JPH0676324B2 - 糖ラクタムを含有する抗炎症剤 - Google Patents

糖ラクタムを含有する抗炎症剤

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JPH0676324B2
JPH0676324B2 JP62090899A JP9089987A JPH0676324B2 JP H0676324 B2 JPH0676324 B2 JP H0676324B2 JP 62090899 A JP62090899 A JP 62090899A JP 9089987 A JP9089987 A JP 9089987A JP H0676324 B2 JPH0676324 B2 JP H0676324B2
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lactam
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inflammatory
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康勝 湯田
暁 中林
正次 瀬崎
元宏 西尾
信一 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,糖ラクタム誘導体;D−グルコ−δ−ラクタム
並びにD−グルカロ−δ−ラクタムを有効成分とする抗
炎症剤に関するものである。
[従来の技術,発明が解決しようとする問題点] 現在使用されている抗炎症剤はステロイド系抗炎症剤及
び非ステロイド系抗炎症剤の2つに大別されるが,これ
らは抗炎症作用が強い一方で副作用も強く,ステロイド
系抗炎症剤は副腎皮質機能不全,糖尿,タンパク質代謝
亢進による組織の萎縮,感染に対する抵抗力の低下,ま
た非ステロイド系抗炎症剤も消化管障害,肝障害,腎障
害等が問題となっている。炎症は生体組織に有害刺激が
加わった時に生体が示す防御反応であり,傷害に対する
生体の修復反応である。したがって炎症の症状を完全に
抑制する薬物は必ずしも好ましいとは言えず,むしろ自
己治癒力を阻害しない程度に症状をコントロールし病状
の進行を抑制する薬物が理想的な抗炎症薬と言えよう。
本発明の化合物は従来の薬物と系統を異にするものであ
り,その素材は天然物由来の化学変換体である糖ラクタ
ム誘導体であり,本発明はこれら化合物を具体的に提供
するものである。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は式(I) 〔式中Yは−CH2OH基;−COOH基又はその薬理上許容さ
れる塩を表す〕 で示されるD−グルコ−δ−ラクタム,D−グルカロ−δ
−ラクタム又はD−グルカロ−δ−ラクタム アルキル
エステルを有効成分とする抗炎症剤に関する。
当該化合物は公知であり,D−グルコ−δ−ラクタムに関
してはグルコシダーゼ阻害活性(特公昭53-106928,Agr.
Biol.Chem.34,966-968,1970年)に関する知見はある
が,今回新たにこれら糖ラクタム化合物が抗炎症作用を
有することを見出した。本発明は当該発明者にとっても
思わぬ発見に基づいて成されたものである。
D−グルコ−δ−ラクタム,D−グルカロ−δ−ラクタム
の糖ラクタム化合物の製造に関しては本発明者らにより
放線菌の生産する抗生物質ノジリマイシン(5−アミノ
−5−デオキシ−D−グルコピラノース,)(Tetrahed
ron 23,2125,1968年)の化学的乃至酵素的酸化により達
成されている。
すなわち,D−グルコ−δ−ラクタム(Ia)はノジリマイ
シン(II)の化学的酸化もしくはグルコースオキシダー
ゼによる酵素酸化により調製され,D−グルカロ−δ−ラ
クタム(Ib)はD−グルコ−δ−ラクタム(Ia)をさら
に接触空気酸化に付すことにより合成される(明治製菓
研究年報 13,80-84,1973年)。
本発明の化合物はその化学構造より非ステロイド抗炎症
剤の範疇に属するが,これら糖ラクタム化合物が抗炎症
作用を発揮する知見は今回はじめて明らかにされる事実
である。
非ステロイド系抗炎症剤はステロイド系抗炎症剤に比べ
重篤な副作用はないが,消化器系に対する障害は特に問
題視されている。
本発明の糖ラクタム化合物;D−グルコ−δ−ラクタム,D
−グルカロ−δ−ラクタムはラットを用いた実験で,胃
に対する刺激性はほとんど観察されない。また,マウス
を用いた急性毒性試験の結果は静注,経口共に5g/kg以
上であり,公知のいわゆる非ステロイド系抗炎症剤と比
べはるかに低毒性である。
炎症は生体が示す一種の防御反応であり,したがってこ
れに対応する抗炎症薬は生体の自己治癒力を阻害しない
程度に症状をコントロールし,病状の進行を抑制し,し
かも生体に対し副作用の少ない薬物が理想的であり,本
発明の化合物は正にこの要件を満たすものと言える。
本発明の化合物の炎症に起因する疾患の治療及び予防の
ための有効な投与方法は経口投与であるが静注等の非経
口投与も可能である。投与量は1日量100〜1500mgを1
日1回又は数回に分けて投与する。しかしながら正確な
投与量は患者の年令,体重,症状,投与経路,及び投与
回数により決められる。薬剤の投与剤型としてはカプセ
ル剤,錠剤,顆粒剤,細粒剤,散剤等があげられる。こ
れらの製剤には賦形剤としてデンプン,乳糖,マンニッ
ト,結晶セルロース等が配合され,滑沢剤としてステア
リン酸マグネシウム乃至はステアリン酸カルシウムを添
加する。結合剤としてはゼラチン,アラビアゴム,セル
ロースエステル,ポリビニルピロリドン等が添加され製
剤される。
非経口投与のための剤型としては無菌の水性又は非水性
溶液剤,懸濁剤又は乳濁剤等がある。非水性の溶剤又は
懸濁剤の基剤としては,例えばプロピレングリコール,
ポリエチレングリコール,オリーブ油,オレイン酸エチ
ル等があげられる。
[発明の効果] 本発明の抗炎症剤は糖ラクタム化合物;D−グルコ−δ−
ラクタム,又はD−グルカロ−δ−ラクタム及びそのア
ルキルエステル体を有効成分としてなるものである。
本発明の化合物の抗炎症剤としての有用性を示すために
発明化合物(I)の中の代表的なものにつきカラゲニン
足浮腫試験の結果を以下に示す。
〈試験法〉 体重150g前後のドンリュウ系雄性ラットを一群5匹とし
て用い右側後肢足の足容積を測定後,1%カラゲニン生理
食塩水溶液を0.05ml皮下注射し起炎する。
被験薬は起炎30分前に0.5%CMC溶液に溶解あるいは懸濁
して経口投与し(100mg/kg),効果の判定は起炎4時間
後における足容積を測定し,起炎剤注射前の値より浮腫
率を求め,コントロールとの比較より抑制率を算出し
た。
[実施例] 以下に本発明化合物の実施例を示すが本発明はこの具体
例に限定されるものではない。
実施例1 ノジリマイシン(5−アミノ−5−デオキシ−D−グル
コピラノース)9gを水300mlに溶解し,安息香酸バリウ
ム30gを添加後,氷冷下臭素3mlを滴下する。室温にて30
時間反応後,5N硫酸にて中和後生成する沈澱をろ去す
る。ろ液はクロロホルムにて洗浄後,炭酸銀22gを加え
攪拌する。生成する沈澱をろ別し,ろ液をアンバーライ
トIR-120(H型100ml)のカラムを通す。通過液及び洗
液を合わせ濃縮後,水−メタノールより結晶化し,D−グ
ルコ−δ−ラクタム6.5gを得た。
実施例2 D−グルコ−δ−ラクタム9gを蒸留水400mlに溶解し,
水添処理した酸化白金3gを添加し,2N苛性ソーダにてpH8
〜9に維持しながら60〜65℃にて攪拌下酸素ガスを通じ
3.5時間反応する。反応液は触媒をろ去し,炭末にて脱
色後,濃縮乾固し,D−グルカロ−δ−ラクタムのナトリ
ウム塩9.2gを得た。
実施例3 1錠が次の組成よりなる錠剤を製造した。
実施例2の化合物 100mg 乳糖 280mg ジャガイモデンプン 80mg ポリビニルピロリドン 11mg ステアリン酸マグネシウム 5mg 実施例2の化合物,乳糖及びジャガイモデンプンを混合
し,これをポリビニルピロリドンの20%エタノール溶液
で均一に湿潤させ,20mmメッシュのフルイを通し,45℃に
て乾燥させ,15mmのメッシュのフルイを通した。こうし
て得た顆粒をステアリン酸マグネシウムと混和し,錠剤
に圧縮した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬崎 正次 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品研究所内 (72)発明者 西尾 元宏 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品研究所内 (72)発明者 近藤 信一 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−216867(JP,A) 米国特許3956337(US,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (式中Yは−CH2OH;−COOH基又はその薬理上許容され
    る塩を表す)で示されるD−グルコ−δ−ラクタム又は
    D−グルカロ−δ−ラクタムを有効成分とする抗炎症
    剤。
JP62090899A 1987-04-15 1987-04-15 糖ラクタムを含有する抗炎症剤 Expired - Lifetime JPH0676324B2 (ja)

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WO2006037069A1 (en) * 2004-09-28 2006-04-06 Allergan, Inc. Compositions comprising nb-dnj, ne-dnj or d-glucaro-delta-lactam and their uses for the treatment of pain and other neurological conditions

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