JPH0677892U - イオン整水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率の良い水の浄水及びイオン化が可能でし
かも、電解性能の劣化に使用者が対処できるイオン整水
器を提供するにある。 【構成】 上部に洗浄液の注入口１１を、下部に洗浄液
の放出口１２を設けた電解槽２１と、電解槽２１周囲に
磁石２２を配設すると共に、電解槽２１の上流に、周囲
に磁石３２を配設した活性炭を内蔵する活性炭槽３１を
設ける。 【効果】 各磁石２２，３２により槽内の水を磁化する
ことにより、効率の良い水の浄水及びイオン化を可能と
する。また、注入口１１より洗浄液を注入して電解槽内
の電極板に付着した析出物を該洗浄液に溶解させ、その
後に洗浄液を排出口１２より排出して電解槽内を洗い流
すことにより、電極板に付着した汚れを取り除くことが
でき、電解効率を初期状態に戻すことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はイオン整水器に関し、例えば電解槽により原水を電気分解し、酸性イ オン水及びアルカリ性イオン水を生成するイオン整水器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年の自然指向より、飲料水等も注目される様になり、水道水等をそのまま飲 むのでは無く、浄水器を設けてこの浄水器で浄水した水を飲料に用いたり、又は ミネラルウオーターを購入して飲料水等に用いる例も出てきた。更に、近年の健 康ブーム等より水を電気分解して酸性イオン水及びアルカリイオン水を生成し、 それぞれの使用目的によりこのイオン水を選択して用いる電気分解型のイオン浄 水器も登場してきている。

【０００３】 この電気分解型の浄水器においては、電解槽中に電極を配設し、この電極に電 流を流し、電解槽中の水を電気分解する構造である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、電解槽において水の電気分解を行うと、電極板上に析出物がた まり、電極の劣化による電解の効率に悪影響をもたらすことになる。従来のこの 種の装置では、この電極の劣化に対する対策はほとんど取られていなかつた。例 えば、従来のこの種の装置では、電解槽は密閉構造であり、この電極の劣化が起 きると、装置の浄水能力が低下し、ついには使用不可となり、買い替えねばなら なかつた。買い替えるのを防ぐためには、装置全体をサービスセンター等に持ち 込み、ここで電解槽を開けて電極の掃除をしたり、又は電極を取り替えたりして いた。

【０００５】 また、従来の電解型浄水器においては、反応速度が遅く、電源を入れてから水 が生成されるまで多くの時間が必要であつた。更に、従来は一般の水道水を対象 としているため、電解型の浄水器においてはほとんど電解槽だけ、又はその上流 に水に混入している浮遊物等を取り除く簡単な濾過フイルターを配設するのみの 構造であるため、原水が雨水や川の水等の場合や、原水が汚れている場合、又は 水道を用いても水道水が濁る等の事態が発生すると、たちどころに効率が落ちて しまうという欠点を有していた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上述の課題を解決することを目的としてなされたもので、電解槽の電 極の清掃を容易にすると共に、電解槽の劣化を防ぎ、電気分解の速度が早いイオ ン整水器を提供するにある。この目的を達成し、上述の課題を解決する一手段と して以下の構成を備える。

【０００７】 上部に洗浄液の注入口を、下部に洗浄液の排出口を設けた電解槽とを備え、該 電解槽周囲に磁石を配設してなる。 そしてまた、例えば電解槽上流に少なくとも１槽の濾過槽を配設し、該濾過槽 の少なくとも１つの槽周囲に磁石を配設する。

【０００８】

【作用】

以上の構成を備えることにより、電極の清掃をする場合は、電解槽上部の注入 口より電解槽内部に洗浄液を注入して所定時間置くことで、電極板上の析出物を 溶解することができる。そして、下部の排出口より溶出物を含む洗浄液を放出し で水等で電解槽内を洗うことにより、電極及び電解漕内の清掃が可能となり、イ オン化効率（電気分解）の劣化を防ぐことが可能となる。更にこの時にも、電解 槽内に磁界をかけているため、電極の析出物の溶解速度も向上し、より完全な洗 浄が可能となる。

【０００９】 また、磁石を設けたことにより、電気分解の過程において、つねに水の磁化に よる反応の促進が相乗的に働き、高速でイオン化水を得ることが可能となると共 に、電極板上に析出物がたまるのを防ぐ効果が達成できる。 更に、例えば電解槽上流に少なくとも１槽の濾過槽を配設し、該濾過槽の少な くとも１つの槽周囲に磁界発生手段を配設することにより、電解槽に不純物が含 まれた原水が供給されるのを防止でき、更に電解槽の効率の低下を防ぐことがで きる。また、この時濾過槽にも磁界をかけることにより、濾過性能を上げること ができ、更に整水器の性能を向上できる。

【００１０】

【実施例】

以下、添付図面に従つて本考案に係る一実施例を詳細に説明する。 図１は本発明に係る一実施例のイオン整水器の構造を示す外観図、図２は図１ に示すイオン浄水器の内部構造を示す図であり、図２は図１に示す濾過槽９及び イオン浄水器１０のカバーを外した状態を示している。

【００１１】 図において、１は原水を供給する原水供給栓、２は原水供給栓１よりの原水を 第１濾過槽６に供給する原水供給管、３は原水供給管２により供給される原水を 第１濾過槽６に供給するか否かを制御する給水コツク、４は第１〜第３濾過槽６ 〜８の各濾過槽をそれぞれパイプで連結すると共に各濾過槽６〜８の蓋を兼ねる 併連式蓋体、５は背面の壁に濾過槽６〜８を吊り下げ固定するための吊下固定板 、６，７，８は第１濾過槽、第２濾過槽及び第３濾過槽であり、第１〜第３濾過 槽６〜８は、それぞれ内部に中空糸膜が内蔵され、供給コツクより供給される原 水がこの中空糸膜を通過することにより浮遊物や各種溶解物を除去する構造とな つている。 本実施例において、イオン浄水器１０の上流にこのような濾過槽を設けたのは 、イオン浄水器１０は構造も複雑であり、且つ高価なため、比較的廉価なこの種 の濾過器により予め原水を浄水化しておく前処理を行ない、高価なイオン浄水器 １０の劣化を防ぐためである。これは後述する活性炭浄水器９を配設したのも同 様の理由からである。なお、この濾過槽のうちの１つの濾過槽を活性炭を入れた 活性炭浄水器とすることにより、原水中の色素及び臭いを取り除くことができる 。そして、この前処理用の濾過槽６〜８は容易に交換可能に構成するのが望まし い。

【００１２】 なお、この濾過槽６〜８は以上の例に限定されるものではなく、活性炭等によ り濾過浄水しても、また、セラミツクフイルタで濾過してもよく、更に、麦飯石 中を通過させる構成でも、またセラミツクボールを通過させる構成でもよい。即 ち、原水中の浮遊物や各種溶解物を除去する構造を備えるものであればその構造 に限定されるものではない。

【００１３】 また、９は活性炭が内蔵され、濾過槽６〜８で予めある程度濾過、浄水された 水を更に最終濾過する活性炭浄水器であり、該活性炭浄水器９も上述した濾過槽 同様、内蔵する濾過部材は任意の構造とできる。１０はイオン浄水器、１１はイ オン浄水器１０の電解槽２１上部より延出するイオン浄水器内に洗浄液を注入可 能な注入口であり、図１ではねじ蓋１１ａがされた状態が示されている。１２は 電解槽２１の底面より延出する電解槽２１内の洗浄液等を排出するための排出口 であり、図１ではねじ蓋１２ａがされた状態が示されている。

【００１４】 １３はアルカリイオン水が出力されるアルカリ水出口、１４は酸性水出口、１ ５はイオン浄水器用電源ケーブル、１６は活性炭浄水器９及びイオン浄水器１０ を固定する固定板、１７は第３濾過器８よりの濾過水を活性炭浄水器９に供給す る供給管である。 また、２１は濾過水を電気分解してアルカリ水及び酸性水に分離する電解槽で ある。なお、この電解槽２１内の電気分解の機構は公知のイオン浄水器の構造と することができる。２２は電解槽２１の周囲に固着された略電解槽深さ分の長さ を有する断面略コ字状の磁石板である。２３は電解槽２１内の不図示の電極への 印加電圧及び電力等を制御する制御用の各種ＩＣの実装されたＩＣ基板、２４は ＩＣ基板２３の制御で電解槽２１内の電極板等に所定電圧の電力を供給するため の接続信号線の接続されたコネクタ部、変圧器、及び駆動スイツチ等の配設され た電源部である。

【００１５】 また、３１は活性炭浄水器９の活性炭の内蔵された活性炭槽、３２ａ，３２ｂ は活性炭槽３１の外壁に相対向する様に固着された略活性炭槽分の深さを有する 断面略）字状の磁石板であり、ねじ３４で活性炭槽外壁に固着されている。 なお、本実施例においては、この磁石として射出成型が可能で任意の形状に成 型し易いプラマグを使用している。しかし、永久磁石であれば、フエライトを成 型しても、また、他の磁石でもよい。また、図２においては、磁石板２２又は磁 石板３２ａ，３２ｂは断面略コ字状又は断面略）字状であるが、電解槽２１中又 は活性炭槽３１中に所定強度の磁界を印加できる形状であれば、その形状に限定 されるものでは無い。電解槽の周囲側面にそれぞれ固着する４つの板形状でも、 また、活性炭浄水器９の両側面に互いに対抗する２枚の板形状でも、活性炭槽３ １周囲に断面略Ｃ字状の磁石板を配設した形状でもよい。

【００１６】 更に、この電解槽２１又は活性炭槽３１を所定磁界雰囲気中に置くことのでき るものであれば永久磁石に限るものでは無く、上記槽２１，３１周囲にコイルを 配設し、該コイルに電流を流して電磁石を形成して磁界を発生させてもよい。更 に、この磁石も、電解槽２１及び活性炭槽３１に別々に設けるのでは無く、一括 して両槽２１，３１の周囲に配設しても、また、両槽２１，３１を密着させた（ 又は一体化した）構造として１つの磁石で磁界を発生させるものでもよい。

【００１７】 以上の構成を備える本実施例の整水器の作用について以下に説明する。 本実施例は、原水として、我が国の上水道の如くのそのままで飲用となる清水 のみで無く、例えば、雨水を蓄えた場合や、浮遊物の多い水、又は諸外国の大河 の場合の如くの濁つた水等もある程度浄水化して整水することが可能な構成とな つている。即ち、本実施例では、中空糸膜により濾過を行う第１濾過槽６、第２ 濾過槽７、及び第３濾過槽８の３つの濾過槽を配設することにより、原水を清水 に変える構成としている。なお、この各濾過槽は原水の水の質により、一部又は 全部を省略することもできる。さらに、一部を活性炭浄水器として、色素の除去 や臭素の除去を行うように構成してもよい。

【００１８】 中空糸膜による浄水器により浄水された水をそのまま電解槽２１に供給するこ ともできるが、これでは電解槽２１中の電極板に析出物が付着する量が多く、早 く電極性能を劣化させてしまう。これを防止するために、本実施例においては、 活性炭槽３１を通してから電解槽に水を供給する様にしている。しかも、この活 性炭槽３１の周囲に磁石板３２を配設し、この活性炭槽を通過する水に磁界をか け、磁化することにより、水のクラスターのサイズを下げると共に、更に付加物 質の活性炭への吸着力を増し活性炭槽３１の濾過機能を向上させている。

【００１９】 そしてこのようにして活性炭で濾過された浄化水は、本実施例の電解槽２１に 送られる。電解槽では、この浄化水を電気分解し、アルカリ水及び酸性水に分け 、それぞれの生成口１３，１４より生成する。また本実施例においては、この電 解槽２１にも磁界をかけているため、ここでも水が磁化され、電解槽の反応を速 めている。このため、高速で水のｐＨが上がり（下がり）、短時間で整水された アルカリ水（酸性水）を得ることができる構成となつている。実験では４割以上 の時間短縮がはかれた。また、磁界をかけることにより、電極板への析出物の吸 着も減り、電極の汚れ量を減少させることができ、この面からも効率の劣化を防 ぐことが可能となる。

【００２０】 以上の構成により、整水器の整水能力の向上を図ると共に、この整水能力が劣 化するのを防いでいる。しかし、このような対処をしても、電極板の汚れをなく すことはできず、一定量の水を整水化すると電極板に析出物が吸着してしまう。 本実施例の整水器は、このような場合においても、整水器をサービスセンター等 に持つていくことなく、容易に水処理能力を回復できるようにするため、電解槽 の上下に洗浄液注入口１１及び排出口１２を設ける構造としている。

【００２１】 そして、電極板が汚れて電解性能が劣化したような場合には、まずコツク３を 閉めて原水の供給を止め、更に電源をオフして、注入口１１及び排出口１２のね じ蓋１１ａ及び１２ａを外して電解槽２１内の水を全て排出し、その後にこのね じ蓋１２ａを再び閉める。そして、供給口１１より洗浄液を注入する。この洗浄 液は、レモン水や酢酸等適時選択した洗浄水を入れればよい。そしてこの洗浄水 を入れた状態で例えば一晩（又は一昼夜）程度そのままとして磁界をかけた状態 に保つ。

【００２２】 これにより、電解槽２１内の電極板に付着した析出物が洗浄水中に溶解する。 この場合においても、この洗浄液を磁化することにより、電極板上の析出物の溶 解も促進される。 上記時間経過後に搬出口のねじ蓋１２ａを外し、電極板上の析出物が溶解した 洗浄液を放出する。そして、再び注入口１１より清水を注入し、洗浄水を洗い流 す。これを複数回繰り返すことにより、電極板の洗浄及び電解槽中の洗浄水の洗 い流しが終了し、再び初期の電解能力がよみがえることになる。

【００２３】 なお、この清水の注入は注入口１１部分のみでは無く、活性炭槽３１よりの浄 水化された水の供給でも行うことができる。 以上説明した様に本実施例によれば、電極の清掃が困難のため、電解槽の使用 寿命を短縮することの無い、随時、容易に、電極及び電解槽内の清掃を行うこと ができる。また、水を磁化する等の磁気処理を行うことにより、活性炭浄水器９ 及びイオン浄水器１０の濾過と電解の各過程において、同時に水の磁化が併用可 能な構造にしたため、整水の効果を促進することができる。

【００２４】 更に、電解槽の上部と下部にそれぞれ洗浄液の注入口と排出口を設け、蓋じめ 可能な構造にしたことにより、電解槽の注入口より、洗浄液を注入して置くこと で、電極板上の析出物を溶解することができる。そして、下部の放出口を開けて 溶出物を放出した後、水等で洗うことにより、清掃が可能となる。 また、磁石の装着により、水の濾過と電解の各過程において、つねに水の磁化 による反応の促進が相乗的にはたらくことができる。かつ、電極板上の析出物の 溶解も促進される。

【００２５】 また、本実施例によれば、原水が雨水等の場合や、原水が汚れている場合、又 は水道水が濁る等の事態が発生しても、イオン整水器の効率が落ちることも無い 。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明した様に本考案によれば、電解槽内に洗浄液を注入して所定時間置く ことにより、電解槽内及び電極板上の析出物を溶出させることができ、電解能力 を初期状態に戻すことが可能となり、電解槽の保全と使用寿命の大幅延長が達成 できる。

【００２７】 更に、水の濾過と電解過程において、磁気処理を併用したことにより、水の浄 化並び活性化を促進することができたのみでなく、電極板上の析出物の減少が可 能となり、電極板上の析出物の溶解速度も上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る一実施例の整水器の構成を示す正
面図である。

【図２】図１に示す濾過槽９及びイオン浄水器１０のカ
バーを外した状態を示す図である。

【符号の説明】

６，７，８ 濾過槽 ９ 活性炭浄水器 １０ イオン浄水器 １１ 注入口 １２ 排出口 １３ アルカリ水出口 １４ 酸性水出口 １５ イオン浄水器用電源ケーブル ２１ 電解槽 ２２，３２ａ，３２ｂ 磁石板 ３１ 活性炭槽

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に洗浄液の注入口を、下部に洗浄液
   の排出口を設けた電解槽を備え、 該電解槽周囲に磁石を配設してなる事を特徴とするイオ
   ン整水器。
2. 【請求項２】 電解槽上流に少なくとも１槽の濾過槽を
   配設し、該濾過槽の少なくとも１つの槽周囲に磁石を配
   設してなることを特徴とする請求項１記載のイオン整水
   器。