JPH0678359B2 - エプスタイン、バールウィルス核抗原と免疫反応する抗体を産生する化学的に合成されたポリペプチド - Google Patents

エプスタイン、バールウィルス核抗原と免疫反応する抗体を産生する化学的に合成されたポリペプチド

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JPH0678359B2
JPH0678359B2 JP60503593A JP50359385A JPH0678359B2 JP H0678359 B2 JPH0678359 B2 JP H0678359B2 JP 60503593 A JP60503593 A JP 60503593A JP 50359385 A JP50359385 A JP 50359385A JP H0678359 B2 JPH0678359 B2 JP H0678359B2
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Description

【発明の詳細な説明】 記述 技術的分野 本発明は免疫原,抗原,接種材料,抗体,エプスタイン
・バールウイルスによる病気の治療,診断に有効な、化
学的に合成されたポリペプチドに関するものである。
発明の背景 エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)はヘルペスウ
イルス科の一種で人間の感染性単核の病原体である。
又、EBVはバーキットリンパ腫、上咽頭がん及び免疫抑
制患者に生するB−リンパ球腫瘍の病因に関係してい
る。さらに、リューマチ性関節炎やシェーグレン症候群
のような人間の自己免疫疾患におけるこのウイルスの役
割の可能性を示す状況証拠がある。
EBVは世界中の成人の80〜100%が感染している極めて一
般的環境因子である。初期もしくは一次感染は急性か又
は潜伏性である。EBV感染が循環血液、リンパ節及び脾
臓中に存在するB−リンパ細胞中で潜伏している期間の
長い間追跡した。
潜伏とはウイルスが発現しないか又は部分的に発現した
状態で細胞内に存在する過程である。この潜伏は再び活
性化することができる。生体内で潜伏を制御する宿主因
子はあまり知られていないが、1つまたはそれ以上の免
疫メカニズムの欠損が重要因子となることを示すいくつ
かの証拠がある。
EBVへの免疫応答の細胞毒性で抑圧性のT細胞要素は免
疫グロブリンMにおけるEBVによる急性感染を抑圧する
のに非常に重要であることが報告されている。また、そ
れらはEBVで潜伏的に感染させたBリンパ球の無制御な
増殖を妨害するに重要である。
T細胞サプレッサーメカニズムの欠損は、アフリカのバ
ーキットリンパ腫,上咽頭がん,器管移植の拒絶反応を
おさえるのに用いられる免疫抑制療法の結果生ずるBリ
ンパ球腫瘍、及び種々の自己免疫の無秩序さの処理の間
に生ずるリンパ球腫瘍の発生させるのに重要であると考
えられている。エプスタイン(Epstein)とアコング(A
chong)編“エプスタイン・バール・ウイルス";スプリ
ング−バーレグ(Spring−Verleg)版,ベルリン,ハイ
デルベルグ(1970年)及び、クロウフォード(Crawfor
d)等,ランセット(Lancet),1355頁,(1980年)。加
えて、それらのT細胞メカニズムやEBVが感染したリン
パ球のひきつづき起こる増殖の欠損がリューマチ性関節
炎において重要な役割を果していると考えられている。
スローター(Slanghter)等,実験医学雑誌(J.Exp.Me
d),148巻,1429頁(1978年),デッパー(Depper)等,
免疫学雑誌(J.Immunology)127巻,1899頁(1981年),
トサト(Tosato)等、英国医学雑誌(N.Engl,J.Med.)3
05巻,1238頁(1981年)。
EBVによる一次感染にひきつづく血清学的及び細胞媒介
した免疫応答はよく記述されているし、感染を通して発
現されるウイルス抗原に対する宿主の応答を反映してい
る。組織におけるこの抗原の検出と同様にこれらの応答
の側面がEBVに関連した疾患の診断に役立つようになっ
てきている。
感染後検出される最も早いEBV関連の抗原はEBV誘導の核
抗原(EBNA)である。EBNAは潜伏的に感染している増殖
する形質転換したBリンパ細胞の中に検出される。また
EBNAはアフリカのバーキット腫瘍リンパ芽球や悪性の上
咽頭がん細胞の核中に検出される。
EBVに感染したBリンパ細胞の細胞核中のEBNAの濃度は
細胞再生サイクルの種々の相で変化する。この様に、EB
NAは周期的に合成されたり、分割されたりしている。そ
のような分解の結果として、EBNAのタンパク質断片(ポ
リペプチド)は細胞質を通過し、外膜上に存在するか、
そこで発現すると信じられている。しかし、特異的なEB
NAの分解ポリペプチドは今日まで同定されていない。
細胞の外膜中又はその上に存在するEBNA分解ポリペプチ
ドは宿主Tリンパ細胞に対して重大な刺激を構成し、抗
EBNAの抗体の産生をうながす免疫応答を開始すると信じ
られている。また、細胞表面上にEBNA分解ポリペプチド
を発現する、B細胞に対する特異的なT細胞応答は、EB
NA含有(EBVの感染した)Bリンパ細胞の増殖を制限す
るのに重要な細胞毒性及び抑圧的T細胞の発生をうなが
す。
このように、EBNA及び抗EBNA抗体の双方の存在に対する
検定はいくつかの一般的な臨床的見地からして重要であ
る。さらに、EBVが感染したBリンパ細胞に対する牛痘
瘡もまた臨床的に重要であろう。
抗EBNA抗体は典型的には退屈な抗補体性免疫螢光法(AC
IF)を使って検定する。リードマン(Reedman)等、国
際がん雑誌11巻、499−520頁(1973年)。この検定法は
顕微鏡のスライドガラスにEBVを形質転換した人のB細
胞を固定することを含んでいる。患者の血清をいろいろ
に希釈したものを固定した細胞に加える。抗補体性の血
清がその補体と混合されると(2段階操作)偽負反応も
しくはプロゾンを生ずるために試験細胞のかたまりに、
血清、補体、及びその抗補体性螢光結合物(3段階操
作)を連続的に添加することが重要である。
この検定法にはいくつかの問題点がある。それらにはこ
の検定は相対的に感度が悪く、そして補体を通して媒介
される増巾を必要とするという事実が含まれている。加
えて、この検定法は全く特異的ということではないし、
その血清がホ乳動物の細胞核に対する抗体を含む患者に
ついては判断することができない。またさらに、抗補体
免疫螢光検定法をつかって得られる定量的結果は再現性
がない。これらやその他の理由で抗EBNA抗体に対する検
定法は一般的に非常に僅かで専門化した研究室に限られ
ている。
抗EBNA抗体を検定する上記の困難さは相対的に純粋なEB
NAが無いことに根ざしている。ホ乳動物組織細胞培養か
ら得られるEBNAの精製は抗原の低濃度と多重形態のため
に複雑である。現行の方法のようにEBNAを発現する全細
胞を使用するのがより簡単で安価であるけれども、特異
性や再現性の問題は直接全細胞の使用の結果生ずるもの
である。
遺伝工学と合成ポリペプチドの技術は最近大量のタンパ
ク質やポリペプチド抗原を製造する問題に解答を与え
た。しかし、いずれの技術も生のタンパク質のアミノ酸
配列が既知のときにのみ有効なものとなる。
天然のタンパク質のアミノ酸残基の配列はタンパク質そ
れ自身から決定することができるが、これはしばしば困
難を伴う。このタンパク質をコードしている遺伝子のヌ
クレオチド配列もまたタンパク質のアミノ酸残基配列を
明らかにすることができる。しかし、全てのDNA配列は
三種の可能な読み取り枠をもち、その各々が全く異なる
タンパク質を生ずる。それ故、その遺伝子から正しいタ
ンパク質のアミノ酸残基配列を引き出すには、正しい読
み取り枠を知らなくてはならない。
タンパク質をコードするDNA配列の正しい読み取り枠、
つまり正しいアミノ酸残基の配列は抗体の使用によって
決定することができる。この戦略は、三つの可能な遺伝
子産物から得られる配列に対応するアミノ酸残基配列の
タンパク質断片もしくはポリペプチドを作ることを含ん
でいる。その遺伝子の天然のタンパク質産物と免疫反応
する抗体を誘導するタンパク質断片もしくはポリペプチ
ドは、遺伝子の正しい読み取り枠と一致している。逆
に、もし、天然のタンパク質に対する抗体が、作られた
タンパク質断片もしくはポリペプチドを認識するのなら
ば、遺伝子とタンパク質の関係も確立しているといえ
る。
ヘラー(Heller)等は、ウイルス学雑誌(J.Virol,)の
1982年44巻,311〜320頁で、ヘキサヌクレオチドのダイ
レクトリピートと2つのヌクレオチド9量体を含む、IR
3と命名したインターナルリージョンを含むことが分っ
たEBV遺伝子の一部のDNA配列を報告した。彼等はIR3の
周囲及びそれを含む配列はEBNAをコードする遺伝子を含
むことを示す証拠について述べている。しかし、三つの
可能なDNA配列読み取り枠の内どれを翻訳したものが知
られていなかったので、ヘラー(Heller)等は可能なEB
NAタンパク質に対するアミノ酸配列を確定的に誘導でき
なかった。
1983年9月、ヘネシー(Hennessy)とキエフ(Kieff)
は米国科学アカデミーの進歩(Proc.Natl.Acad.Sci.)
の80巻,5665〜5669頁(1983年)の中で、以前、ヘラー
(Heller)等によって報告されたEBVDNA配列の天然の読
み取り枠を確定したと報告した。基本的に、彼らはIR3D
NAを単離し、小さなランダムな断片に分解し、大腸菌
(E.coli)の発現ベクターのlac Z遺伝子中にその小片
を挿入し、その結果、全ての三つのEBNA遺伝子読み取り
枠を各々別々のクローンとして発現させた。lacZ遺伝子
はバクテリアの酵素であるベーターガラクトシダーゼを
コードしている。IR3−IacZ遺伝子融合産物はβ−ガラ
クトシダーゼタンパク質分子の第7と第9のアミノ酸
(第8番は構築の過程で欠失している)の間に挿入した
IR3タンパク質をもった1つの融合タンパク質として大
腸菌中で発現される。
ヘネシー(Hennessy)とキエフ(Kieff)は抗EBNA陽性
ヒト血清によって確認される融合タンパク質をスクリー
ニングすることによって天然の読み取り枠のIR3DNAを発
現するIR3−lacZ遺伝子融合体を同定した。そのように
同定したプラスミドをpKH182−44と命名した。
pKH182−44により発現されるタンパク質がEBNA特異的抗
原性決定因子を含んでいることを確認するために、上記
ヘネシー(Hennessy)とキエフ(Kieff)は臭化シアン
分解(CNBr)したIR3−ガラクトシダーゼ融合タンパク
質に対する抗血清をウサギで生じさせた。免疫原として
使ったCNBr断片はEBNAと相同的な53アミノ酸とベーター
ガラクトシダーゼと相同的な89アミノ酸を含んでいる。
これらの抗血清は間接免疫螢光法を使ってEBV感染細胞
中の天然のEBNAを確認した。
ヘネシー(Hennessy)とキエフ(Kieff)の結果はEBNA
IR3領域の反復的性質に依存しているようだ。pKH182−4
4により生成する融合タンパク質はIR3領域(53アミノ
酸)と相同的な比較的長いセグメントを含んでいる。そ
れ故、融合タンパク質およびそのCNBr断片が抗原性の決
定因子を含んでいることは驚くに値しない。さらにヘネ
シー(Hennessy)とキエフ(Kieff)は抗原性決定因子
として働いているその断片中の反復配列を同定しなかっ
た。
ヘネシー(Hennessy)とキエフ(Kieff)は、人の血清
中の抗EBNA抗体によって認識される物質を遺伝子的に製
造することができたが、そのデザインのために臨床環境
の中で使用するのは煩わしいことである。EBNAに相同的
なその融合タンパク質の53アミノ酸残基のセグメントは
生理学的にも化学的にもベータ・ガラクトシダーゼの一
部である。それ故、その免疫学的性質はそこから分離す
ることのできないベータ・ガラクトシダーゼ分子の一部
によって影響をうける。事実、彼らの研究で使用される
ヒト血清の全てがベータ・ガラクトシダーゼと反応し、
遺伝学的に製造したタンパク質に対する特異性をテスト
する前にこのベータ・ガラクトシダーゼに対する反応性
を除くような処理が必要となる。
遺伝子の正しい読み取り枠を決定し、臨床学的及び診断
上の目的のために病原に関係する抗原(免疫原)を大量
に作る上での相互に関連した問題へのもう1つの方法
は、合成ポリペプチドの化学の使用である。抗原(免疫
原)を作るこの方法は上に述べた遺伝子工学的方法より
も利点がある。合成ポリペプチド抗原は天然のタンパク
質の副産物やそのフラグメントは含まない。そしてそれ
らの使用は望ましくない交又反応の可能性やヘネシー
(Hennessy)とキエフ(Kieff)の研究におけるのと同
様血清試料の前処理の必要性を除く。
合成抗原(免疫原)の調製や既知の特異性をもつ抗体を
導入する為のそれらの使用の一般的概念が述られている
一方、予測性を許さないこの技術分野の広い領域が残っ
ている。これには少なくとも2つの理由がある。第1
に、合成抗原(免疫原)は必ずしも、その自然の環境下
でその本来のタンパク質と免疫反応する抗体を誘導しな
い。
第2に、ウイルスタンパク質のような天然に生ずる免疫
原に対する宿主の天然の抗体は、その免疫原のアミノ酸
残基配列に対応するポリペプチドとほとんど免疫反応を
起こさない。この後者の現象は必須の2次,3次構造を欠
いている短かい線状ポリペプチドの結果であると信じら
れている。
タンパク質に作られるべく抗体によるペプチドの結合に
関する研究の多くは、ベンジャミニ(Benjamini.E)等
による“微生物学や免疫学における現在のトピックス”
の58巻,85〜134頁(1972年)のレヴューにまとめてあ
る。抗体結合におけるペプチド構造の役割はグッドマン
(Goodman.J.W.)によって“免疫化学"6巻、139−149頁
(1969年)に強調されている。
抗体結合にペプチドの配列のどのような変化が影響する
かに関する研究の多くは抗体結合部位の構造が重要な役
割を果たすことを示すことにより説明している。それら
の研究における配列や構造の変化の影響は相互に混合し
分離するのが難しい。それらの研究のいくつかは、その
結合に影響する抗原における構造上の変化により、等し
く良く説明されている。
分子レベルでの抗体応答は限られた配列(一次構造)
の、限られた構造(2次、3次構造)での抗原の結合を
意味している。タンパク質抗原に対する免疫応答は伝統
的にタンパク質の一次,二次もしくは三次構造に対して
起こるものとして説明されてきている。
この古典的図式は、生理学的温度及び溶液における全構
造がよく分っているものに対してはいくらかの正統性を
もつかもしれない。しかし、その正統性はより動的な構
造をもつペプチド抗原に対しては疑がわしい。
いくつかのグループが絹のフィブロイン(アンダーソン
(Anderson)等分子生物学雑誌67巻,459〜468頁(1972
年))とコラーゲン(アンダーソン(Anderson)等B.B.
R.C.39巻802〜808頁(1970年)、ドイル(Doyle)等分
子生物学雑誌51巻47〜59頁(1970年))のモデルとして
合成したグリシンとアラニンもしくはグリシンとセリン
の反復配列のポリマーの構造的研究を報告した。最も系
統的な研究は、公式(Ala−Gly)においてx=1,y
=1,2そして3,またx=2,y=1,2そして3及びx=3、
y=3であるようなホモポリマー的ブロック反復ユニッ
トをもつ一連のブロックホモポリマー的ポリペプチドの
合成を報告しているブラック(Brack)等の“生体高分
子"11巻563〜586頁(1972年)の研究がある。
この後者の研究から報告された結果は、固体状態ではほ
とんどアラニンからなるホモポリマーは、α−ヘリック
スであるが、ほとんどグリシンからなるホモポリマーは
無秩序であることを報告している。溶液中では、ポリア
ラニンはα−ヘリックスであるが、ポリー(Ala2−Gl
y2)はベータ反平行型であると報じている。よりグリシ
ンに富むポリマーはα−ヘリックスでもβ−構造でもな
い他の固定した構造をもつと言われている。
ブラック(Brack)等によって報告されたグリシンとア
ラニンのホモポリマーブロックは活性なエステル型のカ
ルボキシル基を末端にもつグリシン残基を有する2から
6個のペプチドの反復ユニットの縮合重合により調製さ
れた。2から68までの重合度がポリ(Ala−Gly2)に対
して報告された。
それらの研究に用いられた溶媒が例えば、水やリン酸緩
衝食塩水のような生理学的に許容できるものではなかっ
たとしても結果は次の二点を説明している。(1)構造
の変化はポリペプチドの配列の変化とともに起ってい
る。(2)また構造の変化は溶液から固体状態への変化
の間に起っている。
発明の要約 本発明はエプスタイン・バールウイルス核抗原(EBNA)
と免疫反応を起こす抗体の生産を誘導する能力のある化
学合成されたポリペプチドを企図したものである。本発
明は、約21個までのアミノ酸残基を有する化学的に合成
されたポリペプチドに関する。本発明のポリペプチド
は、以下のアミノ酸残基配列: (i)−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−; (ii)−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−; (iii)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−; (iv)−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−; (v)−Gly−Asn−Gly−Leu−Gly−;及び (vi)−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−; からなる群から選択される5個のアミノ酸残基配列を含
み、 また、左から右にアミノ末端からカルボキシル末端の方
向に記載した場合に、 −Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly− で示されかつ前記5個のアミノ酸残基配列と重複する6
個のアミノ酸残基配列を有し、 少なくとも50モル%のグリシン残基を含み、 更に、EBNAによって誘導されるヒト抗体と免疫反応する
ことができる。
本発明の好ましいポリペプチドは、約14〜21個のアミノ
酸残基を有しかつ左から右にアミノ末端からカルボキシ
ル末端の方向に記載した場合に、以下のアミノ酸配列を
有する群から選択されるアミノ酸配列を有する。
(i)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Al
a−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg−; (ii)−Lys−Gly−Thr−His−Gly−Gly−Thr−Gly−Al
a−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gl
y−; (iii)−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−G
ly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−A
la−Gly−; (iv)−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Al
a−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−; (v)−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gl
y−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gl
y−Ala−Gly−; (vi)−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gl
y−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−; (vii)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−A
la−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−;及び (viii)−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−
Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−。
特に好ましい本発明のポリペプチドは、左から右にアミ
ノ末端からカルボキシル末端の方向に記載した場合に、
以下のアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
(i)H−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−
Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg−OH; (ii)H−Lys−Gly−Thr−His−Gly−Gly−Thr−Gly−
Ala−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−
Gly−OH; (iii)H−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly
−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly
−Ala−Gly−OH; (iv)H−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−
Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−OH; (v)H−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−
Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−
Gly−Ala−Gly−OH; (vi)H−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−
Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−OH; (vii)H−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly
−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−OH;
及び (viii)H−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly
−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−OH。
なお、用語の簡潔さを図るために、以下において、「化
学的に合成されたポリペプチド」を単に、「合成ポリペ
プチド」又は「ポリペプチド」と呼ぶ。
また本発明は、その反復ユニットの少なくとも1つが上
に述べたポリペプチドであるような多数の結合した合成
ポリペプチド反復ユニットをもつ合成多重合体をも企図
している。そのポリペプチド反復ユニットはアミド結合
によりヘッド・トゥー・テイル様式で結合していること
も考えられる。他方、その合成ポリペプチドモノマー
が、分子内、ポリペプチド間のシスティンのジスルフィ
ド結合のようなアミド結合以外の結合によって重合性多
重合体を形成するような結合をすることもできる。
もう1つの具体例では、本発明のポリペプチドの有効量
がEBNAと免疫反応を起こす抗体を誘導する能力のある接
種物を形成するのに生理学的にかなった希釈剤中で使用
されている。抗体の産生に対して使用されるのに加え
て、この発明の接種物は細胞表面上でEBNAもしくはその
断片を発現するリンパ細胞に対する活性のある免疫性を
導入する手段として人のワクチンとして使用することが
できる。
またもう1つ別な具体例としては、受容分子はEBNAと免
疫反応することができる抗体結合部位をもつように企図
されている。その受容体は上記の合成ポリペプチドそれ
自身か結合体としてそれを含む合成免疫原に対して生じ
ている。
またEBNAの存在を検定する診療システムについても考え
られている。このシステムは上述の受容分子とEBNAと結
合部位との免疫反応の信号を指示する手段とを含んでい
る。
さらに体内成分中でのEBNAに対する抗体分子の存在を検
定する診療システムも考えられている。そのようなシス
テムは上述の特に好ましい合成ポリペプチドとEBNAに対
する抗体分子とポリペプチドとの免疫反応を信号化する
指示方法とから成る。さらに好ましい具体例では、この
システムはまた、特に好ましいポリペプチドを固定した
固体マトリックスを含む固体支持体も含んでいる。免疫
反応を起こした抗体分子のイソタイプを同定する手段も
またそのシステムに含まれている。
さらに、細胞表面でEBNAを発現するB−リンパ細胞に対
する受動的免疫に関する調製物も考えられている。その
調製物は生理学的にかなった希釈剤中、上述の受容分子
の有効量を含んでいる。ホ乳動物宿主に導入されると、
その調製物は細胞表面でEBNAを発現するBリンパ細胞の
宿主に対する影響を少なくする能力がある。
図の簡単な説明 図の中では本発明の公開の一部を形成している。
図1はポリペプチド(F),(B)及び(E)の円二色
性スペクトルをプロットしたものである。これらのポリ
ペプチドはまたここでは各々F13,P62及びF12と呼ばれて
いる。各々のスペクトルは1ミリリットル当り1ミリグ
ラム(mg/ml)の濃度の生理学的溶液(リン酸緩衝食塩
水)中のポリペプチドの10回連続測定したものの平均し
たものである。旋光性はミリラジアンで表現され、ナノ
メートル(nm)で表わされた偏光の波長に対してプロッ
トしてある。ポリペプチドF(F13)の比較的特徴のな
いプロットはこのサイズのペプチドで通常得られるラン
ダムな構造を示している。
ポリペプチドB(P62)でみられる谷とピークのスペク
トルは比較的に安定な2次構造、たぶんβ−シートに特
徴的なものである。データは示されていないが、ポリペ
プチドP2F,P60,F14及びF15は本発明のより好ましいポリ
ペプチドが生理学的溶液中で同様な安定した構造で存在
していることを示すたいへん類似したスペクトルをもっ
ている。ポリペプチドE(F12)のスペクトルは、その
ような構造に部分的に負っていることを示している。
図2は、合成ポリペプチドC(P60)とB(P62)に対す
るウサギの抗ペプチド抗血清を使用したEBV−形質転換W
I−L2細胞の全細胞抽出物のニトロセルロース免疫ブロ
ットの写真である。以前に抗EBNA陽性、つまり抗EBNA抗
体をもつと決定された人の血清(患者TJから)を、1:20
の希釈でレーンAに陽性コントロールとして使用した。
ウサギの抗−P60(C)血清は1:50の希釈で(レーン
B)、ウサギの抗−P62(B)血清は1:10の希釈で(レ
ーンD)で、天然のEBNAをそれらが認識することを示す
陽性コントロールとして同様のバンドと免疫反応させ
た。レーンA〜Gは図の下に示してある。抗−P60血清
によるEBNAの認識は、免疫ブロッティングの1時間前に
ミリリットル当り40マイクログラムのポリペプチドP60
と共に50分の1に希釈した抗P60血清をインキュベート
することにより妨害される。(レーン3)。同様に、抗
P62血清によるEBNAの認識は免疫ブロッティングの1時
間前に40μg/mlのポリペプチドP62とともに10分の1に
希釈した抗P62血清をインキュベートすることにより阻
害された。
P60とP62の抗原的関係はレーン6と7に示されている。
レーン6はEBNAバンドと免疫反応を起こした10分の1希
釈の抗P62血清を示している。レーン7では、EBNAバン
ドと抗P62血清との免疫反応性が免疫ブロッティング1
時間前に40μg/mlのポリペプチドP60とインキュベーシ
ョンすることにより阻害されている。
図3は溶液での競合するポリペプチドによる患者1011の
EBNA陽性の血清中の抗P62血清の活性の阻害を説明した
グラフである。固相標的としてポリペプチドP62を使う
イライザ法は、イライザ法で使用する前にポリペプチド
P27,P62,P60,P89及びF16の各々と1時間前処理をした患
者1011の血清を使って行なわれた。またポリペプチドP2
7,P62,P60,P89,P16はここではそれぞれA,B,C,D及びGと
呼んでいる。抗ポリペプチド活性率がミリリットル当り
マイクログラム表示での競合するポリペプチド濃度に対
する縦座標としてプロットしてある。
図4は実証された伝染性単核症の場合におけるEBNA(点
線,O)とポリペプチドP62(実線,●)に対する抗体出
現の平行した時間経過を示すグラフである。連続的血清
を臨床着手後に採集し、右側縦座標にカタラノ(Catala
no)等が臨床研究雑誌(J.Clin.Invest)の65巻1238〜1
242頁に報告した手順に従った抗EBNA活性の測定の目盛
がうってある。又血清試料は本発明のイライザ法の中
で、左縦座標に示されているように固相標的としてポリ
ペプチドP62を使って検定した。そこでは405ナノメータ
ーでの吸光度がプロットしてある。
図5は、ヘンル(Henle,G)等により、感染病雑誌(J.I
nfect,Dis)の130巻,231頁(1974年)に述べている古典
的ACIF法による検出を使って、抗EBNA(点線,O)と比較
したポリペプチドP62(実線,●)に対する抗体の初期
検出を説明する2つのグラフからなっている。連続的血
清は臨床的に実証されたけ伝染性単核症をもった2人の
患者(#14、上のパネル,#2、下のパネル)から採集
した。血清は上述のカタラノ(Catalano)等で報告して
ある方法で抗EBNA活性を滴定した。抗ポリペプチド活性
は、図4で報告してある活性をもつ、固相標的としての
ポリペプチドP62を使い、本発明のイライザ法を用いて
測定した。
発明の詳細な説明 1.序説 エプスタイン・バールウイルス(EBV)が感染した人間
はウイルスにより形質転換したBリンパ細胞中に存在す
るウイルス性核抗原(EBNA)に対する抗体を産生する。
人中のEBNA及び抗EBNA抗体を検定するのに用いられてき
た従来のA臨床的手法は面倒臭いものである。さらに、
細胞培養からのEBNAの精製に対する現行の操作は大量生
産に簡単に適用できるものではない。
本発明は現行の方法論のいくつかの問題点を解消する合
成ポリペプチド技術の利用を考えた。短かい合成ポリペ
プチドは免疫学的に天然のタンパク質に関する摸擬の抗
原決定素となりうるし、その為天然のタンパク質を認識
する予め分った特異性をもつ抗体を産生するのに用いる
ことができる。
“免疫学的摸擬法”という言葉は、ここでは、本発明の
免疫原性ポリペプチドはその誘導ポリペプチド及び本来
のタンパク質の同じ配列部位に結合する抗体の産生を誘
導するということを意味して使われている。この現象は
実験的にも臨床的にも利用することができる。
実験的に、合成ポリペプチドに対する抗体はDNAの読み
取り枠を決定し、さらにEBNAのような臨床学的に重要な
タンパク質のアミノ酸残基配列を確定するのに使うこと
ができる。臨床学的には、合成ポリペプチドに現わされ
た予め分っている特異性をもつ抗体は診断上の、あるい
は、治療上の目的で使用することができる。
以前にヘラー(Heller)等はEBNAをコードする遺伝子を
含むDNAヌクレオチド配列を報告した。彼等は、もしこ
のDNAがタンパク質に翻訳されたら、その三種の可能な
読み取り枠は、それに応じて、〔i〕セリン,アルギニ
ン,グリシン,〔ii〕グリシンとアラニン,及び〔ii
i〕グルタミン,グルタミン酸塩及びグリシンの三種の
みからなる200以上のアミノ酸残基からなるIR3タンパク
質領域をコードしているだろうと予想している。
EBNA遺伝子中の可能な終止コドンの分布を考え合せる
と、EBNA分子の報告されている化学的性質は、IR3が最
初にグリシンとアラニン残基を含んでいることを示して
いる。この点を検定するために、グリシンとアラニンの
ランダム共重合体であるIR3をもつEBNAタンパク質に基
本的に対応しているアミノ酸残基をもつ短かいポリペプ
チドを化学合成した。
A.合成ポリペプチド 1.配列 本研究で用いた一連の小合成ポリペプチド(長さ5〜21
アミノ酸残基)は、メリフィールド(Merrifield)とメ
リフィールド(Merrifield)等により、米国化学会誌
(J.Am.Chem.Soc.)の85巻2149〜2154頁(1963年)に報
告された固相法を用いて合成した。その配列は、EBNAの
提唱されたIR3領域の中かその丁度外側からの色々な領
域を示すように選ばれた。
ここで言う“合成”という言葉は、そのポリペプチド分
子もしくはポリペプチド反復単位は化学的手段,つまり
遺伝子工学的技術によるような、生物学的に作られると
いうよりもむしろ化学的な合成によって組み立てられる
ということを意味している。このように、本発明を具体
的なものとする合成ポリペプチドに天然に存在するタン
パク質やその断片は含まれていない。
又、化学的に合成したポリペプチドはタンパク質の臭化
シアンの作用により作られるような天然に存在するタン
パク質の分解産物とも違う。望ましいポリペプチドを得
る為に連続的にアミノ酸ブロックを付加していく、よく
知られている固相化学合成法は、有利な合成法で、以下
により詳しく議論されている。
ここで示される全てのアミノ酸は天然のもの、もしくは
L体である。標準的なポリペプチド命令法に従って、ア
ミノ酸の略号は以下のようにする。
本発明は、約21個までのアミノ酸残基を有する化学的に
合成されたポリペプチドであって、以下のアミノ酸残基
配列: (i)−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−; (ii)−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−; (iii)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−; (iv)−Gly−Ang−Gly−Ang−Gly−; (v)−Gly−Asn−Gly−Leu−Gly−;及び (vi)−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−; からなる群から選択される5個のアミノ酸残基配列を含
み、 また、左から右にアミノ末端からカルボキシル末端の方
向に記載した場合に −Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly− で示されかつ前記5個のアミノ酸残基配列と重複する6
個のアミノ酸残基配列を有し、 少なくとも50モル%のグリシン残基を含み、 更に、EBNAによって誘導されるヒト抗体と免疫反応する
ことができる、 ことを特徴とする合成ポリペプチドである。
このように、そのポリペプチドが連続する反復配列−Al
a−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−をもつ
ときそれをP62(表2)と呼ぶとしても、そのポリペプ
チドのカルボキシル基末端は−Ala−Gly−ペプチドを含
んでいる。結果として、ポリペプチドを通して反復する
アミノ酸残基配列はなく、ポリペプチドP62はランダム
コポリマーで、ブラック(Black)等により調製された
ポリ(Ala−Gly)や、アンダーソン(Anderson)等
により調製されたポリ(Ser−Gly)のような、そのポリ
マー全体に渡って特殊なアミノ酸残基配列の同じブロッ
クの反復をもつようなブロック共重合体でもない。
ここで使われている“抗原決定因子”とは同じ又は関連
した抗原もしくは免疫原により誘導される各々の抗体
(免疫グロブリン)分子と特異的に相互作用を起こすの
に役立っている分子の構造的要素を示している。
ここで用いられる“免疫原的決定因子”とは、抗原とし
て用いられたとき免疫原と結合する抗体結合部位イディ
オタイプを含む抗体の宿主中での誘導に役立っている分
子の構造的要素を示している。
ここで用いられている“抗原”とは抗体により結合され
る実体を意味する。
ここで用いられている“免疫原”とは、宿主動物中で抗
体の産生を誘導する実体を述べている。いくつかの例に
おいては、抗原と免疫原は同一物であるが、一方、別な
例ではその二つは異なっている。
例えば、以下に述べるように、ポリペプチドP62は、ウ
サギの体内での抗体の産生を誘導するのに使われるので
ひとつの免疫原として使われている。抗原として使われ
るときは、そのようにして誘導された抗体がポリペプチ
ドP62と結合する。つまり、ポリペプチドP62は免疫原で
もあり抗原でもある。抗EBNA抗体は、抗原としてのポリ
ペプチドP62に対してと同様に免疫原でもあり抗原でも
あるEBNAと結合する。
ポリペプチド/抗ポリペプチドリセプター結合や結合阻
害の研究結果は、以下のセクションIDで議論している。
これらの結果はそのポリペプチドの間での配列同相性の
割合と関連する相互反応性や、相互阻害効果を説明して
いる。例えば、ポリペプチドP60は、P62と相同的な10ケ
のアミノ酸セグメントを含んでいる。ポリペプチドD2
(表2)はポリペプチドP27,P60,P62,D1のセグメントと
相同的な7ケのアミノ酸残基セグメントをもっている。
この研究で顕著な相互反応を示さなかったポリペプチド
P89は、ポリペプチドP27,P62,60と相同的な配列をもっ
ていない。
さらに重要なことには、ポリペプチドP27,P62,P60,D1が
共有する8ケのアミノ酸残基配列は、少なくとも、すべ
ての三つの合成ポリペプチドに共通な1ケの抗原決定因
子を含んでいる。それ故それらの三つのポリペプチドは
抗原的に関連する変化物となっている。さらに、その共
有セグメントは6ケのアミノ酸残基配列−Gly−Ala−Gl
y−Gly−Ala−Gly−を含み、−Gly−Ala−Gly−Ala−Gl
y−によって表わされる重複配列をもっている。
“重複”によって、第2命令配列は第1命令配列の一部
を含んでいることを意味している。アミノ酸残基のこの
重複は、1文字アミノ酸残基コードを使って、下に示し
てある重複する“枠で囲んだ”、配列領域により、ポリ
ペプチドP62で説明してある。
共有する6ケのアミノ酸残基を含む配列及び重複する5
ケのアミノ酸残基を含む合成ポリペプチドは、本発明の
特に好ましい具体例を設定する。特に好ましいポリペプ
チドは、左から右にアミノ末端からカルボキシル末端の
方向に記載した場合に、以下のアミノ酸配列を有する群
から選択されるアミノ酸配列を有する。
(i)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Al
a−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg−; (ii)−Lys−Gly−Thr−His−Gly−Gly−Thr−Gly−Al
a−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gl
y−; (iii)−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−G
ly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−A
la−Gly−; (iv)−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Al
a−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−; (v)−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gl
y−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gl
y−Ala−Gly−; (vi)−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gl
y−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−; (vii)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−A
la−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−;及び (viii)−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−
Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−。
更に、上記配列に対応するポリペプチド自身が好まし
い。即ち、上記表1におけるP60、P27、P62、F14、F15
及びF16、並びに以下の表2におけるD1及びD2である。
2.サイズ 抗EBNA抗体が結合する能力に関する合成ポリペプチドの
大きさの影響が研究された。一般的にはポリペプチドの
大きさが減少するにつれ、抗体の結合能も減少すること
が分っている。
アミノ末端から最初の9ケのアミノ酸残基が直接反復し
ている20ケのアミノ酸残基からなり、アミノ酸残基を一
文字コードで表2に示してある配列をポリペプチドP62
は含んでいる。以下の表2に示してあるように先行する
アミノ末端ペプチドからアミノ酸残基3ケが欠けてポリ
ペプチドD1,D2,D3を与えるようにP62に相同的な一連の
ポリペプチドを合成した。それゆえ、P62の配列対称性
が多い領域はD1,D2,D3のポリペプチドには欠けている。
Dシリーズのポリペプチドの3種のヒトの抗EBNA血清及
びウサギの抗P62血清との免疫反応を以下に述べられて
いるイライザ法の固相中でのポリペプチドを使って研究
した。D1に結合する抗体は、全ての試験された血清に対
する元のポリペプチドP62に結合するものとほぼ同じで
あった。それに対して、ウサギの抗P62以外、いかなる
血清に対しても固相D3は結合しなかった。D2に対する結
果は中間的なもので、試験した血清に依存していた。こ
のように、このシリーズのポリペプチドの抗体認識は、
ポリペプチドの長さが20から11アミノ酸残基に短かくな
るにつれ、減少していった。
抗体結合が全ての血清に対して減じているという事実
は、そのポリペプチドが2ケの抗原決定因子を含み、そ
のうちの1つが配列の欠損による影響をつけているため
に、特異的抗原決定因子が連続的アミノ酸残基の除外に
より欠損している可能性を示している。また、P62の配
列対称性は、反復の結合部分は除いて、P62中に存在す
る4から8アミノ酸残基のすべての配列がD3中にも存在
することを保証している。
イライザ法中の固相に結合しているポリペプチドの構造
変化は抗体の認識の抑制に寄与しているかもしれない。
この可能性は溶液中での競合するポリペプチドの濃度変
化をつかって、固相に結合したP62へのいくつかの血清
の結合(免疫反応)を阻害することで研究した。抗血清
は、P62でコーティングしたマイクロタイター板に加え
る前に、免疫反応(結合)を起こすのに十分な予め決め
られた時間ポリペプチドP62,D1,D2及びD3の溶液と混ぜ
合せ、反応(インキュベート)させた。5人の患者から
の血清を使ったこの研究結果は下の表3にまとめてあ
る。
P62への抗体の結合に関するポリペプチドD1の阻害的作
用は、P62自体の阻害効果と区別できないと考えられて
いる。これは試験したすべての血清に対して正しい。
さらに興味深いことに、ポリペプチドD3は、より長いポ
リペプチドとほぼ同様にいくつかの血清VM及びN6を阻害
した。この強い阻害効果は、これらの血清のどれもがイ
ライザ法中の固相に結合したD3への結合を示さなかった
事実にもかかわらず起った。これらのデータは、そのポ
リペプチドはマイクロタイター板のプラスチックの表面
に結合するとき、必要とする二次構造を維持するのに必
要な少なくとも15アミノ酸残基以上の長さのものでなけ
ればならないことを示すと信じられている。
認識に必要な最小の抗原サイズは、ポリペプチドA5,A6,
A7,A8,A9についても研究した。表2に示したとおり、ポ
リペプチドA5は5ケのアミノ酸残基をもち、一連のA6か
らA9の各メンバーは、A9の9残基にいたるまで先のポリ
ペプチドに1アミノ酸残基ずつ長さを増している。試験
した抗血清は、以下に述べるイライザ法中のマイクロタ
イター板に結合しているときのこれらのポリペプチドと
は免疫反応を起こさなかった。
固相P62へのヒトの抗EBNA抗体の結合を阻害するAシリ
ーズのポリペプチドの能力に関するデータは以下の表4
に示してある。
試験したほとんど全ての血清は、非常に高濃度必要だっ
たけれど(P62又はD1と等価な阻害を生じるのにその100
倍以上の濃度)、A9により阻害された。さらに、3つの
血清がA8と免疫反応を起こし、阻害され、A7により阻害
されたのは1つであった。より短かいポリペプチドA6及
びA5により阻害されたものはなかった。
このように、ポリペプチドサイズの減少と平行する免疫
反応性の減少は2つの効果によるものと思われる。
(1)Aシリーズのポリペプチドに示されるように、抗
体の結合する抗原上の結合部位の欠損の効果、と、
(2)Dシリーズのポリペプチドにより示されるよう
に、そのサイズの減少によるポリペプチドの構造上の変
化、である。
3構造 本発明における合成ポリペプチドの構造上の特性は、円
二色スペクトロスコピー(CD)により研究した。ポリペ
プチドP27,P60,P62,F13,F15,F16のCDスペクトルを測定
した。図1に部分的に示したデータは、上記5個のアミ
ノ酸酸基配列と、−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−と
を含む本発明のポリペプチドは、20℃で生理学的溶液の
中では比較的安定な二次構造をとることを示している。
これらのポリペプチドの優性な構造は比較的安定なの
で、ヒトの抗EBNA抗体活性はこの特別な構造に応答して
起こると信じられている。
B.多重合体 本発明は、また、複数の結合した合成、ポリペプチド反
復ユニットを含み、少なくともその1つがここで述べら
れているポリペプチドであるような合成多重合体を考慮
している。
単独もしくはキャリャーと結合した本発明の多重合体
は、ホ乳動物宿主中にその有効量が導入されたときに、
EBNAに結合する抗体の産生を誘導することができる。本
発明の合成ポリペプチドを含むこれらの多重合体はEBNA
により誘導されたヒトの抗体にも結合することができ
る。
このように、それらの合成ポリペプチドと同様に、本発
明の多重合体は免疫原性で、ヒトの抗EBNA抗体に対し抗
原性である。それゆえ、これらの多重合体は、以下に述
べる診療上の方法やシステムに有効な抗EBNA抗体の産生
をうながすのに利用でき、又、適切な診療上の方法やシ
ステムの中で抗原として利用することもできる。
全多重合体のうちに、約35以下のアミノ酸残基しか含ま
ない多重合体は典型的には免疫原として使用するのにキ
ャリヤーに結合する。総数約35以上のアミノ酸残基をも
つこれらの多重合体は典型的にはキャリヤーなしでも免
疫原として十分に使用することができる。
ポリペプチド多重合体は以前に述べた固相法をつかっ
て、ヘット−トゥーテイル方式で合成ポリペプチドモノ
マーを結合していくことにより合成することができる。
例えば、1つの完全なポリペプチド配列がレジン上に合
成することができ、つづいて1つ以上の同じか又は異な
るポリペプチド配列を合成することにより、後にレジン
から切り離され、ここで述べたように使用する全多重合
ユニット配列をもつものがつくられる。このようなヘッ
ト−トゥーテイルポリペプチド多重合体は約2から4の
ポリペプチド反復ユニットを含むのが好ましい。
もう一つは、多重合体はモノマーのように使われる本発
明の合成ポリペプチドのポリマーとして合成することが
できる。ここで用いられているように、色々な文法上の
形の“ポリマー”という言葉はポリペプチド結合により
結合している複数の合成ポリペプチド反復ユニットを含
むある型の多重合体として定義される。
本発明の典型的ポリマーはアミノ及びカルボキシル末端
の両方に付加したシステム残基を含む(diCysポリペプ
チド)、本発明のポリペプチドモノマーをつかって合成
することができる。diCysポリペプチドモノマーは、酸
化操作をつかって分子内、ポリペプチド間にシステイン
のジスルフィド結合を形成することができ、免疫原性、
抗原性のポリマーを形成する。そのようにして作られた
ポリマーは反復ユニットとして本発明の複数の合成ポリ
ペプチドを含んでいる。これらの反復ユニットは上記の
酸化したシステイン(シスチン)残基によって結合す
る。
キャリヤーに対するポリペプチドの結合の目的のため
や、ポリマーの合成のために本発明のポリペプチド中に
1もしくは2ケのシステイン残基が存在することは、本
発明のポリペプチド反復ユニットのアミノ酸配列を修正
することとしては解釈されない。
C.接種物 もう一つの具体例には、本発明のポリペプチドは、効果
的な量が投与されたときEBNAと免疫反応する抗体を誘導
することができる接種物又はワクチを作るために薬学的
に許容できる希釈剤でうすめられる。
種々の文法上の型での言葉“接種物”は、ここでは、EB
NAに対する抗体を作るのに用いられる活性成分としての
本発明のポリペプチドを含む混合物をいうのに用いられ
ている。ポリペプチドが抗体を作るのに用いられると
き、そのポリペプチドは単独の場合もあるし、キャリヤ
ーに結合した形もしくは多重合体として使われることが
理解されるが、表現の簡略化の為に、これらのものを、
以後常に表現することは限らない。
約35残基以下のアミノ酸残基を含むポリペプチドに対し
ては、抗体の産生をうながすのにはキャリヤーを使った
方が好ましい。キャリヤーに結合したポリペプチドは、
抗体を作るところで、実際に使われよう。
その接種物はEBNAを発現する細胞を検出する診療上の検
定に使用する為に抗体を産生するのに使うことができ
る。その接種物により産生した抗体は、その細胞表面上
でEBNAを発現するBリンパ細胞に対する受け身免疫を誘
導するための準備に用いることができる。
種々の文法型での言葉“ワクチン”は、ここでは、宿主
動物の能動免疫を誘導するのに使われる活性成分として
本発明のポリペプチドを含むある種の接種物をいうのに
用いられる。能動免疫は抗体の産生を含むので、ワクチ
ンもしくは接種物は同一の成分を含むことがあるかもし
れないが、その使用法は異っている。ほとんどの場合、
ワクチン及び接種物の成分は、多くの動物で有用な補薬
が人間では用いられないことから異なったものとなる。
本接種物又はワクチンは、酸化したポリペプチド末端の
システイン残基を通して互いに結合した個々のポリペプ
チドの重合体のような多重合体、又はキャリヤーに結合
した結合体として本発明のポリペプチドを有効量含んで
いる。しかし、表現の簡略化の為に、本発明のポリペプ
チドの種々の具体化物はまとめて“ポリペプチド”とい
う言葉とその種々の文法型のものによって表わされい
る。
投与当りの有効なポリペプチド量は、他にも考えられる
中で、その技術分野ではよく知られているとおり、接種
される動物種、その動物の体重及び選択された接種法に
依存している。接種物及びワクチンは典型的には接種
(投与)当り約10マイクログラムから約500ミリグラム
のポリペプチド濃度を含んでいる。キャリヤーが用いら
れているときのポリペプチド量は、キャリヤーの重さを
除いたポリペプチドの重さを表わしている。
特別の実例接種物は以後与えられたキャリヤーとポリペ
プチドを加えた重さ(結合物の)で述べられている。
“投与当り”という言葉は、動物に対する1回の投与と
して適する物質的に分離した単位を表わしており、その
各々の単位は、必要な希釈剤、例えばキャリヤー又は賦
形剤と合せて望ましい治療上の効果を上げるのに必要と
計算された予め決められた量の活性物質を含んでいる。
本発明の新たな投与に対する特許説明書は、(a)その
活性物質の独創的特性と達成される特別な治療上の効
果、と(b)動物中で治療の為に使われるそのような活
性物質を混合する技術に基づく制限、を述べているもの
であって、それらは明細書に詳細に公開されており本発
明の特徴をなすものである。
接種物は、典型的には乾燥した固体のポリペプチド結合
物やポリペプチドポリマーを水や、食塩水,リン酸緩衝
食塩水に懸濁することにより調製する。
又接種物は補薬も含むことがある。完全フレンド(Freu
nd)補薬、不完全フレンド(Freund)補薬、みようばん
のような補薬はその技術分野ではよく知られた物質であ
り、いくつかの業者から市販されている。
D受容体 本発明ポリペプチドにより生ずる抗体及び誘導されるす
べての抗体は、そのような抗体から作られる抗体結合部
位同様もう一つの本発明の具体化物を構成している。こ
れらの分子はまとめて受容体と呼ぶ。受容体は先に述べ
た接種物を使う免疫により、ネズミ、ウサギ、ウマその
他のホ乳動物中に生ずる。
適当なモノクローナル受容体、典型的には抗体そのもの
は、参考文献にその陳述が組み込まれているところのナ
イマン(Niman)等らによって“米国科学の進歩”(Pr
o,Natl,Sci.,U.S.A.),80巻,4949〜4953頁(1983年)に
述べられているハイブリドーマ法をつかって調製した。
簡単に、モノクローナル受容体を作るハイブリドーマを
作るために、骨髄細胞又は他の自己増殖細胞系を本発明
のポリペプチドで異常免疫化されたホ乳動物の脾臓から
得られるリンパ細胞と融合した。
骨髄細胞系はリンパ細胞と同じ種由来であることが望ま
しい。典型的には、129GIX+株のマウスは望ましいホ乳
動物である。本発明で用いられるのに適当なマウス骨髄
細胞は、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン感
受性(HAT)の細胞系列P3×63−Ag8.653(ATCC CRL 158
0)、及びSp2/0−Ag14(ATCC CRL 1581)を含んでい
る。
脾臓細胞は典型的にポリエチレングリコール(PEG)150
0を用いて骨髄細胞と融合させる。融合ハイブッドはHAT
に対する感受性で選択することができる。本発明の受容
体分子を産生するハイブリドーマは、以下に述べる原料
と方法のセクションII Dに示す酵素結合免疫吸着検定法
法(ELISA)をつかって同定した。
モノクローナル受容体はハイブリドーマの上清から必ず
しも取る必要はなく、望ましいハイブリドーマを導入す
るホ乳動物の腹水から、一般的にはより高濃度で得るこ
とができる。腹水をつかったモノクローナル抗体の産生
はよく知られていることであり、ここではこれ以上取り
扱わない。
本発明の受容体はそれを生じさせたポリペプチドにも、
また本発明のポリペプチドの免疫学的に類似する、対応
するEBNA抗原性決定部位にも結合する。このように、本
発明のポリペプチドは免疫原でもあり、抗原でもある。
本発明の受容体は、天然のEBNA分子のエピトープと比較
して比較的少ないエピトープを有する免疫原に対して生
じるので、天然のポリクローナル抗体と比べてオリゴク
ローナルと呼ぶことができよう。結果的に、本発明の受
容体はポリペプチドのエピトープと結合する一方、EBNA
により生じた天然の抗体はEBNA分子をとおしてエピトー
プと結合する。
表1で示したポリペプチドに対してウサギ中で生じた本
発明の抗体結合部位を含む典型的な受容体分子はトービ
ン(Towbin)等の“米国科学学会の進歩”(Proc.Natl.
Acad.Sci.,U.S.A)の76巻4350〜4354(1979年)の発表
と、ビリングス(Billings)等の“米国科学学会の進
歩”(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A)の80巻7104〜7108
頁(1983年)の発表の免疫ブロッティング操作法を用い
て研究した。さらに詳しいことは原料と方法のセクショ
ン(II)に述べられている。
本発明の全てのポリペプチドは結合物としてタンパク質
キャリヤーに結合し、以後に述べるように接種物中にウ
サギへの有効量を導入することにより、ウサギの抗ポリ
ペプチド抗体を誘導することが分った。これらの受容体
分子は、EBVで形質転換したヒトのBリンパ球細胞系列W
I−L2、ラジ(Raji)及びダウジ(Daudi)から単離され
る本来のEBNAタンパク質を認識する。
これらの研究のデータを一部図2に示す。コントロール
実験として、EBV感染に陰性なBリンパ細胞のタンパク
抽出物(BJAB細胞;スクリップス(Scripps)臨床及び
基礎研究所から入手可、ラ・ジョラ(La Jolla)カルホ
ルニア(CA))は抗ポリペプチド抗血清と反応するバン
ドは生じなかった。これらのデータは本発明の典型的な
受容体分子はEBV感染に特異的なタンパク質と免疫反応
をおこすことを示している。加えて、本来のEBNAタンパ
ク質に対するウサギの抗ポリペプチド抗体の免疫反応性
は、図2でも示されているように一つの抗原として使わ
れる誘導性免疫原ポリペプチドにより阻害されよう。こ
れらの結果は、特殊型の抗ポリペプチド抗血清はEBNA抗
原性決定因子に特異的であることを示している。
ポリペプチドP62に対するウサギの抗ポリペプチド抗体
はポリペプチドP27,P62,P60及びP89の抗原性の比較を検
討するために競争実験で使われた。この抗体は以後に述
べるイライザ法中の結合型及び非結合型のポリペプチド
と非常によく相互反応を起こした。固相のポリペプチド
P62に対する抗ポリペプチド P62の結合は、その抗体を
予めポリペプチドP62とインキュベートすることにより9
8%阻害された。同様に、ポリペプチドP62に対する亢ポ
リペプチドP62の結合は、ポリペプチドP60により81%、
ポリペプチドP27により36%の阻害をうけた。ポリペプ
チドP89は抗ポリペプチドP62活性を全く阻害しなかっ
た。ヒトのEBV免疫血清もこの抗原決定因子を認識する
かどうかを決めるために、EBV−免疫したリューマチ関
節炎患者の血清(血清1011)をつかった競争実験を行っ
た。図3に示してあるその結果は、抗ポリペプチドP62
をつかったときのものと同様であった。これは、ポリペ
プチドP27,P62,P60が共有している抗原決定因子はEBNA
の天然の免疫原決定因子に類似していることを示してい
る。
E.診断検定システムと方法 ポリペプチドと前に述べたポリペプチドにより生ずる抗
体及び抗体結合部位(受容体);及び本発明の方法は免
疫検定法のような診断上のテストにも用いることができ
る。例えば、そのような診断上の技術には、酵素免疫検
定法、酵素増巾免疫検定技術、(EMIT)、酵素結合免疫
吸着検定法(イライザ法)、放射性免疫検定法(RI
A)、螢光免疫検定法、単一又は二重抗体技術及びその
受容体もしくは抗原が何かの検出可能な目印又は検出手
段でラベルしてあるというその他の技術がある。一般的
なものでは、マジオ(Maggio)の“酵素免疫検定法”
(Enzyme Immunoassay),CRC版,オハイオ州クリーブラ
ンド(1981年)か、ゴールドマン(Goldman M.)の“螢
光抗体法”(Fluorescent Antibody Methods)アカデミ
ックプレス版、ニューヨーク州,ニューヨーク(1980
年)を見よ。それらの方法を行なう際に有用なそれらの
検定法及びシステムの特別な例が以下に論議してある。
1.EBNAの検定 身体試料中のEBNAの存在を検定する方法もここで考慮さ
れている。一般的方法では、検定される検体試料が準備
され、本発明の合成ポリペプチドにより生ずる抗体結合
部位を含む受容体分子と混ぜる。その混合物は検体試料
中に存在するEBNAと受容体分子が免疫反応するのに十分
な予め決めた時間維持する。それからEBNA分子が検定し
た検体試料中に存在するか否かを決める為に免疫反応量
を測定する。
本発明の1つの具体化したものとしてキットとなってい
る実例で示される診断システムは1パッケージ中の本発
明のポリペプチドにより生ずる抗体、潜在的全ての抗体
及びFabやF(ab)′抗体領域のような抗体結合部位
のような本発明の受容体分子を含む検体試料中のEBNAを
検定するのに有効である。又、このシステムは受容体と
その抗原との間の免疫反応の存在を信号化するための指
示方法をも含んでいる。
典型的指示法は125Iと131Iのような放射性同位元素、ア
ルカリホスファターゼ、西洋わさびパーオキシダーゼ、
ベーターD−ガラクトシダーゼ及びグルコースオキシダ
ーゼのような酵素、そしてフルオレセインやローダミン
のような螢光色素を含んでいる。その指示物質は本発明
の受容体と直接結合させることができるし、又、本発明
の受容体に反応(結合)する二次抗体、抗体結合部位又
はスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus a
ureus)(S.アウレウム(aureus))タンパクAのよう
な分離した分子にも結合することもある。
そのような分離した分子指示方法の特別な例としては
125IラベルのS・アウレウス(aureus)タンパク質Aが
ある。
その指示方法は検出するべき免疫反応生成物を妨害せ
ず、本発明の受容体に直接結合させない場合には、その
受容体から分離して包装する。アセトンで固定した末梢
血液リンパ細胞(PBL)スミアのような検体と混合する
とき、その受容体分子はEBNAと免疫反応して免疫反応物
を生じ、その指示方法は、免疫反応生産物の形成を知ら
せる。
EBNAの診断法の1具体例には増巾剤を含む免疫螢光体が
ある。そのような検定において、PBLスミアは平坦な顕
微鏡スライドにアセトンで固定する。本発明に従って生
じた抗体試料、例えばウサギ中で生じたものを一般的に
は約10マイクログラムから約500マイクログラム、よく
知られた技法によりスライドに接触させる。
本発明の末免疫反応抗体を洗い流したあと、もし必要な
らスライド上のすべての非特異的結合部位を典型的には
子ウシ血清アルブミン(BSA)のようなタンパク質でブ
ロックする。
補体又は抗・免疫グロブリン抗体のような第2の試薬
(増巾試薬)、例えばモルモット補体、をテストスライ
ド上でインキュベートすることができる。
この第二のインキュベーションの後に、検定スライド上
の抗体に結合しているものはそのままにして、末反応の
増巾試薬は洗に流す。第3の試薬(指示法)、例えばヤ
ギの抗モルモット補体、をそのテストスライド上でイン
キュベートする。その第3の試薬はフルオレセインイソ
チオシアネート(FITC)、ローダミンBイソチオシアネ
ート(RITC),テトラメチルローダミンイソチオシアネ
ート(TRITC),4,4′−ジイソチオシアノスチルベン−
2,2′−ジスルホン酸(DIDS)及びその他この技術分野
でよく知られているような螢光色素に結合させることに
よってラベルしてある。
この第3のインイキュベーション後、末反応の第3の試
薬は洗い流され、そのテストスライド上の補体に結合し
たFITCでラベルしたヒツジ−抗モルモット補体抗体が残
る。FITCでラベルした第3試薬の存在は螢光顕微鏡をつ
かって検出でき、EBV感染の存在の信号となる。
EBVで感染していると分っているBリンパ細胞につい
て、上に述べより詳細には原料と方法セクションに述
べ、またられている免疫螢光検定法をつかってEBNAの存
在をテストした。表1で示されている各ポリペプチドで
生じたウサギの抗体はEBV感染細胞系列WI−L2中のEBNA
を検出することができる。
上記検定法を遂行するのに有用な望ましい診断システム
で好ましくはキットになったものは、各パッケージ中に
(a)EBNAと免疫反応する本発明の受容体(抗体)、
(b)その受容体と反応するモルモットの補体、抗免疫
グロブリン抗体又はS.アウレウス(Aureus)タンパク質
Aのような補体様の第2の増巾試薬、(c)その増巾試
薬と反応する抗体又は抗体の一部分のような分離した分
子の一部となるか、直接その増巾試薬に結合する指示試
薬、を含んでいる。その指示法は間接的にその増巾試薬
の媒介をとおして、受容体分子とEBNAとの免疫反応の信
号を示す。
上記の増巾試薬と同様、ここに述べられている受容体分
子と診断システムの各指示試薬は溶液、液体分散物又は
凍結乾燥したもののような基本的に乾燥粉末として与え
られる。その指示試薬がその増巾試薬と異なる分子であ
るときは、その指示試薬は別々に包装される。その指示
試薬が酵素であるときは、その酵素基質はそのシステム
の別々に包装した形で与えられる。以前に述べた顕微鏡
スライドのような固体支持体、1種以上の緩衝液及びア
セトンもこの診断検定システム中で各々別々の包装単位
で与えられる。
診断システムに関してここで議論した包装は診断システ
ムで慣習的に使われるものである。そのような包装はガ
ラス及びプラスチック(例えば、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン及びポリカーボネート)のビン,バイアル,プ
ラスチックやプラスチックホイルの薄い外装その他のも
のを含んでいる。
本来の生物学的に活性な全抗体は上に述べられている免
疫螢光検定法のような多くの診断システムには必要では
ない。むしろ免疫学的に活性で、特異的型を含む抗体分
子の抗体結合部位のような抗原結合及び認識受容体部位
が用いられる。そのような抗体結合部位の例は、その技
術分野でよく知られているように各々パパイン及びペプ
シンを使ってタンパク質分解によりつくられるFab及び
F(ab′)のようなその分野でよく知られているもの
である。
2.抗EBNA抗体の検定 本発明のもう1つの診断法は検体中の抗EBNA抗体を検出
するイライザ法である。ここではポリペプチドP62のよ
うな本発明の特に望ましいポリペプチドは抗原として使
われ、そして好ましくはファルマシア・ファイン・ケミ
カル(Pharmacia Fine Chemicals)社(ニュージヤージ
ー州(New Jersey),ピスカタウエイ(Piscataway)か
らセファデックスとして市販されている網状デキストラ
ン,アガロース,網状アクリルアミド,ニトロセルロー
ス又はマイクロタイター板のウェルのような固体マトリ
ックスに結合(吸着)させ固体サポートを作る。
特に望ましいポリペプチドを検定すべき検体と混ぜる。
その混合物を、検体中に存在する抗EBNA抗体がそのポリ
ペプチドと免疫反応するに十分な決った時間維持する。
その免疫反応の存在は検体中の抗EBNA抗体の存在を知ら
せる指示手段で検出した。
上記の方法で用いられる典型的イライザ法は、ポリスチ
レン又はポリビニルクロライド製の12もしくは96ケのウ
エルをもつマイクロタイター板からなる固体マトリック
ス上に吸着した、特に望ましいポリペプチドを含む固体
サポートを使用する。
マイクロタイター板のウェルの壁上の非特異的結合部位
は典型的には子ウシ血清アルブミン(BSA)のようなタ
ンパク質でブロックした。洗浄により未結合のポリペプ
チド及びBSAをマイクロタイターウェルから取り除い
た。
人の血清、血液又は血漿のような検体試料を上記のポリ
ペプチドが結合した固体サポートと混合し、固体と液体
の二相からなる混合物をつくる。その固液相混合物を、
検体中の抗EBNA抗体がポリペプチド抗原と免疫反応する
のに十分な時間維持した。それからその固液相は一般的
に分離する。第2のラベル化した指示手段を含む抗体、
抗体結合部位又はその抗体と反応するS.アウレウス(au
reus)タンパク質Aの溶液を固体相と混合してもう一つ
の固液相混合物を作る。典型的な第2の抗体は最初に述
べた抗体がヒト検出から由来するところのパーオキシダ
ーゼでラベルしたヤキの抗ヒトIg抗体である。さらなる
有用な酵素ラベルはアルカリホスファターゼ,ベーター
D−ガラクトシダーゼ及びグルコースオキシダーゼであ
る。固相と第2のラベル化抗体からなる混合物を最初の
抗体と二つの抗体間の免疫反応のような指示手段の間の
反応物を作るのに十分な予め決められた時間(30分間)
維持する。それから固相及び液相を分離する。
上記の第2の抗体も免疫グロブリンの一種のみに特異的
で、それと免疫反応する(例えば、IgG,IgM,IgE,IgA,Ig
D)。そのような抗体は以下表6に示されるように、検
体中に存在する抗EBNA抗体の免疫グロブリンのクラスを
同定する能力を与える。さらに第2の抗体又は抗体結合
部位は2つのタイプの免疫グロブリンの軽鎖(例えば、
カッパ又はラムダ)の1つに特異的で、それと免疫反応
する。これらの抗体は検体中に存在する免疫グロブリン
分子の同一型を同定する能力を与える。
さらにパーオキシダーゼに対する過酸化水素のような酵
素ラベルに対する基質、アルカリホスファターゼに対す
るp−ニトロフェニルリン酸、又はO−フェニレンジア
ミンのような色形成色素前駆体を含む溶液を固相と混合
する。それから予め選択した波長(例えば、各々490又
は405ナノメーター)での光学濃度を一定時間経過後に
測定し(例えば60分後)、検体中に抗EBNA抗体が存在す
るかどうかを決める為にコントロールの光学濃度と比較
する。
本発明のもう1つの具体例はポリスチレン製の12ウェル
マイクロタイターストリップのような固体マトリックス
とそのマトリックスに吸着固定した本発明のポリペプチ
ドからなる固体サポートを含むキットなった診断システ
ムを含んでいる。またこのシステムは好ましくは、パー
オキシダーゼラベルのヤギの抗ヒトIg抗体のような結合
した指示手段をもつ別々に包装した抗ヒトIg抗体を含
み、またさらに別に包装したO−フェニレンジアミンの
ような色形成色素前駆体と過酸化水素のような結合した
指示手段に対する基質も含まれている。過酸化水素また
は通常比較的に不安定なためにキット中には含まれず、
普通は使用者により補なわれる。このシステムを使用す
る検定に便利な緩衝塩も乾燥物や液体の形で1ケ以上の
分離した包装で包んでいる。ヒトの抗EBNA抗体や抗EBNA
抗体を含まないヒト抗体(正常なヒト抗体)を含む個々
の包装も陽性及び陰性のコントロールとして各々含んで
いる。血清のような検体中の抗EBNA抗体の存在に対する
検定は上記の方法を使ったこの診断システムをつかって
行なわれる。
以前に述べまた後に原料と方法セクション(II)で詳し
く述べるのと同様に典型的なイライザ法は、先に述べた
抗補体免疫螢光(ACIF)を用いて確定した抗EBNA陽性の
血清型の91人の血清中、抗ポリペプチド免疫グロブリン
の存在をスクリーニングするのに用いられていた。その
血清を20分の1の希釈で検定したとき、全ての91検体
は、ポリペプチドP27,P62,P60及びF16,F14,F15に対して
陽性であった。320分の1のより高い希釈率でさえ、91
のEBNA陽性血清中83ケがイライザ法中でポリペプチドP6
2と免疫反応を起こした。このように、ACIFにより確定
した抗EBNA抗体測定値と各血清の抗ペプチド活性には優
れた相関があるように思われる。
加えて、その結果は、ACIFとより単純で容易な本イライ
ザ技法の間の優れた相関を示している。さらに、その結
果は抗EBNA抗体に対する診断検定に対する本発明のポリ
ペプチドの有用性も示している。下の表5にEBVで誘導
した伝染性単核症の収縮前後の2つの検体から得られた
血清の反応性を示している。双方の場合において、ポリ
ペプチドP27,P62,P60と結合した抗体は感染前にはな
く、後で現れてきた。それとは反対に、ポリペプチドP8
9に結合する抗体は産生されなかった。
さらに研究を進めると、27ケの非免疫供与体の以前に報
告した登録簿〔カタラノ(Catalano)等、臨床研究誌
(J.Clin.Invest)65巻、1238〜1245頁(1980年)〕か
らの貯蔵血清を前に述べたイライザ法におけるポリペプ
チドP62とP60に対する結合でスクリーニングした。用い
られた血清のEBV免疫資格はエプスタイン・バール・ウ
イルス外皮抗原(VCA)の存否で定義した。VCAに対する
血清抗体をもたない(VCA-)ものはEBV感染性で、典型
的に抗EBNA抗体は低濃度しかもっていない。各ポリペプ
チドに対する有意な反応性を示す血清は、表5でわかる
ように、なかった。
感染の進行に伴うイライザ法と、ACIF診断法との関連を
試験する為に、8人のカレッジ年令の学生の貯蔵血清で
伝染性単核症の到来後連続的に採取したものをポリペプ
チドP62を用いた前述のイライザ法で試験した。全ての
学生は従来の方法,例えばACIFにより測定されたよう
に、感染後10月から1年にかけて抗EBNA測定値は増加し
た。ヘンル(Henle)等は“伝染病雑誌”(J.Infect.Di
s)の130巻231〜239頁(1974年)に報告している。
検体の半分では、抗P62抗体は、図4中の患者15に対し
て示されているとおり、対応する抗EBNA測定値と平行し
ている。他の半分は、ポリペプチドP62に対する抗体は
その徴候の到来後最初の1カ月で検出される一方、それ
らの抗体はACIF法をつかって最近検出された。これらの
結果は図5中の患者14と2に対して示されている。それ
故、抗P62抗体は抗EBNA抗体が標準的抗−補体免疫螢光
法によって検出される以前に本発明のイライザ法をつか
って検出することができる。
感染性単核症の経過に沿って、ある時間に個体の免疫応
答に主に寄与する免疫グロブリンの分類をするのに、ヒ
トのIgG又はIgMに特異的な2次(指示)抗体を原料と方
法セクション(II)で述べられているようにイライザ法
の中で使う。下の表6はイライザ法中でポリペプチドに
対して測定したEBV感染中の異なる時間からの2個体の
血清をつかった研究の結果である。
このイライザ法をつかって、小さいけれどIgM抗体値が
上昇したということはテストした全ての一連の血清にお
いて再現よく観察できる。イライザ法により測定した免
疫応答はEBV感染中IgMが典型的にIgGの前に現れること
で正常である。IgG抗体の前にIgM抗体が出現することは
表6中、患者15に対して特によく示されている。再び上
の結果はEBVの感染は少なくとも本発明のポリペプチド
の1つと反応する抗体の産生の原因となっている。
より大きな抗ポリペプチドのイライザ法研究において、
先に述べた19のVCA−血清の登録簿をポリペプチドP27,P
62,P60,F12,F13,F14,F15,F16に対してスクリーニングし
た。VCA−血清のどれもが陽性反応を起こさなかった。
典型的データは後の表7に示した。下の表7中に示した
典型的結果はVCA+の個体の全てが各ポリペプチドに対
し陽性、つまり結合すべき抗体をもっていることを示し
ている。
いくつかのリューマチ関節症の患者の血清6イライザ法
でスクリーニングした。これらの結果も表7にまとめて
ある。
正常、VCA陽性(コントロール)及びRA患者間の差は血
清を320分の1に希釈したときに最もよくみることがで
きる。RA患者の抗体レベルは、ウィルコックス・ランク
・サン法(Wilcox Rank Sum Method)をつかって分析し
たとき、この希釈率のときにテストしたすべてのポリペ
プチドに対し有意に高い値であった(有意性99%以
上)。
シーグレン症、全身性エリトマトーデス、(SLE)及び
強皮症(PSS)をもつ患者も高低両血清希釈率について
スクリーニングした。これらの患者グループと正常な人
との間でみられる差異は、ポリペプチドP27,P62,P60,F1
6,F14,F15に対するPSS患者の測定値が比較的高い値であ
ったということだけであった。これらの結果は、かな
り、以前のEBVに関係する感染もしくはそれらの自己免
疫病にEBVを含んでいたことに寄因すると考えられてい
る。これらのデータは診断法としてのイライザ法の有効
性を減じるものではない。
3.能動免疫のための準備 細胞表面にEBNAを発現する潜伏性Bリンパ細胞をもつ患
者を、EBNAと免疫反応をおこす本発明の合成ポリペプチ
ドにより生ずる本発明の受容体、望ましくは全抗体で処
理することができる。その受容体は薬学的に許容できる
希釈剤中に分散させた有効量の受容体を含む単位服用量
の形で与えられる。
そのような抗体の有効量とはその抗体の反応性や種類に
よって異なる。一般的には、患者の体重キログラム当
り、約0.5ミリグラムから約25.0ミリグラムが有効と考
えられている。その抗体は、3から20日間隔で数回、静
脈内、筋肉内、又は腹膜内に投与される。またその抗体
は外科的もしくは科学的処理と共に与えることもある。
その抗体は、前述の接種物をつかった、本発明のポリペ
プチドにより抗体を生じさせる処理をほどこした患者と
異なる動物種の血清や血漿から得ることができる。ま
た、その抗体は、その分野ではよく知られている技術を
つかってハイブリドーマ細胞を調製することにより、腹
水溶液のようなモノクローナルなものから得ることもで
きる。免疫複合体が生じたときに補体を活性化する能力
があるという理由で、抗体そのものが結合部位として望
ましい。
II.方法と原料 A.ポリペプチドの合成 本発明のポリペプチドは、メリフィールド(Merrifiel
d)等の米国化学会誌(J.Am.Chem,Soc,)85巻,2149〜21
54頁(1963年)とホーテン(Houghten)等の国際ペプチ
ド及びタンパク質研究誌(Int,J,Pept,Prot.Res.)16
巻、311〜320頁(1980年)に述べられている固相法によ
り化学合成した。ペプチド合成の固相法は、米国、カル
フォルニア州ベーカリーのベックマンインスツルメント
社(Beckman Instrument Co,)から市販されているベッ
クマンモデル990Bポリペプチド合成機をつかって行なっ
た。
接種物中で用いられた35残基以下のポリペプチドに対し
ては、システイン残基をアミノ末端もしくは、カルボキ
シル末端に付け加えて以下に述べるタンパク質キャリヤ
ーへの結合を助けた。全てのポリペプチドの組成はアミ
ノ酸分析により確かめた。
上記固相法による本発明の合成ポリペプチドを作るに当
り、アミノ酸残基をカルボキシル末端残基からエステル
結合をとおして樹脂(固相)に結合した。ポリペプチド
がシステイン残基を経由してキャリヤーに結合される
か、もしくは末端のシステイン残基を経由して重合され
るときには、樹脂にエステル結合するカルボキシル末端
残基としてシステイン残基を用いるのが便利である。
各々付け加えるアミノ酸のアルファアミノ基は、そのア
ミノ酸が成長するポリペプチドに加えられる前にターシ
ャリーブトキシカルボニル(t−BoC)基で保護する。
そのt−BoC基は成長するポリペプチド鎖に次のアミノ
酸を結合させる前に除かれる。
また、反応性アミノ酸側鎖もポリペプチド合成の間保護
しておく。通常側鎖保護基には次のようなものが使われ
る。チロシンに対してはO−(p−ブロモベンジロキシ
カルボニル),スレオニン,セリン,アスパラギン酸,
グルタミン酸にはO−ベンジル,システィンにはS−メ
トキシベンジル,ヒスチジンにはジニトロフェニル,リ
ジンには2−クロロベンゾキシカルボニル,アルギニン
にはトシルの名基である。
保護したアミノ酸は薄層クロマトグラフィーで単一スポ
ットを与えるよう適当な溶媒で再結晶する。結合反応
は、最初のN末端アミノ酸のミリ当量数当り10倍モル過
剰の保護アミノ酸とジシクロヘキシルカルボジイミドを
加えて行なうのが典型的である。また両試薬を2倍モル
量使うこともある。アスパラギンに対しては、保護アミ
ノ酸に対して当モル量のN−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールを加え、溶媒としてはジメチルホルムアミドを使
う。全ての結合反応はギシン(Gisin)が分析化学(Ana
l,Chem.Acta.)の58巻、248〜249頁(1972年)に発表し
たピクリン酸試験により、99%以上進行していた。
望みどおりのポリペプチドを合成した後、生成した保護
ポリペプチド(約1グラム)を2ミリリットルのアニソ
ールで処理し、約20ミリリットルの無水フッ化水素をつ
かって、ドライアイス温度で、反応容器中に濃縮した。
生じた混合物を約1時間4℃でカクハンし、保護基を切
るとともに樹脂からポリペプチドをはずした。窒素気流
中、4℃でフッ化水素をとばしたあと、残査を無水のジ
エチルエーテルで3回抽出し、残査を減圧下で乾燥し
た。
真空乾燥した物質を5%酢酸で抽出し(50ミリリットル
で3回)、樹脂から遊離したポリペプチドを分離した。
抽出物を含有する溶液を凍結乾燥して、単一の酸化をう
けていないポリペプチドを得る。
生成した合成ポリペプチドは、抗EBNA抗体を検出する酵
素結合免疫吸着法(イライザ法)での試薬として使うこ
とができる。またその合成ポリペプチドは、それをキャ
リヤーに結合して結合の体形にし、以後に議論するよう
に生理学的に許容できる希釈剤にその有効量を分散させ
ることによって、接種物を作るのに用いることができ
る。
また、本発明の合成多重合体は、ひとつのポリペプチド
のカルボキシル末端と別のポリペプチドのアミノ末端が
アミド結合で端と端が(ヘッド−トゥーティルに)結合
する、本発明の複数のポリペプチドの固相合成により合
成することができることに注目されよう。そのような合
成多重合体は好ましいことにひとつの長いポリペプチド
多重合体として合成されるが、また個々のポリペプチド
として合成し、引きつづいて水中での1−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドのよう
なカルボジイミド試薬を用いて互いに結合させるように
作ることもできる。ひとつの単一ポリペプチドとして合
成するときの多重合体中に含まれるアミノ酸残基の総数
は約50ケ以下が望ましく、結果として、本発明の約8ケ
のポリペプチドは、単一のポリペプチドとして合成する
単一のヘッド−トゥーティル多重合体鎖の中に組み込む
ことができる。合成ヘッド・トゥ・ティル多重合体は、
より望ましくは本発明の2から約4ブロックの結合した
合成ランダム共重合ポリペプチドを含んでおり、そして
総数約40ケ以下のアミノ酸残基を含んでいる。
B.ポリマーの調製 本発明のポリペプチドは互いに結合して多数のポリペプ
チド反復ユニットを含む抗原性もしくは免疫原性ポリマ
ー(合成多重合体)を形成する。そのようなポリマーは
典型的に増加した免疫原性及び抗原性をもつという有利
さがある。加えて、重合性免疫原がつかわれるならキャ
リヤーは一般的に必要とはしない。ポリマーを作るさい
に異なるポリペプチドモノマーが使われたならば、いく
つかのEBNA抗原性決定因子に対する抗体と免疫反応をす
る能力が得られる。さらに、いくつかのEBNAの抗原性決
定因子と免疫反応する抗体を誘導する接種物中につかわ
れるとき、そのようなポリマーの能力は有利なものであ
る。
本発明のポリマーは、上記のようにポリペプチドを合成
し、“ジシステイン末端”ポリペプチドを作る為に、ア
ミノ末端とカルボキシル末端にシステイン基を含ませる
ことにより合成する。例えば、表1のポリペプチドや表
2のD1とD2のポリペプチドは、その還元型でジシステイ
ン末端ポリペプチドを与えるべく、アミノ及びカルボキ
シル末端に付加的なシステイン残基を含むよう合成す
る。合成後、典型的実験室規模の合成においては、10ミ
リグラムのジシステインポリペプチド(非酸化型のシス
テイン残基を含む)を0.1Mのアンモニウム・ビカーボネ
ート緩衝液250ミリリットルにとかす。それからその溶
解したジシステイン末端のポリペプチドを空気中で約18
時間、もしくはエルマン(Ellman)試験でメルカプタン
が検出されなくなるまで、その溶液をゆっくり攪拌し空
気酸化させる。「エルマン(Ellman)の生化学、生物物
理学の記録(Arch.Biochem,Biophys.)82巻,70〜77頁
(1959年)を見よ)。
そのように合成したポリマー(合成多重合体)はシステ
イン(シスケン)残基を酸化することにより共に結合し
た合成ランダム共重合ポリペプチド反復ユニットを複数
含んでいる。典型的にはそのようなポリマーは、ヘッド
・トゥ・ヘッド及びティル・トゥ・ティル型、つまり、
両方のポリペプチドの末端の結合基が同一となるよう
な、二つのポリペプチド反復ユニットのアミノ末端が、
2つのカルボキシル末端のときと同様、ひとつのシステ
イン残基をとおして互いに結合することができる。
C.キャリヤーへの結合 合成ポリペプチドは、リウ(Liu)等が“生化学”(Bio
chem.)の80巻690頁(1979年)に発表した方法により、
キャリヤーとしてのキーホール・リンペット・ヘモシア
ニン(KLH)に結合させる。簡単に言うと、4ミリグラ
ム(mg)のキャリヤーをm−マレイミドベンゾイル−N
−ヒドロキシサクシンイミドエステル0.51mgで活性化
し、引き続いて、アミノ又はカルボキシル末端のシステ
インを通して5mgのポリペプチドと反応させ、約10から3
5重量パーセントのポリペプチドを含む結合物を作る。
合成ポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に1ケ
以上のアミノ酸残基を付加し、キャリヤーへのポリペプ
チドの結合を助ける。前に議論したように、合成ポリペ
プチドのアミノ又はカルボキシル末端に付加したシステ
イン残基はジスルフィド結合によりポリマーを形成する
のに特に有用であることが分る。しかし結合物を作る上
で、この分野でよく知られている他の方法も使われる。
典型的なこれ以外の結合操作には、クリプスタイン(kl
ipstein)等が伝染病雑誌(J.Infect.Dis.)の147巻、3
18〜326頁(1983年)に報告したグルタルアルデヒドの
ようなジアルデヒド、ミカエル(Michael)付加反応生
成物やその他のものの使用、もしくは合成多重合体を複
数のポリペプチドを互いに結合して作るときに議論した
ように水溶性カルボジイミドを使用してキャリヤーへの
アミド結合を作るときのようなカルボジイミド技術の使
用を含んでいる。
有用なキャリヤーはこの分野ではよく知られており、一
般的にはタンパク質そのものである。そのようなキャリ
ヤーの典型的なものには、キーホール・ヘモシアニン
(KLH)、エデスチン,シログロブリン、子ウシ血清ア
ルブミン(BSA)又はヒト血清アルブミン(HSA)のよう
なアルブミン、ヒツジの赤血球(SRBC)のような赤血
球、テタナス・テクソイド、ポリ(D−リジン、Dグル
タミン酸)のようなポリアミノ酸同様のコレラ・トキソ
イド及びその他のものがある。
この分野ではよく知られているように、中間的結合基を
つかって合成ポリペプチドをそのキャリヤーに結合する
のはしばしば有益である。上述のように、グルタルアル
デヒドはそのような結合基の一つである。しかし、シス
テインを用いるときには、その中間結合基はここで用い
るように、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシ
サクシンイミド(MBS)が望ましい。
さらに、リウ(Liu)等が以前に公開したように、MBSを
エステル−アミド交換反応によってそのキャリヤーに最
初に付加する。その後、その付加の次にマレイミド二重
結合へのチオ酢酸(CH3COSHのようなブロックされたメ
ルカプト基の付加をさせることができる。アシル保護基
の切断後、ジスルフィド結合を脱保護した結合基メルカ
プタンと合成ポリペプチドの付加させたシステイン残基
の間にジスルフィド結合を形成させる。
キャリヤーの選択は抗原の決定因子領域よりは、抗原の
最終的な使用に依存しており、本発明に特に含まれてい
ない規準に基づいている。例えば、接種物が動物に使用
されるならば、特別な動物中で都合の悪い反応が起こら
ないキャリヤーを選らぶべきだろう。
D.イライザ法 抗ペプチド抗体の結合や阻害の研究は酵素結合免疫吸着
検定法(イライザ法)により以下に述べられるように行
う。
簡単に言うと、1ミリリットル中10マイクログラムの濃
度のポリペプチドを含むBBS(10ミリモラー(mM)のホ
ウ酸ナトリウム(pH8.3)、150mM塩化ナトリウム)を10
0マイクロリットル加えることによりマイクロタイター
ウェル(コスター(Costar)製、マイアミ州、ケンブリ
ッジ3590番)を抗原としての個々のポリペプチドでコー
トする。ウェルと抗原を含む溶液の接触を予め決められ
た、典型的には15分の間、20℃に保ち、抗原でコートし
た固相を作る。固相と液相を分離し、BBSで三度洗浄す
る。
非特異的結合部位を各ウェルに1%の子ウシ血清アルブ
ミン(BSA)を200マイクロリットル加えて、別の固液相
混合物を作ることにより阻害し、その固液相を30分間20
℃に保つ。その相を分離し、過剰で未結合のBSAをBBSで
3度洗って取り除く。
ウェル当り、BBSで20分の1に希釈した血清を100マイク
ロリットル加えることにより固液混合相を作り、ウサギ
やヒトの血清(検体試料)の抗ポリペプチド活性を検定
した。希釈した血清と抗原をコートした固相の接触を1
時間のような、予め決められた時間、20℃に保ち、免疫
反応物を生成させる。固相液相を分離し、それから固
相、この場合は抗原をコードし、免疫反応物を含むウェ
ルをBBSで三度洗う。
吸着したポリペプチドと免疫反応したヒト血清中の抗体
をアルカリホスファターゼを結合したヤギの抗ヒトIg抗
体(カリフォルニア州、バーリントン(Burlington)タ
ゴ製(Tago))を含む指示手段をつかって検出した。
吸着したポリペプチドと免疫反応するウサギ血清中の抗
体を、アルカリホスファターゼを結合したヤギの抗ウサ
ギIg抗体(カーケガード(Kirkegard)とペリー(Perr
y)研究所製、MD州、ガイサースバーグ(Gaithersber
g))を含む指示手段をつかって検定した。いずれの場
合でも、100マイクロリットルのBBSで300分の1に希釈
した指示抗体を各ウェルに加え、さらに固液相混合物を
作る。この個液相混合物を予め決めた時間、1時間20℃
に保ち、固相に結合したヒト抗体と指示手段との反応生
成物を形成させる。その相は分離し、固相はBBSで3度
洗う。
ポリペプチド特異的抗体へ結合したアルカリホスファタ
ーゼ結合の抗体をp−ニトロフェニルリン酸のp−ニト
ロフェニルへの酵素的加水分解を分光学的測定する。簡
単にいえば、100マイクロリットルのp−ニトロフェニ
ルリン酸(2mM塩化マグネシウム(pH9.8)、50mM炭酸ナ
トリウム中1ミリリットル当り1ミリグラムの)を各ウ
ェルに加える。酵素反応を1時間進行させ、カリフォル
ニア州イングルウッド(Inglewood)のフロー研究所(F
low Laboratories)から市販されているタイターテク
(TITERTEK)分光光度計で405nmの光学濃度を測定し
た。
E.細胞培養 細胞中で生産されたEBNAと免疫反応する本発明の受容体
分子の能力を以下に述べるようにW1−L2,ラジ(Raj
i),ダウジ(Daudi)及びBJAB細胞系列をつかって研究
した。W1−L2細胞(MD,ベセスダ(Bethesda;米国培養物
収集(American Type Culture Collection)のATCC CRL
8155 WIL2−NS)は遺伝性スフェロサイティック、貧血
症のヒト患者から誘導したEBV陽性非産生B−リンパ球
系列の1種である。レビー(Levy)等のガン(Cancer)
22巻517〜524頁(1968年)の報告をみよ。
ラジ(Raji)細胞(MD.ベセスダ(Bethesda)、米国培
養物収集物、ATCC CCL 86)はバーキット(Burkitt)リ
ンパ球からのEVB遺伝子陽性、EBNA産生リンパ球様細胞
の1種である。エプスタイン(Epstein)の国際ガン研
究誌(J.Nat.Cancer Inst.)34巻、231頁(1965年)の
報告をみよ。ダウジ(Daudi)細胞(MD,ベセスダ(Beth
esda)の米国培養物収集物、ATCC CCL.213)もEBNA産生
細胞系列の1つである。BJAB細胞はカリフォルニア州、
ラ・ジョラ(La Jolla)のスクリップス(Scripps)臨
床及び基礎研究所から市販されている非EBNA産生のリン
パ球細胞系列のひとつである。
上記細胞系列は2mMのL−グルタミンと10%の胎児の子
ウシ血清を補ったRPMI 1640培地(ムーア(Moore)の米
国医学会誌(J.Am.Med.Assoc.)199巻519〜524頁(1967
年)、及びモートン(Morton)のイン・ヴィトロ(In V
itro)、6巻89〜100頁(1970年)の報告を見よ)で培
養した。
F.全細胞抽出物 EBNA産生及び非産生(コントロール)細胞の抽出物を、
本発明の受容体がEBNA発現を診断するのに有効かどうか
判断する為に調製した。上に述べた培養物からの細胞
を、0.2mMのフェニルメチルスルホニルフルオライドを
含むリン酸緩衝食塩水(PBS、150mM塩化ナトリウム、10
mMリン酸ナトリウム、pH7.4)で洗い、網状赤血球標準
緩衝液(RSB、10mM塩化ナトリウム,10mMトリス−塩酸,p
H7.4、1.5mM塩化マグネシウム,0.2mMフェニルメチルス
ルホニルフルオライド)中5分間膨張させ、0.2〜0.35
モル濃度(M)の塩化ナトリウムに調整した3〜5倍容
のRBS中で超音波処理して破壊した。氷中に30分間置い
た後、その超音波処理物を細胞破片を除くために、10,0
00xgで15分間の遠心分離にかけた。
G.免疫ブロッティング操作 上記細胞抽出物を、本発明の抗EBNA抗体又は典型的な受
容体分子を含むと知られているヒト血清をつかってEBNA
に対する検定を行った。抽出物に2倍容のエタノールを
加え、−20℃で約18時間処理することにより沈殿させ濃
縮し、試料緩衝液(SB、10%グリセリン,2%2メルカプ
トエタノール,1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、0.0
02%ブロムフェノールブルー,40mM Tris−HCl(pH7.4)
にとかすか、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS−PAGE)の試料緩衝液で6倍に希釈した。7.5%ポリ
アクリルアミドゲルを作り、リムリ(Laemmli)が自然
(Nature)の277巻、680〜685頁(1970)に発表した手
順に従って、レーン当り、50〜200マイクログラムのタ
ンパク質量をチヤージして泳動した。
電気泳動後、SDSポリアクリルアミドゲルからのタンパ
ク質のバンドをトービン(Towbin)等が米国科学会の進
歩(Pro.Natl.Acad.Sii.U.S.A.)の76巻4350〜5354頁
(1979年)に報告した手順に従って、ニトロセルロース
シート(MI、デトロイト、シレイチャー・アンド・シュ
エル(Schleicher & Schuell)製)状の固体支持体へ
電気泳動的に移行させた。これは、12.5mMのトリスヒド
ロキサイド、96mMグリシン及び20%メタノール中、70ボ
ルトで2〜3時間、バイオ・ラド製(Bio−Rad)トラン
ス・ブロット装置(カリホルニア、リッチモンド(Rich
mond)、バイオラド(Bio−Rad)社)をつかって行っ
た。
移行につづいて、ニトロセルロースフィルター又はブロ
ットは、非特異的結合を減らす為にPBS中、2%BSA(w/
v)もしくはPBS中2%のパウダーミルク(w/v)溶液で
1時間飽和させた。そのブロットを37℃で1時間、PB
S、又は2%ミルク2ml中にEBNA陽性ヒト血清もしくはウ
サギの抗ポリペプチド抗体0.1mlを加えた溶液で免疫反
応を起こさせた。
EBNAタンパク質に結合した抗ペプチド抗体はそのブロッ
トを指示試薬と反応させることにより検出した。この例
としては、20mlの125Iでラベルした(ミリリットル当り
毎分200,000カウント、ミリグラム当り毎分106カウン
ト)S.アウレウム(Aureus)タンパク質A(カリフォル
ニア、ラ・ジョラ(La Jolla)カルバイオケム(Calbio
chem)社)を37℃で30分間、免疫反応物と接触させた。
そのブロットをPBSで洗い、−70℃で一晩、コタック(K
odak)のXAR x−線フィルムに露光させた。
H.免疫 本発明の受容体分子は上述のポリペプチドもしくは多重
合体を含む接種物で免疫化することによって、そのホ乳
動物内に生ずる全抗体を含んでいる。ポリペプチドも多
重合体も単独か又はキーホール・リンペットヘモシアニ
ン(KLH)のようなキャリヤータンパク質に結合した形
で使用される。しかし、ポリペプチドは結合体として、
多重合体は単独で使われることが望ましい。
ウサギは完全フレンドアトバント(complete Freund′s
adjuvant)中1.0mgの結合体を含む接種物で免疫化さ
れ、1カ月後、不完全フレンドアドバント(imcomplete
Freund′s adjuvant)中1.0mgの結合体を含むものでさ
らに増進させた。各免疫は尻の皮下注射で行った。
ウサギは増進接種後1から2カ月で採血された。
免疫学的に活性な抗体を含む血清はその分野ではよく知
られている方法により、血液からつくられた。これらの
抗体は本発明の1種以上のポリペプチド及びEBNA抗原性
決定因子と免疫反応を起こした。それらはEBNAを検定す
るシステム中で利用された。
個々の接種物を次のようにCFA又はIFAをつかって調製し
た。接種当りの望ましいポリペプチド量(例えば1mg)
を与えるに十分な結合物は、pH7.2のPBS(約0.5ml)に
溶かした。さらに同量のCFA又はIFAを結合物溶液に混
ぜ、水−油比が1対1の結合物、水及びアドバントを含
む接種物を作った。その接種物は、その後、均一化し接
種物とした。そのように調製した接種物の体積は典型的
には1mlで、結合物、PBS及びアドバントのいくらかはエ
マルジョン化の間に失なわれている。実質的に回収され
たすべてのエマルジョンを注射筒に入れ、前述のように
ウサギに導入する。ウサギに導入した接種物量はエマル
ジョン化の前に存在したものの約90%あると考えられて
いる。
上記の接種物ストック溶液は本発明の接種物の実例であ
る。ここで説明しているように、それらは、EBNAと免疫
反応する受容体分子を産生するのに使用することができ
る。
I.免疫螢光操作 もう一つの検体中のEBNAを検定する方法は本発明の受容
体分子と受容体−EBNA免疫反応産物を検出するための螢
光指示手段を利用するものである。
本発明において、上記のように増殖させた2×104個WI
−L2細胞を細胞遠心機(サイトスピン(cytospin),シ
ャンドン・サウザーン(Shandon Southern),アストモ
ア(Astmoor),ランコーン(Runcorn),チシール(Ch
esire),英国)をもちいて、平坦な顕微鏡スライド上
に広げた。20℃で5分間、空気乾燥したあとで、細胞を
アセトンで2分間固定し、20℃で2分間空気乾燥する。
そのスライドは使用するまで−20℃で保存する。
固定したWI−L2細胞について、ポリペプチドP27,P60,P6
2,P89で生ずるウサギの抗ポリペプチド抗体(本発明の
受容体)をつかってEBNAに対する検定を行った。VBS緩
衝液(120mMバルビトールpH7.3,144mM塩化ナトリウム,
2.5mM塩化マグネシウム,0.75mM塩化カルシウム)で10分
の1に希釈した各ウサギ抗血清50μを抗体とEBNAが免
疫反応するのに十分な予め決めた時間(例えば30分
間)、スライド上20℃でインキュベートした(固定細胞
と接種を保った)。陰性コントロールスライドを正常ウ
サギ血清をつかって同様の処理を行った。
上記インキュベーションの間、抗ポリペプチド抗体の一
部は、固定化したWI−L2細胞中に存在するEBNAと免疫反
応した。未反応の抗体はVBSで洗うことにより取り除
き、スライド上にはEBNA−受容体免疫反応産物が残る。
EBNAに結合した抗ポリペプチド抗体は最初はVBSで10倍
に希釈したモルモットの補体(タゴ(Tago),バーリン
ガム(Burlingame),カリホルニア州)50μを各スラ
イドと、その補体が受容体と結合するに十分な時間(30
分間)インキュベーションすることによって検出され
る。それからそのスライドをVBSで洗浄し、ウサギの抗
ポリペプチドIgGに結合していない補体をとり除いた。
フルオレセインでラベルしたヤギの抗モルモットC3(ラ
ベルした抗補体抗体、カペル研究所(Cappel Laborator
ies)、コクランビル(Cochranville)、PA)をその抗
原抗体補体複合体を検出するのに使った。VBSで20倍に
希釈した50μの指示抗血清を上記のように30分間20℃
で各スライドについてインキュベートした。未結合のヤ
ギ抗モルモットC3はVBSでスライドから洗い流した。そ
れから免疫反応産物を螢光顕微鏡をつかって観察した。
J.円二色スペクトロスコピー ポリペプチドの構造的性質を、そのポリペプチドがヒト
の抗EBNA抗体と免疫反応するのに必要とする二次構造を
明確にするために研究した。そのポリペプチドをリン酸
緩衝食塩水中に1mg/mlの濃度となるように溶解した。ス
ペクトルを試料1mlをつかって、デジタル・イクウィッ
プメント・コーポレーション(Digital.E.quipment Cor
poration)11/02 コンピューター(デジタルイクウィ
ップメントコーポレーション(Digital Equipment Corp
oration)、メイナード(Maynard)、マイアミ)と連
結、自動化したキャリー(Cary)61分光偏光光度計(キ
ャリー・インスツルメント(Cary Instruments)、アプ
ライド・フィジックス・コーポレーション、(Applied
Physics Corp.)、モンロビア(Monrovia)、カルホル
ニア)で測定した。各ポリペプチド10回連続スキャンの
平均を図1に示したようにプロットした。
前記のものは本発明の実例を示したものでそれを制限す
るものではない。多くの多様化や修正が、本発明の新し
い概念の真の精神や観点から離れることなしに有効とす
ることができる。
ここに例としてあげられる特別のポリペプチド、抗体、
それらの混合物及び使用法はなんら制限を意味したり議
論したりするものではないことを理解するべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 39/385 9284−4C 39/395 9284−4C G01N 33/569 8310−2J (72)発明者 ローデス ゲアリー アメリカ合衆国 カリフオルニア州 92024 リユーカデイア バーガンデイ ロード 1618 (72)発明者 ホーテン リチヤード アメリカ合衆国 カリフオルニア州 92075 ソラナ ビーチ フオード アベ ニユー 558 (56)参考文献 Proc. Natl. Acad. Sci. USA,Vol.80 No.18 (1983)P.5665−5669

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】約21個までのアミノ酸残基を有する化学的
    に合成されたポリペプチドであって、以下のアミノ酸残
    基配列: (i)−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−; (ii)−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−; (iii)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−; (iv)−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−; (v)−Gly−Asn−Gly−Leu−Gly−;及び (vi)−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−; からなる群から選択される5個のアミノ酸残基配列を含
    み、 また、左から右にアミノ末端からカルボキシル末端の方
    向に記載した場合に −Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly− で示されかつ前記5個のアミノ酸残基配列と重複する6
    個のアミノ酸残基配列を有し、 少なくとも50モル%のグリシン残基を含み、 更に、EBNAによって誘導されるヒト抗体と免疫反応する
    ことができる、 ことを特徴とする合成ポリペプチド。
  2. 【請求項2】約14〜21個のアミノ酸残基を有しかつ左か
    ら右にアミノ末端からカルボキシル末端の方向に記載し
    た場合に、以下のアミノ酸配列を有する群から選択され
    るアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項記載の化学的
    に合成されたポリペプチド。 (i)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Al
    a−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg−; (ii)−Lys−Gly−Thr−His−Gly−Gly−Thr−Gly−Al
    a−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gl
    y−; (iii)−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−G
    ly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−A
    la−Gly−; (iv)−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Al
    a−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−; (v)−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gl
    y−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gl
    y−Ala−Gly−; (vi)−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gl
    y−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−; (vii)−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−A
    la−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−;及び (viii)−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−
    Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−。
  3. 【請求項3】左から右にアミノ末端からカルボキシル末
    端の方向に記載した場合に、以下のアミノ酸配列を有す
    る群から選択される、請求の範囲第2項記載の化学的に
    合成されたポリペプチド。 (i)H−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−
    Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg−OH; (ii)H−Lys−Gly−Thr−His−Gly−Gly−Thr−Gly−
    Ala−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−
    Gly−OH; (iii)H−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly
    −Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly
    −Ala−Gly−OH; (iv)H−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−
    Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−OH; (v)H−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−
    Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−
    Gly−Ala−Gly−OH; (vi)H−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−
    Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−OH; (vii)H−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly
    −Ala−Gly−Gly−Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−OH;
    及び (viii)H−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−Ala−Gly−Gly
    −Gly−Ala−Gly−Gly−Ala−Gly−OH。
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