JPH0677331U - 多重モード表面弾性波フィルタ - Google Patents
多重モード表面弾性波フィルタInfo
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- JPH0677331U JPH0677331U JP1539693U JP1539693U JPH0677331U JP H0677331 U JPH0677331 U JP H0677331U JP 1539693 U JP1539693 U JP 1539693U JP 1539693 U JP1539693 U JP 1539693U JP H0677331 U JPH0677331 U JP H0677331U
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- acoustic wave
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Abstract
(57)【要約】
【目的】LB基板のW/λを最適化を行い、30dB帯
域内に発生するリップルを帯域外に排除し、挿入損失が
向上する小型な多重モード表面弾性波フィルタを提供す
る。 【構成】 四硼酸リチウム(Li2 B4 O7 )基板1表
面に、弾性表面波を伝播するための入力電極指群2a、
2b、出力電極指群3a、3b、2つの反射器電極指4
a、4b、5a、5bから成る複数の共振子型フィルタ
1a、1bを伝播方向に沿って直列接続して成る多重モ
ード表面弾性波フィルタ10において、前記電極指群2
a、2b、3a、3bの交叉幅Wと伝播波長λの比が5
≦W/λ≦15とした多重モード表面弾性波フィルタで
ある。
域内に発生するリップルを帯域外に排除し、挿入損失が
向上する小型な多重モード表面弾性波フィルタを提供す
る。 【構成】 四硼酸リチウム(Li2 B4 O7 )基板1表
面に、弾性表面波を伝播するための入力電極指群2a、
2b、出力電極指群3a、3b、2つの反射器電極指4
a、4b、5a、5bから成る複数の共振子型フィルタ
1a、1bを伝播方向に沿って直列接続して成る多重モ
ード表面弾性波フィルタ10において、前記電極指群2
a、2b、3a、3bの交叉幅Wと伝播波長λの比が5
≦W/λ≦15とした多重モード表面弾性波フィルタで
ある。
Description
【0001】
本考案は、四硼酸リチウム(Li2 B4 O7 )単結晶基板を用いた多重モード 表面弾性波(SAW)フィルタに関するものである。
【0002】
従来より、圧電基板上に2個の共振子型フィルタを接続した多重モードSAW フィルタが提供されていた。多重モードSAWフィルタの特性は、こられ共振子 型SAWフィルタに発生する対称と反対称の2つのモードの振動を利用して所定 通過帯域を形成するものである。
【0003】 例えば、特開昭61−285814では、入出力電極指群の交叉幅Wと、波長 λなどを最適化して所望の周波数を得ることが開示されている。この先行技術で は、圧電性の単結晶基板として、タンタル酸リチウム(以下、LTと記す)のS Tカットされた水晶を用いており、交叉幅Wと、波長λとの比が、LT基板では 、W/λ≧20、STカットの水晶基板では、W/λ≧5であった。
【0004】 これに対して、四硼酸リチウム(Li2 B4 O7 )(以下、LBと記す)を圧 電基板は、機械結合係数が非常に良好であることから、近年、高周波帯域のSA Wデバイスとしては有望視されているが、このLB基板を用いた多重モードSA WフィルタのW’/λ値が300程度のものがあった。
【0005】
しかし、W’/λ値が300程度では、波長λを一定に考えると、交叉幅Wが 非常に大きくなり、これでは小型化されたフィルタの達成が不可能である。
【0006】 そこで、LB基板を用いて、LT基板のW’/λ値(W’/λ=20)に従っ て、中心周波数250MHz帯の多重モードSAWフィルタを作成してみると、 図5に示す特性図のようになる。即ち、減衰の最も少ない部分から30dB下が った部分の帯域を30dB帯域と呼び、1つの指標となるが、その30dB帯域 が広くなるものの、その帯域内の約252.5MHz付近に大きなリップルが発 生してしまう。
【0007】 このようなリップルの発生原因は、図6に示す一段の共振子型フィルタで説明 すると、W’/λが20のように比較的大きい場合では、伝播方向と直交する幅 方向に不要な弾性波が発生する。ここで、不要な2倍波、4倍波・・・は、電荷 分布図でも判るように、振動によりLB基板内に発生する電荷が1本の電極指群 内では+の電荷と−の電荷とがキャンセルしあい励振されないが、3倍波、5倍 波・・・という奇数倍の波が発生し易いためと考えられる。
【0008】 本考案は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、LB基 板のW/λを最適化して、30dB帯域内に発生するリップルを帯域外に排除す ることができる小型な多重モード表面弾性波フィルタを提供することになる。
【0009】
本考案によれば、四硼酸リチウム(Li2 B4 O7 )単結晶基板表面に、弾性 表面波を伝播するための1対の入力電極指群、1対の出力電極指群、2つの反射 器電極から成る複数の共振子型フィルタを伝播方向に沿って直列接続して成る多 重モード表面弾性波フィルタにおいて、前記電極指群の交叉幅Wと伝播波長λの 比が5≦W/λ≦15である多重モード表面弾性波フィルタである。
【0010】
本考案では、W/λ値が20では、30dB帯域内に大きなリップルが発生し てしまうが、徐々にW/λ値を小さくすることにより、不要な弾性波の幅方向の 広がりが無視できるようになり、W/λ値が15を下回ると、例えば3倍波の両 端は電極が無くなるため、+、−のかなりの電荷が電極内でキャンセルされるこ とになり、励振しにくくなる。即ち、幅方向の不要な弾性波の波長が短くなるこ とから、30dB帯域内のリップルを帯域外に追い出すことが可能となる。
【0011】 また、W/λ値を5以上にすることで、挿入損失を5dB以下とすることがで きる。即ち、W/λ値を5未満では、交叉幅Wが小さくなり過ぎ、これにより、 インピンダンスが増加してしまい、フィルタ特性のトップが、スルーレベル(0 dBレベル)から大きく落ち込んでしまう。
【0012】 従って、Li2 B4 O7 基板を用いた多重モードフィルタにおいて、30dB 帯域内に発生するリップルがなく、特性が安定・向上させるには、電極指群の交 叉幅Wと波長λとの比、W/λ値を5〜15とすることが重要となる。
【0013】 また、W/λ値を5〜15であれば、従来、公用されていたLi2 B4 O7 フ ィルタのW/λに比較して、極めて小さい値にすることができ、これにより基板 の小型化が達成される。
【0014】
以下、本考案の多重モード表面弾性波フィルタを図面に基づいて説明する。
【0015】 図1は、多重モード表面弾性波フィルタの平面図である。
【0016】 多重モード表面弾性波フィルタ10は、LB単結晶基板1上に、例えば2つの 共振子型フィルタ10a、10bを形成して、夫々が縦接続されている。
【0017】 1つの共振子型フィルタ10aは、互いに交叉しあう1対の入力電極指群2a と、入力電極指群2aの弾性波伝播方向に所定間隔をおいて並設された互いに交 叉しあう1対の出力電極指群3aと、入力電極指群2a、出力電極指群3aの伝 播方向の外部に配置した反射器電極4a、5aとから構成されている。また、他 方の共振子型フィルタ10bに関しても同様の構成である。
【0018】 基板1は、例えば45°Xカットされ、且つZ伝播の方位角を有するLi2 B4 O7 単結晶材料から成り、その表面が研磨された基板1上に、リフトオフ法に よって弾性表面波を伝播するための各入出力電極指群2a、2b、3a、3b、 反射器電極4a、4b、5a、5bが被着形成されている。
【0019】 入力電極指群2a、2bは、膜厚Hと波長λとによって規格化された規格化膜 厚H/λが1%〜2%程度になるように、膜厚Hが設定され、夫々信号側電極2 1a、21bとアース側電極22a、22bとが互いに噛み合うように形成され ている。この信号側電極21a、21bとアース側電極22a、22bとの交叉 された部分の幅を交叉幅Wという。尚、図1中では、信号側電極21a、21b の電極指において、隣接する電極指間のピッチをLT で示し、隣接しあう信号側 電極21a、21bの電極指とアース側電極22a、22bの電極指のピッチを Pで示しており、波長λによって決定されるものである。
【0020】 また、出力電極指群3a、3bも同様の膜厚を有し、夫々信号側電極31a、 31bとアース側電極32a、32bとが互いに噛み合うように所定幅Wをもっ て交叉している。
【0021】 ここで、2つのフィルタ10a、10bは互いに直列接続されているが、図1 では、フィルタ10aの出力電極指群3aの信号側電極31aが、フィルタ10 bの入力電極指群2bの信号側電極21bに接続されている。尚、出力電極指群 3aの信号側電極31aとフィルタ10bの入力電極指群2bの信号側電極21 b案とを接続する接続導体23の長さを極小化して、不要な弾性波の影響を少な くするためには、図1のように、フィルタ10aの入力電極指群2aの下側には フィルタ10bの出力電極指群3bが配置され、さらにフィルタ10aの出力電 極指群3aの下側にはフィルタ10bの入力電極指群2bが配置され、フィルタ 10aの出力電極指群3a及びフィルタ10bの入力電極指群2bの信号側電極 31a、21bは互いに対向するように近接配置されている。
【0022】 また、フィルタ10a、10bの入出力電極指群2a、3a、2b、3bは夫 々、図示していないこのLB基板1が載置されるステム基板の入力端子、出力端 子、アース端子とワイヤボンディング細線を用いて接続されている。例えば、フ ィルタ10aの入力電極指群2aを構成する信号側電極21aは入力端子に接続 され、また、入力電極指群2aを構成するアース側電極22a及び出力電極指群 3aを構成するアース側電極32a、フィルタ10bの入力電極指群2bを構成 するアース側電極22b及び出力電極指群3bを構成するアース側電極32bは 夫々アース端子に接続されて、フィルタ10bの出力電極指群3bを構成する信 号側電極31bは出力端子に接続される。
【0023】 本考案者らは、フィルタの中心周波数を240MHz、入出力電極指群2、3 の総対数Nが100本、反射器電極4、5の片側本数Mを100本、LR /LT を1.02、入出力電極指群2〜3と反射器電極4、5の間隔l1 を1.9P、 電極指群2、3の信号側電極21、31とアース側電極22、32の電極交叉幅 Wと波長λとの比、W/λ値を10となるフィルタを作成し、そのフィルタ特性 を測定した。その結果を図2に示す。
【0024】 図2から明らかなように、中心周波数が242MHzとなり、30dB帯域が 約1MHz幅であり、従来、発生していたリップルをその帯域外の241.2M Hz付近に追い出すことができ、フィルタ特性として良好なフィルタ特性となる 。
【0025】 さらに、W/λ値を種々変更して、リップルの発生周波数を調べると、W/λ 値が15を越えると、30dB帯域以内にリップルが発生することを確認した。
【0026】 これは、図3に示す片側の共振子型フィルタ、例えば10aの概略図において 、交叉幅Wを小さくすることにより、不要な弾性波である2倍波、4倍波・・・ 、3倍波、5倍波・・・のうち、2倍波、4倍波・・・は上述したように、キャ ンセルされ無視できる。また、3倍波、5倍波・・・も、交叉幅外の電荷分布が 大きくなり、3倍波では1本の電極指内で斜線に示す領域のようにキャンセルで きる可能性が大きくなるためと考えられる。このため、従来品の特性を示した図 5では、30dB帯域内で大きなリップルと、帯域外(239.5〜240MH z内)に3つのリップルが発生したものが、本考案の図2では帯域外に追い出し たリップル以外には、リップルが存在していないことからも、高次の不要な幅方 向の弾性波が抑えられたことが判る。
【0027】 従って、LB基板1を用いた多重モードSAWフィルタにおいて、30dB帯 域内からリップルの発生を抑えるには、W/λ値を15以下にすることが重要と なる。
【0028】 しかし、W/λ値が極めて小さい値になると、逆に挿入損失が悪くなる。W/ λ値と挿入損失との関係を図4に示す。
【0029】 図4から明らかなように、W/λ値が5未満となると、挿入損失が5dB以上 となり、実際のフィルタでは、フィルタ特性のトップ部分がスルーレベル(0d Bレベル)から大きく低下するという問題が発生する。これは、W/λ値の減少 に伴い、交叉幅Wが小さくなるため、インピーダンスが大きくなり、これにより 損失か大きくなる。
【0030】 従って、30dB帯域特性、挿入損失特性から、LB基板1を用いて特性が安 定・向上する多重モードフィルタを達成するには、W/λ値を5〜15に設定す ることが極めて重要となる。
【0031】 尚、上述の実施例では、2つの共振子型フィルタを直列接続したが、3つ以上 のフィルタを接続しても構わない。
【0032】
本考案によれば、Li2 B7 O4 単結晶基板に形成した複数の共振子型フィル タを直列的に接続して成る多重モードSAWフィルタであって、共振子型フィル タを構成する各電極指群の交叉幅Wと波長λと比、W/λ値が5〜15であるた め、30dB帯域内にリップルが発生することがなく、また低挿入損失化され、 フィルタ特性が安定・向上した小型の多重モードSAWフィルタとなる。
【図1】本考案の多重モードSAWフィルタに用いる基
板の平面概略図である。
板の平面概略図である。
【図2】本考案の多重モードSAWフィルタにおけるフ
ィルタ特性を示す特性図である。
ィルタ特性を示す特性図である。
【図3】共振子型フィルタに発生する基本波、2倍波・
・・及び電荷分布を説明する概略図である。
・・及び電荷分布を説明する概略図である。
【図4】本考案の多重モードSAWフィルタにおけるW
/λ値と挿入損失との関係を示す特性図である。
/λ値と挿入損失との関係を示す特性図である。
【図5】従来の多重モードSAWフィルタのフィルタ特
性を示す特性図である。
性を示す特性図である。
【図6】従来の共振子型フィルタに発生する基本波、2
倍波・・・及び電荷分布を説明する概略図である。
倍波・・・及び電荷分布を説明する概略図である。
10・・・・・多重モードSAWフィルタ 1・・・・・・LiB7 O4 基板 2a、2b・・入力用櫛歯電極 3a、4b・・出力用櫛歯電極 4a、4b 5a、5b・・・・反射器電極
Claims (1)
- 【請求項1】 四硼酸リチウム(Li2 B4 O7 )単結
晶基板表面に、弾性表面波を伝播するための1対の入力
電極指群、1対の出力電極指群、2つの反射器電極指か
ら成る複数の共振器を伝播方向に沿って直列接続して成
る多重モード表面弾性波フィルタにおいて、 前記電極指群の交叉幅Wと伝播波長λの比が5≦W/λ
≦15であることを特徴とする多重モード表面弾性波フ
ィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1539693U JPH0677331U (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 多重モード表面弾性波フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1539693U JPH0677331U (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 多重モード表面弾性波フィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0677331U true JPH0677331U (ja) | 1994-10-28 |
Family
ID=11887576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1539693U Pending JPH0677331U (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 多重モード表面弾性波フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0677331U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11308069A (ja) * | 1998-04-17 | 1999-11-05 | Toyo Commun Equip Co Ltd | 弾性表面波デバイス |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP1539693U patent/JPH0677331U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11308069A (ja) * | 1998-04-17 | 1999-11-05 | Toyo Commun Equip Co Ltd | 弾性表面波デバイス |
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