JPH0676465B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0676465B2
JPH0676465B2 JP60207319A JP20731985A JPH0676465B2 JP H0676465 B2 JPH0676465 B2 JP H0676465B2 JP 60207319 A JP60207319 A JP 60207319A JP 20731985 A JP20731985 A JP 20731985A JP H0676465 B2 JPH0676465 B2 JP H0676465B2
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昇 小越
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は印刷インキの用途に利用されうる軟化点が120
〜155℃の透明な印刷インキ用樹脂組成物に関する。就
中、平版印刷インキ用樹脂として利用するに適した印刷
インキ用樹脂組成物に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
従来より、塗料および印刷インキ用樹脂としては、フェ
ノール樹脂が用いられており、印刷インキ、就中、平版
印刷インキ用としてはロジン変性フェノール樹脂が多用
されている。
勿論、平版印刷インキ用としてアルキド樹脂、ロジンエ
ステルまたは石油樹脂などを併用することもあるが、基
本的には、このロジン変性フェノール樹脂を亜麻仁油な
どの乾性油と共にクッキングせしめ、高沸点石油系溶剤
に溶解せしめたワニスがインキ用ビヒクルとして使用さ
れてきた。
ところが、こうしたビヒクルによった場合には、平版印
刷インキとして特に重要な因子である光沢と乾燥性(セ
ット)とを高いレベルで同時に満足せしめることがむず
かしいという欠点があった。
つまり、上述した形のインキ用ビヒクル成分中のロジン
変性フェノール樹脂の軟化点を上げ、しかもこの樹脂の
配合量をも増大させればセットは速くなるが、インキ用
石油系高沸点溶剤への溶解性や顔料への湿潤性が低減し
てインキの光沢が低下するようになるし、他方、当該イ
ンキ用ビヒクル成分中の乾性油の配合量を増大させれば
顔料への湿潤性が良くなって光沢が得られるものの、イ
ンキが軟化してセットは遅くなる。
ところで近年は、益々印刷物の高級化が進むと同時に印
刷の高速化の傾向が強まり、セットおよび光沢のいずれ
もが良好なる平版印刷用インキの出現が切望され、加え
て、ミスチング、転移不良および版汚れなどの印刷トラ
ブルの無い、印刷適性にすぐれたインキが要求されるよ
うになり、こうしたインキ用ビヒクルの改良が急務とな
っている。
かかる諸要求に応えるべく各種の樹脂が開発されてきて
おり、それらは大別すると、一つにはロジン変性フェノ
ール樹脂の分子構造をニーズに合致させるように改良し
ようとするもの、二つ目にはアクリル樹脂および/また
はスチレン樹脂などの、いわゆるビニル樹脂であり、さ
らに三つ目にはロジン変性フェノール樹脂とビニル樹脂
とのブレンド物などがある。
それらのうち、まずロジン変性フェノール樹脂の分子構
造を改良しようとする方法として、たとえば本発明者ら
が特開昭57-61071号および57-61072号公報に開示されて
いる如く、光沢およびセットに関する諸要因を解析した
結果、これらの光沢とセットとを同時に満足させうる樹
脂としては、動植物油変性ロジンフェノール樹脂が極め
てすぐれていることを見出したが、その後における印刷
速度の高速化に伴って、該樹脂を有効成分とする平版印
刷インキにあっても、セットおよび光沢が十分であると
も言えなくなり、更なる改良が要求されている。
次いで、二つ目のビニル樹脂を使用しようとする方法と
しては、たとえば特開昭53-98385号公報に開示されてい
るような、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソ
ボニルおよびメタクリル酸の共重合体が脂肪族高沸点溶
剤に溶解すること、ならびにこの共重合体を主成分と
し、かつ乾性油を含まない印刷インキが挙げられるが、
かかる共重合体をビヒクル成分とするインキは光沢やセ
ットこそ満足すべき域にあるものの、インキの流動性の
悪化はもとより、ミスチングや転移不良などの印刷トラ
ブルが多発するという欠点を有している。
さらに三つ目の方法としては、特開昭57-14662号公報に
開示されるような、ロジン変性フェノール樹脂、石油系
樹脂またはロジン変性アルキド樹脂の如き従来型インキ
用樹脂とビニル系共重合体とをパラフィン系炭化水素に
分散せしめた形の印刷インキ用ビヒクルを用いる方法が
挙げられる。
かかるビヒクルを成分とした平版印刷インキからは強靱
なる、乾燥したインキ皮膜が得られるという特徴を有す
るし、印刷適性もほぼ問題がないと言えるものではある
が、インキの調製時においては、このビニル系共重合体
自体の相溶性に難点があるし、顔料の分散性も悪く、光
沢も悪いといった欠点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
しかるに、本発明者らは上述した如き従来技術における
種々の欠点の存在に鑑みて鋭意研究した結果、特定の変
性フェノール樹脂の存在下でスチレン、メチルメタクリ
レート、エチルアクリレートやn−ブチルアクリレート
などのα,β−不飽和エチレン性不飽和単量体を重合せ
しめて得られる樹脂組成物が、セットと光沢とが共にす
ぐれるものであることは勿論、印刷トラブルの発生も実
質的に皆無であることを見出して、本発明を完成させる
に到った。
すなわち、本発明は90〜20重量部のロジン変性フェノー
ル樹脂(A)と、10〜80重量部のα,β−エチレン性不
飽和単量体(B)とを、重合開始剤の存在下に、重合さ
せて得られることを特徴とする軟化点が120〜155℃の透
明な印刷インキ用樹脂組成物であり、就中、平版印刷イ
ンキ用樹脂として利用することができ、従来の技術によ
っては為し得なかったほどに顕著にすぐれたセットと光
沢とを有し、高速印刷に適用してもミスチング、転移不
良および版汚れなどの印刷トラブルの発生しにくい、印
刷インキ用樹脂組成物を提供しようとするものである。
ここにおいて、上記したロジン変性フェノール樹脂
(A)とは、たとえば昭和44年、印刷学会出版部発行の
「印刷インキ工学」第483頁に記載されている通り印刷
インキ用ビヒクルとして既に公知のものであり、ロジン
類、フェノール類、ホルムアルデヒド供給物質および多
価アルコール類を、さらに必要により、一塩基酸および
/または多塩基酸をも、公知慣用の方法で付加縮合反応
して得られる固形の樹脂を指称し、市販品としては「ベ
ッカサイト1126、F-175またはF-181」〔大日本インキ化
学工業(株)製品〕などがある。
そのほか、こうしたロジン変性フェノール樹脂を不飽和
二塩基酸により付加反応せしめたものも使用しうる。
他方、前記したα,β−エチレン性不飽和単量体(B)
としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレートもしくはステアリル(メタ)アク
リレートの如きアルキル(メタ)アクリレート類;メト
キシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メ
タ)アクリレートもしくはテトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレートの如きエーテルエステル類;ジメチル
フマレート、ジエチルフマレート、ジブチルイタコネー
トもしくはジ−2−エチルヘキシルイタコネートまたは
モノメチルイタコネート、モノエチルマレートもしくは
モノブチルフマレートの如き不飽和二塩基酸のモノーま
たはジアルキルエステル類;無水マレイン酸、フマル酸
もしくはイタコン酸の如き不飽和二塩基酸またはそれら
の無水物;(メタ)アクリル酸もしくはクロトン酸の如
き不飽和一塩基酸;β−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートβ−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トもしくはγ−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
の如きヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;グ
リシジル(メタ)アクリレートもしくはβ−メチルグリ
シジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基含有(メ
タ)アクリレート類;あるいはスチレン、ビニルトルエ
ン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリ
ロニトリル、塩化ビニル、エチレン、(メタ)アクリル
アミド、ビニルピロリドン、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレートまたはジシクロペンテニルオキシエチル(メ
タ)アクリレートなどが代表例であるが、これらのうち
スチレン、ビニルトルエンまたはメチルメタクリレート
の如き硬質単量体を主成分とし、エチルアクリレートま
たはブチルアクリレートの如き可塑性単量体を共重合さ
せることが好ましい。
これらの各単量体はグラフトベースたるロジン変性フェ
ノール樹脂(A)の軟化点や溶解性などの諸特性によっ
て適宜選択される。
本発明の軟化点が120〜155℃の透明な印刷インキ用樹脂
組成物は、以上に掲げられた各原料を用いて公知慣用の
重合方法によって調製せしめることができる。
すなわち、たとえばロジン変性フェノール樹脂(A)を
溶媒に溶解させ、これに重合開始剤とα,β−エチレン
性不飽和単量体(B)とを仕込んで60〜150℃なる反応
温度で1〜15時間反応せしめるという方法によってもよ
いし、あるいはロジン変性フェノール樹脂(A)に予め
不飽和二塩基酸を付加せしめて別種のロジン変性フェノ
ール樹脂(A)を得ておき、以後は上述したと同様に溶
解させ、次いで反応せしめるという方法によってもよ
い。
ここにおいて、上記不飽和二塩基酸として代表的なもの
には、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸またはこはく酸などがあり、かかる不飽和二塩基酸の
使用量としては付加せしめるべきロジン変性フェノール
樹脂の100重量部に対して3重量部以下であるのが好ま
しい。
また、上記不飽和二塩基酸によるロジン変性フェノール
樹脂への付加反応は、溶媒の存在下または不存在下で80
〜180℃なる温度範囲で行われる。
ところで、ロジン変性フェノール樹脂それ自体の存在下
で、つまり前記不飽和二塩基酸による付加反応を経ない
ままのロジン変性フェノール樹脂(A)の存在下でα,
β−エチレン性不飽和単量体(B)を溶液重合せしめる
場合には、ラジカル連鎖移動によるグラフト重合体が生
成するものと考えられ、本来、かかる方法によっても十
分、目的とする樹脂組成物が得られるけれども、ロジン
変性フェノール樹脂それ自体ではなく、前記不飽和二塩
基酸による付加反応を経由した形のロジン変性フェノー
ル樹脂(A)の存在下で重合せしめた場合には、連鎖移
動のみではなく、この不飽和二塩基酸とのラジカル共重
合によるグラフト重合体も生成するものと考えられる。
こうした方法のいずれによっても目的とする軟化点が12
0〜155℃の透明な印刷インキ用樹脂組成物が得られる。
そのさい、重合開始剤とα,β−エチレン性不飽和単量
体(B)の仕込み方法としては、別々に行ってもよい
し、あるいは両者を混合した上で分割により行うか(分
割仕込み法)、または連続して行うか(連続添加仕込
み)のいずれによってもよいことは勿論である。
また、重合溶媒として代表的なものにはキシレンやトル
エンの如き芳香族炭化水素類をはじめ、エステル類、ケ
トン類、脂肪族炭化水素類またはインキ用石油系高沸点
溶剤などがあるし、重合開始剤として代表的なものには
過酸化ベンゾイン、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、tert−ブチルパーベンゾエート、ジ−tert−ブチル
パーオキサイドもしくはキュメンハイドロパーオキサイ
ドの如き有機過酸化物;またはアゾビスイソブチロニト
リルもしくはアゾビスバレロニトリルの如きアゾ系化合
物などがある。
かかる重合開始剤の使用量としては、前記α,β−エチ
レン性不飽和単量体(B)の重量を基準として0.5〜10
%なる範囲内が適当であり、またかかる重合開始剤と同
時に、ラウリルメルカプタンまたはチオグリコール酸エ
ステルなどの連鎖移動剤をも使用できるけれども、本発
明においては敢えてこの連鎖移動剤を使用する必要はな
い。
而して、本発明の目的効果を利あらしめるためには、前
記したそれぞれロジン変性フェノール樹脂(A)とα,
β−エチレン性不飽和単量体(B)との総量を100重量
部としたとき、ロジン変性フェノール樹脂(A)の使用
量としては90〜20重量部、好ましくは70〜30重量部が、
他方、α,β−エチレン性不飽和単量体(B)の使用量
は10〜80重量部、好ましくは30〜70重量部が適当であ
る。
α,β−エチレン性不飽和単量体(B)の使用量が10重
量部未満である場合には、本発明の第一の目的である高
い光沢と速いセット性とを併せ有する樹脂組成物が得ら
れなくなるし、逆に80重量部を超える場合には、ミスチ
ング、転移不良および版汚れなどの印刷トラブルが発生
し易くなるようになり、使用に耐え得ないものとなる。
一般的には、ロジン変性フェノール樹脂とビニル系樹脂
とは相溶しなく、したがってこれら両者を溶融混合せし
めても白濁分離するに至ることとなるが、以上のように
して得られる本発明の樹脂組成物は均一透明であり、こ
のことは特筆すべき効果の一つであると言えよう。
ただ、こうした特筆すべき効果を現出するに至る本発明
組成物の生成メカニズムや構造の詳細こそ不明ではある
が、α,β−エチレン性不飽和単量体(B)の一部には
ロジン変性フェノール樹脂(A)に連鎖移動反応などに
よってグラフト重合されているのではないかと推論され
る。
かくして得られる本発明の樹脂組成物の製品形態は、所
望とする用途に応じて適宜、変えることができる。
すなわち、重合反応終了後において脱溶剤せしめること
によって固形樹脂となすことも可能であるし、あるいは
脱溶剤せずに溶液状態で供することも勿論、可能であ
る。
因みに、平版印刷インキ用に供される場合には、重合反
応の終了後に脱溶剤を行って固形の樹脂となしたのち、
乾性油を加えてクッキングを行ってからインキ用高沸点
石油系溶剤で希釈し、さらにアルミニウムキレートによ
るゲル化処理を行い、次いで粘度調整を経て目的とする
インキ用ワニスを調製するという、従来法に従ってもよ
いが、インキ用高沸点石油系溶剤中で本発明組成物を製
造し、重合反応終了後に乾性油を加えてクッキングを行
い、さらに必要に応じて、アルミニウムキレートによる
ゲル化処理と粘度調整とを経て目的とするインキ用ワニ
スを調製するという方法に従う方が一層、合理的であ
る。
このようにして得られたワニスに顔料、添加剤または乾
燥促進剤(インキ用ドライヤー)などを調合し、次いで
三本ロールなどで混練せしめることにより平版印刷イン
キを調製することができる。
本発明の軟化点が120〜155℃の透明な印刷インキ用樹脂
組成物は、印刷インキ用として利用できるものである
が、とくに平版印刷インキ用として適用するのが望まし
い。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例、応用例および比較応用例により
一層具体的に説明するが、以下において部および%は特
に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
実施例1 攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素吸込管および滴下漏
斗を備えた四ツ口フラスコに、「ベッカサイトF-175」
の200部とトルエンの200部とを仕込んで温度を上げて均
一に溶解せしめ、110℃に保持した。
次いで、ここにスチレンの200部と「パーブチルZ」
〔日本油脂(株)製のtert−ブチルパーオキシベンゾエ
ート〕の4部とからなる混合液を30分間に亘って滴下
し、滴下終了後も同温度に7時間保持し、単量体の重合
率が98%に達していることを確認してから減圧脱溶剤を
行って目的とする樹脂組成物を得た。
ここに得られた樹脂組成物は、JIS K-2531の環球法に準
拠して測定された軟化点が154℃なる淡褐色透明の固形
物であった。
以上の実施例と並行して、まず「ベッカサイトF-175」
の使用を全く欠如したままに、実施例1と同様の操作を
繰り返し、単量体の重合率が98%になるまで重合させて
から、次にこの「ベッカサイトF-175」の200部を仕込ん
で溶解せしめ、しかるのち得られた樹脂溶液を採取して
フィルム状に乾燥せしめた処、フィルムは白濁するに至
った。
このことから、ビニル樹脂とロジン変性フェノール樹脂
との単なるブレンドによった樹脂組成物は不均一のもの
でしかなく、本発明の樹脂組成物にあっては、ビニル樹
脂とロジン変性フェノール樹脂とが一体化された形の均
一組成物であることが知れる。
実施例2 実施例1と同様のフラスコに、「ベッカサイトF-181」
の770部、キシレンの475部および無水マレイン酸の8部
を仕込んで140℃まで昇温して溶解させつつ無水マレイ
ン酸を「ベッカサイトF-181」へ開環付加せしめ、次い
で130℃に降温してスチレンの165部、n−ブチルメタク
リレートの165部および「パーブチルZ」の4部からな
る混合液を30分間に亘って滴下し、滴下終了後もこの13
0℃に10時間保持し、単量体の重合率が99%に達してい
ることを確認してから減圧脱溶剤を行って目的とする樹
脂組成物を取り出した。
ここに得られた樹脂組成物の軟化点は147℃なる淡褐色
透明の固形物であった。
これと並行させて、まず「ベッカサイトF-181」の使用
を全く欠如したままに、実施例2と同様の操作を繰り返
して単量体の重合率が98%になるまで重合させ、次いで
この「ベッカサイトF-181」の770部を仕込んで溶解せし
め、しかるのち得られた樹脂溶液を採取してフィルム状
に乾燥せしめた処、フィルムは白濁するに至った。
実施例3 α,β−エチレン性不飽和単量体としてビニルトルエン
の165部とラウリルメタクリレートの165部を用いるよう
に変更し、かつ滴下終了後の保持時間(重合反応時間)
を12時間とするように変更した以外は、実施例2と同様
にし、単量体の重合率が97%に達したことが確認された
時点で減圧脱溶剤せしめて目的とする樹脂組成物を得
た。
かくして得られた樹脂組成物は軟化点が120℃なる淡褐
色透明の固形物であった。
これと並行させて、まず「ベッカサイトF-181」の使用
を一切欠如するように変更した以外は、本実施例3と同
様にして重合率が98%になるまで重合させたのち、この
「ベッカサイトF-181」の770部を仕込んで溶解させてか
ら溶液を採取し、フィルム状に乾燥せしめた処、フィル
ムは白濁するに至った。
実施例4 実施例1と同様の反応器に、「ベッカサイトF-175」の7
2部とトルエンの200部とを仕込み、温度を上昇せしめて
均一に溶解させ、110℃に保持してスチレンの259部、メ
タクリル酸の29部および「パーブチルZ」の9部よりな
る混合液を1時間に亘って滴下し、滴下終了後も同温度
に11時間保持して重合反応を続行させ、単量体の重合率
が98%になったことを確認し、減圧脱溶剤を行って目的
とする樹脂組成物を取り出したが、このものは軟化点が
136℃なる淡黄色透明の固形物として得られた。
これと並行させて、まず「ベッカサイトF-175」の使用
を一切欠如した以外は、本実施例4と同様の操作を繰り
返して重合率が98%になるまで重合せしめ、次いでこの
「ベッカサイトF-175」の72部を仕込んで溶解させてか
ら溶液を採取し、フィルム状に乾燥せしめた処、白濁し
たフィルムとして得られた。
実施例5 実施例1と同様の反応器に、「ベッカサイトF-181」の3
88部、「5号ソルベント」〔日本石油(株)製のインキ
用石油系高沸点溶剤〕の240部および無水マレイン酸の
4部を仕込んで140℃で溶解し反応させたのち、スチレ
ンの83部、n−ブチルメタクリレートの83部および「パ
ークミルH」〔日本油脂(株)製のキュメンハイドロパ
ーオキサイド〕の4部よりなる混合液を30分間に亘って
滴下し、滴下終了後も同温度に15時間保持し、単量体の
重合率が96%に達していることが確認された時点で反応
を終了させ、固形分が約69%なる液状樹脂組成物を得
た。
これと並行させて、まず「ベッカサイトF-181」の使用
を一切欠如した以外は、本実施例5と同様の操作を繰り
返して重合率が98%になるまで重合せしめ、次いでこの
「ベッカサイトF-181」の388部を仕込んで溶解させてか
ら溶液を採取し、フィルム状に乾燥せしめた処、白濁し
たフィルムとして得られた。
応用例1〜5および比較応用例1、2 攪拌機、温度計および窒素吹込み管を備えた四ツ口フラ
スコに、第1表に示される配合組成割合に従って、応用
例にあっては各実施例で得られた固形樹脂組成物ないし
は液状樹脂組成物と、比較応用例にあっては従来型固形
樹脂(ロジン変性フェノール樹脂)の代表として「ベッ
カサイトF-175」(軟化点=165℃、酸価=16)または
「ベッカサイトF-181」(軟化点=152℃、酸価=17)と
亜麻仁油とを仕込んで240℃に昇温し、1時間に亘りク
ッキングを行った。
次いで、「5号ソルベント」および「カルコール40」
〔花王石鹸(株)製の高級アルコール〕を加えて160℃
まで降温して保持した。
しかるのち、「ケロープ」〔ホープ製薬(株)製のアル
ミニウムキレート〕を投入し、同温度に1時間保持して
ワニスのゲル化を行った。
かくして得られたそれぞれのワニスは、次いで平版印刷
インキを調製し、それから印刷テストを行うために用い
られる。
次に、それぞれのワニス60部と「カーミン6B」〔大日本
インキ化学工業(株)製の紅色顔料〕25部とを三本ロー
ルで三回に亘って混練し、さらに金属ドライヤー(イン
キ用乾燥促進剤)の1部と「」「5号ソルベント」の所
望量とを投入してタックバリューが9〜11なる範囲内に
入るようにインキの粘度を調整して、各平版印刷インキ
を得た。
しかるのち、(株)明製作所製の「RIテスター」を用い
て光沢とセットとを評価し、また米国ツイング・アルバ
ート(Twing Albert)社製の「インコメーター」を用い
てミスチングを、さらにリョービ(株)製の軽オフセッ
ト印刷機「2800CD」を用いて水棒ガラミおよび版汚れを
評価する一方、各インキについての貯蔵安定性を評価す
ることによって、各種の印刷テストを行った。
それらの結果は第2表にまとめて示すが、まず各印刷テ
ストの要領は次に示す通りである。
まず、光沢は「RIテスター」を使用してインキ量の0.15
ml/ツー・カットロールにてアート紙上に印刷し、20
℃、65%RHなる条件下で24時間乾燥せしめたのち60度/6
0度反射鏡面光沢を測定したものであり、次にセットは
「RIテスター」を用いてインキ量0.15ml/ツー・カット
ロールにて、まずアート紙上に印刷したのち、次いで同
じ「RIテスター」を用いて上質紙上に先のアート紙上の
印刷面を圧着せしめたさいのインキの移りを観察し、こ
のインキの移りが無くなるに至った時点までの時間を以
てセット時間とした。
また、印刷トラブルの一つであるミスチングは「インコ
メーター」に1.3mlのインキを採り、800rpmなる速度で
ロールを回転させてインキの飛散しにくさを観察して行
われるものであり、同じく印刷トラブルのうちの水棒ガ
ラミおよび版汚れは共に軽オフセット印刷機を用い、そ
のうち水棒ガラミは「2800CD」にて平版印刷試験を行
い、そのさいのインキによる水フォンテンローラーと水
ダクターローラーとの汚れにくさを観察して行われるも
のであるし、版汚れは「2800CD」にて平版印刷試験を行
い、そのさいのインキによる版の汚れを観察して行われ
るものである。
さらに、インキの貯蔵安定性はインキをブリキ缶中に常
温で3カ月間貯蔵せしめたのちのインキの状態変化を観
察して行ったものである。
〔発明の効果〕 第2表の結果からも明かなように、本発明の軟化点が12
0〜155℃の透明な印刷インキ用樹脂組成物は、とくに平
版印刷インキ用ビヒクルとして使用した場合に、極めて
有効なる性能を有するものであることが知れる。すなわ
ち、本発明の軟化点が120〜155℃の透明な印刷インキ用
樹脂組成物は従来の技術ないしは従来型樹脂では到底及
ばないほどの、光沢と乾燥性とが高いレベルで同時に満
足させうる平版印刷インキを与えると共に、高速印刷に
おいても、すぐれた印刷適性を示し、ミスチング、転移
不良および版汚れの如き印刷トラブルの発生しにくいと
いう驚くべき性能を有するものであることが知れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジン変性フェノール樹脂(A)90〜20重
    量部と、α,β−エチレン性不飽和単量体(B)10〜80
    重量部とを、重合開始剤の存在下に、重合させて得られ
    ることを特徴とする軟化点が120〜155℃の透明な印刷イ
    ンキ用樹脂組成物。
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