JPH0678641U - ピストンおよびそれを使用したダンパ - Google Patents

ピストンおよびそれを使用したダンパ

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JPH0678641U
JPH0678641U JP1933193U JP1933193U JPH0678641U JP H0678641 U JPH0678641 U JP H0678641U JP 1933193 U JP1933193 U JP 1933193U JP 1933193 U JP1933193 U JP 1933193U JP H0678641 U JPH0678641 U JP H0678641U
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piston
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groove
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栗原貢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンの構成部品の点数を少なくするとと
もに、各構成部品の構造を簡素化して加工・組立てに要
する手間を削減し、製造コストを低減させる。 【構成】 シリンダ2内に摺動自在に設けられるピスト
ン5を軸受6とこの軸受6の軸線方向の何れかの面に密
着した状態に設けられるバルブシート7で構成する。軸
受6の適宜の位置に軸線方向に貫通する通気孔6aを穿
設する一方、軸受6のバルブシート7との接触面に通気
孔6aに通じるリング溝、V溝を穿設し、バルブシート
7の軸受6との接触面に前記V溝に対応するU溝を穿設
する。これらの溝によってバルブシート7側の室9と軸
受6の通気孔6aとの間を連通する溝部が形成される。
この溝部は作用する圧力に応じてバルブシート7が弾性
変形することにより面積を変化させるバルブシート7側
の室9と軸受6側の室10との間を連通するオリフィス
として作用する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はピストンおよびそれを使用したダンパに関し、特に、速度調整機構 を有するピストンおよびそれを使用したダンパに関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
従来、物体の運動エネルギーの吸収を目的して使用されるダンパにあっては、 流体の動圧抵抗、粘性抵抗、固体摩擦等による抵抗力を利用したものが種々考案 されており、例えば、動圧抵抗による抵抗力を利用したものにあっては、図8に 示すように構成されている。
【0003】 すなわち、このダンパ21は、所謂エアー式のダンパであって、一端がシリン ダボトム23で閉塞され、他端にシリンダヘッド24が装着されるシリンダ22 と、このシリンダ22内に摺動自在に設けられ、シリンダ22内を二室30、3 1に区画するピストン25と、このピストン25の中心部に一端が連結され、他 端がシリンダヘッド24の中心部を貫通してシリンダ22外に突出するピストン ロッド32とを具え、前記二室30、31内にはそれぞれ大気圧と同じ圧力のエ アーが充填されている。
【0004】 前記ピストン25は、適宜の位置に軸線方向に貫通する通気孔26aが穿設さ れている円板状の軸受26と、断面が略V字型状で環状をなすゴム状弾性材等の 弾性体からなる一方向性パッキン27と、通気性を有するポーラス金属等の多孔 質材からなる絞り部材28とから構成されている。
【0005】 前記ピストンロッド32の一端部は、先端から大径部32a、大径部32aよ りも小径の中径部32b、中径部32bよりも小径の小径部32cの順に形成さ れていて、小径部32cに前記軸受26が装着されるとともに、中径部32bに 前記一方向性パッキン27がその開口部を軸受26の通気孔26aの方向に向け た状態に装着され、この場合、前記軸受26は止め輪33によって前記ピストン ロッド32に固定されるとともに、このように固定される軸受26と前記大径部 32aとの間で前記一方向性パッキン27の内周側の軸線方向の両面が挟持固定 されるようになっている。
【0006】 なお、大径部32aとシリンダ22内面との間には、所定の間隙が形成されて いて、この間隙を介してピストン25の下面側の室31内のエアーが一方向性パ ッキン27の下面側に作用するようになっている。
【0007】 また、ピストンロッド32の内部には、前記ピストン25を装着した際にピス トン25の両面に形成される二室30、31間を連通する通気孔32eが穿設さ れていて、この通気孔32eの一端開口部(先端側)は通気孔32eよりも大径 の段部32fに形成され、この段部32f内に前記絞り部材28が嵌合されるよ うになっている。また、この絞り部材28の外側には、絞り部材28の脱落を防 止するためのカバー29が嵌着されていて、このカバー29の適宜の位置には軸 線方向に貫通する通気孔(図示せず)が穿設され、この通気孔と前記ピストンロ ッド32内の通気孔32eとの間が前記絞り部材28を介して互いに連通するよ うになっている。
【0008】 そして、上記のように構成されるダンパ21は、例えば、図9に示すような装 置に使用されていて、この装置は、支点16を中心として揺動可能に設けられる レバー15に入力を与えることによって、レバー15に連結されるプッシュロッ ド18に所定の仕事をさせるように構成したものであって、レバー15の戻し機 構としてリターンスプリング17が使用されているが、このリターンスプリング 17だけでは入力を急に解除した際にレバー15が急激に戻ってしまい、衝撃、 振動、騒音等の不具合が生じるおそれがあるため、前記ダンパ21をリターンス プリング17と並列に装着することによってレバー15の戻りスピードを調整し 、前記不具合が生じるのを防止している。
【0009】 すなわち、レバー15の先端部15aに入力を与えると、レバー15はリター ンスプリング17の付勢力に抗して支点16を中心として図中矢印の方向に揺動 して点線の位置に移動し、これに追従してレバー15に連結されるプッシュロッ ド18が図中点線のように移動し、所定の仕事を行う。
【0010】 この場合、レバー15に連結するダンパ21のピストンロッド32がレバー1 5の動きに追従してシリンダ22内に没入するとともに、ピストンロッド32の 動きに追従して、ピストン25がシリンダ22内を移動し、ピストン25の下面 側(シリンダボトム23側)の室31は圧縮されて圧力が上昇し、ピストン25 の上面側(シリンダヘッド24側)の室30は膨脹されて圧力が低下し、両室3 0、31間に圧力差が生じる。
【0011】 ここで、ピストン25の下面側の室31内のエアー圧が一方向性パッキン27 に作用することにより一方向性パッキン27のリップ部27aが径方向内側に倒 れ込み、リップ部27aとシリンダ22との間のシール状態が解除され、ピスト ン25の下面側の室31内のエアーが軸受26の通気孔26aを介してピストン 25の上面側の室30内に移動し、ピストン25の移動が抵抗なく許容される。
【0012】 一方、レバー15の先端部15aへの入力を解除すると、レバー15はリター ンスプリング17の付勢力により引き戻されることにより、支点16を中心とし て元の位置の方向に揺動し、これに追従してプッシュロッド18も元の位置の方 向に移動する。
【0013】 この場合、レバー15に連結するダンパ21のピストンロッド32がレバー1 5の動きに追従してシリンダ22から突出するとともに、ピストンロッド32の 動きに追従して、ピストン25がシリンダ22内を移動し、ピストン25の上面 側(シリンダヘッド24側)の室30内は圧縮されて圧力が上昇し、ピストン2 5の下面側(シリンダボトム23側)の室31内は膨脹されて圧力が低下し、両 室間に圧力差が生じる。
【0014】 ここで、ピストン25の上面側の室30内のエアー圧が軸受26の通気孔26 aを介して一方向性パッキン27に作用し、一方向性パッキン27のリップ部2 7aはシリンダ22内面にさらに強く押圧されて、両者間は完全にシールされる ことになり、二室30、31間でのエアーの移動がないのでピストン25は停止 したままの状態となる。
【0015】 ここで、ピストン25の上面側(高圧側)の室30内のエアー圧がピストンロ ッド32内の通気孔32eを介して絞り部材28に作用し、絞り部材28で絞ら れてカバー29の通気孔を介してピストン25の下面側(低圧側)の室31内に 移動し、時間とともに二室30、31間での圧力差がなくなる。このようにゆっ くりしたエアーの移動、すなわち、絞り部材28をエアーが通過するときの抵抗 がピストン25の移動速度を調整するための抵抗力として作用し、このピストン 25の移動速度を絞り部材28の素材等を変えることによって適宜の値に調整す ることにより、適宜の運動エネルギーを吸収することができるものである(図1 0参照)。
【0016】 しかしながら、上記のように構成される従来のダンパ21にあっては、ピスト ン25の構成部品の数が多く、各構成部品の形状が複雑であるとともに、これら の構成部品を取り付けるためのピストンロッド32の形状も複雑であり、しかも 、ピストンロッド32の内部には、ピストン25の両面に形成される二室30、 31間を連通する通気孔32eを穿設しなければならないため、加工・組立てに 手間がかかり、製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
【0017】 また、ピストン25の移動速度を調整するためには、特性の異なる複数の絞り 部材28を用意しておかなければならず、この場合、絞り部材28の単価が高い ため、全体として高価なものとなってしまい、汎用性のないものとなってしまう という問題点もあった。
【0018】 この考案は前記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、ピ ストンの構成部品の数を少なく、各構成部品の形状を簡素化するとともに、これ らの構成部品が取り付けられるピストンロッドの形状も簡素化し、これにより、 加工・組立てに要する手間を削減して、製造コストを大幅に低減させるとともに 、ピストンの移動調整が容易なピストンおよびそれを使用したダンパを提供する ことを目的とするものである。
【0019】
【問題点を解決するための手段】
上記の問題点を解決するためにこの考案は、シリンダ内に摺動自在に設けられ るとともに、適宜の位置に軸線方向に貫通する通気孔が穿設され、かつ両側で室 を形成している軸受と、この軸受の軸線方向の何れか一方の面に密着した状態に 設けられ、軸受の移動方向に応じて前記通気孔を開放又は閉塞する弾性体からな るバルブシートとを具え、前記軸受とバルブシートとの間に、一端が前記軸受の 通気孔に連通し、他端が前記室に連通する溝部を設け、前記バルブシートによる 前記通気孔の閉塞時に、前記溝部がオリフィスとして作用して両室を連通すると ともに、このオリフィスの大きさを両室の圧力差に応じて変形可能としたという 手段を採用したものである。 また、シリンダと、このシリンダ内に摺動自在に設けられるとともに、適宜の 位置に軸線方向に貫通する通気孔が穿設され、かつ両側で室を形成している軸受 、およびこの軸受の軸線方向の何れか一方の面に密着した状態に設けられ、軸受 の移動方向に応じて前記通気孔を開放又は閉塞する弾性体からなるバルブシート からなるピストンと、このピストンに一端が連結されるとともに、他端がシリン ダ外に突出するピストンロッドとを具え、前記軸受とバルブシートとの間に、一 端が前記軸受の通気孔に連通し、他端が前記室に連通する溝部を設け、前記バル ブシートによる前記通気孔の閉塞時に、前記溝部がオリフィスとして作用して両 室を連通するとともに、このオリフィスの大きさを両室の圧力差に応じて変形可 能としたという手段を採用したものである。
【0020】
【作用】 この考案は前記のような手段を採用したことにより、シリンダ内をピストンが 一方に移動する際には、一方の室内の流体圧が軸受の通気孔を介してバルブシー トに作用し、バルブシートが弾性変形することにより通気孔を開放し、ピストン の移動が抵抗なく許容される。また、シリンダ内をピストンが他方に移動する際 には、他方の室内の流体圧がバルブシートに作用し、バルブシートが弾性変形す ることによりバルブシートと軸受との間に形成されている溝部が適宜の面積のオ リフィスとなり、このオリフィスを介して二室間で流体が移動することによりピ ストンが移動するとともに、ピストンの移動速度はオリフィスの抵抗によって調 整されることになる。
【0021】
【実施例】
以下、図面に示すこの考案の実施例について説明する。 図1〜図3には、この考案によるピストンおよびそれを使用したダンパの第1 の実施例が示されていて、図1は全体を示す概略断面図、図2および図3は図1 に示すものの部分拡大図である。
【0022】 すなわち、このダンパ1は、所謂エアー式のダンパであって、一端がシリンダ ボトム3で閉塞され、他端にシリンダヘッド4が装着されるシリンダ2と、この シリンダ2内に摺動自在に設けられ、シリンダ2内を二室9、10に区画するピ ストン5と、このピストン5の中心部に一端が連結され、他端が前記シリンダヘ ッド4の中心部を貫通してシリンダ2外に突出するピストンロッド8とを具え、 前記二室9、10内には大気圧と同じ圧力のエアーが充填されている。
【0023】 前記ピストン5は、適宜の位置に軸線方向に貫通する通気孔6aが穿設されて いるとともに、外周面にOリング用の溝6bが穿設されている円板状の軸受6と 、薄肉円板状をなすとともに、前記軸受6の軸線方向の何れかの面(この実施例 においては上面側)に密着した状態に設けられるゴム状弾性材等の弾性体からな るバルブシート7とから構成されている。
【0024】 前記軸受6の中心部には、図2に示すように、前記ピストンロッド8に装着す るための孔6cが穿設されているとともに、前記バルブシート7との接触面側( 上面側)には、前記孔6cの中心を中心とする同心円上に断面がU字、V字、コ 字状等をなす環状のリング溝6dが穿設され、さらに、このリング溝6dと軸受 6の周面との間には、リング溝6dを軸受6の周面側に開口させるための断面が 略V字状のV溝6eが周方向に等配に穿設されている。
【0025】 前記バルブシート7の中心部には、図3に示すように、前記ピストンロッド8 に装着するための孔7aが穿設されているとともに、前記軸受6との接触面側( 下面側)の前記軸受6のV溝6eに対応する位置には、それぞれ略U字状をなす U溝7eが穿設されている。
【0026】 前記U溝7eは、所定の曲率半径となるように形成されていて、前記軸受6に バルブシート7を密着させた際、軸受6のV溝6eの最深部に対応する部分が最 も薄くなるように形成されている(図4参照)。なお、軸受6にバルブシート7 を密着させる場合の位置合わせを容易にするため、軸受6側に凸部又は凹部を、 バルブシート7側に凹部又は凸部を設けて、これらを合致させることにより、両 者の位置合わせをするようにしてもよいものである。
【0027】 前記ピストンロッド8の一端部は一段に加工されていて、この部分に前記バル ブシート7および前記軸受6がそれぞれの中心部の孔7a、6cを挿通させるこ とで装着されるとともに、軸受6の外側には皿状の止め輪11が圧入されていて 、この止め輪11によりバルブシート7および軸受6のピストンロッド8からの 脱落が防止されるようになっている。
【0028】 この場合、前記止め輪11としては、圧入方向と逆方向に抜けない機能を有し ているもの、例えば、磐田電工(株)製のSE型リング、L型リング等が好まし いが、これに限定することなく、同様の機能を有するものであればよいものであ る。
【0029】 なお、前記止め輪11の前記軸受6の通気孔6aに対応する部分には切り欠き (図示せず)が設けられていて、この切り欠きを介してピストン5の下面側に形 成される室10内のエアーが軸受6の通気孔6aに直接作用するようになってい る。
【0030】 次に、前記に示すものの作用について説明する。 まず、上記のように構成したダンパ1を前記従来のものと同様に、図9に示す 装置に装着し、レバー15の先端部15aに入力を与えると、レバー15はリタ ーンスプリング17の付勢力に抗して支点16を中心として図中矢印の方向に揺 動して点線の位置に移動し、これに追従してレバー15に連結されるプッシュロ ッド18が図中点線のように移動し、所定の仕事を行う。
【0031】 この場合、レバー15に連結するダンパ1のピストンロッド8がレバー15の 動きに追従してシリンダ2内に没入するとともに、ピストンロッド8の動きに追 従してピストン5がシリンダ2内を移動し、ピストン5の下面側(シリンダボト ム3側)の室10内は圧縮されて圧力が上昇し、ピストン5の上面側(シリンダ ヘッド4側)の室9内は膨脹された圧力が低下し、両室間に圧力差が生じる。
【0032】 ここで、ピストン5の下面側の室10内のエアー圧が軸受6の通気孔6aを介 してバルブシート7に作用し、このときの圧力の大きさに応じてバルブシート7 が弾性変形し、例えば作用する圧力が大きい場合には、バルブシート7が図5に 示すように大きく弾性変形してバルブシート7と軸受6との間に所定の間隙が形 成されて両者間のシール状態が解除され、ピストン5の下面側の室10内のエア ーが通気孔6aおよび前記間隙を介してピストン5の上面側の室9内に移動し、 これにより、ピストン5の移動が抵抗なく許容され、レバー15に連結されるプ ッシュロッド18に所定の仕事をさせることが可能となるものである。
【0033】 また、バルブシート7に作用する圧力が小さい場合には、バルブシート7は殆 ど変形しないが、軸受6側のリング溝6d、V溝6eおよびバルブシート7側の U溝7eがバルブシート7側の室9と軸受6の通気孔6aとの間を連通する溝部 12となり、この溝部12を介してピストン5の下面側の室10内のエアーがピ ストン5の上面側の室9内に移動することになるので、前述した圧力が高い場合 よりは移動速度は遅いが、殆ど抵抗なくピストン5の移動が許容され、レバー1 5に連結されるプッシュロッド18に所定の仕事をさせることができることにな る。
【0034】 一方、レバー15の先端部15aへの入力を解除すると、レバー15はリター ンスプリング17の付勢力により引き戻されることにより、支点16を中心とし て元の位置の方向に揺動し、これに追従してプッシュロッド18も元の位置の方 向に移動する。
【0035】 この場合、レバー15に連結するダンパ1のピストンロッド8がレバー15の 動きに追従してシリンダ2から突出するとともに、ピストンロッド8の動きに追 従してピストン5がシリンダ2内を移動し、ピストン5の上面側(シリンダヘッ ド4側)の室9内は圧縮されて圧力が上昇し、ピストン5の下面側(シリンダボ トム3側)の室10内は膨脹されて圧力が低下し、両者間に圧力差が生じる。
【0036】 ここで、ピストン5の上面側の室9内のエアー圧がバルブシート7の上面側に 作用し、このときの圧力の大きさに応じてバルブシート7が軸受6の方向に押圧 され、軸受6の表面の形状に沿って弾性変形し、軸受6のV溝6eとバルブシー ト7のU溝7eとによって形成される溝部12が図6に示すような断面形状とな り、これに連通するリング溝6dも図示はしないがほぼ同様の断面形状の溝部1 2となる。そして、このように断面形状が変化した溝部12がピストン5の上面 側(バルブシート7側)の室9と軸受6の通気孔6aとの間を連通するオリフィ ス13として作用し、このオリフィス13を介してピストン5の上面側の室9と 下面側の室10との間が連通されることになる。
【0037】 すなわち、ピストン5の上面側の室9内のエアーが前記オリフィス13内に流 れ込み、そこを流れて軸受6の通気孔6aを介してピストン5の下面側の室10 内に移動し、このときのオリフィス13内を流れる流動抵抗によりピストン5の 移動速度が調整され、このオリフィス13の抵抗力によりレバー15の戻り速度 が調整されることになる。
【0038】 この場合のピストン5の移動速度はオリフィス13の面積よって調整されるの で、バルブシート7の弾性率、厚みT1 、U溝7eの曲率半径R、軸受6のV溝 6eの深さh、角度θ等を適宜の値に設定することにより、ピストン5の移動速 度、すなわち、ダンパ1による運動エネルギーの吸収特性を所望の値に調整する ことができることになる。
【0039】 上記のようにこの実施例においては、ピストン5を軸受6とバルブシート7と で構成するとともに、軸受6のバルブシート7との接触面にリング溝6dおよび V溝6eを、バルブシート7の軸受6との接触面にU溝7eをそれぞれ形成し、 これらの溝によって形成される溝部12を、バルブシート7に作用する圧力の大 きさに応じて面積を変化させる軸受6の通気孔6aとの間を連通するオリフィス 13として使用するようにしたので、ピストン5の各構成部品の形状を簡素化す ることができるとともに、ピストン5の各構成部品を取り付けるピストンロッド 8の形状も簡素化することができることになり、これにより、加工・組立てに要 する手間を著しく削減することができるので、製造コストを大幅に低減させるこ とができることになる。
【0040】 また、ピストン5の移動速度は、オリフィス13の面積によって調整され、こ の場合のオリフィス13は、バルブシート7の弾性率、厚みT1 、U溝7eの曲 率半径R、軸受6のV溝6eの深さh、角度θ等を変えるだけで適宜の値に設定 することができるので、従来のもののように、特性の異なる高価な絞り部材を複 数用意する必要はなく、弾性率の異なる安価な複数のバルブシート7等を用意し ておけば足りるので、汎用性が著しく向上することになる。
【0041】 図7には、この考案によるピストンおよびそれを使用したダンパの第2の実施 例が示されていて、この実施例に示すダンパは、軸受6のバルブシート7との接 触面をシボ加工等により微細凹凸6fに形成するとともに、これに対応するバル ブシート7の軸受6との接触面をフラット又は図3に示すような略U字状のU溝 7eに形成したものであって、その他の構成は前記第1の実施例に示すものと同 様の構成を有している。
【0042】 そして、この実施例に示すダンパにあっては、軸受6側に形成した微細凹凸6 fとバルブシート7との間で軸受6の通気孔6aとの間を連通する溝部12が形 成されるとともに、この溝部12がバルブシート7に作用する圧力に応じて面積 を変化させる軸受6の通気孔6aとの間を連通するオリフィス13として作用す るものであり、このオリフィス13によって前記第1の実施例に示すものと同様 に、ピストン5の移動速度が調整可能となるものである。
【0043】 したがって、この実施例に示すものにあっても、前記第1の実施例に示すもの と同様に、ピストン5の各構成部品の形状を簡素化することができるとともに、 ピストン5を取り付けるピストンロッド8の形状も簡素化することができること になり、これにより、加工・組立てに要する手間を著しく削減することができる ので、製造コストを大幅に低減させることができることになる。
【0044】 また、ピストン5の移動速度は、オリフィス13の面積によって調整され、こ の場合のオリフィス13は、バルブシート7の弾性率、厚みT1 、U溝7eの曲 率半径R、軸受6のV溝6eの深さh、角度θ等を変えるだけで適宜の値に設定 することができるので、従来のもののように、特性の異なる高価な絞り部材を複 数用意する必要はなく、弾性率の異なる安価な複数のバルブシート7等を用意し ておけば足りるので、汎用性が著しく向上することになる。
【0045】 なお、前記各実施例においては、流体としてエアーを用いて説明したが、これ に限定することなく、他の流体を使用してもよいことは勿論のことである。
【0046】
【考案の効果】
この考案は前記のように、ピストンを軸受とバルブシートで構成するとともに 、軸受とバルブシートとの間に、一端が軸受の通気孔に連通し、他端がバルブシ ート側の室と連通する溝部を設けて、この溝部をバルブシート側の室とそれと反 対側の室との圧力差に応じて大きさを変化させるオリフィスとして作用させるよ うにしたことにより、ピストンの構成部品を少なくすることができるとともに、 各構成部品の構造を簡素化することができることになり、さらに、ピストンが装 着されるピストンロッドの形状も簡素化することができることになり、これによ り、加工・組立てに要する手間を大幅に削減することができるので、製造コスト を大幅に低減させることができることになる。 また、両室の圧力差に応じてオリフィスの大きさを変化させることができるよ うにしたので、ピストンの移動速度をオリフィスの大きさに応じて調整すること ができることになり、これにより、バルブシートの弾性率、バルブシートと軸受 との間の溝部の形状等を調整することにより、オリフィスを所望の大きさに設定 することができることになるので、従来のように特性の異なる高価な絞り部材を 複数用意する必要もなく、安価なバルブシート等を複数枚用意しておけば足りる ので、汎用性が著しく向上することになる等の優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案によるピストンおよびそれを使用した
ダンパの第1の実施例を示した概略断面図である。
【図2】図1に示すものの軸受の拡大図であり、(a)
は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図3】図1に示すもののバルブシートの拡大図であ
り、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図
である。
【図4】図1に示すものの軸受とバルブシートとの関係
を示した断面図であり、バルブシートの変形前の状態を
示した説明図である。
【図5】図1に示すもののバルブの軸受の通気孔の開放
状態を示す部分拡大断面図である。
【図6】図1に示すものの軸受とバルブシートとの関係
を示した断面図であり、バルブシートの変形後の状態を
示した説明図である。
【図7】この考案によるピストンおよびダンパの第2の
実施例の部分図であり、(a)は軸受の部分平面図、
(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図8】従来のピストンおよびダンパを示した概略断面
図である。
【図9】この考案によるダンパおよび従来のダンパが使
用される装置を示した概略図である。
【図10】図9に示すものの絞り部材の通気性とピスト
ンの移動速度との関係を示した説明図である。
【符号の説明】
1、21……ダンパ 2、22……シリンダ 3、23……シリンダボトム 4、24……シリンダヘッド 5、25……ピストン 6、26……軸受 6a、26a、32e……通気孔 6b……Oリング用の溝 6c、7a……孔 6d……リング溝 6e……V溝 6f……微細凹凸 7……バルブシート 7e……U溝 8、32……ピストンロッド 9、30……ピストンの上面側の室 10、31……ピストンの下面側の室 11、33……止め輪 12……溝部 13……オリフィス 15……レバー 15a……先端部 16……支点 17……リターンスプリング 18……プッシュロッド 27……一方向性パッキン 27a……リップ部 28……絞り部材 29……カバー 32a……大径部 32b……中径部 32c……小径部 32f……段部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(2)内に摺動自在に設けられ
    るとともに、適宜の位置に軸線方向に貫通する通気孔
    (6a)が穿設され、かつ両側で室(9)(10)を形
    成している軸受(6)と、この軸受(6)の軸線方向の
    何れか一方の面に密着した状態に設けられ、軸受(6)
    の移動方向に応じて前記通気孔(6a)を開放又は閉塞
    する弾性体からなるバルブシート(7)とを具え、前記
    軸受(6)とバルブシート(7)との間に、一端が前記
    軸受(6)の通気孔(6a)に連通し、他端が前記室
    (9)に連通する溝部(12)を設け、前記バルブシー
    ト(7)による前記通気孔(6a)の閉塞時に、前記溝
    部(12)がオリフィス(13)として作用して両室
    (9)(10)を連通するとともに、このオリフィス
    (13)の大きさを両室(9)(10)の圧力差に応じ
    て変形可能としたことを特徴とするピストン。
  2. 【請求項2】 シリンダ(2)と、このシリンダ(2)
    内に摺動自在に設けられるとともに、適宜の位置に軸線
    方向に貫通する通気孔(6a)が穿設され、かつ両側で
    室(9)(10)を形成している軸受(6)、およびこ
    の軸受(6)の軸線方向の何れか一方の面に密着した状
    態に設けられ、軸受(6)の移動方向に応じて前記通気
    孔(6a)を開放又は閉塞する弾性体からなるバルブシ
    ート(7)からなるピストン(5)と、このピストン
    (5)に一端が連結されるとともに、他端がシリンダ
    (2)外に突出するピストンロッド(8)とを具え、前
    記軸受(6)とバルブシート(7)との間に、一端が前
    記軸受(6)の通気孔(6a)に連通し、他端が前記室
    (9)に連通する溝部(12)を設け、前記バルブシー
    ト(7)による前記通気孔(6a)の閉塞時に、前記溝
    部(12)がオリフィス(13)として作用して両室
    (9)(10)を連通するとともに、このオリフィス
    (13)の大きさを両室(9)(10)の圧力差に応じ
    て変形可能としたことを特徴とするダンパ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009528490A (ja) * 2006-03-01 2009-08-06 ヘティッヒ−オーエヌイー ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー 家具用のダンパ
WO2014013651A1 (ja) * 2012-07-16 2014-01-23 株式会社パイオラックス ダンパー
JP2015197116A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 Toto株式会社 湯水混合装置
WO2023101622A1 (en) * 2021-12-01 2023-06-08 Samet Kalip Ve Madeni̇ Eşya San Ve Ti̇c. A.Ş A hydraulic damper for furniture doors and drawers

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