JPH0678253A - 投写型テレビジョン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射鏡上部を凹にＣＲＴ固定部を凸に一定条
件で構成したキャビ本体を積み重ねてマルチ画面を形成
し、またミラー反射によるコントラスト劣化や画像歪み
を押さえる手段を付加した投写型テレビジョン装置を提
供する。 【構成】 投写レンズ、ＣＲＴ、スクリーン、反射鏡は
反射鏡上部を凹にＣＲＴ固定部を凸に構成したキャビ本
体に固定され、キャビ本体は図１でＡ≦Ｂ，Ｃ≦Ｄの条
件を満たして本体を積み重ねたマルチ映像を形成可能と
する。また反射鏡の法線方向がスクリーンに再入射しな
い角度で反射鏡を固定し、不要光によるコントラスト低
下を改善する。また反射鏡の自重によるたわみをなくす
ため中央部付近を固定する反射鏡取付け補強金具をＣＲ
Ｔ、投写レンズなどの取付け金具に一体化し、接着剤な
どを塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は大型映像表示装置として
利用される投写型テレビジョン装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に投写型テレビジョン装置は、３本
の赤青緑の陰極線管（以下ＣＲＴと呼ぶ）の画面を３本
の投写レンズにて拡大投影する装置である。画面サイズ
は４：３や近年ではワイドＴＶ、ハイビジョンＴＶ等
９：１６サイズの画面も登場している。また大型映像を
映す方法としては単独の投写型テレビジョン装置を上下
左右に積み重ねてマルチ映像として用いる方法がある
（以下マルチＶＰとする）。図５、図６は従来からのマ
ルチＶＰの原理図を示し、それぞれその側面図と平面図
である。

【０００３】蛍光面に電子ビームを当てることで発光す
る投写管２０には投写レンズ２１が一体的に固定され蛍
光面上の像を投写レンズ２１により結像する位置にスク
リーン２２が保持される。投写管２０、投写レンズ２
１、スクリーン２２はユニットとしてユニット箱体２３
に固定される。（固定方法は図示せず）またマルチＶＰ
は上下左右に数段積まれるのが一般的であるが、そのた
め大きなスペース（奥行き）が必要で薄いユニットの開
発が望まれており、その例として図７の方式が提案され
ている。これを図７に示す。

【０００４】図７は反射ミラーにより有効光線を折り曲
げて使用した場合であり、上ユニットは下ユニットと対
象の位置にそれぞれ投写管２５、投写レンズ２６、スク
リーン２７、ユニット箱体２８、反射ミラー２９を構成
し４面マルチのみ構成可能な方式として提案されてい
る。またスクリーン面では内部の反射光がミラーで再反
射し不要な光としてスクリーンに再入射する構成の投写
型テレビジョン装置が多い（図８のＧ光）。さらに反射
ミラー２９は一般に両サイドを取付け金具３０にて固定
する場合が多く中央部が自重のためたわみ、反射した画
像は歪んでいた（図９）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この様に従来の投写型
テレビジョン装置では例えば図６の形態では奥行きが長
くなり投写レンズ２１を短焦点化しても限度があるた
め、本体体積も大きく、省スペースのユニットとしての
設置ができなかった。また従来の投写型テレビジョン装
置ではスクリーン面で内部の反射光がミラーで再反射し
不要な光としてスクリーンに再入射するためフレアー
（コントラスト低下）の多い画面であった。また図７の
ユニットは奥行きを薄くしたマルチビジョンであった
が、スクリーン境界を少なくしたマルチＶＰの使用とし
ては４面のみしか構成できなかった。また反射ミラーは
一般にレンズや投写管とは別々に固定し両サイドで固定
する方法が一般的であるため大きな反射鏡等重量の大き
いものは中央部で変形し（図９）画像を歪ませていた。

【０００６】本発明は上記の問題点に鑑み、奥行きを極
めて薄くするユニットを実現する構成のマルチＶＰを形
成する投写型テレビジョン装置を提供しようとするもの
である。また本発明では内部の反射光がミラーで再反射
しても再びスクリーンに入射しない構成の投写型テレビ
ジョン装置を提供するものである。また本発明では大き
な反射鏡等重量の大きいものでも中央部を変形させない
構成の投写型テレビジョン装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の投写型テレビジ
ョン装置は、画像発光面を持つ陰極線管と、前記陰極線
管画像の映像光を拡大投写する投写レンズと、前記映像
光の結像面近傍に位置して前記映像光を透過するスクリ
ーンと、前記映像光を反射し前記投写レンズと前記スク
リーンの間に位置し前記陰極線管、前記投写レンズの中
心線と前記スクリーンの中心線が略９０度を成す位置に
設けた光路折り返し用の反射鏡と、前記陰極線管、前記
投写レンズ、前記反射鏡、前記スクリーンを保持し 前
記反射鏡上部に凹部を 陰極線管を形成する位置に凸部
を設けたキャビネット本体とで構成し、前記凹部の前記
スクリーン光軸方向の距離Ｂ、その垂直方向の距離Ｄ、
前記凸部の前記スクリーン光軸方向の距離Ａ、その垂直
方向の距離Ｃとの間に、

【０００８】

【数３】

【０００９】および

【００１０】

【数４】

【００１１】成る関係が成立することを特徴とする。ま
た画像発光面を持つ陰極線管と、前記陰極線管画像の映
像光を拡大投写する投写レンズと、前記映像光の結像面
近傍に位置して前記映像光を透過するスクリーンと、前
記映像光を反射し前記投写レンズと前記スクリーンの間
に位置する光路折り返し用の反射鏡と、前記陰極線管、
前記投写レンズ、前記反射鏡、前記スクリーンを保持す
るキャビネット本体とで構成し、前記反射鏡のスクリー
ン側での法線方向の光がスクリーンに直接入射しない角
度で前記反射鏡を固定したことを特徴とするものであ
る。また画像発光面を持つ陰極線管と、前記陰極線管画
像の映像光を拡大投写する投写レンズと、前記映像光の
結像面近傍に位置して前記映像光を透過するスクリーン
と、前記映像光を反射し前記投写レンズと前記スクリー
ンの間に位置する光路折り返し用の反射鏡と、前記陰極
線管、前記投写レンズ、前記反射鏡、前記スクリーンを
保持するキャビネット本体とで構成した投写型テレビジ
ョン装置であって、前記反射鏡は陰極線管と投写レンズ
を一体的に固定する固定手段に取り付き、前記固定手段
には前記反射鏡の略中央部分に接触する接触部があり前
記接触部に両面テープ等の接着剤を塗布して前記略中央
部分を固定することを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】本発明の投写型テレビジョン装置によれば、キ
ャビネット本体の上記ＡＢＣＤ間に、（数３）、（数
４）の関係があるため、マルチＶＰとして積み重ねても
スペースにムダなく嵌合できかつスクリーン継ぎ目のな
い従来に比べ極端に薄型のマルチＶＰを構成できる。ま
たミラー取りつけ角の法線方向の光はスクリーン外にな
るように構成し、内部の反射光がミラーで再反射しても
再びスクリーンに入射しないためミラー反射によるフレ
アーが発生しないものである。また反射鏡等重量の大き
いものでも中央部を変形させないので画像を歪みなく折
り返すものである。

【００１３】

【実施例】以下に本発明の一実施例について（図１〜
２）を用いて説明する。

【００１４】図１は本発明の一実施例を示す側面図で、
図２は図１をマルチＶＰとして形成した側面図である。
投写レンズ１は液冷でコントラストを上げるためのラジ
エターブロック２を介してＣＲＴ３と一体的に構成さ
れ、取付金具にてキャビ本体４に固定される。（図示せ
ず）同様に反射鏡５もキャビ本体４に固定される。映像
光の結像面であるスクリーン６もキャビ本体４の前面に
固定される。キャビ本体４には反射鏡上部位置に凹部４
ａを ＣＲＴ３を形成する位置に凸部４ｂを設けてい
る。その関係は図１のＡＢＣＤ間が、（数３）、（数
４）であり、よって上下に積み重ねてマルチを形成して
時前面からはスクリーンサイズの大きさになる。またス
クリーン面と反射鏡面、反射鏡面と投写レンズの光軸は
略４５度の位置にあるが、反射鏡５の一端５ａ（スクリ
ーンに近い部分の端）はその法線方向光がスクリーンに
直接入射しない角度（Ｅ方向）に反射鏡５が固定され
る。さらに図３、図４は取付部の詳細を示し、図３はそ
の側面図、図４はその平面図である。

【００１５】反射鏡５はＣＲＴ３と投写レンズ１を一体
的に固定する固定手段７に取り付くが、その固定手段７
はＣＲＴ固定部８、反射鏡固定部９、反射鏡取付け補強
金具１０から成り、また固定手段７全体は取付部材１３
により本体にそれぞれビス類１１、１２で取り付く。反
射鏡取付け補強金具１０と反射鏡５の間は両面テープ等
の接着剤１５により接触部が固定される。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明の投写型テレビジ
ョン装置によれば、ミラー折り曲げによる薄型化を実現
し最も少ないスペースで単体コアの積み重ねＶＰを可能
としたため、レンタルなどでの設置コスト（坪当たりの
スペース単価と軽量化による人件費）が削減でき、設置
が楽になる。またスクリーン裏面部の反射光が反射鏡で
再反射した不要な光もスクリーンに再入射しないためフ
レアー（コントラスト低下）が少ない画面を提供でき
る。また投写レンズと反射鏡を一つの部品に固定しかつ
反射鏡の重量による変形を防止でき、反射鏡の歪み精度
を保持できることにより画質改善が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における投写型テレビジョン
装置の側面図

【図２】図１を積み重ねたマルチ型投写型テレビジョン
装置の側面図

【図３】取付部の側面図

【図４】取付部の平面図

【図５】従来から構成されるマルチ型投写型テレビジョ
ン装置の側面図

【図６】図５の平面図

【図７】従来の奥行きを薄くした４面マルチビジョンの
側面図

【図８】従来から構成される投写型テレビジョン装置単
体の側面図

【図９】（ａ）従来の反射鏡の取付けをしめす平面図 （ｂ）その断面図

【符号の説明】

１ 投写レンズ ３ ＣＲＴ ４ キャビ本体（凹部４ａ、凸部４ｂ） ５ 反射鏡（一端５ａ） ７ 固定手段 １５ 接着剤

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像発光面を持つ陰極線管と、前記陰極
   線管画像の映像光を拡大投写する投写レンズと、前記映
   像光の結像面近傍に位置して前記映像光を透過するスク
   リーンと、前記映像光を反射し前記投写レンズと前記ス
   クリーンの間に位置し前記陰極線管、前記投写レンズの
   中心線と前記スクリーンの中心線が略９０度を成す位置
   に設けた光路折り返し用の反射鏡と、前記陰極線管、前
   記投写レンズ、前記反射鏡、前記スクリーンを保持し
   前記反射鏡上部に凹部を 陰極線管を形成する位置に凸
   部を設けたキャビネット本体とで構成し、前記凹部の前
   記スクリーン光軸方向の距離Ｂ、その垂直方向の距離
   Ｄ、前記凸部の前記スクリーン光軸方向の距離Ａ、その
   垂直方向の距離Ｃとの間に、 【数１】 および 【数２】 成る関係が成立する投写型テレビジョン装置。
2. 【請求項２】 画像発光面を持つ陰極線管と、前記陰極
   線管画像の映像光を拡大投写する投写レンズと、前記映
   像光の結像面近傍に位置して前記映像光を透過するスク
   リーンと、前記映像光を反射し前記投写レンズと前記ス
   クリーンの間に位置する光路折り返し用の反射鏡と、前
   記陰極線管、前記投写レンズ、前記反射鏡、前記スクリ
   ーンを保持するキャビネット本体とで構成し、前記反射
   鏡のスクリーン側での法線方向の光がスクリーンに直接
   入射しない角度で前記反射鏡を固定した投写型テレビジ
   ョン装置。
3. 【請求項３】 画像発光面を持つ陰極線管と、前記陰極
   線管画像の映像光を拡大投写する投写レンズと、前記映
   像光の結像面近傍に位置して前記映像光を透過するスク
   リーンと、前記映像光を反射し前記投写レンズと前記ス
   クリーンの間に位置する光路折り返し用の反射鏡と、前
   記陰極線管、前記投写レンズ、前記反射鏡、前記スクリ
   ーンを保持するキャビネット本体とで構成した投写型テ
   レビジョン装置であって、前記反射鏡は陰極線管と投写
   レンズを一体的に固定する固定手段に取り付き、前記固
   定手段には前記反射鏡の略中央部分に接触する接触部が
   あり前記接触部に両面テープ等の接着剤を塗布して前記
   略中央部分を固定することを特徴とする投写型テレビジ
   ョン装置。