JPH0678289U

JPH0678289U - 鏡餅型のお供え容器

Info

Publication number: JPH0678289U
Application number: JP024952U
Authority: JP
Inventors: 昭夫中井
Original assignee: 有限会社ナカイ
Priority date: 1993-04-14
Filing date: 1993-04-14
Publication date: 1994-11-04

Abstract

(57)【要約】【目的】鏡餅型のお供え容器の内部に小餅やもち米、砂
糖などのお供え品を収納させ、その容器自体を鏡餅と看
做して、神棚などへ違和感なく供え使用後、これから取
り出したお供え品を細かく切断する必要もなく、即刻食
することができるようにする。【構成】小餅やもち米、砂糖などのお供え品（Ｍ）を収
納する大容器（Ａ）と、その開口上部に被冠される小キ
ヤツプ（Ｂ）とを、不透明な熱可塑性合成樹脂から平面
視の同芯円形で、且つ側面視の相似なほぼ楕円形に成形
すると共に、上記大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）とを
その境界位置に陥没する凹周溝（１３）において、相互
の積み重ね状態に且つ抜き差し自在として差し込み嵌合
させることにより、その全体的な鏡餅形状に造形した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鏡餅型のお供え容器に係り、殊更その内部に小餅やもち米、砂糖などのお供え品を収納させ、その容器自体を鏡餅と看做して、神棚などへ違和感なく供え使用後、これから取り出したお供え品を細かく切断する必要もなく、即刻食することができるように至便化したものである。

【０００２】

【従来の技術】

透明又は半透明の熱可塑性合成樹脂から、上段小容器と下段大容器とが平面視の同芯二重円として、且つ内部の連通状態に一体成形された充填容器内へ、搗きたての餅を流し込み充填し、その後に加熱殺菌・冷却固化させて、その容器による包装状態の鏡餅（通称−包装鏡餅）として販売することが行なわれている。

【０００３】その容器については、例えば特開昭５５−８５３７１号に記載の真空成形品と、実公平１−２０３０２号に記載のブロー成形品との２種が公知であるが、その何れも下段大容器の底面に開口する餅流し込み口が、合成樹脂フイルムのヒートシールによって密閉されていることに変りはない。

【０００４】そこで、このような包装鏡餅を購入した一般需要者は、その神棚などへの供え使用後、上記容器の全体又は一部を刃物により切断して、剥ぎ取り解体した上、その露出した鏡餅を更に細かく切断することにより、食用に供している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記包装鏡餅の大型品では勿論のこと、その小型品でさえも容器を切断して剥ぎ取ることが困難である。蓋し、その容器は硬質な合成樹脂の皮膜をなし、且つ鏡餅としての丸味を帯びた全体形状であるため、刃物が滑りやすく、その作業には危険を伴なうからである。

【０００６】又、その容器を剥ぎ取れたとしても、鏡餅は上下２段の団塊であり、硬く固化している関係上、これを更に細かく切断することも容易でなく、往々にして見苦しく且つアツトランダムな大きさに破壊してしまう結果となり、賞味を害する。

【０００７】しかし、それだからと言って、鏡餅を神棚などへ供える習慣には、旧態依然として中止できない普遍性があり、又一般家庭では搗きたての餅から美麗な鏡餅として、その形状を整えることができず、更に裸体状態での供え使用中には、亀裂や黴なども発生することとなる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案はこのような課題の改良を企図しており、上記包装鏡餅に代る鏡餅型のお供え容器として、小餅やもち米、砂糖などのお供え品を収納する大容器と、その開口上部に被冠される小キヤツプとを、不透明な熱可塑性合成樹脂から平面視の同芯円形で、且つ側面視の相似なほぼ楕円形に成形すると共に、上記大容器と小キヤツプとをその境界位置に陥没する凹周溝において、相互の積み重ね状態に且つ抜き差し自在として差し込み嵌合させることにより、その全体的な鏡餅形状に造形したことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

本考案の上記構成によれば、お供え容器の全体として美しくリアルな鏡餅形状をなしており、その大容器内に収納された小餅やもち米、砂糖などのお供え品は、外部からの透視不能に保たれているため、従来の包装鏡餅と違和感なく同一視でき、その容器自身を鏡餅と看做して、従来からの習慣通りに神棚などへ供え使用し得るのである。

【００１０】又、上記大容器の容器本体と小キヤツプは、その境界位置の凹周溝において、抜き差し自在に差し込み嵌合されているため、その嵌合状態として鏡餅形状の美麗さを少しも害しないほか、そのお供え品の出し入れ作業をすばやく軽快に行なえ、そのお供え品を細かく切断する必要もなく、即刻食用に供することができる。

【００１１】更に、お供え品の取り出し上、容器を切断・解体する必要がなく、その大容器と小キヤツプは抜き差し自在に差し込み嵌合されているため、そのお供え容器を何度でも反復使用することができ、その意味からも著しく便利であり、省エネルギー効果に優れる。

【００１２】

【実施例】

以下、図面に基いて本考案の具体的構成を詳述すると、先づ図１、２はその第１実施例に係るお供え容器を示しており、（Ａ）は不透明なポリエチレンやポリプロピレン、その他の熱可塑性合成樹脂からブロー成形された上部開口型の大容器であって、その容器本体（１１）が平面視の円形で、且つ側面視のほぼ楕円形をなしている。

【００１３】（１２）はその容器本体（１１）の中心から上方へ一定高さ（ｈ１）だけ連続一体に張り出された差し込み口筒であって、その円周面が上方へ行く程徐々に内向く傾斜平滑面として造形されている。つまり、その差し込み口筒（１２）における張り出し先端部での外径（ｄ１）が、同じく張り出し基端部での外径（ｄ２）よりも小さく寸法化されているのである。

【００１４】又、（１３）は上記容器本体（１１）の円弧上端部と、その差し込み口筒（１２）の張り出し基端部との境界位置に陥没する凹周溝であり、ここには小キヤツプ（Ｂ）の開口下縁部が受け入れ係止されるようになっている。

【００１５】その小キヤツプ（Ｂ）は上記大容器（Ａ）と同じ不透明な合成樹脂から、その容器本体（１１）よりも小さな相似形状にブロー成形されているが、その下部は開口されている。

【００１６】しかも、その小キヤツプ（Ｂ）の開口径（内径）（ｓ１）は上記差し込み口筒（１２）における張り出し先端部での外径（ｄ１）よりも大きく、且つ同じく張り出し基端部での外径（ｄ２）よりも逆に若干小さく寸法化されている。

【００１７】このような構成によって、大容器（Ａ）の差し込み口筒（１２）を小キヤツプ（Ｂ）の内部へ滑り込ませる如く、その大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）とを相対的に差し込み嵌合することができ、その過程では小キヤツプ（Ｂ）の開口下縁部が、上記差し込み口筒（１２）の張り出し基端部へ一旦乗り上げる如く拡開変形して、その乗り越えるや上記凹周溝（１３）へ自づと弾圧的に喰い付き、人為強制的な引き抜き力を加えない限り、大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）とが離脱しない安定・確固な嵌合状態を保てるようになっているのである。

【００１８】その場合、お供え容器に鏡餅型のリアルな輪郭形状を与えるため、その容器全体の高さ（Ｈ）に対して、上記大容器（Ａ）における容器本体（１１）の高さ（Ｈ１）と、小キヤツプ（Ｂ）の高さ（Ｈ２）との比率を、５２：４８から５５：４５の数値範囲内で相違させることが好ましい。

【００１９】又、同様な趣旨から上記大容器（Ａ）における容器本体（１１）と、小キヤツプ（Ｂ）との外径差についても、その容器本体（１１）の外径（Ｄ１）を１００と仮定した時、これに対する小キヤツプ（Ｂ）の外径（Ｄ２）を約８２〜８５の比率として寸法化することが望ましい。

【００２０】更に、上記容器本体（１１）から張り出す差し込み口筒（１２）の一定高さ（ｈ１）については、これを小キヤツプ（Ｂ）の内部へ差し込み嵌合した時、その張り出し先端部が小キヤツプ（Ｂ）の天井面へ衝突しない範囲内において、極力背高く寸法化することが良い。これにより大容器（Ａ）の容量を増せるからである。

【００２１】上記のお供え容器を使用するに当っては、その大容器（Ａ）の内部へ上方から無菌状態に包装した小餅やもち米、砂糖、その他のお供え品（Ｍ）を収納させた上、その大容器（Ａ）へ小キヤツプ（Ｂ）を積み重なる被冠状態に差し込み嵌合するのである。

【００２２】そうすれば、図２から明白なように、そのお供え容器が大容器（Ａ）の容器本体（１１）と、小キヤツプ（Ｂ）とから全体的な鏡餅型に造形されることになるので、これを従来通り神棚などへ供え使用するのであり、その後には大容器（Ａ）の差し込み口筒（１２）から小キヤツプ（Ｂ）を、上方へ強制的に引き抜き操作して、その両者を図１のように分解することにより、上記お供え品（Ｍ）を取り出して、即刻食用に供することができる。

【００２３】その場合、上記のように大容器（Ａ）はその容器本体（１１）から連続一体に張り出す差し込み口筒（１２）を具備しているので、その大容器（Ａ）が小キヤツプ（Ｂ）と内部の連通状態にあることとも相俟って、極力多量のお供え品（Ｍ）を収納させることができ、又その取り出しに当っても、大容器（Ａ）を上下反転させることにより、その差し込み口筒（１２）の傾斜平滑面に沿って、お供え品（Ｍ）を滑り落す如く、確実にすばやく取り出せるのである。

【００２４】又、大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）をその内部の透視不能に設定するに際し、これにお供え品（Ｍ）と同系の乳白色やその他の着色カラーを与えるならば、鏡餅型のお供え容器として、ますます違和感なく使用することができる。

【００２５】更に、大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）は別個独立の成形品であるため、その使用地域での習慣を考慮して、その何れか一方を赤色、残る他方を白色として、その互いに異なる着色カラーを施すことも可能である。

【００２６】尚、上記大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）との差し込み嵌合状態において、その前者の凹周溝（１３）に喰い付き係止した後者の開口下縁部を、図外の透明な合成樹脂フイルムから成るシールバンドの捲き付けによって気密化するならば、上記大容器（Ａ）の内部へ言わば裸状態の小餅やその他のお供え品（Ｍ）も、その防黴剤と一緒に収納させることにより、その食用に支障なく保存できるのであり、鏡餅型としての美感を害するおそれもない。

【００２７】次に、図３、４は本考案の第２実施例に係るお供え容器を示しており、これでは上部開口型の大容器（Ａ）が上記差し込み口筒（１２）を具備しない側面視の単純な楕円形で、且つ平面視の円形にブロー成形されている。（ｓ２）はその上部の開口径（内径）である。

【００２８】他方、上記大容器（Ａ）に被冠される小キヤツプ（Ｂ）は、その大容器（Ａ）と相似形状の中空密閉状態にブロー成形されており、その中心から下方へ僅かな一定深さ（ｈ２）だけ連続一体に張り出す差し込み脚栓（１４）を備えている。

【００２９】その差し込み脚栓（１４）の円周面は下方へ行く程徐々に内向く傾斜平滑面として造形されており、その張り出し先端部での外径（ｄ１）が上記大容器（Ａ）の内径（ｓ２）よりも小さく、同じく張り出し基端部での外径（ｄ２）がその内径（ｓ２）よりも逆に若干大きく寸法化されている。

【００３０】そして、その差し込み脚栓（１４）の張り出し基端部と上記大容器（Ａ）の円弧下端部との境界位置には、その大容器（Ａ）の開口上縁部を受け入れ係止する凹周溝（１５）が、やはり陥没形成されている。

【００３１】そのため、このようなお供え容器を使用する場合には、その大容器（Ａ）の内部へやはりお供え品（Ｍ）を収納させた上、その上方から小キヤツプ（Ｂ）の差し込み脚栓（１４）を差し込み嵌合させれば良い。そうすれば、その差し込み脚栓（１４）の張り出し基端部を乗り越えた大容器（Ａ）の開口上縁部が、上記小キヤツプ（Ｂ）の凹周溝（１５）へ自づと弾圧的に喰い付き係止して、その小キヤツプ（Ｂ）と大容器（Ａ）との積み重なる全体的な鏡餅型に造形されることとなる。

【００３２】従って、上記第１実施例のお供え容器と同様に、その大容器（Ａ）へお供え品（Ｍ）を収納させた状態において、神棚などへ供え使用することができ、その後に小キヤツプ（Ｂ）を引き抜いて、お供え品（Ｍ）を大容器（Ａ）から取り出すことも可能である。

【００３３】尚、第２実施例におけるその他の構成は上記第１実施例と実質的に同一であるため、その図３、４に第１、２との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。

【００３４】

【考案の効果】

以上のように、本考案のお供え容器ではその構成上、小餅やもち米、砂糖などのお供え品（Ｍ）を収納する大容器（Ａ）と、その開口上部に被冠される小キヤツプ（Ｂ）とを、不透明な熱可塑性合成樹脂から平面視の同芯円形で、且つ側面視の相似なほぼ楕円形に成形すると共に、上記大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）とをその境界位置に陥没する凹周溝（１３）において、相互の積み重ね状態に且つ抜き差し自在として差し込み嵌合させることにより、その全体的な鏡餅形状に造形してあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良することができ、一般家庭において便利に使える効果がある。

【００３５】即ち、本考案の上記構成によれば、別個独立する大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）とが、その境界位置に陥没する凹周溝（１３）において、相互の積み重なる状態に差し込み嵌合されているため、その全体として美麗な鏡餅形状に造形することができ、不透明な熱可塑性合成樹脂から成形されていることとも相俟ち、その容器自身を鏡餅と看做して、その違和感なく神棚などへ供え使用し得るのである。

【００３６】しかも、上記大容器（Ａ）とこれに被冠される小キヤツプ（Ｂ）は、相互の抜き差し自在に差し込み嵌合されているため、その大容器（Ａ）の内部へ小餅やもち米、砂糖などのお供え品（Ｍ）を収納することができ、その供え使用後には両者を分解して、これから取り出したお供え品（Ｍ）を即刻食用に供することもでき、繰り返し使えることとも相俟って、著しく便利である。

【００３７】特に、請求項２の構成を採用するならば、その大容器（Ａ）の容器本体（１１）から上方へ差し込み口筒（１２）が連続一体に張り出されているため、これによって大容器（Ａ）へ極力多量のお供え品（Ｍ）を収納させることができるほか、小キヤツプ（Ｂ）をその差し込み口筒（１２）に沿って、円滑に正しく差し込み操作することもでき、その最終的に小キヤツプ（Ｂ）の開口下縁部が、大容器（Ａ）の凹周溝（１３）へ自づと弾圧的に喰い付き係止するので、そのワンタツチ的な操作性と嵌合状態の安定性に著しく優れる。

【００３８】そして、このような操作性と安定性は請求項３の構成を採用するも、全く同様に達成することができ、何れにしても従来の包装鏡餅に代る鏡餅型のお供え容器として、一般需要者の愛用に足る考案と言える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る第１実施例の分解状態を示す半欠
截断面図である。

【図２】図１の組立使用状態を示す半欠截断面図であ
る。

【図３】同じく第２実施例の分解状態を示す半欠截断面
図である。

【図４】図３の組立使用状態を示す半欠截断面図であ
る。

【符号の説明】

（１１）・容器本体（１２）・差し込み口筒（１３）・凹周溝（１４）・差し込み脚栓（１５）・凹周溝（Ａ）・・大容器（Ｂ）・・小キヤツプ（Ｍ）・・お供え品

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】小餅やもち米、砂糖などのお供え品（Ｍ）
を収納する大容器（Ａ）と、その開口上部に被冠される
小キヤツプ（Ｂ）とを、不透明な熱可塑性合成樹脂から
平面視の同芯円形で、且つ側面視の相似なほぼ楕円形に
成形すると共に、上記大容器（Ａ）と小キヤツプ（Ｂ）とをその境界位置
に陥没する凹周溝（１３）において、相互の積み重ね状
態に且つ抜き差し自在として差し込み嵌合させることに
より、その全体的な鏡餅形状に造形したことを特徴とす
る鏡餅型のお供え容器。
【請求項２】大容器（Ａ）を、平面視の円形で且つ側面
視のほぼ楕円形をなす容器本体（１１）と、その中心か
ら上方へ張り出す差し込み口筒（１２）との連続一体品
として、その差し込み口筒（１２）の張り出し基端部に
凹周溝（１３）を設ける一方、小キヤツプ（Ｂ）を大容器（Ａ）と内部の連通する下部
開口型として、上記差し込み口筒（１２）への被冠状態
に差し込んだ時、その小キヤツプ（Ｂ）の開口下縁部が
上記凹周溝（１３）へ弾圧的に喰い付き係止するように
定めたことを特徴とする請求項１記載の鏡餅型のお供え
容器。
【請求項３】小キヤツプ（Ｂ）を中空密閉型として、そ
の中心から下方へ張り出す差し込み脚栓（１４）の張り
出し基端部に凹周溝（１５）を設ける一方、大容器（Ａ）を上部開口型として、上記差し込み脚栓
（１４）への被冠状態に差し込んだ時、その大容器
（Ａ）の開口上縁部が上記凹周溝（１５）へ弾圧的に喰
い付き係止するように定めたことを特徴とする請求項１
記載の鏡餅型のお供え容器。