JP5150230B2 - 曲げ加工方法及び曲げ加工支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、線状加熱法に基づく曲げ加工方法及び曲げ加工支援装置に関する。
周知のように、線状加熱法は、ガスバーナ等の点熱源を用いて金属板を局所加熱した場合に金属板が熱変形する性質を利用し、金属板上の各所に加熱個所を適当に配置することによって金属板を目的曲面に曲げ加工する技術である。
下記特許文献1には、線状加熱法を用いて平板状の金属板を目的形状に曲げ加工する場合の加熱方案を、加熱条件と変形量との関係を示すデータベースに基づく演算処理によって、つまり上記データベースに基づくコンピュータ処理によって決定し作業指示情報として取得する技術(線状加熱の加熱方案算出方法)が開示されている。この線状加熱の加熱方案算出方法によれば、加熱方案をデータベースに基づいて決定するので、実用上十分な精度の曲げ加工を実現することができる。
なお、線状加熱法を用いた曲げ加工法に関する技術ついては、上記線状加熱の加熱方案算出方法の他に下記特許文献2〜6に開示されたものがある。
特開2003−211230号公報 特開2002−219522号公報 特開2002−205113号公報 特開2002−192240号公報 特開2002−192239号公報 特開2001−071041号公報
ところで、上記特許文献1の技術では、データベースに基づいて加熱方案を決定するので十分な精度の曲げ加工を実現することができるものの、この加熱方案に基づく実際の加工作業は、加熱方案に基づく複数の加熱線に沿って金属板を所定順序で加熱する内容のものであり、長時間を要する。例えば、船舶の外板用の金属板(鋼板)を目的曲面に曲げ加工する場合の作業時間は1枚につき数時間である。
このような事情から、線状加熱法を用いた金属加工の技術分野では、加工作業の作業効率を従来よりも向上させる技術の開発が切望されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、線状加熱法を用いた加工作業の作業効率を従来よりも向上させることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、曲げ加工方法に係る第1の解決手段として、冷間曲げ法に基づいて加工対象を中間目標形状に曲げる一次曲げ工程と、線状加熱法に基づいて前記一次曲げ工程によって得られた中間加工対象を最終目標形状に曲げ加工する二次曲げ工程とを備え、前記中間目標形状は、前記中間加工対象を前記最終目標形状に曲げるために必要な仕事量が最小となる形状に設定される、という手段を採用する。
曲げ加工方法に係る第2の解決手段として、上記第1の手段において、仕事量は、最終目標形状を示す目標形状データを所定の構造解析アルゴリズムに基づいて演算処理することにより得られ、中間加工対象を最終目標形状に曲げた際の歪エネルギによって評価される、という手段を採用する。
曲げ加工方法に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の手段において、一次曲げ工程はベンディングローラを用いた曲げ工程である、という手段を採用する。
曲げ加工方法に係る第4の解決手段として、上記第2または第3の手段において、構造解析アルゴリズムは有限要素法である、という手段を採用する。
また、本発明では、加工支援装置に係る第1の解決手段として、加工対象の最終目標形状を示す形状データ(目標形状データ)を入力するための入力手段と、前記目標形状データに所定の作業指示情報生成処理を施すことにより、冷間曲げ法に基づく加工対象の一次曲げ工程の目標形状(中間目標形状)を、前記一次曲げ工程によって得られた中間加工対象を二次曲げ工程によって前記最終目標形状に曲げるために必要な仕事量が最小となる最適形状に設定し、前記加工対象を前記中間目標形状に曲げ加工するための一次曲げ工程指示情報を生成し、前記中間加工対象を線状加熱法に基づいて最終目標形状に曲げ加工するための二次曲げ工程指示情報を生成する作業指示情報生成手段と、該作業指示情報生成手段が算出した前記各作業指示情報を出力する出力手段とを具備する、という手段を採用する。
加工支援装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、作業指示情報生成手段は、目標形状データを所定の構造解析アルゴリズムを用いて処理することにより、中間加工対象を最終目標形状に曲げた際の歪エネルギとして仕事量を算出する、という手段を採用する。
加工支援装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、一次曲げ工程はベンディングローラを用いた曲げ工程である、という手段を採用する。
加工支援装置に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、作業指示情報生成手段は、目標形状データを有限要素法に基づく構造解析アルゴリズムで処理することにより中間目標形状を設定する、という手段を採用する。
本発明によれば、冷間曲げ法に基づいて加工対象を中間目標形状に曲げ、当該中間目標形状の加工対象(中間加工対象)を線状加熱法に基づいて最終目標形状にさらに曲げ加工する場合において、中間目標形状が中間加工対象を最終目標形状に曲げるために必要な仕事量が最小となる形状に設定されるので、線状加熱法を用いた加工作業の作業効率を従来よりも向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る曲げ加工方法は、冷間曲げ法に基づいて加工対象を中間目標形状に曲げる一次曲げ工程と、所定の点熱源を用いた線状加熱法に基づいて上記一次曲げ工程によって得られた中間加工対象を最終目標形状に曲げ加工する二次曲げ工程とからなり、中間加工対象を最終目標形状に曲げるために必要な仕事量が最小となる形状最適形状に、上記中間目標形状を設定するものである。
また、本曲げ加工方法では、一次曲げ工程における冷間曲げ法として、線状加熱法に比較して大幅に加工時間が短いベンディングローラを用いた曲げ加工法(ロール法)を採用する。さらに、本曲げ加工方法における加工対象は、船舶の外板材料として用いられる、所定の縦寸法と横寸法及び所定の厚さを有する長方形の鋼板である。すなわち、本曲げ加工方法における最終目標形状は、船舶の外板の一部位に相当する三次元形状となる。
冷間曲げ法に基づく曲げ加工法及び線状加熱法に基づく曲げ加工法は、船舶の建造に属する技術分野においては周知のものであるが、本曲げ加工方法は、上記ロール法に基づく中間目標形状を、中間加工対象を最終目標形状に曲げるために必要な仕事量(エネルギ)が最小となる最適形状に設定する、つまり機械(ベンディングローラ)による一次曲げ工程に対して人手(作業員)による二次曲げ工程におけるエネルギ消費量を最小化する点を特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る曲げ加工支援装置の機能構成を示すブロック図である。本曲げ加工支援装置は、上記一次曲げ工程の作業指示情報であるロール方案(一次曲げ工程指示情報)及び上記二次曲げ工程の作業指示情報である仕上げ加熱方案(二次曲げ工程指示情報)を生成する情報処理装置である。
この図において、符号1は曲げ加工支援装置、2はLAN(Local Area Network)ケーブル、3はCAD(Computer Aided Design)装置である。本曲げ加工支援装置1は、LANケーブル2を介してCAD装置3と接続されており、CAD装置3から取得した外板材料の設計形状(つまり最終目標形状)を示すCADデータ(最終目標形状データ)に所定の情報処理を施すことにより、ロール法を用いて外板材料を中間目標形状に曲げるためのロール方案及び点熱源を用いて中間目標形状の中間加工対象を最終目標形状に曲げるための仕上げ加熱方案を生成・出力する。
さらに詳しく説明すると、本曲げ加工支援装置1は、図示するように、記憶部1a、通信部1b、操作部1c、表示部1d及び演算部1eを機能構成要素として備えている。記憶部1aは、上記CADデータ(最終目標形状データ)、外板材料の形状データ及び材料特性データ、熱変形データベース、FEM(Finite Element Method)プログラム、作業指示情報生成プログラム及び演算部1eが生成された各種データ等々を記憶するものであり、ハードディスク装置や半導体メモリによって構成されている。この記憶部1aは、演算部1eの指示の下に、当該演算部1eから与えられるデータの書き込みを行うと共にデータを読み出して演算部1eに提供する。
また、上記CADデータは、外板材料の最終目標形状を示す最終目標形状データであり、上記CAD装置3から取得されたものである。熱変形データベースは、特定の点熱源を用いて外板材料に線状加熱法に基づく曲げ加工を施す場合における加熱条件と加工対象の変形量との関係を示す実測値を様々な加熱条件毎に登録したものである。
FEMプログラムは、上記CADデータ(目標形状データ)によって規定される外板材料に解析用メッシュ生成処理を施すと共に当該解析用メッシュ生成処理によって得られた外板材料の構造解析モデル(外板材料がメッシュによって区画されたセル集合体からなるなる数値モデル)に有限要素法(FEM:Finite Element Method)に基づく解析処理を施すことにより、各々のセルにおける主曲率、歪み量(変位量)及び当該歪み量に基づく歪みエネルギを演算するためのアプリケーションプログラムである。
作業指示情報生成プログラムは、上記FEMプログラムの実行結果得られる各セルの歪み量に基づいて、本曲げ加工支援装置1の最終的な目的情報である上記ロール方案(一次曲げ工程指示情報)及び仕上げ加熱方案(二次曲げ工程指示情報)を生成するためのアプリケーションプログラムである。なお、上記FEMプログラム及び作業指示情報生成プログラムは、演算部1eによって実行される。
通信部1bは、上記CAD装置3を代表とする外部装置とLANケーブル2を介して通信を行うためものであり、演算部1eの指示の下にLANの通信規格に準拠した通信を外部装置との間で行う。例えば、通信部1bは、演算部1eの指示に基づいてCAD装置3と通信を行うことにより、上記CADデータ(最終目標形状データ)をCAD装置3から受信して演算部1eに提供する。演算部1eは、このCADデータ(最終目標形状データ)を記憶部1aに出力して記憶させる。なお、上記通信部1bは、本実施形態における入力手段に相当する。
操作部1cは、作業者の操作指示を受け付けて演算部1eに供給するものであり、例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスである。表示部1dは、演算部1eの指示の下に、当該演算部1eから入力された作業指示を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイである。この表示部1dは、本実施形態における出力手段に相当するものである。演算部1eは、上記FEMプログラム及び作業指示情報生成プログラムを実行することにより、上記ロール方案及び仕上げ加熱方案を演算して表示部1dに出力する。演算部1e及び上記記憶部1aは、本実施形態における作業指示情報生成手段に相当する。
次に、このように構成された本曲げ加工支援装置1における作業指示情報生成処理について、図2に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
なお、この作業指示情報生成処理は、演算部1eが操作部1cが受け付けた作業者の操作指示に基づいてFEMプログラム及び作業指示情報生成プログラムを実行することによって実現される。
最初に、演算部1eは、長方形かつ平板状の外板材料を最終目標形状に強制的に変形させた場合における主曲率分布をFEMプログラムに基づいて求める(ステップS1)。すなわち、演算部1eは、FEMプログラムに基づく弾性FEM解析を形状データ及び材料特性データによって規定される外板材料に施すことにより、当該外板材料にメッシュ処理を施してFEM解析モデル(外板材料が複数の要素(セル)に分割され(図3参照)、かつ、各セルの力学的特性を数式化したもの)を生成し、このFEM解析モデルを構成する各セルの主曲率分布を求める。
なお、図3は、実際の最終目標形状を多少誇張して描いたFEM解析モデルを示すものであり、船舶の外板の一部位の三次元形状を示す実際の最終目標形状はさらに緩やかな曲率を有するものである。
そして、演算部1eは、作業指示情報生成プログラムに基づいてFEM解析モデルに情報処理を施すことにより、当該FEM解析モデルの表面に多数の代表点Pijを離散的に設定し(図3の丸印参照)、この代表点に関するデータテーブル(代表点テーブル)を生成して記憶部1aに記憶させる。この代表点Pijにおける「i」及び「j」は個々の代表点を特定するための変数であり、図示するようにFEM解析モデルの表面における位置に対応している。例えば、図3において最も左上に位置する代表点P11は、i=1,j=1の代表点である。なお、この図3では、一例として、代表点Pijがセル数よりも粗く設定されているが、セル毎に代表点を設定しても良い。
図4は、上記代表点テーブルのデータ構成を示す模式図である。図示するように、代表点テーブルは、複数のロール線方向と各ロール線方向についてベンディングローラで外板材料に与えるべき曲率(最適曲率)とを代表点Pij毎に登録するものである。このような代表点テーブルの登録データである複数のロール線方向及びベンディングローラで外板材料に与えるべき最適曲率は、以下に説明するステップS2〜S4の処理に基づいて順次登録される。
すなわち、演算部1eは、1つの代表点Pijに1つのロール線方向を選定する処理(ステップS2)、この1つのロール線方向についてベンディングローラで外板材料に与えるべき最適曲率を計算する処理(ステップS3)、及び全代表点Pijかつ全ロール線方向について上記ステップS2,S3を行ったか否かの判断処理(ステップS4)を繰り返すことにより、代表点テーブルに全ての登録データを登録する。
ステップS2の処理から順次説明すると、上記ロール線方向は、代表点Pijを通過する無数の接線の中から所定の方向変位(方向角)毎に複数選定される。図3では、一例として、代表点P33における最小主曲率の方向に設定されたロール線方向Aと最大主曲率の方向に設定されたロール線方向Bとを示している。
さらに詳しく説明すると、1つの代表点Pijに対して1つのロール線方向を選定すると、FEM解析モデル上において当該ロール線方向に存在する各セルの主曲率の小集合を設定し、当該小集合(つまり当該ロール線方向)に対してベンディングローラで与えるべき曲率(最適曲率)を計算する(ステップS3)。
図5は、一例として、上記ロール線方向A及びロール線方向Bにおける各セルの主曲率の分布及び最適曲率を示す漸近線La,Lbを示している。本実施形態における最終目標形状は船舶の外板の一部位の三次元形状を示すものであり、その曲率変化は比較的緩やかであるが、最終目標形状は船舶の外殻形状によって規定されるものであり、よって1つのロール線方向に即した最終目標形状の曲率変化は、図5に示すように必ずしも直線的に変化するものとはならない。
これに対して、平板な外板材料にベンディングローラで与えることが可能な曲率変化は、ベンディングローラの構造上、ロール線方向に対して直線的に変化するもののみである。図6(a)は、ベンディングローラの要部構造を示す模式図であるが、ベンディングローラは、水平かつ所定間隔を空けて平行に配置された所定長さの下側ローラ(一対)と、当該下側ローラの略中間かつ上方に配置された所定長さの上側ローラとから構成されており、上側ローラの上下方向の位置を変更することにより上側ローラと下側ローラとの間を搬送される外板材料に上下方向の加重を加えて所定の曲率を付与するものである。
周知のように、ベンディングローラは、上側ローラの両端の上下方向位置が同一の場合、つまり上側ローラが下側ローラに対して平行な姿勢にある場合は、外板材料に対してロール線方向(下側ローラあるいは上側ローラの長さ方向)に一定の曲率を付与するが、上側ローラの両端の上下方向位置が異なる場合、つまり上側ローラが下側ローラに対して非平行な姿勢にある場合には、上側ローラの下側ローラに対する傾斜に応じてロール線方向に直線的に変化する曲率を外板材料に付与することができる。
すなわち、図6(b)に示すように、ロール線方向において、上側ローラの上下方向の位置が下側ローラに近い側は外板材料に付与する曲率が大きくなり、逆に上側ローラの上下方向の位置が下側ローラから遠い側は外板材料に付与する曲率が小さくなるが、このロール線方向における曲率変化は、上側ローラ及び下側ローラがロール線方向に一定のロール径を有しているので直線的である。また、上下ローラ間隔が狭くなったときには得られる曲率半径が小さくなり、曲率(1/曲率半径)は大きくなる。
すなわち、ベンディングローラは、上側ローラと下側ローラとで外板材料を挟み込んで加重を加えるものなので、ロール線方向に一定の曲率あるいはロール線方向に直線的に変化する曲率を外板材料に与えることが可能であるが、図5に示すようなロール線方向に非直線的に変化する曲率を外板材料に与えることはできない。
このようなベンディングローラの曲げ加工特性を考慮し、演算部1eは、各代表点Pijの各ロール線方向について、ロール線方向に存在する各セルの主曲率を例えば最小二乗法に基づいて統計処理することにより漸近線として計算し、当該漸近線を最適曲率Cijrとして代表点テーブルに登録する。なお、最適曲率Cijrにおける「r」は、ロール線方向を示す変数である。
演算部1eは、このようなステップS2,S3の処理に引き続いてステップS4の判断処理を行うことにより、ステップS2において設定された全ての代表点Pij及び全てのロール線方向について最適曲率Cijrを求める(ステップS3)。この結果、代表点テーブルには、全ての代表点Pij、かつ、各代表点Pijに設定された全てのロール線方向について最適曲率Cijrが登録される。
演算部1eは、このように全代表点Pijの全ロール線方向について最適曲率Cijrを計算すると、最適曲率Cijrをベンディングローラで外板材料にそれぞれ与えた場合の全ロール線方向数に相当する曲げ歪みエネルギ(ロール線候補曲げ歪みエネルギEijr)と、外板材料を最終目標形状に曲げた場合の曲げ歪みエネルギ(最終目標形状曲げ歪みエネルギEij)とを、全代表点Pijについて計算する(ステップS5)。これらロール線候補曲げ歪みエネルギEijr及び最終目標形状曲げ歪みエネルギEijは、上記ステップS1における弾性FEM解析の結果として得られた曲率とロール形状から算術的に定まる曲率との差分の二乗に比例する量なので、ステップS1における弾性FEM解析の結果とロール形状に基づく演算処理によって容易に求めることができる。そして、演算部1eは、上記ロール線候補曲げ歪みエネルギEijrと最終目標形状曲げ歪みエネルギEijとの差分の全代表点Pijの合計値Eを示す評価式(1)が最小値を取るロール線方向を抽出する(ステップS6)。
E=Σ(Eij−Eijr) (1)
なお、外板材料に付与する最終目標形状は編曲点を含まない場合が多いので、ロール線方向を各代表点Pijにおける最小主曲率の方向のみに設定しても良い。この方法の場合、代表点テーブルには、各代表点Pijについて最小主曲率の方向のロール線方向と当該ロール線方向の最適曲率が登録されることになる。
以上の処理によって、ロール線方向と当該ロール線方向の最適曲率Cijrが各代表点Pijについて決定されるが、各代表点Pijのロール線方向には、外板材料上で交差するものも含まれている。しかしながら、ベンディングローラは、上述したように上側ローラの両端の上下方向位置を調節することにより外板材料に付与する曲率を変化させる構造になっているので、外板材料上で交差するロール線方向を実現することができない。
そこで、演算部1eは、各ロール線方向が外板材料上で交差するか否かを判定し、交差状態のロール線方向がある場合には、交差位置が外板材料の端部となるように交差状態のロール線方向を微調整する(ステップS7)。図7は、このようなロール線方向の微調整を示す模式図であり、互いに交差する2本のロール線方向C1,C2について、一方のロール線方向C2をロール線方向C2‘に微調整することによって交差を回避している。
このようなロール線方向の微調整は、例えば、ステップS2で選定された複数のロール線の一つずつについて、それが実現する曲率に対応して決まる残差曲げひずみ(目標形状に対応する曲げひずみのロール方向成分からロール線が与える曲げひずみを差し引いたもの)のエネルギを求め、外板材料上で交差するロール線について、この残差エネルギを比較し残差エネルギが小さいもののみを選択的に抽出し、他を棄却することにより実現される。
そして、演算部1eは、上記のように計算した最適曲率Cijrとなるように外板材料を加工した場合に目標形状を与える曲げひずみから、ローラー加工で与えられた曲げひずみを差し引いた残差曲げひずみの板全面における分布の中に特異点が発生するか否かを判断する(ステップS8)。この特異点は、外板材料を最適曲率に加工した場合に最大主曲率と最小主曲率とが一致する場所である。この特異点では、最大主曲率と最小主曲率(つまり、互いに直交すると共にせん断歪み成分が「0」となるという条件を満足する2つの主曲率)が一致するために両者を判別することができず、よって周囲の代表点Pijと主曲率線が連続しない状態となるという問題がある。
このような事情から、演算部1eは、ロール線群が構成する板全体のロール形状についてその残差ひずみ(ロール後形状から目標形状に至るための曲げひずみ)分布に特異点が存在するか否かを判断し(ステップS8)、特異点となる場合には最適曲率Cijrに微調整を加えることにより特異点となることを解消する(ステップS9)。ここで、例えば互いに隣り合う2つの代表点において、異なる方向に最適曲率Cijrを微調整した場合には、両代表点の間で特異点となる場所が存在することになる。このような事態が発生しないように、演算部1eは、以下の制約条件式(2),(3)の何れかを満足するように特異点を解消する。
なお、特異点の評価は板全面にわたって見ないとわからないため、すべてのロール線を選んだ上でロール形状→残差ひずみ分布を求め、これを評価する。
γxyi・γxyi+1>0 (2)
(εi−εi)・(εi+1−εi+1)>0 (3)
この制約条件式(2),(3)において、γxyiは、ある代表点iにおけるx−y直交座標系のせん断歪み、γxyi+1は、上記代表点iに隣接する代表点i+1におけるx−y直交座標系のせん断歪みである。また、εiは代表点iにおけるx軸方向の直ひずみ、εiは代表点iにおけるy軸方向の直ひずみ、εi+1は代表点i+1におけるx軸方向の直ひずみ、εi+1は代表点i+1におけるy軸方向の直ひずみである。
このような微調整の結果、ベンディングローラで実際に曲げ加工可能な各ロール線方向と当該各ロール線方向における最適曲率が最終的に決定される。演算部1eは、このようにして決定された各ロール線方向と当該各ロール線方向における最適曲率とを示す画像情報を生成し、図8に示すようなロール方案として表示部1dに出力する(ステップS10)。この図8おいて、多数の直線は各々にロール線方向を示し、また直線の濃淡は最適曲率を示している。
このようにロール方案を決定すると、演算部1eは、熱変形データベース等を用いた仕上げ加熱方案の決定処理(ステップS11)及び当該決定された仕上げ加熱方案の出力処理(ステップS12)を行う。仕上げ加熱方案の決定処理については、上述した特許文献に詳細が記載されているので、個々での詳細説明を省略する。
図9は、ベンディングローラによる一次曲げ工程後の外板材料(つまり、中間目標形状の外板材料)に対する仕上げ加熱方案(表示部1dに表示された画像情報)である。この図9において、実線は外板材料の表面における加熱線を示し、破線は外板材料の裏面における加熱線を示している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態は、船舶の外板材料を船舶の外殻形状(最終目標形状)に曲げ加工するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、船舶の外殻形状以外の各種の最終目標形状の曲げ加工にも適用することが可能である。
(2)上記実施形態では、一次曲げ工程の冷間曲げ法としてベンディングローラによるロール法を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。プレス曲げ加工等の他の冷間曲げ法を採用しても良い。
本発明の一実施形態に係わる曲げ加工支援装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係わる曲げ加工支援装置1における作業指示情報生成処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における最終目標形状の弾性FEM解析モデルを示す斜視図である。 本発明の一実施形態における代表点テーブルのデータ構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態における各セルの主曲率の分布及び最適曲率を示すグラフである。 本発明の一実施形態におけるベンディングローラの要部構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態におけるロール線方向の微調整を示す模式図である。 本発明の一実施形態におけるロール方案を示す出力画像である。 本発明の一実施形態における仕上げ加熱方案を示す出力画像である。
符号の説明
1…曲げ加工支援装置、1a…記憶部、1b…通信部、1c…操作部、1d…表示部、1e…演算部、2…LANケーブル、3…CAD装置

Claims (8)

  1. 冷間曲げ法に基づいて加工対象を中間目標形状に曲げる一次曲げ工程と、
    線状加熱法に基づいて前記一次曲げ工程によって得られた中間加工対象を最終目標形状に曲げ加工する二次曲げ工程とを備え、
    前記中間目標形状は、前記中間加工対象を前記最終目標形状に曲げるために必要な仕事量が最小となる形状に設定されることを特徴とする曲げ加工方法。
  2. 仕事量は、最終目標形状を示す目標形状データを所定の構造解析アルゴリズムに基づいて演算処理することにより得られ、中間加工対象を最終目標形状に曲げた際の歪エネルギによって評価されることを特徴とする請求項1記載の曲げ加工方法。
  3. 一次曲げ工程はベンディングローラを用いた曲げ工程であることを特徴とする請求項1または2記載の曲げ加工方法。
  4. 構造解析アルゴリズムは有限要素法であることを特徴とする請求項2または3記載の曲げ加工方法。
  5. 加工対象の最終目標形状を示す形状データ(目標形状データ)を入力するための入力手段と、
    前記目標形状データに所定の作業指示情報生成処理を施すことにより、冷間曲げ法に基づく加工対象の一次曲げ工程の目標形状(中間目標形状)を、前記一次曲げ工程によって得られた中間加工対象を二次曲げ工程によって前記最終目標形状に曲げるために必要な仕事量が最小となる最適形状に設定し、前記加工対象を前記中間目標形状に曲げ加工するための一次曲げ工程指示情報を生成し、前記中間加工対象を線状加熱法に基づいて最終目標形状に曲げ加工するための二次曲げ工程指示情報を生成する作業指示情報生成手段と、
    該作業指示情報生成手段が算出した前記各作業指示情報を出力する出力手段と
    を具備することを特徴とする曲げ加工支援装置。
  6. 作業指示情報生成手段は、目標形状データを所定の構造解析アルゴリズムを用いて処理することにより、中間加工対象を最終目標形状に曲げた際の歪エネルギとして仕事量を算出することを特徴とする請求項5記載の曲げ加工支援装置。
  7. 一次曲げ工程はベンディングローラを用いた曲げ工程であることを特徴とする請求項5または6記載の曲げ加工支援装置。
  8. 作業指示情報生成手段は、目標形状データを有限要素法に基づく構造解析アルゴリズムで処理することにより中間目標形状を設定することを特徴とする請求項6または7記載の曲げ加工支援装置。
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