燥した試験体
をJIS A1322法を用いて測定した所、残炎はな
かったが残燼時間は60秒を越え、炭化長は得られず不
合格となった。 [実施例41]スギのロータリーレースドベニア300
×200mm、厚さ3mmをトリクロロエチレンで希釈
した塩素化パラフィン溶液に浸漬し、木材中に15.5
%の塩素を固定化した。その後送風乾燥機を用いて65
℃で15時間乾燥した試験体をJIS A1322法を
用いて測定した所、残炎はなかったが残燼時間は60秒
を越え、炭化長は5.2cmであったが不合格となっ
た。 [実施例42]スギのロータリーレースドベニア300
×200mm、厚さ3mmをn−ヘキサンで希釈したア
ンチモンイソプロポキシド溶液の中に浸漬し、木材中に
5.8%のアンチモンを固定化した。その後送風乾燥機
を用いて65℃で15時間乾燥した後、トリクロロエチ
レンで希釈した塩素化パラフィン溶液に浸漬し、木材中
に4.5%の塩素を固定化し、送風乾燥機で65℃で1
5時間乾燥した試験体をJIS A1322法を用いて
測定した所、残炎、残燼はなく、炭化長は3.8cmで
防炎1級に合格した。 [実施例43〜45]上記実施例42と同様な操作方法
で、木材中に含浸しているアンチモンの含有量と塩素の
含有量を変化させて木材金属酸化物複合体を得た。その
結果は表7に示す通りである。
【0039】
【表7】
【0040】表6、表7の実施例の通り、JIS A1
322の試験法において、アンチモンアルコキシドと塩
素化パラフィンを併用することにより、厚さ0.3mm
のヒノキでは防炎2級に、厚さ3mmのスギのロータリ
ーレースドベニアでは防炎1級に合格した。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る木材金属酸化物複合体の製
造方法は、上述の如き構成と作用を有するもので、金属
アルコキシドを木質材料に含浸させた後、加水分解又は
加熱分解して木材中に金属酸化物として固定化した後、
有機ハロゲン化合物を浸漬するか、又は表層に塗布する
ことによって、両者の相乗効果を利用し、少ない薬剤の
使用量で難燃性能のある木材金属酸化物複合体を得る等
の特徴を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 茂久 京都府長岡京市天神3−23−12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルコキシドを木材或いは木質材料
    に含浸させて、その後加水分解又は加熱分解する事によ
    って金属アルコキシドを木材中で不燃性、不溶性の金属
    酸化物に変えた後、該木材に有機ハロゲン化合物を含
    浸、又は表層に塗布する事によって木材に耐火性能を付
    与する木材金属酸化物複合体の製造方法。
JP18282692A 1992-06-18 1992-06-18 木材金属酸化物複合体の製造方法 Pending JPH06802A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102303345A (zh) * 2011-07-05 2012-01-04 山东大学 B-P-Zn-Si系密度板阻燃防霉剂及其制备与应用
AU2012273640B2 (en) * 2011-06-23 2015-10-01 Plamac Co., Ltd. Wheel cover

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