JPH068010Y2 - 無公害フイルム用包装器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、長尺のロールフィルムを所望位置で切断して
包装を行うフィルム包装器に関し、殊に食品等の包装の
ための無公害フィルムの包装器に関するものである。

［従来の技術］ カッタ刃を中心に前後に熱板と包装台とを配置したフィ
ルム包装器は周知である。（例えば実公昭５６−２８８
９０号公報参照） ［考案が解決しようとする課題］ フィルムによる包装に当って、特に食料品の包装に際し
て、フィルムが直接被包装物に接することを考慮して無
公害フィルムが開発使用されるようになった。

この種の無公害フィルムは、一般的に通常のフィルムよ
りもその伸縮性において劣るため包装作業がそれだけ手
間を要し、接着作用においても劣るという問題点があっ
た。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、前述の
ような伸縮性や粘着性を欠く無公害フィルムに対して、
適切な加温によって伸縮性や粘着性を助長するようにし
た包装器を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における包装器は、
ロールフィルムを切断するカッタ刃をケースの中心上部
に設け、その前後に、フィルムの重合部を接着するため
の熱板と、作業用の包装台とを配置し、該ケースの内側
にフィルムロールを軸装する収容室を設けると共に、前
記熱板を介して温風を導入するファンを内装し、ケース
内を加温すると同時にこの室内温度を適温に保持するサ
ーモスタットを収容室内に装備したもので、ケース内を
隔壁によって前記収容室と温風導入室とに区分し、該隔
壁にファンを配置作動して、前記サーモスタットにより
ファンの作動を制御して収容室内の温度を制御するよう
にしたものである。

［作用］ ケース内にロールフィルムを収容し、熱板によって加温
された空気をファンによってケース内に導入してサーモ
スタットにより常時一定温度にロールフィルムを保持せ
しめることによって無公害フィルムのような伸縮性の少
いものに対しても適切な伸縮性と粘着性とを付与するた
め、包装作業を容易にし且つ確実な包装を実施し得るよ
うにしたものである。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図及び第２図において、１はケースで、その上部中
心位置付近にカッタ刃２を有し、これを境として前方に
熱板３、後方に包装台４を設けてあり、隔壁５によって
ケース１内をフィルムローラ６の収容室７と外気の導入
室８とに区分し、隔壁５の一部にはファン９を設け、導
入室８内の空気を収容室７へと強制送風するようにして
ある。

１０はサーモスタットで、収容室７内の温度を一定に保
持するようにファン９の作動を規制し、温風の収容室７
内への供給を断続するようにしてある。

１１は熱板３の給電を制御するコントローラで、手動に
よって行い、熱板３の表面を包装したフィルム重合部の
接着に適する温度に保持すると共に、導入室８内へ吸引
される外気を熱板３を通して加温するようにしてある。

１２，１２…はフィルムに接するローラである。

また、前記カッタ刃２は、ヒータを中心とする発熱刃
で、加熱によりフィルムを切断するようにしたものであ
る。

以上の構成からなる本考案における包装器は、ファン９
の作動により、熱板３を通過して加温された温風は、導
入室８内に吸入されると共にこの温風は、収容室７へと
強制導入されるため、収容室７内の温度を上昇して、カ
ッタ刃２及びフィルムの導出口１３付近の間隔から自然
に外部へ排出されるもので、収容室７内の温度は一定以
上に達するとサーモスタット１０によりファン９への回
路が遮断されるため、温風の導入が行われないので、収
容室６内の温度が次第に一定以下に低下すると、再びサ
ーモスタット１０が働いてファン９を作動して温風を導
入するもので、ケース１の導出口１３より引き出された
フィルムは、包装台４上で食品等を被包するために使わ
れ、次いでカッタ刃２で切断され、フィルム重合部を熱
板３上に載置し、要すれば押圧することによって接着す
るものである。

［考案の効果］ 以上の作業において、フィルムローラ６及び引き出され
たフィルムは常に一定温度に加温されるため、伸縮度の
低い無公害フィルムにおいても伸縮性を増して包装を容
易にすると共に、予め一定温度を保ち、柔軟性を増して
いるフィルムはカッタ刃（ヒータ）による切断において
も塩素ガスの発生を極力抑えて作業員への悪影響を防止
する上で効果があり、前述の操作性の向上と相俟って実
用上の利益は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案包装器の一実施例を示す斜視図、第２図
は中央縦断側面図である。 １……ケース、２……カッタ刃 ３……熱板、４……包装台 ６……フィルムローラ、７……収容室 ８……導入室、10……サーモスタット

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カッタ刃を中心に前後に熱板と包装台を配
   置し、内側にフィルムロールを収容する収容室を設ける
   と共に、前記熱板を介して温風を収容室内に導入するフ
   ァンと、前記収容室内の温度を一定に保持するサーモス
   タットとを装備してなる無公害フィルム用包装器。
2. 【請求項２】前記サーモスタットは前記ファンの作動を
   規制して収容室内を制御するようにした請求項(1)記載
   の無公害フィルム包装器。
3. 【請求項３】ケース内を隔壁によってフィルムの収容室
   と温風の導入室とに区分し、該隔壁に前記ファンを設け
   た請求項(1)記載の無公害フィルム包装器。
4. 【請求項４】前記熱板の温度を制御するコントローラを
   付設した請求項(1)記載の無公害フィルム包装器。