JPH0679145A - 中空糸モジュール及びその製造方法 - Google Patents

中空糸モジュール及びその製造方法

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JPH0679145A
JPH0679145A JP25914692A JP25914692A JPH0679145A JP H0679145 A JPH0679145 A JP H0679145A JP 25914692 A JP25914692 A JP 25914692A JP 25914692 A JP25914692 A JP 25914692A JP H0679145 A JPH0679145 A JP H0679145A
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hollow fiber
sheet
hollow
fiber module
gap
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Takuma Yoshizaka
琢磨 吉坂
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐薬品性が大幅に改善された高充填
率の中空糸モジュール及びその製造方法を提供するこ
と。特に、フッ素系ポリマー等の熱溶融性ポリマーを用
いて、中空糸モジュールの末端封止部を形成させる工程
を含む中空糸モジュールの製造方法を提供すること。 【構成】 外筒内に複数本の中空糸状多孔質分離膜の集
束体を収納した中空糸モジュールにおいて、前記集束体
の少なくとも一方の端末部において、前記外筒と集束体
との間隙、及び中空糸相互の間隙を熱溶融性ポリマー製
シートの溶融物により封止してなる中空糸モジュール。
所定幅の熱溶融性ポリマー製の帯状シート上に、複数本
の中空糸状多孔質分離膜の各端部を該帯状シートの長手
方向と直交させて、それぞれ一定の間隔をおいて平行に
載置する工程、帯状シートを複数本の中空糸状多孔質分
離膜の各端部が内側になるように巻き込むことによって
巻回体を形成する工程、及び該巻回体のシート巻回部を
加熱することにより、シートを溶融せしめる工程を含む
中空糸モジュールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空糸モジュール及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは、ガス分離膜、透
析膜、逆浸透膜、限外濾過膜、精密濾過膜等として用い
られる中空糸状多孔質分離膜を用いた耐熱性、耐薬品性
等に優れた中空糸モジュール及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】中空糸状多孔質分離膜(以下、「中空
糸」と略記)は、中空繊維の壁部を選択性透過膜として
利用する分離膜であり、ガス分離膜、透析膜、逆浸透
膜、限外濾過膜、精密濾過膜などに用いられている。こ
の中空糸は、単位体積当たりの膜面積を増大させるため
に、モジュール化して実用に供している。
【0003】中空糸モジュールは、多数の中空糸の束を
円筒状等の耐圧性の外筒に収納したエレメントからな
り、膜の充填密度が高く、例えば、水、ジュース、酒あ
るいは溶剤等の液体の有用物を塵埃、雑菌等から分離す
る濾過装置の小型化を計ることができる他、耐圧性に優
れているため、半導体、食品、その他の分野で多く用い
られている。特に、フッ素樹脂からなる中空糸は、耐薬
品性に優れていることから賞用されている。
【0004】中空糸モジュールにおいては、中空糸の一
端を熱融着封止した閉鎖型の内圧式分離膜エレメントや
両端の開口部を開放した内圧循環式分離膜エレメントな
どがある。これらのエレメントでは、多数の中空糸の束
を外筒に収納し、その一端または両端部において、中空
糸相互の間隙及び中空糸束と外筒との間隙を封止剤(端
末材)で封止している。
【0005】ところで、近年、半導体工業をはじめとす
る各産業分野において、使用する各種薬品、例えば、強
酸や有機溶剤などを超清浄化することに対するニーズが
高まっており、そのために、中空糸モジュールの端末材
にも高度の耐薬品性が要求されている。従来、外筒と中
空糸束との間隙や中空糸相互の間隙を封止する方法とし
て、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の
低粘度の硬化性樹脂を端末部に注入し、静置あるいは遠
心力により、間隙に充分充填させた後、加熱硬化させて
封止部を形成する方法が知られている(特公昭44−5
526号、特公昭56−40602号)。
【0006】ところが、これらの硬化性樹脂は、耐熱性
や耐薬品性の点で充分ではなく、酸やアルカリを含む溶
液または有機溶剤を溶媒や洗浄液として使用したり、あ
るいは蒸気滅菌したりする分野に適用するには、制限が
あった。勿論、強酸や有機溶剤などを清浄化する用途に
は使用できなかった。即ち、エポキシ樹脂は、耐熱性は
良好であるが、強酸、強アルカリ及び一部の溶剤により
劣化し易く、また、皮膚感作性があるため、薬品や食品
分野への適用は制限される。ウレタン樹脂は、耐熱性が
不充分であり、しかも強酸、強アルカリ及び一部の溶剤
に耐性を持たない。シリコーン樹脂は、耐溶剤性に劣
る。
【0007】一方、中空糸モジュールの端末材として、
熱溶融性ポリマーを使用する場合には、(1)中空糸束
を収納した外筒を型内に配置し、ポリマーを加熱溶融し
て流し込む射出成型または押出成型による方法、(2)
中空糸束を収納した外筒を型内に配置し、粉状、粒状ま
たはペレット状のポリマーを型に入れて加熱溶融し、ポ
リマー中に含まれる気泡を脱泡する方法、(3)予め蜂
の巣状の貫通孔を有するポリマーを成型し、多数の中空
糸を各貫通孔中に装着してから熱溶融する方法等があ
る。
【0008】しかしながら、(1)の方法では、熱溶融
性ポリマーの粘度が高い場合、外筒と中空糸束や中空糸
束相互の間隙などの細かい間隙にポリマーを侵入させる
ことが困難であり、(2)の方法では、一度入った気泡
を高粘度のポリマーから抜くことが困難で、封止が不完
全となり、また、(3)の方法では、多数の貫通孔を高
密度で作成すること自体が困難であるとともに、気泡の
混入が避けられず、しかも間隙を完全に封止することが
難しい。
【0009】一般に、耐薬品性に優れた熱溶融性ポリマ
ーは、高融点・高粘度であるため、これらの方法によっ
ては、封止部を微細成型することができず、中空糸の充
填率を上げることもできない。例えば、フッ素系ポリマ
ーは、耐熱性、耐薬品性等に優れている点で端末材とし
て好適であるが、高融点・高粘度であるため、溶融させ
ても加圧なしでは殆ど流動性がない。熱溶融性ポリマー
を中空糸の端末材として使用するには、細かい間隙にポ
リマーを侵入させる必要があるが、フッ素系ポリマーの
場合には、そのために高圧を必要とする。しかし、実際
には、中空糸自体は、強度が弱いため、モジュール製造
時に高圧等の過酷な条件を採用することができず、した
がって、フッ素系ポリマーを用い、従来の射出成型法、
押出成型法、粉末成型法などによって、細かい間隙に注
入して端末材を成形することは、事実上不可能である。
【0010】中空糸モジュールの長所は、単位体積当た
りの膜面積を増大できることであるが、そのためには、
外筒内に中空糸を高密度で充填することが不可欠であ
り、中空糸の充填率(エレメント内体積に対する、中空
糸の内腔を含む体積の合計の割合)は一般に50%以上
とする必要があるとされている。しかし、端末材として
耐熱性、耐薬品性に優れた熱溶融性ポリマーを用い高充
填率の中空糸モジュールを作成することは極めて困難で
ある。
【0011】他方、ポリマー溶液中に中空糸を含浸させ
ることにより端末材を形成する方法が提案されている
(特公平1−25603号)。しかしながら、この方法
では、使用可能なポリマーが耐薬品性等の不充分な低グ
レードのものに限定されるか、あるいは使用できる溶剤
が限定され、しかも高価であるとか、危険性が高い等の
問題がある特殊な溶剤を必要とする。
【0012】例えば、フッ素ゴムを溶剤に溶解し、この
溶液に中空糸の束を浸漬し、乾燥することにより、中空
糸の端部の周囲をフッ素ゴムで被覆し、中空糸相互の間
隙をフッ素ゴムで埋めることができる。しかし、この方
法では、フッ素ゴムと溶剤との組み合わせが限定される
ため、耐薬品性に優れたグレードのフッ素ゴムの場合に
は、適当な溶剤がないか、あるいは非常に危険かつ高価
な溶剤を使用しなければならない。しかも、フッ素ゴム
溶液を使用する方法は、フッ素ゴムの溶解、中空糸の浸
漬、乾燥などの操作に手間がかかる上、揮発性溶剤を用
いることは、安全衛生上の問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、耐薬品性が大幅に改善された高充填率の中空糸モジ
ュール及びその製造方法を提供することにある。また、
本発明の目的は、フッ素系ポリマー等の熱溶融性ポリマ
ーを用いて、中空糸モジュールの末端封止部を形成させ
る工程を含む中空糸モジュールの製造方法を提供するこ
とにある。
【0014】本発明者は、前記従来技術の問題点を克服
するために鋭意研究した結果、フッ素系ポリマーなどの
耐熱性、耐薬品性に優れたポリマーを予め帯状シートに
成型しておき、その上に、多数の中空糸の端部を帯状シ
ートの長手方向とは直行する方向に一定間隔をおいて平
行に載置し、次いで、これを中空糸の端部が内側になる
ように巻き込んで巻回し、得られた巻回体のシート巻回
部を加熱し、シートを溶融させることにより熱溶融性ポ
リマーからなる末端封止部を形成できることを見いだし
た。
【0015】中空糸の集束体を外筒に収納するには、巻
回体のシート巻回部を加熱して末端封止部を形成してか
ら外筒に挿入するか、あるいは巻回体を外筒に挿入した
後、シート巻回部を加熱する。末端封止工程において、
中空糸の端末部を開口させる場合には、シート巻回部を
加熱してシートを溶融させ中空糸集束体と一体化した
後、末端部の所定箇所を中空糸集束体と直交する方向に
切断すればよい。
【0016】本発明の方法によれば、高圧をかけなくて
も、容易に熱可塑性ポリマー製シートが溶融し、中空糸
相互の間隙や中空糸束と外筒との間隙を封止することが
できる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに
至ったものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、外筒内に複数本の中空糸状多孔質分離膜の集束体を
収納した中空糸モジュールにおいて、前記集束体の少な
くとも一方の端末部において、前記外筒と集束体との間
隙、及び中空糸相互の間隙を熱溶融性ポリマー製シート
の溶融物により封止してなることを特徴とする中空糸モ
ジュールが提供される。
【0018】また、本発明によれば、所定幅の熱溶融性
ポリマー製の帯状シート上に、複数本の中空糸状多孔質
分離膜の各端部を該帯状シートの長手方向と直交させ
て、それぞれ一定の間隔をおいて平行に載置する工程
(1)、帯状シートを複数本の中空糸状多孔質分離膜の
各端部が内側になるように巻き込むことによって巻回体
を形成する工程(2)、及び該巻回体のシート巻回部を
加熱することにより、シートを溶融せしめる工程(3)
を含むことを特徴とする中空糸モジュールの製造方法が
提供される。
【0019】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用する中空糸状多孔質分離膜は、特に限定されない
が、耐薬品性の観点から、特に、フッ化ビニリデン樹脂
(PVdF)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体
(ETFE)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)など
のフッ素樹脂製中空糸が好適に使用できる。円筒などの
中空糸モジュールの外筒の材質としては、耐熱性、耐薬
品性に優れたステンレス等の金属やPTFE、四フッ化
エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四
フッ化エチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体(PFA)などのフッ素樹脂を必要用途に応じ
て使い分けることができる。
【0020】本発明において端末材として使用される熱
溶融性ポリマーとしては、例えば、PFA、FEP、E
TFE、PVdF、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCT
FE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)
等のフッ素樹脂、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−
四フッ化エチレン三元共重合体(VdF系)、四フッ化
エチレン−プロピレン共重合体(TFE−P系)、PF
A系等のフッ素ゴム、またはフッ素系熱可塑性エラスト
マーを挙げることができる。フッ素ゴムの場合には、所
望により加硫剤、加硫助剤、加硫遅延剤等を配合して、
加熱時に加硫させてもよい。
【0021】本発明の中空糸モジュール及びその製造方
法について、図面を参照しながら説明する。図1は、本
発明の中空糸モジュールの末端封止部の断面を示す略図
である。外筒1内に収納された多数のフッ素樹脂製の中
空糸3は、末端部で熱溶融性ポリマー2により、多数の
中空糸3相互の間隙及び中空糸3と外筒1との間隙が封
止されている。末端封止部は、中空糸集束体の片末端ま
たは両末端に設ける。
【0022】本発明の中空糸モジュールは、例えば、以
下の方法により製造することができる。 所定本数の中空糸を用意する。各中空糸は、末端封止
部を形成する工程において、中空糸の形状を保持させ、
かつ、中空糸集束体の外筒内への収納等の操作を容易に
するために、例えば、ステンレス等の金属やセラミック
ス等の耐熱性の材質からなる支持棒を内腔に挿入してお
くこともできる。支持棒は、中空糸の内腔に挿入し、ま
た、抜き取る際に、中空糸を傷つけないように、グライ
ンダー等で端部を研磨しておくことが好ましい。また、
各中空糸の両端開口部は、接着剤を充填するか、あるい
は加熱溶融して熱融着させるなどして封鎖しておく。さ
らに、中空糸の少なくとも末端封止部を火炎処理等の表
面処理をしておくことが、熱溶融性ポリマーとの接着性
を向上させるために望ましい。特に、PTFE製中空糸
を用いる場合では、本モジュールを極めて温和な条件で
運転する場合を除いて、この火炎処理は必須であろう。
【0023】熱溶融性ポリマーの帯状シートを用意す
る。熱溶融性ポリマーのシートは、熱溶融性ポリマーを
シート状に溶融押出するか、シート状に圧縮成型するな
ど任意の方法で作成する。シートを所定の幅の帯状にす
るには、適宜裁断すればよい。 図2に示すように、帯状シート(4)上に、複数本の
中空糸(3)の各端部を帯状シートの長手方向と直交さ
せて、それぞれ一定の間隔をおいて平行に載置する。こ
の場合、各中空糸の端部が帯状シートの長手方向に沿っ
て揃うようにする。また、シート上に中空糸の表面処理
した部分を載置する。
【0024】図3に示すように、載置した中空糸の端
部を内側にして帯状シートを長辺方向に巻き込み、巻回
体を形成する。 この巻回体を加熱装置にセットし、所定温度で所定時
間加熱して熱溶融性ポリマー製シートを溶融させ、図4
(a)に示すように、熱溶融性ポリマー製シートの溶融
物により封止された所定形状の末端部(5)を形成す
る。フッ素ゴムを使用する場合には、加熱時に加硫して
もよい。
【0025】所定形状に形成した末端部(5)を有す
る中空糸集束体を、図5(a)に示すように、外筒
(1)内に挿入する。 図5(a)に示す末端部(5)の端部を中空糸集束体
に対し垂直な面(6)で切断して中空糸を開口させる。 次いで、各中空糸の内腔に挿入してある支持棒を抜き
取り、図5(b)に示す中空糸モジュールを得る。この
断面は、図1に示したとおりである。
【0026】上記方法により中空糸集束体の片末端を開
口し、他端を閉塞した中空糸モジュールが得られるが、
中空糸集束体の両末端を開口した中空糸モジュールを得
るには、帯状シートを2枚用意し、図6に示すように、
各中空糸の両末端を各帯状シートの長手方向に直行する
ようにシート上に載置し、前記と同様に操作すればよ
い。また、図3に示すように、載置した中空糸の端部を
内側にして帯状シートを長辺方向に巻き込んで巻回体を
形成した後、該巻回体を外筒(1)内に挿入し、熱溶融
性ポリマー製シートを加熱溶融させてもよい。
【0027】本発明の中空糸モジュールが濾過装置とし
て正常に運転されるためには、封止した端末材と中空糸
との間の接着性が重要となる。中空糸が端末材から抜け
たりすると、中空糸内腔を通過した原液と、中空糸壁面
を透過した濾過液とが混合してしまい、端末材でシール
した意味をもたなくなる。特に、耐薬品性に優れた四フ
ッ化エチレン樹脂製中空糸は、他のポリマーとの親和性
に乏しいため、できるだけ接着強度を高める必要があ
る。
【0028】フッ素樹脂製の中空糸と端末材として用い
る熱溶融性ポリマーは、親和性が高い組み合わせのもの
とすることが、中空糸と端末材との接着性の観点から好
ましく、特に、両者とも同種のポリマーとすることが望
ましい。例えば、PTFE製中空糸を使用した場合、端
末材としては、FEPやPFAが最適である。PTFE
製中空糸とフッ素ゴムなどの異種、異性質の組み合わせ
の時は、中空糸の表面を処理して、できるだけ親和性を
上げることが望ましい。
【0029】中空糸の表面処理方法としては、例えば、
火炎処理(特公昭63−23215号)がある。具体的
には、例えば、六口バーナー(6個のバーナーを同一円
周上に均等に配置し、中空糸の通過する中心点を各々の
バーナー口が向いている)の中心に、プロパンガス流量
15〜18リットル/分、供給空気流量12リットル/
分で火炎を集中させ、ここにPTFE中空糸を7m/分
で通過させる。このような火炎処理を施すことにより、
PTFE中空糸と端末材の熱溶融性ポリマーとの接着強
度を高めることができる。
【0030】本発明の中空糸モジュールは、従来品と同
様の高い中空糸充填率を保持することができる。本発明
の製造方法によれば、従来、高粘度であるため微細成型
が困難であるとされていたフッ素系ポリマー等の耐薬品
性に優れた熱溶融性ポリマーを、中空糸モジュール末端
の封止剤に使用することができるため、従来使用されて
いたエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等を
封止剤としたものと比べて耐熱性、耐薬品性を大きく改
善することができる。そして、特に、熱溶融性ポリマー
として、フッ素系ポリマーを用いると、強酸性、強アル
カリ性の溶液またはあらゆる溶剤を溶媒とする分離・濃
縮用途に使用可能であり、また、蒸気滅菌を繰り返し行
なうことが可能な中空糸モジュールが得られる。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてさらに具体的に説明するが本発明は、これらの実
施例のみに限定されるものではない。
【0032】[実施例1]外径2.8mm、内径1.9
mmの火炎処理済PTFE多孔質中空糸を240mm長
に裁断したものを、630本準備した。一方、径1.8
mmのステンレス棒を220mm長に切断したものを、
同じく630本準備し、これらはPTFE中空糸の内腔
に挿入し、また、抜き取る際に、PTFE中空糸内腔を
傷つけることのないよう、グラインダーで切り口を研磨
しておいた。
【0033】以下の工程により、中空糸モジュールを作
製した。 (1)各PTFE中空糸にステンレス棒を挿入し、中空
糸の両端開口部を高温ヒートシーラーを用いてヒートシ
ールした。 (2)VdF系ゴム〔ダイキン工業社製、商品名ダイエ
ルG−1001〕をロール混合機を用いて厚さ1mmの
シートとし、該シートを裁断して、シート幅50mm、
重量約300gの帯状シートを作製した。 (3)2枚の帯状シート上に、図6に示すようにして中
空糸を並べた。 (4)次いで、帯状シートを各中空糸の端部が内側にな
るように巻き込むことによって巻回体を形成した。 (5)巻回体の一端を加熱装置にセットし、140℃に
加熱して、ゴムの温度がなじんだ後、所定の形状(径8
8mm)に成型した。次いで、他端についても同様の処
理を繰り返した。 (6)中空糸集束帯を加熱装置から取り出した後、外筒
に挿入した。 (7)両端部を切断して中空糸を開口させた後、ステン
レス棒を抜き取った。 得られた中空糸モジュールは、外筒と中空糸集束体との
間隙、及び中空糸相互の間隙が溶融ポリマーにより緊密
に封止されていた。中空糸と端末材との間の接着力を計
測するために、巻回体の一端を加熱成型した後に、25
kgfの力で中空糸を垂直に引張ったところ、中空糸は
抜けなかった(10本中抜けた本数は0本)。表面処理
を施していない中空糸を用いて前記と同様に中空糸モジ
ュールを作成し、その接着力を計測したところ、10本
中3本が抜けた。この結果から、予めPTFE製中空糸
を表面処理しておいた方がフッ素ゴム端末材との接着性
に優れていることが分かる。
【0034】[実施例2]帯状シートを各中空糸の端部
が内側になるように巻き込んで巻回体を作るまでは実施
例1と同様にし、巻回体を外筒に挿入した後、外筒の外
側より加熱することにより、端末材と外筒を密着させ
た。冷却後、両端部を切断して中空糸を開口させ、ステ
ンレス棒を抜き取った。得られた中空糸モジュールは、
外筒と中空糸集束体との間隙、及び中空糸相互の間隙が
溶融ポリマーにより緊密に封止されていた。
【0035】[実施例3]上記ダイエルG−1001
に、加硫剤、加硫助剤等を混練配合したシートを用いた
こと以外は実施例1と同様に処理し、140℃で成型
し、その後180℃に温度を上げることにより加硫を進
行させた。その結果、さらに強度の高い末端封止部を有
する中空糸モジュールを得た。
【0036】[実施例4]FEPシートを用い、かつ、
成型温度を300℃にしたこと以外は実施例1と同様に
して中空糸モジュールを得た。
【0037】[比較例1]ダイエルG−1001を粉砕
し、粉末とした。所定量(300g)の粉末を加熱装置
に入れた後、中空糸を1本ずつ埋設したが、300本
(所定本数の約半分)を越えると、均一の間隔で埋設す
るのが困難であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、耐熱性、耐薬品
性に優れた熱溶融性ポリマーを封止剤として使用し、高
密度に中空糸を充填した中空糸モジュールを製造するこ
とができる。本発明によれば、半導体工業等の耐薬品性
が必要とされる分野においても使用可能な中空糸モジュ
ールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空糸モジュールの末端封止部の断面
を示す略図である。
【図2】複数本の中空糸の各端部を帯状シートの長手方
向と直交させて平行に載置したことを示す図である。
【図3】帯状シートを巻き込んで巻回体を形成したこと
を示す図である。
【図4】巻回体のシート巻回部を加熱することによりシ
ートを溶融せしめて末端封止部を形成したことを示す図
である。
【図5】外筒に収納した中空糸集束体と端部を切断して
中空糸モジュールとすることを示す図である。
【図6】複数本の中空糸の各両端部を帯状シートの長手
方向と直交させて平行に載置したことを示す図である。
【符合の説明】
1:外筒 2:溶融樹脂からなる端末材 3:中空糸 4:熱溶融性ポリマー製の帯状シート 5:末端封止部 6:切断面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒内に複数本の中空糸状多孔質分離膜
    の集束体を収納した中空糸モジュールにおいて、前記集
    束体の少なくとも一方の端末部において、前記外筒と集
    束体との間隙、及び中空糸相互の間隙を熱溶融性ポリマ
    ー製シートの溶融物により封止してなることを特徴とす
    る中空糸モジュール。
  2. 【請求項2】 所定幅の熱溶融性ポリマー製の帯状シー
    ト上に、複数本の中空糸状多孔質分離膜の各端部を該帯
    状シートの長手方向と直交させて、それぞれ一定の間隔
    をおいて平行に載置する工程(1)、帯状シートを複数
    本の中空糸状多孔質分離膜の各端部が内側になるように
    巻き込むことによって巻回体を形成する工程(2)、及
    び該巻回体のシート巻回部を加熱することにより、シー
    トを溶融せしめる工程(3)を含むことを特徴とする中
    空糸モジュールの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264086A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Yan Chengxiang 掃除機の移動台座
JP2014172019A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 中空糸膜シート状物およびこれを用いた中空糸膜モジュールの製造方法

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