JPH0676245A - 電磁波導波路型磁界検出装置及びその製造方法 - Google Patents
電磁波導波路型磁界検出装置及びその製造方法Info
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- JPH0676245A JPH0676245A JP25391492A JP25391492A JPH0676245A JP H0676245 A JPH0676245 A JP H0676245A JP 25391492 A JP25391492 A JP 25391492A JP 25391492 A JP25391492 A JP 25391492A JP H0676245 A JPH0676245 A JP H0676245A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 非磁性薄膜2cと非磁性薄膜2cを介して積
層された複数(例えば2層)の磁性薄膜2a、2bとか
らなる積層体によって感磁部2が構成され、非磁性薄膜
2cによって磁気ギャップが形成され、マイクロ波導波
路型磁界検出装置が構成される。 【効果】 マイクロ波導波路構成とすることにより、被
検出磁界による磁性層の透磁率変化で、定在波等の変化
を出力として高感度に検出でき、また、キャリア周波数
は、数100MHz、或いは GHzオーダにも高めることができ
て磁気記録媒体上の記録信号用周波数も高周波とするこ
とができ、高密度記録が可能になる。その上、感磁部2
を前記の積層構造とすることにより、形成される閉磁路
によって外部磁束の侵入距離が増え、一段と高い周波
数、短波長の被検出磁界をも検出可能になる。
層された複数(例えば2層)の磁性薄膜2a、2bとか
らなる積層体によって感磁部2が構成され、非磁性薄膜
2cによって磁気ギャップが形成され、マイクロ波導波
路型磁界検出装置が構成される。 【効果】 マイクロ波導波路構成とすることにより、被
検出磁界による磁性層の透磁率変化で、定在波等の変化
を出力として高感度に検出でき、また、キャリア周波数
は、数100MHz、或いは GHzオーダにも高めることができ
て磁気記録媒体上の記録信号用周波数も高周波とするこ
とができ、高密度記録が可能になる。その上、感磁部2
を前記の積層構造とすることにより、形成される閉磁路
によって外部磁束の侵入距離が増え、一段と高い周波
数、短波長の被検出磁界をも検出可能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部磁界の検出、例え
ば磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク等の
磁気記録媒体からの信号磁界の検出を行う磁気再生ヘッ
ドとして好適な、新しい原理に基づく電磁波導波路型磁
界検出装置及びその製造方法に関するものである。
ば磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク等の
磁気記録媒体からの信号磁界の検出を行う磁気再生ヘッ
ドとして好適な、新しい原理に基づく電磁波導波路型磁
界検出装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体に記録された磁気記録信号
の再生には、電磁誘導を用いたインダクティブ型磁気ヘ
ッドが長年に亘って用いられてきた。しかしながら、近
年の高記録密度化、高周波化に伴い、種々の問題が生じ
ている。
の再生には、電磁誘導を用いたインダクティブ型磁気ヘ
ッドが長年に亘って用いられてきた。しかしながら、近
年の高記録密度化、高周波化に伴い、種々の問題が生じ
ている。
【0003】まず、記録密度の向上に伴い、再生ヘッド
と磁気記録媒体との相対速度が低下し、インダクティブ
型再生ヘッドでは再生出力が著しく低下する。
と磁気記録媒体との相対速度が低下し、インダクティブ
型再生ヘッドでは再生出力が著しく低下する。
【0004】これに対して、磁気記録媒体との相対速度
に依存しない磁束感応型の磁気抵抗効果型(MR)再生
ヘッドの開発、実用化が進められている。その再生出力
は、ヘッドを構成するMR素子に流す電流に比例するた
め、原理的には電流を多く流せばそれだけ大きな電圧を
得ることが出来るはずである。しかし、通電による発熱
があるため、実際には通電量には限界がある。
に依存しない磁束感応型の磁気抵抗効果型(MR)再生
ヘッドの開発、実用化が進められている。その再生出力
は、ヘッドを構成するMR素子に流す電流に比例するた
め、原理的には電流を多く流せばそれだけ大きな電圧を
得ることが出来るはずである。しかし、通電による発熱
があるため、実際には通電量には限界がある。
【0005】MR再生ヘッドの再生出力はMR素子のM
R比にも比例するため、出力向上のために、現在、より
大きなMR比を有する材料の探査が盛んに進められてい
る。現状では主にパーマロイが用いられているが、その
MR比は2%程度に留まっており、再生出力は充分とは
言えない。また、こうしたMRヘッドにおいては、バル
クハウゼン効果によるノイズでS/N比が低下すること
が大きな問題となっている。
R比にも比例するため、出力向上のために、現在、より
大きなMR比を有する材料の探査が盛んに進められてい
る。現状では主にパーマロイが用いられているが、その
MR比は2%程度に留まっており、再生出力は充分とは
言えない。また、こうしたMRヘッドにおいては、バル
クハウゼン効果によるノイズでS/N比が低下すること
が大きな問題となっている。
【0006】他の磁束感応型の再生ヘッドとして、外部
磁界によるコイルの共振特性の変化を利用した再生ヘッ
ドの提案もなされている(例えば、1990年電子情報通信
学会の春季全国大会講演予稿集5−35頁)。但し、この
ヘッドにおいては、分布定数回路的な取扱はなされてお
らず、磁性体の透磁率も1GHz 以下の領域で用いてい
る。
磁界によるコイルの共振特性の変化を利用した再生ヘッ
ドの提案もなされている(例えば、1990年電子情報通信
学会の春季全国大会講演予稿集5−35頁)。但し、この
ヘッドにおいては、分布定数回路的な取扱はなされてお
らず、磁性体の透磁率も1GHz 以下の領域で用いてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、近
年、磁気記録においては、記録する情報量の急速な増加
に伴い、高記録密度化、高周波化の傾向が著しい。この
傾向は特に、ビデオ、コンピューターの外部記憶装置と
してのハードディスクなどの分野において強くなってい
る。ビデオの分野においては、今後のハイディフィニシ
ョン化(高精細度化)及びデジタル化に対応する必要が
あり、またハードディスクはコンピューターの性能向上
に伴うソフトウェアの規模の拡大、データ処理量の増加
等に対する対応に迫られている。
年、磁気記録においては、記録する情報量の急速な増加
に伴い、高記録密度化、高周波化の傾向が著しい。この
傾向は特に、ビデオ、コンピューターの外部記憶装置と
してのハードディスクなどの分野において強くなってい
る。ビデオの分野においては、今後のハイディフィニシ
ョン化(高精細度化)及びデジタル化に対応する必要が
あり、またハードディスクはコンピューターの性能向上
に伴うソフトウェアの規模の拡大、データ処理量の増加
等に対する対応に迫られている。
【0008】この高密度化、高周波化に対応するために
は、再生ヘッドとしては、高感度でかつ高周波特性に優
れたものが必要となる。
は、再生ヘッドとしては、高感度でかつ高周波特性に優
れたものが必要となる。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、外部磁界の検出、即ち外部磁界の有無及び
強度の検出が可能であり、特に磁気記録媒体上の磁気記
録による信号磁界を高感度をもって検出でき、高密度
化、高周波化の要求に対応した再生ヘッドを構成でき、
かつ、波長が一層短い(短波長)信号も十二分に再生で
き、小型化も実現できる電磁波導波路型磁界検出装置及
びその製造方法を提供することを目的としている。
のであって、外部磁界の検出、即ち外部磁界の有無及び
強度の検出が可能であり、特に磁気記録媒体上の磁気記
録による信号磁界を高感度をもって検出でき、高密度
化、高周波化の要求に対応した再生ヘッドを構成でき、
かつ、波長が一層短い(短波長)信号も十二分に再生で
き、小型化も実現できる電磁波導波路型磁界検出装置及
びその製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は次のような構成としている。
め、本発明は次のような構成としている。
【0011】第一の発明は、非磁性層とこの非磁性層を
介して積層された複数の薄膜磁性層とからなる積層体が
感磁部に設けられ、前記非磁性層が磁気ギャップを構成
している電磁波導波路型磁界検出装置に係るものであ
る。
介して積層された複数の薄膜磁性層とからなる積層体が
感磁部に設けられ、前記非磁性層が磁気ギャップを構成
している電磁波導波路型磁界検出装置に係るものであ
る。
【0012】第二の発明は、基体上に第一の磁性層と非
磁性層と第二の磁性層とからなる積層体を薄膜形成法に
よって設ける工程と、前記積層体の近傍に電磁波導波路
を形成する工程とを有する、前記第一の発明に係る電磁
波導波路型磁界検出装置の製造方法に係るものである。
磁性層と第二の磁性層とからなる積層体を薄膜形成法に
よって設ける工程と、前記積層体の近傍に電磁波導波路
を形成する工程とを有する、前記第一の発明に係る電磁
波導波路型磁界検出装置の製造方法に係るものである。
【0013】第三の発明は、被検出磁束を侵入させるた
めの磁性層と、前記被検出磁束をその侵入側へ戻すため
のリターン磁路とによって感磁部が構成され、前記磁性
層と前記リターン磁路との少なくとも一方が薄膜磁性層
からなっている電磁波導波路型磁界検出装置に係るもの
である。
めの磁性層と、前記被検出磁束をその侵入側へ戻すため
のリターン磁路とによって感磁部が構成され、前記磁性
層と前記リターン磁路との少なくとも一方が薄膜磁性層
からなっている電磁波導波路型磁界検出装置に係るもの
である。
【0014】第四の発明は、リターン磁路又は磁性層が
機械加工(例えばバルク状磁性体の切出しによるバルク
プロセス)によって作製された磁性体半体コア(磁性補
助コア)からなっている、前記第三の発明に係る電磁波
導波路型磁界検出装置に係るものである。
機械加工(例えばバルク状磁性体の切出しによるバルク
プロセス)によって作製された磁性体半体コア(磁性補
助コア)からなっている、前記第三の発明に係る電磁波
導波路型磁界検出装置に係るものである。
【0015】第五の発明は、磁性層とリターン磁路とが
共に薄膜磁性層からなっている、前記第三の発明に係る
電磁波導波路型磁界検出装置に係るものである。
共に薄膜磁性層からなっている、前記第三の発明に係る
電磁波導波路型磁界検出装置に係るものである。
【0016】第六の発明は、基体に設けた凹部に、機械
加工(例えばバルク状磁性体の切出しによるバルクプロ
セス)によって作製された磁性体半体コア(磁性補助コ
ア)を埋め込む工程と、前記磁性体半体コアに、被検出
磁束を導くための磁性層を結合する工程と、この結合体
の近傍に電磁波導波路を形成する工程とを有する、前記
第四の発明に係る電磁波導波路型磁界検出装置の製造方
法に係るものである。
加工(例えばバルク状磁性体の切出しによるバルクプロ
セス)によって作製された磁性体半体コア(磁性補助コ
ア)を埋め込む工程と、前記磁性体半体コアに、被検出
磁束を導くための磁性層を結合する工程と、この結合体
の近傍に電磁波導波路を形成する工程とを有する、前記
第四の発明に係る電磁波導波路型磁界検出装置の製造方
法に係るものである。
【0017】第七の発明は、基体上に、被検出磁束を侵
入させるための磁性層と前記被検出磁束をその侵入側へ
戻すためのリターン磁路とを共に薄膜形成法によって形
成する工程と、前記磁性層の近傍に電磁波導波路を形成
する工程とを有する、前記第五の発明に係る電磁波導波
路型磁界検出装置の製造方法に係るものである。
入させるための磁性層と前記被検出磁束をその侵入側へ
戻すためのリターン磁路とを共に薄膜形成法によって形
成する工程と、前記磁性層の近傍に電磁波導波路を形成
する工程とを有する、前記第五の発明に係る電磁波導波
路型磁界検出装置の製造方法に係るものである。
【0018】上述の各発明において、複数の薄膜磁性
層、又は磁性層及びリターン磁路が、被検出磁束の侵入
によって所定の電磁波帯域で互いに異なる透磁率変化量
を示すこと、並びにビデオ帯域で高い透磁率を示すこと
が望ましい。
層、又は磁性層及びリターン磁路が、被検出磁束の侵入
によって所定の電磁波帯域で互いに異なる透磁率変化量
を示すこと、並びにビデオ帯域で高い透磁率を示すこと
が望ましい。
【0019】また、電磁波としてマイクロ波を使用する
ことが望ましい。ここで、「マイクロ波」とは、広義に
は 0.3〜1000GHz の波長域の電磁波を指すが、本発明で
は、そうしたマイクロ波のうち、100GHz以下(特に 0.3
〜30GHz)の電磁波が好適であるが、300GHz以下のミリメ
ートル波も使用可能である。
ことが望ましい。ここで、「マイクロ波」とは、広義に
は 0.3〜1000GHz の波長域の電磁波を指すが、本発明で
は、そうしたマイクロ波のうち、100GHz以下(特に 0.3
〜30GHz)の電磁波が好適であるが、300GHz以下のミリメ
ートル波も使用可能である。
【0020】
【発明に至る経過及び発明の基本的原理】本発明者は、
鋭意研究の結果、前述した要請に応え得る再生ヘッド用
として好適な新規な分布定数回路型磁界検出装置に着目
し、この知見に基づいて本発明に到達したものである。
本発明の実施例の説明に先立って、以下に上記分布定数
回路型磁界検出装置の基本的原理を説明する。
鋭意研究の結果、前述した要請に応え得る再生ヘッド用
として好適な新規な分布定数回路型磁界検出装置に着目
し、この知見に基づいて本発明に到達したものである。
本発明の実施例の説明に先立って、以下に上記分布定数
回路型磁界検出装置の基本的原理を説明する。
【0021】上記分布定数回路型磁界検出装置の基本構
成は、図43Aの構成図で示すように、電磁波が励振され
た分布定数回路1の回路内部の磁界発生部位(感磁部)
に、印加磁界変化により透磁率μ(本明細書でいう透磁
率とは複素透磁率を指称する。)が変化する磁性体2を
配置する。
成は、図43Aの構成図で示すように、電磁波が励振され
た分布定数回路1の回路内部の磁界発生部位(感磁部)
に、印加磁界変化により透磁率μ(本明細書でいう透磁
率とは複素透磁率を指称する。)が変化する磁性体2を
配置する。
【0022】即ち、磁性体2を回路内部に有する分布定
数回路1を発振器3によって励振させるとき、その磁性
体2が、磁界発生部位にあるようにその位置を設定す
る。そして、被検出磁界を磁性体2に直接的或いは間接
的に作用させ、これによる透磁率変化で分布定数回路1
内の電磁場分布を変化させ、これを検出して被検出磁界
の検出を行う。
数回路1を発振器3によって励振させるとき、その磁性
体2が、磁界発生部位にあるようにその位置を設定す
る。そして、被検出磁界を磁性体2に直接的或いは間接
的に作用させ、これによる透磁率変化で分布定数回路1
内の電磁場分布を変化させ、これを検出して被検出磁界
の検出を行う。
【0023】図43Aで説明したように、分布定数回路
1、即ち、具体的にはマイクロストリップライン、導波
管、同軸ケーブル等からなる分布定数回路1を発振器3
によって励振させるとき、その終端(即ち、負荷端)が
インピーダンス整合状態にあれば、進行波が発生する。
逆に、インピーダンス不整合状態にあれば、進行波のほ
かに反射波が発生し、それらの重ね合わせにより定在波
が立つ。そして、この定在波比は、分布定数回路1の終
端が開放又は短絡状態で最大となる。
1、即ち、具体的にはマイクロストリップライン、導波
管、同軸ケーブル等からなる分布定数回路1を発振器3
によって励振させるとき、その終端(即ち、負荷端)が
インピーダンス整合状態にあれば、進行波が発生する。
逆に、インピーダンス不整合状態にあれば、進行波のほ
かに反射波が発生し、それらの重ね合わせにより定在波
が立つ。そして、この定在波比は、分布定数回路1の終
端が開放又は短絡状態で最大となる。
【0024】この装置では、印加磁界変化により透磁率
が変化する磁性体2を含む分布定数回路1を設け、これ
の励振状態での磁界発生部位に、磁性体2を配置するも
のである。今、磁性体2に被検出磁界を与えない状態
で、或る瞬間に図43Bに示すような電磁場分布を持つ電
磁波が生じているとすると、分布定数回路1は、その回
路の透磁率が変化すれば、電磁場分布が変化する。
が変化する磁性体2を含む分布定数回路1を設け、これ
の励振状態での磁界発生部位に、磁性体2を配置するも
のである。今、磁性体2に被検出磁界を与えない状態
で、或る瞬間に図43Bに示すような電磁場分布を持つ電
磁波が生じているとすると、分布定数回路1は、その回
路の透磁率が変化すれば、電磁場分布が変化する。
【0025】従って、外部磁界Hex、即ち被検出磁界H
ex=Hが磁性体2に作用して、これの透磁率μ(実部μ
r 及び虚部μi )が変化すれば、図43Bの電圧分布も変
化するので、分布定数回路1の特定位置xs での例え
ば、位相、振幅、波長を検出することにより、被検出磁
界の検出を行うことができる。
ex=Hが磁性体2に作用して、これの透磁率μ(実部μ
r 及び虚部μi )が変化すれば、図43Bの電圧分布も変
化するので、分布定数回路1の特定位置xs での例え
ば、位相、振幅、波長を検出することにより、被検出磁
界の検出を行うことができる。
【0026】図44中、曲線4Zは、外部磁界Hexが例え
ば与えられていないHex=0で、分布定数回路1の終端
が不整合状態にあって、特定位置xs で定在波振幅|V
|が最小値V0 を示す定在波が立っている状態の波形を
示している。図44において定在波振幅の最大値と最小値
との比を電圧定在波比と称し、λは定在波波長、λ/2
は定在波の山又は谷が繰返される間隔を示す。そして、
この定在波比は、終端を開放或いは短絡した状態で最大
となる。
ば与えられていないHex=0で、分布定数回路1の終端
が不整合状態にあって、特定位置xs で定在波振幅|V
|が最小値V0 を示す定在波が立っている状態の波形を
示している。図44において定在波振幅の最大値と最小値
との比を電圧定在波比と称し、λは定在波波長、λ/2
は定在波の山又は谷が繰返される間隔を示す。そして、
この定在波比は、終端を開放或いは短絡した状態で最大
となる。
【0027】この状態で前述したように、磁性体2に対
する印加磁界HexがHex=Hに変化すると、即ち被検出
磁界が与えられると、分布定数回路1の電磁場分布が変
化することによって例えば図44中に破線曲線4exに示す
ように、電圧定在波比、定在波波長λ、及び位相或いは
そのいずれかが変化し、位置xs での定在波振幅|V|
がVexに変化する。
する印加磁界HexがHex=Hに変化すると、即ち被検出
磁界が与えられると、分布定数回路1の電磁場分布が変
化することによって例えば図44中に破線曲線4exに示す
ように、電圧定在波比、定在波波長λ、及び位相或いは
そのいずれかが変化し、位置xs での定在波振幅|V|
がVexに変化する。
【0028】従って、被検出磁界が与えられない状態で
の電圧|V|が最小値V0 を示す例えば位置xs で、被
検出磁界が与えられたときのVexを検波すれば、大きな
電圧の変化が得られ、高感度の検出を行うことができ
る。しかしながら、電圧曲線4Zが理想状態からずれ
て、その最小値V0 で、その波形が鈍化した形状を示す
ときは、例えば電圧検波位置xs は、V0 位置からむし
ろ僅かにずらした位置に選定する。
の電圧|V|が最小値V0 を示す例えば位置xs で、被
検出磁界が与えられたときのVexを検波すれば、大きな
電圧の変化が得られ、高感度の検出を行うことができ
る。しかしながら、電圧曲線4Zが理想状態からずれ
て、その最小値V0 で、その波形が鈍化した形状を示す
ときは、例えば電圧検波位置xs は、V0 位置からむし
ろ僅かにずらした位置に選定する。
【0029】更に、分布定数回路1の一部を分布定数共
振器によって構成し、この共振器内に磁性体2を配置す
る構成とするときは、共振器内には共振条件を満たす電
磁波しか励振されないため、磁性体2の透磁率変化が共
振特性に大きく影響して共振波長及び共振幅(Q値)が
変化すると共振器内の電磁波の励振状態を大きく変化さ
せ、それに伴って分布定数回路1内の電磁場分布を大き
く変化させることができ、被検出磁界の検出をより高感
度に行うことができる。
振器によって構成し、この共振器内に磁性体2を配置す
る構成とするときは、共振器内には共振条件を満たす電
磁波しか励振されないため、磁性体2の透磁率変化が共
振特性に大きく影響して共振波長及び共振幅(Q値)が
変化すると共振器内の電磁波の励振状態を大きく変化さ
せ、それに伴って分布定数回路1内の電磁場分布を大き
く変化させることができ、被検出磁界の検出をより高感
度に行うことができる。
【0030】分布定数回路型磁界検出装置は、例えば図
43Aに示すように、その基本的構成を示す分布定数回路
1、具体的には、例えばマイクロストリップライン、同
軸ケーブル等を設け、これを同軸ケーブル等の電磁波
(例えばマイクロ波)伝送路10を介して発振器3によっ
て励振するようにした分布定数回路1を構成する。
43Aに示すように、その基本的構成を示す分布定数回路
1、具体的には、例えばマイクロストリップライン、同
軸ケーブル等を設け、これを同軸ケーブル等の電磁波
(例えばマイクロ波)伝送路10を介して発振器3によっ
て励振するようにした分布定数回路1を構成する。
【0031】分布定数回路1は、印加磁界の変化によっ
て透磁率μの実部μr 乃至は虚部μi が変化する軟磁性
体、例えばCo−Ta−Zr系アモルファス合金よりなる磁性
体2を含む構成とする。
て透磁率μの実部μr 乃至は虚部μi が変化する軟磁性
体、例えばCo−Ta−Zr系アモルファス合金よりなる磁性
体2を含む構成とする。
【0032】磁性体2の配置位置は、これを含む分布定
数回路1の電磁波が励振された状態での磁界が強く発生
する部位に選定する。
数回路1の電磁波が励振された状態での磁界が強く発生
する部位に選定する。
【0033】分布定数回路1は、その終端、即ちいわゆ
る負荷端が、整合状態或いは不整合状態のいずれをも採
り得るものであり、整合状態にあっては進行波が生じ、
不整合状態では前述したように反射波の発生によって定
在波を立たせることができ、特にその終端が短絡或いは
開放状態にあるときは、その定在波比を大とすることが
できる。
る負荷端が、整合状態或いは不整合状態のいずれをも採
り得るものであり、整合状態にあっては進行波が生じ、
不整合状態では前述したように反射波の発生によって定
在波を立たせることができ、特にその終端が短絡或いは
開放状態にあるときは、その定在波比を大とすることが
できる。
【0034】図45は、磁気記録媒体5の記録信号を読み
出す再生ヘッドに本分布定数回路磁界検出装置を適用し
た場合の一例の概略構成図である。この場合、分布定数
回路1の例えば終端部に、外部印加磁界によって透磁率
が変化する上述の軟磁性体による磁性体2を配置し、こ
れを磁気記録媒体5に近接対向させて媒体5と相対的に
走行するようにする。
出す再生ヘッドに本分布定数回路磁界検出装置を適用し
た場合の一例の概略構成図である。この場合、分布定数
回路1の例えば終端部に、外部印加磁界によって透磁率
が変化する上述の軟磁性体による磁性体2を配置し、こ
れを磁気記録媒体5に近接対向させて媒体5と相対的に
走行するようにする。
【0035】そして、媒体5の記録磁化に基づく漏洩信
号磁界を磁性体2に作用させてこの信号磁界に基づく透
磁率変化による電磁場分布変化を分布定数回路1の特定
位置における例えば電圧変化として、或いは振幅、位相
変化として、検出器6、例えばネットワークアナライ
ザ、或いは(及び)検波器及び電圧計等によって測定す
る。
号磁界を磁性体2に作用させてこの信号磁界に基づく透
磁率変化による電磁場分布変化を分布定数回路1の特定
位置における例えば電圧変化として、或いは振幅、位相
変化として、検出器6、例えばネットワークアナライ
ザ、或いは(及び)検波器及び電圧計等によって測定す
る。
【0036】図46はネットワークアナライザ61によって
分布定数回路1の例えば反射係数S11を測定する場合、
図47は透過係数S21を測定する場合の態様を示す。
分布定数回路1の例えば反射係数S11を測定する場合、
図47は透過係数S21を測定する場合の態様を示す。
【0037】なお、図45で説明した構成において図48に
示すように、分布定数回路1の終端を短絡するときは、
励振したときに生じる定在波の電圧分布は図48中に曲線
aで示すように終端で電圧最小となり、節をつくる。従
って、このときの電流は終端で最大となり、発生する磁
界は終端部で最大となる。従って、定在波分布は、この
終端部の透磁率に最も強く依存する。
示すように、分布定数回路1の終端を短絡するときは、
励振したときに生じる定在波の電圧分布は図48中に曲線
aで示すように終端で電圧最小となり、節をつくる。従
って、このときの電流は終端で最大となり、発生する磁
界は終端部で最大となる。従って、定在波分布は、この
終端部の透磁率に最も強く依存する。
【0038】つまり、図48に示すように終端部を短絡し
た構成とし、この終端近傍に外部磁界で透磁率が変化す
る磁性体2を配置すれば、定在波は、外部磁界の変化に
最も強く依存することになる。
た構成とし、この終端近傍に外部磁界で透磁率が変化す
る磁性体2を配置すれば、定在波は、外部磁界の変化に
最も強く依存することになる。
【0039】従って、図48による検出装置を、再生ヘッ
ドとして用いる場合において、分布定数回路1の終端を
直接磁気記録媒体5に近接させて媒体5からの信号磁界
を検出する際には、この終端に磁性体を置く構成が望ま
しいことになる。
ドとして用いる場合において、分布定数回路1の終端を
直接磁気記録媒体5に近接させて媒体5からの信号磁界
を検出する際には、この終端に磁性体を置く構成が望ま
しいことになる。
【0040】また、このように終端部を短絡した場合、
上述したようにこの終端部に発生する電界が小さくなる
ことによって、終端部の誘電率の変化が定在波分布に及
ぼす影響が小さくなるので、磁気記録媒体5に近接させ
る際の電気的原因によるノイズの低減化も図られる。
上述したようにこの終端部に発生する電界が小さくなる
ことによって、終端部の誘電率の変化が定在波分布に及
ぼす影響が小さくなるので、磁気記録媒体5に近接させ
る際の電気的原因によるノイズの低減化も図られる。
【0041】更に、磁気記録媒体5の記録磁化に基づく
媒体5からの信号磁界の検出、即ち信号再生に際し、媒
体5と分布定数回路1との接触によって電気的な導通が
生じた場合にも、終端を短絡した構成にするときは、媒
体5側も接地することにより、回路1と媒体5との間で
電流が流れることを回避できるので、これによるノイズ
の発生も回避できる。
媒体5からの信号磁界の検出、即ち信号再生に際し、媒
体5と分布定数回路1との接触によって電気的な導通が
生じた場合にも、終端を短絡した構成にするときは、媒
体5側も接地することにより、回路1と媒体5との間で
電流が流れることを回避できるので、これによるノイズ
の発生も回避できる。
【0042】分布定数回路型磁界検出装置における分布
定数回路1としては、例えば図48に示すように、マイク
ロストリップライン型構成とすることができる。
定数回路1としては、例えば図48に示すように、マイク
ロストリップライン型構成とすることができる。
【0043】この場合、例えばAu、Cu等からなる接地導
体7上に、ガラス、或いはAl2O3 、サファイア等の如く
誘電率が大で高周波損失が小さい材料よりなる誘電体8
を介して、ストライプ状のAu、Cu等からなる線路導体9
が形成されている。更に、その終端側の一部の領域下に
おいてはCo75Ta11Zr14のアモルファス軟磁性薄膜よりな
る磁性体2が形成され、その終端において、線路導体9
と接地導体7とが短絡された構成を採っている。
体7上に、ガラス、或いはAl2O3 、サファイア等の如く
誘電率が大で高周波損失が小さい材料よりなる誘電体8
を介して、ストライプ状のAu、Cu等からなる線路導体9
が形成されている。更に、その終端側の一部の領域下に
おいてはCo75Ta11Zr14のアモルファス軟磁性薄膜よりな
る磁性体2が形成され、その終端において、線路導体9
と接地導体7とが短絡された構成を採っている。
【0044】このマイクロストリップライン型導波路に
よる分布定数回路1においても、外部磁界が与えられな
いHex=0の状態で、定在波が得られているとすると、
外部磁界Hex=Hが与えられたとき、その励振状態が変
化することから、ストリップラインの特定位置、或い
は、例えばストリップラインと発振器をつなぐ伝送路10
上の図40中に破線Aで示す特定した位置で、曲線4Z及
び4exによる電圧を検波してその電圧変化を測定するこ
とで、外部磁界Hexの検出乃至は測定をすることができ
る。
よる分布定数回路1においても、外部磁界が与えられな
いHex=0の状態で、定在波が得られているとすると、
外部磁界Hex=Hが与えられたとき、その励振状態が変
化することから、ストリップラインの特定位置、或い
は、例えばストリップラインと発振器をつなぐ伝送路10
上の図40中に破線Aで示す特定した位置で、曲線4Z及
び4exによる電圧を検波してその電圧変化を測定するこ
とで、外部磁界Hexの検出乃至は測定をすることができ
る。
【0045】図50は、この検出電圧と外部磁界(被検出
磁界)との関係を示したもので、例えば1Oe程度の磁
界変化を、 200mV程度という大きな電圧変化として高感
度に検出できる。この場合、図48の構成において線路導
体9の幅30μm、厚さ1μm、磁性体2の長さ1mm、幅
30μm、厚さ 0.5μmとした。
磁界)との関係を示したもので、例えば1Oe程度の磁
界変化を、 200mV程度という大きな電圧変化として高感
度に検出できる。この場合、図48の構成において線路導
体9の幅30μm、厚さ1μm、磁性体2の長さ1mm、幅
30μm、厚さ 0.5μmとした。
【0046】また、この構成によるマイクロストリップ
ラインによる分布定数回路1において、そのインピーダ
ンスの外部磁場依存を、ネットワークアナライザ(ヒュ
ーレットパッカード社製、HP8719A)によって周波数
fを130MHz〜8GHz の範囲で測定した。その測定結果を
図47に示す。
ラインによる分布定数回路1において、そのインピーダ
ンスの外部磁場依存を、ネットワークアナライザ(ヒュ
ーレットパッカード社製、HP8719A)によって周波数
fを130MHz〜8GHz の範囲で測定した。その測定結果を
図47に示す。
【0047】図51中、曲線91は外部磁界Hex=0のと
き、曲線92は外部磁界Hex=80A/m の場合で、夫々△
2、△4、△6、△8印で示す位置が、夫々f=2GHz
、f=4GHz 、f=6GHz 、f=8GHz のときの値を
示す。図51から解るように、外部磁界Hexにより導波路
の入力インピーダンス、従って導波路内の電磁場分布が
変化している。
き、曲線92は外部磁界Hex=80A/m の場合で、夫々△
2、△4、△6、△8印で示す位置が、夫々f=2GHz
、f=4GHz 、f=6GHz 、f=8GHz のときの値を
示す。図51から解るように、外部磁界Hexにより導波路
の入力インピーダンス、従って導波路内の電磁場分布が
変化している。
【0048】従って、このネットワークアナライザによ
る測定結果によって、外部磁界、即ち被検出磁界Hexの
検出を行うことができることになる。
る測定結果によって、外部磁界、即ち被検出磁界Hexの
検出を行うことができることになる。
【0049】更に図52を参照して、マイクロストリップ
ライン型構成とした場合の一例を詳細に説明する。図52
において図45に対応する部分には同一符号を付して示
す。
ライン型構成とした場合の一例を詳細に説明する。図52
において図45に対応する部分には同一符号を付して示
す。
【0050】この場合においても、接地導体7と、線路
導体9とを有し、両者間に例えば誘電体8と磁性体2と
が介在された構成が採用されている。
導体9とを有し、両者間に例えば誘電体8と磁性体2と
が介在された構成が採用されている。
【0051】その作製に当たっては、図53に示すように
高誘電率で、低い高周波損失のAl2O3 、サファイア基板
等よりなる誘電体8が用意され、これの上に例えば厚さ
0.7μmのCo75Ta11Zr14のアモルファス軟磁性体薄膜2
sをスパッタリングによって形成する。
高誘電率で、低い高周波損失のAl2O3 、サファイア基板
等よりなる誘電体8が用意され、これの上に例えば厚さ
0.7μmのCo75Ta11Zr14のアモルファス軟磁性体薄膜2
sをスパッタリングによって形成する。
【0052】そして軟磁性体薄膜2sを、その透磁率μ
が鋭敏な磁界依存性を示すように、例えば1kOeの固
定磁界中で 300℃、1時間の熱処理を行って例えば異方
性磁界Hkが 0.2Oe程度の一軸異方性を付与する。
が鋭敏な磁界依存性を示すように、例えば1kOeの固
定磁界中で 300℃、1時間の熱処理を行って例えば異方
性磁界Hkが 0.2Oe程度の一軸異方性を付与する。
【0053】そして、軟磁性薄膜2s上に、図示しない
が例えば全面的に、良電気伝導性を有する例えばAu、或
いはCu等を厚さ1μmにスパッタリングして良導電層を
形成する。
が例えば全面的に、良電気伝導性を有する例えばAu、或
いはCu等を厚さ1μmにスパッタリングして良導電層を
形成する。
【0054】次に、この良導電層とこの下の軟磁性薄膜
2sを、例えば長さ2mm、幅30μmで、例えばこの幅方
向に軟磁性薄膜2sの磁化容易軸e.aが略一致するよ
うに、細長い形状にフォトリソグラフィによるパターン
エッチングを行って、良導電層よりなる細長い線路導体
9を形成すると共に、この下に軟磁性薄膜2sの一部か
らなりかつ透磁率が外部磁界に依存性を有する磁性体2
を形成する。
2sを、例えば長さ2mm、幅30μmで、例えばこの幅方
向に軟磁性薄膜2sの磁化容易軸e.aが略一致するよ
うに、細長い形状にフォトリソグラフィによるパターン
エッチングを行って、良導電層よりなる細長い線路導体
9を形成すると共に、この下に軟磁性薄膜2sの一部か
らなりかつ透磁率が外部磁界に依存性を有する磁性体2
を形成する。
【0055】そして、磁性体2と線路導体9を有する誘
電体8を、接地導体7を構成する良導電性の例えばCuブ
ロック等の上に接合する。
電体8を、接地導体7を構成する良導電性の例えばCuブ
ロック等の上に接合する。
【0056】このようにして、例えば負荷端1aが開放
されたマイクロストリップラインを構成する。
されたマイクロストリップラインを構成する。
【0057】そして、マイクロストリップライン型分布
定数回路1において、線路導体9と接地導体7との間に
発振器3、即ち高周波電源を例えば同軸ケーブルによる
伝送路10によって接続する。
定数回路1において、線路導体9と接地導体7との間に
発振器3、即ち高周波電源を例えば同軸ケーブルによる
伝送路10によって接続する。
【0058】この発振器3、即ち高周波電源の周波数を
例えば1GHz 程度に調整して、電磁波(例えばマイクロ
波)導波路による分布定数回路1を励振させ、図44の実
線曲線4Zで示すように、x=xS の位置に定在波の節
が来るように励振周波数を調整する。そして、このx=
xS での定在波電圧を検波回路62によって検波してその
電圧を電圧計63で測定することによって、図44で説明し
たように、V0 〜Vexの変化として磁場検出を行うこと
ができる。
例えば1GHz 程度に調整して、電磁波(例えばマイクロ
波)導波路による分布定数回路1を励振させ、図44の実
線曲線4Zで示すように、x=xS の位置に定在波の節
が来るように励振周波数を調整する。そして、このx=
xS での定在波電圧を検波回路62によって検波してその
電圧を電圧計63で測定することによって、図44で説明し
たように、V0 〜Vexの変化として磁場検出を行うこと
ができる。
【0059】図54は、分布定数回路1を構成するマイク
ロストリップラインの横断面図で、同図中の細線a1 、
a2 、a3 、a4 、a5 は磁界の分布を示し、破線細線
b1、b2 、b3 ・・・は電界の分布を示す。この場
合、磁場は線路導体9の幅方向に発生する。従って、そ
こに例えば幅方向に磁化容易軸e.aを持つ磁性体2を
用いると、磁化困難軸方向に外部磁界Hexを印加するこ
とによりマイクロ波の作る幅方向の磁界に対する透磁率
μを変化させることができる。これに伴い、前述したよ
うに電圧定在波比、定在波波長λ、或いはそれらのいず
れかが変化することになる。
ロストリップラインの横断面図で、同図中の細線a1 、
a2 、a3 、a4 、a5 は磁界の分布を示し、破線細線
b1、b2 、b3 ・・・は電界の分布を示す。この場
合、磁場は線路導体9の幅方向に発生する。従って、そ
こに例えば幅方向に磁化容易軸e.aを持つ磁性体2を
用いると、磁化困難軸方向に外部磁界Hexを印加するこ
とによりマイクロ波の作る幅方向の磁界に対する透磁率
μを変化させることができる。これに伴い、前述したよ
うに電圧定在波比、定在波波長λ、或いはそれらのいず
れかが変化することになる。
【0060】このような構成による検出装置、即ち磁気
ヘッドは、図45で説明したように、分布定数回路1、即
ちマイクロストリップラインの終端1aを磁気記録媒体
5に近接対向させ、マイクロストリップライン型の分布
定数回路1の負荷端(開放端)1aを磁気記録媒体(図
示せず)に近接対向させ、磁気記録媒体の記録磁化に基
づく漏れ磁界、即ち信号磁界を外部磁界Hexとして検出
する。即ち、磁気信号を電気信号に変換して取り出すこ
とができる。
ヘッドは、図45で説明したように、分布定数回路1、即
ちマイクロストリップラインの終端1aを磁気記録媒体
5に近接対向させ、マイクロストリップライン型の分布
定数回路1の負荷端(開放端)1aを磁気記録媒体(図
示せず)に近接対向させ、磁気記録媒体の記録磁化に基
づく漏れ磁界、即ち信号磁界を外部磁界Hexとして検出
する。即ち、磁気信号を電気信号に変換して取り出すこ
とができる。
【0061】この場合、磁性体2の磁化容易軸方向の透
磁率は、磁化容易軸に垂直な方向に外部磁界Hexが印加
されていないときには小さいが、磁化容易軸に垂直な方
向に磁界を印加してゆくに従って次第に増加し、Hex=
Hk(異方性磁界)のあたりで最大となり、更に磁界を
増加させると、透磁率は減少してゆく。
磁率は、磁化容易軸に垂直な方向に外部磁界Hexが印加
されていないときには小さいが、磁化容易軸に垂直な方
向に磁界を印加してゆくに従って次第に増加し、Hex=
Hk(異方性磁界)のあたりで最大となり、更に磁界を
増加させると、透磁率は減少してゆく。
【0062】高周波電源の周波数、いわばキャリア周波
数fは例えば1GHz とし、このとき、記録信号磁界Hex
の周波数はそれより一桁低い100MHz程度という充分高い
周波数としても、検波回路62によって振幅検波すること
によりキャリア成分を除き、Hexの変化のみを電圧変化
として取り出すことができる。
数fは例えば1GHz とし、このとき、記録信号磁界Hex
の周波数はそれより一桁低い100MHz程度という充分高い
周波数としても、検波回路62によって振幅検波すること
によりキャリア成分を除き、Hexの変化のみを電圧変化
として取り出すことができる。
【0063】図55は、上記の構成においてバイアス磁場
を印加しない状態で検出回路からの出力電圧VD を外部
磁界Hexを変化させて測定したものを示す。
を印加しない状態で検出回路からの出力電圧VD を外部
磁界Hexを変化させて測定したものを示す。
【0064】この場合、実際に媒体からの磁界を検出す
る場合、VD の磁界依存性が最も急峻でかつ線形性の良
い、B1 又はB2 のような位置に動作中心が来るよう
に、図52に示すように電磁石若しくは永久磁石等のバイ
アス磁界印加手段11を配し、これによってバイアス磁場
HB を与え、優れた感度と歪みの小さい出力が得られる
ようにすることができる。
る場合、VD の磁界依存性が最も急峻でかつ線形性の良
い、B1 又はB2 のような位置に動作中心が来るよう
に、図52に示すように電磁石若しくは永久磁石等のバイ
アス磁界印加手段11を配し、これによってバイアス磁場
HB を与え、優れた感度と歪みの小さい出力が得られる
ようにすることができる。
【0065】更に、図52の例では、磁性体2を線路導体
9と同パターンとした場合であるが、必ずしもこのよう
に同一のパターンとすることに限られるものではない。
9と同パターンとした場合であるが、必ずしもこのよう
に同一のパターンとすることに限られるものではない。
【0066】また、磁性体2は、マイクロストリップラ
インによる導波路に含まれる構成としたものであるが、
磁性体2が絶縁性(誘電体)である場合には、誘電体8
の一部として或いは、これに替えて配置するとか、良導
電性を有する場合には、導体7又は9の一部或いはこれ
に替えて配置することができる。
インによる導波路に含まれる構成としたものであるが、
磁性体2が絶縁性(誘電体)である場合には、誘電体8
の一部として或いは、これに替えて配置するとか、良導
電性を有する場合には、導体7又は9の一部或いはこれ
に替えて配置することができる。
【0067】また、図52で説明した例では、磁性体2が
細長い形状とされ、その幅方向を磁化容易軸e.aの方
向とした場合であるが、その使用目的、使用態様に応じ
て磁化容易軸方向及び異方性磁界の大きさの選定がなさ
れる。
細長い形状とされ、その幅方向を磁化容易軸e.aの方
向とした場合であるが、その使用目的、使用態様に応じ
て磁化容易軸方向及び異方性磁界の大きさの選定がなさ
れる。
【0068】上述したように、分布定数回路型磁界検出
装置によれば、分布定数回路1に磁性体2を設け、被検
出磁界による磁性体2の透磁率μの変化による定在波、
進行波等の変化を利用して、伝送路、分布定数回路等の
所定位置での電圧、位相等を検出するようにしたので、
その検出(即ち、磁界検出)を高感度に行うことができ
る。
装置によれば、分布定数回路1に磁性体2を設け、被検
出磁界による磁性体2の透磁率μの変化による定在波、
進行波等の変化を利用して、伝送路、分布定数回路等の
所定位置での電圧、位相等を検出するようにしたので、
その検出(即ち、磁界検出)を高感度に行うことができ
る。
【0069】そして、上記磁界検出装置を磁気記録媒体
の記録情報に基づく信号磁界を読み出す再生用磁気ヘッ
ドに適用するときは、MR磁気ヘッドと同様に磁気記録
媒体との相対速度に関係なく、MR磁気ヘッドよりも高
感度に再生を行うことができる。
の記録情報に基づく信号磁界を読み出す再生用磁気ヘッ
ドに適用するときは、MR磁気ヘッドと同様に磁気記録
媒体との相対速度に関係なく、MR磁気ヘッドよりも高
感度に再生を行うことができる。
【0070】また、分布定数回路型、即ち、電磁波(例
えばマイクロ波)導波路型構成とすることによって、そ
のキャリア周波数は、数100MHz、或いは GHzオーダにも
高めることができることから、磁気記録媒体の記録信号
の周波数も高周波とすることができるので、磁気記録媒
体との相対速度に依存しないことと相俟って、より高密
度記録化を図ることができる。
えばマイクロ波)導波路型構成とすることによって、そ
のキャリア周波数は、数100MHz、或いは GHzオーダにも
高めることができることから、磁気記録媒体の記録信号
の周波数も高周波とすることができるので、磁気記録媒
体との相対速度に依存しないことと相俟って、より高密
度記録化を図ることができる。
【0071】つまり、上述の磁気再生ヘッドは磁束感応
型であり、ヘッドと磁気記録媒体との相対速度に依存し
ないため、インダクティブ型磁気ヘッドと比較し、高記
録密度化に伴う再生出力の低下が小さい。更に、同じ磁
束感応型のMRヘッドと比較した場合、磁性体2に直接
電流を流す必要がないため、大きな電力を投入すること
が可能であり、従ってMRヘッドと比較して大きな再生
出力を得ることが可能である。
型であり、ヘッドと磁気記録媒体との相対速度に依存し
ないため、インダクティブ型磁気ヘッドと比較し、高記
録密度化に伴う再生出力の低下が小さい。更に、同じ磁
束感応型のMRヘッドと比較した場合、磁性体2に直接
電流を流す必要がないため、大きな電力を投入すること
が可能であり、従ってMRヘッドと比較して大きな再生
出力を得ることが可能である。
【0072】更に、磁性体2には高周波磁界が常時印加
されているため、信号磁束による磁性体の磁区の移動が
スムーズになるため、バルクハウゼン効果によるノイズ
が発生し難くなり、S/N比の向上が期待できる。
されているため、信号磁束による磁性体の磁区の移動が
スムーズになるため、バルクハウゼン効果によるノイズ
が発生し難くなり、S/N比の向上が期待できる。
【0073】また、外部磁界によるコイルの共振特性の
変化を利用した磁気再生ヘッドと比較した場合、上記の
構成では、より高周波領域(例えば数GHz 領域)におけ
る磁性体2の透磁率の変化を利用し、分布定数回路的な
取扱いをしているため、以下の (1)〜(5) のような利点
がある。
変化を利用した磁気再生ヘッドと比較した場合、上記の
構成では、より高周波領域(例えば数GHz 領域)におけ
る磁性体2の透磁率の変化を利用し、分布定数回路的な
取扱いをしているため、以下の (1)〜(5) のような利点
がある。
【0074】(1) 分布定数回路においては、透磁率の僅
かな変化により、内部に励振された電磁波(例えばマイ
クロ波)の空間的な分布が大きく変化するため、大きな
電圧変化が得られる。
かな変化により、内部に励振された電磁波(例えばマイ
クロ波)の空間的な分布が大きく変化するため、大きな
電圧変化が得られる。
【0075】(2) 高周波において定量的に正確な設計が
可能となり、輻射損等の損失を低減し、信号磁束による
透磁率変化を効率よく電圧変化に変換することが可能と
なる。
可能となり、輻射損等の損失を低減し、信号磁束による
透磁率変化を効率よく電圧変化に変換することが可能と
なる。
【0076】(3) 定在波の変化を検出する方法により、
電磁波の振幅の変化だけでなく、位相の変化も同時に電
圧変化として検出でき、感度を飛躍的に向上させること
が可能となる。
電磁波の振幅の変化だけでなく、位相の変化も同時に電
圧変化として検出でき、感度を飛躍的に向上させること
が可能となる。
【0077】(4) 周波数が高いと波長はそれに反比例し
て小さくなり、電磁波のより大きな位相部分が透磁率変
化の影響を受けることとなり、感度が増す。
て小さくなり、電磁波のより大きな位相部分が透磁率変
化の影響を受けることとなり、感度が増す。
【0078】(5) キャリア周波数を高くすることが出
来、磁気記録媒体からの信号磁束はキャリアに対する変
調となるので、より高い周波数の信号を再生することが
可能となる。
来、磁気記録媒体からの信号磁束はキャリアに対する変
調となるので、より高い周波数の信号を再生することが
可能となる。
【0079】以上の結果、より高感度で、より優れた高
周波特性を有する磁界検出を可能とし、磁気再生ヘッド
においては磁気記録の高密度化、高周波化の実現に極め
て有効なものである。
周波特性を有する磁界検出を可能とし、磁気再生ヘッド
においては磁気記録の高密度化、高周波化の実現に極め
て有効なものである。
【0080】本発明者は、以上に述べた分布定数回路型
磁界検出装置について検討を加えた結果、上述した種々
の優れた特長を有しているが、次のような課題も残って
いることが判明した。
磁界検出装置について検討を加えた結果、上述した種々
の優れた特長を有しているが、次のような課題も残って
いることが判明した。
【0081】即ち、感磁部において設ける磁性体2は単
一層(例えばCo−Ta−Zr系アモルファス合金薄膜)から
なっているため、再生波長(記録信号波長)が短くなる
に従って、磁性体への信号磁束の侵入距離が急激に減少
し、再生出力も急激に低下することがある。
一層(例えばCo−Ta−Zr系アモルファス合金薄膜)から
なっているため、再生波長(記録信号波長)が短くなる
に従って、磁性体への信号磁束の侵入距離が急激に減少
し、再生出力も急激に低下することがある。
【0082】また、単層の磁性薄膜では、その膜厚以下
の波長の信号は再生できない。そこで、膜厚を薄くして
波長の短い信号を再生しようとした場合、インダクタン
スが減少して出力の低下を招いてしまう。しかも、膜厚
が薄くなると、磁気特性の劣化も問題となる。
の波長の信号は再生できない。そこで、膜厚を薄くして
波長の短い信号を再生しようとした場合、インダクタン
スが減少して出力の低下を招いてしまう。しかも、膜厚
が薄くなると、磁気特性の劣化も問題となる。
【0083】このように、単層の磁性薄膜を用いること
から、特に、短波長信号の再生が困難となる。
から、特に、短波長信号の再生が困難となる。
【0084】本発明は、上述した新規で有用な分布定数
回路型磁界検出装置のもつ特長を生かしながら、これを
更に改良するものである。
回路型磁界検出装置のもつ特長を生かしながら、これを
更に改良するものである。
【0085】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0086】図2は本発明に基づく電磁波導波路型(分
布定数回路型)磁界検出装置を磁気再生ヘッドに適用し
た場合の一例の斜視図で、図3は図2の III部分の拡大
図である。
布定数回路型)磁界検出装置を磁気再生ヘッドに適用し
た場合の一例の斜視図で、図3は図2の III部分の拡大
図である。
【0087】この例による磁界検出装置は、マイクロ波
導波路としてコプレイナー導波路を用いたものであっ
て、導波路の終端部に信号磁束か侵入することにより透
磁率が変化する積層構造の薄膜磁性体2と、終端が図示
の如くに短絡されたコプレイナー導波路70と、マイクロ
波源(即ち、発振器)3と、検波用ダイオード71と、電
圧計63とを有している。
導波路としてコプレイナー導波路を用いたものであっ
て、導波路の終端部に信号磁束か侵入することにより透
磁率が変化する積層構造の薄膜磁性体2と、終端が図示
の如くに短絡されたコプレイナー導波路70と、マイクロ
波源(即ち、発振器)3と、検波用ダイオード71と、電
圧計63とを有している。
【0088】検波用ダイオード71は、絶縁材によって被
覆されて接地されたシールド用導体によって囲まれてい
る。
覆されて接地されたシールド用導体によって囲まれてい
る。
【0089】コプレイナー導波路70は、マイクロ波導波
路の一種であるが、上述したマイクロストリップライン
型とは異なり、誘電体8の上(即ち、同一面上)に、図
2、図3に示されるようにAu、Cu等の良導電体層をパタ
ーニングして線路導体9とその両側に接地導体7が設け
られた形状となっている。線路導体9はヘッド先端へ向
かうに従って漸次幅細に形成されているが、これによっ
てヘッドの長さ方向でインピーダンスがほぼ一定となる
ようにしている。
路の一種であるが、上述したマイクロストリップライン
型とは異なり、誘電体8の上(即ち、同一面上)に、図
2、図3に示されるようにAu、Cu等の良導電体層をパタ
ーニングして線路導体9とその両側に接地導体7が設け
られた形状となっている。線路導体9はヘッド先端へ向
かうに従って漸次幅細に形成されているが、これによっ
てヘッドの長さ方向でインピーダンスがほぼ一定となる
ようにしている。
【0090】そして、薄膜磁性体2が設けられているコ
プレイナー導波路70の終端部の前方に、記録信号の読出
し(再生)が行われる被検出体としての磁気記録媒体5
が、矢印aに示す方向に摺接乃至は対向して走行するよ
うに配置される。
プレイナー導波路70の終端部の前方に、記録信号の読出
し(再生)が行われる被検出体としての磁気記録媒体5
が、矢印aに示す方向に摺接乃至は対向して走行するよ
うに配置される。
【0091】図4Aは、図2に示したコプレイナー導波
路70の上面図で、同図B及びCは図2の破線b及びc
(又は図4Aのb−b線及びc−c線)で示される部分
の拡大断面図である。
路70の上面図で、同図B及びCは図2の破線b及びc
(又は図4Aのb−b線及びc−c線)で示される部分
の拡大断面図である。
【0092】マイクロ波発振器3によりコプレイナー導
波路70内にマイクロ波を投入すると、マイクロ波は短絡
された終端部で反射され、その結果、前述したように、
進行波と反射波の干渉により図5のように定在波が生ず
る。
波路70内にマイクロ波を投入すると、マイクロ波は短絡
された終端部で反射され、その結果、前述したように、
進行波と反射波の干渉により図5のように定在波が生ず
る。
【0093】その際、図4Aに示すように、線路導体9
の幅方向をW1 方向、長手方向をL1 方向とすると、線
路導体9の回りにはW1 方向にマイクロ波の磁界(図53
参照)が発生するため、終端部における反射係数は薄膜
磁性体2のW1 方向の透磁率に依存することになる。
の幅方向をW1 方向、長手方向をL1 方向とすると、線
路導体9の回りにはW1 方向にマイクロ波の磁界(図53
参照)が発生するため、終端部における反射係数は薄膜
磁性体2のW1 方向の透磁率に依存することになる。
【0094】磁性体2に、W1 方向が磁化容易軸となる
ように磁気異方性が付与されている場合、磁化は信号磁
束の侵入に伴ってW1 方向からL1 方向に向きを変え、
それに伴い、W1 方向の透磁率が変化するので、僅かな
磁束により透磁率を大きく変化させることができる。
ように磁気異方性が付与されている場合、磁化は信号磁
束の侵入に伴ってW1 方向からL1 方向に向きを変え、
それに伴い、W1 方向の透磁率が変化するので、僅かな
磁束により透磁率を大きく変化させることができる。
【0095】図6は、図2に示したコプレイナー導波路
型磁気再生ヘッドをネットワークアナライザ(ヒューレ
ットパッカード社製、HP8719A)に接続し、入力イン
ピーダンスを測定した結果を示したものである。測定周
波数は130MHz〜5GHz である。破線は外部から磁界印加
の無い場合、実線は80A/mの外部磁界を印加した場合
である。
型磁気再生ヘッドをネットワークアナライザ(ヒューレ
ットパッカード社製、HP8719A)に接続し、入力イン
ピーダンスを測定した結果を示したものである。測定周
波数は130MHz〜5GHz である。破線は外部から磁界印加
の無い場合、実線は80A/mの外部磁界を印加した場合
である。
【0096】外部磁界の印加により、2.5GHz〜4.5GHz
で、入力インピーダンス(反射係数)のかなり大きな変
化が見られる。通常、磁性体の透磁率は高周波領域で急
速に減衰し、数GHz 領域においては非常に小さいと考え
られているが、図6の測定結果から、1GHz 以上の高周
波領域において、外部磁界の印加により、透磁率が大き
く変化する周波数範囲が存在することを示している。従
って、その領域の透磁率変化を利用することにより、使
用周波数を1〜10GHz とすることが可能となる。
で、入力インピーダンス(反射係数)のかなり大きな変
化が見られる。通常、磁性体の透磁率は高周波領域で急
速に減衰し、数GHz 領域においては非常に小さいと考え
られているが、図6の測定結果から、1GHz 以上の高周
波領域において、外部磁界の印加により、透磁率が大き
く変化する周波数範囲が存在することを示している。従
って、その領域の透磁率変化を利用することにより、使
用周波数を1〜10GHz とすることが可能となる。
【0097】また、終端部において反射係数が変化した
結果、コプレイナー導波路70において、図7Aのように
定在波の位相、あるいは図7Bのように定在波比、ある
いは、そのいずれもが変化する。この変化を、コプレイ
ナー導波路70内の定在波の電圧振幅の変化が最も大きく
なる定在波の節の近傍の位置に図2のようにダイオード
71を設け、電圧を振幅検波することにより、信号磁束の
変化を最大の電圧変化として検波し、記録信号を再生す
ることができる。
結果、コプレイナー導波路70において、図7Aのように
定在波の位相、あるいは図7Bのように定在波比、ある
いは、そのいずれもが変化する。この変化を、コプレイ
ナー導波路70内の定在波の電圧振幅の変化が最も大きく
なる定在波の節の近傍の位置に図2のようにダイオード
71を設け、電圧を振幅検波することにより、信号磁束の
変化を最大の電圧変化として検波し、記録信号を再生す
ることができる。
【0098】本例で注目すべきことは、図1に拡大図示
するように、感磁部の磁性体2を、非磁性薄膜2cを挟
んで両側に磁性薄膜2a、2bを設けた3層の積層構造
としていることである。磁性薄膜2a、2bは閉磁路を
形成し、非磁性薄膜2cは磁気ギャップを形成してい
る。
するように、感磁部の磁性体2を、非磁性薄膜2cを挟
んで両側に磁性薄膜2a、2bを設けた3層の積層構造
としていることである。磁性薄膜2a、2bは閉磁路を
形成し、非磁性薄膜2cは磁気ギャップを形成してい
る。
【0099】感磁部2は、後述するようにスパッタリン
グとフォトリソグラフィによって形成され、全体として
短冊状を呈している。スパッタリングはターゲットの選
択によって膜の特性を容易にコントロールでき、フォト
リソグラフィはパターニングが容易で精度も高い。この
ように薄膜形成技術を採用することによる利点は大きい
が、更にヘッド自体も小型化、薄厚化できることも利点
である。
グとフォトリソグラフィによって形成され、全体として
短冊状を呈している。スパッタリングはターゲットの選
択によって膜の特性を容易にコントロールでき、フォト
リソグラフィはパターニングが容易で精度も高い。この
ように薄膜形成技術を採用することによる利点は大きい
が、更にヘッド自体も小型化、薄厚化できることも利点
である。
【0100】本例によれば、図8に示すように、磁性薄
膜2a、2bが非磁性薄膜2cを磁気ギャップとして、
磁気記録媒体5から侵入する信号磁束MFに対して閉磁
路を形成するため、信号磁束MFは磁性薄膜内に十分な
距離で侵入することができる。しかも、非磁性薄膜2c
の膜厚を調整することにより、磁性薄膜2a−2b間で
磁束MFを効率良く導くことができるから、記録信号が
短波長であっても、これを感磁部内に十二分に通すこと
ができる。なお、図中、磁気記録媒体5の各矢印は信号
磁界の向きをそれぞれ示す(以下、同様)。
膜2a、2bが非磁性薄膜2cを磁気ギャップとして、
磁気記録媒体5から侵入する信号磁束MFに対して閉磁
路を形成するため、信号磁束MFは磁性薄膜内に十分な
距離で侵入することができる。しかも、非磁性薄膜2c
の膜厚を調整することにより、磁性薄膜2a−2b間で
磁束MFを効率良く導くことができるから、記録信号が
短波長であっても、これを感磁部内に十二分に通すこと
ができる。なお、図中、磁気記録媒体5の各矢印は信号
磁界の向きをそれぞれ示す(以下、同様)。
【0101】こうして、本例のマイクロ波導波路型磁界
検出装置は、再生ヘッドとして使用することによって、
磁気記録媒体5からの信号磁束が短波長化してもこれを
効率良く感磁部内へ導くことができる。この信号磁束の
侵入によって、上記したように、磁性薄膜の磁化容易軸
方向での透磁率を大きく変化させ、この変化に基づいて
感磁部先端からのマイクロ波の反射係数による定在波の
電圧変化を検波し、短波長領域の記録信号を十分な再生
出力で再生することができる。そして、このような顕著
な効果は、磁性薄膜を薄くしなくても実現できるため、
インダクタンスは大きく、出力向上につながり、また磁
気特性自体も良好に保持される。
検出装置は、再生ヘッドとして使用することによって、
磁気記録媒体5からの信号磁束が短波長化してもこれを
効率良く感磁部内へ導くことができる。この信号磁束の
侵入によって、上記したように、磁性薄膜の磁化容易軸
方向での透磁率を大きく変化させ、この変化に基づいて
感磁部先端からのマイクロ波の反射係数による定在波の
電圧変化を検波し、短波長領域の記録信号を十分な再生
出力で再生することができる。そして、このような顕著
な効果は、磁性薄膜を薄くしなくても実現できるため、
インダクタンスは大きく、出力向上につながり、また磁
気特性自体も良好に保持される。
【0102】上記した磁性薄膜2a、2bによる閉磁路
では、図8に示すように、磁性薄膜2a、2bにおいて
は磁気記録媒体5からの磁束MFの方向が逆になること
があるため、透磁率の変化方向が磁性薄膜2aと2bと
で異なる可能性がある。例えば、磁束MFの侵入によ
り、磁性薄膜2aの透磁率が増加し、磁性薄膜2bの透
磁率が減少する場合は、磁性薄膜2a、2bのマイクロ
波に与える影響を互いに相殺して再生出力を低下させる
ことになる。
では、図8に示すように、磁性薄膜2a、2bにおいて
は磁気記録媒体5からの磁束MFの方向が逆になること
があるため、透磁率の変化方向が磁性薄膜2aと2bと
で異なる可能性がある。例えば、磁束MFの侵入によ
り、磁性薄膜2aの透磁率が増加し、磁性薄膜2bの透
磁率が減少する場合は、磁性薄膜2a、2bのマイクロ
波に与える影響を互いに相殺して再生出力を低下させる
ことになる。
【0103】そこで、こうした再生出力低下を避けるた
め、例えば、線路導体9に近い側の磁性薄膜2aには、
磁束の侵入によるマイクロ波領域(特に 0.3〜30GHz 、
更には100GHz迄)での透磁率変化が大きく(例えば、透
磁率が 500で透磁率変化が200)、かつ、ビデオ帯域(数
〜数10MHz)での透磁率が高い(例えば1000以上)材料を
用いる。他方、磁性薄膜2bには、マイクロ波領域での
磁束侵入による透磁率変化は小さい(或いは全く無い)
がビデオ帯域での透磁率が大きい(例えば1000以上)材
料を用いる。
め、例えば、線路導体9に近い側の磁性薄膜2aには、
磁束の侵入によるマイクロ波領域(特に 0.3〜30GHz 、
更には100GHz迄)での透磁率変化が大きく(例えば、透
磁率が 500で透磁率変化が200)、かつ、ビデオ帯域(数
〜数10MHz)での透磁率が高い(例えば1000以上)材料を
用いる。他方、磁性薄膜2bには、マイクロ波領域での
磁束侵入による透磁率変化は小さい(或いは全く無い)
がビデオ帯域での透磁率が大きい(例えば1000以上)材
料を用いる。
【0104】感磁部2を上記のように構成することによ
り、磁性薄膜2bは磁気記録媒体5から磁束MF(以
下、単に媒体磁束と呼ぶことがある)を導き入れる役割
にのみ有効でマイクロ波に悪影響を与えることがなくな
る。但し、磁気記録媒体5の記録信号磁界の向きは場所
によって変化するので、この変化に対応して図8に示し
た磁性体内での磁束の方向も媒体走行に伴って変化する
(図8ではその一態様のみ示した。)。いずれの場合
も、Δμの変化が磁性薄膜2aと2bとで上記のように
異ならせておくと、再生出力を大きくとれる。
り、磁性薄膜2bは磁気記録媒体5から磁束MF(以
下、単に媒体磁束と呼ぶことがある)を導き入れる役割
にのみ有効でマイクロ波に悪影響を与えることがなくな
る。但し、磁気記録媒体5の記録信号磁界の向きは場所
によって変化するので、この変化に対応して図8に示し
た磁性体内での磁束の方向も媒体走行に伴って変化する
(図8ではその一態様のみ示した。)。いずれの場合
も、Δμの変化が磁性薄膜2aと2bとで上記のように
異ならせておくと、再生出力を大きくとれる。
【0105】媒体磁束の侵入により、このように透磁率
の変化が異なる磁性薄膜を形成する手段として、両者の
磁気異方性を変化させる方法がある。即ち、媒体磁束に
より透磁率が大きく変化する磁性薄膜2aには、媒体磁
束により容易に磁化がその方向に向くことができる程度
の大きさ(例えば 0.5〜5Oe程度)であって分散性の
小さい(異方性の大きさ及び方向のバラツキが小さい)
鋭い磁気異方性が、媒体磁束の侵入方向と垂直方向に付
与されていることが望ましい。
の変化が異なる磁性薄膜を形成する手段として、両者の
磁気異方性を変化させる方法がある。即ち、媒体磁束に
より透磁率が大きく変化する磁性薄膜2aには、媒体磁
束により容易に磁化がその方向に向くことができる程度
の大きさ(例えば 0.5〜5Oe程度)であって分散性の
小さい(異方性の大きさ及び方向のバラツキが小さい)
鋭い磁気異方性が、媒体磁束の侵入方向と垂直方向に付
与されていることが望ましい。
【0106】上記のような特性を持つ磁性薄膜2aとし
ては、アモルファス磁性材料が適している。アモルファ
ス磁性材料では、磁界中での熱処理により容易に誘導磁
気異方性を付与することができる。また、アモルファス
磁性材料は電気抵抗が高く、マイクロ波が侵入する表皮
の厚さが大きいため、透磁率変化がマイクロ波の空間分
布に与える影響が大きくなる利点もある。しかも、強
度、耐刷性、耐蝕性も良好である。
ては、アモルファス磁性材料が適している。アモルファ
ス磁性材料では、磁界中での熱処理により容易に誘導磁
気異方性を付与することができる。また、アモルファス
磁性材料は電気抵抗が高く、マイクロ波が侵入する表皮
の厚さが大きいため、透磁率変化がマイクロ波の空間分
布に与える影響が大きくなる利点もある。しかも、強
度、耐刷性、耐蝕性も良好である。
【0107】他方、媒体磁束により余り透磁率が変化し
ない磁性薄膜2bを形成するためには、アモルファス材
料ならば、磁場中での熱処理により、磁性薄膜2aのよ
うには、はっきりとした異方性のつかないものを用いる
か、又は、やはり磁場中での熱処理により誘導磁気異方
性が付与され難い結晶系の磁性材料を用いる方法があ
る。
ない磁性薄膜2bを形成するためには、アモルファス材
料ならば、磁場中での熱処理により、磁性薄膜2aのよ
うには、はっきりとした異方性のつかないものを用いる
か、又は、やはり磁場中での熱処理により誘導磁気異方
性が付与され難い結晶系の磁性材料を用いる方法があ
る。
【0108】以上の観点から、高周波特性に優れた誘電
体(アルミナ、GGG(Gd Ga Garnet)、ガラス等)
の基板上に、スパッタリングにより磁性薄膜2b、非磁
性層2c、磁性薄膜2aをこの順序で成膜することがで
きる。この例では、磁性薄膜2a、2bのスパッタリン
グ条件としては、スパッタリングガスはArを用い、Arガ
ス圧は1〜3mTorr 、投入電力は 300Wで行った。
体(アルミナ、GGG(Gd Ga Garnet)、ガラス等)
の基板上に、スパッタリングにより磁性薄膜2b、非磁
性層2c、磁性薄膜2aをこの順序で成膜することがで
きる。この例では、磁性薄膜2a、2bのスパッタリン
グ条件としては、スパッタリングガスはArを用い、Arガ
ス圧は1〜3mTorr 、投入電力は 300Wで行った。
【0109】磁性薄膜2aとしては、例えばCo75Ta11Zr
14アモルファス薄膜(厚さ 0.5〜2μm、例えば1μ
m)、磁性薄膜2bとしては、例えば Fe5Co70Si10B15
アモルファス薄膜(厚さ 0.5〜2μm、例えば1μm)
を用いた。
14アモルファス薄膜(厚さ 0.5〜2μm、例えば1μ
m)、磁性薄膜2bとしては、例えば Fe5Co70Si10B15
アモルファス薄膜(厚さ 0.5〜2μm、例えば1μm)
を用いた。
【0110】非磁性薄膜2cとしては、例えばSiO2(厚
さ0.15〜0.6 μm、例えば 0.5μm:ギャップ長に相
当)を用いた。スパッタリング条件としては、スパッタ
リングガスは酸素を10%含むArガスを用い、ガス圧は3
mTorr 、投入電力は 300Wで行った。
さ0.15〜0.6 μm、例えば 0.5μm:ギャップ長に相
当)を用いた。スパッタリング条件としては、スパッタ
リングガスは酸素を10%含むArガスを用い、ガス圧は3
mTorr 、投入電力は 300Wで行った。
【0111】次に、上記3種の薄膜積層体を 300℃、1
kOeの磁界中で熱処理した。更に、フォトリソグラフ
ィ(イオンミリング)により、トラック幅1〜40μm
(例えば30μm)、長さ10μm〜2mm(例えば1mm)の
短冊状に成形した。
kOeの磁界中で熱処理した。更に、フォトリソグラフ
ィ(イオンミリング)により、トラック幅1〜40μm
(例えば30μm)、長さ10μm〜2mm(例えば1mm)の
短冊状に成形した。
【0112】次に、このように成形された薄膜積層体を
感磁部としてコプレイナー導波路型磁気再生ヘッドを作
製する。
感磁部としてコプレイナー導波路型磁気再生ヘッドを作
製する。
【0113】以上の成膜及びパターニングを含むヘッド
作製手順を、図9〜図12について更に説明する。
作製手順を、図9〜図12について更に説明する。
【0114】まず、図9に示すように、アルミナ等の誘
導体基板の素材18の表面に、対応するターゲットを用い
たスパッタリングによって、 Fe5Co70Si10B15アモルフ
ァス等の薄膜12b、SiO2等のの非磁性薄膜12c、Co75Ta
11Zr14アモルファス等の薄膜12aをこの順に被着させ、
これら薄膜12a、12c、12bをそれぞれ所定厚に成膜し
てなる3層積層体12を誘電体基板素材18上に形成する。
導体基板の素材18の表面に、対応するターゲットを用い
たスパッタリングによって、 Fe5Co70Si10B15アモルフ
ァス等の薄膜12b、SiO2等のの非磁性薄膜12c、Co75Ta
11Zr14アモルファス等の薄膜12aをこの順に被着させ、
これら薄膜12a、12c、12bをそれぞれ所定厚に成膜し
てなる3層積層体12を誘電体基板素材18上に形成する。
【0115】次いで、公知のフォトリソグラフィの手法
により、3層積層体12を短冊状にパターニングし、図10
に示すように、薄膜磁性体2a、非磁性薄膜2c、磁性
薄膜2bからなる複数の短冊状の感磁部2を同一パター
ンに形成する。
により、3層積層体12を短冊状にパターニングし、図10
に示すように、薄膜磁性体2a、非磁性薄膜2c、磁性
薄膜2bからなる複数の短冊状の感磁部2を同一パター
ンに形成する。
【0116】次に、図11に示すように、誘電体基板素材
18上に、感磁部2上を含めて全面に例えばAu、Cuからな
る導電膜17をスパッタリングによって所定厚(例えば1
μm)に被着させる。
18上に、感磁部2上を含めて全面に例えばAu、Cuからな
る導電膜17をスパッタリングによって所定厚(例えば1
μm)に被着させる。
【0117】次に、フォトリソグラフィにより、導電膜
17をパターニングし、図12のように、線路導体9と接地
導体7、7とを分ける切除部4を形成する。
17をパターニングし、図12のように、線路導体9と接地
導体7、7とを分ける切除部4を形成する。
【0118】次に、これを仮想線で示す切断線CLで切
断し、図2に示したコプレイナー導波路型磁気再生ヘッ
ドに個々に切り出す。かくして得られるコプレイナー導
波路型磁気再生ヘッドの上面には、先端部は接続される
が先端部以外は切除部4、4によって分離された線路導
体9と一対の接地導体7、7とが設けられ、また先端部
では磁性体2と線路導体9とがほぼ同一パターンに重な
り合っている。
断し、図2に示したコプレイナー導波路型磁気再生ヘッ
ドに個々に切り出す。かくして得られるコプレイナー導
波路型磁気再生ヘッドの上面には、先端部は接続される
が先端部以外は切除部4、4によって分離された線路導
体9と一対の接地導体7、7とが設けられ、また先端部
では磁性体2と線路導体9とがほぼ同一パターンに重な
り合っている。
【0119】本例の再生ヘッドは、コプレイナー導波路
型であるから、導波路を構成する導体9と7は共に同一
面(誘電体基板8)上に共通のフォトリソグラフィによ
って精度よくかつ容易に形成できる。なお、図9〜図12
の工程において、短冊状の磁性体2のみを基板18上に多
数個設け、導波路の一部が各磁性体毎に設けられるよう
に各感磁部及びその近傍(ヘッド先端部)を個々に切出
し、そして別途作製した残りの部分(基板上に導波路の
残りの部分を設けたもの)と接続することにより、個々
のヘッドを作製してもよい。
型であるから、導波路を構成する導体9と7は共に同一
面(誘電体基板8)上に共通のフォトリソグラフィによ
って精度よくかつ容易に形成できる。なお、図9〜図12
の工程において、短冊状の磁性体2のみを基板18上に多
数個設け、導波路の一部が各磁性体毎に設けられるよう
に各感磁部及びその近傍(ヘッド先端部)を個々に切出
し、そして別途作製した残りの部分(基板上に導波路の
残りの部分を設けたもの)と接続することにより、個々
のヘッドを作製してもよい。
【0120】なお、アモルファス合金は、強靱で而も耐
擦性、耐蝕性に優れる反面、加熱によって結晶化する傾
向がある。一般の磁気ヘッドにおけるような対の磁気コ
アをガラス融着によって接合する場合は、ガラスの溶融
温度が上記結晶化温度を超えてしまう。しかし、この例
では、積層磁性体2を構成する各層をスパッタリングの
ような薄膜形成技術とフォトリソグラフィによるパター
ニングの手法によって形成しているので、ガラス融着等
の加熱工程を経ることがないので、アモルファス合金の
上記の優れた特性を活かすことができ、極めて有利であ
る。
擦性、耐蝕性に優れる反面、加熱によって結晶化する傾
向がある。一般の磁気ヘッドにおけるような対の磁気コ
アをガラス融着によって接合する場合は、ガラスの溶融
温度が上記結晶化温度を超えてしまう。しかし、この例
では、積層磁性体2を構成する各層をスパッタリングの
ような薄膜形成技術とフォトリソグラフィによるパター
ニングの手法によって形成しているので、ガラス融着等
の加熱工程を経ることがないので、アモルファス合金の
上記の優れた特性を活かすことができ、極めて有利であ
る。
【0121】図13は、上記のようにして作製された再生
ヘッドについて、固定ヘッド評価機と8mmVTR用磁気
テープを用いて測定した再生信号のC/N(キャリア・
ツー・ノイズ)の周波数依存性をスペクトルアナライザ
(アドバンテスト TR4171)により測定した結果を示
している。導波路に投入されたマイクロ波電力は15dBm
、周波数は5.2GHzである。図13には比較のため、磁性
薄膜として厚さ1μmのCo75Ta11Zr14単層膜を用いた比
較例の結果が破線で併記されている。
ヘッドについて、固定ヘッド評価機と8mmVTR用磁気
テープを用いて測定した再生信号のC/N(キャリア・
ツー・ノイズ)の周波数依存性をスペクトルアナライザ
(アドバンテスト TR4171)により測定した結果を示
している。導波路に投入されたマイクロ波電力は15dBm
、周波数は5.2GHzである。図13には比較のため、磁性
薄膜として厚さ1μmのCo75Ta11Zr14単層膜を用いた比
較例の結果が破線で併記されている。
【0122】比較例では、再生出力レベルが低い上に、
周波数2MHz 、波長2μm程度で再生信号が検出されな
くなったが、磁性薄膜を2層にし、ギャップ長 0.5μm
の磁気ギャップを形成した本例では、再生出力レベルが
高くなると共に、周波数5MHz 、波長 0.8μmまで再生
信号が得られるようになった。
周波数2MHz 、波長2μm程度で再生信号が検出されな
くなったが、磁性薄膜を2層にし、ギャップ長 0.5μm
の磁気ギャップを形成した本例では、再生出力レベルが
高くなると共に、周波数5MHz 、波長 0.8μmまで再生
信号が得られるようになった。
【0123】このように、本例のヘッドにより再生特性
が向上するのは、図8に示したように、磁性薄膜2a、
2b間で媒体磁束MFが非磁性薄膜2cを介して導通す
るので、磁束の侵入距離が大きくなり、また、非磁性薄
膜2cの膜厚がギャップ長となるので、この膜厚を小さ
くすることによってこれに対応した短波長の信号の再生
が可能になるからである。なお、この場合、感磁部2の
幅W(図3参照)がトラック幅になる。
が向上するのは、図8に示したように、磁性薄膜2a、
2b間で媒体磁束MFが非磁性薄膜2cを介して導通す
るので、磁束の侵入距離が大きくなり、また、非磁性薄
膜2cの膜厚がギャップ長となるので、この膜厚を小さ
くすることによってこれに対応した短波長の信号の再生
が可能になるからである。なお、この場合、感磁部2の
幅W(図3参照)がトラック幅になる。
【0124】以上のことから、マイクロ波導波路型磁気
再生ヘッドの感磁部の磁性体を、非磁性層を挟んだ2層
膜構造とし、非磁性層が磁気ギャップを構成する構造を
取ることにより、短波長領域での再生出力を向上させら
れることが理解できる。
再生ヘッドの感磁部の磁性体を、非磁性層を挟んだ2層
膜構造とし、非磁性層が磁気ギャップを構成する構造を
取ることにより、短波長領域での再生出力を向上させら
れることが理解できる。
【0125】マイクロ波導波路としてコプレイナー導波
路70を用いた場合には、上記した優れた効果が得られる
が、感磁部2が磁気記録媒体からの信号磁束を最も強く
受ける導波路70の終端において、線路導体9と接地導体
7との短絡部における線路が2方向に分岐していること
から、この分岐箇所では、マイクロ波の磁界成分が線路
導体9の幅方向に一様に向かなくなることがある。
路70を用いた場合には、上記した優れた効果が得られる
が、感磁部2が磁気記録媒体からの信号磁束を最も強く
受ける導波路70の終端において、線路導体9と接地導体
7との短絡部における線路が2方向に分岐していること
から、この分岐箇所では、マイクロ波の磁界成分が線路
導体9の幅方向に一様に向かなくなることがある。
【0126】その結果、信号磁束の侵入により感磁部2
の幅方向の透磁率が変化した際の導波路70の特性インピ
ーダンスの変化が小さくなってしまうと、媒体5からの
信号の記録波長が小さくなるにつれて、感磁部2に信号
磁束が到達する距離が短くなり、到達距離が短絡線路幅
d(図3参照)程度以下になると急速に感度が下がる傾
向がある。従って、短絡線路幅は記録波長以下にすれば
よいが、これを小さくし過ぎると、電気抵抗が大きくな
り、損失が増加し、感度が下がることがある。
の幅方向の透磁率が変化した際の導波路70の特性インピ
ーダンスの変化が小さくなってしまうと、媒体5からの
信号の記録波長が小さくなるにつれて、感磁部2に信号
磁束が到達する距離が短くなり、到達距離が短絡線路幅
d(図3参照)程度以下になると急速に感度が下がる傾
向がある。従って、短絡線路幅は記録波長以下にすれば
よいが、これを小さくし過ぎると、電気抵抗が大きくな
り、損失が増加し、感度が下がることがある。
【0127】このような問題は、図14に示すように、仮
想線で示す位置を変更して、コプレイナー導波路の短絡
線路部79に上述の感磁部2を破線の如くに設けることに
より解決できる。この場合、図14の短絡線路部79の回り
では短絡線路79の幅方向、つまりL1 方向に磁界が発生
するため、反射係数は感磁部2の幅方向の透磁率に依存
する。この状態で磁性薄膜の透磁率が磁気記録媒体から
の信号磁束の侵入により変化すると、終端部における反
射係数が変化する。
想線で示す位置を変更して、コプレイナー導波路の短絡
線路部79に上述の感磁部2を破線の如くに設けることに
より解決できる。この場合、図14の短絡線路部79の回り
では短絡線路79の幅方向、つまりL1 方向に磁界が発生
するため、反射係数は感磁部2の幅方向の透磁率に依存
する。この状態で磁性薄膜の透磁率が磁気記録媒体から
の信号磁束の侵入により変化すると、終端部における反
射係数が変化する。
【0128】このとき、感磁部2に、W1 方向が磁化容
易軸となるように磁気異方性が付与されている場合、磁
化は信号磁束の侵入に伴ってW1 方向からL1 方向に向
きを変え、L1 方向の透磁率が効果的に変化することに
なる。
易軸となるように磁気異方性が付与されている場合、磁
化は信号磁束の侵入に伴ってW1 方向からL1 方向に向
きを変え、L1 方向の透磁率が効果的に変化することに
なる。
【0129】この場合、線路導体9を挟んで両側の接地
導体7−7間(即ち、短絡線路79)に直流バイアス電流
を通電することによって、感磁部2にその幅方向(W1
と直交する方向)に所要のバイアス磁界を印加すれば、
前述したように優れた感度と直線性を得る状態に設定す
ることができる。図11には、図4の感磁部2を仮想線で
示してある。
導体7−7間(即ち、短絡線路79)に直流バイアス電流
を通電することによって、感磁部2にその幅方向(W1
と直交する方向)に所要のバイアス磁界を印加すれば、
前述したように優れた感度と直線性を得る状態に設定す
ることができる。図11には、図4の感磁部2を仮想線で
示してある。
【0130】上述したように、短絡線路部79に磁性体2
を配置する場合には、マイクロ波導波路として図15のよ
うに、終端を短絡したコプレイナー導波路90を用いるこ
とができる。図15Aはコプレイナー導波路90の平面図、
図15B及びCは図15AのB−B線上、C−C線上の断面
図を示す。この場合、図15に示されるように、良導電体
からなる2本の線路導体9−9を特定の間隔を隔ててパ
ターニングしたもので、一方の線路が接地導体7となっ
ている。
を配置する場合には、マイクロ波導波路として図15のよ
うに、終端を短絡したコプレイナー導波路90を用いるこ
とができる。図15Aはコプレイナー導波路90の平面図、
図15B及びCは図15AのB−B線上、C−C線上の断面
図を示す。この場合、図15に示されるように、良導電体
からなる2本の線路導体9−9を特定の間隔を隔ててパ
ターニングしたもので、一方の線路が接地導体7となっ
ている。
【0131】この場合は、短絡線路部79の幅方向(L2
方向)に磁界が発生するため、反射係数は感磁部2のL
2 方向の透磁率に依存するため、W2 方向が磁化容易軸
となるように磁気異方性を付与すれば、磁化は信号磁束
の侵入に伴ってW2 方向からL2 方向に向きを変え、L
2 方向の透磁率が変化することになる。そして、線路導
体9及び接地導体7間(即ち、短絡線路部79)に所要の
直流バイアス電流を通電することによって、感磁部2に
その幅方向L2 にバイアス磁界を与えるようにすること
ができる。
方向)に磁界が発生するため、反射係数は感磁部2のL
2 方向の透磁率に依存するため、W2 方向が磁化容易軸
となるように磁気異方性を付与すれば、磁化は信号磁束
の侵入に伴ってW2 方向からL2 方向に向きを変え、L
2 方向の透磁率が変化することになる。そして、線路導
体9及び接地導体7間(即ち、短絡線路部79)に所要の
直流バイアス電流を通電することによって、感磁部2に
その幅方向L2 にバイアス磁界を与えるようにすること
ができる。
【0132】上述した本実施例は、特徴及び作用効果を
維持しながら、次に述べるようにな種々の変形を加える
ことができる。
維持しながら、次に述べるようにな種々の変形を加える
ことができる。
【0133】図1の磁性薄膜2bも磁性薄膜2aと同様
のCo−Ta−Zr系アモルファス合金製とし、同じ成分で組
成を磁性薄膜2aとは異ならしめて両磁性薄膜間に前述
した特性上の差異を持たせるようにして良い。また、磁
性薄膜2bにはCo−B系又はCo−Si−B系アモルファス
合金が使用でき、磁性薄膜2aにはCo−Nb−Zr系アモル
ファス合金が使用可能である。この他、各磁性薄膜(更
には非磁性薄膜)の材質は種々採用してよい。
のCo−Ta−Zr系アモルファス合金製とし、同じ成分で組
成を磁性薄膜2aとは異ならしめて両磁性薄膜間に前述
した特性上の差異を持たせるようにして良い。また、磁
性薄膜2bにはCo−B系又はCo−Si−B系アモルファス
合金が使用でき、磁性薄膜2aにはCo−Nb−Zr系アモル
ファス合金が使用可能である。この他、各磁性薄膜(更
には非磁性薄膜)の材質は種々採用してよい。
【0134】図16は、図1の磁性薄膜2d、2bを夫々
2層とし、これら2層間に極薄の非磁性薄膜2d、2d
を設けた例を示す。このような層構成とすることによ
り、各磁性薄膜の磁区を安定させることができる。
2層とし、これら2層間に極薄の非磁性薄膜2d、2d
を設けた例を示す。このような層構成とすることによ
り、各磁性薄膜の磁区を安定させることができる。
【0135】図17は、線路導体9側の磁性薄膜の膜厚を
図1の磁性薄膜2aよりも大きくした磁性薄膜22aとし
た例を示す。このようにすると、磁束を導入し易くなっ
て感磁性が向上するものと考えられる。
図1の磁性薄膜2aよりも大きくした磁性薄膜22aとし
た例を示す。このようにすると、磁束を導入し易くなっ
て感磁性が向上するものと考えられる。
【0136】図18は、図1の感磁部2を2つ接近させて
設けた例を示す。このように構成するとにより、2トラ
ック方式として磁気記録媒体の標準走行速度で2倍の密
度若しくは2種のモードでの再生が可能になるものと考
えられる。
設けた例を示す。このように構成するとにより、2トラ
ック方式として磁気記録媒体の標準走行速度で2倍の密
度若しくは2種のモードでの再生が可能になるものと考
えられる。
【0137】図19は、図1の感磁部2を上下に2つ積層
した例を示す。このようすれば、更に異なった再生モー
ドを実現できる。また、図20のように、下方の感磁部の
磁性薄膜を上下逆とし、非磁性薄膜2eを上方の感磁部
との間に設けると、例えば、図8において媒体走行方向
aで信号磁束が交互に向きを変えても、これを上記2つ
の感磁部のいずれかが検出し、再生することができる。
した例を示す。このようすれば、更に異なった再生モー
ドを実現できる。また、図20のように、下方の感磁部の
磁性薄膜を上下逆とし、非磁性薄膜2eを上方の感磁部
との間に設けると、例えば、図8において媒体走行方向
aで信号磁束が交互に向きを変えても、これを上記2つ
の感磁部のいずれかが検出し、再生することができる。
【0138】以上の例は、コプレイナー導波路型磁気再
生ヘッドについての例であるが、図49に示したようなマ
イクロストリップラインタイプに本発明を適用すること
もできる。この場合の動作原理等は、既述したと同様で
ある。
生ヘッドについての例であるが、図49に示したようなマ
イクロストリップラインタイプに本発明を適用すること
もできる。この場合の動作原理等は、既述したと同様で
ある。
【0139】即ち、図21Aは、図49Aと同様に接地導体
7と線路導体9とを誘電体8の層を挟んで上下に配した
例を示す。図21Bは、同様の他の例を示す拡大部分斜視
図で、誘電体8の先端部のうち、感磁部の両側に溝8
a、8aを並べて設け、溝8a、8a間に感磁部2を配
し、これを覆うように線路導体9を設ける。線路導体9
の先端部は、溝8a、8aを充填し、接地導体7に接続
される。
7と線路導体9とを誘電体8の層を挟んで上下に配した
例を示す。図21Bは、同様の他の例を示す拡大部分斜視
図で、誘電体8の先端部のうち、感磁部の両側に溝8
a、8aを並べて設け、溝8a、8a間に感磁部2を配
し、これを覆うように線路導体9を設ける。線路導体9
の先端部は、溝8a、8aを充填し、接地導体7に接続
される。
【0140】図22〜図33の例は、上述した実施例とは異
なり、侵入磁束にリターンパスを設け、このリターンパ
スに、機械加工(バルクプロセス)によって作製された
磁性体半体コアを使用した例である。
なり、侵入磁束にリターンパスを設け、このリターンパ
スに、機械加工(バルクプロセス)によって作製された
磁性体半体コアを使用した例である。
【0141】具体的な実施例の説明に先立って、まず本
例を原理的に説明する。
例を原理的に説明する。
【0142】図22は本例における磁性体を原理的に示す
模式的斜視図、図23は磁性体に侵入する媒体磁束の流れ
を説明するための概略側面図である。
模式的斜視図、図23は磁性体に侵入する媒体磁束の流れ
を説明するための概略側面図である。
【0143】感磁部32は、前記した実施例における磁性
薄膜2aと同等の磁性薄膜32a、非磁性薄膜32c、及び
軟磁性コア材料からバルクプロセスにて削り出された磁
性体半体コア(補助コア)32bが積層されたものであっ
て、磁性体半体コア32bが媒体磁束の向きによってはリ
ターン磁路を構成している。磁性体半体コア32bは、彎
曲部32eを有し、先端部と奥部との間で彎曲部32eと非
磁性薄膜32cとの間に十分な厚みの空間32d(実際には
非磁性材料が充填される)が形成される。
薄膜2aと同等の磁性薄膜32a、非磁性薄膜32c、及び
軟磁性コア材料からバルクプロセスにて削り出された磁
性体半体コア(補助コア)32bが積層されたものであっ
て、磁性体半体コア32bが媒体磁束の向きによってはリ
ターン磁路を構成している。磁性体半体コア32bは、彎
曲部32eを有し、先端部と奥部との間で彎曲部32eと非
磁性薄膜32cとの間に十分な厚みの空間32d(実際には
非磁性材料が充填される)が形成される。
【0144】図23に示すように、磁気記録媒体5からの
媒体磁束MFは、磁性薄膜32aに侵入してから、空間32
dの図面上側で非磁性薄膜32eを通して磁性体半体コア
32bに入り、磁気記録媒体5側へ戻り、閉磁路を形成す
る。但し、媒体5の磁束の向きは場所によって変化する
ので、この変化によって磁束MFの向きが図23とは逆に
なることがあるが、この場合は、磁性薄膜2aがリター
ン磁路となる。
媒体磁束MFは、磁性薄膜32aに侵入してから、空間32
dの図面上側で非磁性薄膜32eを通して磁性体半体コア
32bに入り、磁気記録媒体5側へ戻り、閉磁路を形成す
る。但し、媒体5の磁束の向きは場所によって変化する
ので、この変化によって磁束MFの向きが図23とは逆に
なることがあるが、この場合は、磁性薄膜2aがリター
ン磁路となる。
【0145】このように磁性体半体コア32bを彎曲して
設けることにより、空間32dを十分な厚みとしてここか
らは磁束が漏れることはないため、閉磁路が長くなって
媒体磁束MFの磁性体32aへの侵入距離が大きくなる。
この結果、再生出力か更に増大し、また、非磁性薄膜32
cの膜厚を調整(特に小さく)することによって短波長
信号の再生が可能になる。
設けることにより、空間32dを十分な厚みとしてここか
らは磁束が漏れることはないため、閉磁路が長くなって
媒体磁束MFの磁性体32aへの侵入距離が大きくなる。
この結果、再生出力か更に増大し、また、非磁性薄膜32
cの膜厚を調整(特に小さく)することによって短波長
信号の再生が可能になる。
【0146】なお、図24に示すように非磁性薄膜32c
は、磁性薄膜32aと、磁性体半体コア32bとの先端部の
間にのみ設け、空間32d及びこれよりも奥の側には設け
ないようにしても良い。
は、磁性薄膜32aと、磁性体半体コア32bとの先端部の
間にのみ設け、空間32d及びこれよりも奥の側には設け
ないようにしても良い。
【0147】即ち、この場合には、媒体磁束MFがリタ
ーンパスであるコア32bへ入る位置では非磁性薄膜32c
が存在しないために、リターンパスへの磁束の侵入が容
易となり、上記した閉磁路を形成し易くなる(再生出力
も向上する)。なお、先端部は、非磁性薄膜32cが設け
ているが、これによって磁性薄膜32a−コア32b間の強
度が保持されることになる。
ーンパスであるコア32bへ入る位置では非磁性薄膜32c
が存在しないために、リターンパスへの磁束の侵入が容
易となり、上記した閉磁路を形成し易くなる(再生出力
も向上する)。なお、先端部は、非磁性薄膜32cが設け
ているが、これによって磁性薄膜32a−コア32b間の強
度が保持されることになる。
【0148】以下、本例によるコプレイナー導波路型磁
気再生ヘッドを、製造手順を追いながら具体的に説明す
る。
気再生ヘッドを、製造手順を追いながら具体的に説明す
る。
【0149】先ず、図25に示す磁性体半体コア34を用意
する。この磁性体半体コア34は、軟磁性材料ブロック
(例えばフェライトブロック)を高速溝加工機を用いて
加工して得られたものである。
する。この磁性体半体コア34は、軟磁性材料ブロック
(例えばフェライトブロック)を高速溝加工機を用いて
加工して得られたものである。
【0150】磁性体半体コア34は、基部34aから磁気ギ
ャップ形成部34b、34cが立設してなっていて、磁気ギ
ャップ形成部34b、34cの上端面の幅(フロントギャッ
プ及びバックギャップの幅)はいずれも25μmであり、
従ってトラック幅は25μmである。なお、磁性体半体コ
ア34の材料には、フェライトのほか、Co−Ta−Zr系等の
アモルファス合金が使用できる。
ャップ形成部34b、34cが立設してなっていて、磁気ギ
ャップ形成部34b、34cの上端面の幅(フロントギャッ
プ及びバックギャップの幅)はいずれも25μmであり、
従ってトラック幅は25μmである。なお、磁性体半体コ
ア34の材料には、フェライトのほか、Co−Ta−Zr系等の
アモルファス合金が使用できる。
【0151】次に、図26に示すように、マイクロ波導波
路を構成する誘電体基板38に、磁性体半体コアの厚さW
1 より10μm程度幅広で、深さが磁性体半体コア基部の
高さH1 に等しい溝38aを削設し、図27に示すように、
溝38a内に磁性体半体コア34を設置する。
路を構成する誘電体基板38に、磁性体半体コアの厚さW
1 より10μm程度幅広で、深さが磁性体半体コア基部の
高さH1 に等しい溝38aを削設し、図27に示すように、
溝38a内に磁性体半体コア34を設置する。
【0152】次に、溝38a内に、コア34との間の隙間の
部分も含めて、ガラスを溶かして流し込み、磁性体半体
コア34を誘電体基板38に固定する。
部分も含めて、ガラスを溶かして流し込み、磁性体半体
コア34を誘電体基板38に固定する。
【0153】そして、基板表面のガラスの出っ張りをサ
ンドペーパ等で削り取り除いた後、研削板とダイヤモン
ド研削液を用いて研磨して滑らかにすると同時に、磁性
体半体コア34のフロントギャップ及びバックギャップを
形成する部分(磁気ギャップ形成部34b、34cの表面)
のガラスを取り除いてこれらの表面を露出させる。
ンドペーパ等で削り取り除いた後、研削板とダイヤモン
ド研削液を用いて研磨して滑らかにすると同時に、磁性
体半体コア34のフロントギャップ及びバックギャップを
形成する部分(磁気ギャップ形成部34b、34cの表面)
のガラスを取り除いてこれらの表面を露出させる。
【0154】次に、図28に示すように、誘電体基板38の
上にガラス36及び磁気ギャップ形成部34b、34cを含め
て、磁気ギャップを形成するための非磁性薄膜35をスパ
ッタリングにより全面に成膜する。この例においては、
非磁性薄膜の材料としてはSiO2を用い、非磁性薄膜35の
厚さは 0.5μmとした。従って、ギャップ長は 0.5μm
である。
上にガラス36及び磁気ギャップ形成部34b、34cを含め
て、磁気ギャップを形成するための非磁性薄膜35をスパ
ッタリングにより全面に成膜する。この例においては、
非磁性薄膜の材料としてはSiO2を用い、非磁性薄膜35の
厚さは 0.5μmとした。従って、ギャップ長は 0.5μm
である。
【0155】次に、図29のように、非磁性膜35の上にス
パッタリングにより磁性薄膜40を成膜し、これを磁場中
で熱処理し、図中のe.a方向に磁化容易軸が向くよう
に磁気異方性を付与する。この例においては、磁性薄膜
40としては、厚さ1μmのCo75Ta11Zr14アモルファス薄
膜を用いた。熱処理は 300℃、1kOeの磁界中で1時
間行った。
パッタリングにより磁性薄膜40を成膜し、これを磁場中
で熱処理し、図中のe.a方向に磁化容易軸が向くよう
に磁気異方性を付与する。この例においては、磁性薄膜
40としては、厚さ1μmのCo75Ta11Zr14アモルファス薄
膜を用いた。熱処理は 300℃、1kOeの磁界中で1時
間行った。
【0156】次に、図30に示すように、磁性薄膜40をフ
ォトリソグラフィによりパターニングし、磁性体半体コ
ア34のフロントギャップ部34b及びバックギャップ部34
c上に重なって夫々フロントギャップ及びバックギャッ
プを形成するように、短冊状の磁性薄膜33を成形する。
ォトリソグラフィによりパターニングし、磁性体半体コ
ア34のフロントギャップ部34b及びバックギャップ部34
c上に重なって夫々フロントギャップ及びバックギャッ
プを形成するように、短冊状の磁性薄膜33を成形する。
【0157】次に、図31に示すように、マイクロ波導波
路の線路導体39の終端部とフロントギャップが一致する
ように、マイクロ波導波路100 (線路導体39とこれを挟
む一対の接地導体37、37とからなる)を形成する。これ
らのパターニングは、前記した実施例におけるフォトリ
ソグラフィの要領に準じて行う。
路の線路導体39の終端部とフロントギャップが一致する
ように、マイクロ波導波路100 (線路導体39とこれを挟
む一対の接地導体37、37とからなる)を形成する。これ
らのパターニングは、前記した実施例におけるフォトリ
ソグラフィの要領に準じて行う。
【0158】次に、図31の仮想線位置まで研磨用フィル
ムで先端側を研磨して先端に感磁部32を露出させ、か
つ、導波路100 に沿って切断し、図32に示すコプレイナ
ー導波路型磁気再生ヘッドとする。この例において、フ
ロントギャップのデプス長(ギャップ形成部34bの研磨
後の長さ)を30μmとしている。このようにギャップデ
プス長を小さくすることにより、フロントギャップでの
磁束導通によるロスが極小になる。
ムで先端側を研磨して先端に感磁部32を露出させ、か
つ、導波路100 に沿って切断し、図32に示すコプレイナ
ー導波路型磁気再生ヘッドとする。この例において、フ
ロントギャップのデプス長(ギャップ形成部34bの研磨
後の長さ)を30μmとしている。このようにギャップデ
プス長を小さくすることにより、フロントギャップでの
磁束導通によるロスが極小になる。
【0159】なお、上記に作製されたヘッドの各部は、
図22と対応させると、33が32aに、35が32cに、34aが
32bにそれぞれ対応している。
図22と対応させると、33が32aに、35が32cに、34aが
32bにそれぞれ対応している。
【0160】図33は、以上のプロセスで作製したコプレ
イナー導波路型磁気再生ヘッドを、固定ヘッド評価機と
8mmVTR用磁気テープを用いて評価した再生信号C/
Nの周波数依存性を示すグラフである。測定にはスペク
トルアナライザ(アドバンテストTR4171)を用いた。
導波路に投入されたマイクロ波電力は15dBm 、周波数は
5.2GHzである。
イナー導波路型磁気再生ヘッドを、固定ヘッド評価機と
8mmVTR用磁気テープを用いて評価した再生信号C/
Nの周波数依存性を示すグラフである。測定にはスペク
トルアナライザ(アドバンテストTR4171)を用いた。
導波路に投入されたマイクロ波電力は15dBm 、周波数は
5.2GHzである。
【0161】単層膜のときは2MHz 、波長2μm程度で
再生信号が検出されなくなった(図13に破線で示した比
較例)が、磁性体半体コア32bにより媒体磁束のリター
ンパスを設け、かつギャップ長 0.5μmの磁気ギャップ
を形成することにより、高レベルであって周波数5MHz
以上、波長 0.8μmまでの再生信号が得られるようにな
った。図33のデータは、前記した実施例のそれ(図13参
照)よりも更に向上していることが認められる。
再生信号が検出されなくなった(図13に破線で示した比
較例)が、磁性体半体コア32bにより媒体磁束のリター
ンパスを設け、かつギャップ長 0.5μmの磁気ギャップ
を形成することにより、高レベルであって周波数5MHz
以上、波長 0.8μmまでの再生信号が得られるようにな
った。図33のデータは、前記した実施例のそれ(図13参
照)よりも更に向上していることが認められる。
【0162】以上のことから、マイクロ波導波路型磁気
再生ヘッドの感磁部の磁性体に、媒体磁束のリターンパ
スを設けることにより、短波長領域での再生出力が向上
することが明らかである。
再生ヘッドの感磁部の磁性体に、媒体磁束のリターンパ
スを設けることにより、短波長領域での再生出力が向上
することが明らかである。
【0163】図34〜図42は、上記した磁性体半体コア32
bに替えて、磁性薄膜でリターンパスを形成した例であ
る。
bに替えて、磁性薄膜でリターンパスを形成した例であ
る。
【0164】図34は本例によるマイクロ波導波路型磁界
検出装置を適用した磁気再生ヘッドの層構成を示し、同
図Aは同図BのA−A線断面図、同図Bは同図AのB−
B線拡大断面図である。なお、このヘッドの全体の形状
は、同図Cに斜視図で示すように、前記した実施例の図
32のものと略同じ形状である。
検出装置を適用した磁気再生ヘッドの層構成を示し、同
図Aは同図BのA−A線断面図、同図Bは同図AのB−
B線拡大断面図である。なお、このヘッドの全体の形状
は、同図Cに斜視図で示すように、前記した実施例の図
32のものと略同じ形状である。
【0165】ガラス基板48上にFe−Co−Si−B系アモル
ファス合金からなる短冊状の磁性薄膜42bがリターンパ
スとして被着し、ガラス基板48上に磁性薄膜42a上を含
めてSiO2の非磁性薄膜42cが被着し、その上にレジスト
42dが局部的に設けられ、更にその上に磁性薄膜42bに
対応する位置にCo−Ta−Zr系アモルファス合金からなる
磁性薄膜42aが被着している。磁性薄膜42a、42b、非
磁性薄膜42c及びレジスト42dによって感磁部42が構成
される。
ファス合金からなる短冊状の磁性薄膜42bがリターンパ
スとして被着し、ガラス基板48上に磁性薄膜42a上を含
めてSiO2の非磁性薄膜42cが被着し、その上にレジスト
42dが局部的に設けられ、更にその上に磁性薄膜42bに
対応する位置にCo−Ta−Zr系アモルファス合金からなる
磁性薄膜42aが被着している。磁性薄膜42a、42b、非
磁性薄膜42c及びレジスト42dによって感磁部42が構成
される。
【0166】非磁性薄膜42c上に磁性薄膜42b上を含め
てAuからなる線路導体49が被着し、その両側には切除部
44、44を隔てて接地導体47、47が形成されている。線路
導体49と接地導体47、47とは、先端部でつながってい
る。磁性薄膜42a上には、線路導体49との密着性を良好
にするための下地層(Cr又はTi等からなる)50が設けら
れている。そして、ヘッド先端側はカバーガラス51によ
って覆われている。
てAuからなる線路導体49が被着し、その両側には切除部
44、44を隔てて接地導体47、47が形成されている。線路
導体49と接地導体47、47とは、先端部でつながってい
る。磁性薄膜42a上には、線路導体49との密着性を良好
にするための下地層(Cr又はTi等からなる)50が設けら
れている。そして、ヘッド先端側はカバーガラス51によ
って覆われている。
【0167】図35は、感磁部42を構成する磁性薄膜42
a、42b、非磁性薄膜42c及びレジスト42dの関係を示
す概略斜視図、図36は媒体磁束MFの流れを示す概略図
である。図36は、実際の感磁部において生じる媒体磁束
MFの方向の一態様を示すもの(このときは磁性薄膜42
aがリターン磁路となる。)であって、場所と共に変化
する媒体の信号磁界の向きに対応して感磁部内での媒体
磁束の向きが逆になることがある(この場合は磁性薄膜
42bがリターン磁路となる。)。
a、42b、非磁性薄膜42c及びレジスト42dの関係を示
す概略斜視図、図36は媒体磁束MFの流れを示す概略図
である。図36は、実際の感磁部において生じる媒体磁束
MFの方向の一態様を示すもの(このときは磁性薄膜42
aがリターン磁路となる。)であって、場所と共に変化
する媒体の信号磁界の向きに対応して感磁部内での媒体
磁束の向きが逆になることがある(この場合は磁性薄膜
42bがリターン磁路となる。)。
【0168】次に、図34のマイクロ波導波路型磁気再生
ヘッドの製造手順を、図37〜図42によって説明する。
ヘッドの製造手順を、図37〜図42によって説明する。
【0169】この例では、誘電体基板48に、高周波特性
に優れるガラス基板を使用した。まず、ガラス基板48上
にスパッタリングによってFe−Co−Si−B系アモルファ
ス合金の膜を1μm厚で成膜し、フォトリソグラフィに
よって幅30μm(トラック幅に対応)、長さ1mmの短冊
形にパターニングし、磁性薄膜42bとした。スパッタリ
ングの条件は、Arガス圧1×10-3Torr、投入電力 300W
である。
に優れるガラス基板を使用した。まず、ガラス基板48上
にスパッタリングによってFe−Co−Si−B系アモルファ
ス合金の膜を1μm厚で成膜し、フォトリソグラフィに
よって幅30μm(トラック幅に対応)、長さ1mmの短冊
形にパターニングし、磁性薄膜42bとした。スパッタリ
ングの条件は、Arガス圧1×10-3Torr、投入電力 300W
である。
【0170】次に、磁性薄膜42b上に、磁気ギャップを
構成するための非磁性材料として、スパッタリングによ
りSiO2の膜(非磁性薄膜42c)を 0.5μm厚に成膜す
る。スパッタリングの際の条件は、O2ガスを10%含むAr
ガスでトータルガス圧3×10-3Torrで、投入電力 300W
である。
構成するための非磁性材料として、スパッタリングによ
りSiO2の膜(非磁性薄膜42c)を 0.5μm厚に成膜す
る。スパッタリングの際の条件は、O2ガスを10%含むAr
ガスでトータルガス圧3×10-3Torrで、投入電力 300W
である。
【0171】次に、この上にレジストをスピンコート
し、これをフォトリソグラフィによりパターニングし、
磁性薄膜42bと図37に示す位置関係になるように42dと
して残す。この際、図37中に示したL1 部がフロントギ
ャップを形成するため、L1 の長さを所定のフロントギ
ャップ長より長くなるようにする。この例では、L1 =
50μm、L2 = 100μm、L3 = 850μmとした。
し、これをフォトリソグラフィによりパターニングし、
磁性薄膜42bと図37に示す位置関係になるように42dと
して残す。この際、図37中に示したL1 部がフロントギ
ャップを形成するため、L1 の長さを所定のフロントギ
ャップ長より長くなるようにする。この例では、L1 =
50μm、L2 = 100μm、L3 = 850μmとした。
【0172】次に、これを 120℃でベークし、レジスト
42dを収縮させることにより、図38のようにレジスト42
dのエッジを丸くする。次いで、N2 雰囲気中、 270℃
で5分間熱処理し、レジスト42dを硬化させる。
42dを収縮させることにより、図38のようにレジスト42
dのエッジを丸くする。次いで、N2 雰囲気中、 270℃
で5分間熱処理し、レジスト42dを硬化させる。
【0173】次に、その上にCo−Ta−Zr系アモルファス
合金をスパッタリングにより成膜する。スパッタリング
の際の条件は、Arガス圧1×10-3Torr、投入電力 300
W、膜厚は1μmとした。次いで、これを 270℃、1k
Oeの磁界中で熱処理し、図39に示す方向e.aに磁化
容易軸をもつ磁気異方性を付与する。
合金をスパッタリングにより成膜する。スパッタリング
の際の条件は、Arガス圧1×10-3Torr、投入電力 300
W、膜厚は1μmとした。次いで、これを 270℃、1k
Oeの磁界中で熱処理し、図39に示す方向e.aに磁化
容易軸をもつ磁気異方性を付与する。
【0174】次に、Co−Ta−Zr系アモルファス合金を、
Fe−Co−Si−B系アモルファス合金薄膜42bに重なるよ
うにフォトリソグラフィによりパターニングし、図40に
示すように幅24μm、長さ1mmの磁性薄膜42aに成形す
る。
Fe−Co−Si−B系アモルファス合金薄膜42bに重なるよ
うにフォトリソグラフィによりパターニングし、図40に
示すように幅24μm、長さ1mmの磁性薄膜42aに成形す
る。
【0175】次いで、その上に基板と良導体の膜との接
着を良くするために、まず下地としてCr、Ti等をスパッ
タリングにより成膜する。その上に、スパッタリングに
より良導体金属を成膜する。本実施例においては良導体
金属としてはAuを用いた。成膜はArガス圧3×10-3Tor
r、投入電力 300Wで行った。
着を良くするために、まず下地としてCr、Ti等をスパッ
タリングにより成膜する。その上に、スパッタリングに
より良導体金属を成膜する。本実施例においては良導体
金属としてはAuを用いた。成膜はArガス圧3×10-3Tor
r、投入電力 300Wで行った。
【0176】次に、フォトリソグラフィにより、良導体
金属を図41に示す形状に成形し、線路導体49と一対の接
地導体47、47とからなるコプレイナー導波路110 とす
る。このとき、導波路110 の線路導体49と磁性薄膜42
a、42bとが重なるようにする。更に、最終的に導波路
の先端がフロントギャップの先端になるため、フロント
ギャップの長さが所望の大きさになるように、導波路11
0 の先端と磁性薄膜の相対的な位置関係を定める必要が
ある。本実施例においては、フロントギャップ長を30μ
mとしたため、図のL1'を30μmとした。
金属を図41に示す形状に成形し、線路導体49と一対の接
地導体47、47とからなるコプレイナー導波路110 とす
る。このとき、導波路110 の線路導体49と磁性薄膜42
a、42bとが重なるようにする。更に、最終的に導波路
の先端がフロントギャップの先端になるため、フロント
ギャップの長さが所望の大きさになるように、導波路11
0 の先端と磁性薄膜の相対的な位置関係を定める必要が
ある。本実施例においては、フロントギャップ長を30μ
mとしたため、図のL1'を30μmとした。
【0177】次に、図42に概略を示すように、カバーガ
ラス51を接着し、導波路110 に沿って切断する。但し、
導波路110 の先端部は摺動面になるため、研磨用フィル
ムで研磨して当たり出しを行う必要がある。従って、研
磨した後、摺動面が導波路110 の先端と一致するよう
に、その分の余裕を以て切断する必要がある。
ラス51を接着し、導波路110 に沿って切断する。但し、
導波路110 の先端部は摺動面になるため、研磨用フィル
ムで研磨して当たり出しを行う必要がある。従って、研
磨した後、摺動面が導波路110 の先端と一致するよう
に、その分の余裕を以て切断する必要がある。
【0178】この例の場合、フォトレジスト42dによっ
て図36に示した閉磁路とリターンパス(薄膜の磁性膜42
b)とを形成できる。従って、前記した磁性体半体コア
を用いた例と同等の効果が得られ、また、リターンパス
も薄膜プロセスで形成できるために、その形成が容易か
つ高精度に行える。
て図36に示した閉磁路とリターンパス(薄膜の磁性膜42
b)とを形成できる。従って、前記した磁性体半体コア
を用いた例と同等の効果が得られ、また、リターンパス
も薄膜プロセスで形成できるために、その形成が容易か
つ高精度に行える。
【0179】以上のプロセスで作製したコプレイナー導
波路型ヘッドを、固定ヘッド評価機と8mmVTR用磁気
テープを用いて評価した再生信号のC/Nの周波数依存
性を測定した。測定にはスペクトルアナライザ(アドバ
ンテストTR4171)を用いた。導波路に投入されたマイ
クロ波電力は15dBm 、周波数は5.2GHzである。測定結果
は、前記した実施例における図33の結果と実質的に同じ
であり、この例にあっても前記した実施例と同様の効果
が奏せられる。
波路型ヘッドを、固定ヘッド評価機と8mmVTR用磁気
テープを用いて評価した再生信号のC/Nの周波数依存
性を測定した。測定にはスペクトルアナライザ(アドバ
ンテストTR4171)を用いた。導波路に投入されたマイ
クロ波電力は15dBm 、周波数は5.2GHzである。測定結果
は、前記した実施例における図33の結果と実質的に同じ
であり、この例にあっても前記した実施例と同様の効果
が奏せられる。
【0180】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的思想に基づいて前記の各実施例に種々の変形
を加えることができる。
明の技術的思想に基づいて前記の各実施例に種々の変形
を加えることができる。
【0181】例えば、磁性薄膜や非磁性薄膜等を構成す
る材料には、実施例に挙げた材料のほか、他の適宜の材
料が使用できる。また、本発明に基づく電磁波導波路磁
界検出装置は、再生用磁気ヘッド以外による磁界検出や
磁気センサーにも適用でき、また使用する電磁波として
は、マイクロ波のほか、他の適宜の波長域の電磁波が採
用可能である。
る材料には、実施例に挙げた材料のほか、他の適宜の材
料が使用できる。また、本発明に基づく電磁波導波路磁
界検出装置は、再生用磁気ヘッド以外による磁界検出や
磁気センサーにも適用でき、また使用する電磁波として
は、マイクロ波のほか、他の適宜の波長域の電磁波が採
用可能である。
【0182】また、線路導体、接地導体及び感磁部の形
状や配設位置、更には層構成は、上記各実施例によるほ
か、他の適宜の形状、配設位置とすることができる。な
お、磁性薄膜は線路導体の下部において適宜の位置やサ
イズに変更することも可能である。
状や配設位置、更には層構成は、上記各実施例によるほ
か、他の適宜の形状、配設位置とすることができる。な
お、磁性薄膜は線路導体の下部において適宜の位置やサ
イズに変更することも可能である。
【0183】上記の各実施例は、いずれも、磁気記録媒
体の記録信号を検出対象としているので、感磁部を先端
に設けて図46の反射係数測定方式を採用している。この
ほか、磁気再生ヘッド以外による磁界検出にあっては、
被検出磁界の種類によっては、導波路の長手方向の中間
位置に感磁部を配し、図47の透過係数測定方式を採用す
ることができる。
体の記録信号を検出対象としているので、感磁部を先端
に設けて図46の反射係数測定方式を採用している。この
ほか、磁気再生ヘッド以外による磁界検出にあっては、
被検出磁界の種類によっては、導波路の長手方向の中間
位置に感磁部を配し、図47の透過係数測定方式を採用す
ることができる。
【0184】反射係数測定方式、透過係数測定方式のい
ずれにあっても、先端側からの入力インピーダンスによ
っては電磁波の反射が起こらず、定在波が発生しない場
合があり得るので、上記入力インピーダンスを考慮して
設計することが望ましい。
ずれにあっても、先端側からの入力インピーダンスによ
っては電磁波の反射が起こらず、定在波が発生しない場
合があり得るので、上記入力インピーダンスを考慮して
設計することが望ましい。
【0185】また、上述した実施例ではコプレイナー導
波路型について主として述べたが、マイクロストリップ
ライン型に変形可能であることは勿論である。
波路型について主として述べたが、マイクロストリップ
ライン型に変形可能であることは勿論である。
【0186】また、製法面において、上述した感磁部の
形成プロセスにスパッタリング以外の成膜方法、例えば
真空蒸着法を採用したり、パターニングに他のドライエ
ッチング技術等を採用することは差支えない。
形成プロセスにスパッタリング以外の成膜方法、例えば
真空蒸着法を採用したり、パターニングに他のドライエ
ッチング技術等を採用することは差支えない。
【0187】
【発明の作用効果】本発明に基づく電磁波導波路型磁界
検出装置は、非磁性層を介して積層された複数の薄膜磁
性層からなる積層体を感磁部に設け、前記非磁性層を磁
気ギャップとしているので、被検出磁界による磁性層の
透磁率の変化による定在波、進行波等の変化を利用し
て、伝送路、分布定数回路等の所定位置での電圧、位相
等を検出するようにしたので、その検出(即ち、磁界検
出)を高感度に行うことができる。
検出装置は、非磁性層を介して積層された複数の薄膜磁
性層からなる積層体を感磁部に設け、前記非磁性層を磁
気ギャップとしているので、被検出磁界による磁性層の
透磁率の変化による定在波、進行波等の変化を利用し
て、伝送路、分布定数回路等の所定位置での電圧、位相
等を検出するようにしたので、その検出(即ち、磁界検
出)を高感度に行うことができる。
【0188】また、電磁波導波路型構成とすることによ
って、そのキャリア周波数を高めることができるから、
被検出磁界の信号周波数も高周波とすることができ、よ
り高密度記録化を図ることができる。しかも、磁束感応
型であり、ヘッドと被検出磁界との相対速度に依存せ
ず、また大電力の投入が可能となり、高記録密度化によ
っても再生出力の向上を図ることができる。
って、そのキャリア周波数を高めることができるから、
被検出磁界の信号周波数も高周波とすることができ、よ
り高密度記録化を図ることができる。しかも、磁束感応
型であり、ヘッドと被検出磁界との相対速度に依存せ
ず、また大電力の投入が可能となり、高記録密度化によ
っても再生出力の向上を図ることができる。
【0189】そして、薄膜磁性層が非磁性層を磁気ギャ
ップとして、被検出磁界から侵入する信号磁束に対して
閉磁路を形成するため、信号磁束は薄膜磁性層内に十分
な距離で侵入することができる。しかも、非磁性層の膜
厚を調整することにより、薄膜磁性内で磁束を効率良く
導くことができるから、記録信号が短波長であっても、
これを感磁部内に十二分に通すことができる。
ップとして、被検出磁界から侵入する信号磁束に対して
閉磁路を形成するため、信号磁束は薄膜磁性層内に十分
な距離で侵入することができる。しかも、非磁性層の膜
厚を調整することにより、薄膜磁性内で磁束を効率良く
導くことができるから、記録信号が短波長であっても、
これを感磁部内に十二分に通すことができる。
【0190】しかも、上記のような顕著な効果は、薄膜
磁性層を薄くしなくても実現できるため、インダクタン
スは大きく、出力向上につながり、また磁気特性自体も
良好に保持される。
磁性層を薄くしなくても実現できるため、インダクタン
スは大きく、出力向上につながり、また磁気特性自体も
良好に保持される。
【0191】また、磁性層を薄膜で形成しているので、
薄膜形成技術の採用によって、容易かつ高精度に感磁部
を作製でき、また、その装置の小型化、薄厚化にとって
も有利である。
薄膜形成技術の採用によって、容易かつ高精度に感磁部
を作製でき、また、その装置の小型化、薄厚化にとって
も有利である。
【0192】更に、被検出磁束を侵入させるための磁性
層と、前記被検出磁束をその侵入側へ戻すためのリター
ン磁路とによって感磁部を構成するこにとより、前記閉
磁路の奥行きが深くなり、侵入距離が増大し、リターン
磁路から効率よく磁束が戻されるため、一層短波長の領
域であっても再生出力が更に向上する。
層と、前記被検出磁束をその侵入側へ戻すためのリター
ン磁路とによって感磁部を構成するこにとより、前記閉
磁路の奥行きが深くなり、侵入距離が増大し、リターン
磁路から効率よく磁束が戻されるため、一層短波長の領
域であっても再生出力が更に向上する。
【0193】また、被検出磁束を侵入させるための磁性
層と、前記被検出磁束をその侵入側へ戻すためのリター
ン磁路との少なくとも一方を、薄膜磁性層によって形成
することにより、感磁部の形成(成膜及びパターニン
グ)が高精度かつ容易になる。
層と、前記被検出磁束をその侵入側へ戻すためのリター
ン磁路との少なくとも一方を、薄膜磁性層によって形成
することにより、感磁部の形成(成膜及びパターニン
グ)が高精度かつ容易になる。
【0194】以上の結果、より高感度で、より優れた高
周波特性を有する磁界検出を可能とし、高密度化、高周
波化、短波長化の実現に極めて有効なものである。
周波特性を有する磁界検出を可能とし、高密度化、高周
波化、短波長化の実現に極めて有効なものである。
【図1】本発明の実施例の感磁部の層構成を示す拡大斜
視図である。
視図である。
【図2】同マイクロ波導波路型磁界検出装置の拡大斜視
図である。
図である。
【図3】図2の III部の拡大図である。
【図4】Aは同磁界検出装置におけるコプレイナー導波
路の拡大平面図、Bは図2でのb−b断面図、Cは図2
でのc−c断面図である。
路の拡大平面図、Bは図2でのb−b断面図、Cは図2
でのc−c断面図である。
【図5】同磁界検出装置の電圧分布図である。
【図6】ネットワークアナライザによる入力インピーダ
ンスの測定結果を示す図である。
ンスの測定結果を示す図である。
【図7】A、Bは共に同磁界検出装置の電圧分布図であ
る。
る。
【図8】同感磁部における被検出磁束の流れを説明する
ための概略図である。
ための概略図である。
【図9】同磁界検出装置の作製の第一のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図10】同磁界検出装置の作製の第二のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図11】同磁界検出装置の作製の第三のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図12】同磁界検出装置の作製の第四のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図13】同磁界検出装置の再生信号のC/Nの周波数依
存性を示すグラフである。
存性を示すグラフである。
【図14】同実施例の変形例におけるコプレイナー導波路
の要部拡大平面図である。
の要部拡大平面図である。
【図15】同実施例の他の変形例におけるコプレイナー導
波路の要部拡大平面図(A)及び要部拡大断面図(B、
C)である。
波路の要部拡大平面図(A)及び要部拡大断面図(B、
C)である。
【図16】同実施例の他の変形例におけるマイクロ波導波
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
【図17】同実施例の他の変形例におけるマイクロ波導波
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
【図18】同実施例の他の変形例におけるマイクロ波導波
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
【図19】同実施例の他の変形例におけるマイクロ波導波
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
【図20】同実施例の他の変形例におけるマイクロ波導波
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
路型磁界検出装置の拡大部分断面図である。
【図21】同実施例の他の変形例におけるマイクロ波導波
路型磁界検出装置の拡大部分断面図(A)及び拡大部分
斜視図(B)である。
路型磁界検出装置の拡大部分断面図(A)及び拡大部分
斜視図(B)である。
【図22】本発明の他の実施例の感磁部の層構成を示す斜
視図である。
視図である。
【図23】同感磁部における被検出磁束の流れを説明する
ための概略図である。
ための概略図である。
【図24】同実施例の変形例における感磁部での被検出磁
束の流れを説明するための概略図である。
束の流れを説明するための概略図である。
【図25】同実施例のマイクロ波導波路型磁界検出装置の
作製の第一のステップを示す拡大斜視図(磁性体半体コ
アの拡大斜視図)である。
作製の第一のステップを示す拡大斜視図(磁性体半体コ
アの拡大斜視図)である。
【図26】同磁界検出装置の作製の第二のステップを示す
拡大斜視図(誘電体基板の拡大斜視図)である。
拡大斜視図(誘電体基板の拡大斜視図)である。
【図27】同磁界検出装置の作製の第三のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図28】同磁界検出装置の作製の第四のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図29】同磁界検出装置の作製の第五のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図30】同磁界検出装置の作製の第六のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図31】同磁界検出装置の作製の第七のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図32】同磁界検出装置の拡大部分斜視図である。
【図33】同磁界検出装置の再生信号のC/Nの周波数依
存性を示すグラフである。
存性を示すグラフである。
【図34】本発明の更に他の実施例のマイクロ波導波路型
磁界検出装置の拡大断面図(A、B)及び拡大部分斜視
図(C)である。
磁界検出装置の拡大断面図(A、B)及び拡大部分斜視
図(C)である。
【図35】同感磁部の層構成を示す拡大斜視図である。
【図36】同感磁部における被検出磁束の流れを説明する
ための概略図である。
ための概略図である。
【図37】同磁界検出装置の作製の第一のステップを示す
拡大平面図である。
拡大平面図である。
【図38】同磁界検出装置の作製の第二のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図39】同磁界検出装置の作製の第三のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図40】同磁界検出装置の作製の第四のステップを示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図41】同磁界検出装置の作製の第五のステップを示す
拡大平面図である。
拡大平面図である。
【図42】同磁界検出装置の作製の第六のステップを示す
拡大概略斜視図である。
拡大概略斜視図である。
【図43】本発明の基本的原理を説明するための、分布定
数回路型磁界検出装置の構成図(A)及び電圧分布図
(B)である。
数回路型磁界検出装置の構成図(A)及び電圧分布図
(B)である。
【図44】同磁界検出装置の動作の説明をするための定在
波の説明図である。
波の説明図である。
【図45】同磁界検出装置の構成図である。
【図46】本発明の基本的原理を説明するための、ネット
ワークアナライザによる分布定数回路の反射係数測定の
構成図である。
ワークアナライザによる分布定数回路の反射係数測定の
構成図である。
【図47】同ネットワークアナライザによる分布定数回路
の透過係数の測定の構成図である。
の透過係数の測定の構成図である。
【図48】同磁界検出装置の他の例の構成図である。
【図49】マイクロ波ストリップライン型導波路を有する
磁界検出装置の例の縦断面図(A)及び斜視図(B)で
ある。
磁界検出装置の例の縦断面図(A)及び斜視図(B)で
ある。
【図50】同磁界検出装置の外部磁界(被検出磁界)と検
出電圧の関係を示す図である。
出電圧の関係を示す図である。
【図51】同ネットワークアナライザによる測定結果を示
す図である。
す図である。
【図52】同磁界検出装置の更に他の構成図である。
【図53】マイクロ波ストリップライン型導波路の作製方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図54】同マイクロ波ストリップラインの磁界・電界分
布図である。
布図である。
【図55】同検出電圧−磁界特性曲線図である。
2、32、42 感磁部(磁性体) 2a、2b、32a、42a、42b 磁性薄膜 2c、32c、42c 非磁性薄膜 3 発振器 4、31、44 切除部 5 磁気記録媒体 6 検出器(測定器) 7、37、47 接地導体 8、38、48 誘電体基板 9、39、49 線路導体 32b リターン磁路 34 磁性体半体コア 34b ギャップ形成部 42d レジスト 70、90、100 、110 コプレイナー導波路 MF 被検出磁束
Claims (10)
- 【請求項1】 非磁性層とこの非磁性層を介して積層さ
れた複数の薄膜磁性層とからなる積層体が感磁部に設け
られ、前記非磁性層が磁気ギャップを構成している電磁
波導波路型磁界検出装置。 - 【請求項2】 基体上に第一の磁性層と非磁性層と第二
の磁性層とからなる積層体を薄膜形成法によって設ける
工程と、前記積層体の近傍に電磁波導波路を形成する工
程とを有する、請求項1に記載された電磁波導波路型磁
界検出装置の製造方法。 - 【請求項3】 被検出磁束を侵入させるための磁性層
と、前記被検出磁束をその侵入側へ戻すためのリターン
磁路とによって感磁部が構成され、前記磁性層と前記リ
ターン磁路との少なくとも一方が薄膜磁性層からなって
いる電磁波導波路型磁界検出装置。 - 【請求項4】 リターン磁路又は磁性層が機械加工によ
って作製された磁性体半体コアからなっている、請求項
3に記載された電磁波導波路型磁界検出装置。 - 【請求項5】 磁性層とリターン磁路とが共に薄膜磁性
層からなっている、請求項3に記載された電磁波導波路
型磁界検出装置。 - 【請求項6】 基体に設けた凹部に、機械加工によって
作製された磁性体半体コアを埋め込む工程と、前記磁性
体半体コアに、被検出磁束を導くための磁性層を結合す
る工程と、この結合体の近傍に電磁波導波路を形成する
工程とを有する、請求項4に記載された電磁波導波路型
磁界検出装置の製造方法。 - 【請求項7】 基体上に、被検出磁束を侵入させるため
の磁性層と前記被検出磁束をその侵入側へ戻すためのリ
ターン磁路とを共に薄膜形成法によって形成する工程
と、前記磁性層の近傍に電磁波導波路を形成する工程と
を有する、請求項5に記載された電磁波導波路型磁界検
出装置の製造方法。 - 【請求項8】 複数の薄膜磁性層、又は磁性層及びリタ
ーン磁路が被検出磁束の侵入によって所定の電磁波帯域
で互いに異なる透磁率変化量を示す、請求項1〜7のい
ずれかに記載された電磁波導波路型磁界検出装置又はそ
の製造方法。 - 【請求項9】 複数の薄膜磁性層、又は磁性層及びリタ
ーン磁路がビデオ帯域で高い透磁率を示す、請求項1〜
8のいずれかに記載された電磁波導波路型磁界検出装置
又はその製造方法。 - 【請求項10】 電磁波がマイクロ波である、請求項1〜
9のいずれかに記載された電磁波導波路型磁界検出装置
又はその製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25391492A JPH0676245A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 電磁波導波路型磁界検出装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25391492A JPH0676245A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 電磁波導波路型磁界検出装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0676245A true JPH0676245A (ja) | 1994-03-18 |
Family
ID=17257797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25391492A Pending JPH0676245A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 電磁波導波路型磁界検出装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0676245A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0811967A2 (en) * | 1996-06-04 | 1997-12-10 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic head unit, method of manufacturing the same and magnetic recording and reproducing apparatus using the same |
KR100315419B1 (ko) * | 1999-12-23 | 2001-11-26 | 오길록 | 초고속 폴리머 마하-젠더 광변조기를 위한 진행파형코플라나 전극의 제조 방법 |
-
1992
- 1992-08-28 JP JP25391492A patent/JPH0676245A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0811967A2 (en) * | 1996-06-04 | 1997-12-10 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic head unit, method of manufacturing the same and magnetic recording and reproducing apparatus using the same |
EP0811967A3 (en) * | 1996-06-04 | 1999-07-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic head unit, method of manufacturing the same and magnetic recording and reproducing apparatus using the same |
US6028748A (en) * | 1996-06-04 | 2000-02-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic head apparatus including a quarter wavelength transmission line |
KR100315419B1 (ko) * | 1999-12-23 | 2001-11-26 | 오길록 | 초고속 폴리머 마하-젠더 광변조기를 위한 진행파형코플라나 전극의 제조 방법 |
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