JPH0676975B2 - 表面原子配列構造の観察方法 - Google Patents
表面原子配列構造の観察方法Info
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- JPH0676975B2 JPH0676975B2 JP59200955A JP20095584A JPH0676975B2 JP H0676975 B2 JPH0676975 B2 JP H0676975B2 JP 59200955 A JP59200955 A JP 59200955A JP 20095584 A JP20095584 A JP 20095584A JP H0676975 B2 JPH0676975 B2 JP H0676975B2
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-
- G—PHYSICS
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- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N23/00—Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料の表面に電子線を照射することによっ
て、表面から発生する電磁波を該電磁波の固体表面にお
ける全反射を利用して検出し、その走査像を表示する表
面原子配列構造の観察方法に関するものである。
て、表面から発生する電磁波を該電磁波の固体表面にお
ける全反射を利用して検出し、その走査像を表示する表
面原子配列構造の観察方法に関するものである。
半導体や金属の清浄な結晶表面、又はこの表面に金属な
どを1原子層程度吸着させた表面には、結晶の内部とは
全く異なった表面特有の超格子構造が形成されることは
良く知られている。しかしながら、これらの具体的な原
子配置や位置、即ち表面の原子構造については殆ど解明
されていない。例えば、Si(111)表面には、バルク構
造に比べて7倍の単位胞をもつ「7×7構造」とよばれ
る超構造が形成される。この7×7構造について、どの
ような原子配列構造になっているかという問題に関心が
高まり、種々の手段を用いた研究が進められている。そ
れらのうち原子の配列構造を観察する主な手段にていて
次に説明する。
どを1原子層程度吸着させた表面には、結晶の内部とは
全く異なった表面特有の超格子構造が形成されることは
良く知られている。しかしながら、これらの具体的な原
子配置や位置、即ち表面の原子構造については殆ど解明
されていない。例えば、Si(111)表面には、バルク構
造に比べて7倍の単位胞をもつ「7×7構造」とよばれ
る超構造が形成される。この7×7構造について、どの
ような原子配列構造になっているかという問題に関心が
高まり、種々の手段を用いた研究が進められている。そ
れらのうち原子の配列構造を観察する主な手段にていて
次に説明する。
物質の拡大像を得る装置で分解能の高いものとしては電
子顕微鏡、走査電子顕微鏡、電場イオン顕微鏡などがあ
る。
子顕微鏡、走査電子顕微鏡、電場イオン顕微鏡などがあ
る。
電子顕微鏡や走査電子顕微鏡では、電子線の進行方向に
原子のポテンシャルを投影した像が得られる。それ故電
子線が結晶の特定の軸の方向に入射するとこの方向に原
子が多数重なり、即ち原子柱状になり、そのポテンシャ
ルの重畳された結晶の格子像が観察できる。従ってこの
格子像は原子柱の像であって、個々の原子の像ではな
い。しかも、結晶軸に平行に電子線が入射する時以外は
この格子像も得られない。即ち、電子顕微鏡や走査電子
顕微鏡により表面における個々の原子の像を見るのは困
難である。
原子のポテンシャルを投影した像が得られる。それ故電
子線が結晶の特定の軸の方向に入射するとこの方向に原
子が多数重なり、即ち原子柱状になり、そのポテンシャ
ルの重畳された結晶の格子像が観察できる。従ってこの
格子像は原子柱の像であって、個々の原子の像ではな
い。しかも、結晶軸に平行に電子線が入射する時以外は
この格子像も得られない。即ち、電子顕微鏡や走査電子
顕微鏡により表面における個々の原子の像を見るのは困
難である。
これらに対して電場イオン顕微鏡(FIM)では、結晶表
面における個々の原子配列像を観察することができる
が、その観察は、W、Mo、Taなどの高融点金属に限ら
れ、その他の物質では原子配列像を観察するのは困難で
ある。また上記電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、電場イオ
ン顕微鏡などのいずれの方法でも原子の種類毎の像は得
られない。
面における個々の原子配列像を観察することができる
が、その観察は、W、Mo、Taなどの高融点金属に限ら
れ、その他の物質では原子配列像を観察するのは困難で
ある。また上記電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、電場イオ
ン顕微鏡などのいずれの方法でも原子の種類毎の像は得
られない。
また、試料表面に電子線を照射し、これによって試料表
面近傍から放出されたX線を検出するX線マイクロアナ
ライザ(XMA)を用いた方法があるが、この方法では、
X線と試料表面とのなす角度が通常30゜以上と大きく、
また、検出する立体角も約10゜程度と大きくなってい
る。このため、試料表面の元素からのX線だけでなく、
バルク内部の元素からのX線も同時に検出してしまうこ
とになる。この同時に検出されるバルク部分の厚さは表
面から数μm(数万Å)にも及ぶため、検出を意図する
表面付近の数原子層からのX線はバルクからのX線の中
に埋もれてしまう。この方法では元素の種類毎の像は得
られるが、現在の分解能はおよそ5000Å程度である。ま
た電子線を細く絞っても、電子線が試料内に拡散して表
面より数μm程度の所からのX線を検出することになる
ので高分解能は得られない。
面近傍から放出されたX線を検出するX線マイクロアナ
ライザ(XMA)を用いた方法があるが、この方法では、
X線と試料表面とのなす角度が通常30゜以上と大きく、
また、検出する立体角も約10゜程度と大きくなってい
る。このため、試料表面の元素からのX線だけでなく、
バルク内部の元素からのX線も同時に検出してしまうこ
とになる。この同時に検出されるバルク部分の厚さは表
面から数μm(数万Å)にも及ぶため、検出を意図する
表面付近の数原子層からのX線はバルクからのX線の中
に埋もれてしまう。この方法では元素の種類毎の像は得
られるが、現在の分解能はおよそ5000Å程度である。ま
た電子線を細く絞っても、電子線が試料内に拡散して表
面より数μm程度の所からのX線を検出することになる
ので高分解能は得られない。
表面の元素分析法としては、試料表面に電子線を照射
し、この電子線によるオージェ効果を利用したオージェ
電子分光法(AES)がある。この方法は、感度の点では
最も優れているといわれているが、これは原子番号の小
さな元素に対してのみであって、原子番号の大きな元素
に対しては、感度が著しく低下するという問題がある。
し、この電子線によるオージェ効果を利用したオージェ
電子分光法(AES)がある。この方法は、感度の点では
最も優れているといわれているが、これは原子番号の小
さな元素に対してのみであって、原子番号の大きな元素
に対しては、感度が著しく低下するという問題がある。
また、近年報告された方法に、反射高速電子回折法(RH
EED)を用いた方法(日本応用物理学会欧文誌;JJAP第19
巻8号第1451頁から第1457頁まで;1980年;井野正三
他)がある。この方法は、高エネルギー電子線を試料表
面に照射し、試料表面の元素が発生する特性X線を検出
するものであるが、そのX線取出角は3゜ないし5゜で
あって、特性X線の強度も先に述べたオージェ電子分光
法に比べて劣ったものとなっている。
EED)を用いた方法(日本応用物理学会欧文誌;JJAP第19
巻8号第1451頁から第1457頁まで;1980年;井野正三
他)がある。この方法は、高エネルギー電子線を試料表
面に照射し、試料表面の元素が発生する特性X線を検出
するものであるが、そのX線取出角は3゜ないし5゜で
あって、特性X線の強度も先に述べたオージェ電子分光
法に比べて劣ったものとなっている。
さらに本発明の発明者らによって電磁波全反射角検出法
を利用した表面元素分析法が新たに提案されている。こ
の方法は、電子線励起によって表面付近から放射される
電磁波を電磁波の全反射を利用して検出する方法で、極
表面の原子から放射される電磁波を非常に高感度に検出
できる。従って、元素分析では極表面について非常に高
感度の分析結果が得られるようになってきている。
を利用した表面元素分析法が新たに提案されている。こ
の方法は、電子線励起によって表面付近から放射される
電磁波を電磁波の全反射を利用して検出する方法で、極
表面の原子から放射される電磁波を非常に高感度に検出
できる。従って、元素分析では極表面について非常に高
感度の分析結果が得られるようになってきている。
上記の元素分析法の原理を使って走査像を得る方法とし
ては、オージェ電子顕微鏡があるが、分解能があまり良
くないのが現状である。つまり、低エネルギーのオージ
ェ電子は、試料の深い所から放出されたものは表面に到
達できないので、表面近くから放出されたものが主に検
出される。しかし、オージェ電子の信号の大きさは、通
常二次電子によるバックグラウンドに比べると小さくS/
N(信号−雑音比)が悪いので、このオージェ電子を信
号とするオージェ電子顕微鏡は、分解能があまり良くな
く、現在およそ5000Å程度である。
ては、オージェ電子顕微鏡があるが、分解能があまり良
くないのが現状である。つまり、低エネルギーのオージ
ェ電子は、試料の深い所から放出されたものは表面に到
達できないので、表面近くから放出されたものが主に検
出される。しかし、オージェ電子の信号の大きさは、通
常二次電子によるバックグラウンドに比べると小さくS/
N(信号−雑音比)が悪いので、このオージェ電子を信
号とするオージェ電子顕微鏡は、分解能があまり良くな
く、現在およそ5000Å程度である。
上述のように従来の方法では、半導体や金属の清浄な結
晶表面、又はこの表面に金属などを1原子層程度着させ
た表面の原子配列構造を観察しようとしても、これらの
元素が通常は微量であること、測定系がバルクを構成す
る元素情報を拾ってしまうために電子顕微鏡や走査電子
顕微鏡は表面付近のみの元素の情報を分離して得ること
が困難であること、またオージェ電子顕微鏡ではS/Nが
悪い、などの理由から十分に満足できる分解能を得られ
るものがなかった、さらに電場イオン顕微鏡では特定の
金属表面しか観察できないという欠点がある。本発明
は、上記の方法と異なり、電磁波の全反射を利用した新
しい原理に基づくものであって、表面の数原子層(極表
面)における原子配列構造を観察することが可能な表面
原子配列構造の観察方法及びその装置を提供することを
目的とするものである。
晶表面、又はこの表面に金属などを1原子層程度着させ
た表面の原子配列構造を観察しようとしても、これらの
元素が通常は微量であること、測定系がバルクを構成す
る元素情報を拾ってしまうために電子顕微鏡や走査電子
顕微鏡は表面付近のみの元素の情報を分離して得ること
が困難であること、またオージェ電子顕微鏡ではS/Nが
悪い、などの理由から十分に満足できる分解能を得られ
るものがなかった、さらに電場イオン顕微鏡では特定の
金属表面しか観察できないという欠点がある。本発明
は、上記の方法と異なり、電磁波の全反射を利用した新
しい原理に基づくものであって、表面の数原子層(極表
面)における原子配列構造を観察することが可能な表面
原子配列構造の観察方法及びその装置を提供することを
目的とするものである。
そのため本発明は、数Å程度に細く収束させた電子線を
試料表面に照射して二次元的に走査し、試料表面から放
射される特性X線を検出して試料表面の超構造を像観察
する表面原子配列構造の観察方法であって、検出する特
性X線に応じて試料表面における全反射角またはその近
傍の角になるように取出角を選択し、観察する試料表面
の超構造に応じて電子線の径を選択して電子線を試料表
面に照射し二次元的に走査することによって、試料表面
から放射される特性X線を検出して特性X線による走査
像を描かせ試料表面の超構造を観察することを特徴とす
るものである。
試料表面に照射して二次元的に走査し、試料表面から放
射される特性X線を検出して試料表面の超構造を像観察
する表面原子配列構造の観察方法であって、検出する特
性X線に応じて試料表面における全反射角またはその近
傍の角になるように取出角を選択し、観察する試料表面
の超構造に応じて電子線の径を選択して電子線を試料表
面に照射し二次元的に走査することによって、試料表面
から放射される特性X線を検出して特性X線による走査
像を描かせ試料表面の超構造を観察することを特徴とす
るものである。
本発明の表面原子配列構造の観察方法では、X線マイク
ロアナライザー(XMA)走査像と同様な走査像を得るも
のであるが、X線全反射角検出方法を利用して表面原子
の特性X線の検出感度を著しく増大させているところが
従来と異なる。しかも、電子線を数Å程度に細く絞り、
この電子線を表面と平行なx、y方向に走査させ、その
電子線励起によって放射される特性X線に応じて試料表
面における全反射角またはその近傍の角になるように取
出角を選択し、観察する試料表面の超構造に応じて電子
線の径を選択して電子線を試料表面に照射し二次元的に
走査することによって、試料表面から放射される特性X
線を検出して特性X線による走査像を描かせ試料表面の
超構造を観察するので、試料表面における超構造の像観
察が従来のMXA走査像の分解能に比べるとおよそ1000倍
程度分解が向上する。
ロアナライザー(XMA)走査像と同様な走査像を得るも
のであるが、X線全反射角検出方法を利用して表面原子
の特性X線の検出感度を著しく増大させているところが
従来と異なる。しかも、電子線を数Å程度に細く絞り、
この電子線を表面と平行なx、y方向に走査させ、その
電子線励起によって放射される特性X線に応じて試料表
面における全反射角またはその近傍の角になるように取
出角を選択し、観察する試料表面の超構造に応じて電子
線の径を選択して電子線を試料表面に照射し二次元的に
走査することによって、試料表面から放射される特性X
線を検出して特性X線による走査像を描かせ試料表面の
超構造を観察するので、試料表面における超構造の像観
察が従来のMXA走査像の分解能に比べるとおよそ1000倍
程度分解が向上する。
以下、実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、本発
明は電磁波を検出するものであるが、以下X線を例にと
り説明する。
明は電磁波を検出するものであるが、以下X線を例にと
り説明する。
第1図は本発明で使用される表面原子配列構造の観察装
置の1実施例概略構成を示す図である。第1図において
は、1は鏡体部、2は真空槽、3は試料、4は試料ホル
ダー、5は電子銃、6は電子線、7は放射X線、8はX
線検出器、9は記録装置、10はデータ処理装置、11は表
示装置をそれぞれ示している。
置の1実施例概略構成を示す図である。第1図において
は、1は鏡体部、2は真空槽、3は試料、4は試料ホル
ダー、5は電子銃、6は電子線、7は放射X線、8はX
線検出器、9は記録装置、10はデータ処理装置、11は表
示装置をそれぞれ示している。
本発明の表面原子配列構造の観察装置は、第1図図示の
ように、鏡体部をもち10-5Torr以上の高真空に排気でき
る真空槽2を本体とし、これに試料3を保持するための
試料ホルダー4、電子線6を放射する電子銃5、X線7
を高感度に検出測定できるX線検出器8、X線検出器8
で検出されたX線の検出信号を記録する記録装置9、記
録装置9に記録された信号を処理するデータ処理装置1
0、及びデータ処理装置10で処理されたX線の検出信号
を試料表面の走査像として表示する表示装置11などから
構成される。鏡体部1には、一般の走査顕微鏡その他の
走査分析装置と同様に収束レンズ、対物レンズ、偏向コ
イル、絞り及びそれらの制御手段が装備され、電子銃5
から放射された電子線を細く且つ強いビームに収束さ
せ、電子線を試料表面と平行なx、y方向に二次元的に
走査させる機能を有することは勿論であり、本発明はこ
の鏡体部1の構成に限定を加えるものではない。ただ、
電磁線収束手段は、電子線をなるべく細く収束させ、平
行性がよく強度の大きいビームを作成するものが望まし
い。また、試料ホルダー4は、通常用いられる回転手段
や並進手段例えばベローズを用いて試料の位置や傾斜を
変えることができる駆動機構を備え、X線検出器8も検
出角度(取出角)や位置を変えることができる駆動機構
を備え、試料を移動、回転させ或いはX線の検出位置を
移動させ、試料3の表面から放射されたX線7が全反射
角θ0(一般に小さな角)で検出されるように調整可能
に構成されることが望ましい。さらにX線検出器8は、
X線7を検出すると同時にX線のエネルギーの分析もで
きることが望ましい。
ように、鏡体部をもち10-5Torr以上の高真空に排気でき
る真空槽2を本体とし、これに試料3を保持するための
試料ホルダー4、電子線6を放射する電子銃5、X線7
を高感度に検出測定できるX線検出器8、X線検出器8
で検出されたX線の検出信号を記録する記録装置9、記
録装置9に記録された信号を処理するデータ処理装置1
0、及びデータ処理装置10で処理されたX線の検出信号
を試料表面の走査像として表示する表示装置11などから
構成される。鏡体部1には、一般の走査顕微鏡その他の
走査分析装置と同様に収束レンズ、対物レンズ、偏向コ
イル、絞り及びそれらの制御手段が装備され、電子銃5
から放射された電子線を細く且つ強いビームに収束さ
せ、電子線を試料表面と平行なx、y方向に二次元的に
走査させる機能を有することは勿論であり、本発明はこ
の鏡体部1の構成に限定を加えるものではない。ただ、
電磁線収束手段は、電子線をなるべく細く収束させ、平
行性がよく強度の大きいビームを作成するものが望まし
い。また、試料ホルダー4は、通常用いられる回転手段
や並進手段例えばベローズを用いて試料の位置や傾斜を
変えることができる駆動機構を備え、X線検出器8も検
出角度(取出角)や位置を変えることができる駆動機構
を備え、試料を移動、回転させ或いはX線の検出位置を
移動させ、試料3の表面から放射されたX線7が全反射
角θ0(一般に小さな角)で検出されるように調整可能
に構成されることが望ましい。さらにX線検出器8は、
X線7を検出すると同時にX線のエネルギーの分析もで
きることが望ましい。
第1図図示の表面原子配列構造の観察装置において、電
子銃5から放出された電子線を鏡体部1内で制御して試
料3の表面に照射し、試料3の表面と平行なx、y方向
に二次元的に走査させると、試料表面からX線7が放射
される。このX線7を、X線検出器8により試料3の表
面に対してX線の全反射角またはその近傍の角の取出角
で検出すると、極表面の原子から放出されたX線のみを
非常に高感度に検出できる。これを記録装置9に記録
し、データ処理装置(コンピュータ)10により処理して
電子線の走査同期信号に同期させ走査像を表示装置11に
描かせる。
子銃5から放出された電子線を鏡体部1内で制御して試
料3の表面に照射し、試料3の表面と平行なx、y方向
に二次元的に走査させると、試料表面からX線7が放射
される。このX線7を、X線検出器8により試料3の表
面に対してX線の全反射角またはその近傍の角の取出角
で検出すると、極表面の原子から放出されたX線のみを
非常に高感度に検出できる。これを記録装置9に記録
し、データ処理装置(コンピュータ)10により処理して
電子線の走査同期信号に同期させ走査像を表示装置11に
描かせる。
第2図は電子線が試料表面に入射し多重散乱を起こして
拡散してゆく様子を説明するための図、第3図はその表
面付近の拡大図で、電子線励起によって放射されるX線
とその検出位置の例を説明するための図、第4図はSi
(111)表面にAgを1.2Å(1原子層)吸着させた試料か
ら放射されるX線のエネルギー分布の測定例を示す図、
第5図はX線の取出角とSiKα線に対するAgLαβ線の比
の値との関係を説明するための図である。
拡散してゆく様子を説明するための図、第3図はその表
面付近の拡大図で、電子線励起によって放射されるX線
とその検出位置の例を説明するための図、第4図はSi
(111)表面にAgを1.2Å(1原子層)吸着させた試料か
ら放射されるX線のエネルギー分布の測定例を示す図、
第5図はX線の取出角とSiKα線に対するAgLαβ線の比
の値との関係を説明するための図である。
表面に入射した電子線は原子によって散乱を繰り返しな
がら第2図図示のように拡散してゆくといわれており、
従って電子線励起によって放射されるX線も、第2図図
示のような領域から発生する。通常のX線の透過能は1
μmより大きいので、X線検出器21或いは22を使って大
きい取出角で検出する従来の方法では、電子線のビーム
の径を絞っても、結晶内に入った電子が多重散乱をして
第3図図示斜線の部分のように拡散した領域から放射さ
れるX線を全部検出してしまう。そのため、X線検出器
21を使った反射法にしろ、X線検出器22を使った透過法
にしろ、X線の走査線の分解能はX線の発生領域の大き
さ程度のものしか得られない。従来この取出角は、先に
述べたように数十度から小さい場合でも数度というもの
であったが、これは、取出角の大小によって検出される
X線の強度がさほど変化するものではない、という認識
に基づくものであって、そのため精密な位置決めを要し
ない大きな取出角を採用していたものである。従って表
面元素分析装置においても取出角を大きくとるような検
出器の配置がなされていた。
がら第2図図示のように拡散してゆくといわれており、
従って電子線励起によって放射されるX線も、第2図図
示のような領域から発生する。通常のX線の透過能は1
μmより大きいので、X線検出器21或いは22を使って大
きい取出角で検出する従来の方法では、電子線のビーム
の径を絞っても、結晶内に入った電子が多重散乱をして
第3図図示斜線の部分のように拡散した領域から放射さ
れるX線を全部検出してしまう。そのため、X線検出器
21を使った反射法にしろ、X線検出器22を使った透過法
にしろ、X線の走査線の分解能はX線の発生領域の大き
さ程度のものしか得られない。従来この取出角は、先に
述べたように数十度から小さい場合でも数度というもの
であったが、これは、取出角の大小によって検出される
X線の強度がさほど変化するものではない、という認識
に基づくものであって、そのため精密な位置決めを要し
ない大きな取出角を採用していたものである。従って表
面元素分析装置においても取出角を大きくとるような検
出器の配置がなされていた。
しかし、本発明の発明者らは、先にも述べたように電子
線励起によって表面付近から放射されるX線を検出する
際に、X線の全反射を利用して検出すると、極表面の原
子から放射されるX線を非常に高感度に検出できること
を発見し、このX線全反射角検出法を利用した表面元素
分析法を提案した。具体的には、Si(111)表面にAgを
1.2Å(1原子層)吸着させた試料から放射されるX線
のエネルギー分布を測定した第4図の例を参照すると明
らかである。第4図において、試料表面のAgからのAgL
αβ線がバックグラウンドBの中から突き出たピークを
作っているが、そのうちdは取出角βが比較的大きい場
合であり、c、b、aとなるに従って取出角βを小さく
して試料の表面に対してX線の全反射角θ0またはその
近傍の角の取出角に近づけていった場合を示している。
特に、aのピークはバルクのSiKα線に匹敵する強度を
示しているのが注目される。この取出角βを1.0゜付近
から小さくしていった場合のSiKα線に対するAgLαβ線
の値の変化を示したのが第5図である。この第5図から
明らかなように全反射角θ0またはその近傍の角の取出
角は、1.0゜以下の角度で認められる。なお、Si(111)
表面にAgを1.2Å(1原子層)吸着させた例により説明
したが、他の試料や他の元素についても同様である、従
って、X線の全反射角近傍を取出角とすれば、きわめて
感度の高い表面元素分析が可能となる。
線励起によって表面付近から放射されるX線を検出する
際に、X線の全反射を利用して検出すると、極表面の原
子から放射されるX線を非常に高感度に検出できること
を発見し、このX線全反射角検出法を利用した表面元素
分析法を提案した。具体的には、Si(111)表面にAgを
1.2Å(1原子層)吸着させた試料から放射されるX線
のエネルギー分布を測定した第4図の例を参照すると明
らかである。第4図において、試料表面のAgからのAgL
αβ線がバックグラウンドBの中から突き出たピークを
作っているが、そのうちdは取出角βが比較的大きい場
合であり、c、b、aとなるに従って取出角βを小さく
して試料の表面に対してX線の全反射角θ0またはその
近傍の角の取出角に近づけていった場合を示している。
特に、aのピークはバルクのSiKα線に匹敵する強度を
示しているのが注目される。この取出角βを1.0゜付近
から小さくしていった場合のSiKα線に対するAgLαβ線
の値の変化を示したのが第5図である。この第5図から
明らかなように全反射角θ0またはその近傍の角の取出
角は、1.0゜以下の角度で認められる。なお、Si(111)
表面にAgを1.2Å(1原子層)吸着させた例により説明
したが、他の試料や他の元素についても同様である、従
って、X線の全反射角近傍を取出角とすれば、きわめて
感度の高い表面元素分析が可能となる。
特に、第3図図示のように、原子の大きさ程度(例えば
3Å程度)またはそれ以下に細く絞った電子線で表面を
照射すれば、表面における1原子ないしは数原子から放
射される特性X線のみを検出できるので、このように数
Å程度に細く収束させた電子線を試料の表面に平行な
x、y方向に走査させ、特性X線をその全反射角近傍の
取出角で信号として取り出しその走査像を描かせれば、
原子の種類毎に試料の極表面における超構造の像観察が
可能となる。
3Å程度)またはそれ以下に細く絞った電子線で表面を
照射すれば、表面における1原子ないしは数原子から放
射される特性X線のみを検出できるので、このように数
Å程度に細く収束させた電子線を試料の表面に平行な
x、y方向に走査させ、特性X線をその全反射角近傍の
取出角で信号として取り出しその走査像を描かせれば、
原子の種類毎に試料の極表面における超構造の像観察が
可能となる。
次に、全反射角について簡単に説明する。
第6図は全反射角を説明するための図である。
今、X線が物質表面に真空側から入射する場合に、X線
の視射角をその全反射角θ0より大きくすると、第6図
(a)に示すように入射X線AOは、物質表面で屈折して
一部は試料の中OA″方向に浸透し、一部はOA′方向に反
射される。しかし、視射角を小さくして全反射角θ0と
同じくすると、同図(b)に示すように表面に沿って、
或いは一部試料表面より上方へ反射するようになる。さ
らに視射角を小さくすると同図(c)に示すように入射
X線は全て試料表面より上方へ反射するようになる。
の視射角をその全反射角θ0より大きくすると、第6図
(a)に示すように入射X線AOは、物質表面で屈折して
一部は試料の中OA″方向に浸透し、一部はOA′方向に反
射される。しかし、視射角を小さくして全反射角θ0と
同じくすると、同図(b)に示すように表面に沿って、
或いは一部試料表面より上方へ反射するようになる。さ
らに視射角を小さくすると同図(c)に示すように入射
X線は全て試料表面より上方へ反射するようになる。
ここで、周知の如く全反射角θ0(rad)は、屈折率を
nとすると、 で表される。なお、 であるので、 となる。但し、Nは電子の密度、eは電荷、λはX線の
波長、meは電子の質量、cは光速である。したがって、
全反射角は、物質やX線の波長によって異なるものであ
り、例えばMoKα線がCの表面に入射して全反射される
場合の全反射角θ0は、 δ=4.735×10-6×(0.710)2 であるので、 となる。
nとすると、 で表される。なお、 であるので、 となる。但し、Nは電子の密度、eは電荷、λはX線の
波長、meは電子の質量、cは光速である。したがって、
全反射角は、物質やX線の波長によって異なるものであ
り、例えばMoKα線がCの表面に入射して全反射される
場合の全反射角θ0は、 δ=4.735×10-6×(0.710)2 であるので、 となる。
次に、上記の反射角及び屈折角を念頭に入れて同図
(d)により電子ビームeを試料表面に照射することに
よって試料の表面付近及び試料の深部から放射されるX
線の放射角と表面物質の検出感度の増加する原因を考察
すると、以下のとおり2つの効果がある。
(d)により電子ビームeを試料表面に照射することに
よって試料の表面付近及び試料の深部から放射されるX
線の放射角と表面物質の検出感度の増加する原因を考察
すると、以下のとおり2つの効果がある。
まず、第1の効果について説明する。試料表面に近いA
点の物質から放射されるX線のうち、表面に並行な方向
に放射されたX線は、経路aのように試料表面から全反
射角θ0の角度で放射される。従って、取り出し角を全
反射角θ0に設定したX線検出器DT1は、極表面の物質
から放射されたX線のうち、経路aと経路bで示される
X線のみを検出する。これに対し、試料深部のB点の物
質から放射されるX線のうち、表面から放射されたX線
は、経路cのように表面とのなす角θが必ず全反射角θ
0より大きくなり、X線検出器DT1には到達しない。
点の物質から放射されるX線のうち、表面に並行な方向
に放射されたX線は、経路aのように試料表面から全反
射角θ0の角度で放射される。従って、取り出し角を全
反射角θ0に設定したX線検出器DT1は、極表面の物質
から放射されたX線のうち、経路aと経路bで示される
X線のみを検出する。これに対し、試料深部のB点の物
質から放射されるX線のうち、表面から放射されたX線
は、経路cのように表面とのなす角θが必ず全反射角θ
0より大きくなり、X線検出器DT1には到達しない。
従って、X線検出器DT1は、表面A点の物質より放出さ
れたX線のみが有効に検出され、表面感度が向上する。
れたX線のみが有効に検出され、表面感度が向上する。
全反射角θ0より大きい角度θの位置にX線検出器DT2
を配置すると、極表面Aの物質から放射され、経路dで
示されるように直進してX線検出器DT2に到達するX線
だけでなく、深部のB点の物質から放射されたX線も経
路cで示すようにX線検出器DT2に到達する。
を配置すると、極表面Aの物質から放射され、経路dで
示されるように直進してX線検出器DT2に到達するX線
だけでなく、深部のB点の物質から放射されたX線も経
路cで示すようにX線検出器DT2に到達する。
普通、試料深部のB点からのX線の信号の方が圧倒的に
強いため、極表面のA点からのX線dの信号は、深部の
B点からのX線の信号に埋もれてしまい、感度良く極表
面の物質を検出することができない。
強いため、極表面のA点からのX線dの信号は、深部の
B点からのX線の信号に埋もれてしまい、感度良く極表
面の物質を検出することができない。
次に第2の効果について説明する。第6図(a)におい
て、X線の屈折の効果により、角AOCは角A″OB″より
常に小さい。従って、全反射角近傍の角においては、X
線束の密度、即ち、フラックスは第6図(e)に示す如
く、結晶内部より外部の真空側において常に大きくな
る。このX線のフラックスの増加の効果により、X線検
出器DTを全反射角近傍に設定すると極表面近傍からのX
線のみを選択的に検出できることになる。
て、X線の屈折の効果により、角AOCは角A″OB″より
常に小さい。従って、全反射角近傍の角においては、X
線束の密度、即ち、フラックスは第6図(e)に示す如
く、結晶内部より外部の真空側において常に大きくな
る。このX線のフラックスの増加の効果により、X線検
出器DTを全反射角近傍に設定すると極表面近傍からのX
線のみを選択的に検出できることになる。
以上の2つの効果によってX線取り出し角を全反射角近
傍に設定すると、表面感度が著しく向上する。
傍に設定すると、表面感度が著しく向上する。
このように試料の表面に対して全反射角またはその近傍
の角を取り出し角としてX線検出器DTを配置すると、試
料に電子ビームを照射したときに試料から放射されるX
線のうち極表面の物質から放射されたX線を高感度で検
出することができる。
の角を取り出し角としてX線検出器DTを配置すると、試
料に電子ビームを照射したときに試料から放射されるX
線のうち極表面の物質から放射されたX線を高感度で検
出することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の表面原子配列
構造の観察方法によれば、電子線のビームを、例えば3
Å程度(原子の大きさ程度)にすると原子を個々に観察
することができ、それより大きい5Å程度或いはそれ以
上の径であっても先に述べたような「7×7構造」とよ
ばれる超構造、その他金や銀、ニッケル、インジウムな
ど種々の金属を吸着させてできる各種の表面超構造を観
察することができる。従って元素の種類毎に例えばイン
ジウムのある位置、そのユニットの大きさなど構造の中
味を観察することができる。また、電子線のビームを3
Åより小さい1Å程度にするとK,L,M,……などの各電子
殻に対応する特性X線の像を観察することもできる。
構造の観察方法によれば、電子線のビームを、例えば3
Å程度(原子の大きさ程度)にすると原子を個々に観察
することができ、それより大きい5Å程度或いはそれ以
上の径であっても先に述べたような「7×7構造」とよ
ばれる超構造、その他金や銀、ニッケル、インジウムな
ど種々の金属を吸着させてできる各種の表面超構造を観
察することができる。従って元素の種類毎に例えばイン
ジウムのある位置、そのユニットの大きさなど構造の中
味を観察することができる。また、電子線のビームを3
Åより小さい1Å程度にするとK,L,M,……などの各電子
殻に対応する特性X線の像を観察することもできる。
さらには試料の周囲に複数個に分けて、或いは試料を囲
むようなX線検出器を使うことによって、試料表面から
放出されるX線の検出の効率を上げ高感度に測定するこ
ともできる。
むようなX線検出器を使うことによって、試料表面から
放出されるX線の検出の効率を上げ高感度に測定するこ
ともできる。
なお、本発明の表面原子配列構造の観察方法は、上記実
施例に限定されるものではなく、固体表面及び液体表面
を中心とした元素分析装置として、試料の表面に対して
X線の全反射角またはその近傍の角の取出角で検出する
X線検出器を設けることにより、電子顕微鏡、各種走査
電子顕微鏡、反射高速電子回析装置(RHEED)、分子線
エピタクシー装置、各種X線装置、その他原子配列構造
が観察可能なあらゆる装置に適用し得るものであり、種
々の変形が可能であることは云うまでもない。本発明の
表面原子配列構造の観察装置では、従来の分析装置にお
いて観察できた数μm程度の表面でなく、1原子ないし
数原子層の極表面における個々の原子およびそれらの配
列構造の観察像を得ることができるので、これらは従来
の方法にはないすぐれた特徴をもち、化合物や合金の表
面の研究など枚挙にいとまがない程多くの基礎的・応用
的研究が可能となる。即ち、物理、化学、金属学、電子
工学などの基礎学問分野、半導体工業、エレクトロニク
ス工業、金属工業、触媒工業、原子力工業その他の技術
分野に広く応用することができる。
施例に限定されるものではなく、固体表面及び液体表面
を中心とした元素分析装置として、試料の表面に対して
X線の全反射角またはその近傍の角の取出角で検出する
X線検出器を設けることにより、電子顕微鏡、各種走査
電子顕微鏡、反射高速電子回析装置(RHEED)、分子線
エピタクシー装置、各種X線装置、その他原子配列構造
が観察可能なあらゆる装置に適用し得るものであり、種
々の変形が可能であることは云うまでもない。本発明の
表面原子配列構造の観察装置では、従来の分析装置にお
いて観察できた数μm程度の表面でなく、1原子ないし
数原子層の極表面における個々の原子およびそれらの配
列構造の観察像を得ることができるので、これらは従来
の方法にはないすぐれた特徴をもち、化合物や合金の表
面の研究など枚挙にいとまがない程多くの基礎的・応用
的研究が可能となる。即ち、物理、化学、金属学、電子
工学などの基礎学問分野、半導体工業、エレクトロニク
ス工業、金属工業、触媒工業、原子力工業その他の技術
分野に広く応用することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来
の電子顕微鏡では勿論、電場イオン顕微鏡でも特別な高
融点金属以外の物質について困難であった固体の極表面
における原子配列構造が観察でき、原子の種類毎や特性
X線の種類毎の原子配列構造も観察できる。また原子が
結晶のように規則的に配列していない場合でも観測可能
である。さらには、取出角を変化させることによって、
表面からの深さを変えた原子配列構造が観察できるの
で、表面付近における立体的な原子配列構造の観察が可
能となる。電子線の径に応じて固体の極表面における様
々な構造が観察できる。
の電子顕微鏡では勿論、電場イオン顕微鏡でも特別な高
融点金属以外の物質について困難であった固体の極表面
における原子配列構造が観察でき、原子の種類毎や特性
X線の種類毎の原子配列構造も観察できる。また原子が
結晶のように規則的に配列していない場合でも観測可能
である。さらには、取出角を変化させることによって、
表面からの深さを変えた原子配列構造が観察できるの
で、表面付近における立体的な原子配列構造の観察が可
能となる。電子線の径に応じて固体の極表面における様
々な構造が観察できる。
第1図は本発明で使用される表面原子配列構造の観察装
置の1実施例概略構成を示す図、第2図は試料表面に入
射した電子が試料内の原子によって多重散乱して拡散し
てゆく様子を説明するための図、第3図は第2図の表面
近傍の拡大図で、電子線励起によって放射されるX線と
その検出位置の例を説明するための図、第4図はSi(11
1)表面にAgを1.2Å(1原子層)吸着させた試料から放
射されるX線のエネルギー分布の測定例を示す図、第5
図はX線の取出角とSiKα線に対するAgLαβ線の比の値
との関係を説明するための図、第6図は全反射角を説明
するための図である。 1……鏡体部、2……真空槽、3……試料、4……試料
ホルダー、5……電子銃、6……電子線、7……X線、
8、21、22と23……X線検出器、9……記録装置、10…
…データ処理装置、11……表示装置。
置の1実施例概略構成を示す図、第2図は試料表面に入
射した電子が試料内の原子によって多重散乱して拡散し
てゆく様子を説明するための図、第3図は第2図の表面
近傍の拡大図で、電子線励起によって放射されるX線と
その検出位置の例を説明するための図、第4図はSi(11
1)表面にAgを1.2Å(1原子層)吸着させた試料から放
射されるX線のエネルギー分布の測定例を示す図、第5
図はX線の取出角とSiKα線に対するAgLαβ線の比の値
との関係を説明するための図、第6図は全反射角を説明
するための図である。 1……鏡体部、2……真空槽、3……試料、4……試料
ホルダー、5……電子銃、6……電子線、7……X線、
8、21、22と23……X線検出器、9……記録装置、10…
…データ処理装置、11……表示装置。
フロントページの続き (56)参考文献 内山郁他著「X線マイクロアナライザ」 (昭47−1−20)日刊工業新聞社、P.5 −14、P.143−149、P.157−161 日本物理学会1963年秋の分科会講演予稿 集2頁457 14P−T−6 REED−S SD法による蛍光X線分光
Claims (1)
- 【請求項1】数Å程度に細く収束させた電子線を試料表
面に照射して二次元的に走査し、試料表面から放射され
る特性X線を検出して試料表面の超構造を像観察する表
面原子配列構造の観察方法であって、検出する特性X線
に応じて試料表面における全反射角またはその近傍の角
になるように取出角を選択し、観察する試料表面の超構
造に応じて電子線の径を選択して電子線を試料表面に照
射し二次元的に走査することによって、試料表面から放
射される特性X線を検出して特性X線による走査像を描
かせ試料表面の超構造を観察することを特徴とする表面
原子配列構造の観察方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59200955A JPH0676975B2 (ja) | 1984-09-26 | 1984-09-26 | 表面原子配列構造の観察方法 |
US06/779,902 US4724320A (en) | 1984-09-26 | 1985-09-25 | Method of observing the arrangement of atoms on a surface and apparatus therefor |
GB08523752A GB2165353B (en) | 1984-09-26 | 1985-09-26 | Method of observing the arrangement of atoms on a surface and apparatus therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59200955A JPH0676975B2 (ja) | 1984-09-26 | 1984-09-26 | 表面原子配列構造の観察方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6178041A JPS6178041A (ja) | 1986-04-21 |
JPH0676975B2 true JPH0676975B2 (ja) | 1994-09-28 |
Family
ID=16433083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59200955A Expired - Lifetime JPH0676975B2 (ja) | 1984-09-26 | 1984-09-26 | 表面原子配列構造の観察方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4724320A (ja) |
JP (1) | JPH0676975B2 (ja) |
GB (1) | GB2165353B (ja) |
Families Citing this family (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5621811A (en) * | 1987-10-30 | 1997-04-15 | Hewlett-Packard Co. | Learning method and apparatus for detecting and controlling solder defects |
US5561696A (en) * | 1987-10-30 | 1996-10-01 | Hewlett-Packard Company | Method and apparatus for inspecting electrical connections |
JPH0238850A (ja) * | 1988-07-28 | 1990-02-08 | Jeol Ltd | X線分光器を用いた定性分析方法 |
GB8920344D0 (en) * | 1989-09-08 | 1989-10-25 | Isis Innovation | Method and apparatus for imaging dislocations in materials |
US5199054A (en) * | 1990-08-30 | 1993-03-30 | Four Pi Systems Corporation | Method and apparatus for high resolution inspection of electronic items |
US5866905A (en) * | 1991-05-15 | 1999-02-02 | Hitachi, Ltd. | Electron microscope |
JP3287858B2 (ja) * | 1991-05-15 | 2002-06-04 | 株式会社日立製作所 | 電子顕微鏡装置及び電子顕微方法 |
JP2656681B2 (ja) * | 1991-07-11 | 1997-09-24 | 財団法人国際超電導産業技術研究センター | 表面分析装置 |
DE69232214T2 (de) * | 1991-07-11 | 2002-05-08 | Fujikura Ltd., Tokio/Tokyo | Einrichtung zur Oberflächenanalyse mittels Röntgenspektroskopie |
JPH05251028A (ja) * | 1992-03-09 | 1993-09-28 | Jeol Ltd | X線分析装置を備えた電子顕微鏡 |
JP3165615B2 (ja) * | 1995-03-17 | 2001-05-14 | 財団法人国際超電導産業技術研究センター | 表面元素分析方法及び装置 |
US5583904A (en) * | 1995-04-11 | 1996-12-10 | Hewlett-Packard Co. | Continuous linear scan laminography system and method |
US5687209A (en) * | 1995-04-11 | 1997-11-11 | Hewlett-Packard Co. | Automatic warp compensation for laminographic circuit board inspection |
WO1997001862A1 (fr) * | 1995-06-26 | 1997-01-16 | Hitachi, Ltd. | Microscope electronique et microscopie electronique |
DE19738408C2 (de) * | 1997-09-03 | 2001-06-07 | Geesthacht Gkss Forschung | Vorrichtung zur wellenlängen-dispersiven Analyse von Fluoreszenzstrahlung |
EP2557584A1 (en) * | 2011-08-10 | 2013-02-13 | Fei Company | Charged-particle microscopy imaging method |
US10459334B2 (en) * | 2017-02-22 | 2019-10-29 | Tokyo Electron Limited | Facilitation of orthotopic patterns during substrate fabrication |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1985
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Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
内山郁他著「X線マイクロアナライザ」(昭47−1−20)日刊工業新聞社、P.5−14、P.143−149、P.157−161 |
日本物理学会1963年秋の分科会講演予稿集2頁45714P−T−6REED−SSD法による蛍光X線分光 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
GB2165353A (en) | 1986-04-09 |
JPS6178041A (ja) | 1986-04-21 |
GB8523752D0 (en) | 1985-10-30 |
US4724320A (en) | 1988-02-09 |
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