JPH0678376U - エレベータの乗かご - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗かごから乗場へ台車を移動させるに際し、
かご前柱およびセフティシューの破損を確実に防止でき
るようにすること。 【構成】 乗かご床板１、乗かご床板１に立設された側
板２、セフティシュー５を有するかごドア４およびかご
ドア４の左右の少なくとも一方に形成された前柱３を備
えたエレベータの乗かごにおいて、乗かごの中央に向か
って突出し、且つ、かご内より乗場９に向かって移動す
る台車７を出入口中央側に案内するための凸曲面が形成
された弾性体製のかご側ガイド板６を前記前柱３に取付
る。 【効果】 乗かごドアの開閉不具合および運行不具合を
確実に防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エレベータの乗かごに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、台車の接触や衝突により、乗かごの前柱が損傷するのを防止するものと しては、実開平４−５３７７１号公報に記載されているように合成樹脂を前柱の 平状に合うように成形した保護板を前柱に装着したものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記実開平４−５３７７１号公報に記載された装置では、前柱 を単に合成樹脂板で被覆しただけであるので、台車等が合成樹脂板に衝突した場 合には、合成樹脂板だけでなく前柱も変形したり、ひっこんだりする。すなわち 損傷して、また台車が前柱に当たるような位置関係で台車を移動させると台車が かごドアに設けられたセフティシューの先端に当り、セフティシューを押し曲げ たり、破損させ、エレベータドア（かごドアおよび乗場ドア）の開閉の不具合を 生じさせることもある。

【０００４】 本考案の目的は、乗かご内から乗場へ台車を移動する際、乗かごの前柱を損傷 させることなく、しかも台車をセフティシューに接触させずに乗かご内から乗場 に台車を移動させることができるエレベータの乗かごを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案は、床板、床板に立設された側板、セフティ シューを有するかごドアおよびかごドアの左右の少なくとも一方に形成された前 柱を備えたエレベータの乗かごにおいて、乗かごの中央に向かって突出し、且つ 、かご内より乗場に向かって移動する台車を出入口中央側に案内するための凸曲 面が形成された弾性体製のガイド板を前記前柱に取付けたものである。

【０００６】

【作用】

本考案は前記の構成にしてあることから、台車が乗かごより乗場に移動する際 、台車がガイド板に当ると、このガイド板の曲面に沿って案内され、しかもガイ ド板は弾性を有するので台車にガイド板から離れる方向の力を与え、これにより 台車は中央方向に向かうように促されて前柱に衝突することが防止され、これに より前柱の損傷するのを防止し、さらに台車がセフティシューに当ることが防止 できる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図にも基づき説明する。 図１は本考案の乗かご前柱の一実施例を示す斜視図、図２は図１の平面図であ る。

【０００８】 これらの図１、２において、１は乗かご床板、２は乗かご床板１に立設された 側板、３は乗かご床板１に立設された前柱、４は乗かごドア、５は乗かごドア４ に設けられたセフティシュー、６は乗かご床板１、側板２、前柱３にねじにより 固定されたかご側ガイド板、１０は乗場三方枠、１１は乗場三方枠１０にねじに より固定された乗場側ガイド板である。かご側ガイド板６は、例えばステンレス 鋼板より成るとともに乗かご１、側板２、前柱３に固定するための固定部６ａと 凸曲面状に形成されたガイド部６ｂと固定部６ａと乗かご床板１にねじ８により 締結する取付部６ｄを備えている。そしてかご側ガイド板６はガイド部６ｂの前 柱３の端面からの突出寸法Ｔがセフティシュー５の前柱３の端面からの突出寸法 ｔよりも大きくなるように取付けられている。なお符号６ｃは、固定部６ａを側 板２、前柱３に締結するねじ８を回転させるガイド部６ｂに形成されたドライバ 挿入穴である。また乗場三方枠１０に固定された乗場側ガイド板１１も、かご側 ガイド板６と同様の構成で取付け方も同じであるから説明を省略する。

【０００９】 このような構成において、乗かごより乗場９方向に台車７が移動する際、台車 ７がかご側ガイド板６に当たると、このかご側ガイド板６のガイド部６ｂの凸曲 面に沿って台車７が案内され、しかもかご側ガイド板６は弾性を有するので台車 ７にかご側ガイド板６から離れる方向の力を与え、これにより台車７はかごの中 央方向に向かうように促される。これにより、前柱３に直接衝突せず傷を与えな いで済む。また、ガイド部６ｂと前柱３の端面からの突出寸法Ｔが、乗かごドア ４に設けられたセフティシュー５と前柱３の端面からの突出寸法ｔよりも大きく 設定されているので、移動する台車７はセフティシュー５に接触することなく乗 場９へ案内される。なお、長期間の使用でかご側ガイド板６が損傷しても、かご 側ガイド板６のガイド部６ｂに形成された穴６ｃにドライバを挿入し、ねじ８を 回転させ、固定部よりかご側ガイド板６を取外すことができ、容易に取替ができ る。

【００１０】 このように構成した実施例では、前柱３をいつまでも新設状態に保つことが可 能である。また、新設のみでなく、長期間使用後の乗かご床板１の修復作業で乗 かご床板１の張替時や、側板２、前柱３の塗装時でも、かご側ガイド板６を取る ことにより、容易に修復作業が可能で、その後のかご床板１、側板２、前柱３を 美麗な状態に長く保つことができる。さらに、かご側ガイド板６のガイド部６ｂ の曲面に沿って移動する台車７をかご中央方向に促されながら乗場９に案内され る。これにより、従来セフティシュー５に台車７が接触してセフティシュー５の 損傷によるエレベータドア開閉不具合及び運行不具合が解消される。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、乗かご床に立設した前柱に乗かご方向に突出した凸曲面を有 する弾性を持たせたガイド板を設けることにより、乗かごから乗場へ移動する台 車が前柱に直接衝突した時の衝撃による前柱の変形、損傷を防止するとともに、 かごドアに設けられたセフティシューの損傷によるドア開閉不具合及び運行不具 合を解消できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１の平面図である。

【符号の説明】

１ 乗かご床板 ２ 側板 ３ 前柱 ４ 乗かごドア ５ セフティシュー ６ かご側ガイド板 ６ａ 固定部 ６ｂ ガイド部 ６ｃ 穴 ６ｄ 取付部 ７ 台車 ８ ねじ ９ 乗場 １０ 乗場三方枠 １１ 乗場側ガイド板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床板、床板に立設された側板、セフティ
   シューを有するかごドアおよびかごドアの左右の少なく
   とも一方に形成された前柱を備えたエレベータの乗かご
   において、乗かごの中央に向かって突出し、且つ、かご
   内より乗場に向かって移動する台車を出入口中央側に案
   内するための凸曲面が形成された弾性体製のガイド板を
   前記前柱に取付けたことを特徴とするエレベータの乗か
   ご。