JPH067848A - 歪矯正装置およびその方法 - Google Patents

歪矯正装置およびその方法

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JPH067848A
JPH067848A JP9332293A JP9332293A JPH067848A JP H067848 A JPH067848 A JP H067848A JP 9332293 A JP9332293 A JP 9332293A JP 9332293 A JP9332293 A JP 9332293A JP H067848 A JPH067848 A JP H067848A
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shape
amount
straightening
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JP9332293A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Makino
野 勉 牧
Daizo Mizuguchi
口 大 三 水
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 最適な矯正位置と、各矯正位置における矯正
量を決定して効率良く、精度の高い矯正を行なう。 【構成】 各測定点における目標直線からのずれ量、曲
率などを算出し、これらの値をファジイ理論の各ファク
タとしてとらえ、ワークWの曲りが許容範囲にはいるよ
うに、ファジイ理論を用いて矯正位置を決定し、目標直
線に対するずれ量の最大値の絶対値が最小になるよう
に、各矯正位置における矯正量も併せて決定する。そし
て、シュミレーションしながら、必要最小限の矯正位置
と、その各矯正位置における矯正量を予め決定し、矯正
を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、棒材、軸材、
エレベータ用のガイドレールなどの金属製長尺材などの
真直度を高めるために曲りを矯正する歪矯正装置および
その方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータ用ガイドレールのように、規
定の真直度を得る必要のある部材の場合、前もって、真
直度を測定しておき、許容値以上に曲っている部分につ
いては、矯正する必要がある。このため、曲りを検出す
る形状測定器と、この形状測定器によって得た形状デー
タに基づいて矯正位置、矯正量を決定する演算装置およ
びワークの搬送装置、プレス装置などを組み合わせて構
成した自動矯正装置が利用されている。
【0003】そこで、従来のこの種の自動歪矯正装置に
ついて、図2を参照して説明する。
【0004】符号1は、形状測定器で、レール2、2に
沿って自走する台車に取り付けられており、レール2に
平行に固定された金属長尺材(以下、ワークWという)
の形状データを採取する。レール2の片側には、ワーク
Wをレール2と平行に搬送する搬送ローラ3が所要数間
隔をおいて配置されている。この搬送ローラ3の近傍に
は、ワークWの測定時の位置決めを行なうための位置決
めローラ5が設けられている。また、搬送ローラ3、3
の間には、断面形状が、例えば、L字形などのワークW
を測定時に90°反転させるための反転装置6が設置さ
れている。このような搬送ローラ3、反転装置6の配列
の一端には、3点式のプレス矯正装置7が設置されてお
り、搬送ローラ3で送られたワークWをプレス矯正装置
7により矯正した後は、ワークWは搬送ローラ8上を移
動する。なお、これら搬送ローラ8の間にも、ワークW
を90°反転させる反転装置9が配置されており、図に
示すように搬送ローラ3、反転装置6、プレス矯正装置
7のプレス位置、搬送ローラ8、反転装置9は、一直線
上に配置されている。
【0005】次に、ワークWの形状測定および矯正工程
の流れについて説明する。ワークWは、搬送ローラ3に
よって搬入され、側面を規制する位置決めローラ5によ
って測定位置にて位置決めされる。その後、形状測定器
1がレール2に沿って移動しながら、ワークWの曲りを
測定し、各測定点の測定データは制御盤10に設けられ
ている演算装置に入力される。ひととおり全測定点につ
いて、測定が終了すると、再び、搬送ローラ3が回転
し、ワークWをプレス矯正装置7に向けて搬送する。こ
の場合、測定データから算出した矯正位置および矯正量
に基づいて、制御盤10の制御部は、搬送ローラ3と矯
正プレス矯正装置7の動作を制御する。順次、矯正が加
えられながら、ワークWは、搬送ローラ8によって搬送
される。ひととおりの矯正が終了すると、搬送ローラ
3、8が逆転して、再び、ワークWは形状測定器1のあ
るところまで搬送され、再び、曲りについて測定され
る。このときの測定では、測定値が許容範囲にあるかど
うかが判定され、許容範囲以上の曲りがある部分には、
プレス矯正装置7による再矯正が加えられる。
【0006】一方、曲りの測定値が許容範囲に入ってい
るときには、以上をもってワークの一方向についての矯
正作業は終了する。なお、L字形などの断面形状を有す
るワークの場合は、反転装置6が作動して、ワークを9
0°反転させ、上記と同様にして他の方向の形状測定か
ら矯正までの一連の動作が行なわれる。通常は、二方向
の矯正が終了すると、ワークWは搬送ローラ8によって
搬出される。
【0007】そこで、矯正位置および矯正量を最小二乗
法を応用して算出する従来の手法について説明する。
【0008】図17は、x軸に形状測定のサンプリング
点をとり、y軸にワークの変位量をとったx−y座標系
でワークWの形状を表した図である。従来、矯正による
ワーク形状の目標直線をy=ax+bとして、この目標
直線にできるだけ近付くようにワークを矯正する場合に
は、まず、ワーク形状の最大変位の位置に矯正点x
(i)を求めている。ここで、この矯正点x(i)にお
ける矯正量をδ(i)と定義すると、位置x(i)のみ
での矯正による矯正後の絶対位置は、y(i)となる。
【0009】次に、x(i)とは別の位置x(j)にお
ける点x(i)へ与える影響について考えると、点x
(j)での矯正量をδ(j)として矯正を加えると、ワ
ークの単位長さあたりの矯正量は(2δ(j)/L)と
なる。従って、位置X(j)における位置x(i)での
変形量への影響は、 |x(i)−x(j)|・2・δ(j)/L となる。ここで、Lは矯正スパンを表している。
【0010】従って、サンプリング全点での矯正変形に
基づく位置x(i)でのワークへの影響は、
【0011】
【数1】 となり、また、全点矯正後の点x(i)におけるワーク
の絶対位置は、
【0012】
【数2】 となる。この式の値が目標直線y=ax+b上となるよ
うに設定したδ(i)が各点x(i)での矯正量とな
る。
【0013】しかして、以上のようにして求めた矯正後
のワークの形状と目標直線との誤差を最小二乗法により
求め、この誤差を最小にするようなδ、a、bを算出し
て矯正量を決定している。
【0014】次に、矯正位置および矯正量を算出するの
にファジイ理論を応用した従来の手法について説明す
る。図15は、測定したワークWの一形状を模式的に誇
張して表現した図であり、x軸に形状測定のサンプリン
グ点を取り、y軸にワークWのずれ方向の絶対位置をと
るものとする。はじめに形状測定器1でワークWの形状
を測定し、許容範囲外の箇所があれば、各測定点ごとに
目標直線からのずれ量(Z)、曲率、変曲点間距離を算
出し、これらの値をファジィ理論の各ファクタとしてと
らえ、予め設定したメンバシップ関数とファジィ推論を
経て矯正位置優先度を決定する。
【0015】こうして決定された矯正優先度の高い位置
がaであるとすると、図16(a)に示すように、矯正
位置aの近傍のワーク形状と、目標直線である目標直線
とで囲まれる面積(S)をずれ量としてとしてとらえ、
この面積(S)が最小となるところのワーク変形量をこ
の矯正位置における矯正量と決定する。そして、この矯
正位置aで1回矯正したとすればなるであろう形状を予
めシミュレーションし、その際、スプリングバック量に
ついても、材料特性から予測して、プレス矯正装置7で
必要な押し込み量を算出する。このとき、すべての測定
点のずれ量が許容範囲に入っていれば、矯正位置、矯正
量の決定は終了する。逆に、ずれ量が許容範囲から外れ
ている測定点がある場合には、再度、同様にしてワーク
Wの矯正後のシミュレーション形状から、ずれ量、曲
率、変曲点間距離の各ファクタの計算とファジィ理論を
用いて矯正位置優先度の計算を行ない、すべての測定点
が許容範囲に入るまで、上述の演算を繰り返す。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、目標直線とのずれ量を面積としてとらえ、これ
が最小となるように矯正量を決定しているために、ファ
ジイ推論した最も優先度の高い矯正位置の1点で矯正が
完了しないという難点がある。また、矯正位置が2点以
上ある場合には、図16(b)に示すように、矯正点の
第1点目である位置aを矯正したとすると、矯正後の形
状のシミュレーションでずれ量が許容範囲内に入ってい
ない場合に再度行なわれる矯正位置の算出において、第
1点目の矢印aの位置と同じ矢印bの位置が矯正位置と
して算出されてしまうこともあり、その場合にそれ以上
演算しても矯正量がゼロとなり、シミュレーションで
は、矯正不可能であると判断されてしまうという問題点
があった。さらに、従来のファジイ理論では、そのファ
クタとして変曲点距離を用いているため、図16
(c)、図16(d)に示すように、形状測定結果のデ
ータを平滑化したり、曲率を算出するときの測定点の選
び方を変えるなどしても、わずかな形状の変化によっ
て、変曲点距離のばらつきが生じてしまい、矯正位置を
最適に決定することが困難な場合があり、矯正点数がか
ならずしも少なくならないなどの問題点があった。
【0017】また、従来の最小二乗法のよる矯正点、矯
正量の決定では、変位量が大きいところを矯正点として
決定し、この矯正点が目標直線上にのるように矯正され
た場合に、ワークが全体にわたって許容範囲に入らない
と、順次他の矯正点を求めておき、許容範囲内に矯正す
るのに必要な矯正点を予め算出していた。また、各矯正
点における矯正量は、矯正点が目標直線上にのるように
求めていたので、矯正点が数多く算出されてしまい、ワ
ークの矯正に時間がかかる問題がある。しかも、各矯正
点における矯正量が許容範囲に入っても、ワーク全体と
しての目標直線に対する変位量は最小とはならず、矯正
精度の点で問題があった。
【0018】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
有する問題点を解消し、最適な矯正位置と、各矯正位置
における矯正量を決定して効率良く、精度の高い矯正を
加えることのできる歪矯正装置および矯正方法を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、金属製のワークを加圧して歪の矯正を行
なうプレス矯正装置と、ワークを移動させる搬送装置
と、ワークの形状データを採取する測定手段を備えた歪
矯正装置において、ワークの形状データに基づいて、予
め設定された目標曲線からのずれ量および曲率を演算す
る演算手段と、ずれ量と曲率からワークを許容範囲内に
矯正するための優先矯正位置を決定するファジイ推論手
段と、矯正位置における矯正後の形状のシミュレーショ
ンを行ない、目標直線に対するずれ量の絶対値が最小に
なるよう矯正量を決定する矯正量決定手段と、決定され
た矯正位置、矯正量に従って上記搬送装置、プレス矯正
装置の動作を制御する制御装置を具備しているものであ
る。
【0020】また、本発明は、前記目的を達成するため
に、金属製のワークの形状を測定しその測定結果に基づ
いて、ワークを移動させながらプレス矯正装置によって
ワークを加圧して矯正する矯正方法において、ワーク形
状全体に亘る区間について、形状データに基づいて矯正
点を算出し、算出した矯正点でワーク形状を分割して、
分割区間端点の変位量をゼロとして分割区間の各形状を
算出し、分割した各区間の形状について、その分割形状
が目標直線に最も近くなるような条件を満たす分割区間
端点の変位量を算出し、ワーク形状のシミュレーション
を行い、変形の許容範囲に入っていない分割区間につい
ては矯正点を再算出するとともに、ワーク形状が全体に
わたって、許容範囲に入るまでワーク形状のシミュレー
ションを繰り返し、許容範囲に入ったワーク全体の各矯
正点における矯正量を演算し、算出した矯正点位置、矯
正量に従ってワークに矯正を加えることを特徴とするも
のである。
【0021】
【作用】本発明によれば、各測定点における目標直線か
らのずれ量、曲率などを算出し、これらの値をファジイ
理論の各ファクタとしてとらえ、ワークの曲りができる
だけ少ない矯正点数で許容範囲に入るように、ファジイ
理論を用いて矯正位置を決定し、かつ目標直線に対する
ずれ量の最大値の絶対値が最小になるように、各矯正位
置における矯正量も併せて決定する。そして、シミュレ
ーションしながら、必要最小限の矯正位置と、その各矯
正位置における矯正量を予め決定し、矯正を行なう。こ
のようにして、許容範囲内に矯正するための必要最小限
の矯正位置と、矯正後のワーク形状が目標直線に最も近
い状態になるような矯正量を予め求めておくことがで
き、これによって、矯正時間の短縮と同時に矯正精度を
向上させることができる。
【0022】また、本発明によれば、ワーク形状の全体
にわたる区間について、形状データから矯正点を算出
し、この矯正点でワーク形状を分割し、そのそれぞれの
分割形状が目標曲線に最も近くなるような条件の下で、
矯正点の位置を算出し、ワーク形状をシミュレーション
する。このシミュレーションはワーク形状全体が許容範
囲に入るまで行われ、許容範囲内に精度良く矯正するた
めに必要最小限の矯正点と、各矯正点における矯正量が
求められ、これに基づきワーク矯正が加えられる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付の図面
を参照して説明する。ここで、本実施例の装置全体の機
械的構成は、上述した図2の歪矯正装置と基本的に同様
であり、本実施例の要部の構成をブロック図として表し
た図1に基づき、以下、同一の構成要素には、同一の参
照符号を付して説明する。
【0024】この実施例の歪矯正装置では、制御盤10
には、搬送ローラ3、8およびプレス矯正装置7、反転
装置9の制御を行なう制御装置11と、演算装置12
と、ファジイ推論手段13とを具備している。この実施
例では、演算装置12は、ワークWの形状データから、
予め設定された目標直線からのずれ量および曲率を演算
する機能と、ファジイ推論により決定した矯正位置にお
ける矯正後のワークWの形状のシミュレーションを行な
い、目標直線に対するずれ量の絶対値が最小となるよう
に矯正量を決定する機能を有している。なお、符号14
は矯正位置の両側でワークWを支持するアンビルを示し
ている。
【0025】以下、図1および図3のフローチャートを
参照して実施例の作用について説明する。まず、ワーク
Wの形状が形状測定器1により測定されると(ステップ
S1)、各測定点における測定データは、演算装置12
に転送され、この演算装置12は、曲りが許容範囲外に
ある測定データが得られた場合に、各測定点について予
め設定されている目標直線とのずれ量(Z)と曲率
(C)とを算出する(ステップS2、S3)。次いで、
ファジイ推論手段13は、次に述べるファジイ推論規則
に従って、演算装置12から与えられるずれ量(Z)と
曲率(C)とを入力として、矯正位置優先度を推論し、
曲りが許容範囲外にある各測定点について、その推論結
果を演算装置12に転送する(ステップS4)。
【0026】ここで、矯正位置優先度のファジイ推論の
手法について説明する。ファジイ推論ルールは、if−
then形式で表され、前件部ifの部分は、図4に示
すメンバシップ関数で表されている。
【0027】この場合、図4(a)のメンバシップ関数
Sa、Ma、Laについて説明すると、メンバシップ関
数Saは、横軸が目標直線に対するずれ量を表し、縦軸
は、ずれ量の大きさが「小さい」というファジイラベル
にどの程度所属しているかという適合度を表している。
同様に、メンバシップ関数Maは、ずれ量の大きさが
「中程度」の適合度を、メンバシップ関数Laは、ずれ
量の大きさが「大きい」という適合度をそれぞれ与え
る。次に、図4(b)のメンバシップ関数Sbは、入力
の曲率に対して、曲率が「小さい」、メンバシップ関数
Mbは「中程度」、メンバシップ関数Lbは「大きい」
という適合度をそれぞれ与えるようになっている。図6
(a)は、後件部の出力関数で、出力関数Sは、矯正優
先度が「低い」ことを表し、出力関数M、Lは、矯正優
先度が「中程度」、「高い」ことを表している。
【0028】図5は、推論ルールをまとめて表に表した
図であり、前件部のメンバシップ関数(Sa、Ma、L
a)、(Sb、Mb、Lb)と後件部の出力関数S、
M、Lの対応関係を示している。ファジイ推論手段13
は、図5の推論条件に従って、各測定点ごとに出力関数
を得て、図6(b)に示すように、これらの出力関数を
合成した斜線で示す図形の重心位置gの横軸に対する位
置が矯正位置優先度となり、この矯正位置優先度の最も
高い点を優先矯正位置と決定する(ステップS5)。
【0029】次に、演算装置12は、矯正後の形状がど
のようになるかについてのシミュレーションを行ない、
この優先矯正位置でどんな矯正量をもって矯正しても、
すべての他の測定点のずれ量が所望の許容範囲に入って
いなければ(ステップS6のNO)、この矯正位置を中
心に新たに目標直線を再設定し、上述の計算を繰り返
し、他の矯正すべき点を同様に算出していく。こうして
すべての測定点のずれ量が許容範囲に入れば(ステップ
S6のYES)、矯正後のシミュレーション形状が始め
の目標直線に対して、ずれ量(Z)の最大値の絶対値が
最小になるように各矯正位置における矯正量を算出する
(ステップS7)。
【0030】すなわち、図8(a)、(b)に示すよう
に、ある矯正位置aにおける仮想目標直線と目標直線と
のずれ量(Za)と、隣り合う矯正位置bまでの距離
(Wa−b)と、矯正位置bにおけるずれ量(Zb)
と、アンビル14の間隔として定められる矯正スパン
(L)とから仮想目標直線が真直となるように矯正量を
求める。順次、他の矯正位置についても同様の演算を行
ない、各矯正位置における矯正量を求める。そして、図
7に示すように、矯正後のシミュレーション形状が始め
の目標直線に対するずれ量の最大値の絶対値が最小
(χ)になるように各矯正位置における矯正量を求め
る。また、矯正量に材料特性を加味して実際のプレス矯
正装置7の押し込み量を決定する。
【0031】こうして求められれた矯正位置、矯正量
は、制御装置11に転送され、この制御装置11は、搬
送ローラ3、8を制御し、ワークWの矯正位置を矯正プ
レスの位置に順次搬送する。ワークWの矯正位置がプレ
ス矯正装置7の位置にきたら、制御装置11は、あらか
じめ材料特性を加味した矯正量から矯正プレス装置7の
所定の押し込み制御を実行する。
【0032】以上のような矯正により、矯正量の選び方
によっては矯正点数が1点で許容範囲内に矯正できるワ
ーク形状に関して、従来の歪矯正装置では必ずしも一点
で矯正できない欠点が改善され、1点での矯正でワーク
全体を許容範囲内に矯正できる。また、図16(c)、
図16(d)に示すようなワークの形状の場合も、従来
のファジイ理論を用いた歪矯正装置では、矯正位置a、
b、c、dの4箇所を矯正する必要があったが、本実施
例では、矯正位置a、b、dの3箇所の矯正で許容範囲
内に矯正することができる。さらに、ワークの形状のわ
ずかな変化によって、矯正位置cのような不要な箇所を
矯正点として決定しなくなる利点がある。
【0033】次に、本発明による歪矯正方法の実施例に
ついて説明する。図9は、ワークWの形状を模式的に直
交座標系に表したものである。この図では、x軸上に
は、形状測定のサンプリング点がx(0)、x(1)、
…、x(n)まで、n+1点だけとられている。また、
矯正する形状の目標曲線としては、この実施例では、y
=0、すなわちx軸上に設定されているものである。ま
ず、形状データから矯正点がx(j)の位置に算出され
たものとする。この矯正点については、変位量がy=±
Aの範囲を許容範囲として、ワークの形状が許容範囲を
超える区間において、最大の変位位置を矯正点として算
出する。
【0034】次に、算出された矯正点x(j)でワーク
Wを分割する。この場合、図10に示すように、ワーク
Wの分割に際しては、分割区間の端点となるx(j)の
変位量を0にした場合に、それぞれ分割区間でのワーク
Wの形状をシミュレーションする。この例では、ワーク
Wを矯正点x(j)を境に二分割しているので、分割区
間は[x(0)、x(j)]と、[x(j)、x
(n)]となっている。
【0035】そこで、次に、分割区間ごとに、ワークW
の分割形状が目標曲線(y=0)に最も近くなる条件を
満たすような分割区間端点の変位量を算出する。 |y(mp)|=|y(mn)| …(1) 但し、y(mp)とy(mn)は、異符号である。
【0036】ここで、(1)式は、分割した区間形状が
目標直線に最も近い状態になる条件を設定する計算式で
ある。なお、以下、添字fでワーク形状の初期の変位量
を表し、添字sでワーク形状が目標直線に最も近い状態
になったときの変位量を表すものとする。また、mp、
mnはそれぞれ変位量の正負が最大値をとるときの位置
を表している。
【0037】分割区間[x(0)、x(j)]について
は、図11が(1)式の条件を満たすワークWの区間形
状を示すものである。従って、この形状における区間端
点x(j)の変位量ys(j)を算出することによっ
て、目標直線に最も近い状態にワークWの形状をするこ
とができる。すなわち、分割区間[x(0)、x
(j)]では、正、負それぞれの最大変位の位置がx
(mp)、x(mn)であるものとすれば、両位置に
おける変位量が等しくなるようにしたときの、変位量が
(0)、y(j)であったとする。このy
(0)、y(j)とを用いて、y(mp)、y
(mn)を次の式で表すことが出来る。
【0038】
【数3】 式(1)の条件と、(2)、(3)式から、
【0039】
【数4】 となる。
【0040】端部区間の区間端点では、矯正点でない
点、この場合ではx(0)、x(n)があるが、これら
の端点は、便宜上、固定端、すなわち、変位量がゼロと
して考えることとする。
【0041】したがって、始めに求めた矯正点がx
(j)の1点のときは、区間端点の一方が固定端x
(0)で変位量がゼロであるから、式(4)において、
(0)=0とすれば、y(j)が算出される。な
お、上記式(2)、(3)、(4)は、図11におい
て、 x(mp)≦x(mn)で、かつ、x(0) ≦(x(mp),x
(mn)≦x(j) の条件のときについて示したものである。この他の条件
のときは、変数を入れ換えて処理を行えば同様にy
(j)を求めることが出来る。また、正、負のどちら
かの変位量の最大値がゼロのときは、 x(mp)=x(j)(正の変位量の最大値が0の場
合) または x(mn)=x(j)(負の変位量の最大値
が0の場合) として演算を行う。このようにして矯正点x(j)での
矯正量を算出したときのワークWの形状は図11に示す
ようになる。
【0042】次に、ワークWの分割区間の形状が、変形
の許容範囲(−A≦y≦+A)に入るかどうかを調べ
る。ワークWの形状が許容範囲に入らない場合は、さら
に、許容範囲に入っていない分割区間で再度矯正点の算
出処理を行う。このとき、最大変位の位置が始めの位置
とは異なる位置で算出された場合には、改めて、この最
大変位の位置で上述の処理を繰り返す。
【0043】すなわち、図12(a)において、もとも
との矯正点x(j)に加えて、もっとも変位量の大きな
x(i)が矯正点として算出される。区間[x(0)、
x(n)]においては、矯正点が二点以上になるので、
これら矯正点x(i)、x(j)でワークW形状を分割
すると、ワークW全体としては、分割区間[x(0)、
x(i)]、[x(i)、x(j)]、[x(i)、x
(n)]に分割される(図12(b))。分割区間[x
(0)、x(i)]、[x(i)、x(n)]について
はすでに説明したのと同様の処理により、(1)式の条
件を満たすようなワークW形状を求め、それぞれの矯正
点x(i)、x(j)における変位量を算出する。
【0044】一方、矯正点が2以上ある場合、分割する
と区間[x(i)、x(j)]のように、区間両端点が
自由端となる。
【0045】
【数5】 目標曲線としては、図14に示すような直線y=ax+
bを(5)、(6)、(7)式から算出することによっ
て、(8)式から矯正点x(i)、x(j)における変
位量y(i)、y(j)をそれぞれ算出することが
できる。但し、正、負のどちらかの変位量の最大値がゼ
ロのときには、矯正点における変位量は、この場合、区
間端点の両方が自由端であるので −[最大値]/2 とするものとする。
【0046】次に、図12(c)に示すように、分割し
た区間ごとに、目標直線に最も近い状態のワークWの形
状を算出すると、矯正点において、ワークWの形状が不
連続となる場合がある。このとき、ワークWの形状全体
が目標直線に最も近くなるような状態における各矯正点
の変位量yを分割区間のワークWの形状の正、負の最大
変位点の位置関係に基づいて、それぞれの分割区間で連
続するようにΔyの範囲内で調整する。
【0047】以上のようにして、図12(d)に示すよ
うに、目標曲線に最も近い状態のワークW形状を全体に
渡って算出される。この時、ワークWの形状が全体にわ
たって許容範囲(−A≦y≦+A)に入るかどうかを確
認し、許容範囲に入っていない部分については、前述と
同様の処理を繰り返して行う。
【0048】最終的にワークWの形状が全体にわたって
許容範囲に入り、かつ、ワークW形状が最も目標直線に
近い、ワークW形状を区間の全体にわたって算出してか
ら、このときの各矯正点における変位量から、各分割区
間ごとの仮想目標直線を設定し、矯正を加えることによ
って、各仮想目標直線が目標直線のx軸上に倣うような
各矯正点における矯正量を算出する。
【0049】図13は、この矯正量の算出の手法の説明
に供する図である。
【0050】いま、矯正点の位置をx(m)(m=
1、2、…r)であるとすると、図12ではr=2、x
(1)=x(i)、x(2)=x(j)となるが、
各矯正点x(m)における矯正量δ(x(m))
は、xw5の初期値をゼロとして、次式(9)による演
算をmの値を1からrまで行うことによって算出するこ
とができる。
【0051】
【数6】 ただしPはサンプリングピッチである。以上のようにし
て、算出した矯正位置および矯正量に基づいて、制御盤
10の制御部は、搬送ローラ3と矯正プレス矯正装置7
の動作を制御する。ワークWは、搬送ローラ8によって
搬送され、順次、矯正が加えられる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、矯正位置の決定に際して、目標直線とのずれ
量、曲率とからのファジイ推論により、矯正位置の決定
が最適化され、また、ずれ量を最小にするよう矯正量が
決定されるので、従来のように不要なあるいは不適切な
矯正を減少させることができ、精度の良い矯正が得られ
るとともに、矯正時間の短縮を図れるなどの効果を得る
ことができる。
【0053】また、本発明によれば、矯正点算出に際し
ては、目標直線に最も近くなるワークの形状を算出する
ことにより、常に、必要最小限の矯正点を求めることが
でき、矯正点の算出が最適化される。また、矯正点でワ
ーク形状を分割して分割区間端点の変位量をゼロとして
目標直線に最も近いワークW形状が効率良く算出され、
他の矯正点を考慮した矯正量が算出されるので、この矯
正量に基づいて実際の矯正を行うことにより、精度の良
い矯正が得られるとともに、矯正工程の効率を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による長尺材歪矯正装置の一実施例のブ
ロック構成図。
【図2】長尺材歪矯正装置の全体構成を示す斜視図。
【図3】長尺材歪矯正装置の矯正位置、矯正量を決定す
る手順を表したフローチャート。
【図4】優先矯正位置のファジイ推論に使用するメンバ
シップ関数の一例を示す図。
【図5】ファジイ推論規則の一例を表した図。
【図6】(a)はファジイ推論の出力関数を表した図、
(b)は出力関数の合成により優先矯正位置の決定を説
明する図。
【図7】矯正量の決定の説明に供される説明図。
【図8】矯正量の決定の説明図。
【図9】請求項2に記載の発明による矯正方法におい
て、矯正点の算出を説明する図。
【図10】ワークの矯正点での分割を説明する図。
【図11】ワークの分割形状が目標直線に最も近くなっ
たときのワーク形状を説明する図。
【図12】ワーク形状が許容範囲に入っていない場合の
ワークの矯正点の算出、再分割および矯正点の位置を算
出する手順を説明する図。
【図13】ワークの矯正点からワークの矯正量を算出す
る方法を説明する図。
【図14】分割区間の両端が自由端である場合の目標直
線に近くなるワーク形状の算出手法を説明する図。
【図15】従来の矯正量決定の原理を説明する図。
【図16】(a)は従来の矯正量決定の手法の説明図、
(b)はシュミレーションの結果、再度矯正位置、矯正
量を決定する状況の説明図、(c)、(d)は複数点の
矯正位置での矯正の説明図。
【図17】従来の最小二乗法によるワークの矯正位置、
矯正量の算出の手法を説明する図。
【符号の説明】
1 測定器 3 搬送ローラ 7 プレス矯正装置 8 搬送ローラ 9 反転装置 10 制御盤 11 制御装置 12 運算装置 13 ファジイ推論手段 W ワーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製のワークを加圧して歪の矯正を行な
    うプレス矯正装置と、ワークを移動させる搬送装置と、
    ワークの形状データを採取する測定手段を備えた長尺材
    歪矯正装置において、 ワークの形状データに基づいて、予め設定された目標曲
    線からのずれ量および曲率を演算する演算手段と、 ずれ量と曲率からワークを許容範囲内に矯正するための
    優先矯正位置を決定するファジイ推論手段と、 矯正位置における矯正後の形状のシミュレーションを行
    ない、目標直線に対するずれ量の絶対値が最小になるよ
    う矯正量を決定する矯正量決定手段と、 決定された矯正位置、矯正量に従って上記搬送装置、プ
    レス矯正装置の動作を制御する制御装置を具備すること
    を特徴とする歪矯正装置。
  2. 【請求項2】金属製のワークの形状を測定しその測定結
    果に基づいて、ワークを移動させながらプレス矯正装置
    によってワークを加圧して矯正する歪矯正方法におい
    て、 ワーク形状全体に亘る区間について、形状データに基づ
    いて矯正点を算出し、算出した矯正点でワーク形状を分
    割して、分割区間端点の変位量をゼロとして分割区間の
    各形状を算出し、 分割した各区間の形状について、その分割形状が目標直
    線に最も近くなるような条件を満たす分割区間端点の変
    位量を算出し、ワーク形状のシミュレーションを行い、 変形の許容範囲に入っていない分割区間については矯正
    点を再算出するとともに、ワーク形状が全体にわたっ
    て、許容範囲に入るまでワーク形状のシミュレーション
    を繰り返し、許容範囲に入ったワーク全体の各矯正点に
    おける矯正量を演算し、 算出した矯正点位置、矯正量に従ってワークに矯正を加
    えることを特徴とする歪矯正方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004013433A1 (de) * 2004-03-18 2005-10-13 Weigl Engineering Gmbh Verfahren zum Optimieren von Fertigungsprozessen für Werkstücke
JP2018069428A (ja) * 2016-11-04 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 動作経路計画方法
CN114178351A (zh) * 2021-11-23 2022-03-15 扬州润禾钢业科技有限公司 一种条形钢材形状矫正器

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