JPH0680104B2 - 水性ウレタンエマルジヨン - Google Patents

水性ウレタンエマルジヨン

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JPH0680104B2
JPH0680104B2 JP60296137A JP29613785A JPH0680104B2 JP H0680104 B2 JPH0680104 B2 JP H0680104B2 JP 60296137 A JP60296137 A JP 60296137A JP 29613785 A JP29613785 A JP 29613785A JP H0680104 B2 JPH0680104 B2 JP H0680104B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はノニオン型水分散性ブロツクドポリイソシアネ
ートを主成分とする水性ウレタンエマルジヨンに関する
ものであり、該水性ウレタンエマルジョンはコーテイン
グ剤、接着剤として或いは、これらの架橋剤として、又
は、活性水素を有する高分子物質の改質材或いは、その
架橋剤として有用である。
〔従来技術〕
ウレタン系のブロツクドポリイソシアネートは、通常有
機溶剤に溶解した形で使用されるため、水性樹脂の架橋
剤としては、使用出来ない。近年、ブロツクドポリイソ
シアネートを水分散性或いは、水溶性にすることが試み
られてきた。
例えば特開昭55−82119号公報には、イソシアネート基
の大部分をブロツクした後残るイソシアネート基に、ス
ルホネート基(SO3 )を含む化合物を反応させたアニ
オン型水分散性ブロツクドポリイソシアネートが、記載
されている。しかし、このブロツクドポリイソシアネー
トは、水分散性樹脂に対しては、たとえ同じイオン性の
ものでも、凝集等の現象が生じ、必ずしも均一に混合出
来ない。これに対して、ノニオン型は、最も混合しやす
いが反面、水分散物の安定性が悪く、従来満足出来るも
のは、得られていなかつた。
〔発明の目的〕
以上の点に鑑み、本発明の目的は、貯蔵安定性がよく、
他の水性樹脂との混和性が良い、水性ウレタンエマルジ
ヨンの提供にある。
〔発明の構成〕
本発明の要旨は、ポリイソシアナート化合物に対し、該
化合物のイソシアナート基当量に対しブロツク化剤の反
応基の当量が、50〜98%である量比にて、ブロツク化剤
を添加して反応させ、ポリイソシアナート化合物に対
し、該化合物のイソシアナート基当量に対し50〜2%を
ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物を反応さ
せることにより得られるブロツクドウレタン付加物に、
水溶性高分子化合物を前記付加物100重量部に対して1
〜20重量部添加した後水性媒体中に、乳化してなるノニ
オン性水性ウレタンエマルジヨンに関するものである。
本発明のポリイソシアナート化合物は、ジイソシアナー
ト化合物、ジイソシアナート化合物の二量化反応物、イ
ソシアヌレート化反応物或いは、ジイソシアナートと多
官能性ポリヒドロキシ化合物を反応して得られるイソシ
アナート基末端のポリウレタンが挙げられる。
ジイソシアナートとしては、トルエンジイソシアナー
ト、4,4′−ジフエニルメタン−ジイソシアナート、ナ
フタレンジイソシアナート等の芳香族系、1,6−ヘキサ
ンジイソシアナート、1,10−デカメチレンジイソシアナ
ート、リジンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘ
キサメチレン−ジイソシアナート等の脂肪族系、3−イ
ソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシ
ル−イソシアナート、1,4−シクロヘキサンジイソシア
ナート等の脂環族系があげられる。
多官能性ポリヒドロキシ化合物としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステ
ルポリオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等
があげられる。
これらジイソシアナート類と多官能性ヒドロキシ化合物
の反応により得られるイソシアナート基末端のポリウレ
タンも好ましいが、ジイソシアナートのイソシアヌレー
ト化反応物は、耐熱性、耐薬品性等から特に好ましい。
ブロツク剤としては、オキシム類例えば、メチルエチル
ケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトキシ
ム、第3級アルコール例えばt−ブタノール、活性メチ
レン化合物、例えばジアルキルマロネート、アセチルア
セトン、アセト酢酸のアルキルエステル、フエノール類
例えばフエノール、クレゾール、アルキルフエノール、
クロロフエノール、オキシベンゾイツクアシドアルキル
エステル、ラクタム類例えばε−カプロラクタム、δ−
バレロラクタム、ピロリドン、N−アルキルアミド類例
えばN−メチルアセトアミド、イミド類例えばフタルイ
ミド、イミダゾール、トリアゾール等があげられる。
特に、好ましいブロツク剤はオキシム類、ラクタム類、
活性メチレン化合物、フエノール類の中のアルキルフエ
ノール及びオキシベンゾイツクアシドアルキルエステル
である。
ブロツク剤の使用量は、ポリイソシアナート化合物のイ
ソシアナート基当量の5〜98%が適当である。50%より
少ないと、架橋のためのイソシアナート基が、少なくな
り、98%より多いと親水基の導入量が少なくなり好まし
くない。
ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物として
は、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオ
キシエチレンソルビタンリシノレート等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物の使用量
は、ポリイソシアナート化合物のイソシアナート基当量
の2〜50%、好ましくは、2〜20%、更に好ましくは、
2〜10%である。2%以下となると、水への分散が十分
でなくなり、50%以上となると、エチレンオキサイド結
合の親水性が、逆に耐水性の低下をもたらす。
また添加する水溶性高分子化合物としては、ポリエチレ
ングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドの共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン等が挙げられ特に、分子量500以上のポリエチ
レングリコールが好ましい。
これら水溶性高分子化合物の使用量は、ポリイソシアナ
ート、ブロツク剤、及びエチレンオキサイド付加物の反
応物であるブロツクドポリイソシアネート付加物100部
に対して、1〜20部である。1部以下となると分散安定
性に効果が少なく、20部以上となると、逆に、耐水性
が、低下するので好ましくない。
次にこれらの原料を使用して、製造法を説明すると、ポ
リイソシアナートの部分ブロツク化、親水基(エチレン
オキサイド単位)の導入、水分散助剤(水溶性高分子化
合物)の添加、水性乳化、及び必要であれば溶剤除去の
工程よりなる。
本発明で使用するポリイソシアネート化合物及び反応生
成物は、多くの場合固体樹脂であるので部分ブロツク
化、親水基の導入の各工程は反応溶媒を使用することが
好ましい。
部分ブロツク化工程は、ポリイソシアネートを反応溶媒
に溶解した後、所定量のブロツク化剤を添加し、イソシ
アネート基が所定当量になるまで反応する。反応温度
は、特に限定されるものではないが、20〜100℃が好ま
しい。反応を促進するために、通常のスズ、亜鉛等の有
機金属触媒、アミン触媒等を使用してもよい。
次いで、親水基の導入工程は、ヒドロキシル基とオキシ
エチレン結合を有する化合物であるポリオキシエチレン
ソルビタンエステル化合物を残存するイソシアナート基
に対して、当量或いは若干過剰に反応させイソシアナー
ト基を完全に反応させる。
親水基の導入の反応も、またブロツク化と同様な条件で
出来る。ブロツク化と親水基の導入順序は逆であつても
よい。
この反応物に、水分散性助剤としての水溶性高分子化合
物を所定量加え、均一に混合した後、内温を、30〜60℃
の範囲に設定し、高速撹拌下で脱塩水を徐々に添加する
ことにより乳化分散される。
脱塩水の添加は、特にW/OからO/Wへの相転換が生じるま
では注意深く少量づつ滴下されなければならない。
急激に滴下すると分散粒子が大きくなり、生成したウレ
タンエマルジヨンの安定性が、極端に低下する。
水分散性助剤を、脱塩水に溶解し、添加する方法も可能
である。
この水性分散体が有機溶剤を含む場合は、これを除くこ
とが好ましく、通常撹拌下、真空で除去する方法が適当
である。
かくして得られた水性ウレタンエマルジヨンは、貯蔵安
定性にすぐれ、かつノニオン性のために架橋性水性樹脂
との混合性が優れ、加熱することにより加工(硬化)が
起き三次元の樹脂を形成する。
架橋性樹脂としては、ポリビニルアルコール、部分ケン
化ポリ酢酸ビニル、アクリルエマルジヨン、塩ビエマル
ジヨン、ゴム系ラテツクス等があげられる。
これら樹脂との組合せにより、塗料、インキ、接着剤、
繊維・フイルム等の表面処理(改質)剤、セラミツクス
のバインダーに有用である。
更に、紙、繊維、不織布、木材等のもつ活性水素とも反
応しうるので、本発明のエマルジヨンを単独で改質剤と
して使用することもできる。
また通常使用されている架橋剤たとえばメラミン樹脂ま
たはホルムアルデヒドまたは他の補助剤および添加剤
(濃化剤、充てん剤等)を、この発明によつて得られる
水性ウレタンエマルジヨンに添加することもできる。
〔実施例〕
以下、実施例により具体的に説明する。
実施例−1 温度計、冷却器、撹拌棒、滴下ロート付の四つ口フラス
コにGP−105A(トリレンジイソシアナート系アダクト体
の75%酢酸エチル溶液イソシアナート基含有量13.2%:
三菱化成工業(株)社製)200g(0.63当量)、酢酸エチ
ル52gを採取し内温を40℃にする。
メチルエチルケトオキシム49.3g(0.57当量)を、内温
が60℃以上にならないよう滴下し、所定量のイソシアナ
ート基の量になるまで反応させる。次いでポリオキシエ
チレンソルビタンオレート21g(OH当量670)を添加し、
イソシアナート基の赤外線吸収スペクトル(2250cm-1
の吸収が完全に消失するまで60℃、3時間反応させる。
次いで分子量4,000のポリエチレンオキサイドを14g添加
し、完全に溶解させる。
上記反応物を40gに保ち撹拌下脱イオン水235gを、2時
間かけて徐々に滴下しエマルジヨン化せしめる。その後
55〜60℃に昇温した後、撹拌下窒素ガスを吹き込みなが
ら、酢酸エチルを除去する。
酢酸エチル含有量が2000ppm以下となつたところで窒素
ガスを吹き込み、撹拌を停止し冷却することによりウレ
タンエマルジヨンを得た。
エマルジヨンの安定性、混和性を表−1に示した。
実施例−2 実施例−1と同様な装置を使用してGP−105A 200g(0.
63当量)、酢酸エチル58.3gを採取し内温を60℃とす
る。
ε−カプロラクタム67.6g(0.6当量)を添加し70℃で4
時間で反応を行なつた。次いで同一温度下、分子量4000
のポリエチレンオキサイド14gを添加し、つづいて、ポ
リオキシエチレンソルビタンオレート21.1g(0.03当
量)を添加し、イソシアナート基が、赤外線吸収スペク
トルで検出できなくなるまで反応する。
上記反応物を40℃に保ち撹拌下、脱イオン水253gを2時
間かけて徐々に滴下、エマルジヨン化せしめる。その後
55〜60℃に昇温した後撹拌下、窒素ガスを吹き込みなが
ら酢酸エチルを除去し、50%樹脂分のウレタンエマルジ
ヨンを得た。
エマルジヨンの安定性、混和性を表−1に示した。
実施例−3 実施例−1と同様にして、下記処方でヘキサメチレンジ
イソシアナートのイソシアヌレート化物(イソシアナー
ト基含有量21.1%、日本ポリウレタン社製)を、実施例
−1と同様に、反応した後、エマルジヨン化した。
<反応> ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート化
物 150g(0.75当量) 酢酸エチル 109g メチルエチルケトオキシム 62g(0.71当量) ポリオキシエチレンソルビタール 26.8g(0.04当量) ポリエチレンオキサイド 15g <エマルジヨン化> 上記反応物に脱イオン水380.7gを添加し、実施例−1と
同様にして酢酸エチルを除去し40%樹脂分のエマルジヨ
ンを得た。
<エマルジヨンの安定性、混合性> 表−1に示す。
実施例−4 実施例−1と同様にして、下記処方でイソホロンジイソ
シアナートのイソシアヌレート化物(イソシアナート基
含有量17.1%、Hls製品)を、実施例−1と同様に反
応し、エマルジヨン化した。
<反応> イソホロンジイソシアナートのイソシアヌレート化物15
0g(0.61当量) 酢酸エチル 101g メチルエチルケトオキシム 50.5g(0.58当量) ポリオキシエチレンソルビタール 20.1g(0.03当量) ポリエチレンオキサイド 15g <エマルジヨン化> 上記反応物に脱イオン水437gを添加し、実施例−1と同
様にして酢酸エチルを除去し35%樹脂分のエマルジヨン
を得た。
<エマルジヨンの安定性、混和性> 表−1に示す。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明のウレタンエマルジヨンは貯蔵安
定性にすぐれ、他の水性樹脂との混合性に優れているの
で表面処理剤等にも有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−159858(JP,A) 特開 昭53−139662(JP,A) 特開 昭58−40316(JP,A) 特開 昭52−59657(JP,A) 特開 昭50−43198(JP,A) 特開 昭56−151753(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイソシアナート化合物に対しイソシア
    ナート基当量の50〜98%をイソシアナート基のためのブ
    ロック剤で反応させ、50〜2%をポリオキシエチレンソ
    ルビタンエステル化合物を反応させることにより得られ
    るブロックドポリウレタン付加物に、水溶性高分子化合
    物を前記付加物100重量部に対して1〜20重量部添加し
    た後、水媒体中に乳化してなることを特徴とするノニオ
    ン性水性ウレタンエマルジョン。
  2. 【請求項2】ポリイソシアナート化合物が、アダクト体
    または、イソシアヌレート化物であることを、特徴とす
    る特許請求の範囲第1項の水性ウレタンエマルジョン。
JP60296137A 1985-12-26 1985-12-26 水性ウレタンエマルジヨン Expired - Fee Related JPH0680104B2 (ja)

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